JP2003083750A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JP2003083750A
JP2003083750A JP2001275202A JP2001275202A JP2003083750A JP 2003083750 A JP2003083750 A JP 2003083750A JP 2001275202 A JP2001275202 A JP 2001275202A JP 2001275202 A JP2001275202 A JP 2001275202A JP 2003083750 A JP2003083750 A JP 2003083750A
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JP2001275202A
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Takayuki Ishikawa
隆之 石川
Junji Hayakawa
順二 早川
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Denso Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調整用電極を別途必要とすることなく、検知
共振周波数の調整が可能な静電容量検出回路を提供す
る。 【解決手段】 可動電極1a〜1dを有し、平面基板表
面において、2軸直交座標方向に変位可能に支持されて
なる振動子1と、振動子の可動電極1a〜1dと対向す
る固定電極2a〜2dを有してなる固定部2とを備え、
振動子1を2軸直交座標方向の一方に振動させると共
に、可動電極1a〜1d及び固定電極2a〜2dによっ
て、振動子1に対する振動方向及び検知方向に静電容量
を形成し、該静電容量変化を検出することで角速度検出
を行う角速度センサにおいて、可動電極1a〜1dと固
定電極2a〜2dとの間に印加するキャリア信号PW
3、PW4の電圧値を可変にする第1、第2電圧調整回
路部12a、12bを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コリオリ力に基づ
いて角速度の検出を行う角速度センサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、角速度センサは、振動子の振動
方向に対して垂直な方向を角速度軸とし、振動方向及び
角速度軸の双方に垂直な軸方向に働くコリオリ力を検出
することで、角速度の検出を行う。
【0003】近年、車載用の角速度センサには小型・低
コスト化が望まれており、半導体(主にSi)基板上に
振動子と検出素子とを形成する方法が研究されている。
このような半導体式の角速度センサでは、Si基板面上
に、振動軸と検出軸を配置し、その変位を、基板に固定
された固定電極と振動子に設けた可動電極と間の静電容
量の変化として検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】角速度センサにおいて
は、センサ感度向上のため、振動方向の共振周波数と検
知方向の共振周波数とを近づけ、共振ピークを利用する
という方法が提案されている。しかしながら、この方法
では素子加工精度によって各共振周波数のバラツキが発
生し、その結果、大きな感度バラツキが発生するため、
共振周波数を調整することが必要になる。
【0005】これに対し、従来の静電力駆動方式では、
可動電極に調整用電極を設け、この電極と固定電極間の
電位を変更することで、見かけ上のばね定数を変更して
共振周波数を調整しているが、可動電極が形成される素
子部に調整用電極を別途設けなければならないことか
ら、素子構成の複雑化を招くと共に、配線等の加工が困
難になり、低コスト化の妨げとなるという問題がある。
【0006】本発明は上記点に鑑みて、調整用電極を別
途必要とすることなく、検知共振周波数の調整が可能な
静電容量検出回路を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、可動電極(1a〜1
d)を有し、平面基板表面において、2軸直交座標方向
に変位可能に支持されてなる振動子(1)と、振動子の
可動電極と対向する固定電極(2a〜2d)を有してな
る固定部(2)とを備え、振動子を2軸直交座標方向の
一方に振動させると共に、該振動させる方向を振動方
向、平面基板表面において振動方向に垂直をなす方向を
検知方向とすると、可動電極及び固定電極によって、振
動子に対する振動方向及び検知方向に静電容量を形成
し、該静電容量変化を検出することで角速度検出を行う
角速度センサにおいて、可動電極と固定電極との間に印
加するキャリア信号電圧(PW3、PW4)を可変にす
る電圧調整回路部(12a、12b)を備えていること
を特徴としている。具体的には、キャリア信号電圧と
