JP2003083239A - 斜板型アキシアルプランジャポンプの運転方法およびそのための駆動装置 - Google Patents

斜板型アキシアルプランジャポンプの運転方法およびそのための駆動装置

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JP2003083239A
JP2003083239A JP2001272979A JP2001272979A JP2003083239A JP 2003083239 A JP2003083239 A JP 2003083239A JP 2001272979 A JP2001272979 A JP 2001272979A JP 2001272979 A JP2001272979 A JP 2001272979A JP 2003083239 A JP2003083239 A JP 2003083239A
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Satoshi Tsusaka
智 津坂
Mitsunori Ishii
光教 石井
Takesuke Takigawa
武相 瀧川
Hiromasa Ono
博正 大野
Shinya Yamaguchi
真也 山口
Masayoshi Tanuma
正義 田沼
Takashi Nunokawa
剛史 布川
Toshinori Kuzuma
俊徳 葛間
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Nikki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気化しやすい液体を高温雰囲気でも気化させ
る心配なく吸込んで安定した液体輸送が行なえるものと
する。 【解決手段】 斜板2の駆動軸1を減速伝動機構24に
よって原動軸21よりも低速度で回転させるとともに原
動軸21に設けたカム部材22によって往復移動可能と
した。斜板2とシリンダブロック4との間隔を斜板2の
回転角度と関連させてカム部材22により変えることに
より、吸込行程の回転角度範囲を二分の一回転よりも大
きくし、プランジャ6の吸込動作速度を低下させてシリ
ンダ室5の急激な圧力低下による液体の気化を防止する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は斜板型アキシアルプ
ランジャポンプの殊に気化しやすい液体の輸送に適した
運転方法、およびそのための駆動装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】主として油の輸送に用いられている斜板
型アキシアルプランジャポンプは、周知のように斜板回
転形式のものと斜板固定形式のものとに分けられる。
【0003】図6(A),(B)はこれらを概略的に示
した図であって、斜板回転形式のものは(A)に示した
ように駆動軸61に斜板62を固結し、固定されている
シリンダブロック63のシリンダ室64に嵌装したプラ
ンジャ65の先端をばね66によって斜板62に押し付
け、斜板62の回転に伴ってプランジャ65が直線往復
動することによって、入口逆止弁67および出口逆止弁
68を設けた吸込・吐出ポート69を経て液体の吸込と
吐出とを行なう。また、斜板固定式のものは(B)に示
したように駆動軸71にシリンダブロック73を固結
し、そのシリンダ室74に嵌装したプランジャ75の先
端をばね76によって斜板72に押し付け、シリンダブ
ロック73の回転に伴ってプランジャ75が直線往復動
することによって、ポートブロック77に設けた三日月
形の吸込ポート78から吸込んだ液体を吐出ポート79
より吐出する。
【0004】そして、このようなアキシアルプランジャ
ポンプを油圧機器に専用することなく、例えば自動車業
界においてエンジンに供給する液体燃料を燃料噴射弁に
送るための燃料ポンプに使用することが考えられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図6
