JP2003083627A - スターリング冷凍機 - Google Patents

スターリング冷凍機

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JP2003083627A
JP2003083627A JP2001273711A JP2001273711A JP2003083627A JP 2003083627 A JP2003083627 A JP 2003083627A JP 2001273711 A JP2001273711 A JP 2001273711A JP 2001273711 A JP2001273711 A JP 2001273711A JP 2003083627 A JP2003083627 A JP 2003083627A
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linear motor
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Linear Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、低消費電力性に優れ、回路規模の縮
小及びコストの低減を実現することが可能なスターリン
グ冷凍機を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、内部に作動ガスを封入したシリ
ンダ1と、シリンダ1内部を圧縮空間Aと膨張空間Bと
に仕切るピストン2及びディスプレーサ3と、ピストン
2を駆動するリニアモータ8と、ピストン2とディスプ
レーサ3とを互いに共振させるバネ9a、9bと、を有
し、ピストン2とディスプレーサ3の往復運動に伴う作
動ガスの圧縮・膨張を利用して低温を得るスターリング
冷凍機SCにおいて、ピストン2の往時に限り、リニア
モータ8を駆動する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フリーピストン型
スターリング機関を用いたスターリング冷凍機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】家庭用冷蔵庫等に代表される一般的な冷
却装置では、従来から蒸気圧縮式の冷凍サイクルが広く
採用されている。この蒸気圧縮式の冷凍サイクルは、フ
ロンガスの凝縮・蒸発を利用して低温を得るものであ
る。確かに、フロンは燃焼性や爆発性がなく腐食性も低
いので、冷媒として非常に利用しやすい物質である。し
かし、フロンは化学的安定性が高く、大気中へ放出され
ると成層圏に達してオゾン層を破壊するといった指摘が
あるため、近年では、特定フロンの使用並びに生産が世
界的に規制され始めている。
【0003】そこで、フロンを冷媒に用いた蒸気圧縮式
の冷凍サイクルに代わる冷却技術として、近年、逆スタ
ーリング冷凍サイクルが注目を集めている。この逆スタ
ーリング冷凍サイクルは、作動ガスとしてヘリウムガス
や水素ガス、或いは窒素ガスといった地球環境に悪影響
を与えないガスを採用し、逆スターリングサイクルによ
って低温を得るものである。なお、逆スターリング冷凍
サイクルを採用したスターリング冷凍機は、極低温レベ
ルの寒冷を発生させる小型冷凍機の一種として知られて
いる。
【0004】上記のスターリング冷凍機は、作動ガスを
圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出された作動ガスを
膨張させる膨張機とを組み合わせたものである。圧縮機
は、作動ガス圧がサインカーブ等の特性をもって所定周
期で経時変化するように作動ガスを圧縮する。一方、膨
張機は、先端が閉塞されたシリンダと、該シリンダ内に
往復動自在に嵌装され、シリンダ内部を先端側の膨張室
と基端側の作動室とに仕切るディスプレーサと、該ディ
スプレーサの往復運動を弾性支持するバネとを備えて成
る。作動室は圧縮機に接続されており、圧縮機からの作
動ガス圧によってディスプレーサを往復運動させ、膨張
室の作動ガスを膨張させることにより、シリンダ先端の
冷却ヘッドに寒冷を発生させる。なお、この方式のスタ
ーリング冷凍機は、一般にフリーピストン型スターリン
グ冷凍機と呼ばれている。
