JP2003088306A - 液状食品素材及びその製造方法 - Google Patents
液状食品素材及びその製造方法Info
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Abstract
でき、飲食品中でグルコマンナンが完全にゲル化しなか
ったり、ゲルの塊が生じたりすることもなく、飲食品の
食感や物性等を改善できる液状食品素材及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 グルコマンナンの膨潤液に、油脂にアル
カリ水溶液を混合して得られるW/O型エマルジョンを
分散させてW/O/W型エマルジョンを調製し、糖液と
このW/O/W型エマルジョンとを混合することによ
り、糖類とグルコマンナンとを含む水溶液中に、内相に
アルカリ水溶液を含むW/O型エマルジョンが均一に分
散したpHが4〜8、好ましくは4.5〜7.5である
液状食品素材を得る。前記水溶液は、糖類とグルコマン
ナンと澱粉とを含むものであることが好ましい。また、
前記油脂が不飽和脂肪酸を50質量%以上含む油脂であ
ることが好ましい。更に、前記W/O型エマルジョン
が、油脂と乳化剤とアルカリ水溶液とを含むものである
ことが好ましい。
Description
合することにより、飲食品の食感や物性等を改善できる
液状食品素材及びその製造方法に関する。
ルコマンナンは、D−グルコースとD−マンノースがほ
ぼ1:1.6のモル比で、β−1.4結合により多数結
合した複合多糖類(難消化性多糖類)であり、その分子
量は約100万〜200万である。
れ、保水性が極めて高い、2)天然の高分子多糖の中で
は最も粘度が高い、3)その水溶液はアルカリ性にする
と不可逆的な耐熱性のゲル(コンニャク)に変化する等
の特徴を有しており、コンニャクの原料としてだけでは
なく、飲食品の低カロリー化、食感や物性の改良等の目
的で様々な飲食品に添加されている。
通常、コンニャク粉を水に膨潤・溶解させて、コンニャ
ク糊としてから用いられているが、コンニャク糊は粘度
が高いため、他の原料と均一に混合することが難しく、
その結果、最終製品中にコンニャクゲルの塊が生じた
り、コンニャク糊が完全にゲル化しなかったりするとい
う問題があった。
さを改善するために、例えば、特公平7−73482号
公報には、膨張溶解したコンニャク粉に、塩基性アミノ
酸、塩基性塩類又は両者の混合物を添加混合して、pH
9.0〜10.3のコンニャク糊とし、これを、ゲル化
のための加熱前に、食品原料と混合し、しかる後、コン
ニャク糊のゲル化のための加熱と食品原料の加工のため
の加熱を同時に行って、加工することを特徴とするコン
ニャク添加食品の製造法が開示されている。
は、グルコマンナンとグルコマンナンの凝固剤との混合
物の、粒度が160メッシュ通過であることを特徴とす
る微粉グルコマンナン組成物が開示されている。
方法によれば、グルコマンナンの使い勝手の悪さをある
程度改善できるものの、充分満足できるものではなかっ
た。
原料と均一に混合することができ、飲食品中でグルコマ
ンナンが完全にゲル化しなかったり、ゲルの塊が生じた
りすることもなく、飲食品の食感や物性等を改善できる
液状食品素材及びその製造方法を提供することにある。
め、本発明の一つは、糖類とグルコマンナンとを含む水
溶液中に、内相にアルカリ水溶液を含むW/O型エマル
ジョンが均一に分散しており、pH4〜8であることを
特徴とする液状食品素材である。
とを含む水溶液に、油脂でカプセル化されたアルカリ剤
を分散させて、グルコマンナンのゲル化を遅延させるこ
とにより、低粘度で、容易に他の原料と均一に混合する
ことができ、飲食品の食感や物性等を効果的に改善でき
る液状食品素材を提供できる。この液状食品素材は、他
の飲食品原料と混合して加工調理する際に、カプセル化
されたアルカリ水溶液が浸出してグルコマンナンがゲル
化するので、飲食品に所望の物性を付与することができ
る。
pHが4.5〜7.5であることが好ましい。これによ
れば、飲食品の食感や物性改善効果をより高めることが
できる。
と澱粉とを含むものであることが好ましい。この態様に
よれば、冷凍・解凍した際のグルコマンナンゲルの離水
を防止することができ、冷凍食品等の食感や物性を効果
的に改善できる。
が不飽和脂肪酸を50質量%以上含む油脂からなること
が好ましい。この態様によれば、他の飲食品原料と混合
して加工調理する際に、アルカリ剤を包む油脂相が一層
