JP2003083392A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2003083392A
JP2003083392A JP2001277439A JP2001277439A JP2003083392A JP 2003083392 A JP2003083392 A JP 2003083392A JP 2001277439 A JP2001277439 A JP 2001277439A JP 2001277439 A JP2001277439 A JP 2001277439A JP 2003083392 A JP2003083392 A JP 2003083392A
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Japan
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vibration
cylinder
elastic stopper
outer cylinder
elastic
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JP2001277439A
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English (en)
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Michihiro Orikawa
通洋 折川
Toshihiro Suzuki
智弘 鈴木
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ショック感を低減しつつ耐久性を高める。 【解決手段】 弾性体16の下側の凹部16Cが外筒金
具12により閉塞されることで主液室26を構成する。
主液室26内における外筒金具12の内周面側に、中間
筒18の下側に設けられた開口部18Cから弾性体16
の凹部16C内に突出するように形成された弾性ストッ
パ36が、配置される。弾性ストッパ36の主要部とな
るゴム材の部分に、内筒金具14の軸方向に沿って弾性
ストッパ36を貫通して延びる形で、スグリ部42が設
けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に係り、例えば
自動車のエンジンマウント等に適用可能な液体封入式防
振装置に採用でき、特に、液室内に配設されて過大な変
位を抑制するストッパ部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の振動発生部となるエンジ
ンと振動受け部となる車体との間には、エンジンマウン
トとしての防振装置が配設されていて、エンジンが発生
する振動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達される
のを阻止するような構造となっている。
【0003】この種の防振装置の例として、図5に示す
ような構造の液体封入式等の防振装置が知られている。
つまり、この液体封入式防振装置は、図5に示すように
内筒金具112と中間筒118との間をゴム製の弾性体
116が繋ぎ、この中間筒118の開口部118Aに対
応する弾性体116の部分に、主液室124となる空間
を形成する凹部116Aが設けられる構造となってい
る。さらに、外筒金具114に加硫接着されたダイヤフ
ラム120と中間筒118とにより副液室126となる
空間が形成され、この副液室126が主液室124と通
路128で連通されることで、これら液室124、12
6内に液体が充填された構造ともなっている。
【0004】そして、弾性体116の凹部116Aと向
かい合う外筒金具114の内周面側には、金属製或いは
樹脂製によるストッパ材130が設けられており、ま
た、このストッパ材130に対向する内筒金具112側
には、このストッパ材130に向かって突出する凸形状
を有したストッパゴム132が弾性体116と一体的に
形成されている。つまり、エンジンの主な振動入力方向
である主振動方向Y(図5における上下方向)の内の一
般にバウンド入力と言われる下方向への過大な変位が生