(A),(B)に示したアキシアルプランジャポンプは
プランジャ65,75が駆動軸61,71の二分の一回
転で吸込行程、次の二分の一回転で吐出行程を繰り返す
ことによって液体を輸送するものである。
【0006】一方、自動車エンジンのための燃料ポンプ
はエンジンルーム内に設置されてエンジンにより駆動さ
れるものであり、高温雰囲気内で吸込・吐出を行なうの
が普通であるが、液体燃料として汎用されているガソリ
ンは高揮発性であって温度が上昇するときわめて気化し
やすくなる。また、ガソリンに代えて実用化が検討され
ているLPGのような液化ガスは温度上昇、圧力低下の
いずれによっても容易に気化する性質をもっている。
【0007】これらのガソリンまたは液化ガスがシリン
ダ室64,74に吸込まれるとき、殊にエンジンが高速
度で運転されていると短時間で急激に圧力を低下して気
化し、キャビテーション発生の原因となったり、気化燃
料が気泡となって液体燃料と一緒に燃料噴射弁に送られ
噴射量を減少させてエンジン運転を不調にする、という
心配がある。
【0008】本発明は斜板またはシリンダブロックを固
結した駆動軸の二分の一回転を吸込行程、次の二分の一
回転を吐出行程としている斜板型アキシアルプランジャ
ポンプで気化しやすい液体を輸送する場合に生じるキャ
ビテーション発生、吐出流量減少という心配を低減また
は解消するためになされたものであって、自動車エンジ
ンルームのような高温の雰囲気内でも液体燃料など気化
しやすい液体の気化を抑制乃至防止できるものとするこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明に係る第一手段は、斜板またはシリンダブロッ
クを固結した駆動軸の一回転毎に繰り返される吸込・吐
出の各行程の回転角度範囲を、斜板を駆動軸の軸線方向
へ往復平行移動させてシリンダブロックとの間隔を変え
ることにより、吸込行程の回転角度範囲を二分の一回転
よりも大きく吐出行程の回転角度範囲を二分の一回転よ
りも小さくするものである。
【0010】このように、吸込行程を従来の二分の一回
転よりも大きい回転角度範囲に拡大することにより短時
間の急激な圧力低下が緩和され、その結果液体の気化を
抑制乃至防止するという目的を達成させることができ
る。
【0011】そして、前記第一手段に係る運転方法を実
施するにあたって、吸込・吐出の各行程が駆動軸の二分
の一回転ずつの回転角度範囲であるときを基準行程、そ
のときのシリンダブロックに対する斜板の位置を基準位
置とし、基準吐出行程の開始とほぼ同時またはそれより
少し遅れて斜板をシリンダブロックから基準位置よりも
遠ざけて実際吐出行程の開始を遅延させ、基準吐出行程
の終了前に斜板をシリンダブロックに基準位置よりも近
づけ次で基準位置よりも遠ざけることにより実際吐出行
程を基準吐出行程よりも早く終了させ、次に基準吸込行
程の中間から基準吐出行程の開始とほぼ同時またはその
少し後まで斜板をシリンダブロックに基準位置よりも近
づけることにより、吸込行程の回転角度範囲は二分の一
回転よりも大きく吐出行程の回転角度範囲は二分の一回
転よりも小さくすることが本発明の目的達成のために好
適である。
【0012】次に、本発明に係る第二手段は、斜板回転
形式のものの駆動設置を前記目的が達成されるようにし
たものであって、斜板を固結した駆動軸を軸線方向へ往
復移動可能とするとともに、カム部材を固結していて原
動機により駆動される原動軸と、原動軸の回転を駆動軸
に伝達する減速伝動機構とを具えさせ、駆動軸はその軸
端がカム部材に常時接触して原動軸の一回転で軸線方向
へ一往復移動するとともに減速伝動機構の減速比に応じ
た角度の回転を行なうことにより、駆動軸の吸込行程と
なる回転角度範囲を二分の一回転よりも大きく吐出行程
となる回転角度範囲を二分の一回転よりも小さくするも
のとした。
【0013】そして、前記第二手段に係る駆動装置を実
施するにあたって、減速伝動機構を原動軸の回転を二分