崩壊し易くなるので、グルコマンナンを均一にゲル化す
ることができる。
と乳化剤とアルカリ水溶液とを含むものであることが好
ましい。この態様によれば、アルカリ水溶液をより均
一、かつ安定して乳化することができるので、安定性に
優れた液状食品素材を提供できる。
マンナンと水とを混合してグルコマンナン膨潤液(I)
を調製し、(2)油脂にアルカリ水溶液を混合してW/
O型エマルジョン(II)を調製し、(3)前記グルコ
マンナン膨潤液(I)と前記エマルジョン(II)とを
混合して、W/O/W型エマルジョン(III)を調製
し、(4)糖液と前記W/O/W型エマルジョン(II
I)とを混合し、pH4〜8の混合物とすることを特徴
とする、液状食品素材の製造方法である。
とを含む水溶液に、アルカリ水溶液を油脂でカプセル化
して混合することにより、該液中でのグルコマンナンの
ゲル化を遅延させることができ、低粘度で、容易に他の
原料と均一に混合でき、飲食品の食感や物性等を効果的
に改善できる液状食品素材を得ることができる。
は、前記混合物のpHが4.5〜7.5となるようにす
ることが好ましい。また、前記混合物を殺菌して容器に
充填封入することが好ましい。
グルコマンナンとを含む水溶液中に、内相にアルカリ水
溶液を含むW/O型エマルジョンが均一に分散した、p
H4〜8、好ましくはpH4.5〜7.5の混合物であ
る。
限はなく、砂糖、ブドウ糖、異性化糖、マルトース、ト
レハロース、ソルビトール、マルチトール、ラクチトー
ル、エリスリトール等の糖及び糖アルコール、各種オリ
ゴ糖、及びそれらの混合物を用いることができる。上記
オリゴ糖としては、マルトオリゴ糖(好ましくは重合度
3〜7)、ニゲロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、パノ
ースオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、
ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖及び
それらのシラップ等が挙げられる。上記糖類は、目的に
応じて、適宜選択して用いることができ、例えば、飲食
品の冷凍耐性を向上させる場合にはマルトオリゴ糖や糖
アルコールを用いることができる。
く、コンニャク芋を乾燥、粉末化して得られる通常のコ
ンニャク粉、コンニャク粉を精製したコンニャク精粉等
を用いることができる。本発明においては、風味や色の
点から、除蛋白したコンニャク粉が特に好ましく用いら
れる。このような除蛋白したコンニャク粉としては、例
えば「レオレックスRS」(商品名、清水化学(株)
製)等が挙げられる。
水溶液は、更に澱粉を含むことが好ましい。澱粉を含有
することにより、冷凍・解凍した際のグルコマンナンゲ
ルの離水を防ぐことができる。上記澱粉としては、例え
ば、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、コーンスタ
ーチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーン
スターチ、米澱粉、蓮根澱粉、甘薯澱粉、サゴ澱粉等
や、それらの化工澱粉が好ましく、中でも架橋澱粉又は
湿熱処理澱粉が特に好ましい。具体的には、ヒドロキシ
プロピル化架橋タピオカ澱粉、アセチル化架橋タピオカ
澱粉、湿熱処理コーンスターチ等が挙げられる。
型エマルジョンについて説明する。本発明で用いられる
油脂としては、食用油脂であればいずれも使用できる
が、中でも不飽和脂肪酸を50質量%以上含む油脂が好
ましく、例えばサフラワー油、菜種油、オリーブ油、茶
種子油、椿油等が挙げられる。このような油脂を用いる
ことにより、液状食品素材を他の飲食品原料と混合して
加工調理する際に、油脂相がより崩壊しやすくなり、グ
ルコマンナンを均一にゲル化することができる。
に用いられるアルカリ剤の水溶液であれば特に制限はな
く用いることができる。このようなアルカリ剤として
は、例えば炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、炭酸カルシウ
ム、リン酸2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸
2カリウム、リン酸3カリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等の塩基性塩