じた時には、このストッパゴム132がストッパ材13
0に当接することで、必要以上の変位量を規制してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の防振装置
では、凸形状のストッパゴム132の厚みを増すことに
より、バウンド入力が加わった際においてストッパゴム
132がストッパ材130に当たる衝撃力を緩衝し、シ
ョック感を低減できる。しかし、ストッパゴム132の
厚みを増した場合、バウンド入力が繰り返して加わるの
に伴って、ストッパゴム132が早期に劣化して、内筒
金具112の過大な変位を長期間確実に規制することが
難しくなる。この為、ストッパゴム132の厚みを増し
た場合には、主振動方向Yの変位が増加すると共に、ス
トッパゴム132と一体的に形成される弾性体116に
無理な変形が生じて、弾性体116も劣化し、結果とし
て防振装置の耐久性が低下する虞を有していた。
【0006】この逆に、ストッパゴム132の厚みを薄
くした場合には、ストッパゴム132の劣化後における
上下方向の変位量の増加が少なくなって、弾性体116
の耐久性が向上するが、バウンド入力が加わった際のス
トッパゴム132による衝撃力の緩衝効果も小さくなる
為、ショック感が増大する欠点を有していた。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、ショック感を
低減しつつ耐久性を高め得る防振装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結される筒状
の外筒と、外筒の内周側に配置され且つ振動発生部及び
振動受け部の他方に連結される内筒と、外筒側と内筒側
との間を弾性変形可能に繋ぐようにこれらの間に配置さ
れると共に、凹部を有した弾性体と、内筒の軸方向に沿
って延びるスグリ部が設けられ且つ、弾性体の凹部内に
突出するように外筒の内周面側に配置された弾性ストッ
パと、を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。外筒或いは内筒の一方に連結された振動発生部
側から振動が伝達されると、外筒或いは内筒が変位する
のに伴って、外筒と内筒との間に配置される弾性体が弾
性変形し、この弾性体の内部摩擦に基づく制振機能によ
って振動を吸収し、振動が低減される。つまり、弾性体
の変形によって振動が吸収されることで、外筒或いは内
筒の他方に連結された振動受け部側に振動が伝達され難
くなる。
【0010】さらに本請求項では、この弾性体が凹部を
有し、この凹部内に突出するように外筒の内周面側にス
トッパ部材とされる弾性ストッパが配置されており、ス
グリ部が、内筒の軸方向に沿って延びるようにこの弾性
ストッパに、設けられている。
【0011】従って、弾性ストッパを内筒側でなく外筒
の内周面に設けたので、従来技術と異なって、内筒側の
弾性体に繋がるゴム材を薄くでき、内筒側のゴム材を劣
化させ難くなる。また、内筒の軸方向に沿って窪みの方
向が延びるようなスグリ部を弾性ストッパに設けたの
で、バウンド入力が生じて、外筒に対して相対的にその
軸方向と交差する方向に内筒が変位する際における最初
の小さな変位の段階では、スグリ部が開口したままの低
いばね定数で変位が規制される。更に、内筒の変位が大
きくなった段階では、スグリ部が閉塞するので、高いば
ね定数で変位が規制されることになる。この結果として
段階的にばね定数が変わるので、衝撃力の緩衝効果が大
きくなり、これに伴ってショック感を低減できる。
【0012】さらに、内筒側の弾性ストッパへの当接及
びスグリ部の内壁面同士の当接による計2回の当接で、
バウンド入力を順次吸収するので、弾性ストッパに加わ
る衝撃的な面圧を低減させて、弾性ストッパを構成する
ゴム材の劣化を防止することができる。つまり、弾性ス
トッパの劣化が防がれると共に、この弾性ストッパの存
在により内外筒間のストロークが確実に抑制されて弾性
体に過大な変形が生じないようになる結果、弾性体の劣
化も防がれて、防振装置の耐久性が向上する。
【0013】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様の構成を有して同様
