JP2003086506A - 化合物半導体素子、その製造方法、発光素子およびトランジスタ - Google Patents
化合物半導体素子、その製造方法、発光素子およびトランジスタInfo
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Abstract
珪素の{1.1.1.}結晶面の間隔を、リン化硼素の
{1.1.0.}結晶面の間隔に一致させる様にした表
面の珪素単結晶を基板として、結晶性に優れるリン化硼
素系半導体層をもたらす技術を提供する。 【解決手段】[1.1.0.]結晶方位に向かって、
5.0°以上で9.0°以下の角度で傾斜した{1.
1.1.}結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、
{1.1.0.}結晶面を有するリン化硼素系半導体層
を積層する。
Description
する珪素(Si)単結晶(シリコン)を基板として化合
物半導体素子を構成するための技術に関する。
て、硼素(B)とリン(P)とを構成元素として含むリ
ン化硼素(BP)系III−V族化合物半導体(リン化
硼素系半導体)が知られている(寺本 巌著、「半導体
デバイス概論」(1995年3月30日、(株)培風館
発行初版、26〜28頁参照)。リン化硼素(BP)
は、フィリップス(Philips)のイオン結合度が
0.006と小さく(フィリップス著、「半導体結合
論」(1985年7月25日、(株)吉岡書店発行第3
刷、51頁参照)、全んど共有結合からなる物質であ
る。また、閃亜鉛鉱(zinc−blend)型の立方
晶であるため、縮退した価電子帯のバンド構造を有する
(生駒 俊明、生駒 英明共著、「化合物半導体の基礎
物性入門」(1991年9月10日、(株)培風館発行
初版)、14〜17頁参照)。このため、リン化硼素に
あっては、p形の導電層を容易に獲得できる利点が備わ
っている。
上に設けられたリン化硼素層を利用して様々な化合物半
導体素子が構成されている。例えば、リン化硼素層を利
用したヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)が知れ
ている(J.Electrochem.Soc.,12
5(4)(1978)、633〜637頁参照)。ま
た、リン化硼素層をウィンドウ(window)層とし
て利用した太陽電池がある(上記のJ.Electro
chem.Soc.,参照)。また、リン化硼素並びに
その混晶を利用して、青色帯或いは緑色帯の発光ダイオ
ード(LED)或いはレーザダイオード(LD)を構成
する技術が開示されている(日本国特許第28096
90号、第2809691号、第2809692号
各公報、及び米国特許6,069,021号参照)。
monophosphide)の格子定数は約4.53
8Åである(上記の「半導体デバイス概論」、28頁参
照)。一方、基板として利用されている珪素(Si)単
結晶は、同じくの立方晶の閃亜鉛鉱(zinc−ble
nd)型結晶であり、その格子定数は約5.431Åで
ある(上記の「半導体デバイス概論」、28頁参照)。
従って、格子のミスマッチ(mismatch)度を、
珪素単結晶の格子定数(=5.431Å)に対する、双
方の結晶の格子定数の差異(=0.893Å)の比率で
表すと約16.6%の大きに達する。この大きな格子ミ
スマッチ度に因るリン化硼素層のSi基板表面からの剥
離を防止するために、比較的低温で成長させた非晶質を
含む多結晶のリン化硼素からなる低温緩衝層をSi基板
表面に設ける技術手段が開示されている(上記の米国特
許6,069,021号参照)。
ン化硼素系半導体層は、例えば表面を{1.0.0.}
または{1.1.1.}結晶面とする珪素単結晶を基板
として形成されている(上記の米国特許6,069,0
21号参照)。特に、{1.1.1.}結晶面では、
{1.0.0.}結晶面に比較して珪素原子が密に存在
しているため、低温緩衝層を構成する硼素(B)及びリ
ン(P)の珪素単結晶基板内部への浸透を抑制するに有
効であるとされている。
晶面の相互の間隔は約3.136Åである。一方、リン
化硼素(BP:格子定数=4.538Å)の{1.1.