の一に減速して駆動軸に伝達するものとし、且つカム部
材を吸込行程および吐出行程の各中間点において駆動軸
を往復移動の中間点に位置させるものとすることが本発
明の目的達成のために好適である。
【0014】更に、本発明に係る第三手段は、斜板固定
形式のものの駆動装置を前記目的が達成されるようにし
たものであって、斜板を完全固定とすることなくシリン
ダブロックを固結した駆動軸の軸線方向へ往復平行移動
可能とするとともに、シリンダブロックに接近させる力
を斜板に加える弾性押圧手段と、シリンダブロックから
遠ざける力を斜板に加える磁性吸引手段とを具えさせ、
駆動軸の一回転毎に弾性押圧手段と磁性吸引手段とが交
互に作用して斜板を往復平行移動させることにより、駆
動軸の吸込行程となる回転角度範囲を二分の一回転より
も大きく吐出行程となる回転角度範囲を二分の一回転よ
りも小さくするものとした。
【0015】そして、前記第三手段に係る駆動装置を実
施するにあたって、弾性押圧手段を斜板に力を常時加え
ているものとするとともに、磁性吸引手段を駆動軸と一
体に回転する第一吸引部材およびこれと向かい合って斜
板に配備した第二吸引部材を有するものとし、且つ斜板
が往復平行移動の中間点に位置するときに吸込・吐出の
各行程が駆動軸の二分の一ずつの回転角度範囲である基
準行程となるようにし、基準吐出行程の開始後から中間
点附近までと基準吐出行程の中間点通過後であって終了
前から基準吸込行程の中間点附近までとの二区間で第
一、第二吸引部材より斜板をシリンダブロックから遠ざ
け、それ以外の区間で弾性押圧手段により斜板をシリン
ダブロックに接近させることにより、実際の吐出行程の
開始を遅延させ且つ終了を早めるものとすることが本発
明の目的達成のために好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明すると、図1は斜板回転形式の斜板型アキシア
ルプランジャポンプに前記第一手段の運転方式に従う運
転を行なわせるため、前記第二手段の駆動装置を適用し
た形態を示す図であって、駆動軸1の一つの軸端に固結
した斜板2にシリンダブロック4が向かい合って配置さ
せており、そのシリンダ室5に嵌装したプランジャ6の
先端に装着されているシュウ7が戻しばね8のばね力に
よって斜板2の傾斜面3に常時押し付けられて摺動す
る。
【0017】斜板2とシリンダブロック4とはケーシン
グ9に内蔵され、駆動軸1はケーシング9のエンドカバ
ー9を貫通して軸受および軸封手段により回転可能且
つ液密に支持されているとともに軸線方向へ可動とされ
ている。シリンダブロック4はリヤカバー9に取り付
けられている。ケーシング9の内部は液体の入口室10
を形成しており、送入口11から輸送しようとする液体
が導入される。また、シリンダブロック4の背面にはリ
ヤカバー9の内部に形成した出口室12が配置されて
いる。
【0018】プランジャ6の先端部には入口室10とシ
リンダ室5とを導通する入口路13が設けられ、シリン
ダブロック4の基端部にはシリンダ室5と出口室12と
を導通する出口路15が設けられていて、これらは入口
逆止弁14,出口逆止弁16を有している。駆動軸1の
回転に伴って斜板2と戻しばね8とがプランジャ6を直
線往復動させ、プランジャ6がシリンダ室5の容積を増
大する方向へ移動する吸込行程で入口室10の液体を入
口路13からシリンダ室5に吸込みプランジャ6がシリ
ンダ室5の容積を減少する方向へ移動する吐出行程でシ
リンダ室5の液体を出口路15から出口室12に吐出
し、これより送出口17を通って目的場所へ送る。
【0019】駆動軸1と平行な方向へ延びる原動軸21
がケーシング9の外部に設置されており、この原動軸2
1は斜板2の傾斜面3と同様の傾斜面をカム面23とす
る円板状のカム部材22を固結しているとともに、図示
しない原動機により回転駆動させられるようになってい
る。駆動軸1の斜板2と反対側の軸端にはシュウ18が
装着されており、このシュウ18はカム面23に戻しば
ね8のばね力によって常時押し付けられて摺動する。
