JP3104387B2 - スターリング冷凍機 - Google Patents

スターリング冷凍機

Info

Publication number
JP3104387B2
JP3104387B2 JP04087122A JP8712292A JP3104387B2 JP 3104387 B2 JP3104387 B2 JP 3104387B2 JP 04087122 A JP04087122 A JP 04087122A JP 8712292 A JP8712292 A JP 8712292A JP 3104387 B2 JP3104387 B2 JP 3104387B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displacer
refrigerant gas
space
regenerator
stirling refrigerator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04087122A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05288420A (ja
Inventor
勝彦 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP04087122A priority Critical patent/JP3104387B2/ja
Publication of JPH05288420A publication Critical patent/JPH05288420A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3104387B2 publication Critical patent/JP3104387B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダ内でのフリ
ーディスプレーサの往復動により寒冷を発生させるスタ
ーリング冷凍機に関し、特に、コールドヘッドにおける
振動の発生を可及的に抑制できるようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、このフリーディスプレーサ型
スターリング冷凍機は、極低温レベルの寒冷を発生させ
る小型冷凍機の一種として知られている。この冷凍機
は、例えば図3に示すように、冷媒ガスを所定周期で圧
縮する圧縮機(a)と、全体が真空断熱容器(i)内に
収容され、上記圧縮機(a)から吐出された冷媒ガスを
膨張させる膨張機(b)とを連結配管(h)を介して接
続したものである。上記圧縮機(a)は、図示しない
が、例えばシリンダ内に往復動可能に嵌挿されかつリニ
アモータに駆動連結されたピストンを有し、リニアモー
タのドライブコイルに所定周波数の交流を通電すること
で、ピストンをシリンダ内で往復移動させて圧縮空間で
所定周期のガス圧を発生させるようになされている。
【0003】一方、膨張機(b)は、先端が冷却対象に
伝熱可能に接触するコールドヘッド(c1 )とされたシ
リンダ(c)を有し、このシリンダ(c)内にはシリン
ダ(c)内空間を膨張空間(d)と作動空間(e)とに
区画するフリーディスプレーサ(f)が往復動可能に嵌
挿されている。このディスプレーサ(f)は、金属製蓄
冷材を有する再生器(f1 )(再生式熱交換器)を内蔵
したもので、該再生器(f1 )を膨張空間(d)及び作
動空間(e)にそれぞれ連通させる連通孔(f2 ),
(f3 )が開口されている。また、上記作動空間(e)
内には、ディスプレーサ(f)を往復動可能に弾性支持
するコイルばね(g)が配設されている。さらに、上記
作動空間(e)は上記結合配管(h)を介して圧縮機
(a)の圧縮空間に接続されており、圧縮機(a)から
の冷媒ガス圧によりディスプレーサ(f)を往復動させ
て冷媒ガスを膨張空間(d)で膨張させることにより、
シリンダ(c)先端のコールドヘッド(c1 )に寒冷を
発生させるようになされている(例えば“Refrigerator
for Cryogenic Sensors”,NASA Conference Publicat
ion 2287等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のス
ターリング冷凍機においては、膨張機(b)のシリンダ
(c)内でディスプレーサ(f)を往復動させる構造で
あるので、そのディスプレーサ(f)及び再生器(f1
)からなる可動部の往復動に伴って振動が発生すると
いう問題が避けられない。この問題により、例えばフー
リエ変換赤外線センサや電子顕微鏡等、振動を嫌う機器
を冷凍機で冷却することはできず、現状では、これら機
器は液体窒素や液体ヘリウムによって冷却している。