0.}結晶面の間隔は、3.209Åであり、珪素単結
晶の{1.1.1.}結晶面の間隔とは一致しない。こ
のため、従来の{1.1.1.}結晶面を表面とする珪
素単結晶基板上にもたらされるリン化硼素層は、転位或
いは積層欠陥等の結晶欠陥を多量に含む粗悪な結晶層と
なるのが問題となっている。
表面に交差する珪素の{1.1.1.}結晶面の間隔
を、リン化硼素の{1.1.0.}結晶面の間隔に一致
させる様にした表面の珪素単結晶を基板として、結晶性
に優れるリン化硼素系半導体層をもたらす技術を提供す
る。
板の表面をなす結晶面の方位を特定することに依って、
上記の従来技術の問題点を解決するのを趣旨とする発明
である。すなわち本発明は、 (1)珪素(Si)単結晶(シリコン)からなる基板の
表面上に設けられた、硼素(B)とリン(P)とを構成
元素として含むリン化硼素(BP)系半導体層を備えて
なる化合物半導体素子に於いて、[1.1.0.]結晶
方位に向かって、5.0度(°)以上で9.0度(°)
以下の角度で傾斜した{1.1.1.}結晶面を表面と
する珪素単結晶を基板としたことを特徴とする化合物半
導体素子。 (2)[1.1.0.]結晶方位に向かって、7.3±
0.5度(°)の角度の範囲で傾斜した{1.1.
1.}結晶面を表面とする珪素単結晶を基板としたこと
を特徴とする上記(1)に記載の化合物半導体素子。 (3)[1.1.0.]結晶方位に向かって、5.0°
以上で9.0°以下の角度で傾斜した{1.1.1.}
結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、リン化硼素系
半導体層からなる低温緩衝層を介して、{1.1.
0.}結晶面を有するリン化硼素系半導体層が積層され
た積層構造体からなる上記(1)に記載の化合物半導体
素子。 (4)[1.1.0.]結晶方位に向かって、7.3±
0.5度(°)の角度の範囲で傾斜した{1.1.
1.}結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、リン化
硼素系半導体層からなる低温緩衝層を介して、{1.
1.0.}結晶面を有するリン化硼素(BP)半導体層
が積層された積層構造体からなる上記(2)に記載の化
合物半導体素子。 (5)上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載の化合
物半導体素子からなる発光素子。 (6)上記(1)乃至(4)のいずれか1項記載の化合
物半導体素子からなるトランジスタ。である。
以上で9.0°以下の角度で傾斜した{1.1.1.}
結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、リン化硼素系
半導体層からなる低温緩衝層を介して、{1.1.
0.}結晶面を有するリン化硼素系半導体層を積層する
化合物半導体素子の製造方法。 (8)[1.1.0.]結晶方位に向かって、7.3±
0.5度(°)の角度の範囲で傾斜した{1.1.
1.}結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、リン化
硼素系半導体層からなる低温緩衝層を介して、{1.
1.0.}結晶面を有するリン化硼素(BP)半導体層
を積層する化合物半導体素子の製造方法。である。
{1.1.1.}結晶面2aを表面とする{1.1.
1.}−珪素単結晶1の断面模式図を図1に例示する。
{1.1.1.}−珪素単結晶の表面は、何れの結晶方
位にも傾斜していない正確な{1.1.1.}結晶面2
aである。立方晶閃亜鉛鉱型にあって、{1.1.
1.}結晶面相互のなす交差角度は70.5度(°)で
ある(「やさしい電子回折と初等結晶学」(1997年
7月10日、共立出版(株)発行初版1刷、57頁参
照)。従って、{1.1.1.}−珪素単結晶1にあっ
て、表面をなす{1.1.1.}結晶面2aには、角度
にして70.5度(°)で交差する{1.1.1.}結
晶面2bが存在する。Si単結晶の{1.1.1.}結
晶面の間隔は約3.136Åであり、例えば、リン化硼
素(BP)の{1.1.0.}結晶面との間隔(=3.
209Å)の差異は約0.073Åとなる。即ち、Si
単結晶の{1.1.1.}結晶面の間隔に対する、この
結晶面間隔の差異(=0.073Å)の比率(=0.0
73Å/3.136Å)は、約2.3%に達する。即
ち、無傾斜の珪素{1.1.1.}結晶面では、例え
ば、リン化硼素の{1.1.0.}結晶面との結晶面間
隔の差異は依然として大のままである。
(0°<θ<90°)の角度で傾斜させた{1.1.