【0005】図6は従来のスターリング冷凍機SCの要
部(圧縮機周辺)を示す概略断面図である。本図に示す
ように、従来のスターリング冷凍機SCに設けられた圧
縮機は、シリンダ30内に往復動自在に嵌装されたピス
トン40と、ピストン40を駆動するリニアモータ50
を備えて成る。また、リニアモータ50は、マグネット
50aを有するピストン可動部50bと、磁界を発生す
るコイル50cと、インナーラミネーション50d及び
アウターラミネーション50eを備えて成る。
【0006】なお、従来のスターリング冷凍機SCは、
ピストン40の前進時(往時)と後退時(復時)の両方
でリニアモータ50を駆動する構成であった。そのた
め、リニアモータ50は、装置停止時におけるピストン
40の保持位置が、ピストン40の動作中心位置(或い
は動作中心位置から僅かに偏位されたオフセット位置)
となるように設計されていた。具体的には、装置停止時
におけるマグネット50aの保持位置が、本図に示すよ
うに、コイル50c及びラミネーション50d、50e
から成る磁気回路(ステータ)の中心位置となるように
設計されていた。
【0007】また、上記構成から成るスターリング冷凍
機SCでは、ピストン40の往復運動に応じてマグネッ
ト50aに与える磁界を周期的に反転させる必要があっ
た。そのため、リニアモータ50をインバータ駆動する
制御回路は、コイル50cに対して疑似交流電圧を与え
得る回路構成とされていた。
【0008】図7はリニアモータ50をインバータ駆動
する制御回路の出力段(波形ドライブ部)を示す回路図
である。本図に示すように、従来の波形ドライブ部は、
4つのスイッチ素子Q1〜Q4を有しており、スターリ
ング冷凍機SC(具体的にはリニアモータ50を構成す
るコイル50c)の一端はスイッチ素子Q1、Q2の接
続ノードに接続され、他端はスイッチ素子Q3、Q4の
接続ノードに接続されていた。なお、スイッチ素子Q
1、Q2は、制御信号S及びその反転信号S’によって
各々オン/オフ制御されるものであり、スイッチ素子Q
3、Q4は、制御信号T及びその反転信号T’によって
各々オン/オフ制御されるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記構成から
成る波形ドライブ部であれば、スイッチ素子Q1〜Q4
のオン/オフ制御によって電流I1、I2を切り換える
ことにより、スターリング冷凍機SCのコイル50cに
対して疑似交流電圧を与えることができる。従って、ピ
ストン40を往復運動させて、逆スターリングサイクル
による低温を得ることが可能である。
【0010】しかしながら、前述した通り、従来のスタ
ーリング冷凍機SCは、ピストン40の前進時(往時)
と後退時(復時)の両方でリニアモータ50を駆動する
構成であったため、消費電力が大きいことが課題であっ
た。また、リニアモータ50の制御回路に4つのスイッ
チ素子が必要なために回路規模が大きく、高コストであ
ることが課題であった。
【0011】さらに、上記構成から成るフリーピストン
型スターリング冷凍機では、装置内部(低温側及び高温
側)の温度状態や周囲温度の変化によってシリンダ内部
における作動ガスのバランスが崩れた場合、ピストンの
動作中心位置が変動するおそれがあった。しかしなが
ら、従来のスターリング冷凍機SCには、ピストン動作
中心位置の変動を修正する手段が何ら設けられていなか
ったため、該変動による冷却能力の低下や、ピストンと
ディスプレーサの衝突が生じるおそれがあった。
【0012】本発明は、上記した問題点に鑑み、低消費
電力性に優れ、回路規模の縮小及びコストの低減を実現
することが可能なスターリング冷凍機を提供することを
第1の目的とする。また、本発明は、装置動作の安定性
向上を実現することが可能なスターリング冷凍機を提供
することを第2の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した第1の目的を達
成するために、本発明に係るスターリング冷凍機は、内
部に作動ガスを封入したシリンダと、シリンダ内部を圧
縮空間と膨張空間とに仕切るピストン及びディスプレー
サと、ピストンを駆動するリニアモータと、ピストンと
ディスプレーサとを互いに共振させるバネと、を有し、
ピストンとディスプレーサの往復運動に伴う作動ガスの