【0005】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、スターリング冷凍機にお
ける膨張機部分を改良することにより、冷却部の周辺に
可動部をなくし、振動を嫌う冷却対象であっても、それ
をスターリング冷凍機により支障なく冷却できるように
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、請求項1の発明では、シリンダ内で往復動するフリ
ーディスプレーサにより区画される膨張空間とは別に今
1つの膨張空間を設けて、この膨張空間をシリンダ内の
膨張空間と直列に接続しかつ圧縮機の圧縮空間に再生器
を介して接続し、この膨張空間での冷媒ガスの膨張によ
りコールドヘッドへの寒冷を発生させるようにした。
【0007】具体的には、この発明では、図1に示すよ
うに、スターリング冷凍機は、圧縮空間(5)内で冷媒
ガスを所定の周期で圧縮する圧縮機(1)と、ディスプ
レーサユニット(12)とを備え、上記ディスプレーサ
ユニット(12)は、シリンダ(13)と、該シリンダ
(13)内に支持手段(17)により往復動可能に支持
されたディスプレーサ(16)と、該ディスプレーサ
(16)によりシリンダ(13)内に区画され、冷媒ガ
スを膨張させる第2膨張空間(14)とを有する。
【0008】そして、上記圧縮機(1)の圧縮空間
(5)はディスプレーサユニット(12)の第2膨張空
間(14)に冷媒ガス経路(11)により接続され、こ
の冷媒ガス経路(11)に、通過する冷媒ガスと熱交換
して蓄熱及びガスの加熱を行う再生器(18)と、冷媒
ガスを膨張させてコールドヘッド(19)を冷却する第
1膨張空間(20)とを圧縮空間(5)側から順に直列
に配設する。
【0009】請求項2の発明では、図2に示す如く、上
記再生器(18)、第1膨張空間(20)、コールドヘ
ッド(19)及びディスプレーサユニット(12)を真
空断熱容器(C)内に収容する。
【0010】請求項3の発明では上記請求項2の発明と
は異なり、図1に示すように、再生器(18)、第1膨
張空間(20)及びコールドヘッド(19)のみを真空
断熱容器(C)内の低温部に収容し、ディスプレーサユ
ニット(12)は真空断熱容器(C)外の常温部に配設
する。そして、上記第1及び第2膨張空間(20),
(14)間の冷媒ガス経路(11)には、通過する冷媒
ガスと熱交換して蓄熱及びガスの加熱を行う別の再生器
(21)を配設して、該再生器(21)は真空断熱容器
(C)内に収容する。
【0011】請求項4の発明では、圧縮機及びディスプ
レーサユニットにおける各可動部を対向型とする。すな
わち、この発明では、図1に示すように、圧縮機(1)
はシリンダ(3)と、該シリンダ(3)内に往復動可能
に嵌挿され、各々の間に圧縮空間(5)を区画する1対
の対向するピストン(4),(4)と、両ピストン
(4),(4)を互いに接離するように所定周期で駆動
する駆動手段(6),(6)とを備えている構成とす
る。一方、ディスプレーサユニット(12)は、シリン
ダ(13)内に1対の対向するディスプレーサ(1
6),(16)を備え、両ディスプレーサ(16),
(16)の間に第2膨張空間(14)が設けられている
構成とする。
【0012】請求項5の発明では、図1に示す如く、圧
縮機(1)の圧縮空間(5)とディスプレーサユニット
(12)のディスプレーサ(16)背面側の空間(1
5)とを接続するバイパス冷媒ガス経路(22)を設
け、このバイパス冷媒ガス経路(22)にバイパス冷媒
ガス経路(22)の開度を変えるバルブ(23)を配設
する。
【0013】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、圧縮
機(1)の作動によりその圧縮空間(5)で冷媒ガスが
所定の周期で圧縮されると、この冷媒ガスの一部が冷媒
ガス経路(11)を経由してディスプレーサユニット
(12)に供給され、そのフリーディスプレーサ(1
6)を往復動させる。このときにディスプレーサ(1
6)の往復動が圧縮空間(5)の圧力波に対し遅れて追
従するように設定することにより、第1及び第2膨張空
間(20),(14)で冷媒ガスが断熱膨張し、この第
1膨張空間(20)での膨張により冷媒ガスが温度降下
して、コールドヘッド(19)が冷却される。また、第
1膨張空間(20)と圧縮空間(5)との間には再生器
(18)が配設されているので、常温部にある圧縮空間
(5)から第1及び第2膨張空間(20),(14)に
供給される冷媒ガスは、冷熱を蓄えている再生器(1
8)で冷却され、逆に、第1及び第2膨張空間(2
0),(14)から圧縮空間(5)に戻る冷媒ガスは、
再生器(18)を冷却して自身は常温まで加熱される。
【0014】そのとき、第1膨張空間(20)はディス
プレーサユニット(12)とは離れており、つまりコー
ルドヘッド(19)の周辺に可動部がないので、コール
ドヘッド(19)に振動が伝達されることはなく、コー
