JP2003082319A - 接着剤用ポリエステル樹脂 - Google Patents

接着剤用ポリエステル樹脂

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JP2003082319A
JP2003082319A JP2001279895A JP2001279895A JP2003082319A JP 2003082319 A JP2003082319 A JP 2003082319A JP 2001279895 A JP2001279895 A JP 2001279895A JP 2001279895 A JP2001279895 A JP 2001279895A JP 2003082319 A JP2003082319 A JP 2003082319A
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Shigefumi Yasuhara
茂史 安原
Tomoyasu Nakada
智康 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性の接着剤が持つ問題点を解消し、汎
用の溶剤に対する溶解性が良好で、耐熱性、接着性が良
好な接着剤用ポリエステル樹脂を提供する。 【解決手段】 L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)
が0.1〜9、極限粘度が0.5〜2.2、軟化点が7
0℃以上、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/
Mn)が3.0未満であるポリ乳酸を60質量%以上含
有する接着剤用ポリエステル樹脂。乳酸オリゴマー、及
び/又はラクチドオリゴマーを0.1〜30質量%含有
する上記接着剤用ポリエステル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着剤に好適なポリ
エステル樹脂に関するものである。更に詳しくは、汎用
の溶剤に対する溶解性が良好で、耐熱性、接着性が良好
な接着剤用ポリエステル樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題において、問題視されて
いる廃棄物の内、その多くをプラスチック製品が占めて
おり、特に半永久的に分解しない特性から極めて処理困
難な素材として指摘されている。このような状況におい
て、特開昭57−150393号公報、特開昭59−2
20192号公報、特開平5−105736号公報、特
開平5−148352号公報、特開平5−179016
号公報などでは、土中の微生物などによって自然分解可
能なプラスチックが開示され、また、脂肪族ポリエステ
ル系ではゼネカ社製バイオポール、昭和高分子社製ビオ
ノーレ、でんぷん系ではノバモント社製マタービー、エ
コスター社製ノボンなどが開発されている。このような
プラスチック又は天然素材を利用した商品の開発も盛ん
に行われており、生分解性フィルム、生分解性不織布等
が商品化されている。
【0003】更に商品開発を進める上で、上記の生分解
性フィルム、生分解性不織布、あるいは紙等の生分解性
基材どうしを接着させる機会が多くなり、生分解性の接
着剤に対する要求が高まっている。従来、生分解性の接
着剤として、デンプンのり、にかわ等の天然素材やPV
A(ポリビニルアルコール)系の合成樹脂が利用されて
きた。しかしながら、これらの接着剤は生分解性を有す
るものの、品質が不安定、耐水性が乏しい、耐熱性が乏
しい、接着強度が低い等の欠点を有している。
【0004】また、上記の生分解性樹脂そのものを接着
剤として用いる方法もあるが、これらの樹脂の多くは一
般的には汎用の溶剤には不溶であるため、利用できない
という問題もあった。このような問題を解消するため、
ポリ乳酸を使用した接着剤に関する提案がなされてい
る。特開平8−92359号公報では、乳酸とカプロラ
クトン等からなるポリエステルにより溶剤溶解性を付与
する方法が開示されている。しかしながらこの方法で
は、変性により軟化温度が低下するため接着剤の耐熱性
の低下が避けられなかった。また、PCT国際公開WO
90/01521号公報、特開平4−335060号公
報では、ポリ乳酸に乳酸モノマーや乳酸オリゴマー、あ
るいはその他可塑剤等を含有させることで柔軟性を付与
した樹脂が開示されている。しかし、これらの発明は、
フィルム等の包装材料に関する物であり、接着剤に必要
な溶剤溶解性や接着性、更には接着剤としての取り扱い
性に関する情報は何ら開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は生分解
性の接着剤が持つ問題点を解消し、汎用の溶剤に対する
溶解性が良好で、耐熱性、接着性が良好な接着剤用ポリ
エステル樹脂を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、以下に示すポリエステ
ル樹脂を見いだし、本発明を完成させた。即ち、本発明
は、(1)L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が
0.1〜9、極限粘度が0.5〜2.2、軟化点が70
℃以上、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/M