【0020】また、原動軸21と駆動軸1とは平歯車か
らなる減速伝動機構24によって連動させられている。
この減速伝動機構24は原動軸21の回転を駆動軸1に
伝達すると同時に、駆動軸1の軸線方向往復移動を許容
するものであり、平歯車のほかにタイミングベルトの使
用が好適である。
【0021】本実施の形態においては、減速伝動機構2
4を回転比2対1としており、駆動軸1は原動軸21の
一回転当り二分の一回転する。また、カム部材22のカ
ム面23は全周均一角度の傾斜面であって、その中間高
さ位置にシュウ18が接したときの斜板2の位置、即ち
駆動軸1の軸線方向往復動の中間点において斜板2が回
転した場合に吸込行程と吐出行程とが二分の一回転ずつ
の回転角度範囲となるようにしており、そのときのプラ
ンジャ6のストロークと駆動軸1の回転角度との関係は
図2のM曲線で表わされ、このM曲線に従う吸込・吐出
が基準行程である。また、斜板2の往復移動のストロー
クと原動軸21の回転角度との関係は図2のN曲線で表
わされ、プランジャ6の実際のストロークはM曲線とN
曲線とを合成してなるR曲線に従う。
【0022】即ち、図2を参照して詳述すると、駆動軸
1の回転角度が0度であってプランジャ6が吐出行程の
中間点に位置しているとき、原動軸21の回転角度も0
度であって斜板2の傾斜面3の中間高さ位置にプランジ
ャ6が接触している状態から出発して、原動軸21が9
0度回転するまでは傾斜面3が次第に高くなることによ
ってプランジャ6はM曲線よりも高速度で吐出方向へ動
作する。原動軸21が90度から270度まで回転する
間は、傾斜面3が次第に低くなることによってプランジ
ャ6の吐出動作速度が低下し、M曲線に従う基準吐出行
程の終了よりも早く吐出行程を終了して吸込行程に転ず
る。
【0023】原動軸21が270度から450度まで回
転する間は、傾斜面3が次第に高くなることによってプ
ランジャ6の吸込動作速度が低下させられ、吸込行程の
中間附近で吸込動作は殆んど停滞する。原動軸21が4
50度から630度まで回転する間は傾斜面3が次第に
低くなることによって吸込行程中のプランジャ6の動作
速度は増大するが、M曲線に従う基準吸込行程の終了時
点では実際吸込行程は終了しておらず、基準吐出行程の
開始後に実際吸込行程が終了する。原動軸21の回転角
度が630度以上になると傾斜面3が次第に高くなり、
プランジャ6はM曲線よりも高速度で吐出方向へ動作す
る。
【0024】以上の繰り返しによって液体の吸込・吐出
が行なわれるものであり、駆動軸1の二分の一回転より
も大きい回転角度範囲、本実施の形態では約240度の
回転角度範囲が吸込行程となる。また、M曲線に従う吸
込・吐出の基準行程をR曲線に従った吸込・吐出を行な
うように変更するカム部材21のカム面23の形状を適
正に設定することにより、R曲線に沿う実際行程におけ
るプランジャ6のストロークを基準行程のストロークと
同一とし、所要の流量を確保させることができる。
【0025】殊に、吸込行程の回転角度範囲が通常の1
80度よりも大幅に拡大することによって吸込行程にお
けるプランジャ6の動作速度が低速度となり、シリンダ
室5の圧力低下で緩やかなものとなって気化しやすい液
体の気化を抑制乃至防止することができるものである。
【0026】尚、吐出行程の回転角度範囲は本実施の形
態では約120度であるために、プランジャ6の動作速
度が高速度となるが、吐出速度の上昇が何等かの不都合
や悪影響を与える心配はない。
【0027】次に、図3,図4は斜板固定形式の斜板型
アキシアルプランジャポンプに前記第一手段の運転方法
に従う運転を行なわせるため、前記第三手段の駆動装置
を適用した形態を示す図であって、図示しない原動機に
より回転させられる駆動軸31の軸端部にシリンダブロ
ック34が固結されており、そのシリンダ室35に嵌装
したプランジャ36の先端に装着されているシュウ37
が戻しばね38のばね力によって斜板32の傾斜面33
に常時押し付けられて摺動する。