に作用するものの、さらに、内筒の軸方向に沿って弾性
ストッパを貫通する形で、スグリ部が形成されるという
構成を有する。つまり、本請求項は、スグリ部のより好
ましい形態と考えられる内筒の軸方向に沿って弾性スト
ッパを貫通する形状に、スグリ部を形成したものであ
る。この結果として、スグリ部が弾性ストッパを貫通す
るのに伴い、スグリ部の内壁面同士が当接するまでのば
ね定数が一層低くなって、より確実にショック感を低減
しつつ防振装置の耐久性を高めことが可能となった。
【0014】請求項3に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1及び請求項2と同様の構成
を有して同様に作用するものの、さらに、弾性ストッパ
がゴム材で形成され、スグリ部を形成する外筒側の内壁
面が内筒側に突出する凸形状に形成され、或いはスグリ
部を形成する内筒側の内壁面が外筒側に突出する凸形状
に形成されるという構成を有する。従って、本請求項に
よれば、例えば曲面状でなだらかな凸形状をスグリ部の
内壁面に形成したので、スグリ部の内壁面同士が当接し
てスグリ部が閉塞される際のばね定数を徐々に増大で
き、ショック感を更に低減可能となった。
【0015】請求項4に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1から請求項3と同様の構成
を有して同様に作用するものの、さらに、弾性ストッパ
がゴム材で形成され、スグリ部より内筒側の弾性ストッ
パの部分に剛性部材が内包されるという構成を有する。
【0016】従って、本請求項によれば、弾性ストッパ
に金属材等による剛性部材を内包させることで、内筒側
の弾性ストッパへの当接の際において、内筒側との接触
面を実質的に広くして弾性ストッパに加わる衝撃力を分
散できる。これに伴って、弾性ストッパに加わる面圧が
下がり、ゴム切れによる弾性ストッパの寿命を延ばすこ
とが可能となる。また、剛性部材を支持しているゴム材
の自由長が少なくなって切れる虞が無い範囲で、弾性ス
トッパ内の剛性部材を出来る限り大きくすることによ
り、弾性ストッパを構成する厚いゴム材に加わる面圧を
更に下げることが可能となる。
【0017】請求項5及び請求項6に係る防振装置の作
用を以下に説明する。請求項5も請求項1から請求項4
と同様の構成を有して同様に作用するものの、さらに、
弾性ストッパが、外筒と別体で形成され且つベース金具
を備えるという構成を有し、請求項6も請求項5と同様
の構成を有して同様に作用するものの、中間筒に形成さ
れる開口部の端部と外筒との間で、弾性ストッパが狭持
されて固定されるという構成を有する。つまり、請求項
5及び請求項6によれば、防振装置の組立に際して、弾
性ストッパを弾性体と別体にし、これらを組み立てて最
終的に防振装置が完成されるので、防振装置を簡易に製
造可能となる。
【0018】請求項7による防振装置は、振動発生部及
び振動受け部の一方に連結される筒状の外筒と、外筒に
嵌合された状態で外筒の内周側に配置される筒状の中間
筒と、中間筒の内周側に配置され且つ振動発生部及び振
動受け部の他方に連結される内筒と、中間筒側と内筒側
との間を弾性変形可能に繋ぐようにこれらの間に配置さ
れると共に、凹部を有した弾性体と、液体が封入され且
つ内壁の少なくとも一部が弾性体の凹部により形成され
得る受圧液室と、内筒の軸方向に沿って延びるスグリ部
が設けられ且つ、弾性体の凹部内に突出するように受圧
液室内の外筒の内周面側に配置された弾性ストッパと、
を備えたことを特徴とする。
【0019】請求項7に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項では、外筒に嵌合された中間筒と内筒
との間に弾性体が配置される構成とされている。そし
て、外筒或いは内筒の一方に連結された振動発生部側か
ら振動が伝達されると、外筒或いは内筒が変位するのに
伴って、この弾性体が弾性変形し、この弾性体の内部摩
擦に基づく制振機能によって振動を吸収し、振動が低減
される。
【0020】また、この弾性体の変形に伴って、内壁の
少なくとも一部が弾性体により形成される受圧液室が拡
縮して容積が変化し、液体に圧力変化及び粘性抵抗等が
