JP2003083767A - アブソリュートエンコーダ - Google Patents

アブソリュートエンコーダ

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JP2003083767A
JP2003083767A JP2001279712A JP2001279712A JP2003083767A JP 2003083767 A JP2003083767 A JP 2003083767A JP 2001279712 A JP2001279712 A JP 2001279712A JP 2001279712 A JP2001279712 A JP 2001279712A JP 2003083767 A JP2003083767 A JP 2003083767A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アブソリュートエンコーダの取付け状態や構
成部品等の経時変化等に伴う検出誤差を監視し、必要に
応じて自動調整を行うことにより、常に高精度な検出を
実現する。 【解決手段】 異なる波長を持つ2つのスケールから出
力される位相変調信号の位相差を用いて、上記波長のN
倍の区間に亘ってアブソリュートに検出するように構成
したエンコーダにおいて、相互の波長の差を利用して波
長内における内挿誤差の変化を監視し、該検出された内
挿誤差量に基づいて電気調整を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業機械分野にお
ける寸法測定、例えばモールドプレス金型の密着度や平
行度の測定、ロール圧延機における圧延量の測定・制
御、さらには生産・組立工場等における部品寸法の測定
などに用いて好選なアブソリュートエンコーダに関す
る。
【0002】
【従来の技術】所定の波長λmを有する第1のスケール
と、該第1のスケールの信号を検出する第1の検出へッ
ドとの相対変位に対応して位相が繰り返し変化する位相
変調信号を出力する第1の検出手段と、上記第1のスケ
ールとは異なる波長λaを有する第2のスケールと該第
2のスケールの信号を検出する第2の検出ヘッドとの相
対変位に対応して位相が繰り返し変化する位相変調信号
を出力する第2の検出手段と、上記第1の検出手段と第
2の検出手段から得られる信号の位相差を比較する位相
比較回路とを有し、該位相比較回路より上記第1のスケ
ール及び第2のスケールの波長よりも十分に長い波長の
信号に相当して位相が変化する信号を得て、上記第1の
スケール及び第2のスケールと、上記第1の検出ヘッド
及び第2の検出ヘッドとの相対位置を検出する測尺装置
が特公昭50−23618号公報に開示されている。
【0003】この測尺装置において第1の検出手段から
得られる位相変調信号epm、第2の検出手段から得ら
れる位相変調信号epaは、次式のように表すことがで
きる。
【0004】 epm=Ep1×Sin(2πft+2πX/λm) epa=Ep2×Sin(2πft+2πX/λa) さらに、波長λmとλaとの関係を、例えばN×λm=
(N−1)×λaなる関係に選ぶと、これらの信号の位
相θm(=2πX/λm)及びθa(=2πX/λa)
の差Δθ(=θm−θa)は、次式に示すように波長λ
mのN倍の周期で繰り返す信号となる。
【0005】Δθ=2πX/(N×λm) したがって、上記測尺装置では、上記の位相差Δθを所
定の位相差、すなわち、2π/Nで除算することによ
り、N×λm区間内におけるλm単位の位置を検出こと
が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記測
尺装置においては、各々のスケールから理想的な信号が
得られない場合、例えば、位相変調信号が不完全な場合
は、波長λ内に周期的な誤差を生じ、これらの誤差はλ
m単位の切替え位置にも重畳する。したがって、上記の
ごとく位相差Δθを2π/Nで除算したときに上記誤差
のために、ズレを生じ、結果としてλm単位の誤差を発
生することがある。
【0007】また、これらの誤差を避けるためには、上
記2つのスケールから得られる位相差Δθを用いて直接
Nλm内を検出する方法が考えられるが、本方法では位
相差ΔθがNλmなる仮想的に長いスケール内で位相が
2πになる、すなわち周期的に位相が変化する信号であ
るため、キャリア周波数f内にキャリア周波数fのM倍
のクロックパルスM×fを内挿して高分解能を得ようと
した場合、分解能λm/(M×N)が、波長λmやNを
拡大するほど高分解能を得るのが難しくなる。また、経
時的変化により検出精度が悪化するなどの問題があっ
た。
【0008】そこで、上述の如き従来の問題点に鑑み、
本発明の目的は、アブソリュートエンコーダの取付け状
態や構成部品等の経時変化等に伴う検出誤差を監視し、
必要に応じて自動調整を行うことにより、常に高精度な
検出を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、波長λmの目
盛りが形成された第1のスケールと、該第1のスケール
の信号を検出する第1の検出ヘッドと、上記第1のスケ
ールと第1の検出ヘッドの相対的な変位量をキャリア周
波数fの位相変調信号として取り出すように構成された
第1の変位量検出手段と、上記第1のスケールと異なる
波長λaの目盛りが形成された第2のスケールと、該第
2のスケールの信号を検出する第2の検出ヘッドと、上
記第2のスケールと第2の検出ヘッドとの相対的な変位
量をキャリア周波数fの位相変調信号として取り出すよ
うに構成された第2の変位量検出手段と、上記第1の変
位量検出手段より得られる位相変調信号と、第2の変位
量検出手段から得られる位相変調信号との位相差を検出
し、該位相差を用いて、第1のスケールの波長λmのN
倍波長で繰り返す周期的な信号を得て、上記第1のスケ
ールの波長のN倍区間をアブソリュートに検出するよう
に構成したアブソリュートエンコーダにおいて、上記第
1の変位量検出手段から得られるキャリア周波数fの位
相変調信号を周波数fの基準信号と位相比較して第1の
スケールの波長λm内における第1の検出ヘッドの絶対
位置に対応したパルス幅変調信号を生成する第1の位相
比較手段と、この第1の位相比較手段により生成された
パルス幅変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロック
パルスを内挿して第1のスケールの波長λm内における
第1の検出ヘッドの絶対位置に対応した分解能λm/M
のパルス列に変換する第1のゲート回路と、上記第1の
変位量検出手段から出力される位相変調信号と第2の変
位量検出手段から出力される位相変調信号の位相差に対
応するパルス幅変調信号を生成する第2の位相比較手段
と、この第2の位相比較手段により生成されたパルス幅
変調信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを
内挿し、上記位相差に対応したパルス列に変換する第2
のゲート回路と、上記第2の変位量検出手段と上記基準
信号とを比較して第2のスケールの波長λaに対応する
変位量ごとのパルスを生成するパルス生成手段と、上記
第2のゲート回路の出力を利用して第1のスケールの波
長λmのアドレスとして特定するようになし、上記第1
のゲート回路から出力されるパルス列を計数して第1の
スケールの波長λm内の絶対位置を得て、上記特定され
たλmアドレスとを合成することにより、第1のスケー
ルの波長λmのN倍区間に亘って分解能λm/Mで検出
するとともに、上記第2のパルス生成手段から出力され
るλaパルスの発生位置に対応する第1のスケールの波
長λm内の絶対位置を計測し、該計測値の理論値からの
ずれ量を内挿誤差として検出し、該検出された内挿誤差
とあらかじめ設定された規格値とを記憶手段に保存し、
上記検出された内挿誤差を分析して上記第1の変位量検
出手段に設けられた電子的調整手段に調整信号を供給し
て第1のスケールにおける内挿誤差を最小にするように
電気調整を行う演算手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0011】以下に説明する本発明の実施の形態は、異
なる波長を有する2つのトラックから出力される位相変
調信号を用いて、該トラックの記録波長より長い範囲を
アブソリュートに検出する測長システム、例えば、特公
昭50−23618号公報に開示されている測尺装置を
改良したものである。本発明が最も効果的に適用可能な
磁気方式を例に図面を参照しながら詳細に説明する。ま
た、磁気式においても検出ヘッドに過飽和コアを用いた
方式や磁気抵抗効果素子(以下MRセンサ)を用いた方
式等があり、後者においては記録波長と再生波長が異な
る場合があるが、ここでは、検出ヘッドとしてMRセン
サを用いた場合について、再生波長を基準に説明するこ
ととする。
【0012】本発明においては、第1のスケールの波長
λmと第2のスケールの波長λaとの関係をN×λm=
(N±1)×λaと選び、第1のスケールから出力され
るキャリア周波数fの位相変調信号に対し、該キャリア
周波数fのM倍のクロックパルスを用いて内挿すること
により、第1のスケールの波長λmのN倍の区間に亘っ
て分解能λm/Mで計測可能であり、上記N及びMは、
本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に設定できる。
【0013】ここでは、説明を簡単にするため、上記λ
mとN及びMに具体的な数値を当てはめて説明すること
とし、波長λmを1,024μm、内挿数Mを1,02
4(=210)として、さらに、上記Nを16として波
長λmとλaとの関係を16×λm=(16+1)×λ
a=17×λaとすることにより、λmの1波長を1,
024分割して1μmの分解能でアブソリュートに検出
できるようにした具体的な構成例をもとに説明する。
【0014】図1は、本発明に係るアブソリュートエン
コーダ100の構成を示すブロック図である。
