JP2003087084A - 圧電振動子、圧電部品及びその製造方法 - Google Patents

圧電振動子、圧電部品及びその製造方法

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JP2003087084A JP2001272743A JP2001272743A JP2003087084A JP 2003087084 A JP2003087084 A JP 2003087084A JP 2001272743 A JP2001272743 A JP 2001272743A JP 2001272743 A JP2001272743 A JP 2001272743A JP 2003087084 A JP2003087084 A JP 2003087084A
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Teru Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分極方向と垂直な方向におけるエネルギー閉じ
込め性を向上させ、高いQ値が得られるようにした圧電
振動子を提供する。 【解決手段】振動用電極1、2は、圧電基板3の厚み方
向Zの両主面31、32に設けられている。圧電基板3
は、厚み方向Zと直交する長さ方向Xに分極Pxされて
いる。圧電基板3は、振動用電極1、2の幅方向Yの側
部に沿い、分極方向Xに平行に延びる溝41〜44を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子、圧電
部品及びその製造方法に関し、更に詳しくは、厚み滑り
振動を利用する圧電振動子の改良に係る。
【0002】
【従来の技術】この種の圧電振動子では、圧電基板を、
厚み方向と直交する長さ方向に分極し、分極方向と直交
する圧電基板の厚み方向の両主面に、振動用電極を設け
た構造を有する。この種の圧電振動子は、エネルギー閉
じ込め型振動子であるので、振動のエネルギーが共振部
に有効に閉じ込められることが必要である。エネルギー
閉じ込め効率を向上させる手段として、例えば、特開平
7ー147527号公報は、分極方向と一致する長さ方
向の両側に、幅方向に沿って延びる溝を設け、分極方向
と平行な方向のエネルギー閉じ込め効率を向上させた圧
電共振子を開示している。
【0003】しかし、この圧電共振子は、振動用電極の
幅方向の両側、即ち、分極方向と垂直な方向におけるエ
ネルギー閉じ込め効率を改善することができない。この
ため、エネルギー閉じ込め効率の向上に限界を生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、分極
方向と垂直な方向におけるエネルギー閉じ込め性を向上
させ、高いQ値が得られるようにした圧電振動子、圧電
部品及びその製造方法を提供することである。
【0005】本発明のもう一つの課題は、圧電基板の両
主面側において、ほぼ同一のエネルギー閉じ込め性を確
保できるようにした圧電振動子、圧電部品及びその製造
方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る圧電振動子は、振動用電極と、圧電基
板とを含む。前記圧電基板は、厚み方向と直交する長さ
方向に分極されている。前記振動用電極は、前記圧電基
板の厚み方向の両主面に設けられている。前記圧電基板
は、前記振動用電極の幅方向の側部に沿い、前記分極方
向に延びる溝を有する。
【0007】上述したように、本発明に係る圧電振動子
では、圧電基板は、厚み方向と直交する長さ方向に分極
されており、振動用電極は分極方向と直交する圧電基板
の厚み方向の両主面に設けられているから、厚み滑り振
動モードを利用した圧電振動子が得られる。
【0008】上述した厚み滑り振動モードを利用した圧
電振動子において、圧電基板は振動用電極の幅方向の側
部に沿い、分極方向に延びる溝を有するから、分極方向
と垂直な方向において、振動用電極の幅方向の側部に対
するエネルギー閉じ込め性を向上させ、高いQ値を確保
することができる。
【0009】また、溝によると、振動用電極とは反対側
の圧電基体の周辺部に、振動用電極を形成した面と同じ
平面を構成する平面が残るので、圧電振動子に封止構造
体を組み合わせて圧電部品を得る場合、圧電振動子に対
する封止構造体の接合構造を簡素化し、量産性の向上に
資することができる。
【0010】溝は、好ましくは、振動用電極の両側部に
設けられる。このような構造であれば、振動用電極の幅
方向の両側におけるエネルギー閉じ込め性を向上させる
ことができる。
【0011】溝は、圧電基板の両主面の片面または両面
に設けることができる。エネルギー閉じ込め性の向上と