1.}結晶表面2cに交差する{1.1.1.}結晶面
2bの間隔(=d:単位Å)と、{1.1.1.}結晶
面2bの本来の結晶面間隔(=d 0:Å)との関係を図
2に模式的に示す。[1.1.0.]結晶方向に傾斜し
た{1.1.1.}結晶面表面2cでは、Siの{1.
1.1.}結晶面間の間隔(=d)はd0(=3.13
6Å)より延長される。[1.1.0.]結晶方向に、
θ°傾斜させた{1.1.1.}結晶表面2cに交差す
る{1.1.1.}結晶面2bの間隔(=d)は、次式
(1)で与えられる。 d(Å)=d0/sin(θ+70.5)° (式(1)) θを大とするに従い、dはd0に近づくこととなる。
(sin(5.0°+70.5°)=0.9681)と
すれば、d=3.239Åとなり、例えば、リン化硼素
・ガリウム混晶(B0.95Ga0.05P)の{1.1.
0.}結晶面の結晶面間隔に合致させられる。θ=9.
0°(sin(79.5°)=0.9832)とすれ
ば、d=3.190Åとなり、例えば、BN0.03P0.97
の{1.1.0.}結晶面の間隔と合致する距離で交差
する{1.1.1.}結晶面2bをもった{1.1.
1.}結晶面2cを得ることができる。θを5.0°以
上で9.0°以下とすれば、単量体のリン化硼素(B
P)の{1.1.0.}結晶面間隔との差異の比率も±
1.0%未満に減少させられ、結晶欠陥密度の少ない結
晶性に優れるリン化硼素系半導体層を得るに好都合とな
る。
1.0.>結晶方位に5.0°傾斜した(1.1.
1.)結晶面を表面とする硼素(B)ドープp形Si単
結晶基板上に、亜鉛(Zn)ドープリン化硼素・ガリウ
ム混晶(B0.95Ga0.05P)からなる低温緩衝層を介し
て、{1.1.0.}結晶面からなるマグネシウム(M
g)ドープp形B0.95Ga0.05P層を備えた積層構造体
から構成した化合物半導体素子を挙げられる。また、<
−1.1.0.>方向に9.0°傾斜させた(−1.
1.1.)結晶面を表面とするリン(P)ドープn形S
i単結晶基板上に、アンドープ(undope)のリン
化硼素からなる低温緩衝層を介して、珪素(Si)ドー
プn形リン化硼素層を積層させて、例えば発光素子用途
の積層構造体を構成する例が挙げられる。
°)=0.9774)であれば、上記の式(1)より、
dは単量体のリン化硼素(BP)の{1.1.0.}結
晶面の結晶面間隔(=3.209Å)に合致することと
なる。θを7.3°±0.5°の範囲とすれば、dは
3.203Å(θ=7.8°の場合)から3.215Å
(θ=6.8°の場合)範囲に収まり、従って、BPの
{1.1.0.}結晶面の間隔(=3,209Å)とd
との差異の比率は0.2%以下の低きとすることができ
る。図3に、θを7.3°とした{1.1.1.}結晶
面を表面2cとする{1.1.1.}−珪素単結晶1基
板上に、基板1の表面に平行にリン化硼素(BP)の
{1.1.0.}結晶面4が成長する模様を模式的に示
す。[1.1.0.]結晶方向に7.3°傾斜した
{1.1.1.}結晶表面2cには、3.209Åの間
隔をもって{1.1.1.}結晶面2bが交差すること
となる。この{1.1.1.}結晶面2bの表面2cに
於ける間隔は、リン化硼素系半導体層3の{1.1.
0.}−結晶面4の間隔に一致するため、{1.1.
0.}−BP結晶層3の成長は促進される。また、
{1.1.1.}−珪素単結晶1表面2cに交差する
{1.1.1.}結晶面2bの面間隔(=d)との整合
性に依り、特に、転位或いは積層欠陥等の結晶欠陥密度
の小さい結晶性に優れるリン化硼素半導体層が得られ
る。珪素単結晶基板の表面上に例えば、リン化硼素系半
導体層からなる低温緩衝層を介在させてリン化硼素半導
体層を積層する場合にあっても、{1.1.0.}から
なるリン化硼素半導体層が得られる効果は失われない。
むしろ、非晶質を含む多結晶の低温緩衝層を設けること
に依り、珪素単結晶基板との密着性に優れる{1.1.