類が挙げられる。
乳化剤を含有することが好ましい。乳化剤を含有するこ
とにより、アルカリ水溶液を均一に乳化することがで
き、安定性の高いエマルジョンを得ることができる。上
記乳化剤としては、HLB5以下のものが好ましく、例
えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ジエチルグリセル
モノ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジ
グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、中でもポリグ
リセリン脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
うにして得ることができる。 (1)グルコマンナンと水とを混合してグルコマンナン
膨潤液(I)を調製する。
水20〜200質量部を加えて撹拌し、グルコマンナン
を膨潤させることにより調製することができる。
/O型エマルジョン(II)を調製する。
カリ水溶液10〜400質量部、より好ましくは100
質量部前後を加え、更に乳化剤等の他の原料を適宜加え
て、ホモミキサー、ホモゲナイザー等の手段により均質
化することにより調製することができる。
れないが、通常、0.5〜20質量%が好ましい。ま
た、アルカリ水溶液の使用量は、最終製品(液状食品素
材)のpHが4〜8、好ましくは4.5〜7.5になる
ように調整すればよい。
の配合割合が10質量部未満であるとW/O型エマルジ
ョン(II)の添加量を多くしなければならず、最終製
品中の油脂含量が高くなり過ぎ、400質量部超である
と安定なエマルジョンを得ることができない。
が、通常、油脂100質量部に対して0.05〜1質量
部が好ましく、0.2〜0.4質量部がより好ましい。
上記油脂100質量部に対する乳化剤の添加量が0.0
5質量部未満であると安定なエマルジョンを得ることが
できず、1質量部超であると風味が悪くなる。
上記W/O型エマルジョン(II)を混合して、W/O
/W型エマルジョン(III)を調製する。
100質量部に対して、上記W/O型エマルジョン(I
I)1〜100質量部を加え、必要に応じて澱粉等の他
の原料を加え、ホモミキサー等の手段により混合するこ
とにより調製することができる。
量部に対する上記W/O型エマルジョン(II)の配合
割合が1質量部未満であるとグルコマンナンを充分にゲ
ル化することが困難になり、100質量部超であるとア
ルカリ剤が過剰となり、飲食品の風味に悪影響を与える
ことがある。
潤液(I)100質量部に対して1〜4質量部が好まし
い。澱粉の添加量が上記範囲外であると、冷凍・解凍に
よるグルコマンナンゲルの離水を充分に防止することが
できない。また、澱粉は予め水に溶解してから加えるこ
とが好ましい。
ン(III)とを混合して、pH4〜8の混合物(液状
食品素材)を調製する。
W/O/W型エマルジョン(III)5〜250質量部
を加え、ホモジナイザー等の手段により混合することに
より調製することができる。上記のようにして得られる
混合物(液状食品素材)は、特にpH調整をしなくても
pH4〜8になる。
られ、シラップの場合はそのまま用いることもできる。
糖液の濃度は特に限定されないが、通常、50〜85質
量%が好ましい。糖液の濃度が50質量%未満であると
製品の保存安定性に劣り、85質量%超であると糖の種
類によっては結晶が析出したり、粘度が高くなり作業性
が悪くなる。なお、上記糖液として、例えば砂糖、乳糖
等のpHの高い(pH6.0〜7.5)糖類の水溶液
(シラップも含む)を用いた場合、上記グルコマンナン
膨潤液(I)を調製する際に、該糖液を混合してもよ
い。
(III)との配合割合が上記範囲外であると該エマル
ジョン(III)を均一に溶解することができなかった
り、得られる混合物のpHが所定の範囲にならず、ま
た、飲食品の食感や物性等の充分な改善が期待できな
い。
合物(液状食品素材)は、殺菌して容器に充填封入する
ことが好ましい。これにより、運搬、保存が容易にな
る。
物性の改良剤として様々な飲食品に使用することがで
き、例えば、パン類、菓子類、惣菜類、フィリング類、
麺類、水産練製品等に好適に用いられる。
する。
マンナン膨潤液(濃度3質量%)を調製した。
ン酸ナトリウム水溶液120g、乳化剤0.8gを加
え、ホモミキサーにより混合均質化して、W/O型エマ
ルジョンを調製した。