いう観点からは、両面に設けることが特に好ましい。両
面側において、対称性のあるエネルギー閉じ込め作用が
得られるからである。
【0012】溝を圧電基板の両主面に形成する場合、溝
は、互いに向き合う位置に設けることが好ましい。この
ような配置によれば、圧電基板の両主面側において、エ
ネルギー閉じ込め作用の対称性が更に向上し、Q値の向
上に資するからである。
【0013】溝は、圧電基板の長さ方向の両端面に開口
していることが好ましい。このような構造であると、溝
を、機械加工により、容易に形成できる。
【0014】圧電基体の幅W1と溝の幅W2との比(W
2/W1)、及び、圧電基体3の幅W1と、振動用電極
の中心から、溝の端縁までの距離W3との比(W3/W
1)は、エネルギー閉じ込め性に影響を与える。本発明
は、更に、上述した圧電振動子と、封止構造体とを含む
圧電部品、及び、この圧電部品の製造方法についても開
示する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る圧電振動子の
斜視図、図2は図1に示した圧電振動子の正面図、図3
は図2の3−3線における断面図である。図示された圧
電振動子は、振動用電極1、2と、圧電基板3とを含
む。
【0016】振動用電極1、2は、圧電基板3の厚み方
向Zの両主面31、32に設けられている。振動用電極
1、2は周知の電極形成技術に従って形成されている。
振動用電極1、2にはリード電極11、21が備えられ
ている。
【0017】圧電基板3は、周知の圧電セラミック材料
を用いて構成され、厚み方向Zと直交する長さ方向Xに
分極Pxされている。以下の説明において、長さ方向X
を分極方向Xと表示することがある。圧電基板3の長さ
L1、幅W1及び厚みt1は適用される周波数に応じて
選定される。一例として、L1=4.5mm、W1=
2.0mm、厚みt1=0.209mmの例がある。
【0018】圧電基板3は、振動用電極1、2の幅方向
Yの側部に沿い、分極方向Xに延びる溝41〜44を有
する。実施例において、溝41、42は圧電基板3の主
面31に備えられ、溝43、44は、主面31とは反対
側の他の主面32に設けられている。溝41、42は、
振動用電極1の幅方向Yの両側部に設けられており、溝
43、44は、振動用電極2の幅方向Yの両側部に設け
られている。
【0019】溝41〜44は、溝幅W2を有し、圧電基
板3の中心に対応する振動用電極1、2の中心O1から
間隔W3を隔てて配置されている。溝幅W2は、溝41
〜44のそれぞれにおいて異なっていてもよい。
【0020】圧電基体3の幅W1と、溝41〜44の幅
W2との比(W2/W1)は、 (W2/W1)≧0.1 を満たすことが好ましい。
【0021】圧電基体3の幅W1と、振動用電極1、2
の中心O1から、溝41〜44の端縁までの距離W3と
の比(W3/W1)は、 W3/W1)≦0.25 を満たすことが好ましい。これらの寸法比の選定理由に
ついては、後述する。
【0022】溝41、42と溝43、44は、互いに向
き合う位置に設けられている。また、溝41〜44は、
圧電基板3の長さ方向Xの両端面に開口している。これ
とは異なって、溝41、42のみを圧電基板3の主面3
1に設け、溝43、44は省略する構造や、主面31に
溝41のみを設け、主面32に溝44のみを設ける構造
を採用することもできる。
【0023】更に、溝41〜44は、振動用電極1、2
とは反対側の圧電基体の周辺部に、振動用電極1、2を
形成した面と同じ平面を構成する平面が残るように、圧
電基体3の周辺から間隔を隔てて形成してある。振動用
電極1、2のリード電極11、12は、溝41〜44の
内壁面に沿って導かれ、更に、溝41〜44の外側の平
面に延長される。
【0024】溝41〜44の内壁面の作る形状は、図示
の矩形状の他、円弧状、多角形状またはそれらの組み合
わせであってもよい。
【0025】上述したように、本発明に係る圧電振動子
では、圧電基板3は、厚み方向Zと直交する長さ方向X
に分極されており、振動用電極1、2は分極方向Xと直
交する圧電基板3の厚み方向Zの両主面31、32に設
けられているから、厚み滑り振動モードを利用した圧電
振動子が得られる。
【0026】上述した厚み滑り振動モードを利用した圧
電振動子において、圧電基板3は振動用電極1、2の幅
方向Yの側部に沿い、分極方向Xに延びる溝41、4
2、43、44を有するから、分極方向Xと垂直な方向
において、振動用電極1、2の幅方向Yの側部に対する
エネルギー閉じ込め性を向上させ、高いQ値を確保する
ことができる。
【0027】しかも、溝41〜44は、振動用電極1、
2とは反対側の圧電基体3の周辺部に、振動用電極1、
2を形成した面と同じ平面を構成する平面が残るように