0.}−リン化硼素半導体層が得られる利点がある。
傾斜した{1.1.1.}-結晶面を表面とする{11
1}−Si基板上に形成された結晶性に優れる{1.
1.0.}−リン化硼素系半導体層を利用すれば、特性
に優れる化合物半導体素子がもたらされる利点がある。
本発明の実施形態の好例として、<1.0.−1.>結
晶方位に7.0°傾斜した(1.−1.1)結晶面を表
面とする硼素(B)ドープp形Si単結晶基板上に、ア
ンドープリン化硼素(BP)からなる低温緩衝層を介し
て、{1.1.0.}結晶面からなるベリリウム(B
e)ドープp形BP層を備えた積層構造体から化合物半
導体素子を構成する例を挙げられる。特に、室温での禁
止帯幅を3.0±0.2eVとするリン化硼素層から構
成された結晶性に優れる結晶層は、例えば、発光素子に
あって、単一或いは二重ヘテロ(ヘテロ)接合構造の発
光部を構成するための障壁層(クラッド層)として有効
に利用できる。
優れるリン化硼素系半導体層を利用すれば、例えば、受
光素子、pn接合型ダイオード(整流器)、ヘテロバイ
ポーラトランジスタ(HBT)等の化合物半導体素子を
構成できる。例えば、表面受光型の受光素子は、次の
(A)項に記載の導電性基板上に順次、(B)〜(E)
項に記載の機能層を積層してなる積層構造体から構成で
きる。 (A)<1.1.0.>結晶方向に7.3°傾斜した
(1.1.1.)結晶面を表面とするアンチモン(S
b)ドープn形{1.1.1.}−Si単結晶基板 (B)Siドープn形リン化硼素(BP)からなる非晶
質体を含む多結晶からなる低温緩衝層 (C)(A)に記す基板の表面に平行に配列した{1.
1.0.}−結晶面から主になるSiドープn形リン化
硼素層 (D)単量体のリン化硼素(BP:格子定数=4.53
8Å)と格子のミスマッチ(mismatch)性の少
ない立方晶の窒化ガリウム(GaN:格子定数=4.5
10Å)から主になる高抵抗のGaN層 (E)ベリリウム(Be)をドーピングしたp形リン化
硼素層。 この積層構成では、窒化ガリウム(GaN)層が格子ミ
スマッチ(mismatch)度の少なく、尚且、好適
に傾斜した(1.1.1.)−珪素結晶表面上の形成し
た結晶性に優れるリン化硼素層上に積層させているた
め、特に、結晶性に優れるGaN層を形成できる。
層を利用した、次の(イ)〜(ニ)項に記載の機能層を
備えた積層構造体からは例えば、npn接合型のHBT
を構成できる。 (イ)コレクタ(collector)層としての作用
を兼用する、<−1.1.0.>結晶方向に7.3°傾
斜した(−1.1.1.)結晶面を表面とするアンチモ
ン(Sb)ドープn形{1.1.1.}−Si単結晶基
板 (ロ)亜鉛(Zn)ドープp形リン化硼素(BP)から
なる非晶質体を含む多結晶からなる低温緩衝層 (ハ)(イ)に記す基板の表面に平行に配列した{1.
1.0.}−結晶面から主になるBeドープp形リン化
硼素層からなるベース(base)層 (ニ)珪素(Si)ドープn形リン化硼素(BP)から
エミッタ(emitter)層。 上記例では、高い正孔濃度を与えるベリリウムをp形不
純物として添加した、イオン結合性の少ないリン化硼素
からベース層を構成しているため、特に、低抵抗のp形
伝導層からベース層を構成でき得て優位である。
た{1.1.1.}結晶面を表面とする珪素(Si)単
結晶基板は、傾斜させる角度に依り、Siの{1.1.