ルドヘッド(19)に接触している冷却対象がフーリエ
変換赤外線センサや電子顕微鏡等の振動を嫌うものであ
っても、それら機器をスターリング冷凍機により冷却す
ることができる。
【0015】請求項2の発明では、再生器(18)、第
1膨張空間(20)、コールドヘッド(19)及びディ
スプレーサユニット(12)が全て真空断熱容器(C)
内に収容されているので、圧縮機(1)以外の膨張部全
体を容器(C)内に収容して、スターリング冷凍機をコ
ンパクトにまとめることができる。
【0016】請求項3の発明では、ディスプレーサユニ
ット(12)が真空断熱容器(C)の外に配設されてい
るので、コールドヘッド(19)周辺から可動部たるデ
ィスプレーサユニット(12)をさらに離隔させて、冷
却対象への振動の影響をより一層小さくすることができ
る。
【0017】また、そのとき、真空断熱容器(C)内の
低温部に収容されている第1膨張空間(20)と、容器
(C)外の常温部にあるディスプレーサユニット(1
2)内の第2膨張空間(14)との間に再生器(21)
が配設されているので、冷媒ガスの往来に伴い、低温部
の第1膨張空間(20)から常温部のディスプレーサユ
ニット(12)内の第2膨張空間(14)に供給される
冷媒ガスは、再生器(21)に冷熱を与えて常温まで加
熱され、逆に、第2膨張空間(14)から第1膨張空間
(20)に戻る冷媒ガスは、冷熱を蓄えている再生器
(21)で冷却される。このことで、ディスプレーサユ
ニット(12)を容器(C)外に配置していてもロスを
低減でき、スターリング冷凍機の性能を全体として向上
維持することができる。
【0018】さらに、ディスプレーサユニット(12)
が真空断熱容器(C)の外部にあるので、例えば冷凍機
の最大冷凍能力の設定のために、ディスプレーサユニッ
ト(12)の適正な作動を調整するのが容易となる。
【0019】請求項4の発明では、圧縮機(1)のピス
トン(4)及びディスプレーサユニット(12)のディ
スプレーサ(16)がいずれも1対で、各々の可動部が
対向型であるので、その可動部の重心移動がなく、冷却
対象に対する振動をさらに低減することができる。
【0020】請求項5の発明では、圧縮機(1)の圧縮
空間(5)とディスプレーサユニット(12)のディス
プレーサ(16)背面側の空間(15)とがバイパス冷
媒ガス経路(22)で接続され、該バイパス冷媒ガス経
路(22)にバルブ(23)が配設されているので、冷
凍機の運転時、このバルブ(23)によりバイパス冷媒
ガス経路(22)の開度を変えることで、ディスプレー
サユニット(12)におけるディスプレーサ(16)の
背圧を変えて、その挙動を制御することができ、例えば
冷凍機が最大冷凍能力となるディスプレーサユニット
(12)の適正な作動を容易に設定することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0022】(実施例1)図1は本発明の実施例1に係
るスターリング冷凍機を示し、この冷凍機は、ヘリウム
ガス等の冷媒ガスを所定の周期で圧縮する公知の圧縮機
(1)を備えている。すなわち、例えば圧縮機(1)は
密閉状のケーシング(2)を有し、このケーシング
(2)内にはシリンダ(3)が形成されている。シリン
ダ(3)内には1対の対向するピストン(4),(4)
が往復動可能に嵌挿され、両ピストン(4),(4)の
間に圧縮空間(5)が区画形成されている。各ピストン
(4)は、両ピストン(4),(4)を互いに接離する
ように所定周期で往復駆動する駆動手段としてのリニア
モータ(6)にそれぞれ連結されている。この各リニア
モータ(6)はシリンダ(3)の周りに配置された環状
の永久磁石(7)を有し、この磁石(7)により、シリ
ンダ(3)とその外側のケーシング(2)との間の間隙
に磁界を発生させる。上記間隙には中心部にて上記ピス
トン(4)に一体固定された略カップ状のボビン(8)
が往復動可能に配設され、該ボビン(8)の外周にはド
ライブコイル(9)が巻き付けられている。また、上記
ピストン(4)の背面側とケーシング(2)内底面との
間にはピストン(4)を往復動可能に弾性支持するため
のコイルばね(10)が、各端部をそれぞれケーシング
(2)及びピストン(4)に固定した状態で架設されて
いる。そして、両リニアモータ(6),(6)のドライ
ブコイル(9),(9)に所定周波数の交流を通電する
ことで、間隙内を通る磁界との作用により各コイル
(9)及びボビン(8)を駆動してピストン(4)をシ
リンダ(3)内で対向するピストン(4)と同期して接
離するように往復移動させることにより、圧縮空間
(5)で所定周期のガス圧を発生させるようになってい
る。
【0023】上記圧縮機(1)の圧縮空間(5)はメイ
ン冷媒ガス経路(11)を介してディスプレーサユニッ
ト(12)に接続されている。このディスプレーサユニ
ット(12)は、シリンダ(13)と、該シリンダ(1