形成されているので、圧電振動子に封止構造体を組み合
わせて圧電部品を得る場合(後述)、圧電振動子に対す
る封止構造体の接合構造を簡素化し、量産性の向上に資
することができる。
【0028】図示実施例において、溝41〜44は、振
動用電極1、2の両側部に設けられている。このような
構造であれば、振動用電極1、2の幅方向Yの両側にお
けるエネルギー閉じ込め性を向上させることができる。
【0029】また、溝41〜44は、圧電基板3の両主
面31、32に設けられているので、両主面31、32
において、対称性のあるエネルギー閉じ込め作用が得ら
れ、エネルギー閉じ込め作用が高められる。
【0030】更に、溝41〜44は互いに向き合う位置
に設けられているから、圧電基板3の両主面31、32
の側において、エネルギー閉じ込め作用の対称性が更に
向上し、Q値の向上に資するからである。
【0031】溝41〜44は、圧電基板3の長さ方向X
の両端面に開口しているから、溝41〜44は、ダイシ
ングソー等を用いた機械加工により、容易に形成でき
る。
【0032】図4は図1〜図3に図示した圧電振動子を
用いた圧電部品の一例を示す分解斜視図、図5は図4に
示した圧電部品の断面図、図6は図5の6ー6線に沿っ
た断面図である。図示された圧電部品は、圧電振動子5
と、2つの封止構造体6、7とを含む。圧電振動子5は
図1〜図3に図示されたものでなる。封止構造体6、7
は、圧電振動子5に結合され圧電振動子5の周りに振動
空間54、55を形成する。図示実施例おいて、封止構
造体6、7は、第1の面板部材6と、第2の面板部材7
とを含む。
【0033】第1の面板部材6及び第2の面板部材7
は、圧電振動子5を、その厚み方向の両面側から挟持す
るように配置され、接着剤層である空洞形成層52、5
3によって、圧電振動子5の圧電基板3の周辺部に接着
されている。第1及び第2の面板部材6、7は、絶縁性
セラミックス板または絶縁性プラスチック板によって構
成される。
【0034】空洞形成層52、53は、圧電基板3の主
面31、32の周辺部に枠状に配置されている。より詳
しくは、空洞形成層52、53は、幅方向Yでは、溝4
1〜44よりは外側の平面部に付着される。溝41〜4
4よりは外側の平面部は、振動用電極1、2の付着され
た面と、同一平面を構成する。従って、振動用電極1、
2の上には、空洞形成層52、53の層厚に対応する振
動空間54、55が形成されることになる。
【0035】空洞形成層52、53は凹部41〜44の
部分では、その内部に充填される。これにより、凹部4
1〜44は、長さ方向Xの両端が、空洞形成層52、5
3によって閉じられる。
【0036】圧電振動子5のリード電極11、21は、
その端部が、空洞形成層52、53と圧電基板3との間
の界面から外部に露出される。リード電極11、21の
露出された端部は、第1の面板部材6、圧電基板3及び
第2の面板部材7の側面に連続して形成される端子電極
81、82に電気的、機械的に接続される。
【0037】図7は、図4〜図6に示した圧電部品につ
いて、比(W2/W1)とQmaxとの関係を示すグラ
フである。圧電振動子5の寸法は、L1=4.5mm、
W1=2.0mm、t1=0.209mm(図1参照)
である。溝41〜44は深さt2=0.03mm(一
定)とし、振動用電極1、2の中心O1からの距離W3
=0.325mm(一定)とした。
【0038】上述した条件のもとで、溝41〜44の溝
幅W2を変化させ、そのときのQmaxの値を測定し
た。Qmaxは共振周波数と反共振周波数の間における
Qの最大値を意味する。Qは圧電振動子(共振子)のリ
アクタンス分Xの絶対値を、その抵抗分Rで除算した値
である。即ち、Q=|X|/Rである。
【0039】図7を参照すると、圧電基体3の幅W1
と、溝41〜44の幅W2との比(W2/W1)が、
0.1以上の領域ではQmaxの値が増大する。これ
は、(W2/W1)≧0.1の範囲では、分極方向と垂
直方向におけるエネルギー閉じ込め性が向上するためと
推測される。
【0040】図8は、図4〜図6に示した圧電部品につ
いて、比(W3/W1)とQmaxとの関係を示すグラ
フである。圧電振動子5の寸法は、L1=4.5mm、
W1=2.0mm、t1=0.209mm(図1参照)
である。溝41〜44は深さt2=0.03mm(一
定)とし、溝幅W2=0.15mm(一定)とした。
【0041】図8に示すように、圧電基体3の幅W1
と、振動用電極1、2の中心O1から、溝41〜44の
端縁までの距離W3との比(W3/W1)が、0.25
を超えると、Qmaxが低下する。これに対して、(W
3/W1)≦0.25の範囲では、ほぼ一定したQma
x値が得られる。これは、(W3/W1)≦0.25の