生じつつ、液体が流動する。つまり、弾性体の変形だけ
でなく、液体が液柱共振して動ばね定数が低下し振動が
さらに吸収されることで、外筒或いは内筒の他方に連結
された振動受け部側に振動がより一層伝達され難くな
る。
【0021】さらに本請求項では、この弾性体が凹部を
有し、この凹部により形成される受圧液室内において凹
部内に突出するように、外筒の内周面側にストッパ部材
とされる弾性ストッパが配置されている。そして、スグ
リ部が、内筒の軸方向に沿って延びるようにこの弾性ス
トッパに、設けられている。
【0022】従って、受圧液室内において弾性体の凹部
内に突出するように配置された弾性ストッパの存在によ
り、本請求項も請求項1と同様に、ショック感を低減し
つつ防振装置の耐久性を高めることが可能となる。
【0023】請求項8から請求項12に係る防振装置の
作用を以下に説明する。請求項8から請求項12も請求
項7と同様の構成を有して同様に作用するものの、さら
に、請求項2から請求項6と同様の構成となっているの
で、これらの請求項と同様に作用することになる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の一
実施の形態を図1から図4に示し、これらの図に基づき
本実施の形態を説明する。図1及び図2に示すように、
本実施の形態に係るブッシュ型の防振装置10は、鋼等
の金属材料により円筒状に形成された外筒金具12を備
えており、振動受け部としての自動車等の車両の車体
(図示せず)に図示しない取付フレームを介して、この
外筒金具12が連結されることになる。
【0025】また、図2に示すように軸方向両端部にそ
れぞれリング状のフランジ部18Aが設けられた鋼等の
金属材料製の中間筒18が、この外筒金具12内に挿入
されて嵌合されていて、この中間筒18の一対のフラン
ジ部18Aの内周側間が、これらフランジ部18Aより
小径で円弧状に形成された連結部18Bにより、繋がれ
ている。この為、中間筒18の周面を中間筒18の両端
面間を繋ぐ連結部18Bが形成することになり、この連
結部18Bの下側に窓状に開放された開口部18Cが、
形成されている。
【0026】これら外筒金具12及び中間筒18の内周
側には、円管状に鋼等の金属材料で形成された内筒金具
14が外筒金具12及び中間筒18の軸線と平行となる
ように配置されており、この内筒金具14に図示しない
ボルトがねじ込まれることにより、内筒金具14と振動
発生部となるエンジン(図示せず)とが連結されること
となる。
【0027】さらに、これら内筒金具14と中間筒18
との間には、ゴム製の弾性体16が配置されており、内
筒金具14を覆う形で内筒金具14の外周面にこの弾性
体16が加硫接着されている。そして、図1及び図2に
おいて内筒金具14の下部側には、鋼等の金属製のプレ
ート材24が固定されていて、このプレート材24の下
部側が弾性体16により覆われている。
【0028】図1においてこの内筒金具14の外周に位
置した中間筒18の連結部18Bとこの内筒金具14と
の間が、内筒金具14側からそれぞれ放射状に延びる弾
性体16の一対のアーム部16Aにより、弾性変形可能
に繋がれている。この弾性体16の外側部分は中間筒1
8のフランジ部18Aの外周側を薄く覆うようになって
いるので、中間筒18の一対のフランジ部18Aの外周
面がそれぞれゴム材を介して外筒金具12の内周面に密
着されている。
【0029】また、図2に示すように弾性体16の一対
の壁部16Bを内筒金具14の両端部寄りの下部にそれ
ぞれ配置することで、一対のフランジ部18A間の部分
であって、内筒金具14と中間筒18との間を繋ぐ弾性
体16の下側の部分に、空間とされる凹部16Cが形成
されることになる。つまり、この凹部16Cは、中間筒
18の下側に形成された開口部18Cに対向して設けら
れることになる。
【0030】他方、内筒金具14の上部側でこの内筒金
具14と中間筒18との間の中間部分には、外筒金具1
2の軸方向に貫通する空間である貫通孔20が設けられ
ており、この防振装置10の主振動方向Yに内筒金具1
4が変位し易くなっている。そして、この貫通孔20内
には、リバウンド側(図において上側)への内筒金具1