圧縮・膨張を利用して低温を得るスターリング冷凍機に
おいて、ピストンの往時に限り、リニアモータを駆動す
る構成としている。
【0014】なお、上記構成から成るスターリング冷凍
機は、リニアモータを単一のスイッチ素子によって駆動
する構成にするとよい。
【0015】また、上記構成から成るスターリング冷凍
機では、装置停止時におけるピストンの保持位置を、ピ
ストンの動作中心位置よりも後退側とするとよい。
【0016】さらに、上記構成から成るスターリング冷
凍機では、リニアモータの駆動電圧波形を矩形パルスと
し、その電力制御をパルス振幅変調によって行う構成に
するとよい。或いは、リニアモータの駆動電圧波形を矩
形パルスとし、その電力制御をパルス幅変調によって行
う構成としてもよい。
【0017】また、上記した第2の目的を達成するため
に、本発明に係るスターリング冷凍機は、内部に作動ガ
スを封入したシリンダと、シリンダ内部を圧縮空間と膨
張空間とに仕切るピストン及びディスプレーサと、ピス
トンを駆動するリニアモータと、ピストンとディスプレ
ーサとを互いに共振させるバネと、を有し、ピストンと
ディスプレーサの往復運動に伴う作動ガスの圧縮・膨張
を利用して低温を得るスターリング冷凍機において、リ
ニアモータに供給するパルス幅変調波形を正負非対称と
することで、リニアモータへの印加電圧に擬似的な直流
バイアス分を付加する構成としている。
【0018】なお、上記構成から成るスターリング冷凍
機は、ピストンの動作中心位置を検出し、その検出結果
に応じて、リニアモータに供給するパルス幅変調波形を
制御する構成にするとよい。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係るスターリング
冷凍機SCの第1実施形態について、その構造から説明
する。図1は本発明に係るスターリング冷凍機SCの第
1実施形態を示す概略断面図である。本図に示すスター
リング冷凍機SCはフリーピストン型であり、シリンダ
1の内部空間は、同一軸上に配設されたピストン2及び
ディスプレーサ3によって、圧縮空間Aと膨張空間Bと
に仕切られている。圧縮空間Aと膨張空間Bは、放熱部
4、再生器5、及び冷却部6によって繋がれた一つの閉
回路とされており、該閉回路にはヘリウムガス等の作動
ガスが充填されている。同様に、シリンダ1を構成する
圧力ベッセル1a内のバウンス空間Cにも作動ガスが充
填されている。
【0020】放熱部4は高温側熱交換器であり、圧縮空
間Aで作動ガスが圧縮されるときに発生する熱の一部を
外部へ放出する機能を有する。再生器5は、細い針金の
マトリックスや、ホイルを巻回した環状の隙間によって
構成されており、圧縮空間Aから膨張空間Bに移動する
作動ガスから熱を受け取り、膨張空間Bから圧縮空間A
に戻る作動ガスに蓄えておいた熱を与える機能、すなわ
ち蓄熱機能を有する。冷却部6は低温側熱交換器であ
り、膨張空間Bで作動ガスが膨張するときに該冷却部6
を介して外部から熱を奪う。なお、逆スターリングサイ
クルでは、主として膨張空間Bにおいて低温が得られる
ため、熱交換用の冷却ヘッド7は、膨張空間Bの外面に
取り付けられている。
【0021】ピストン2を駆動するリニアモータ8は、
マグネット8aを有するピストン可動部8bと、磁界を
発生するコイル8cと、インナーラミネーション8d及
びアウターラミネーション8eと、ラミネーションホル
ダ8fと、を備えて成る。
【0022】ピストン可動部8bはピストン2に連結さ
れており、リニアモータ8の煽動子(スライダ)として
機能する。コイル8c及びラミネーション8d、8eか
ら成る磁気回路は、リニアモータ8の固定子(ステー
タ)として機能する。ラミネーション8d、8eは、コ
イル8cを巻き取るボビンとしての役割だけでなく、コ
イル8cで発生する磁界を有効にマグネット8aに与え
る機能を有している。ラミネーションホルダ8fは、ア
ウターラミネーション8eをシリンダ1の内側面に固定
するものである。
【0023】ピストン2とディスプレーサ3とを互いに
共振させる板バネ9a、9bは、本図に示すように、ピ
ストン2及びディスプレーサロッド10の後端部に取り
付けられている。なお、ディスプレーサロッド10と
は、ピストン2を貫通してディスプレーサ3と板バネ9