範囲では、分極方向と垂直方向におけるエネルギー閉じ
込め性が向上するためと推測される。
【0042】図9は図1〜図3に図示した圧電振動子を
用いた圧電部品の他の例を示す断面図、図10は図9の
10−10線に沿った断面図である。図示された圧電部
品は、圧電振動子5と、支持部材7と、キャップ6とを
含む。
【0043】支持部材7の一面上には、図1〜図3に示
した圧電振動子5が搭載されている。支持部材7は、電
気絶縁性を有するセラミックス板またはプラスチック板
によって構成され、その両側に外部接続用の端子電極8
1、82が設けられ、端子電極81、82の間の中間部
に接地用の端子電極83が設けらている。端子電極8
1、82は、圧電振動子5を搭載した面と、側面とに連
続するように設けられている。
【0044】圧電振動子5は、圧電基板3の両主面に振
動用電極1、2が備えられており、振動用電極1、2の
リード電極11、21が端子電極81、82に対向する
ように配置される。リード電極11、21は導電性接着
剤56、57により、端子電極81、82に導通接続さ
れる。圧電基板3の分極方向については、既に述べた通
りである。
【0045】キャップ6は、圧電振動子5を包囲し、支
持部材7の一面上に搭載されている。キャップ6は、そ
の内部に密閉された振動空間54、55が形成されるよ
うに、支持部材7との接合面が接着剤等によって封止さ
れる。
【0046】図9及び図10に示した圧電部品も、図4
〜図6に図示し、説明した圧電部品と同様の作用効果を
奏する。
【0047】次に、図11〜図25を参照し、本発明に
係る圧電部品の製造方法を説明する。図11〜図25
は、直接には図4〜図6に示した圧電部品を製造する方
法を開示するものであるが、図9及び図10に示した圧
電部品の製造にも適用できる。
【0048】まず、図11に示すように 多数の圧電部
品を含み得る平面積を有する圧電基板300を用意し、
この圧電基板300を、図12に示すように、周知の研
摩手段によって研摩する。研摩は圧電基板300の厚み
方向の両面において行う。
【0049】次に、図13、図14に示すように、圧電
基板300に分極処理を施す。分極処理に当っては、圧
電基板300を、板面と平行する方向に分極する。この
分極処理は、厚み滑り振動のための分極であり、その分
極処理法は周知である。
【0050】具体的には、圧電基板300の一面に、多
数の帯状の分極用電極301を間隔を隔てて付着させる
とともに、圧電基板300の他面にも、分極用電極30
1と対向する位置に、これと同様の帯状の分極用電極3
02(図14参照)を設ける。互いに対向関係にある分
極電極301、302は、電気的に導通させる。
【0051】そして、直流電源Eから供給される電圧供
給ラインの一方を、分極用電極301に対し1つおきに
接続し、電圧供給ラインの他方を、電圧供給ラインの一
方が接続されている分極用電極301とは対向関係にな
い分極用電極302に対し、1つおきに接続する。これ
により、圧電基板300は長さ方向Xに分極Pxされ
る。
【0052】次に、分極用電極301、302を除去し
た後、図15に示すように、圧電基板300の厚さ方向
Zの両面に多数の溝400を形成する。溝400は、ダ
イシングソー等を用いた機械加工によって形成すること
ができる。溝400は圧電基板300の幅方向Yに所定
の間隔を隔てて形成する。溝400は、長さ方向Xの両
端が、圧電基板300の両端に開口するように形成する
ことが、作業効率の観点から好ましい。
【0053】次に、図16に示すように、圧電基板30
0の一面上に振動用電極101及びリード電極102を
含む導体パターン100を、圧電基板300の長さ方向
Xに、間隔を隔てて多数形成する。各導体パターン10
0における振動用電極101は、隣接する2つの溝40
0−400の間の平面に位置させる。導体パターン10
0はスクリーン印刷、スパッタリング、蒸着、メッキま
たはこれらの併用によって形成することができる。
【0054】次に、図17に示すように、圧電基板30
0の他面上にも、振動用電極201及びリード電極20
2を含む導体パターン200を、圧電基板300の長さ
方向Xに、間隔を隔てて多数形成する。各導体パターン
200における振動用電極201は、隣接する2つの溝
400−400の間に位置させる。導体パターン200
も、導体パターン100と同様に、スクリーン印刷、ス
パッタリング、蒸着、メッキまたはこれらの併用によっ
て形成することができる。
【0055】次に、図18に示すように、振動用電極1
01の周りを囲むように、圧電基板300の一面に、空
洞形成層となる接着剤層520を付着させる。接着剤層
520は、圧電基板300の幅方向Yでは、溝400の
外側の平面に乗り、長さ方向Xでは溝400を閉じるよ