4の過大な変位を規制するゴム製のリバウンドストッパ
32が配置されており、図1及び図2に示すようにリバ
ウンドストッパ32に内筒金具14が当接することで、
内筒金具14の上方への過大な変位を抑制することがで
きる。
【0031】さらに、図1及び図2に示すように、中間
筒18の一対のフランジ部18A間に挟まれた連結部1
8Bの上側部分には、外筒金具12の内周面側に加硫接
着されて外周部分を固定した薄肉の弾性膜であるゴム製
のダイヤフラム22が、配置されている。
【0032】他方、図1から図3に示すように、弾性体
16の下部に設けられた凹部16Cにより形成される空
間は、外筒金具12により閉塞されることで受圧液室と
しての主液室26を構成し、ダイヤフラム22及び中間
筒18の外周面により区画された空間は、副液室28を
構成している。また、ダイヤフラム22と外筒金具12
との間の空間が空気室34とされ、副液室28の隔壁の
一部を弾性変形可能に構成するダイヤフラム22の変形
をこの空気室34が、容易にしている。
【0033】中間筒18の一対のフランジ部18A間に
挟まれた連結部18Bの図1において左側の外周側部分
には、弾性体16と一体的なゴム材が配置されており、
また、同じく連結部18Bの図1において右側の外周側
部分は、連結部18Bの周方向に沿って延びる溝となっ
ていて、この溝が外筒金具12により覆われて円弧状の
空間とされている。
【0034】そして、外筒金具12と中間筒18の連結
部18Bとの間のこの円弧状の空間が、制限通路として
のオリフィス30を構成しており、このオリフィス30
により、内筒金具14及び貫通孔20を挟んで相互に対
向して配置されるこれら主液室26と副液室28との間
が、連通される。尚、これら主液室26、オリフィス3
0及び副液室28の内部には、例えば水、オイル等の液
体が封入されている。
【0035】一方、図1及び図2に示すように、主液室
26内における外筒金具12の内周面側には、中間筒1
8の下側に設けられた開口部18Cから弾性体16の凹
部16C内に突出するように形成された弾性ストッパ3
6が、配置されている。つまり、防振装置10の主振動
方向Yに沿って大きなバウンド入力が生じて、図3に示
すように内筒金具14が主液室26側に過大に変位した
場合には、この弾性ストッパ36に内筒金具14が当接
して、内外筒間のストロークの確実な規制が可能とな
る。
【0036】また、図4に示すように、この弾性ストッ
パ36は外筒金具12と別体で形成されていて、円弧状
のベース金具38にゴム材が加硫接着された構造となっ
ている。そして、図2に示すように、中間筒18に形成
される開口部18Cの端部と外筒金具12との間で、こ
の弾性ストッパ36の一部を構成するベース金具38が
狭持されることで、この弾性ストッパ36が固定されて
いる。
【0037】さらに、この弾性ストッパ36の主要部と
なるゴム材の部分には、内筒金具14の軸方向に沿って
弾性ストッパ36を貫通して延びる形で、スグリ部42
が設けられている。図1及び図4(A)に示すように、
このスグリ部42を形成する外筒金具12側の内壁面中
央部分には、内筒金具14側になだらかに突出する凸形
状に第1突出部42Aが形成されており、このスグリ部
42を形成する内筒金具14側の内壁面中央部分には、
外筒金具12側になだらかに突出する凸形状に第2突出
部42Bが形成されている。また、このスグリ部42よ
り内筒金具14側寄りの弾性ストッパ36の中央部分に
は、鋼等の金属製で直方体状の剛性部材40が内包され
ている。
【0038】以上より、本実施の形態では、図1及び図
2に示すように、弾性ストッパ36の剛性部材40、第
1突出部42A及び第2突出部42Bが、主液室26を
挟んで内筒金具14及びこの内筒金具14に固定された
プレート材24と、防振装置10の主振動方向Yに沿っ
て直線状に並んで、配置されることになる。
【0039】さらに、この防振装置10は車体取付用と
される図示しない取付フレームに挿入固定されており、
この取付フレームを車体へ取り付け、内筒金具14をボ
ルト等でエンジンに連結することにより、エンジンの荷
重が内筒金具14を介して弾性体16に加わって弾性体
16が変形することで、内筒金具14が図1及び図2に