bとを接続する部材である。また、本実施形態の板バネ
9a、9bはいずれも、バネ保持部11を介してラミネ
ーションホルダ8fに固定されている。
【0024】次に、上記構成から成るスターリング冷凍
機SCの動作について説明する。ピストン2はリニアモ
ータ8により駆動され、シリンダ1内を軸方向に往復運
動する。ピストン2の往復運動は、シリンダ1内に封入
された作動ガスに周期的な圧力変動をもたらすととも
に、板バネ9a、9bを介してディスプレーサ3に軸方
向の周期運動を生じさせる。
【0025】なお、ディスプレーサ3は、ピストン3と
同じ周期でかつ異なった位相をもってシリンダ1内を軸
方向に往復運動するものであり、その振幅はピストン2
とディスプレーサ3との位相差、すなわち、時間変化す
る圧縮空間Aと膨張空間Bとの圧力差によって生じるピ
ストン2とディスプレーサ3との動きの差に影響を受け
る。また、ピストン2とディスプレーサ3との位相差
は、装置の運転条件が同一であるならば、ディスプレー
サ3の質量、板バネ9a、9bのバネ定数、及び共振周
波数によって決定される。
【0026】このとき、ピストン2とディスプレーサ3
とが適当な位相差を保って往復運動すると、ピストン2
により圧縮された圧縮空間A内の作動ガスは、放熱部
4、再生器5、及び冷却部6を経由して膨張空間Bへ移
動する。その際、作動ガスは放熱部4を介して外部へ熱
を放出するとともに、再生器5に熱を預ける形で予冷さ
れる。大部分の作動ガスが膨張空間Bに流入すると、今
度はディスプレーサ3の動きにより作動ガスが膨張さ
れ、その温度は低下する。
【0027】その後、膨張空間B内の作動ガスは、冷却
部6、再生器5、及び放熱部4を経由して圧縮空間6に
戻る。その際、作動ガスは冷却部6を介して外部から熱
を奪い、再生器5に預けておいた熱を回収して圧縮空間
Aに入る。大部分の作動ガスが圧縮空間6に戻ると、再
び作動ガスの圧縮が始まり、次サイクルに移行する。
【0028】以上のようなサイクルが連続的に繰り返さ
れることにより、冷却ヘッド7では極低温を得ることが
できる。従って、冷却ヘッド7に隣接して冷凍室を形成
しておけば、該冷凍室内に貯蔵した食品等の被冷却物を
冷却することができる。
【0029】ここで、本発明に係るフリーピストン型ス
ターリング冷凍機SCでは、ピストン2が共振を利用し
て正弦運動していることに鑑み、ピストン2の往時に限
り、リニアモータ8を駆動する構成としている。このよ
うな構成とすることにより、リニアモータ8の消費電力
を半減することができるので、低消費電力性に優れたス
ターリング冷凍機を提供することが可能となる。
【0030】なお、ピストン2の往時にのみリニアモー
タ8を駆動する構成としたことにより、装置停止時にお
けるピストンの保持位置が、ピストンの動作中心位置
(或いは動作中心位置から僅かに偏位されたオフセット
位置)となる従来設計のリニアモータ(図6参照)で
は、本来のストロークの半分しかピストン2を駆動でき
ないことになる。
【0031】そこで、本実施形態のリニアモータ8で
は、装置停止時におけるピストン2の保持位置が、ピス
トン2の動作中心位置よりも後退側とされている。より
具体的には、本図に示すように、装置停止時におけるマ
グネット8aの後端部(本図の右端側)と、ラミネーシ
ョン8d、8eの後端部(本図の右端側)とが一致する
ような構造とされている。このような構成とすることに
より、ピストン2の往時にのみリニアモータ8を駆動す
る構成であっても、ピストン2を本来のストロークで駆
動することが可能となる。
【0032】続いて、リニアモータ8をインバータ駆動
する制御回路の構成について説明する。図2はリニアモ
ータ8をインバータ駆動する制御回路の一例を示すブロ
ック図である。本図に示す制御回路は、マイコン等の制
御部20と、交流電源が入力される電源制御部21と、
電源制御部21からの指示に基づいて可変電圧Vを生成
する昇降圧部22と、スターリング冷凍機SC(具体的
にはリニアモータ8を構成するコイル8c)に対する電
圧波形を制御する波形ドライブ部23と、波形ドライブ
部23に流れる過電流を検知する過電流検知部24と、
ユーザに対する入出力(操作受付や画面出力等)を行う
操作表示部25と、を有している。
【0033】図3は波形ドライブ部23の一例を示す回