3)内に往復動可能に嵌挿され、各々の間に第2膨張空
間(14)を、また背面側に作動空間(15),(1
5)をそれぞれ区画する1対の対向するディスプレーサ
(16),(16)と、上記各作動空間(15)に収容
され、各ディスプレーサ(16)をその背面側にてシリ
ンダ(13)に対し往復動可能に弾性支持する支持手段
としてのコイルばね(17),(17)とを備え、上記
第2膨張空間(14)が圧縮機(1)の圧縮空間(5)
にメイン冷媒ガス経路(11)を介して接続されてい
る。
【0024】さらに、上記メイン冷媒ガス経路(11)
には、通過する冷媒ガスと内蔵するリジェネレータマト
リックス(図示せず)と熱交換して蓄熱及びガスの加熱
を行う第1再生器(18)と、図外の冷却対象にコール
ドヘッド(19)を介して伝熱可能に接続され、冷媒ガ
スを膨張させてコールドヘッド(19)を冷却する第1
膨張空間(20)と、上記第1再生器(18)と同様
に、通過する冷媒ガスと熱交換して蓄熱及びガスの加熱
を行う第2再生器(21)とが圧縮空間(5)側から順
に直列に配設されている。
【0025】そして、上記第1及び第2再生器(1
8),(21)、第1膨張空間(20)、コールドヘッ
ド(19)は真空断熱容器(C)内に収容されている一
方、ディスプレーサユニット(12)は真空断熱容器
(C)外に配設されている。
【0026】さらに、上記圧縮機(1)の圧縮空間
(5)にはバイパス冷媒ガス経路(22)の一端が接続
され、この冷媒ガス経路(22)の他端は2つに分岐さ
れてそれぞれディスプレーサユニット(12)の各ディ
スプレーサ(16)背面側の作動空間(15),(1
5)に接続されている。このバイパス冷媒ガス経路(2
2)の共通部分には冷媒ガス経路(22)の開度を変え
るバルブ(23)が配設されており、このバルブ(2
3)の調整により、ディスプレーサユニット(12)の
両作動空間(15),(15)の圧力を変えてディスプ
レーサ(16),(16)の挙動をコントロールするよ
うにしている。
【0027】したがって、上記実施例においては、スタ
ーリング冷凍機の運転時、圧縮機(1)におけるリニア
モータ(6),(6)のドライブコイル(9),(9)
に交流が通電され、各ピストン(4)がシリンダ(3)
内でコイルばね(10)のばね定数及びコイル(9)へ
の電源周波数で決まる共振周波数で、対向するピストン
(4)と同期して接離するように往復駆動され、このこ
とでピストン(4),(4)間の圧縮空間(5)で所定
周期のガス圧が発生する。こうして圧縮空間(5)で冷
媒ガスが所定の周期で圧縮されると、その一部がメイン
冷媒ガス経路(11)を経由してディスプレーサユニッ
ト(12)の第2膨張空間(14)に供給され、そのガ
ス圧によりフリーディスプレーサ(16),(16)が
往復動する。そして、圧縮機(1)のピストン(4),
(4)及びディスプレーサユニット(12)のディスプ
レーサ(16),(16)の往復動周期を設定すること
で、ディスプレーサ(16),(16)の往復動が圧縮
空間(5)の圧力波に対し遅れて追従するようになり、
このことにより第1及び第2膨張空間(20),(1
4)で冷媒ガスがそれぞれ断熱膨張し、真空断熱容器
(C)内に収容されている第1膨張空間(20)での膨
張により冷媒ガスが次第に温度降下して、コールドヘッ
ド(19)及び該コールドヘッド(19)に接触してい
る冷却対象が冷却される。
【0028】そのとき、第1及び第2膨張空間(2
0),(14)、コールドヘッド(19)は真空断熱容
器(C)内に収容されているが、ディスプレーサユニッ
ト(12)は容器(C)外に配設されているので、容器
(C)内のコールドヘッド(19)周辺から可動部たる
ディスプレーサユニット(12)が遠く離隔した状態と
なり、コールドヘッド(19)の周辺に可動部がなくな
る。しかも、圧縮機(1)のピストン(4),(4)及
びディスプレーサユニット(12)のディスプレーサ
(16),(16)がいずれも1対で、各々の可動部が
対向型であるので、その可動部の重心移動がなく、可動
部の振動をさらに低減できる。これらの結果、コールド
ヘッド(19)に振動が伝達されることはなく、コール
ドヘッド(19)に接触している冷却対象がフーリエ変
換赤外線センサや電子顕微鏡等の振動を嫌うものであっ
ても、それら機器をスターリング冷凍機によって問題な
く冷却することができる。
【0029】また、第1膨張空間(20)と圧縮空間
(5)との間には第1再生器(18)が配設されている
ので、常温部にある圧縮空間(5)から第1膨張空間
(20)に供給される冷媒ガスは、冷熱を蓄えている第
1再生器(18)で冷却され、逆に、第1膨張空間(2
0)から圧縮空間(5)に戻る冷媒ガスは、第1再生器
(18)を冷却して自身は常温まで加熱される。一方、
真空断熱容器(C)内の低温部に収容されている第1膨
張空間(20)と、容器(C)外の常温部にあるディス
プレーサユニット(12)内の第2膨張空間(14)と