示す位置より若干下方に移動することになる。
【0040】次に、本実施の形態に係る防振装置10の
作用を説明する。上記のような構造の防振装置10の外
筒金具12を自動車の車体側に連結すると共に、内筒金
具14をボルトを介してエンジンに連結した状態とし、
この防振装置10の内筒金具14に搭載されるエンジン
が作動すると、内筒金具14が変位する。これに伴っ
て、外筒金具12に嵌合された中間筒18と内筒金具1
4との間に配置される弾性体16に、内筒金具14を介
して、エンジンの振動が伝達される。弾性体16は吸振
主体として作用し、弾性体16の内部摩擦に基づく制振
機能によって振動を吸収し、車体側に振動が伝達され難
くなる。
【0041】また、弾性体16の変形に伴って、内壁の
一部が弾性体16により形成される主液室26が拡縮
し、これに合わせて、ダイヤフラム22が変形すること
でオリフィス30を介して主液室26と繋がる副液室2
8が拡縮するので、液体に圧力変化及び粘性抵抗等が生
じつつ、主液室26と副液室28との間のオリフィス3
0内の液体が流動する。この為、弾性体16の変形だけ
でなく、液体がオリフィス30内で液柱共振して動ばね
定数が低下し振動がさらに吸収されることで、外筒金具
12と連結された車体側に振動がより一層伝達され難く
なって、防振効果を向上することができる。
【0042】他方、本実施の形態では、この弾性体16
が凹部16Cを有し、この凹部16Cにより形成される
主液室26内において凹部16C内に突出するように、
外筒金具12の内周面側にゴム製の弾性ストッパ36が
配置されている。そして、スグリ部42が、内筒金具1
4の軸方向に沿って弾性ストッパ36を貫通する形で延
びるようにこの弾性ストッパ36に、設けられている。
【0043】従って、弾性ストッパ36を内筒金具14
側でなく外筒金具12の内周面に設けたので、従来技術
に係る防振装置と異なって、内筒金具14側の弾性体1
6に繋がるゴム材を薄くでき、内筒金具14側に配置さ
れたゴム材を劣化させ難くなる。
【0044】また、内筒金具14の軸方向に沿って窪み
の方向が延びるようなスグリ部42を弾性ストッパ36
に設けたので、防振装置10の主振動方向Yに沿って図
3に示すバウンド入力が生じた時には、外筒金具12に
対して相対的にその軸方向と交差する方向に内筒金具1
4が変位するが、この際における最初の小さな変位の段
階では、スグリ部42が開口したままの低いばね定数で
変位が規制される。更に、内筒金具14の変位が大きく
なった段階では、スグリ部42が閉塞するので、高いば
ね定数で変位が規制されることになる。この結果として
段階的にばね定数が変わるので、衝撃力の緩衝効果が大
きくなり、これに伴ってショック感を低減できる。
【0045】さらに、内筒金具14側の弾性ストッパ3
6への当接及びスグリ部42の内壁面同士の当接による
計2回の当接で、バウンド入力を順次吸収するので、弾
性ストッパ36に加わる衝撃的な面圧を低減させて、弾
性ストッパ36を構成するゴム材の劣化を防止すること
ができる。つまり、弾性ストッパ36の劣化が防がれる
と共に、この弾性ストッパ36の存在により、内外筒間
のストロークが確実に抑制されて弾性体16に過大な変
形が生じないようになる結果として、弾性体16の劣化
も防がれて、防振装置10の耐久性が向上する。
【0046】また、本実施の形態では、スグリ部42の
より好ましい形態と考えられる内筒金具14の軸方向に
沿って弾性ストッパ36を貫通する形状に、スグリ部4
2が形成されている。この為、スグリ部42の内壁面同
士が当接するまでのばね定数が一層低くなって、より確
実にショック感を低減しつつ防振装置10の耐久性を高
めことが可能となった。
【0047】一方、本実施の形態では、弾性ストッパ3
6の主要部がゴム材で形成され、スグリ部42を形成す
る外筒金具12側の内壁面中央部分に、内筒金具14側
になだらかに突出する凸形状の第1突出部42Aが形成
されると共に、スグリ部42を形成する内筒金具14側
の内壁面中央部分に、外筒金具12側になだらかに突出
する凸形状の第2突出部42Bが形成されている。そし
て、スグリ部42より内筒金具14側寄りで弾性ストッ
パ36の中央部分に、剛性部材40が内包されている。