うに塗布される。接着剤層520はスクリーン印刷によ
って形成できる。
【0056】次に、図19に示すように、振動用電極2
01の周りを囲むように、圧電基板300の他面に、空
洞形成層となる接着剤層530を付着させる。接着剤層
530も、圧電基板300の幅方向Yでは、溝400の
外側の平面に乗り、長さ方向Xでは溝400を閉じるよ
うに塗布される。接着剤層530はスクリーン印刷また
は接着シートの適用によって形成できる。
【0057】次に、図20、図21に図示するように、
圧電基板300の両面側の接着剤層520、530の上
に、第1の封止部材600及び第2の封止部材700を
それぞれ接合する。これにより、図22に図示するよう
な圧電部品集合体が得られる。
【0058】図4〜図6に示した圧電部品を得る場合
は、第1の封止部材600及び第2の封止部材700
は、第1の面板部材及び第2の面板部材に相当し、図
9、図10に示した圧電部品を得る場合は、第1の封止
部材600はキャップに相当し、第2の封止部材700
は支持部材に相当する。
【0059】次に、図23に示すように、圧電部品集合
体を、Y1−Y1線に沿って切断して、図24に示すよ
うに、スティック状(バー状)の圧電部品集合体を取り
出す。図23はY1ーY1線で示される切断位置の明確
化のため、また、図24は図23の図示との整合性を採
るため、第1の封止部材600を省略して示してある。
【0060】次に、図25に示すように、圧電部品集合
体を、X1−X1線に沿って切断して個々の圧電部品を
取り出す。これにより、図4〜図6に図示した圧電部品
が得られる。説明は省略するが、図9、図10に示した
圧電部品も、図11〜図25に図示した製造方法の適用
によって製造できる。
【0061】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)分極方向と垂直な方向におけるエネルギー閉じ込
め性を向上させ、高いQ値が得られるようにした圧電振
動子、圧電部品及びその製造方法を提供することができ
る。 (b)圧電基板の両主面側において、ほぼ同一のエネル
ギー閉じ込め性を確保できるようにした圧電振動子、圧
電部品及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電振動子の斜視図である。
【図2】図1に示した圧電振動子の正面図である。
【図3】図2の3−3線における断面図である。
【図4】図1〜図3に図示した圧電振動子を用いた圧電
部品の一例を示す分解斜視図である。
【図5】図4に示した圧電部品の断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った断面図である。
【図7】図4〜図6に示した圧電部品について、比(W
2/W1)とQmaxとの関係を示すグラフである。
【図8】図4〜図6に示した圧電部品について、比(W
3/W1)とQmaxとの関係を示すグラフである。
【図9】図1〜図3に図示した圧電振動子を用いた圧電
部品の他の例を示す断面図である。
【図10】図9の10−10線に沿った断面図である。
【図11】本発明に係る圧電部品の製造方法に用いられ
る圧電基板の平面図である。
【図12】図11に示した圧電基板に対する研摩工程を
示す図である。
【図13】研摩後の分極処理を示す平面図である。
【図14】研摩後の分極処理を示す正面図である。
【図15】分極処理後の溝加工を示す図である。
【図16】溝加工後の導体パターン形成工程を示す平面
図である。
【図17】図16に示した工程の後の導体パターン形成
工程を示す図である。
【図18】導体パターン形成工程の後の接着剤層形成工
程を示す図である。
【図19】図18に示した接着剤層形成工程の後の接着
剤層形成工程を示す図である。
【図20】積層工程を表面側から見た図である。
【図21】積層工程を裏面側から見た図である。
【図22】図20、図21の工程を経て得られた圧電部
品集合体の正面図である。
【図23】図22に示した圧電部品集合体において切断
位置の明確化のため、第1の封止部材を省略して示した
平面図である。
【図24】図23に示した切断工程を経て得られたステ
ィック状(バー状)の圧電部品集合体の平面図である。
【図25】図24に示した圧電部品集合体に対する次の
切断処理を示す図である。
【符号の説明】
1、2 振動用電極 3 圧電基板 31、32 主面 41〜44 溝