W/O型エマルジョン20gを加え、ホモミキサーによ
り混合、均質化してW/O/W型エマルジョンを得た。
オリゴ#360」、日本食品化工社製)700gに、上
記W/O/W型エマルジョン300gを加え、ホモミキ
サーで均一に混合して液状食品素材を得た。
型ミキサーを用い、表2に示す工程でパン生地を調製、
焼成して各パンを作った。なお、表中のオリゴ糖シラッ
プとしては、商品名「フジオリゴ#360」(日本食品
化工社製)を用いた。
官能評価した。また、冷凍耐性は−20℃で1ヶ月間
(チルド耐性の場合は4℃で2週間、冷凍経時変化の場
合は−20℃で3ヶ月間)保存した後、そのボリュー
ム、しっとり感、風味、ソフトさについて総合的に官能
評価を行った。官能評価は10点評価法で行い、平均値
を求めた。なお、点数が高いほどより好ましいことを表
す。それらの結果を併せて表3に示す。
Iは、コントロールのパン及びオリゴ糖シラップのみを
用いたパンIに比べて、食感や風味の点で優れているこ
とが分かる。また、冷凍耐性、チルド耐性、冷凍経時変
化等の保存性も非常に向上していることが分かる。
類とグルコマンナンとを含む水溶液に、油脂でカプセル
化されたアルカリ剤を分散させて、グルコマンナンのゲ
ル化を遅延させることにより、低粘度で、容易に他の原
料と均一に混合することができ、飲食品の食感や物性等
を効果的に改善できる液状食品素材を提供できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 糖類とグルコマンナンとを含む水溶液中
に、内相にアルカリ水溶液を含むW/O型エマルジョン
が均一に分散しており、pH4〜8であることを特徴と
する液状食品素材。 - 【請求項2】 前記液状食品素材のpHが4.5〜7.
5である、請求項1に記載の液状食品素材。 - 【請求項3】 前記水溶液が糖類とグルコマンナンと澱
粉とを含むものである、請求項1又は2に記載の液状食
品素材。 - 【請求項4】 前記W/O型エマルジョンの油脂相が不
飽和脂肪酸を50質量%以上含む油脂からなる、請求項
1〜3のいずれか1つに記載の液状食品素材。 - 【請求項5】 前記W/O型エマルジョンが、油脂と乳
化剤とアルカリ水溶液とを含むものである、請求項1〜
4のいずれか一つに記載の液状食品素材。 - 【請求項6】 (1)グルコマンナンと水とを混合して
グルコマンナン膨潤液(I)を調製し、(2)油脂にア
ルカリ水溶液を混合してW/O型エマルジョン(II)
を調製し、(3)前記グルコマンナン膨潤液(I)と前
記W/O型エマルジョン(II)とを混合してW/O/
W型エマルジョン(III)を調製し、(4)糖液と前
記W/O/W型エマルジョン(III)とを混合して、
pH4〜8の混合物とすることを特徴とする、液状食品
素材の製造方法。 - 【請求項7】 前記混合物のpHが4.5〜7.5とな
るようにする、請求項6に記載の液状食品素材の製造方
法。 - 【請求項8】 前記混合物を殺菌して容器に充填封入す
る、請求項6又は7に記載の液状食品素材の製造方法。
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WO2008068890A1 (ja) | 2006-12-01 | 2008-06-12 | Mitsubishi Chemical Corporation | 食品用品質改良剤および食品 |
WO2009139423A1 (ja) * | 2008-05-16 | 2009-11-19 | 三菱化学株式会社 | 食品用品質改良剤および食品 |
JP2011019484A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Orihiro Plantdew Kk | 添加用蒟蒻含有食品、該蒟蒻含有食品の製造方法および前記蒟蒻含有食品を用いた炊飯方法 |
WO2014010244A1 (ja) * | 2012-07-12 | 2014-01-16 | 株式会社ロッテ | 香味持続性を向上させた食用組成物 |
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2002
- 2002-07-11 JP JP2002202175A patent/JP4035390B2/ja not_active Expired - Fee Related
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