【0048】従って、本実施の形態によれば、スグリ部
42の内壁面に曲面状のなだらかな凸形状の突出部42
A、42Bを形成することにしたので、スグリ部42の
内壁面同士が当接する時に、これら突出部42A、42
B同士が当接してスグリ部42が閉塞される際のばね定
数を徐々に増大でき、ショック感を更に低減可能となっ
た。
【0049】さらに、弾性ストッパ36に金属材等によ
る剛性部材40を内包させることで、内筒金具14側の
弾性ストッパ36への当接の際において、内筒金具14
側との接触面を実質的に広くして弾性ストッパ36に加
わる衝撃力を分散できる。これに伴って弾性ストッパ3
6に加わる面圧が下がり、ゴム切れによる弾性ストッパ
36の寿命を延ばすことが可能となった。また、剛性部
材40を支持しているゴム材の自由長が少なくなって切
れる虞が無い範囲で、弾性ストッパ36内の剛性部材4
0を出来る限り大きくすることにより、弾性ストッパ3
6を構成する厚くなりがちなゴム材に加わる面圧を更に
下げることが可能となる。
【0050】特に、内筒金具14が弾性ストッパ36に
斜めに当たるケースも実使用上あり得るので、大きい剛
性部材40で内筒金具14を一旦受ける形とすることに
より、剛性部材40の外周側のゴム材に内筒金具14が
当たる際には、当たり面が大きくなって面圧が下がり、
ゴム切れによる寿命を向上できる。
【0051】さらに、本実施の形態では、弾性ストッパ
36がベース金具38を備えたことで、外筒金具12と
別体で弾性ストッパ36を形成できる。但し、中間筒1
8に形成される開口部18Cの端部と外筒金具12との
間で、弾性ストッパ36のベース金具38を狭持するこ
とにより、弾性ストッパ36が確実に固定される。つま
り、上記の構造にすれば、防振装置10の組立に際し
て、弾性ストッパ36を弾性体16と別体にし、これら
を組み立てて最終的に防振装置10が完成されるので、
防振装置10を簡易に製造可能となる。
【0052】尚、上記実施の形態において、スグリ部に
突出部を一対形成したが、突出部は何れか一方のみでも
良く、また、スグリ部の内壁面の中央部分にこれら突出
部を配置しなくとも良い。
【0053】一方、上記実施の形態において、振動発生
部であるエンジン側に内筒が連結され、振動受け部であ
る車体側に外筒が連結される構成とされたが、この逆の
構成としてもよい。さらに、上記実施の形態では通路で
あるオリフィス及び副液室を一つづつ有する構造を用い
て説明したが、オリフィス及び副液室がそれぞれ複数設
けられる構造の防振装置や、液室が無くて液体が封入さ
れていない構造の防振装置にも、本発明を適用すること
ができる。つまり、低減すべき振動周波数に合わせて例
えばオリフィスの断面積や長さを相違させたりオリフィ
スの数を変更するようにして、オリフィスの形状等を適
宜選択することで、種々の振動周波数にそれぞれ対応可
能な防振装置を得ることが出来る。
【0054】また、上記実施の形態において、自動車の
エンジン等の防振を目的としたが、本発明の防振装置は
他の用途にも用いられることはいうまでもなく、また、
形状等も実施の形態のブッシュ型のものに限定されるも
のではなく、他の構造の防振装置にも適用可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防振装置
は上記構成としたので、ショック感を低減しつつ耐久性
を高め得ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態の断面図
であって、図2の1−1矢視線断面図である。
【図2】本発明に係る防振装置の一実施の形態の別断面
図であって、図1の2−2矢視線断面図である。
【図3】本発明に係る防振装置の一実施の形態の図1と
同様の断面図であって、バウンド入力が生じた状態の図
である。
【図4】本発明に係る防振装置の一実施の形態に適用さ
れる弾性ストッパを示す図であって、(A)は(B)の
4A−4A矢視線断面図であり、(B)は底面図であ
る。