【0015】このアブソリュートエンコーダ100は、
図示しないスケール部材上に波長λm(=1,024μ
m)の目盛りを記録することにより形成された第1のス
ケール11と、この第1のスケール11と対向し、波長
λmに対して90゜位相差(λm/4)をもって配設さ
れた2チャンネルのMRセンサ12A,12Bで構成さ
れた第1の検出ヘッド12を備える。この第1の検出ヘ
ッド12は、上記第1のスケール11との相対移動によ
り、相対移動周期が2πx/λm(ただし、xは変位
量)で、90゜位相差を有する2系統の正弦波信号Si
n(2πx/λm),Cos(2πx/λm)を出力す
る。
【0016】これら2相の正弦波信号Sin(2πx/
λm),Cos(2πx/λm)は、例えば、図2に示
すような構成の第1の変位量検出部13に導かれる。
【0017】第1の変位量検出部13は、上記第1の検
出ヘッド12を構成している2チャンネルのMRセンサ
12A,12Bにより得られた2相の正弦波信号Sin
(2πx/λm),Cos(2πx/λm)をタイミン
グ信号生成部18により与えられる互いに90°の位相
差をもつキャリア周波数fの2相信号MODC,MOD
Sで平衡変調する乗算器31,32と、この乗算器3
1,32による平衡変調信号Sin(2πx/λm)×
Cosωt,Cos(2πx/λm)Sinωtを加算
する加算増幅器33を備える。
【0018】上記第1の検出ヘッド12を構成している
2チャンネルのMRセンサ12A,12Bは、2チャン
ネルのMRセンサ12A,12Bは、図3に示すよう
に、それぞれMR素子12A,12A,12A
12A(12B,12B,12B,12B
C2)をブリッジ接続してなり、ブリッジ接続されたM
Rセンサの他方の端子に直流バイアスのずれ(以下、D
Cのずれ)を補整する電子ボリュームDC1(DC2)
を装備している。
【0019】また、上記加算増幅器33は、各チャンネ
ルから得られる平衡変調信号Sin(2πx/λm)×
Cosωt,Cos(2πx/λm)Sinωtを加算
して位相変調信号Ep1×Sin(ωt+2πx/λ
m)を生成するものであって、図4に示すように、2チ
ャンネル間の平衡変調信号Sin(2πx/λm)×C
osωt,Cos(2πx/λm)Sinωtの出力レ
ベルを等しくするための電子ボリュームGAJを装備し
ている。
【0020】各電子ボリュームDC1,DC2,GAJ
は、その代表的な構成を図5に示すように、選択信号C
Sとワイパー制御信号U/D,INCが供給されるアッ
プダウンカウンタ91、このアップダウンカウンタ91
の計数出力をデコードするポジションデコーダ92、こ
のポジションデコーダ92のデコード出力により抵抗値
が切り換えられる可変抵抗器93からなる。
【0021】そして、この第1の変位量検出部13は、
上記3箇所の電子ボリュームDC1,DC2,GAJを
選択して調整信号を供給するための調整信号制御回路3
4を備えている。この調整信号制御回路34は、図6に
具体的な構成例を示すように、演算部17から供給され
る調整信号ADJの選択信号SLTをデコードするデコ
ーダ34Aを備え、調整対象となる3箇の電子ボリュー
ムDC1,DC2,GAJに選択信号CS1,CS2,
CS3とワイパー制御信号U/D,INCを供給し、電
子ボリュームDC1,DC2,GAJのワイパー位置を
電子的に可変制御する。
【0022】上記第1の変位量検出部13は、上記第1
の検出ヘッド12を構成している2チャンネルのMRセ
ンサ12A,12Bにより得られた2相の正弦波信号S
in(2πx/λm),Cos(2πx/λm)を乗算
器31,32においてタイミング信号生成部18により
与えられる互いに90°の位相差をもつキャリア周波数
fの2相信号MODC,MODSで平衡変調し、上記乗
算器31,32による平衡変調信号Sin(2πx/λ
m)×Cosωt,Cos(2πx/λm)Sinωt
を加算増幅器33により信号レベルを合わせて加算する
ことにより、次の(1)式に示すような位相変調信号e
pmを出力する。
【0023】 epm=Ep1×Sin(ωt+2πx/λm) (1) ただし、ω=2πf、x=相対変位量 この位相変調信号epmは、例えば、図7に示すような
構成の第1の位相比較部14に導かれる。
【0024】第1の位相比較部14は、タイミング信号
生成部18により与えられる周波数M×fのクロックパ
ルスが供給されている第1及び第2の同期微分回路4
2,43並びにJKフリップフロップ44を備え、第1
の変位量検出部13から位相変調信号epmが波形整形
回路41を介して供給される上記第1の同期微分回路4
2による微分出力が上記JKフリップフロップ44のK
入力端子に供給され、また、基準信号MODSが供給さ
れる上記第2の同期微分回路43による微分出力が上記
JKフリップフロップ44のJ入力端子に供給されるこ
とにより、時刻tiにおける波長λm内の絶対位置に対
応した位相量φm(ti)を有するパルス幅変調信号P
WSmを上記JKフリップフロップ44から出力する。
【0025】ここで、この第1の位相比較部14の動作
タイミングを図8に示してあるように、サンプリング周
期T(=1/f)ごとに第1の変位量検出部13から出
力される位相変調信号epmでセットされ、基準信号M
ODSでリセットされるパルス幅変調信号PWSmの時
刻tiにおける波長λm内の絶対位置x(ti)に対応
した位相量φm(ti)は、次の(2)式のように表す
ことができる。
【0026】 φm(ti)=2π×x(ti)/λm (2) 上記第1の位相比較部14により得られたパルス幅変調
信号PWSmは、タイミング信号生成部18により与え
られるキャリア周波数fのM(=1,024)倍のクロ
ックパルスM×fとともに第1のゲート回路15に入力
される。
【0027】ここで、位相量φm(ti)を有するパル
ス幅変調信号PWSmは、波長λm内の位置xに対応し
パルス幅の変化する信号であり、最大位相量2π、すな
わち、最大変位量λmに達したときのパルス幅はサンプ
リング周期T(=1/f)に等しいので、第1のゲート
回路15では、M×fのクロック周波数を用いることに
より位相量φm(ti)を1/Mの分解能、すなわち、
変位x(ti)を分解能1μm(=λm/M=1,02
4/1,024)のパルス列SAPmとして検出可能で
あり、上記第1のゲート回路15により変換されたパル
ス列SAPmが演算部17に入力される。
【0028】このアブソリュートエンコーダ100は、
図示しないスケール部材上に第1のスケール11と平行
して波長λa(=963.8μm)の目盛りを記録する
ことにより形成された第2のスケール21と、この第2
のスケール21と対向し、波長λaに対して90゜位相
差(λa/4)をもって配設された2チャンネルのMR
センサで構成された第2の検出ヘッド22を備える。こ
の第2の検出ヘッド22は、上記第1のスケール検出ヘ
ッド12と一体的に構成されており、上記第2のスケー
ル21との相対移動により、相対移動周期が2πx/λ
aで90゜の位相差を有する2系統の正弦波信号2πx
/λa(ただし、xは変位量)で、90゜位相差を有す
る2系統の正弦波信号Sin(2πx/λa),Cos
(2πx/λa)を出力する。
【0029】上記第2の検出ヘッド22により得られる
2系統の正弦波信号Sin(2πx/λa),Cos
(2πx/λa)は、上記第1の変位量検出部13と同
様な構成を有する第2の変位量検出部23に導かれる。
【0030】第2の変位量検出部23は、次の(3)式
に示すように、変位量λaごとに位相が2πだけ変化す
る位相変調信号epaを出力する。
【0031】 epa=Ep2×Sin(ωt+2πx/λa) (3) ただし、ω=2πf、x=波長λa内の位置 この位相変調信号epaは、第1の位相比較部14と同
様の構成を有する第2の位相比較部24において、第1
の変位量検出部13から出力される位相変調信号epm
と位相比較される。第2の位相比較部24は、第2の変
位量検出部23から出力される位相変調信号epaと第
1の変位量検出部13から出力される位相変調信号ep
mとの位相差に対応するパルス幅変調信号PWS2を出
力する。
【0032】上記(2)式からも明らかなように、位相
変調信号の位相差φa(ti)は次の(4)式のように
表せる。
【0033】 φa(ti)=2π×x(ti)/λa (4) したがって、上記位相差Δφ(=φa(ti)−φm
(ti))は、 Δφ=φa(ti)−φm(ti) =2π×x(ti)(1/λa−1/λm) (5) ここで、第1のスケール11の波長λmと第2のスケー
ル21の波長λaとは、16λm=17λaの関係に選
択されているので、上記Δφ(ti)は、 Δφ=2π×x(ti)/16λm =2π×x(ti)/17λa (5)’ となり、第1のスケールの波長λmの16倍(N=1
6)の位置に達したときに一致する繰り返し信号であ
る。
【0034】図9は、上記アブソリュート計測区間にお
いて第1の変位量検出部13で検出された位相量φm
と、第2の変位量検出回路9で検出された位相量φaと
の関係を示している。
【0035】そして、図10は、第1のスケールの波長
λmの16倍区間内における任意の位置xに対する、第
1の変位量検出部13で検出された位相量φmと、φa
とφmとの位相差Δφ(=φa−φm)との関係を示し
たものである。この図10に示されるように、位相量φ
mはλmの1周期ごとに2π、Δφはλmの1周期ごと
に2π/16ずつなる信号である。
【0036】したがって、上記位相差Δφをλmの1周
期に対応する位相量(以下、区間位相量)2π/16で
除算し、その商としてxが位置するアブソリュート計測
区間内におけるλmアドレスAjを検出することができ
る。
【0037】ここで、上記位相差Δφは、キャリア周波
数fのM倍のクロックパルスM×fとともに第1のゲー
ト回路15と同様な構成を有する第2のゲート回路25
に導かれ、上記位相差Δφに対応したパルス列SAPa
に変換される。
【0038】したがって、上記区間位相量2π/16
は、区間パルス数M/16と等価であり、上記パルス列