1.}結晶表面に交差する{1.1.1.}結晶面の間
隔を、リン化硼素系半導体層、特に、単量体のリン化硼
素(BP)の{1.1.0.}結晶面間隔に合致させる
ことができるため、{1.1.0.}結晶面からなるリ
ン化硼素系半導体層の成長を促進させる作用を有する。
−1.0>結晶方向に角度にして 5.0°傾斜させた
(−1.−1.1)結晶面を表面とする珪素(Si)単
結晶を基板とするLEDを構成する場合を例にして、本
発明を具体的に説明する。本第1実施例に係わるLED
1Aの断面構造を模式的に図4に示す。
Bは、硼素ドープp形(−1.1.0)−珪素単結晶
(シリコン)を基板101上に次項の(2)〜(4)に
記す機能層を順次、堆積して構成した。基板101の表
面は<−1.−1.0.>方向に5.0°傾斜した(−
1.1.1.)結晶面としたため、表面で交差する{1
11}結晶面(d0=3.136Å)の間隔(=d)は
3.272Åであった。
/ホスフィン(PH3)/水素(H2)系常圧MOCVD
法により350℃で成長させた、非晶質を主体とした多
結晶の亜鉛(Zn)ドープリン化硼素(BP)からなる
低温緩衝層102 (2)(C2H5)3B/トリメチルインジウム((C
H3)3In)/PH3/H2系常圧MOCVD手段を利用
し、850℃で成長させたマグネシウム(Mg)をドー
ピングしたp形リン化硼素・インジウム混晶(B0.93I
n0.07P:格子定数=4.628Å)層からなる下部障
壁層103。Mgのドーピング源にはビス−シクロペン
タジエニルMg(分子式:(bis−(C5H5)2M
g)を利用した。 (3)トリメチルガリウム((CH3)3Ga)/(CH
3)3In/アンモニア(NH3)/H2系常圧MOCVD
手段を利用して、850℃で立方晶の珪素(Si)ドー
プn形Ga0.75In0.25N層(格子定数=4.628
Å)から主になる発光層104(キャリア濃度≒6×1
017cm-3、層厚≒120nm)。 (4)(C2H5)3B/PH3/H2系常圧MOCVD手
段により、400℃で成長させた、室温での禁止帯幅を
約3.1eVとする珪素ドープn形リン化硼素(BP)
からなる非晶質を主体として構成された上部障壁層10
5。
インジウム混晶(B0.93In0.07P)層は、低温緩衝層
102を介して設けたために、低温緩衝層102より剥
離することの無い連続膜となった。また、下部障壁層1
03は、B0.93In0.07Pの{1.1.0.}結晶面か
ら構成される結晶層となった。また、その{1.1.
0.}結晶面の間隔(d=3.272Å)に一致する距
離で交差するSi−{1.1.1.}結晶面を有する
(−1.1.1.)単結晶を基板として形成することと
したため、断面TEM技法に依る結晶構造の観察では、
B0.93In0.07P層の内部には転位或いは積層欠陥の密
度は特に増殖されるのは認められなかった。
u・Sn)円形電極(直径=120μm)からなるオー
ミック性の表面電極106を設けた。また、p形Si基
板101の裏面の略全面には、アルミニウム(Al)か
らなるオーミック性の裏面電極107を設けてLED1
Aを構成した。
〜(d)項に記載の特性を示した。 (a)発光中心波長:460nm (b)輝度:7ミリカンデラ(mcd) (c)順方向電圧:3.0ボルト(V)(順方向電流=
20mA) (d)逆方向電圧:5V(逆方向電流=10μA) また、発光スペクトルの半値幅(所謂、FWHM)は2
0nmであり、良好な単色性の発光がもたらされた。
[110]方向に5.0度傾斜した{111}−Si単
結晶を基板として形成した、室温禁止帯幅を約3.1e
Vとする{110}ーリン化硼素・インジウム混晶(B
0.93In0.07P)下部障壁層103は結晶性に優れるも
のとなり、このため、高輝度のLED1Aをもたらすに
貢献した。
−1.0.>結晶方向に角度にして7.3°傾斜させた
(1.−1.1.)結晶面を表面とする珪素(Si)単
結晶を基板としてショットキー(Schottky)接
合型電界効果型トランジスタ(MESFET)を構成す
る場合を例にして、本発明を具体的に説明する。
面構造を模式的に図5に示す。MESFET2Aを構成
するための積層構造体2Bは、アンドープ高抵抗(1.