【図5】従来の防振装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 外筒金具 14 内筒金具 16 弾性体 16C 凹部 18 中間筒 18C 開口部 26 主液室(受圧液室) 36 弾性ストッパ 38 ベース金具 40 剛性部材 42 スグリ部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受け部の一方に連結
    される筒状の外筒と、 外筒の内周側に配置され且つ振動発生部及び振動受け部
    の他方に連結される内筒と、 外筒側と内筒側との間を弾性変形可能に繋ぐようにこれ
    らの間に配置されると共に、凹部を有した弾性体と、 内筒の軸方向に沿って延びるスグリ部が設けられ且つ、
    弾性体の凹部内に突出するように外筒の内周面側に配置
    された弾性ストッパと、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 内筒の軸方向に沿って弾性ストッパを貫
    通する形で、スグリ部が形成されることを特徴とする請
    求項1記載の防振装置。
  3. 【請求項3】 弾性ストッパがゴム材で形成され、 スグリ部を形成する外筒側の内壁面が内筒側に突出する
    凸形状に形成され、或いはスグリ部を形成する内筒側の
    内壁面が外筒側に突出する凸形状に形成されることを特
    徴とする請求項1或いは請求項2に記載の防振装置。
  4. 【請求項4】 弾性ストッパがゴム材で形成され、 スグリ部より内筒側の弾性ストッパの部分に剛性部材が
    内包されることを特徴とする請求項1から請求項3の何
    れかに記載の防振装置。
  5. 【請求項5】 弾性ストッパが、外筒と別体で形成され
    且つベース金具を備えたことを特徴とする請求項1から
    請求項4の何れかに記載の防振装置。
  6. 【請求項6】 中間筒に形成される開口部の端部と外筒
    との間で、弾性ストッパが狭持されて固定されることを
    特徴とする請求項5記載の防振装置。
  7. 【請求項7】 振動発生部及び振動受け部の一方に連結
    される筒状の外筒と、 外筒に嵌合された状態で外筒の内周側に配置される筒状
    の中間筒と、 中間筒の内周側に配置され且つ振動発生部及び振動受け
    部の他方に連結される内筒と、 中間筒側と内筒側との間を弾性変形可能に繋ぐようにこ
    れらの間に配置されると共に、凹部を有した弾性体と、 液体が封入され且つ内壁の少なくとも一部が弾性体の凹
    部により形成され得る受圧液室と、 内筒の軸方向に沿って延びるスグリ部が設けられ且つ、
    弾性体の凹部内に突出するように受圧液室内の外筒の内
    周面側に配置された弾性ストッパと、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  8. 【請求項8】 内筒の軸方向に沿って弾性ストッパを貫
    通する形で、スグリ部が形成されることを特徴とする請
    求項7記載の防振装置。
  9. 【請求項9】 弾性ストッパがゴム材で形成され、 スグリ部を形成する外筒側の内壁面が内筒側に突出する
    凸形状に形成され、或いはスグリ部を形成する内筒側の
    内壁面が外筒側に突出する凸形状に形成されることを特
    徴とする請求項7或いは請求項8に記載の防振装置。
  10. 【請求項10】 弾性ストッパがゴム材で形成され、 スグリ部より内筒側の弾性ストッパの部分に剛性部材が
    内包されることを特徴とする請求項7から請求項9の何
    れかに記載の防振装置。
  11. 【請求項11】 弾性ストッパが、外筒と別体で形成さ
    れ且つベース金具を備えたことを特徴とする請求項7か
    ら請求項10の何れかに記載の防振装置。
  12. 【請求項12】 中間筒に形成される開口部の端部と外
    筒との間で、弾性ストッパが狭持されて固定されること
    を特徴とする請求項11記載の防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008058239B4 (de) * 2008-11-19 2014-12-24 Carl Freudenberg Kg Buchse

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