の間に第2再生器(21)が配設されているので、冷媒
ガスの往来に伴い、低温部の第1膨張空間(20)から
常温部のディスプレーサユニット(12)内の第2膨張
空間(14)に供給される冷媒ガスは、第2再生器(2
1)に冷熱を与えて常温まで加熱され、逆に、第2膨張
空間(14)から第1膨張空間(20)に戻る冷媒ガス
は、冷熱を蓄えている第2再生器(21)で冷却され
る。このことで、真空断熱容器(C)外の常温部に配設
されている圧縮機(1)及びディスプレーサユニット
(12)から熱が真空断熱容器(C)内の第1膨張空間
(20)に伝わるのを阻止してロスを低減でき、スター
リング冷凍機の全体としての性能を向上維持することが
できる。
【0030】上記圧縮機(1)の圧縮空間(5)とディ
スプレーサユニット(12)の各ディスプレーサ(1
6)背面側の作動空間(15),(15)とがバイパス
冷媒ガス経路(22)で接続され、該バイパス冷媒ガス
経路(22)にバルブ(23)が配設されているので、
冷凍機の運転時、このバルブ(23)によりバイパス冷
媒ガス経路(22)の開度を変えることで、ディスプレ
ーサユニット(12)におけるディスプレーサ(1
6),(16)の背圧を変えて、その挙動を制御するこ
とができる。このため、例えば冷凍機が最大冷凍能力と
なるディスプレーサユニット(12)の適正な作動を容
易に設定することができる。しかも、そのとき、ディス
プレーサユニット(12)が真空断熱容器(C)の外部
にあるので、ディスプレーサユニット(12)の作動調
整がより一層容易となる。
【0031】(実施例2)図2は実施例2を示し(尚、
図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な
説明は省略する)、ディスプレーサユニット(12)を
真空断熱容器(C)内に収容したものである。その他の
構成は実施例1と同様である。
【0032】こうすることで、第2再生器(21)が不
要となり、その他の第1再生器(18)、第1膨張空間
(20)、コールドヘッド(19)及びディスプレーサ
ユニット(12)を全て真空断熱容器(C)内に収容す
ればよいので、膨張部全体が容器(C)内に収容される
こととなり、スターリング冷凍機をコンパクトにまとめ
ることができる。
【0033】尚、この実施例では、ディスプレーサユニ
ット(12)が真空断熱容器(C)内の低温部に配置さ
れるので、各ディスプレーサ(16)を往復動可能に弾
性支持するコイルばね(17)が低温で脆性破壊するこ
とが懸念される。このため、ディスプレーサ(16)の
支持手段としてはコイルばね(17)に代えて、例えば
磁性体の反発力や吸引力を利用したものを用いることが
好ましい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、スターリング冷凍機における圧縮機の圧縮空間
で圧縮された冷媒ガスを膨張させて寒冷を発生させる膨
張部として、シリンダ内に往復動可能に嵌挿されたディ
スプレーサと、このディスプレーサにより区画された第
2膨張空間とを有するディスプレーサユニットを設け、
このディスプレーサユニットの第2膨張空間を圧縮機の
圧縮空間に冷媒ガス経路を介して接続し、冷媒ガス経路
に再生器とコールドヘッドを冷却する第1膨張空間とを
圧縮空間側から順に直列に配設した構成としたことによ
り、コールドヘッド及び冷却対象への振動の影響を防止
し、フーリエ変換赤外線センサや電子顕微鏡等の振動を
嫌う冷却対象であっても、それら機器をスターリング冷
凍機により冷却でき、よってスターリング冷凍機の冷却
対象の分野を拡大することができる。
【0035】請求項2の発明によれば、上記再生器、第
1膨張空間、コールドヘッド及びディスプレーサユニッ
トを全て真空断熱容器内に収容したので、スターリング
冷凍機をコンパクトにまとめることができる。
【0036】請求項3の発明によれば、再生器、第1膨
張空間及びコールドヘッドを真空断熱容器内の低温部に
収容し、ディスプレーサユニットは真空断熱容器外の常
温部に配設するとともに、上記第1及び第2膨張空間間
の冷媒ガス経路に、真空断熱容器内に収容される再生器
を配設したことにより、ディスプレーサユニットの容器
外への配置であってもスターリング冷凍機の性能を全体
として向上維持しながら、コールドヘッド周辺から可動
部たるディスプレーサユニットをさらに離隔させて、冷
却対象への振動の影響をより一層小さくすることができ
る。
【0037】請求項4の発明によると、圧縮機のピスト
ン及びディスプレーサユニットのディスプレーサをいず
れも1対として、各々の可動部を対向型としたので、そ
の可動部の重心移動をなくして、冷却対象に対する振動
をさらに低減することができる。
【0038】請求項5の発明によると、圧縮機の圧縮空
間とディスプレーサユニットのディスプレーサ背面側の
空間とを接続するバイパス冷媒ガス経路を設け、このバ