−1.1.)−珪素単結晶(シリコン)基板101上
に、次項の(1)〜(4)に記す機能層を順次、堆積し
て構成した。基板101の表面は<1.−1.0.>方
向に7.3°傾斜させた(1.−1.1.)結晶面とし
たため、表面で交差する{1.1.1.}結晶面(d0
=3.136Å)の間隔(=d)は3.209Åとなっ
た。
MOCVD法により350℃で成長させた、非晶質を主
体とした多結晶のアンドープで高抵抗のリン化硼素(B
P)からなる低温緩衝層102 (2)同じく(C2H5)3B/PH3/H2系常圧MOC
VD手段を利用し、850℃で成長させた酸素(O)ド
ープの高抵抗(室温での抵抗率≒104Ω・cm)BP
層(格子定数=4.538Å)からなる緩衝層108。
酸素のドーピング源にはトリエトキシ硼素(分子式:
(C2H50)3B)を利用した。 (3)(CH3)3Ga/NH3/H2系常圧MOCVD手
段を利用し、850℃で成長させた立方晶のアンドープ
n形Ga0.94In0.06N層(格子定数=4.538Å)
から主になる動作層109(キャリア濃度≒2×1017
cm-3、層厚≒40nm)。 (4)(C2H5)3B/PH3/H2系常圧MOCVD手
段により、400℃で成長させた室温での禁止帯幅を約
3.1eVとするアンドープn形BP層からなる非晶質
のショットキーゲート(gate)電極を構成するため
コンタクト層110。
素(BP)層は、{1.1.0.}結晶面から構成され
る結晶層となった。また、表面でのSiの{1.1.
1.}格子面の間隔をBPの{1.1.0.}結晶面の
間隔(d=3.209Å)に一致させる様にした{1.
1.1.}−Si単結晶を基板101としたため、断面
TEM技法に依る結晶構造の観察では、高抵抗緩衝層1
08の内部の転位密度は約1×105cm-2未満と計測
された。
技術を利用して、図5の断面模式図に示す如く、ゲート
電極111を形成する予定の領域に限定してコンタクト
層110を除去した。次に、同領域に露出させた動作層
109の表面に、一般的な電子ビーム蒸着手段に依り、
チタン(Ti)及ぶアルミニウム(Al)を順次、真空
蒸着させた。これより、動作層109に接触する側をチ
タン(Ti)とし、表層をアルミニウム(Al)とした
2層構造のショットキ接触型ゲート電極111を構成し
た。ゲート電極111の電極長は、約2.5μmとし
た。ゲート電極111を挟んで対向する両側に残置させ
たn形BPコンタクト層110の表面には、オーミック
(Ohmic)性のソース(source)電極112
及びドレイン(drain)電極113を設けた。ソー
ス112及びドレイン113両オーミック電極は、動作
層109とは接触させずに、何れも金・ゲルマニム合金
(Au95重量%+Ge5重量%)、ニッケル(Ni)
及び金(Au)の3層構造から構成した。
間に、+20Vのソース・ドレイン電圧(=VDS)を印
可した際にMESFET2Aは以下の直流特性を示し
た。 (a)ソース・ドレイン電流(IDS):2.5mA (b)相互コンダクタンス(gm):20ミリシーメン
ス(mS)/mm (c)ピンチオフ電圧:−10.0V。 特に、[1.1.0.]結晶方位に向かって7.3°傾
斜した{1.1.1.}結晶面を表面とする{1.1.
1.}−Si単結晶を基板101として利用して形成し
た結晶性に優れ、且つ、高抵抗の{1.1.0.}−B
P層から緩衝層層108を構成したので、緩衝層108
内部へのIDSの漏洩(leak)を防止するに効果を挙
げられ、ピンチオフ(pinch−off)特性に優れ
るMESFETがもたらされた。
半導体層、特に、{1.1.0.}結晶面からなる
{1.1.0.}−リン化硼素系半導体層を得るに好適
となる、{1.1.0.}方向に好適な角度で傾斜させ
た{1.1.1.}結晶面を表面とする{1.1.