【0028】斜板32はシリンダブロック34の前方に
後述する機構によって回転不可且つ駆動軸31の軸線方
向へ往復平行移動可能とされており、駆動軸31の回転
に伴って斜板32と戻しばね38とがプランジャ36を
直線往復動させ、シリンダブロック34の背面に重ねた
ポートブロック40に形成した三日月形の吸込ポート4
1からシリンダ室35に液体を吸込み、次に同様の吐出
ポート42にシリンダ室35の液体を吐出する。
【0029】斜板32は外側周面に放射方向へ突出させ
た複数個の突起44を有しており、これらの突起44は
円周方向の移動は許さないが駆動軸31の軸線方向への
移動を許す案内溝46にそれぞれ嵌込まれている。案内
溝46を設けた部材は斜板32の保持部材45を構成
し、斜板32の回り止め手段と往復直線移動のストロー
ク規制手段とを兼ねている。
【0030】斜板32の傾斜面33と反対側の面は駆動
軸31に直角の平面とされており、この平面に接近させ
てフランジ47が駆動軸31に装着固定されている。
【0031】図3をA−A線方向に見た図4を参照し
て、駆動軸31が時計方向へ0度から180度まで回転
する領域が吐出行程、180度から360度まで回転す
る領域が吐出行程である。フランジ47の斜板32に向
かい合った面には第一の吸引部材49である一個の円板
状の永久磁石が固定されている。また、斜板32のフラ
ンジ47に向かい合った平面には第二の吸引部材5
,50である二個の円弧帯状の磁性体が固定され
ており、これらは磁性吸引手段48を構成している。
【0032】第二の吸引部材の一つ50は吐出行程の
ほぼ30度から90度の範囲に亘って設けられ、もう一
つ50は吐出行程のほぼ150度から吸込行程に転じ
てほぼ270度に至る範囲に亘って設けられ、且つこれ
らは第一の吸引部材49が駆動軸31の回転に伴って移
動する円周軌跡上に位置している。
【0033】更に、斜板32にはシリンダブロック34
に接近させる力を常時加える弾性押圧手段51である複
数の圧縮コイルばねが押し付けられている。この弾性押
圧手段51はプランジャ36の戻しばね38の合計荷重
よりも大きい荷重を斜板32に加えるが、磁性吸引手段
48の磁力による斜板32のシリンダブロック34から
遠ざかる方向の動きを阻害しないものとされている。更
にまた、突起44と案内溝46とは斜板32が磁力によ
りフランジ47の方へ吸引されたとき、これらが接触し
て吸着することがないように斜板32のストロークを規
制する。
【0034】本実施の形態においては、斜板32が突起
44と案内溝46とによって規制される往復平行移動の
中間点に位置する状態でシリンダブロック34が一回転
した場合に吸込行程と吐出行程とが二分の一回転ずつの
回転角度範囲となるようにしており、そのときのプラン
ジャ36のストローク駆動軸31の回転角度との関係は
図5のM曲線で表わされ、このM曲線に従う吸込・吐出
が基準行程である。また、斜板32の磁性吸引手段48
と弾性押圧手段51との交互作用による往復移動のスト
ロークと駆動軸31の回転角度との関係は図5のP曲線
で表わされ、プランジャ36の実際のストロークはM曲
線とP曲線とを合成してなるS曲線に従う。
【0035】即ち、図4,図5を参照して、駆動軸31
の回転角度が0度であってプランジャ36が基準吐出行
程の開始位置にあるとき、第一の吸引部材49は回転角
度0度の位置にあり、斜板32は弾性押圧手段51によ
ってシリンダブロック34に往復平行移動の中間点より
も接近させられ、実際には吸込行程の途中である。駆動
軸31が約30度回転すると、二つの吸引部材49,5
が重なって斜板32を吸引しシリンダブロック34
から中間点よりも遠ざける。この斜板32の中間点から
のストロークよりも斜板32の傾斜面33によるプラン
ジャ36の移動量が大きくなるとプランジャ36は実際
吐出行程に入り、約90度回転したとき第一の吸引部材
49が第二の吸引部材50の領域を通過して弾性押圧
手段51が斜板32をシリンダブロック34に接近させ
る。これにより、プランジャ36はM曲線よりも高速度