イパス冷媒ガス経路にバルブを配設したので、このバル
ブによりバイパス冷媒ガス経路の開度を変えることで、
ディスプレーサユニットにおけるディスプレーサの背圧
を変えて、その挙動を制御することができ、冷凍機が最
大冷凍能力となるディスプレーサユニットの適正な作動
等の設定の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るスターリング冷凍機の
全体構成を示す図である。
【図2】実施例2の全体構成を示す図である。
【図3】スターリング冷凍機の従来例を示す図である。
【符号の説明】
(1) 圧縮機 (3) シリンダ (4) ピストン (5) 圧縮空間 (6) リニアモータ(駆動手段) (11) メイン冷媒ガス経路 (12) ディスプレーサユニット (13) シリンダ (14) 第2膨張空間 (15) 作動空間 (16) ディスプレーサ (17) コイルばね(支持手段) (18) 第1再生器 (19) コールドヘッド (20) 第1膨張空間 (21) 第2再生器 (22) バイパス冷媒ガス経路 (23) バルブ (C) 真空断熱容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/14 520

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮空間(5)内で冷媒ガスを所定の周
    期で圧縮する圧縮機(1)と、 シリンダ(13)と、該シリンダ(13)内に支持手段
    (17)により往復動可能に支持されたディスプレーサ
    (16)と、該ディスプレーサ(16)によりシリンダ
    (13)内に区画され、冷媒ガスを膨張させる第2膨張
    空間(14)とを有するディスプレーサユニット(1
    2)と、 上記圧縮機(1)の圧縮空間(5)をディスプレーサユ
    ニット(12)の第2膨張空間(14)に接続する冷媒
    ガス経路(11)とを備え、 上記冷媒ガス経路(11)には、通過する冷媒ガスと熱
    交換して蓄熱及びガスの加熱を行う再生器(18)と、
    冷媒ガスを膨張させてコールドヘッド(19)を冷却す
    る第1膨張空間(20)とが圧縮空間(5)側から順に
    直列に配設されていることを特徴とするスターリング冷
    凍機。
  2. 【請求項2】 請求項1のスターリング冷凍機におい
    て、 再生器(18)、第1膨張空間(20)、コールドヘッ
    ド(19)及びディスプレーサユニット(12)は真空
    断熱容器(C)内に収容されていることを特徴とするス
    ターリング冷凍機。
  3. 【請求項3】 請求項1のスターリング冷凍機におい
    て、 再生器(18)、第1膨張空間(20)及びコールドヘ
    ッド(19)が真空断熱容器(C)内に収容されている
    一方、ディスプレーサユニット(12)は真空断熱容器
    (C)外に配設され、 上記第1及び第2膨張空間(20),(14)間の冷媒
    ガス経路(11)には、通過する冷媒ガスと熱交換して
    蓄熱及びガスの加熱を行う再生器(21)が配設され、
    該再生器(21)は真空断熱容器(C)内に収容されて
    いることを特徴とするスターリング冷凍機。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3のスターリング冷凍
    機において、 圧縮機(1)はシリンダ(3)と、該シリンダ(3)内
    に往復動可能に嵌挿され、各々の間に圧縮空間(5)を
    区画する1対の対向するピストン(4),(4)と、両
    ピストン(4),(4)を互いに接離するように所定周
    期で駆動する駆動手段(6),(6)とを備えている一
    方、 ディスプレーサユニット(12)はシリンダ(13)内
    に1対の対向するディスプレーサ(16),(16)を
    備え、両ディスプレーサ(16),(16)の間に第2
    膨張空間(14)が設けられていることを特徴とするス
    ターリング冷凍機。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4のスターリング
    冷凍機において、 圧縮機(1)の圧縮空間(5)とディスプレーサユニッ
    ト(12)のディスプレーサ(16)背面側の空間(1
    5)とを接続するバイパス冷媒ガス経路(22)が設け
    られ、 上記バイパス冷媒ガス経路(22)にはバイパス冷媒ガ
    ス経路(22)の開度を変えるバルブ(23)が配設さ
    れていることを特徴とするスターリング冷凍機。