路図である。上記で説明した通り、本発明に係るスター
リング冷凍機SCは、ピストン2の往時にのみリニアモ
ータ8を駆動する構成であり、リニアモータ8を構成す
るコイル8cには、ピストン2の往時に一方向の電流を
流すだけでよい。そこで、本実施形態の波形ドライブ部
23は、本図に示すように、スターリング冷凍機SCを
単一のスイッチ素子Q1によって駆動する構成としてい
る。このような構成とすることにより、制御回路の規模
縮小を実現し、装置のコスト低減に貢献することができ
る。
【0034】なお、スイッチ素子Q1としては、バイポ
ーラトランジスタやMOS電界効果トランジスタ(MO
S−FET)、或いは絶縁ゲート型バイポーラトランジ
スタ(IGBT[Insulated Gate Bipolar Transisto
r])などを用いればよい。なお、IGBTは、MOS
−FETとバイポーラトランジスタを組み合わせて1チ
ップとした素子であり、MOS−FETの高速スイッチ
ング特性や低駆動電力性に加えて、バイポーラトランジ
スタの低抵抗特性を併せ持っている。
【0035】次に、リニアモータ8のインバータ駆動制
御について説明する。図4はコイル8cに印加される電
圧波形の一例を示す図である。なお、図中(a)は、リ
ニアモータ8の駆動電圧波形を矩形パルスとし、その電
力制御がパルス振幅変調(以下、PAM[Pulse Amplit
ude Modulation]制御と呼ぶ)による場合の波形を示し
ている。一方、図中(b)は、リニアモータ8の駆動電
圧波形を矩形パルスとし、その電力制御がパルス幅変調
(以下、PWM[Pulse Width Modulation]制御と呼
ぶ)による場合の波形を示している。
【0036】図中(a)に示すように、リニアモータ8
の駆動電圧波形を矩形パルスとし、スターリング冷凍機
SCの能力制御方法として、矩形パルスのピーク電圧を
変化させるPAM制御を採用することにより、リニアモ
ータ8の駆動に伴うスイッチングノイズの低減を図るこ
とができる。従って、装置の動作安定性を向上すること
が可能となる。
【0037】一方、図中(b)に示すように、リニアモ
ータ8の駆動電圧波形を矩形パルスとし、スターリング
冷凍機SCの能力制御方法として、矩形パルスのピーク
電圧を変化させないPWM制御を採用することにより、
図2に示した昇降圧部22が不要となる。従って、簡易
な構成でスターリング冷凍機SCの能力制御を実現する
ことが可能となる。
【0038】続いて、本発明に係るスターリング冷凍機
の第2実施形態について説明する。本実施形態のスター
リング冷凍機は、従来のスターリング冷凍機(図6、図
7参照)と同様、ピストンの前進時(往時)と後退時
(復時)の両方でリニアモータを駆動する構成であり、
該リニアモータを構成するコイルへの電圧印加方法に特
徴を有するものである。
【0039】図5は本発明の第2実施形態においてコイ
ルに印加される電圧波形の一例を示す図である。本図に
示すように、本実施形態のスターリング冷凍機は、リニ
アモータに供給するパルス幅変調波形(以下、PWM波
形と呼ぶ)を正負非対称とすることで、コイルへの印加
電圧に擬似的な直流バイアス分を付加し、見かけの電源
0V位置を制御する構成である。
【0040】例えば、見かけの電源0V位置を正側(A
方向)に偏位させる場合には、正側のPWM波形のデュ
ーティ比を、負側のPWM波形のデューティ比よりも大
きくすればよい。逆に、負側(B方向)に偏位させる場
合には、負側のPWM波形のデューティ比を、正側のP
WM波形のデューティ比よりも大きくすればよい。この
ような構成とすることにより、リニアモータの制御回路
に変更を加えることなく、容易にピストンの動作中心位
置を制御することが可能となる。
【0041】また、本実施形態のスターリング冷凍機に
は、ピストン動作中心位置の検出手段が設けられてお
り、その検出結果に応じて、リニアモータに供給するパ
ルス幅変調波形が逐一制御される構成である。このよう
な構成とすることにより、装置内部(低温側及び高温
側)の温度状態や周囲温度の変化によってシリンダ内部
における作動ガスのバランスが崩れ、ピストンの動作中
心位置が変動した場合であっても、その変動を修正し、
該変動による冷却能力の低下や、ピストンとディスプレ