で吐出方向へ動作する。
【0036】約150度回転したとき第一の吸引部材4
9がもう一つの第二の吸引部材50 と重なって斜板3
2をシリンダブロック34から遠ざけ、プランジャ36
の吐出行程を基準吐出行程の終了よりも早く終了させて
吸込行程に移行させる。基準吸込行程の中間点である2
70度回転位置の附近で、第一の吸引部材49が第二の
吸引部材50の領域を通過して弾性押圧手段51が斜
板32をシリンダブロック34に接近させ、この状態を
一回転が終わって次の約30度回転まで継続させる。こ
れにより、吸込行程時のプランジャ36の吸込動作速度
が低下し、また吸込行程の回転角度範囲が基準行程より
も大幅に拡大してシリンダ室35の圧力低下が緩やかな
ものとなる。
【0037】尚、本実施の形態においても駆動軸31の
約240度の回転角度範囲が吸込行程となり、吸込行程
時におけるシリンダ室35の急激な圧力低下による液体
の気化を抑制乃至防止することができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によると吸込行程
の領域を拡張してプランジャを低速度で動作させる、と
いう簡単な手法で気化しやすい液体の気化を抑制乃至防
止し、キャビテーションの発生や吐出流量の減少を招く
ことなく安定した液体輸送を行なわせることができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断面配置図。
【図2】図1の形態のプランジャの動作特性図。
【図3】本発明の異なる実施の形態を示す縦断面配置
図。
【図4】図3のA−A線方向に見た説明図。
【図5】図3の形態のプランジャの動作特性図。
【図6】従来例の縦断面概略図。
【符号の説明】
1,31 駆動軸, 2,32 斜板, 4,34 シ
リンダブロック, 6,36 プランジャ, 21 原
動軸, 22 カム部材, 24 減速伝動機構, 4
8 磁性吸引手段, 51 弾性押圧手段,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧川 武相 神奈川県厚木市上依知3029番地 株式会社 日本気化器製作所内 (72)発明者 大野 博正 神奈川県厚木市上依知3029番地 株式会社 日本気化器製作所内 (72)発明者 山口 真也 神奈川県厚木市上依知3029番地 株式会社 日本気化器製作所内 (72)発明者 田沼 正義 神奈川県厚木市上依知3029番地 株式会社 日本気化器製作所内 (72)発明者 布川 剛史 神奈川県厚木市上依知3029番地 株式会社 日本気化器製作所内 (72)発明者 葛間 俊徳 神奈川県厚木市上依知3029番地 株式会社 日本気化器製作所内 Fターム(参考) 3H070 AA01 BB04 CC21 CC37 DD61 DD92 3H075 AA02 BB03 BB30 CC12 CC36 DB23 DB27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜板またはシリンダブロックを固結した
    駆動軸の一回転毎に繰り返される吸込・吐出の各行程の
    回転角度範囲を、前記斜板を前記駆動軸の軸線方向へ往
    復平行移動させて前記シリンダブロックとの間隔を変え
    ることにより、吸込行程の回転角度範囲は二分の一回転
    よりも大きく吐出行程の回転角度範囲は二分の一回転よ
    りも小さくすることを特徴とする斜板型アキシアルプラ
    ンジャポンプの運転方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した斜板型アキシアルプ
    ランジャポンプの運転方法であって、吸込・吐出の各行
    程が前記駆動軸の二分の一回転ずつの回転角度範囲であ
    るときを基準行程とするとともに、そのときの前記シリ
    ンダブロックに対する前記斜板の位置を基準位置とし、
    基準吐出行程の開始とほぼ同時またはそれより少し遅れ