SAPaを区間パルス数M/16で除算することによ
り、その商としてxが位置するλm単位の絶対位置、す
なわち、16λm内のλmアドレスAjを検出すること
ができる。
【0039】また、次の表1は、16λm=17λaの
場合に、変位量xを0から16λmまで変化させたとき
のΔφとλmアドレスAjとの関係、及び、Δφに対応
するパルス数ΔDとの関係を示したものである。
【0040】
【表1】
【0041】演算部17は、上記の関係を利用してλm
アドレスAjを特定するとともに、上記φmをもとに生
成された分解能1μmのパルス列SAPmとにより、1
μmの分解能で16λm区間の絶対位置を生成する。例
えば、図11に示すようにカウンタ機能(タイマー)を
備えるマイクロコンピュータ(CPU)73を用いてソ
フトウエア処理で実現することができる。
【0042】ここで、演算部17における主要な機能で
あるλmアドレスAjの検出にかかる基本原理について
説明する。
【0043】この演算部17は、上記第1のゲート回路
15から出力される1μm分解能のパルス列SAPmを
カウントするパルスカウンタ71と、第2のゲート回路
25から出力されるパルス列SAPaをカウントするパ
ルスカウンタ72を備え、該パルスカウンタ71,72
の計測値をCPU73に取り込むためのトリガ信号とし
て、パルス幅変調信号PWSm,PWSaのセット入力
となる基準信号MODSがタイミング信号生成部18か
らCPU73への割り込み端子に供給されている。
【0044】サンプリング時刻tiにおいて、上記
(2)式に示す位相量φm(ti)のリセットタイミン
グに対応した基準信号MODSが入力されると、CPU
73が割り込み動作を開始し、パルスカウンタ71で計
測された第1のスケール11の波長λm内の絶対位置に
対応するデータDm(ti)と、パルスカウンタ72で
計測された上記2つの位相変調信号の位相差Δφに対応
したパルス列SAPmの計測値ΔD(ti)がCPU7
3に取り込まれ、RAM74内の所定のメモリ領域に格
納される。
【0045】次に、CPU73は、上記位相差Δφに対
応したこれらの計数値の差ΔDをRAM74内の所定の
領域に格納するとともに、上記区間パルス数M/16で
除算し、その商としてλmアドレスAjを特定し、該求
められたAjをλm倍し、さらに、タイミングtiにお
けるλm内の絶対値Dm(ti)とを加算し、16λm
区間全域に亘る分解能1μmの絶対位置を生成する。
【0046】このようにして生成された絶対位置は、R
AM74内の所定のメモリ領域内に格納するとともに、
例えば、測定データとして外部に出力する。
【0047】ところで、上記の演算部17の動作は理想
的な状態で述べたものであり、実際のシステムにおいて
は検出された信号の不完全さ、例えば、各々の検出ヘッ
ド12,22に重畳するDCのずれ、さらには両チャン
ネルのヘッドから出力される平衡変調信号の90°位相
からのずれ、すなわち、出力の位相ずれ等に起因する検
出誤差、すなわち、波長λm内を高分解能で検出する際
に発生する内挿誤差を内包しており、これらの内挿誤差
がλmアドレスAjの切替え部に重畳するため、λmア
ドレスのAj判定に誤動作を起こすことがある。
【0048】ここで、上述のずれと内挿誤差との関係に
ついて数式を用いて説明する。
【0049】本発明の具体的な実施の形態として検出ヘ
ッドとしてMRセンサを用いた場合について説明してき
た。周知のごとく、MRセンサにおいてはリソグラフィ
ーを基本としてマスクを製作するため、両チャンネルの
ヘッドの間隔を波長λに対して正確に90°(λ/4)
に設定することができる。
【0050】したがって、上記に示す誤差要因のうち、
「出力の位相ずれ」の影響は無視することができる。
【0051】以下、説明を簡単にするため、検出ヘッド
に重畳するDCのずれと出力レベルのずれによって生ず
る内挿誤差について説明する。
【0052】上述の(1)式及び(2)式に示した位相
変調信号は、2チャンネルの検出ヘッドから理想的な信
号が得られることを前提にした理論式である。
【0053】しかしながら、実際のシステムでは各の検
出ヘッドに重畳するDCのずれや出力レベルのずれによ
り、(1)式や(2)式に示すような完全な位相変調信
号とのずれを生じ、結果として内挿誤差を生ずる。
【0054】DCのずれと出力レベルのずれが一般式と
して、波長λのスケールにおけるCH1検出ヘッド及び
CH2検出ヘッドから得られる平衡変調信号を各々e
1,e2とすると、平衡変調信号e1,e2は、 e1={A+(1+a)×Sin(2πx/λ)}×Cosωt (6) e2={B+(1+b)×Cos(2πx/λ)}×Sinωt (7) ただし、 a:CH1出力の基準値からのずれ、b:CH2出力の基準値からのずれ A:CH1ヘッドへのDCの重畳、 B:CH2ヘッドへのDCの重畳 となり、式を簡単にするため、2πX/λ=X、ωt=
Tとおけば、(6)式及び(7)式は e1={A+(1+a)×SinX}×CosT (6)’ e2={B+(1+b)×CosX}×SinT (7)’ と表すことができる。
【0055】次に、単一の誤差要因による場合の内挿誤
差パターンについて説明する。
【0056】ここでは、説明を簡単にするため、DCの
みにずれがあった場合と出力レベルのみにずれがあった
場合に分けて説明する。(1)DCのみにずれがあった
時(出力レベルのずれはない)DCのみにずれがあった
ときの位相変調信号をepm(D)は、(6)’式及び
(7)’式において、a=b=0とおいて加算した信号
であり、次のように表すことができる。
【0057】 epm(D)=(A+SinX)×CosT+(B+CosX)×SinT =√{1+(A+B)+2×(A×SinX +B×CosX)}×Sin(T+θ) A及びBが1より十分小さいとして近似式を求めると、 epm(D)={1+(A×SinX+B×CosX)} ×Sin(T+θ) ={l+√(A+B)×Sin(X+δ)} ×Sin(T+θ) (8) ただし、 δ=tan−1(A/B) θ=tan−1{(A+SinX)/(B+CosX)} (9) ここで、(8)式の{ }の中は、位相変調信号epm
(D)のエンベロープを表しており、基準振幅1に対し
Xの基準位置から位相がδだけ遅れた振幅が√(A
)のリップルが重畳した、Xに対して一次の成分を
有する正弦波状の信号であることが分かる。
【0058】また、(9)式のθは変位量を表している
ので、誤差がないときの理論値{θ=tan−1(Si
nX/CosX)}から減算すると、位相変調信号が理
想からずれた、すなわち、DCのずれがあった時の誤差
を表すことになる。
【0059】今、Xに対して0から2πにわたる1波長
内の内挿誤差をΔX(D)とおくと、内挿誤差をΔX
(D)は、 ΔX(D)=tan−1{(A+SinX)/(B+CosX)} −tan−1(SinX/CosX) (10) であるから、ここで、 α={(A+SinX)/(B+CosX)}、 β=SinX/CosX とおけば tan−1α−tan−1β=tan−1{(α−β)
/(1+α×β)} ゆえ、ΔX(D)=tan−1{(A×CosX−B×
SinX)/(1+A×SinX+B×CosX)} となる。さらに、(A×SinX+B×CosX)が1
より十分小さいことを考慮してΔX(D)の近似式を求
めると、 ΔX(D)=tan−1(A×CosX−B×SinX) (11) となる。
【0060】さらに、微小角ではtan{ΔX(D)}
=ΔX(D)と近似できる。
【0061】したがって、DCのみにずれが生じたとき
の誤差の近似式は次のよう表すことができる。
【0062】 ΔX(D)=−(B×SinX−A×CosX) =−√(A+B)×Sin(X−γ) (12) ただし、 γ=tan−1(A/B) (13) (12)式からも明らかなように、DCのみがずれた時
の内挿誤差は、振幅がずれの大きさに比例し、かつ振幅
の最大(最小)となる位置が(以下、位相)がずれによ
って変化するXの1周期、すなわち波長λに対して1周
期の正弦波となることがわかる。
【0063】(2)出力レベルのみにずれがあったとき
(DCのずれはない) 出力レベルのみにずれがあったときの位相変調信号ep
m(G)は、(6)’式及び(7)’において、A=B
=0とおいて加算した信号であり、簡単のためa=0と
おき、bをCH1側出力に対する変化分とすれば、次の
ように表すことができる。
【0064】 epm(G)=SinX×CosT+(1+b)×CosX×SinT =√{1+2b×CosX+b×CosX} ×Sin(T+α) ここで、bが1より十分小さいとして近似値を求める
と、 epm(G)=√{1+2b×CosX}×Sin(T+θ’) =√{1+b×(1+Cos2X)}×Sin(T+θ’) ={(1+b/2)+b/2×Cos2X} ×Sin(T+θ’) (14) ただし、 θ’=tan−1{SinX/(1+b)×CosX} (15) ここで、(14)式の{ }の中は、位相変調信号ep
m(G)のエンベロープを表しており、基準振幅(1+
b/2)に対し、bの符号、すなわち、CH1とCH2
の出力の大小関係によって、極性が異なる振幅が(b/
2)で、Xに対して2次の成分を有する正弦波状の信号
が重畳している事が分かる。
【0065】また、(15)式のθ’は変位量を表して
いるので、誤差がないときの理論値{θ=tan
−1(SinX/CosX)}から減算すると、位相変
調信号の理想からずれた、すなわち、両チャンネルの出
力にずれがあった時の内挿誤差を表すことになる、今、
Xに対して0から2πにわたる1波長内の内挿誤差をΔ
X(G)とおくと、内挿誤差ΔX(G)は、 ΔX(G)=tan−1{SinX/(1+b)×Co
sX}−tan−1(SinX/CosX) であり、ここで、 α’={SinX/(1+b)×CosX}、 β’=(SinX/CosX) とおけば、 ΔX(G)=tan−1(α’−β’)/(1+α’×