は、検知方向の静電容量を形成する固定電極に印加する
ものである。
【0008】このように、電圧調整回路部によってキャ
リア信号電圧を調整することにより、振動子の振動方向
の振動の共振周波数と検知方向の振動の共振周波数との
関係を変化させることができる。これにより、調整用電
極を別途必要とすることなく、検知共振周波数の調整が
可能な静電容量検出回路を提供するができ、振動子の検
知方向の振動の検知感度を向上させることができる。
【0009】例えば、請求項3に示すように、電圧調整
回路部により、検知方向の静電容量を形成する可動電極
に印加する電気信号よりも、キャリア信号電圧を大きく
することにより、上記効果を得ることができる。
【0010】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に、本発明
の一実施形態が適用された角速度センサの概略構成を示
す。以下、図1に基づいて角速度センサの構成について
の説明を行う。
【0012】角速度センサには、振動子1と固定部2と
が備えられた素子部3、C−V変換回路部4、サンプル
ホールド回路部5、第1、第2差動増幅回路部6、7、
同期検波回路部8、感度調整回路部9、励振信号発生回
路部10、及びスイッチング制御回路11が備えられて
いる。そして、励振信号発生回路部10によって振動子
を振動させると共に、スイッチング制御回路11で発生
させる各種駆動信号に基づいて各構成要素を制御するこ
とで、角速度の検出が行われるようになっている。
【0013】素子部3には、振動子1と固定部2とが備
えられており、振動子1には可動電極1a〜1dが設け
られ、固定部2には可動電極1a〜1dに対して所望の
間隔を空けて配置された固定電極2a〜2dが設けられ
ている。この素子部3を構成する振動子1及び固定部2
は半導体基板によって形成されており、振動子1が固定
部2に対して2軸直交座標方向に変位できるように支持
されている。そして、振動子1及び固定部2に備えられ
た可動電極1a〜1d及び固定電極2a〜2dの間に容
量が設定されるようになっている。具体的には、振動子
1に対して紙面左右方向を振動方向とすると、紙面上で
振動方向と垂直を成す方向が検知方向に相当し、これら
振動方向及び検知方向において静電容量が変化するよう
に可動電極1a〜1d及び固定電極2a〜2dが備えら
れた構成となっている。このように構成される素子部3
のうち、固定部2に備えられた各固定電極2a〜2dに
対してスイッチング制御回路11からの電圧信号PW1
〜PW4が加えられるようになっている。この電圧信号
PW1〜PW4は、0[V]、Va[V]のいずれかが
設定される。本明細書においては、これら電圧信号PW
1〜PW4のうち、検知方向において静電容量を変化さ
せるための電圧信号PW3、PW4がキャリア信号に相
当するものとする。C−V変換回路部4は、振動子1の
電圧に基づいて可動電極1a〜1dと固定電極2a〜2
dによる差動容量の変化を電圧に変換するものである。
このC−V変換回路部4の基本構成及び基本作動につい
て、図2に示す作動状態図を参照して説明する。
【0014】図2(a)、(b)に示すように、C−V
変換回路部4は、オペアンプ4a、コンデンサ4b、ス
イッチ4cとを有した構成となっている。オペアンプ4
aの反転入力端子は振動子1に接続されており、反転入
力端子と出力端子との間には、コンデンサ4b及びスイ
ッチ4cが並列に接続されている。スイッチ4cはスイ
ッチ制御回路部11からの信号S1によって駆動される
ようになっており、オペアンプ4aの非反転入力端子に
は定電圧源などにより、固定電極2a〜2dに印加され
る電圧Va[V]の半分の電圧Va/2[V]が入力さ
れるようになっている。
【0015】このC−V変換回路部4の作動、つまり容
量変化から電圧信号への変換は以下のようにして行われ
る。上述した固定部2に備えられた固定電極2a〜2d
と振動子1に備えられた可動電極1a〜1dは、初期状
態において、振動子1に対して振動方向両側に形成され
る容量同士が等容量となり、振動子1に対しての検知方
向両側に形成される容量同士が等容量となるように設定
される。そして、振動子1に対して振動方向両側に形成
された容量によるC−V変換と、振動子1に対して検知
方向両側に形成された容量によるC−V変換は同様に、
以下のようなスイッチトキャパシタ方式によって行われ
る。
【0016】まず、図2(a)に示すように、スイッチ
ング制御回路部11からの各種信号に基づいて、一方の
固定電極2a、2cに対して電圧Vaを印加すると共
に、他方の固定電極2b、2dに対して電圧0を印加
し、かつ、スイッチ4cを閉じた状態とする。これによ
り、振動子1(可動電極1a〜1d)と各固定電極2a
〜2dとの間の容量をそれぞれCa、Cbとすると、C
a、Cbにはそれぞれ、Ca×Va/2、−Cb×Va
/2の電荷が蓄えられ、オペアンプ4aの出力は、Va