ーサの衝突が生じる危険性を回避することができる。従
って、装置動作の安定性向上を実現することが可能とな
る。
【0042】なお、ピストン動作中心位置の検出手段と
しては、ピストンが動作中心位置から所定量だけ離れた
とき、リニアモータを構成するマグネットの磁束を切る
位置に巻線を設け、該巻線に発生した電圧を検出する方
法が考えられる。このような検出方法を採用した場合に
は、ピストンの動作中心位置と巻線に発生する電圧との
関係を予め実験によって求めておくことにより、ピスト
ンの動作中心位置を検出することができる。もちろん、
ピストン動作中心位置の検出手段として、他の方法を用
いても構わない。
【0043】また、ピストン動作中心位置の制御につい
ては、上記したピストン動作中心位置の検出手段から外
れた位置を中心にピストンが往復運動した場合に、その
ずれ量分に相当したPWM波形をリニアモータに与える
定点制御としてもよいし、ピストン動作中心位置の変化
を連続的に捉え、その変化量に応じたPWM波形をリニ
アモータに与える連続制御としてもよい。
【0044】
【発明の効果】上記で説明した通り、本発明に係るスタ
ーリング冷凍機は、内部に作動ガスを封入したシリンダ
と、シリンダ内部を圧縮空間と膨張空間とに仕切るピス
トン及びディスプレーサと、ピストンを駆動するリニア
モータと、ピストンとディスプレーサとを互いに共振さ
せるバネと、を有し、ピストンとディスプレーサの往復
運動に伴う作動ガスの圧縮・膨張を利用して低温を得る
スターリング冷凍機において、ピストンの往時に限り、
リニアモータを駆動する構成としている。このような構
成とすることにより、リニアモータの消費電力を半減す
ることができるので、低消費電力性に優れたスターリン
グ冷凍機を提供することが可能となる。
【0045】なお、上記構成から成るスターリング冷凍
機は、リニアモータを単一のスイッチ素子によって駆動
する構成にするとよい。このような構成とすることによ
り、制御回路の規模縮小を実現し、装置のコスト低減に
貢献することができる。
【0046】また、上記構成から成るスターリング冷凍
機では、装置停止時におけるピストンの保持位置を、ピ
ストンの動作中心位置よりも後退側とするとよい。この
ような構成とすることにより、ピストンの往時にのみリ
ニアモータを駆動する構成であっても、ピストンを本来
のストロークで駆動することが可能となる。
【0047】さらに、上記構成から成るスターリング冷
凍機では、リニアモータの駆動電圧波形を矩形パルスと
し、その電力制御をパルス振幅変調によって行う構成に
するとよい。このような構成とすることにより、リニア
モータの駆動に伴うスイッチングノイズの低減を図るこ
とができる。従って、装置の動作安定性を向上すること
が可能となる。
【0048】或いは、リニアモータの駆動電圧波形を矩
形パルスとし、その電力制御をパルス幅変調によって行
う構成としてもよい。このような構成とすることによ
り、簡易な構成でスターリング冷凍機の能力制御を実現
することが可能となる。
【0049】また、本発明に係るスターリング冷凍機
は、内部に作動ガスを封入したシリンダと、シリンダ内
部を圧縮空間と膨張空間とに仕切るピストン及びディス
プレーサと、ピストンを駆動するリニアモータと、ピス
トンとディスプレーサとを互いに共振させるバネと、を
有し、ピストンとディスプレーサの往復運動に伴う作動
ガスの圧縮・膨張を利用して低温を得るスターリング冷
凍機において、リニアモータに供給するパルス幅変調波
形を正負非対称とすることで、リニアモータへの印加電
圧に擬似的な直流バイアス分を付加する構成としてい
る。このような構成とすることにより、リニアモータの
制御回路に変更を加えることなく、容易にピストンの動
作中心位置を制御することが可能となる。
【0050】なお、上記構成から成るスターリング冷凍
機は、ピストンの動作中心位置を検出し、その検出結果
に応じて、リニアモータに供給するパルス幅変調波形を
制御する構成にするとよい。このような構成とすること
により、装置内部(低温側及び高温側)の温度状態や周
囲温度の変化によってシリンダ内部における作動ガスの
バランスが崩れ、ピストンの動作中心位置が変動した場
合であっても、その変動を修正し、該変動による冷却能
力の低下や、ピストンとディスプレーサの衝突が生じる