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03H 9/02 H01L 41/08 C 9/10 41/22 Z (72)発明者 鈴木 輝 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 井上 正良 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5J108 BB04 CC04 CC09 CC11 CC12 CC13 DD02 EE03 FF01 GG03 KK03 KK04 MM02 MM04 MM11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動用電極と、圧電基板とを含む圧電振
    動子であって、 前記圧電基板は、厚み方向と直交する長さ方向に分極さ
    れており、 前記振動用電極は、前記圧電基板の厚み方向の両主面に
    設けられており、 前記圧電基板は、更に、前記振動用電極の幅方向の側部
    に沿い、前記分極方向に延びる溝を有する圧電振動子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された圧電振動子であっ
    て、前記溝は、前記振動用電極の両側部に設けられてい
    る圧電振動子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された圧電振動子であっ
    て、前記溝は、前記圧電基板の前記両主面に設けられて
    いる圧電振動子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された圧電振動子であっ
    て、前記溝は、前記圧電基板の長さ方向の両端面に開口
    している圧電振動子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された圧電振動子であっ
    て、前記溝は、前記両主面において互いに向き合う位置
    に設けられている圧電振動子。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載された圧電振動子であっ
    て、前記圧電基体の幅をW1とし、溝の幅をW2とした
    とき、比(W2/W1)は、 (W2/W1)≧0.1 を満たす圧電振動子。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載された圧電振動子であっ
    て、前記圧電基体の幅をW1とし、前記幅W1の中心に
    一致する前記振動用電極の中心O1から、前記溝の端縁
    までの距離をW3としたとき、比(W3/W1)は、 (W3/W1)≦0.25 を満たす圧電振動子。
  8. 【請求項8】 圧電振動子と、封止構造体とを含む圧電
    部品であって、 前記圧電振動子は、請求項1乃至7の何れかに記載され
    たものでなり、 前記封止構造体は、前記圧電振動子に結合され、前記圧
    電振動子の厚み方向の両面に振動空間を形成する圧電部
    品。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載された圧電部品であっ
    て、前記封止構造体は、第1の面板部材と、第2の面板
    部材とを含み、前記第1の面板部材及び前記第2の面板
    部材は前記圧電振動子を両面側から挟持する圧電部品。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載された圧電部品であっ
    て、前記封止構造体は、支持部材と、キャップとを含
    み、 前記支持部材はその一面上に前記圧電振動子が搭載され
    ており、 前記キャップは、前記圧電振動子を包囲し、前記支持部
    材の前記一面上に搭載されている圧電部品。
  11. 【請求項11】 圧電部品の製造方法であって、 多数の圧電部品を含み得る平面積を有する圧電基板を研
    摩し、 次に、前記圧電基板に、板面と平行な方向の分極処理を
    施し、 次に、前記圧電基板の厚さ方向の両面に多数の溝を形成
    し、前記溝は前記圧電基板の長さ方向に所定の間隔を隔
    てて形成し、 次に、前記圧電基板の両面上に振動用電極及びリード電
    極を含む導体パターンを、前記圧電基板の幅方向に、間
    隔を隔てて多数形成し、その際、各導体パターンにおけ
    る前記振動用電極は前記溝の間の平面に形成し、 次に、前記振動用電極の周りを囲むように、前記圧電基
    板の両面に、空洞形成層を付着させ、 次に、前記圧電基板の両面側の前記空洞形成層の上に、
    第1の封止部材及び第2の封止部材をそれぞれ接合し
    て、圧電部品集合体を構成し、 次に、前記圧電部品集合体を切断して、個々の圧電部品
    を取り出す工程を含む圧電部品の製造方法。
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