JP04087122A 1992-04-08 1992-04-08 スターリング冷凍機 Expired - Fee Related JP3104387B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04087122A JP3104387B2 (ja) 1992-04-08 1992-04-08 スターリング冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04087122A JP3104387B2 (ja) 1992-04-08 1992-04-08 スターリング冷凍機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05288420A JPH05288420A (ja) 1993-11-02
JP3104387B2 true JP3104387B2 (ja) 2000-10-30

Family

ID=13906156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04087122A Expired - Fee Related JP3104387B2 (ja) 1992-04-08 1992-04-08 スターリング冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3104387B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6606123B2 (en) 1999-01-29 2003-08-12 Hamamatsu Photonics K.K. Photosensitive device

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100454702B1 (ko) * 2002-06-26 2004-11-03 주식회사 덕성 지엠냉각기를 구비한 극저온용기 및 극저온용기의 제어방법
US7003977B2 (en) * 2003-07-18 2006-02-28 General Electric Company Cryogenic cooling system and method with cold storage device

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6606123B2 (en) 1999-01-29 2003-08-12 Hamamatsu Photonics K.K. Photosensitive device

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05288420A (ja) 1993-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3991585A (en) Cold-gas refrigerator
JP3728833B2 (ja) パルス管冷凍機
US6079960A (en) Linear compressor with a coaxial piston arrangement
JP2001355929A (ja) 一体化された緩衝容積を用いるパルスチューブ極低温冷凍装置
JPH0788985B2 (ja) 冷凍機
JPH0721361B2 (ja) 冷凍機
JP3104387B2 (ja) スターリング冷凍機
US6422025B1 (en) Vibrationally isolated stirling cooler refrigeration system
JPH06137697A (ja) 熱駆動式冷凍機
KR20230161000A (ko) 독립된 복수의 디스플레이서를 사용하는 다단 스털링 냉동기
JPH112468A (ja) スターリング冷凍機
JP2541406B2 (ja) フリ―ピストン往復動圧縮機
JPH116660A (ja) 往復動式冷凍機
JPH0752533Y2 (ja) スターリング冷凍機
JP2978005B2 (ja) スターリング冷凍機
KR20000012903A (ko) 맥동관 냉동기의 구동 모터 방열장치
JP2005042571A (ja) スターリング機関
JP2001289527A (ja) 極低温冷却システム
JP2001317825A (ja) 膨張機及びそれを備えたスターリング冷凍機
JP2546081B2 (ja) リニアモ−タ圧縮機
JP3393071B2 (ja) ガス圧縮機及びコールドヘッド
JP2004205087A (ja) スターリング冷凍機
JPH0749328Y2 (ja) スターリング冷凍機用の往復動圧縮機
JPH0579720A (ja) 冷凍機
JPH05288417A (ja) 冷凍装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000801

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees