JP2015059498A - 回転斜板式プランジャポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】より部品点数が少なく、ポンプの組み付け工数をより低減する回転斜板式プランジャポンプを提供することを目的とする。【解決手段】軸線2aに垂直な面に対して傾斜するようにシャフトに固定された円盤状の斜板と、斜板に対向する一端面を有するシリンダブロック80と、シリンダブロック80に形成され、一端面に開口する複数のシリンダ81と、シリンダ81に往復運動可能に嵌合し、一端にて斜板に当接する複数のプランジャ100と、プランジャ100を斜板に当接させるように付勢するスプリングと、を備えた回転斜板式プランジャポンプであって、スプリングは、中心部をシリンダブロック80の軸線2a上の固定点80dに固定され、中心部から複数のプランジャ100に向かって半径方向Rに延在する複数の突出部が各プランジャ100に作用点Aで係合するように形成される。【選択図】図7
Description
本発明は、回転斜板式プランジャポンプに関する。
例えば、特許文献1には、回転駆動する斜板によりコイルスプリング側に押圧された後に、コイルスプリングにより斜板側に付勢されることによって往復運動をする複数のプランジャを備えた回転斜板式プランジャポンプが開示されている。
しかしながら、特許文献1に示されている回転斜板式プランジャポンプにおいては、プランジャの個数分だけコイルスプリングの個数が必要となるため、部品点数が多くなる傾向にある。部品点数が多くなることは、コスト面およびポンプの組み付け性に影響を及ぼす。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、より部品点数が少なく、ポンプの組み付け工数をより低減する回転斜板式プランジャポンプを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る回転斜板式プランジャポンプは、ハウジングと、ハウジングに軸線周りに回転可能に支持されるシャフトと、軸線に垂直な面に対して傾斜するようにシャフトに固定された円盤状の斜板と、ハウジング内に固定され、斜板に対向する一端面を有するシリンダブロックと、シリンダブロックに、軸線方向に形成され、斜板に向けて一端面に開口する複数のシリンダと、シリンダに往復運動可能に嵌合し、一端にて斜板に当接し、他端にてシリンダ内にポンプ室を画成する複数のプランジャと、シリンダブロックに固定され、プランジャを斜板に当接させるように付勢するスプリングと、を備えた回転斜板式プランジャポンプであって、スプリングは、中心部を軸線上の固定点に固定され、中心部から複数のプランジャに向かって半径方向に延在する複数の突出部が各プランジャに作用点で係合するように形成される。
これによれば、複数のプランジャを備える場合であっても、一つのスプリングにより、各プランジャに往復運動をさせることができる。よって、各プランジャそれぞれにコイルスプリングを用いる場合に比べ、部品点数を少なくすることができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る回転斜板式プランジャポンプにおいて、突出部は、プランジャに軸線と直角に形成された係合面と係合する係合部が、斜板側に半径方向にて凸状となる曲面に形成され、作用点の軸線方向の位置は、プランジャが往復運動する間、スプリングの固定点より斜板側に位置するように構成されている。
これによれば、スプリングは、プランジャが往復運動する間、スプリングの固定点より斜板側に位置する作用点において、斜板側に凸状に曲面に形成された係合部でプランジャの係合面と当接して、プランジャを斜板側に付勢する。よって、プランジャの係合面には、スプリングの係合部からプランジャの軸線方向にのみ付勢力が作用する。したがって、プランジャの往復運動する間、スプリングは、シリンダに対する傾きを抑制した状態でプランジャを斜板側に付勢することができる。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る回転斜板式プランジャポンプにおいて、スプリングの係合部は、プランジャが往復運動する間、プランジャの係合面と半径方向におけるプランジャの中央部で係合する。
これによれば、プランジャが往復運動する間、プランジャの半径方向における中央部に作用点を位置するようにできる。よって、プランジャの往復運動する間、スプリングは、シリンダに対する傾きをより抑制した状態でプランジャを斜板側に付勢することができる。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3に係る回転斜板式プランジャポンプにおいて、プランジャの係合面は、プランジャの側面に軸線と直角に形成された溝の斜板側の溝側面であり、突出部におけるプランジャとの係合部は、U字形状に形成されている。
これによれば、U字形状に形成された係合部にプランジャの溝をはめ込むだけでスプリングと各プランジャを組み付けられるため、スプリングと各プランジャとの組み付け性を容易にし、ポンプの組み付け工数を低減することができる。また、スプリングの係合部がU字形状であるため、プランジャの外周円における直径上にプランジャの軸線を挟むように二つの作用点を位置させることができる。よって、プランジャの往復運動する間、スプリングは、シリンダに対する傾きをさらに抑制した状態でプランジャを斜板側に付勢することができる。
本発明に係る回転斜板式プランジャポンプ1における第一実施形態について、図面を参照しながら説明する。回転斜板式プランジャポンプ1は、例えば、内燃機関の冷却用オイルを循環させるポンプや、車両用の油圧ポンプ等に用いられるものである。図1に示すように、本実施形態における回転斜板式プランジャポンプ1は、電動モータ部2およびポンプ部3を備えている。
電動モータ部2は、モータハウジング10(特許請求の範囲のハウジングに相当)、ロータ20、ステータ30を備えている。モータハウジング10は、軸受11,12を備えている。軸受11,12は、ロータ20を電動モータ部2の軸線2a周りに回転可能に支持するものであり、軸受11は、例えば、すべり軸受または玉軸受によって構成されている。軸受12は、例えばすべり軸受によって構成されている。また、本実施形態において、軸受12は、後述する液室42とモータハウジング10内を連通する複数の貫通穴12aを有している。
ロータ20は、モータハウジング10内に配置され、電動モータの回転子を構成するものである。ロータ20は、シャフト21、ホルダ22およびマグネット23を備えている。シャフト21は、モータハウジング10に軸線2a周りに回転可能に支持されるものである。シャフト21は、具体的には、軸受11,12によってモータハウジング10に回転可能に支持されている。
ホルダ22は、軸線2a方向に円柱状に形成され、例えばスプライン結合によりシャフト21に、シャフト21に対して回転不能に固定されている。マグネット23は、軸線2a方向に円筒状に形成され、ホルダ22の外周に固定されている。本実施形態において、マグネット23は、プラスチックマグネット(例えば、フェライト系プラスチックマグネット)である。プラスチックマグネットは、マグネット原料に樹脂材料を混合し、射出成形により形成されるものである。そして、マグネット23は、軸線2aの周方向に多極着磁されている。マグネット23は、例えば、インサート成形によってホルダ22に、ホルダ22に対して回転不能に固定されている。
ステータ30は、コア31およびコイル32を備えている。コア31は、マグネット23に対向してモータハウジング10に配置される。具体的には、コア31における軸線2a方向の寸法が、マグネット23における軸線2a方向の寸法よりも大きくなるように形成され、コア31がマグネット23の外周面の全領域に対向するように配置されている。本実施形態において、コア31は、複数の電磁鋼板が重ねられることにより構成される積層鋼板である。
コイル32は、コア31に設けられ、通電されることによりコア31を磁化させるものである。コイル32は、コア31の周方向に複数個ならべて配置され、複数の相を有する。そして、後述する制御装置Sからの制御信号により、励磁されるコイル32の相が切り替えられる。これにより、ロータ20を回転させる回転磁界が発生する。
ポンプ部3は、ポンプハウジング40(特許請求の範囲のハウジングに相当)、斜板50、底板60、複数の吐出弁70、シリンダブロック80、複数の流入弁90、複数のプランジャ100およびスプリング110を備えている。ポンプハウジング40は、モータハウジング10に、例えばネジ締結によって固定され、外部からポンプハウジング40内に液体Lを吸入する第一ポート40a、ポンプハウジング40内から外部へ液体Lを吐出する第二ポート40bおよび底面40cを有する凹部40dが形成されている。また、ポンプハウジング40は、液体Lの漏洩を防ぐOリング41および液室42を備えている。液体Lは、例えば、内燃機関の冷却用オイルである。液室42は、ポンプハウジング40内に、例えば円柱状に形成され、第一ポート40aに連通する。本実施形態において、第一ポート40aは、ポンプハウジング40における液室42の側面側に配置されている。
斜板50は、液室42内に収納され、軸線2aに垂直な面に対して傾斜するようにシャフト21に固定された円盤状のものである。斜板50は、ロータ20から軸線2a方向に隔てられて、液室42内にシャフト21に固定されている。すなわち、本実施形態において、斜板50は、ロータ20と別体に構成されている。そして、斜板50は、例えばスプライン結合によりシャフト21に、シャフト21に対して回転不能に固定されている。すなわち、シャフト21が回転することにより、斜板50が回転駆動する。また、斜板50は、各プランジャ100が摺動する摺動面50aを有している。
底板60は、凹部40dの底面40cに、例えば圧入により、密着した状態で当接するようにハウジング40に対して回転不能に固定され、円板状に形成されるものである。底板60は、底板60を軸線2a方向に貫通する複数の流路61を有している。また、底板60の第二ポート40b側の面および底面40cに形成された溝形状によって、第二ポート40bと流路61とを連通する流路40eが形成されている。
各吐出弁70は、流路40e内に配置され、流路61をそれぞれ開閉するものである。吐出弁70は、流路61の直径より大きい直径を有する球状に形成されている。また、ポンプ部3は、複数のスプリング71をさらに備えている。そして、吐出弁70は、スプリング71により、底板60側に付勢されている。これにより、吐出弁70が流路61の端部に密着し、吐出弁70が流路61を閉状態とする。
シリンダブロック80は、ポンプハウジング40に固定され、斜板50に対向する一端面80aおよび一端面80aから離間して形成された他端面80bを有している。シリンダブロック80は、他端面80bを底板60の液室42側の面に密着した状態で接するように凹部40dに、例えば圧入により、ポンプハウジング40に対し回転不能に固定され、例えば円柱状に形成されている。
また、シリンダブロック80は、複数のシリンダ81を備えている。各シリンダ81は、シリンダブロック80内に軸線2a方向に形成され、斜板50に向けて一端面80aに開口するものである。本実施形態において、シリンダ81は、軸線2aを中心とする図2に示す円周80c上に軸線81aを有する円筒状に形成され、シリンダ81における一端面80a側の開口部は液室42に対向する。一方、シリンダ81における他端面80b側の開口部は、流路61に対向する。
また、シリンダブロック80および底板60によって、複数の流路82が形成されている。各流路82は、シリンダ81より軸線2a側に形成され、液室42とシリンダ81とを連通するものである。本実施形態において、流路82は、シリンダブロック80内にシリンダ81より軸線2a側に形成された円筒部82a,82bおよび他端面80bに形成された溝82c並びに底板60の液室42側の面により構成されている。また、円筒部82aの直径は、円筒部82b円筒部より小さく形成されている。
各流入弁90は、流路82内に配置され、流路82をそれぞれ開閉するものである。本実施形態において、流入弁90は、円筒部82bに配置され、円筒部82aの直径より大きい直径を有する球状に形成されている。また、ポンプ部3は、複数のスプリング91をさらに備えている。そして、流入弁90は、スプリング91により、斜板50側に付勢されている。これにより、流入弁90が円筒部82aの端部に密着し、流入弁90が流路82を閉状態とする。
各プランジャ100は、シリンダ81に往復運動可能に嵌合し、一端100aにて斜板50に当接するものである。本実施形態において、プランジャ100は、シリンダ81に斜板50側から挿入され、プランジャ100の側面がシリンダ81の内周面に対して密着かつ摺動可能に形成されている。すなわち、プランジャ100は、円柱状に形成され、プランジャ100の軸線100cとシリンダ81の軸線81aとは同じ軸線となる。
また、各プランジャ100は、斜板50に対して摺動可能に当接するように構成されている。本実施形態において、プランジャ100における斜板50側の一端100aは、球状に形成されている。そして、プランジャ100は、スプリング110により、斜板50側に付勢されている。これにより、プランジャ100の一端100aが斜板50に摺動可能に当接する。
さらに、プランジャ100は、他端100bにてシリンダ81内にポンプ室83を画成するものである。ポンプ室83は、液体Lの圧力を高め、液体Lを移送するポンプを構成するものである。すなわち、ポンプ室83に流入する液体Lがポンプ室83にて圧縮され、液体Lの圧力が高められた後に、ポンプ室83から吐出される。本実施形態において、ポンプ室83は、シリンダ81内において、プランジャ100の他端100bと底板60との間に形成される。そして、流路61および流路82がポンプ室83に連通する。すなわち、ポンプ1は、ポンプ室83と液室42とを流入弁90を介して連通し、ポンプ室83と第二ポート40bとを吐出弁70を介して連通する。また、ポンプ1は、ポンプ室83と液室42とを、流入弁90を介してシリンダ81より軸線2a側で連通する。
また、図2に示すように、本実施形態において、流路61、シリンダ81、流路82およびプランジャ100は、軸線2aの周方向に各3個ずつ均等に配置されている。よって、吐出弁70、スプリング71、流入弁90およびスプリング91も同様に、軸線2aの周方向に各3個ずつ均等に配置されている。
スプリング110は、シリンダブロック80に固定され、各プランジャ100を斜板50に当接させるように付勢するものである。本実施形態において、スプリング110は、貫通孔に形成された中心部110aをシリンダブロック80に形成された軸線2a上の固定点80dに配置し、例えば螺子による締結によって固定される。
また、スプリング110は、図3に示すように、中心部110aから複数のプランジャ100に向かって半径方向Rに延在する複数の突出部111を有している。そして、突出部111は、プランジャ100と係合する係合部112が形成されている。本実施形態において、図3に示すように、係合部112は、平面視において、U字形状に形成されている。また、図4に示すように、係合部112は、側面視において、斜板50側に半径方向Rにて凸状となる曲面112aに形成されている。
そして、係合部112は、プランジャ100に形成された係合面100dと係合する。係合面100dは、プランジャ100に軸線100cと直角に形成されたものである。具体的には、図5に示すように、係合面100dは、プランジャ100に軸線100cと直角に形成された溝100eの斜板50側の溝側面100dである。また、本実施形態において、溝100eは、軸線100c方向に一定幅にて、プランジャ100の円周方向に環状に形成されている。また、図6に示すように、係合部112のU字形状の内側に溝100eを挟むことにより、スプリング110の係合部112とプランジャ100の溝100eとが係合する。
そして、スプリング110は、突出部111がプランジャ100に作用点Aで係合する。また、作用点Aは、図5に示すように、溝100eの斜板50側の溝側面100dに位置する。作用点Aは、スプリング110による付勢力がプランジャ100に作用する点である。ここで、プランジャ100が往復運動する間、作用点Aの軸線2a方向の位置が固定点80dよりも斜板50側に位置するように、ポンプ部3が構成されている。すなわち、図7に示す固定点80dよりも斜板50側であるプランジャ100の往復運動範囲H内で、作用点Aが移動するように、係合部112の曲面112a、斜板50の傾斜角度、円周80cの大きさ、シリンダ81の軸線2a方向の長さおよびプランジャ100の軸線2a方向の長さ等が形成されている。
また、スプリング110の係合部112は、プランジャ100が往復運動する間、プランジャ100の係合面100dと半径方向Rにおけるプランジャ100の中央部で係合する。半径方向Rにおけるプランジャ100の中央部は、図6に示すように、本実施形態において、円周80cとプランジャ100の軸線100cとの交点における円周80cの接線と軸線100cとにより形成される平面100fと溝側面100dとの交線100gである。交線100gは、溝側面100dにおいて、プランジャ100の外周円の円周80cに接する直径上にプランジャ100の軸線100cを挟むように形成される二つの線分である。
そして、プランジャ100が往復運動する間、スプリング110の係合部112がプランジャ100と交線100g上で係合する。すなわち、プランジャ100が往復運動する間、作用点Aは、交線100g上に位置するように、ポンプ部3が構成されている。また、スプリング110の係合部112がU字形状であるため、プランジャ100の外周円における直径上にプランジャ100の軸線100cを挟むように二つの作用点Aが位置する。
そして、プランジャ100が往復運動する間、プランジャ100の軸線100c方向のみに、係合部112がプランジャ100を付勢するように、曲面112aが形成されている。すなわち、本実施形態において、図7に示すように、プランジャ100の往復運動範囲Hにおいて、プランジャ100が往復運動する間、スプリング110の付勢力Fが各プランジャ100における作用点Aに、軸線100c方向のみに作用するように、ポンプ部3が構成されている。
また、ポンプ1は、直流電圧変換器としてのコンバータC(図示せず)に電気的に接続されている。そして、コンバータCは、ポンプ1を制御する制御装置S(図示せず)に電気的に接続されている。制御装置Sは、液体Lの吐出量を所定の吐出量にするように、ロータ20を所定回転数にて駆動または停止するように制御する。具体的には、制御装置Sは、コンバータCに制御指令を送信し、ステータ30に所定の直流電圧を供給または供給を停止するように制御する。
次に、ポンプ1における作動について説明する。ポンプ1が作動していない状態においては、吐出弁70および流入弁90はスプリング71,91により、流路61,82を閉じている状態である。そして、第一ポート40aは、図示しない液体Lが貯留されているタンクに図示しない管によって接続されている。
制御装置Sからの制御信号によって、コンバータCから所定電圧がステータ30に供給されることにより、モータハウジング10内に回転磁界が発生する。これにより、ロータ20が所定回転数にて回転し、斜板50が回転駆動する。斜板50の回転駆動により、斜板50が各プランジャ100を周期的にシリンダブロック80側に押し下げる。一方、スプリング110が各プランジャ100を押し上げる方向に付勢しているため、各プランジャ100が往復運動する。
ここで、図7に点線にて示すプランジャ100がシリンダブロック80から最も突出した状態において、スプリング110は、係合部112の曲面112aにおける点aにて、プランジャ100を作用点Aで付勢する。そして、プランジャ100が斜板50によって押し下げられることにより、プランジャ100を付勢するスプリング110における位置が係合部112の曲面112aに沿って、軸線2aに向かって移動するように、突出部111が弾性変形する。
また、図7に実線にて示すプランジャ100がシリンダブロック80に最も押し下げられた状態において、スプリング110は、係合部112の曲面112aにおける点bにて、プランジャ100を作用点Aで付勢する。点bは、点aよりも係合部112における軸線2a側の部位に位置する。すなわち、プランジャ100が往復運動する間、スプリング110の突出部111は、係合部112の曲面112aにおける点aと点bとの間の部位で、プランジャ100を作用点Aにて軸線100c方向のみに付勢するように、弾性変形する。
そして、プランジャ100が往復運動することにより、ポンプ室83が周期的に膨張と圧縮とを繰り返す。ポンプ室83が膨張するときに、ポンプ室83に負圧が発生する。そして、ポンプ室83に発生する負圧と液室42内の圧力の差によって生じる荷重が流入弁90に作用し、流入弁90がスプリング91の付勢力に抗して底板60側に移動する。これにより、流路82が開かれた状態になるため、液室42とポンプ室83が連通する。そして、外部から第一ポート40a、液室42および流路82を介して、液体Lがポンプ室83に流入する。なお、ポンプ室83が膨張する場合は、吐出弁70は底板60側に付勢されているため作動せず、流路61を閉じた状態が保たれることにより、液体Lの逆流を防止する。
また、液体Lが液室42を介してポンプ室83に流入するため、液室42内において、液体Lが斜板50によって撹拌される。これにより、摺動面50aおよび軸受12が潤滑される。また、液室42から貫通穴12aを介して、モータハウジング10内に液体Lが流入するため、軸受11が潤滑される。
一方、ポンプ室83が圧縮するときに、ポンプ室83に流入した液体Lが加圧される。そして液体Lの圧力と流路40eの圧力の差によって生じる荷重が吐出弁70に作用し、吐出弁70がスプリング71の付勢力に抗して第二ポート40b側に移動する。これにより、流路61が開かれた状態になるため、ポンプ室83と流路40eが連通する。そして、ポンプ室83から流路61、流路40eおよび第二ポート40bを介して、外部へ液体Lが吐出する。なお、ポンプ室83が圧縮する場合は、吐出弁70は、斜板50側に付勢されているため作動せず、流路82を閉じた状態が保たれることにより、液体Lの逆流を防止する。そして、プランジャ100の往復運動の周期に合わせ、ポンプ室83が圧縮されるため、ポンプ室83から液体Lが周期的に吐出する。
ここで、斜板50が所定回転数にて回転し、かつ3個のプランジャ100が軸線2aの周方向に均等に配置されているため、各プランジャ100の往復運動の周期に一定のずれが、各プランジャ100の間に等しく生じる。これにより、各ポンプ室83から各流路61に液体Lを吐出する周期に一定のずれが、各ポンプ室83の間に等しく生じるため、第二ポート40bから外部へ液体Lが脈動の少ない状態で一定の吐出量にて吐出する。なお、液体Lの吐出量は、ロータ20の回転数、ポンプ室83における体積の変化量および各流路面積等によって定まる。
次に、プランジャ100およびスプリング110をシリンダブロック80に組み付ける方法について説明する。はじめに、スプリング110の係合部112にポンプ1に用いる全てのプランジャ100をプランジャ100の溝100eに嵌合させる。その後、各プランジャ100を各シリンダ81に一度に挿入する。そして、スプリング110をシリンダブロック80における固定点80dに螺子によって締結する。
本実施形態によれば、ポンプ1が複数のプランジャ100を備える場合であっても、一つのスプリング110により、各プランジャ100を往復運動させることができる。よって、各プランジャ100それぞれにコイルスプリングを用いる場合に比べ、部品点数を少なくすることができる。したがって、ポンプ1の組み付け工数を低減できる。そして、各ポンプ室83にコイルスプリングを配置する必要がないため、ポンプ室83の体積を有効活用することができる。
また、スプリング110は、プランジャ100が往復運動する間、スプリング110の固定点80dより斜板50側に位置する作用点Aにおいて、斜板50側に凸状に曲面に形成された係合部112でプランジャの係合面100dと当接して、プランジャ100を斜板50側に付勢する。よって、プランジャ100の係合面100dには、スプリング110の係合部112からプランジャ100の軸線100c方向にのみ付勢力Fが作用する。したがって、プランジャ100の往復運動する間、スプリング110は、シリンダ81に対する傾きを抑制した状態でプランジャ100を斜板50側に付勢することができる。
また、プランジャ100が往復運動する間、プランジャ100の半径方向Rにおける中央部に作用点Aを位置するようにできる。よって、プランジャ100の往復運動する間、スプリング110は、シリンダ81に対する傾きを、さらに抑制した状態でプランジャ100を斜板50側に付勢することができる。
また、U字形状に形成された係合部112にプランジャ100の溝100eをはめ込むだけでスプリング110と各プランジャ100を組み付けられるため、スプリング110と各プランジャ100との組み付け性を容易にし、ポンプ1の組み付け工数を低減することができる。また、スプリング110の係合部112がU字形状であるため、プランジャ100の外周円における直径上にプランジャ100の軸線100cを挟むように二つの作用点Aを位置させることができる。よって、プランジャ100の往復運動する間、スプリング110は、シリンダ81に対する傾きをさらに抑制した状態でプランジャ100を斜板側に付勢することができる。
なお、本発明による回転斜板式プランジャポンプ1の他の実施形態として、本実施形態は、プランジャ100における係合部112との係合部は、溝100eに形成されていたが、これに代えて、図8に示すように、円柱形状100hに形成するようにしても良い。円柱形状100hの軸線は、軸線100cと直交する。そして、円柱形状100hにおける他端100bに最も近い側面に作用点Aが位置するように構成すると良い。
また、本実施形態において、マグネット23は、プラスチックマグネットにて構成されていたが、これに代えて、複数の磁石をホルダ22の周方向に配置しても良い。この場合、ホルダ22の周方向において、マグネットの磁極を交互に配置するようにすると良い。
また、本実施形態において、流路61、吐出弁70、スプリング71、シリンダ81、流路82、ポンプ室83、流入弁90、スプリング91およびプランジャ100は、軸線2aの周方向に各3個ずつ均等に配置されているが、各3個以外の個数としても良い。この場合、液体Lの吐出する際に生じる脈動を小さくするために、奇数個かつ多数個とすると良い。
1…回転斜板式プランジャポンプ、2…電動モータ部、2a…軸線、3…ポンプ部、10…モータハウジング、11,12…軸受、20…ロータ、21…シャフト、22…ホルダ、23…マグネット、30…ステータ、40…ポンプハウジング、40a…第一ポート、40b…第二ポート、40c…底面、40d…凹部、40e…流路、42…液室、50…斜板、50a…摺動面、60…底板、61…流路、70…吐出弁、71…スプリング、80…シリンダブロック、80a…一端面、80b…他端面、80c…円周、80d…固定点、81…シリンダ、81a…軸線、82…流路、83…ポンプ室、90…流入弁、91…スプリング、100…プランジャ、100a…一端、100b…他端、100c…軸線、100d…係合面(溝側面)、100e…溝、100f…平面、110…スプリング、110a…中心部、111…突出部、112…係合部、112a…曲面、A…作用点、a,b…点、F…付勢力、H…往復運動範囲、L…液体、R…半径方向。
Claims (4)
- ハウジングと、
前記ハウジングに軸線周りに回転可能に支持されるシャフトと、
前記軸線に垂直な面に対して傾斜するように前記シャフトに固定された円盤状の斜板と、
前記ハウジング内に固定され、前記斜板に対向する一端面を有するシリンダブロックと、
前記シリンダブロックに、前記軸線方向に形成され、前記斜板に向けて前記一端面に開口する複数のシリンダと、
前記シリンダに往復運動可能に嵌合し、一端にて前記斜板に当接し、他端にて前記シリンダ内にポンプ室を画成する複数のプランジャと、
前記シリンダブロックに固定され、前記プランジャを前記斜板に当接させるように付勢するスプリングと、を備えた回転斜板式プランジャポンプであって、
前記スプリングは、中心部を前記軸線上の固定点に固定され、前記中心部から前記複数のプランジャに向かって半径方向に延在する複数の突出部が各前記プランジャに作用点で係合するように形成された、回転斜板式プランジャポンプ。 - 前記突出部は、前記プランジャに前記軸線と直角に形成された係合面と係合する係合部が、前記斜板側に前記半径方向にて凸状となる曲面に形成され、
前記作用点の前記軸線方向の位置は、前記プランジャが往復運動する間、前記スプリングの前記固定点より前記斜板側に位置するように構成されている、請求項1の回転斜板式プランジャポンプ。 - 前記スプリングの前記係合部は、前記プランジャが往復運動する間、前記プランジャの係合面と前記半径方向における前記プランジャの中央部で係合する、請求項2の回転斜式プランジャポンプ。
- 前記プランジャの前記係合面は、前記プランジャの側面に前記軸線と直角に形成された溝の前記斜板側の溝側面であり、
前記突出部における前記プランジャとの係合部は、U字形状に形成されている、請求項1乃至請求項3の何れか一つの回転斜板式プランジャポンプ。
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CN106438256A (zh) * | 2016-11-26 | 2017-02-22 | 浙江大学 | 补偿三柱塞孔缸体压紧力的静压支承结构 |
JP2018003679A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | コイト電工株式会社 | ポンプ機構及び流体供給装置 |
CN107989579A (zh) * | 2017-12-27 | 2018-05-04 | 宁波合力机泵股份有限公司 | 一种潜井式多缸立式柱塞抽油泵动力端 |
-
2013
- 2013-09-18 JP JP2013193401A patent/JP2015059498A/ja active Pending
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