    て前記斜板を前記シリンダブロックから基準位置よりも
    遠ざけて実際吐出行程の開始を遅延させ、基準吐出行程
    の終了前に前記斜板を前記シリンダブロックに基準位置
    よりも近づけ次で基準位置よりも遠ざけることにより実
    際吐出行程を基準吐出行程よりも早く終了させ、次に基
    準吸込行程の中間から前記の基準吐出行程の開始とほぼ
    同時またはその少し後まで前記斜板を前記シリンダブロ
    ックに基準位置よりも近づけることにより、吸込行程の
    回転角度範囲は二分の一回転よりも大きく吐出行程の回
    転角度範囲は二分の一回転よりも小さくすることを特徴
    とする運転方法。
  3. 【請求項3】 斜板が駆動軸に固結されて回転する斜板
    型アキシアルプランジャポンプの駆動装置であって、 前記駆動軸が軸線方向へ往復移動可能とされているとと
    もに、カム部材を固結していて原動機により駆動される
    原動軸と、前記原動軸の回転を前記駆動軸に伝達する減
    速伝動機構とを具えており、前記駆動軸はその軸端が前
    記カム部材に常時接触して前記原動軸の一回転で軸線方
    向へ一往復移動するとともに前記減速伝動機構の減速比
    に応じた角度の回転を行なうことにより、前記駆動軸の
    吸込行程となる回転角度範囲を二分の一回転よりも大き
    く吐出行程となる回転角度範囲を二分の一回転よりも小
    さくする、 ことを特徴とする駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記減速伝動機構は前記原動軸の回転を
    二分の一に減速して前記駆動軸に伝達するものとされ、
    且つ前記カム部材は吸込行程および吐出行程の各中間点
    において前記駆動軸を往復移動の中間点に位置させるも
    のとされている請求項3に記載した斜板型アキシアルプ
    ランジャポンプの駆動装置。
  5. 【請求項5】 シリンダブロックが駆動軸に固結されて
    回転する斜板型アキシアルプランジャポンプの駆動装置
    であって、 前記斜板が前記駆動軸の軸線方向へ往復平行移動可能と
    されているとともに、前記シリンダブロックに接近させ
    る力を前記斜板に加える弾性押圧手段と、前記シリンダ
    ブロックから遠ざける力を前記斜板に加える磁性吸引手
    段とを具えており、前記駆動軸の一回転毎に前記弾性押
    圧手段と磁性吸引手段とが交互に作用して前記斜板を往
    復平行移動させることにより、前記駆動軸の吸込行程と
    なる回転角度範囲を二分の一回転よりも大きく吐出行程
    となる回転角度範囲を二分の一回転よりも小さくする、 ことを特徴とする駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性押圧手段は前記斜板に力を常時
    加えているものとされているとともに、前記磁性吸引手
    段は前記駆動軸と一体回転する第一吸引部材およびこれ
    と向かい合って前記斜板に配備した第二吸引部材を有す
    るものとされ、且つ前記斜板が往復平行移動の中間点に
    位置するときに吸込・吐出の各行程が前記駆動軸の二分
    の一回転ずつの回転角度範囲である基準行程となるよう
    にされていて、基準吐出行程の開始後から中間点附近ま
    でと基準吐出行程の中間点通過後であって終了前から基
    準吸込行程の中間点附近までとの二区間で前記第一、第
    二吸引部材により前記斜板を前記シリンダブロックから
    遠ざけ、前記以外の区間で前記弾性押圧手段により前記
    斜板を前記シリンダブロックに接近させることにより、
    実際の吐出行程の開始を遅延させ且つ終了を早めるもの
    とされている請求項5に記載した斜板型アキシアルプラ
    ンジャポンプの駆動装置。
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