β’) ゆえ、 ΔX(G)=tan−1{(−b×SinX×CosX) /(CosX+SinX+b×CosX)} =tan−1[(−b/2×Sin2X) /{(1+b/2)+(b/2)×Cos2X}](16) となる。
【0066】さらに、bが1に対して十分小さいとき
は、tan{ΔX(D)}=ΔX(D)に、分母は1と
近似できる。
【0067】したがって、出力レベルにずれが生じたと
きの誤差の近似式は次のように表すことができる。
【0068】 ΔX(G)=(−b/2×Cos2X) (17) (17)式より明らかなように、出力レベルのみにずれ
が生じた時の内挿誤差ΔX(G)は、その振幅とその極
性(出力の大小関係)が、bの絶対値と極性(両チャン
ネルの出力の大小関係)に比例し、位相が一定で、波長
λの1周期に対して2周期の成分を有する正弦波状に変
化する信号であることが分かる。
【0069】単一誤差要因の場合の波長λの1周期内に
おける振動の周期と極大(山)と極小(谷)の現れる位
置を次の表2に示してある。この表2から各々の要因に
対して独立なことが分かる。
【0070】
【表2】
【0071】次に、2つ以上の誤差要因が重畳した場合
について説明する。
【0072】同様に、2つ以上の誤差要因が重畳した場
合としては、2つのヘッドにDCのずれが発生した場合
と、いずれかのヘッドに対するDCのずれと出力レベル
のずれが生じた場合である。
【0073】(1)CH1ヘッドの正負のDCずれ(A
>0,A<0)とCH2ヘッドの正負のDCずれ(B>
0,B<0)とが重畳する4通りであり、これらが重畳
したときの内挿誤差は、波長λに対して1周期の成分を
持ち、各々の組合せにより極大(山)と極小(谷)の位
置が変化する。簡単のために係数を1とおいた時の内挿
誤差の例を図12〜図15に示す。
【0074】(2)CH1ヘッドの正負のDCずれと出
力レベルのずれが重畳する4通りであり、上記同様に係
数を1とおいた時の内挿誤差の一例を図16に示す。波
長λに対して2周期成分を持つが、一組の極大(山)と
極小(谷)の位置が各々の組合せによって変化する。
【0075】(3)CH2ヘッドの正負のDCずれと出
力レベルのずれが重畳する4通りであり、上記同様に係
数を1とおいた時の内挿誤差の一例を図17に示す。
(2)と同様、波長λに対して2周期の成分を持ってお
り、組合せによって極大(山)と極小(谷)の位置が変
化し、かつ、(2)とは独立である。
【0076】次に、3つ以上の要因が重畳した場合につ
いて説明する。
【0077】3つ以上の誤差要因の重畳としては、出力
レベルのずれと2つのヘッドのDCずれが同時に発生し
た場合である。
【0078】(1)CH1の出力がCH2の出力より小
さい状態で、CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のD
Cずれが重畳する4通りであり、図18に内挿誤差の一
例を示す。波長λ内にただ1つの極大(山)又は極小
(谷)を持ち、その位置が各々の組合せにより変化す
る。
【0079】(2)CH1の出力がCH2の出力より大
きい状態で、CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のD
Cずれが重畳した場合の4通りにおける内挿誤差の一例
を図19に示す。上記同様、波λ内にただひとつの極大
(山)又は極小(谷)をもち、かつ、上記(2)とは独
立である。
【0080】次の表3は、2つ以上の誤差要因による内
挿誤差の周期と、極大(山)と(谷)の位置を一覧表に
示したものである。
【0081】
【表3】
【0082】以上より、位相変調信号が理想状態からず
れたときには、位相変調信号のエンベロープに対し、ず
れの要因に応じて固有の周期と位相を持つリップル成分
が重畳し、かつ、ずれの要因に固有な周期と位相をもつ
内挿誤差が発生することが分かる。
【0083】これらからも明らかなように、λmアドレ
スAjの切替え部は第1のスケール11の波長λmの整
数倍に対応した位置であるが、第2のスケール21の波
長λaに対しては、λmアドレスAjごとに、波長λa
の1/16の整数倍ずつずれた位置に対応しているた
め、λmアドレス切替え部において検出されるΔφに
は、第2のスケール21の波長λaの内挿誤差が重畳す
るため位相差Δφの逆転現象が生じ、上記表1に示した
関係をもとに、単純に検出されたΔφを区間位相量φZ
(=2π/16)に対する商を求めるだけでは、λmア
ドレスAjの検出に誤動作を生じることになる。
【0084】図20は、第2のスケール21のCH1検
出ヘッド及びCH2検出ヘッドに正方向のDCのずれが
生じた時、すなわち、(12)式に示す内挿誤差を波長
λaの1周期にわたってプロットしたものであり、次の
表4は、内挿誤差が重畳するλmアドレスAjとの対応
関係を示したものである。
【0085】
【表4】
【0086】次に、本発明において適用される実際のシ
ステム、すなわち、内挿誤差が発生した場合でも正しく
λmアドレスAjを検出可能とする演算部17の構成及
び動作について詳細に説明する。
【0087】先ず、図21を参考にしながら、本発明に
おけるλmアドレスAjの確定にかかる基本的な原理を
説明する。
【0088】(1)λmアドレスAjの切替え部、すな
わち、λmの両端部において検出される位相差Δφは、
第2のスケール21の波長λaの内挿誤差Ieaに対応
して位相量φieaだけ変動する。したがって、実際に
はλmアドレスAjがjとして検出されるべきものが、
その前後、すなわち、j−1又はj+1として検出され
る可能性がある。
【0089】(2)しかしながら、上記誤検出される可
能性を有する領域に対し、さらに第1のスケールにおけ
る内挿誤差Iemに対応する位相量φiemだけ内側の
領域においては、内挿誤差の影響を受けず、λmアドレ
スAjを一義的に決定できる領域がある。
【0090】(3)さらに、上記(1)においても、第
1のスケールにおいて検出された位相φmが、波長λm
内のどの位置に属するかを、例えば、λmの中央値λm
/2に対して左側(x≦λm/2)にあるか、又は右側
(x>λm/2)に位置するかの判定条件を加え、該判
定結果をもとに補正することにより、正しくλmアドレ
ス(Aj)を判定できる。
【0091】すなわち、λmアドレスAjの切替え部に
おいて、λmアドレス(Aj)の判定領域にヒステリシ
スを持たせ、該ヒステリシス領域内においては、第1の
スケールλmの位置による判定条件を付加することによ
り、内挿誤差の影響を受けず誤動作のないλmアドレス
Ajの検出が実現できる。
【0092】次に、本発明におけるλmアドレスAjの
切替え部に付与すべきヒステリシス及びその他の判定条
件の設定について、具体的な数値を適用し説明する。
【0093】上述のように、位相差Δφはパルス数ΔD
として検出され、区間位相量φZ(=2π/16)は区
間パルス数ND(=64)に対応している。
【0094】第1のスケール及び第2のスケールの波長
が略等しいので、システムにおいて想定される内挿誤差
が略等しいとして、その振幅をIeとすれば、内挿誤差
に対応する位相量φie及びパルス数Dieは次のよう
に表すことができる。
【0095】 φie=2π×(Ie/λm) (17) Die=M×φi/2π=1,024×(Ie/λm) (18) すなわち、λmアドレス(Aj)の切替え部において
は、パルス数ΔDはDieずつ変動する可能性がある。
【0096】ここで、波長λに対する内挿誤差率Ie/
λmは通常1%程度であり、そのときのDieは、(1
8)式から約10パルスであり、λmアドレスAjの切
替え部においては、第2のスケールλaの内挿誤差によ
り、区間パルス数ND(=64)に対して±10パルス
の変動が生ずると考えることができる。さらに、第1の
スケール11における内挿誤差の影響に伴うパルス数D
ieも10パルスとすれば、この値を加えた区間パルス
数ND(=64)に対して±20パルス分内側の領域、
すなわち、パルス数ΔDが20以上(=0+20)から
44未満(=64−20)の区間は、内挿誤差の影響を
受けず一義的にλmアドレスAjを決定できる領域(以
下、無条件判別領域)である。
【0097】また、上記無条件判別領域の外側、すなわ
ち、ΔDが0以上20未満の下側領域及びΔDが44以
上64未満の上端領域においては、第1のスケールにお
いて検出される位相量φmが、λmの中間値、すなわ
ち、Dmが512パルス(1,024/2)位置を基準
にして大小を判別する条件を付加し、該判定結果に応じ
て仮決定されたλmアドレスAjを補正すれば良い。
【0098】次に、図22に示す処理フローに従い、本
発明におけるλmアドレス(Aj)の判定手順を説明す
る。
【0099】先ず、最初のステップS1では、サンプリ
ング時刻tiにおいて、基準信号MODSが入力される
と、CPU73が割り込み動作を開始し、上記第1のパ
ルスカウンタ71の計数値Dm(ti)及び第2のパル
スカウンタ72の計数値ΔD(ti)を取り込み、RA
M74の所定のメモリ領域に格納する。
【0100】次のステップS2において、CPU73
は、上記ΔDを区間パルス数NZ(=64)で除算し、
商jをλmアドレスの候補として、また、剰余Resを
λmアドレス確定用のデータとしてRAM74の所定の
メモリ領域に格納する。
【0101】次のステップS3において、CPU73
は、剰余Resの値に応じて3つの領域に分別し、次の
判定処理によりλmアドレスAjを確定する。
【0102】すなわち、0≦Res<20のときには
(ステップS41)、Dm(ti)が中央値512を超
えているか否かについての判定を行う(ステップS5
1)。
【0103】そして、このステップS51における判定
結果が”Yes”すなわちDm(ti)≧512である
場合は、上記ステップS2において算出された商jから
1を減算し、この値をλmアドレスAjとし(ステップ
S61)、また、判定結果が”No”すなわちDm(t
i)<512である場合には、上記ステップS2で検出
されたAjをそのままλmアドレスAjとする(ステッ
プS62)。
【0104】また、20≦Res<44のときには(ス
テップS42)、ステップS2で検出された商jをその
ままλmアドレスAjとする(ステップS62)。
【0105】さらに、44≦Res<64のときには
(ステップS43)、Dm(ti)が中央値512より
小さいか否かについて判定を行う。
【0106】そして、このステップS53における判定
結果が”Yes”すなわちDm(ti)<512である
場合には、上記ステップS2において算出された商jに
1を加算し、この値をλmアドレスAjとし(ステップ
S63)、また、判定結果が”No”すなわちDm(t
i)≧512である場合は、上記ステップS2で検出さ
れたAjをそのままλmアドレスAjとする(ステップ
S62)。
【0107】次のステップS7では、上記の手順によっ
てλmアドレスAjを確定した後、CPU73はλmア
ドレスAjに波長λmを乗じたのち、上記Dm(ti)
と加算し、時刻tiにおける16λm区間内における絶
対位置X(ti)を生成する。
【0108】以下、サンプリング時刻ごとに同様の手順
(S1〜S7)を繰り返し、16λm区間内における絶
対位置を求める。また、生成された絶対位置X(ti)
は、例えば表示として利用する、又は測定データとして
外部のシステムに出力するなど、必要に応じて利用でき
る。
【0109】ところで、本発明に係る位相検出型のアブ
ソリュートエンコーダ100では、λmアドレス切替え
部にあらかじめシステムに想定される内挿誤差を見越し
た判定ゾーンを設け、上記λmアドレスAjの検出に伴
う誤動作を防いでいる。
【0110】しかしながら、出荷時においては高精度で
あっても、例えば、構成部品の劣化や調整状態の変化な
どにより内挿誤差が悪化し、あらかじめ想定した内挿誤
差の見積量を超え、結果としてλmアドレスAjの検出
に誤差を生じる。
【0111】さらには、これらの内挿誤差を多めに見積
もると上記Nを大きくできず、結果としてアブソリュー
トで計測区間が狭まる等の問題がある。
【0112】そこで、このアブソリュートエンコーダ1
00では、内挿誤差の劣化等を監視し、必要に応じて自
動調整機能を起動することによって内挿誤差を常に適正
なレベル以下に保つことを保証し、上記Nとして大きな
値を設定可能とし、もって高精度かつ広いアブソリュー
ト計測区間の実現を可能としている。
【0113】ここで、このアブソリュートエンコーダ1
00における内挿誤差の監視及び自動調整ついて説明す
る。
【0114】すなわち、このアブソリュートエンコーダ
100は、例えば、図23に示すような構成のλaパル
ス生成部16を備える。このλaパルス生成部16は、
上記第2の変位量検出部23から位相変調信号epaが
波形整形回路61を介して供給されるD型フリップフロ
ップ62と、このD型フリップフロップ62の出力が入
力される同期微分回路63とを備え、上記タイミング信
号生成部18から基準信号MODSがD型フリップフロ
ップ62に供給されるとともに、クロックパルスM×f
が同期微分回路63に供給されている。そして、このλ
aパルス生成部16から出力されるλaパルスが、図1
1に示した演算部17のCPU73に入力されており、
必要に応じてCPU73に対する割り込み信号として機
能する。また、上記演算部17のRAM74の一部は、
不揮発メモリで構成されている。
【0115】次に、上記に示す内挿誤差の監視と自動調
整の実現にかかる基本的な原理について説明する。
【0116】一般に、第1のスケール11及び第2のス
ケール21の目盛り(波長)は光波干渉計を基準として
形成(記録)するため極めて高精度である。また、上記
12式あるいは17式からも明らかなように、Xの周
期、すなわち、波長λaの移動ごとに発生するλaパル
スのピッチは、たとえDCのずれや出力レベルのずれに
拘わらず常に一定の値となる。
【0117】2)図1に示す第1のλパルス生成部16
は、アブソリュート計測区間において、第2のスケール
21の波長λaの移動毎にλaパルスを生成し、アブソ
リュート計測区間における移動に伴って17ヶのλaパ
ルスを発生する。ここで、第2のスケール21の波長λ
aの各アドレス毎に発生するλaパルスを特定するた
め、λaアドレス(Ak)がkからk+1に変化すると
き発生するλaパルスをλa(k)と表すことにすれ
ば、λaパルス(λa(k))の発生位置に対応する第
1のスケール11の波長λm内の位置は(16−k)×
λm/17となる。
【0118】次に、各スケール11,21の記録条件が
一定であり、スケール素材が一定の品質を保っていれ
ば、比較的狭い範囲、例えば、アブソリュート計測区間
における各波長内の内挿誤差は類似性を有すると考えら
れる。
【0119】したがって、上記アブソリュート計測区間
に亘る移動に際して正確なピッチで発生する17ヶのλ
aパルス(λa(k))は、第1のスケール11の1波
長内をλm/17ピッチでサンプルしたことに相当す
る。
【0120】ここで、次の表5はλaパルス(λa
(k))によってサンプリングされる波長λm内の位置
(16−k)×λm/17と該位置に対応するパルス数
の理論値Dmt(k)を示したものであり、実際には各
々のスケールにおける内挿誤差によりずれを生ずる。
【0121】
【表5】
【0122】したがって、実際に計測された値と、上記
表5に示す理論値との差異を検出することにより、各ス
ケール11,21における内挿誤差を測定したことにな
る。
【0123】ところで、この実施の形態においては、第
1のスケール11の波長λm内を17回サンプリングし
ており、上述のようにDCのずれや出力レベルのずれに
よって発生する内挿誤差の周期は、波長λに対して最大
でも2周期成分しか含まない。したがって、サンプリン
グ定理からも明らかなように、これらの要因に伴う内挿
誤差を完全に評価できる。
【0124】次に、このアブソリュートエンコーダ10
0における内挿誤差の監視と自動調整にかかる具体的な
方法について説明する。
【0125】内挿誤差の自動調整を行う場合、適切なタ
イミングで内挿誤差の監視を行い、該監視結果を所定の
判定値と比較して自動調整を起動し、当該製品として許
容する内挿誤差を維持するように構成する必要がある。
【0126】1)「内挿誤差の規格値」の設定 既に述べたとおり、波長λに対する内挿誤差の比率(I
e/λ)は通常1%程度である。したがって、上記の値
より大きく、かつ製品として許容し得る内挿誤差の規格
値Irとして、例えば2%に設定すれば内挿誤差の規格
値Irは0.002×λとなり、この実施の形態では例
えば20μmと設定することができる。
【0127】この内挿誤差の規格値Irを演算部17の
RAM74内の所定の不揮発領域に格納し、内挿誤差の
監視時等に参照できるようにすればよいが、演算処理の
面からは分解能単位のパルス数Drとして格納するのが
好都合である。
【0128】2)出荷時における内挿誤差の取得 上述のように、製品に許容する「内挿誤差の規格値I
r」を自動調整起動に際しての判定値とすることができ
る。
【0129】しかしながら、同一の製品であっても個々
の製品毎に内挿誤差の様子が異なること、さらには、経
時的な変化を監視し、該監視結果に基づいて自動調整機
能を起動することによって常に最良の精度を維持すると
いう観点からは、当該製品の最良状態と想定される出荷
時における内挿誤差を取得し、該取得された内挿誤差に
所定のマージンを上乗せした値を判定値と設定する方が
好都合な場合もある。
【0130】以下、生産工程あるいは出荷時において実
施される内挿誤差の取得について説明する。
【0131】手順11 第1のスケール11における最
適な電気調整が終了した時点で、演算部17の制御入力
に所定の信号を与え「内挿誤差保存モード」を起動す
る。この内挿誤差保存モードにおいては、例えば、λa
パルスλa(k)によってCPU73に割り込みをか
け、パルスカウンタ72の計数値、すなわち、上記λa
パルスλa(k)に対応する波長λm内の絶対値を読込
むように構成するのが好都合である。
【0132】手順12 上記λaパルスλa(k)に対
応する第1のスケール11の波長λm内の理論的な絶対
位置、すなわち、(16−k)×λm/17に対応する
パルスカウンタ71の計数値Dm(k)を取り込む。
【0133】手順13 次に、パルスカウンタ72の計
数値ΔD(k)を取り込み、上述のλmアドレス特定手
順に準じて、上記λa(k)が発生したλaアドレスk
を特定し、該特定されたkを用いて上記λa(k)に対
応する波長λm内の位置、すなわち、(16−k)×λ
m/17位置における理論値Dmt(k)との差として
該位置における内挿誤差Ies(k)を計測し、アドレ
スkをインデックスとして、不揮発メモリの所定の領域
(以下、出荷時内挿誤差テーブルTis(k))に格納
する。
【0134】手順14 上記の手順11〜手順13を、
全てのλa(k)、すなわち、k=0〜16まで繰り返
し、波長λm内の全域に亘って、λm/17単位の内挿
誤差を取得し、出荷時内挿誤差テーブルTis(k)に
格納する。
【0135】もし、上記によって計測された内挿誤差が
製品に許容すべき内挿誤差Irより大きいときは、再度
電気調整をやり直した上で上記手順11〜手順14を繰
り返す。
【0136】ここで、λaアドレスの特定は、λmとλ
aとの関係を入れ換え、かつλaアドレスの1区間に対
応するパルス数をM/17(約60)とし、さらに、上
記Dm(k)とΔD(k)とを加算することによって、
波長λa内の絶対値Da(k)を求めることにより、上
述のλmアドレスと同様の手順でλaアドレスを特定す
ることができるが、該λa(k)パルスが入力されたと
きの波長λmのN倍区間における絶対位置X(k)を求
め、該X(k)をλaで除算する等の方法で実現でき
る。
【0137】3)内挿誤差の監視 内挿誤差の監視は、通常ユーザ側において実施され、例
えば、ユーザがキーボード等を介し、又は、電源投入時
に自動的に「内挿誤差監視モード」を起動し、あらかじ
め、当該製品の内挿誤差の規格値Irもしくは出荷時に
取得され出荷時内挿誤差テーブルTis(k)に格納さ
れた値Ies(k)に所定のマージンを持たせた値Ie
c(k)を、RAM74内の所定の領域に設けた内挿誤
差判定値テーブルTic(k)に格納し、波長λm内の
所定の位置(λm/17ピッチ)毎の判定値とするよう
に構成するのが好都合である。また、このモードにおい
ては、規準信号MODSでの割り込みによる通常の絶対
位置計測と、λaパルスでの割り込みによる内挿誤差監
視とが同時並行的に実行するように構成するのが好都合
であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に選択す
ることができる。
【0138】ここでは、説明を簡単にするため内挿誤差
の監視機能についてのみ説明する。
【0139】手順21 演算部17にλa(k)が入力
されると、CPU73は割り込み動作を開始し、パルス
カウンタ71の計数値Dm(k)を取り込み、RAM7
4の一時記憶領域に保存する。
【0140】手順22 同時に、パルスカウンタ72の
計数値ΔD(k)を取り込み、λaアドレスkを特定
し、該特定されたkを用いて上記λa(k)に対応する
波長λm内の位置、すなわち、(16−k)×λm/1
7位置における理論値Dt(k)との差として該位置に
おける内挿誤差Ie(k)を検出し、アドレスkをイン
デックスとして所定の領域(以下、監視時内挿誤差テー
ブルTi(k))に格納する。
【0141】手順23 次に、該計測された内挿誤差I
e(k)を、RAM74の内挿誤差判定値テーブルTi
c(k)内の所定の領域に格納された内挿誤差の判定値
Iec(k)と比較し、該規格値を超えた時は、上記監
視時内挿誤差テーブルTi(k)の対応する位置に内挿
誤差エラーEr(k)を書き込む。
【0142】手順24 上記の手順21〜手順23を、
全(すべ)てのλa(k)に対して実行し、波長λin
内におけるλm/17単位のすべての位置における内挿
誤差Ie(k)及び内挿誤差エラーEr(k)を計測
し、それらの結果を監視時内挿誤差テーブルTi(k)
に格納する。
【0143】4)内挿誤差エラーの判定 上記3)の内挿誤差の監視において計測されたIe
(k)を内挿誤差判定値Iec(k)と比較し、最初の
内挿誤差エラーEr(k)が検出された時点で直ちに内
挿誤差が判定値を超過したものと判定し、直ちに警報信
号を出力することもできる。しかしながら、ただ1回の
内挿誤エラーEr(k)のみで判定すると、例えばノイ
ズ等による一時的な反応と混同し、過剰な警報信号とな
り得る。また、後述のように、通常、内挿誤差は波長λ
内において1周期若しくは2周期で振動する信号であ
る。
【0144】したがって、次のように判定することによ
り、誤動作のない確実な内挿誤差エラーの判定が可能と
なる。
【0145】波長λmの1周期内で発生した内挿誤差エ
ラーEr(k)の個数を計数し、その個数に応じて次の
処理を行う。
【0146】処理1 1箇所のみで発生した時は、次の
サイクルにおいても同じ位置、すなわち、同一のλa
(k)で内挿誤差エラーEr(k)された場合のみ、内
挿誤差エラーが発生したものと判定する。
【0147】処理2 波長λm内の2箇所以上で内挿誤
差エラーEr(k)発生した時は、無条件に内挿誤差エ
ラーが発生したものと判定する。 5)内挿誤差要因の特定 内挿誤差エラーと判定されると、CPU73は、該誤差
要因を補正する電子ボリュームDC1,DC2,GAJ
に適切な調整信号ADJを与えるための前準備としての
誤差要因の特定処理を開始する。
【0148】誤差要因の特定方法としては、波長λaの
1周期にわたって検出され、監視時内挿誤差テーブルT
i(k)に格納された内挿誤差Ie(k)をフーリエ解
析によって分析し、波長λmに対する1周期若しくは2
周期成分のレベルと位相とに分解することにより誤差要
因を特定することもできる。
【0149】しかしながら、誤差の要因が極めて限られ
ていること、また、表2にも示すごとく、波長λ内にお
ける内挿誤差の周期と位相は各々の誤差要因に対して独
立なパターンを有することを利用し、波長λ内において
検出された内挿誤差の周期と、該内挿誤差の極大(山)
となる位置と極小(谷)となる位置のとの関係を利用
し、所定の判定ルールに照らして誤差要因を特定するの
がコスト的な面や処理速度の面からも好都合である。
【0150】図24は、誤差要因の特定に関する手順を
示したものであり、以下詳細に説明する。
【0151】先ず、Er(k)の発生した位置に対し、
kの降順、すなわち、波長λm内の0側から内挿誤差I
e(k)を検査し、符号を考慮して最大の内挿誤差Ie
(k)maxが検出されたλa(k)max及び最小の
内挿誤差Ie(k)minが検出されたλa(k)mi
nを探す(ステップS11)。
【0152】次に、最大の内挿誤差Ie(k)maxが
検出されたλa(k)max及び最小の内挿誤差Ie
(k)minが検出されたλa(k)minから波長λ
k内の位置を求め、第1の極大値(山)及び第1の極小
値(谷)としてRAM74の所定の記憶領域に記憶する
(ステップS12)。ここで、λa(k)に対応する第
1のスケール11の波長λm内の位置は(16−k)×
λm/17として求まることは既に述べたとおりであ
る。
【0153】次に、上記ステップS12で検出された第
1の極大値(山)と第1の極小値(谷)の数を判定する
(ステップS13)。
【0154】そして、第1の極大(山)と第1の極小値
(谷)が各々1箇ずつ検出された時はステップS14に
移り、また、第1の極大(山)すなわちIe(k)ma
x若しくは第1の極小(谷)すなわちIe(k)min
のいずれかしか検出されなかった時は、3要因によるも
のと判定してステップS22に移る。
【0155】次のステップS14では、上記Ie(k)
max及びIe(k)minを除く位置で、2番目に大
きな内挿誤差Ie(k)max2が検出された第2の極
大値(山)と2番目に小さい内挿誤差Ie(k)min
2が検出された第2の極小値(谷)を探す。そして、第
2の極大値(山)及び第2の極小値(谷)の位置を求め
(ステップS15)、その有無と数を判定し(ステップ
S16)、次の処理を行う。
【0156】すなわち、上記Ie(k)max2とIe
(k)min2のいずれも検出されなかった時は、1周
期成分、すなわち、DCのずれのみと判定し、上記RA
M74に格納されている第1の極大値(山)と第1の極
小値(谷)の値を表2及び表3のルールを用いて分析
し、DCの重畳しているヘッドの数(単独若しくは両
方)と帯磁の方向(A及びB符号)を判定する(ステッ
プS17)。
【0157】また、Ie(k)max2とIe(k)m
in2が検出された時、すなわち、2周期成分が検出さ
れた時は、該検出された第2の極大値(山)及び第2の
極小値(谷)をRAM74の所定の記憶領域に格納し、
上記RAM74に格納されているこれら2組の極大値と
極小値の大小関係を判定し(ステップS18)、その判
定結果に基づいて、単独要因によるものか、2つの要因
によるものかを判定する(ステップS19)。
【0158】ステップS20では、Ie(k)maxと
Ie(k)max2及びIe(k)minとIe(k)
min2のレベルに明らかな差が認められるときに、片
側のヘッドのDCずれと出力レベルのずれが重畳してい
るものと判断し、上記RAM74に格納されている第1
の極大値(山)と極小値(谷)の位置を表3に示すルー
ルを用いて分析し、帯磁しているヘッド(A又はB)と
ずれの方向(正負)及び出力レベルのずれの方向(bの
符号)を特定する。
【0159】ステップS21では、Ie(k)maxと
Ie(k)max2及びIe(k)minとIe(k)
min2のレベル、すなわち内挿誤が略等しいときに、
CH1出力レベルとCH2出力レベルのずれによる要因
と判定し、上記2組の極大値(山)及び極小値(谷)を
表2のルールを用いて分析し、出力レベルの大小関係、
すなわち、誤差要因b符号を特定する。
【0160】ステップS22では、Ie(k)max
(極大(山))若しくはIe(k)min(極小
(谷))のいずれかしか検出できなかった時に、両チャ
ンネルのヘッドのDCずれと出力レベルのずれとその方
向(A,B,bの極性)を特定する。
【0161】そして、以上の手順により特定された誤差
要因(A,B,b)と、該ずれの方向(正負)とをRA
M74の所定の記憶領域に格納した後(ステップS2
3)、警報信号を出力する(ステップS24)。
【0162】ところで、今までの説明においては、理解
を容易にするため、2チャンネルのヘッドのDCずれに
関してはずれの絶対値を等しいものとして説明した。
【0163】しかしながら、実際にはずれの絶対値が等
しくならないことの方が多く、その場合においては、上
述の(13)式からも明らかなように、極大値(山)と
極小値(谷)の位置がλ/8(π/4)単位の位置とず
れることがあり、その前後、例えば、本事例におけるご
とく波長λ/16単位でサンプルしている場合について
はその前後において極大(山)と極小(谷)が検出され
ることを考慮する必要がある。
【0164】また、この実施の形態では、表3を波長λ
間を16分割したテーブルで示したが、17分割し、端
数を丸めた値として計算し、該丸めた位置における極大
(山)又は極小(谷)を理論的に算出し、その値を比較
のためのテーブルとすれば良い。
【0165】5)自動調整 警報信号が出力されると、システムは「自動調整モー
ド」を起動し、上記の特定された誤差要因の情報をもと
に自動調整を開始することができる。
【0166】「自動調整モード」への移行方法として
は、例えば、警報信号の出力と連動して自動的に移行す
る方法や、ユーザや他の機器等が警報信号の出力された
ことを認識し、キーボードや外部からの指令信号等を介
して起動する等の方法があり、必要に応じて選択すれば
よい。
【0167】基本的には、上述のごとく誤差要因とその
ずれの方向が明らかとなっているため、その要因を特定
し、CPU73から調整信号ADJを与え、該要因を打
ち消す方向に電子ボリュームDC1、DC2、GAJを
制御すれば良い。
【0168】以下、「自動調整モード」が起動された時
の自動調整の処理について説明する。
【0169】なお、実際の調整動作においては、調整時
における内挿誤差を格納する一次記憶用のテーブル領域
を確保しておく必要があるが、説明を簡単にするため省
略する。
【0170】自動調整の処理は、原理的に次の手順31
〜手順35にしたがって実行される。
【0171】手順31 「自動調整モード」が起動され
ると、CPU73は上記誤差要因を格納しているRAM
74を参照し、該誤差要因から調整対象とすべき電子ボ
リュームDC1,DC2,GAJを特定し、調整信号A
DJの選択信号SLTにより選択指定される該電子ボリ
ュームに選択信号CS1,CS、CS3を供給する。
【0172】手順32 次に、上記RAM74からずれ
の方向を参照し、該ずれの方向を補整する向きに電子ボ
リュームDC1,DC2,GAJのワイパー位置を可変
するワイパー制御信号(U/D,INC)を与える。
【0173】手順33 しかる後、該誤差要因において
特定される極大(山)位置における内挿誤差Ie(k)
maxと極小(谷)位置における内挿誤差Ie(k)m
inを計測する。そして、該位置における内挿誤差が低
減する方向に変化していれば、該検出された内挿誤差を
出荷時の内挿誤差テーブルTis(k)に格納されてい
る値と比較し、その差異が最小になるまで上記手順32
を繰り返す。また、検出された内挿誤差が増加する方向
へ変化している時は、上記電子ボリュームのワイパーを
反対方向へ移動する向きにワイパー制御信号を与え、該
検出された内挿誤差を出荷時における内挿誤差テーブル
Tis(k)と比較し、その差異が最小になるまで上記
手順32を繰り返す。
【0174】手順34 上記の手順31〜手順33によ
り、最良の調整状態における内挿誤差が出荷時の内挿誤
差Ies(k)を再現できたら終了信号を出力し、「自
動調整モード」を終了する。
【0175】以上、自動調整の基本的な処理について説
明した。しかしながら、実際には、複数の誤差要因が重
畳する場合もあり、調整の順序等も考慮する必要があ
る。この場合は、誤差パターンの特性を顧慮して、次の
ような順序で調整するのが好都合である。
【0176】(a)DCのずれと出力レベルのずれか重
畳している場合は、最初にDCのずれを調整し、第1の
極大値(山)における内挿誤差Ie(k)maxと第2
の極大値(山)における内挿誤差Ie(k)max2
(又は、第1の極小値(谷)における内挿誤差Ie
(k)minと第2の極小値における内挿誤差Ie
(k)min2における差異を最小にするように調整し
た後、出力レベルの調整に移るのが好都合である。
【0177】(b)2チャンネルのDCずれと出力レベ
ルのずれが重畳している場合においては、先ず、出力レ
ベルの調整を行い、DGのずれによる内挿誤差パターン
を再現した後、波長λに対する1周期の成分とし、しか
る後、極大点の位相からDCずれの大きい側のヘッドを
特定して調整し、最後にDCずれの小さいほるのヘッド
のDCずれを調整するのが好都合である。
【0178】また、これら複数の要因が重畳している場
合には、最良状態に調整でき、かつ、調整された結果が
規格値を満足できた場合においても必ずしも出荷時にお
ける内挿誤差Ies(k)のパターン、例えば、誤差の
周期や(山)と極小(谷)の位置等が一致しない場合も
あり得る。
【0179】この場合は、最良状態に調整した時点での
内挿誤差を次回に自動調整が起動された時の判定基準と
する、例えば、出荷時内挿誤差テーブルTis(k)の
内容を、上記最良調整状態での内挿誤差テーブルTi
(k)の値で書き換え、次回はこの値を基準として調整
するなど、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に対応
できる。
【0180】本発明の具体的な実施の形態として、所望
の分解能Rを1μm得るために、第1のスケール11の
波長λmを所望の分解能1μmの1,024倍とし、位
相変調信号のキャリア周波数fの1,024(M=1,
024)倍のクロックパルスを用いて内挿するととも
に、第1スケール11の波長λmの16倍区間(N=1
6)の絶対位置を検出するため、第1のスケール11の
波長λmと第2のスケール21の波長λaとの関係を1
6×λm=17×入aなる2進系列の数値を設定した事
例について説明した。
【0181】しかしながら、上述のごとく、所望の分解
能λm/Mを得るため第1のスケールの波長λm及び設
計条件M、Nは10進系列の値、例えば、λm=l,0
00、M=1000、N=20のよう設定し得ることは
言うまでもない。
【0182】また、本実施例において、第1のスケール
と第2のスケールの位相差Δφを第2の位相比較部24
を用いて直接算出している。
【0183】しかしながら、第1の位相比較部14にお
けるごとく、第2の位相比較部24においても、位相変
調信号epaと上記基準信号との位相比較により第2の
スケール21の波長λa内の絶対位置として検出し、該
位相差をφa(ti)として検出した後、第2のゲート
回路25及びパルスカウンタ72を介してパルス数Da
(ti)として検出し、演算部17により演算処理ΔD
=Da(ti)−Dm(ti)として検出できることは
言うまでもない。
【0184】また、本発明においては、測尺の基準とな
る第1のスケール11、すなわち、第1の変位量検出部
13のみを調整する例を説明したが、図1において破線
で示したごとく、第1の変位量検出部13からの出力と
基準信号を供給して第2のλパルス生成部26から出力
されるλmパルスを用い、第2の変位量検出部23の自
動調整を行うように構成することもできる。
【0185】さらに、内挿誤差の監視においても、シス
テムに電源が投入された時点、あるいはタイマー等によ
り定期的なタイミングで監視を起動するなど、本発明の
主旨を逸脱しない範囲で様々な方法が適用できる。
【0186】また、自動調整の開始においても、警報信
号の出力とともに自動的に調整モードを起動するだけで
なく、例えば、ユーザは外部からの制御信号を入力した
時点で自動調整を起動するなど、様々な態様に適用可能
である。
【0187】さらに、上述の実施の形態においては磁気
式について説明したが、本発明は、磁気式に制約される
ことなく、例えば光学方式のごとくスケールとヘッドと
の相対移動に対応した2チャンネルの直交する正弦波信
号が出力されるようなシステムにおいても、該検出され
た2相の正弦波信号を、キャリア周波数fの信号で直交
変調した後加算することにより、位相変調信号を取り出
すようにすれば同様に適用できる。
【0188】さらに、本発明においてはリニアエンコー
ダヘの適用について説明したが、繰り返し区間を円周長
と一致させることにより回転量のアブソリュート検出に
も適用可能である。
【0189】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、トラッ
ク数が少ないため、システムの構造が簡単になり、小型
・低コストで絶対位置検出システムを実現できる。
【0190】また、位相変調信号を用いた位置検出シス
テムのため、該位相変調信号のキャリア周波数fに対
し、クロックパルスの周波数M×fを高く、すなわち、
Mを大きくするだけで容易に高分 解能を実現すること
ができる。また、交流結合方式のため、例えば、差動ト
ランス方式におけるようなDCドリフトの影響を受けな
いため、ウオームアップなしで直ちに測定できる。さら
に、差動トランス方式においては出力レベルの変動が直
ちに誤差の要因となるが、本方式においては、たとえ2
チャンネルの検出ヘッドからの出力レベルが変化して
も、出力の比が変動しない限り誤差の要因とならず、安
定かつ高精度なリニアエンコーダを実現できる。
【0191】また、他の計測システムの助けを借りるこ
となく、本システム単独で内挿誤差を監視することがで
きるだけでなく、計測された内挿誤差を分析し、該内挿
誤差の発生要因を特定することができる。
【0192】したがって、内挿誤差が所定のレベルを超
えた時点で警報信号を出力することができるだけでな
く、警報信号を検出して時点で自立的若しくは外部の制
御信号の指令により自動調整を実行することができるた
め、取付け状態の変化や部品の劣化等に起因する内挿誤
差の悪化を事前に検出し補正することができ、長期間に
わたって高精度な検出が実現できる。
【0193】さらに、内挿誤差を所定のレベルに維持す
ることが可能なため、内挿誤差に起因するλアドレスの
誤動作を防ぐために設定したλアドレスの切替え領域に
おける判定ゾーンを最小に設定でき、結果としてNを大
きく選ぶことができ、アブソリュート計測範囲を拡大す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアブソリュートエンコーダの構成
を示すブロック図である。
【図2】上記アブソリュートエンコーダにおける第1の
変位量検出部の構成を示すブロック図である。
【図3】上記アブソリュートエンコーダにおける検出ヘ
ッドを構成するMRセンサの構成例を示す図である。
【図4】上記第1の変位量検出部に備えられる加算増幅
器の構成例を示す図である。
【図5】上記第1の変位量検出部に備えられる電子ボリ
ュームの構成例を示す図である。
【図6】上記第1の変位量検出部に備えられる調整信号
制御回路の構成例を示す図である。
【図7】上記アブソリュートエンコーダにおける第1の
位相比較部の構成を示すブロック図である。
【図8】上記第1の位相比較部の動作タイミングを示す
図である。
【図9】アブソリュート計測区間において第1の変位量
検出回路で検出された位相量φmと、第2の変位量検出
回路で検出された位相量φaとの関係を示す図である。
【図10】第1の変位量検出部で検出された位相量φm
と、φaとφmとの位相差Δφ(=φa−φm)との関
係を示す図である。
【図11】演算部の構成例を示すブロック図である。
【図12】CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のDC