危険性を回避することができる。従って、装置動作の安
定性向上を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスターリング冷凍機SCの第1
実施形態を示す概略断面図である。
【図2】 リニアモータ8をインバータ駆動する制御回
路の一例を示すブロック図である。
【図3】 波形ドライブ部23の一例を示す回路図であ
る。
【図4】 コイル8cに印加される電圧波形の一例を示
す図である。
【図5】 本発明の第2実施形態においてコイルに印加
される電圧波形の一例を示す図である。
【図6】 従来のスターリング冷凍機SCの要部(圧縮
機周辺)を示す概略断面図である。
【図7】 リニアモータ50をインバータ駆動する制御
回路の出力段(波形ドライブ部)を示す回路図である。
【符号の説明】
SC スターリング冷凍機 1 シリンダ 1a 圧力ベッセル 2 ピストン 3 ディスプレーサ 4 放熱部 5 再生器 6 冷却部 7 冷却ヘッド 8 リニアモータ 8a マグネット 8b ピストン可動部 8c コイル 8d インナーラミネーション 8e アウターラミネーション 8f ラミネーションホルダ 9a、9b 板バネ 10 ディスプレーサロッド 11 バネ保持部 A 圧縮空間 B 膨張空間 C バウンス空間 20 制御部(マイコン) 21 電源制御部 22 昇降圧部 23 波形ドライブ部 24 過電流検知部 25 操作表示部 Q1 スイッチ素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に作動ガスを封入したシリンダと、該
    シリンダ内部を圧縮空間と膨張空間とに仕切るピストン
    及びディスプレーサと、該ピストンを駆動するリニアモ
    ータと、前記ピストンと前記ディスプレーサとを互いに
    共振させるバネと、を有し、前記ピストンと前記ディス
    プレーサの往復運動に伴う前記作動ガスの圧縮・膨張を
    利用して低温を得るスターリング冷凍機において、 前記ピストンの往時に限り、前記リニアモータを駆動す
    ることを特徴とするスターリング冷凍機。
  2. 【請求項2】前記リニアモータを単一のスイッチ素子に
    よって駆動することを特徴とする請求項1に記載のスタ
    ーリング冷凍機。
  3. 【請求項3】装置停止時における前記ピストンの保持位
    置を、前記ピストンの動作中心位置よりも後退側とする
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスタ
    ーリング冷凍機。
  4. 【請求項4】前記リニアモータの駆動電圧波形を矩形パ
    ルスとし、その電力制御をパルス振幅変調によって行う
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    のスターリング冷凍機。
  5. 【請求項5】前記リニアモータの駆動電圧波形を矩形パ
    ルスとし、その電力制御をパルス幅変調によって行うこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    スターリング冷凍機。
  6. 【請求項6】内部に作動ガスを封入したシリンダと、該
    シリンダ内部を圧縮空間と膨張空間とに仕切るピストン
    及びディスプレーサと、該ピストンを駆動するリニアモ
    ータと、前記ピストンと前記ディスプレーサとを互いに
    共振させるバネと、を有し、前記ピストンと前記ディス
    プレーサの往復運動に伴う前記作動ガスの圧縮・膨張を
    利用して低温を得るスターリング冷凍機において、 前記リニアモータに供給するパルス幅変調波形を正負非
    対称とすることで、前記リニアモータへの印加電圧に擬
    似的な直流バイアス分を付加することを特徴とするスタ
    ーリング冷凍機。
  7. 【請求項7】前記ピストンの動作中心位置を検出し、そ
    の検出結果に応じて、前記リニアモータに供給するパル
    ス幅変調波形を制御することを特徴とする請求項6に記
    載のスターリング冷凍機。
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