1.}−Si単結晶を基板として化合物半導体素子を構
成することとしたので、結晶性に優れるリン化硼素系半
導体層を利用して、例えば、発光の単色性に優れる化合
物半導体発光素子を提供できる。
素(BP)の{1.1.0.}結晶面の間隔と同一の間
隔でSiの{1.1.1.}結晶面が交差する{1.
1.1.}−Si単結晶を基板として、結晶性に優れ、
尚且つ高抵抗のリン化硼素層を利用して電界効果型トラ
ンジスタを構成することとしたので、ピンチオフ特性に
優れるMESFETを提供できる。
1.1.}−珪素単結晶の断面模式図である。
た{1.1.1.}−結晶面を表面とする{1.1.
1.}−珪素単結晶の断面模式図である。
斜した{1.1.1.}−Si表面上での{1.1.
0.}−リン化硼素系半導体層の成長の模様を説明する
ための断面模式図である。
る。
である。
1}−Si結晶面 2c [110]方向にθ°傾斜した{111}−Si
結晶表面 3 {110}−リン化硼素半導体層 4 リン化硼素の{110}−結晶面 101 単結晶基板 102 低温緩衝層 103 下部障壁層 104 発光層 105 上部障壁層 106 表面電極 107 裏面電極 108 高抵抗BP緩衝層 109 GaInN動作層 110 BPコンタクト層 111 Ti/Alゲート電極 112 AuGe/Ni/Auソース電極 113 AuGe/Ni/Auドレイン電極
Claims (8)
- 【請求項1】珪素(Si)単結晶(シリコン)からなる
基板の表面上に設けられた、硼素(B)とリン(P)と
を構成元素として含むリン化硼素(BP)系半導体層を
備えてなる化合物半導体素子に於いて、[1.1.
0.]結晶方位に向かって、5.0度(°)以上で9.
0度(°)以下の角度で傾斜した{1.1.1.}結晶
面を表面とする珪素単結晶を基板としたことを特徴とす
る化合物半導体素子。 - 【請求項2】[1.1.0.]結晶方位に向かって、
7.3±0.5度(°)の角度の範囲で傾斜した{1.
1.1.}結晶面を表面とする珪素単結晶を基板とした
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体素子。 - 【請求項3】[1.1.0.]結晶方位に向かって、
5.0°以上で9.0°以下の角度で傾斜した{1.
1.1.}結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、リ
ン化硼素系半導体層からなる低温緩衝層を介して、
{1.1.0.}結晶面を有するリン化硼素系半導体層
が積層された積層構造体からなる請求項1に記載の化合
物半導体素子。 - 【請求項4】[1.1.0.]結晶方位に向かって、
7.3±0.5度(°)の角度の範囲で傾斜した{1.
1.1.}結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、リ
ン化硼素系半導体層からなる低温緩衝層を介して、
{1.1.0.}結晶面を有するリン化硼素(BP)半
導体層が積層された積層構造体からなる請求項2に記載
の化合物半導体素子。 - 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項記載の化合
物半導体素子からなる発光素子。 - 【請求項6】請求項1乃至4のいずれか1項記載の化合
物半導体素子からなるトランジスタ。 - 【請求項7】[1.1.0.]結晶方位に向かって、
5.0°以上で9.0°以下の角度で傾斜した{1.
1.1.}結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、リ
ン化硼素系半導体層からなる低温緩衝層を介して、
{1.1.0.}結晶面を有するリン化硼素系半導体層
を積層する化合物半導体素子の製造方法。 - 【請求項8】[1.1.0.]結晶方位に向かって、
7.3±0.5度(°)の角度の範囲で傾斜した{1.
1.1.}結晶面を表面とする珪素単結晶基板上に、リ
ン化硼素系半導体層からなる低温緩衝層を介して、
{1.1.0.}結晶面を有するリン化硼素(BP)半
導体層を積層する化合物半導体素子の製造方法。
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- 2002-08-20 TW TW91118810A patent/TWI230405B/zh not_active IP Right Cessation
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