/2となる。以下、この状態を状態1という。
【0017】続いて、スイッチング制御回路部11から
の各種信号に基づいて、各固定電極2a〜2dへの印加
電圧を状態1の時と反転させ、かつ、スイッチ4cを開
いた状態とする。これにより、Ca、Cbの電荷が、そ
れぞれ−Ca×Va/2、Cb×Va/2となる。この
ため、電荷の変化は、(Ca−Cb)×Vaとなる。こ
のとき、スイッチ4cが開放されているので、この電荷
の変化分が、コンデンサ4bを介してオペアンプ4aの
出力につながり、オペアンプ4aから(Ca−Cb)×
Va/Cf+Va/2の電位が出力される。以下、この
状態を状態2という。
【0018】従って、状態1におけるオペアンプ4aの
出力と、状態2におけるオペアンプ4aの出力との差分
をとることで、(Ca−Cb)×Va/Cfという容量
差に比例する電圧出力を得ることができる。そして、こ
れらの動作を振動方向、検知方向の双方に対して交互に
繰り返し行うことで、振動方向における振動子1の変位
のモニタリング、及び検知方向における振動子1の変位
によるコリオリ力検出を行っている。
【0019】サンプルホールド回路部5は、第1〜第4
サンプルホールド回路5a〜5dという4つのサンプル
ホールド回路によって構成されている。これら各サンプ
ルホールド回路4a〜4dは、スイッチング制御回路部
11の制御信号S2〜S5に基づいて駆動され、所定の
タイミングでオペアンプ4aの出力電圧を記憶する。具
体的には、第1のサンプルホールド回路5aは振動方向
において上記状態1とした場合のオペアンプ4aの出力
電圧を記憶し、第2のサンプルホールド回路5bは振動
方向において上記状態2とした場合のオペアンプ4aの
出力電圧を記憶し、第3のサンプルホールド回路5cは
検知方向において上記状態1とした場合のオペアンプ4
aの出力電圧を記憶し、第4のサンプルホールド回路5
dは検知方向において上記状態2とした場合のオペアン
プ4aの出力電圧を記憶する。
【0020】第1の差動増幅回路部6は、第1のサンプ
ルホールド回路5aと第2のサンプルホールド回路5b
の電位差を所定の増幅率で増幅する。また、第2の差動
増幅回路部7は、第3のサンプルホールド回路5cと第
4のサンプルホールド回路5dの電位差を所定の増幅率
で増幅する。
【0021】同期検波回路8は、第1の差動増幅回路部
6の出力と第2の差動増幅回路部7の出力との同期を取
るものであり、この同期検波回路8によって振動方向に
おける振動子1の変位のモニタリングタイミングと、検
知方向における振動子1の変位によるコリオリ力検出タ
イミングとの同期が図れるようになっている。
【0022】感度調整回路9は、例えば、反転増幅回路
等で構成された直流増幅器で構成され、振動方向におけ
る振動子1の変位、及び検知方向における振動子1の変
位を示す出力信号を感度に合わせて調整するものであ
る。
【0023】励振信号発生回路10は、振動子1に対し
て振動方向に振動させる力(励振信号)を加えるもの
で、第1の差動増幅回路6の出力から振動子1の振幅情
報を得て、この振幅情報に基づいて振動子1に加える力
を調整するというフィードバック制御を行っている。
【0024】さらに、本実施形態の角速度センサでは、
第1、第2電圧調整回路部12a、12bが備えられて
いる。これら第1、第2電圧調整回路部12a、12b
は、スイッチング制御回路部11と検知方向における静
電容量の変位を検出するための各固定電極2c、2dと
の間に備えられている。これら第1、第2電圧調整回路
部12a、12bにより、スイッチング制御回路部11
が固定電極2c、2dに対してキャリア信号PW3、P
W4となるVa[V]の電圧を印加する際に、この電圧
を調整できるようになっている。
【0025】次に、このように構成された角速度センサ
による角速度の検出方法について説明する。まず、励振
信号発生回路10の励振信号に基づき、振動子1を振動
方向に励振させる。このとき、振動方向における振動子
1の振動が共振周波数faとなるようされ、より大きな
振動振幅が発生するようにされる。これにより、角速度
が生じた時には、大きなコリオリ力が得られる。この状
態で振動方向における振動子1の変位のモニタリング、
及び検知方向における振動子1の変位によるコリオリ力
検出を行う。
【0026】次に、振動方向における振動子1の変位の
モニタリングを行う。この場合には、スイッチング制御
回路部11からの電圧信号PW1、PW2により、固定
電極2aに向けて電圧Vaを印加し、固定電極2bに向
けて電圧0を印加する。これにより、振動方向において
上記状態1となる。そして、スイッチング制御回路部1
1からの信号S2により、このときのC−V変換回路部
4におけるオペアンプ4aの出力電位を第1のサンプル
ホールド回路5aに記憶させる。
【0027】続いて、スイッチング制御回路部11から
の電圧信号PW1、PW2により、固定電極2aと固定
電極2bとの電圧を入れ替え、固定電極2aに電圧0、