ずれが重畳した内挿誤差の一例を示す図である。
【図13】CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のDC
ずれが重畳した内挿誤差の一例を示す図である。
【図14】CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のDC
ずれが重畳した内挿誤差の一例を示す図である。
【図15】CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のDC
ずれが重畳した内挿誤差の一例を示す図である。
【図16】CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のDC
ずれが重畳した内挿誤差の一例を示す図である。
【図17】CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のDC
ずれが重畳した内挿誤差の一例を示す図である。
【図18】CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のDC
ずれが重畳した内挿誤差の一例を示す図である。
【図19】CH1ヘッド及びCH2ヘッドの正負のDC
ずれが重畳した内挿誤差の一例を示す図である。
【図20】DC偏倚が乗じたときの第1のスケールの内
挿誤差ΔXの例を示す図である。
【図21】λmアドレスAjの確定にかかる基本的な考
え方を説明する図である。
【図22】λmアドレスAjの判定手順を示すフローチ
ャートである。
【図23】上記アブソリュートエンコーダに備えれるλ
パルス生成部の構成例を示すブロック図である。
【図24】誤差要因の特定に関する手順を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
11 第1のスケール、12A,12B MRセンサ、
12 第1の検出ヘッド、12A,12A,12A
,12A,12B,12B,12B,12B
MR素子、13 第1の変位量検出部、14 第1
の位相比較部、15 第1のゲート回路、17 演算
部、18 タイミング信号生成部、21第2のスケー
ル、22 第2の検出ヘッド、23 第2の変位量検出
部、24第2の位相比較部、25 第2のゲート回路、
31,32 乗算器、33 加算増幅器、34 調整信
号制御回路、34A デコーダ、41 波形整形回路、
42,43 第1及び第2の同期微分回路、44 JK
フリップフロップ、61波形整形回路、62 D型フリ
ップフロップ、63 同期微分回路、71,72パルス
カウンタ、73 CPU、74 RAM、91 アップ
ダウンカウンタ、92 ポジションデコーダ、93 可
変抵抗器、DC1,DC2,GAJ 電子ボリューム、
100 アブソリュートエンコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F077 AA11 CC02 CC07 CC08 NN24 PP06 PP14 QQ05 TT04 TT16 TT41 TT58 TT66 TT71 TT81 UU20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長λmの目盛りが形成された第1のス
    ケールと、該第1のスケールの信号を検出する第1の検
    出ヘッドと、上記第1のスケールと第1の検出ヘッドの
    相対的な変位量をキャリア周波数fの位相変調信号とし
    て取り出すように構成された第1の変位量検出手段と、
    上記第1のスケールと異なる波長λaの目盛りが形成さ
    れた第2のスケールと、該第2のスケールの信号を検出
    する第2の検出ヘッドと、上記第2のスケールと第2の
    検出ヘッドとの相対的な変位量をキャリア周波数fの位
    相変調信号として取り出すように構成された第2の変位
    量検出手段と、上記第1の変位量検出手段より得られる
    位相変調信号と、第2の変位量検出手段から得られる位
    相変調信号との位相差を検出し、該位相差を用いて、第
    1のスケールの波長λmのN倍波長で繰り返す周期的な
    信号を得て、上記第1のスケールの波長のN倍区間をア
    ブソリュートに検出するように構成したアブソリュート
    エンコーダにおいて、 上記第1の変位量検出手段から得られるキャリア周波数
    fの位相変調信号を周波数fの基準信号と位相比較して
    第1のスケールの波長λm内における第1の検出ヘッド
    の絶対位置に対応したパルス幅変調信号を生成する第1
    の位相比較手段と、 この第1の位相比較手段により生成されたパルス幅変調
    信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿
    して第1のスケールの波長λm内における第1の検出ヘ
    ッドの絶対位置に対応した分解能λm/Mのパルス列に
    変換する第1のゲート回路と、 上記第1の変位量検出手段から出力される位相変調信号
    と第2の変位量検出手段から出力される位相変調信号の
    位相差に対応するパルス幅変調信号を生成する第2の位
    相比較手段と、 この第2の位相比較手段により生成されたパルス幅変調
    信号にキャリア周波数fのM倍のクロックパルスを内挿
    し、上記位相差に対応したパルス列に変換する第2のゲ
    ート回路と、 上記第2の変位量検出手段と上記基準信号とを比較して
    第2のスケールの波長λaに対応する変位量ごとのパル
    ス(以下、λaパルス)を生成するパルス生成手段と、 上記第2のゲート回路の出力を利用して第1のスケール
    の波長λmのアドレス(以下、λmアドレス)として特
    定するようになし、上記第1のゲート回路から出力され
    るパルス列を計数して第1のスケールの波長λm内の絶
    対位置を得て、上記特定されたλmアドレスとを合成す
    ることにより、第1のスケールの波長λmのN倍区間に
    亘って分解能λm/Mで検出するとともに、上記第2の
    パルス生成手段から出力されるλaパルスの発生位置に
    対応する第1のスケールの波長λm内の絶対位置を計測
    し、該計測値の理論値からのずれ量を内挿誤差として検
    出し、該検出された内挿誤差とあらかじめ設定された規
    格値とを記憶手段に保存し、上記検出された内挿誤差を
    分析して上記第1の変位量検出手段に設けられた電子的
    調整手段に調整信号を供給して第1のスケールにおける
    内挿誤差を最小にするように電気調整を行う演算手段と
    を備えることを特徴とするアブソリュートエンコーダ。
  2. 【請求項2】 上記演算手段は、アブソリュート計測区
    間内の移動に対応して上記パルス生成手段から出力され
    るλaパルスの発生位置に対応する第1のスケールの波
    長λm内の位置を検出し、該検出された値と該位置にお
    ける理論値との差異を、第1のスケールにおける波長λ
    m内の内挿誤差の代表値とみなし、該代表値をフーリエ
    分析することによって第1のスケール内に重畳する内挿
    誤差の周期と位相成分を特定し、該特定された周期と位
    相とにより誤差要因の大きさとずれの方向を特定し、該
    特定された誤差要因の大きさとずれの方向を打ち消す方
    向に上記第1の変位量検出手段に設けられた電子的調整
    手段に調整信号を供給して第1のスケールにおける内挿
    誤差を最小にするように自動調整を行うことを特徴とす
    る請求項1記載のアブソリュートエンコーダ。
  3. 【請求項3】 上記演算手段は、アブソリュート計測区
    間内の移動に対応して上記パルス生成手段から出力され
    るλaパルスの発生位置に対応する第1のスケールの波
    長λm内の位置を検出し、該検出された値と該位置にお
    ける理論値との差異を、第1のスケールにおける波長λ
    m内の内挿誤差の代表値とみなし、該代表値が第1のス
    ケールの波長λmにおいて極大値又は極小値をとる周期
    と位置とを検出し、内挿誤差の発生要因に固有な極大値
    又は極小値をとる周期と位置とを基準として誤差要因の
    大きさとずれの方向を特定し、該特定された誤差要因の
    大きさとずれの方向を打ち消す方向に上記第1の変位量
    検出手段に設けられた電子的調整手段に調整信号を供給
    して第1のスケールにおける内挿誤差を最小にするよう
    に自動調整を行うことを特徴とする請求項1記載のアブ
    ソリュートエンコーダ。
  4. 【請求項4】 上記演算手段は、あらかじめ設定された
    規格値として所定のメモリに格納された値を基準として
    計測時における内挿誤差を監視し、該検出された内挿誤
    差が上記規格値を超えたことを検出した時点で該検出さ
    れた内挿誤差を分析し、該分析結果に基づいて上記第1
    の変位量検出手段の電子的調整手段に調整信号を供給
    し、該検出された内挿誤差を最小にする自動調整モード
    を実行することを特微とする請求項1記載のアブソリュ
    ートエンコーダ。
  5. 【請求項5】 上記演算手段は、あらかじめ設定された
    規格値として所定のメモリに格納された値を基準とし計
    測時における内挿誤差を監視し、該検出された内挿誤差
    が上記規格値を超えたことを検出して警報信号を出力す
    るとともに、該警報信号若しくは外部から供給される指
    令信号に基づいて内挿誤差を分析し、該分析結果に基づ
    いて上記第1の変位量検出手段の電子的調整手段に調整
    信号を供給し、該検出された内挿誤差を最小にする自動
    調整モードを実行するように構成したことを特徴とする
    請求項1記載のアブソリュートエンコーダ。
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