固定電極2bに電圧Vaを印加する。これにより、振動
方向において上記状態2となる。そして、スイッチング
制御回路部11からの信号S3により、このときのC−
V変換回路部4におけるオペアンプ4aの出力電位を第
2のサンプルホールド回路5bに記憶させる。
【0028】次に、検知方向における振動子1の変位に
よるコリオリ力検出を行う。この場合には、スイッチン
グ制御回路部11からのキャリア信号PW3、PW4に
より、固定電極2cに向けて電圧Vaを印加し、固定電
極2dに向けて電圧0を印加する。ただし、固定電極2
cには、スイッチング制御回路部11と固定電極2cと
の間に備えた第1電圧調整回路部12aにより、電圧V
aを調整した電圧を印加する。具体的には、第1調整回
路部12aによって電圧Vaよりも大きな電圧を固定電
極に印加する。これにより、検知方向において上記状態
1となる。そして、スイッチング制御回路部11からの
信号S4により、このときのC−V変換回路部4におけ
るオペアンプ4aの出力電位を第3のサンプルホールド
回路5cに記憶させる。
【0029】続いて、スイッチング制御回路部11から
のキャリア信号PW3、PW4により、固定電極2cと
固定電極2dとの電圧を入れ替え、固定電極2cに電圧
0、固定電極2dに電圧Vaを印加する。ただし、固定
電極2dには、スイッチング制御回路部11と固定電極
2dとの間に備えた第2電圧調整回路部12bにより、
電圧Vaを調整した電圧を印加する。具体的には、第2
調整回路部12bによって電圧Vaよりも大きな電圧を
固定電極2dに印加する。これにより、検知方向におい
て上記状態2となる。そして、スイッチング制御回路部
11からの信号S5により、このときのC−V変換回路
部4におけるオペアンプ4aの出力電位を第4のサンプ
ルホールド回路5dに記憶させる。
【0030】このようにして、振動方向及び検知方向に
おける状態1、2のオペアンプ4aの出力が各サンプル
ホールド回路5a〜5dに記憶されると、第1、第2の
差動増幅回路6、7により、第1のサンプルホールド回
路5aと第2のサンプルホールド回路5bの電位差が所
定の増幅率で増幅されると共に、第3のサンプルホール
ド回路5cと第4のサンプルホールド回路5dの電位差
が所定の増幅率で増幅される。この後、同期検波回路部
8で各差動増幅回路部6、7の出力の同期が取られたの
ち、感度調整回路9によって適宜感度調整がなされ、角
速度センサの出力信号として出力される。
【0031】以上のような角速度の検出においては、第
1、第2の電圧調整回路12a、12bにより、固定電
極2c、2dに印加する電圧を調整しているため、振動
子1の振動方向の振動の共振周波数と検知方向の振動の
共振周波数との関係が変化する。図3に、固定電極2
c、2dへの印加電圧と、振動子1の振動方向の振動の
共振周波数及び検知方向の振動の共振周波数との関係を
示す。
【0032】この図中、周波数fdで共振ピークとなる
のが振動子1の振動方向の振動の共振周波数である。ま
た、周波数fsで共振ピークとなるのが、固定電極2
a、2bに電圧Vaを印加した場合における振動子1の
検知方向の振動の共振周波数であり、周波数fs′で共
振ピークとなるのが、固定電極2a、2bに電圧Vaよ
り大きな電圧を印加した場合における振動子1の検知方
向の振動の共振周波数である。
【0033】この図に示されるように、固定電極2c、
2dに印加する電圧を大きくすると、それに応じて振動
子1の検知方向の振動の共振周波数が小さくなり、振動
子1の振動方向の振動の共振ピークに近づいていること
が分かる。具体的に、固定電極2c、2dへの印加電圧
と共振ピークの変位との関係を表すと、図4のように示
される。このようになるのは、可動電極1c、1dと固
定電極2c、2dとの間に働く静電引力の大きさが両固
定電極2c、2dの間の電位差の二乗に比例することか
ら、固定電極2c、2dへの印加電圧を大きくした分、
コリオリ力が働いた際に発生する静電引力が大きくな
り、振動子1の振幅が大きくなって、見かけ上のばね定
数が低減されたことになるためである。
【0034】このため、固定電極2c、2dに電圧Va
を印加した場合における振動子1の検知方向の振動の検
知感度を1とすると、固定電極2c、2dに電圧Vaよ
り大きな電圧を印加した場合における振動子1の検知方
向の振動の検知感度がβ(ただし、β>1)となり、検
知感度をβ倍に大きくすることができる。
【0035】このように、角速度センサを本実施形態に
示す構成とし、検知方向における振動の検知に用いる固
定電極2c、2dへの印加電圧を調整することで、素子
部3に調整用電極を別途設けることなく振動子1の検知
方向の振動の共振ピークを調整することができ、センサ
感度の向上を図ることができる。
【0036】なお、振動子1の検知方向の振動の共振ピ
ークをより振動子1の振動方向の振動の共振ピークに近
づかせることにより、より感度の調整を図ることも可能
であると言えるが、近づかせすぎると大きく共振し過ぎ
て振動子1が止まらなくなり、応答性の悪化につながる
と共に、わずかな共振周波数のズレ(例えば、温度によ
って固定電極2a〜2dと可動電極1a〜1dとの間の
粘性抵抗が変化することによって発生するズレや、振動
子1を支持する梁構造のヤング率の相違によって発生す
るズレ)によって大きな感度バラツキが発生してしま
う。この場合、素子部3の加工精度を非常に高精度とす
るか、共振周波数の調整手段を設けることで対処可能で
あるが、その分、低コスト化の妨げになるため、あまり
近づかせすぎないようにした方が好ましい。
【0037】(他の実施形態)上記実施形態では、検知
方向の振動子1の振動の共振周波数が、振動方向の振動
子1の振動の共振周波数よりも大きくなるような場合に
ついて説明したが、それらの関係が逆になるような場合
であっても良い。このような場合においても固定電極へ
の印加電圧を調整することにより、上記実施形態と同様
の効果を得ることができる。
【0038】また、上記実施形態では、検知方向の振動
子1の振動の共振ピークが、振動方向の振動子1の振動
の共振ピークに近づくように固定電極2c、2dへの印
加電圧を調整しているが、必ずしも近づける方に調整し
なくても良い。例えば、上述したように、検知方向の振
動子1の振動の共振ピークが、振動方向の振動子1の振
動の共振ピークに近すぎる場合には、大きな感度バラツ
キが発生する等の問題が生じるため、この場合には共振
ピークが遠ざかる方に調整する方がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における角速度センサの
概略構成を示す図である。
【図2】角速度センサの検知原理を説明した図である。
【図3】固定電極への印加電圧と、振動子1の振動方向
の振動の共振周波数と検知方向の振動の共振周波数との
関係を示した図である。
【図4】固定電極への印加電圧と共振ピークの変位との
関係を示した図である。
【符号の説明】
1…振動子、1a〜1d…可動電極、2…固定部、2a
〜2d…固定電極、3…素子部、4…C−V変換回路
部、5…サンプルホールド回路部、6、7…第1、第2
の差動増幅回路部、8…同期検波回路部、9…感度調整
回路部、10…励振信号発生回路部、11…スイッチン
グ制御回路部、12a、12b…第1、第2電圧調整回
路部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 順二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2F105 BB02 CD03 CD11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動電極(1a〜1d)を有し、平面基
    板表面において、2軸直交座標方向に変位可能に支持さ
    れてなる振動子(1)と、 前記振動子の可動電極と対向する固定電極(2a〜2
    d)を有してなる固定部(2)とを備え、 前記振動子を前記2軸直交座標方向の一方に振動させる
    と共に、該振動させる方向を振動方向、前記平面基板表
    面において前記振動方向に垂直をなす方向を検知方向と
    すると、前記可動電極及び前記固定電極によって、前記
    振動子に対する振動方向及び前記検知方向に静電容量を
    形成し、該静電容量変化を検出することで角速度検出を
    行う角速度センサにおいて、 前記可動電極と前記固定電極との間に印加するキャリア
    信号電圧(PW3、PW4)を可変にする電圧調整回路
    部(12a、12b)を備えていることを特徴とする角
    速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記キャリア信号電圧は、前記検知方向
    の静電容量を形成する前記固定電極に印加するものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記電圧調整回路部により、前記検知方
    向の静電容量を形成する前記可動電極に印加する電気信
    号よりも、前記キャリア信号電圧を大きくするようにな
    っていることを特徴とする請求項1又は2に記載の角速
    度センサ。
JP2001275202A 2001-09-11 2001-09-11 角速度センサ Pending JP2003083750A (ja)

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JP2005345476A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Robert Bosch Gmbh 周波数トラッキングによる回転レートセンサ

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