n)が3.0未満であるポリ乳酸を60質量%以上含有
することを特徴とする接着剤用ポリエステル樹脂、
(2)乳酸オリゴマー、及び/又はラクチドオリゴマー
を0.1〜30質量%含有する前記(1)記載の接着剤
用ポリエステル樹脂に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のポリエステル樹脂は、L−乳酸とD−乳
酸のモル比(L/D)が適切な範囲にあり、分子量分布
がシャープなポリ乳酸を含有するものである。
【0008】接着剤に使用する樹脂には、一般的に、汎
用の有機溶剤に対する溶解性が必要である。ポリ乳酸の
場合、有機溶剤に対する溶解性を付与するには、ポリ乳
酸中のL−乳酸とD−乳酸のモル比を特定の範囲にする
ことで達成される。すなわち、本発明で使用するポリ乳
酸は、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が0.1
〜9であることが必要であり、好ましくは1〜9であ
る。L/Dをこの範囲にすることで、溶剤溶解性を付与
することができる。L/Dがこの範囲にない場合、有機
溶剤に対するポリエステル樹脂の溶解性が悪くなり好ま
しくない。
【0009】また、本発明で使用するポリ乳酸は、極限
粘度が0.5〜2.2であることが必要であり、好まし
くは0.7〜1.5である。0.5未満の場合には接着
強度が低下するため好ましくない。2.2を超える場合
には溶剤に溶解したときの粘性が非常に高くなり塗布適
性が悪化するため好ましくない。極限粘度は、例えばポ
リ乳酸の重合時間、重合温度、減圧の程度(減圧しなが
ら重合させる場合)を変化させたり、共重合成分として
アルコール成分の使用量を変化させたりすることにより
調整することができる。
【0010】また、本発明で使用するポリ乳酸は、重量
平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が3.
0未満であることが必要である。この比を小さくするこ
とで、熱接着時に加熱によりシャープに軟化し、被着体
との塗れ性が向上することで接着強度が高くなる。重量
平均分子量と数平均分子量との比が3.0を超える場合
には接着強度が低下し好ましくない。重量平均分子量と
数平均分子量との比は、重縮合反応の温度、減圧度、触
媒の種類や添加量等の反応条件を適切に選ぶことで調整
できる。ただし、3官能以上の共重合成分を導入する場
合には、重量平均分子量と数平均分子量との比が大きく
なる傾向があるので、その共重合量は5モル%未満とす
ることが好ましい。
【0011】更に、本発明で使用するポリ乳酸は、軟化
点が70℃以上である必要があり、好ましくは80℃以
上である。70℃未満の場合には耐熱性が低下するため
好ましくない。軟化点は、例えばL−乳酸とD−乳酸の
モル比を変更する、あるいは可塑剤を添加する、更に
は、共重合成分を導入することで調整できる。
【0012】本発明において、ポリ乳酸は共重合されて
いてもよく、共重合成分として、γ−ブチロラクトン、
ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、グリコール
酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4
−ヒドロキシ酪酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、
2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、10−ヒドロキシス
テアリン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、4−オ
キシ安息香酸、4−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、
5−ヒドロキシイソフタル酸等のオキシカルボン酸が好
ましく用いられる。
【0013】また、共重合にはポリカルボン酸成分とし
て、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸及びその無
水物、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
二酸、エイコサン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−
シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、
フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボ
ン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸
及びこれらの酸無水物等の多価カルボン酸等を併用して
もよい。これらポリカルボン酸成分はジアルキルエステ
ル、酸塩化物等の誘導体を用いてもよく、単独、あるい
は複合して使用することができる。
【0014】また、共重合のグリコール成分としては、
接着特性やコストの点から、主としてエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールが好ましく用いられる。ま
た、必要に応じて、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等
の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,1−
シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサン
ジエタノール等の脂環族ジオール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等のポリアルキレングリコール、スピログリ
コール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、グリセリン等の多価アルコール等を併用してもよ
い。これらグリコール成分は、単独、あるいは複合して
使用することができる。
【0015】ただし、主鎖の炭素数が3以上の脂肪族化
合物は軟化点が低下しやすいので、その共重合量は5モ
ル%未満とすることが好ましい。
【0016】本発明のポリエステル樹脂は、上記ポリ乳
酸を60質量%以上含有することが必要であり、好まし
くは70質量%以上である。含有量が60%未満の場合
には、接着性が低下するため好ましくない。
【0017】本発明のポリエステル樹脂は、上記のポリ
乳酸を含有していれば特に限定されないが、本発明の目
的を損なわない範囲で、乳酸以外の成分からなるポリエ
ステル樹脂、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステ
ル樹脂等を混合して使用することもできる。これらの樹
脂を混合することで、接着強度や柔軟性等の特性を更に
改善することができる。
【0018】本発明で使用するポリ乳酸の製造方法とし
ては特に限定されず、従来公知の方法を用いることがで
きる。例えば、乳酸の二量体であるラクチドを溶融し、
公知の重合触媒(例えばオクチル酸スズ、アルミニウム
アセチルアセトナート、酢酸亜鉛、テトラブチルチタネ
ート等)を使用して加熱開環重合させる方法や、加熱及
び減圧による直接脱水重縮合を行う方法等が挙げられ
る。
【0019】本発明のポリエステル樹脂は、上記のポリ
乳酸を汎用の溶剤に溶解することで、溶剤型接着剤とす
ることができる。また、生分解性の接着剤が持つ品質の
安定性、耐水性、耐熱性、接着強度の問題を解消するこ
とができる。
【0020】更に本発明のポリエステル樹脂には、乳酸
オリゴマー、及び/又はラクチドオリゴマーを含有させ
ることが好ましい。これらを含有させることで、ポリ乳
酸を溶剤に溶解した際の溶液の粘性を下げ、また、溶融
させる場合にはその溶融粘性を下げることで、塗工性、
加工性を向上させることができる。また、これらのオリ
ゴマーはポリ乳酸の原料でもあることから、ポリ乳酸に
対する相溶性が良好であり、他の添加剤などよりもブリ
ードの問題が起こりにくい。
【0021】ここで、本発明で用いられる乳酸オリゴマ
ー、ラクチドオリゴマーとは、重合度が100以下のも
のであり、モノマー単体であっても、混合物であっても
差し支えない。重合度が100を超える場合には、溶液
あるいは溶融時の粘性を下げる効果が小さいため好まし
くない。
【0022】これらの含有量は0.1〜30質量%が好
ましく、更に好ましくは3〜25質量%である。0.1
質量%未満の場合には、溶剤に溶かした際の溶液粘性、
あるいは溶融した際の溶融粘性が高くなるため塗工性が
低下し、これを改善するためには、溶解濃度を下げた
り、溶融温度を上げる必要があり、生産性、物性の低下
を引き起こすため好ましくない。30質量%を超える場
合には、接着剤層を形成時にブリードし易く接着力が低
下し好ましくない。
【0023】更に、乳酸オリゴマー、及び/又はラクチ
ドオリゴマーを含有させる方法としては、原料である乳
酸モノマー、ラクチドモノマー及び乳酸オリゴマー、ラ
クチドオリゴマーの含有量が0.1〜30質量%となっ
た時点でポリ乳酸の重合反応を終了する、あるいは、ポ
リ乳酸に対して所定量添加する方法が挙げられる。
【0024】本発明のポリエステル樹脂には、可塑剤を
添加してもよい。添加する可塑剤としては、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジシクロヘキシ
ルのようなフタル酸エステル、アジピン酸ジ−n−ブチ
ル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジ−n−オ
クチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、アゼライン酸ジ−
2−エチルヘキシルのような脂肪族二塩基酸エステル、
リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル、リン酸ジフェ
ニルオクチルのようなリン酸エステル、アセチルクエン
酸トリブチル、アセチルクエン酸トリス−2−エチルヘ
キシル、クエン酸トリブチルのようなヒドロキシ多価カ
ルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ステ
アリン酸アミルのような脂肪族エステル、グリセリント
リアセテート、トリエチレングリコールジカプリレート
のような多価アルコールエステル、エポキシ化大豆油、
ポリプロピレングリコールセバシン酸エステルのような
ポリエステル可塑剤などが挙げられる。
【0025】また、本発明のポリエステル樹脂を、接着
剤とする場合には、溶剤型接着剤でもホットメルト接着
剤でもよいが、取り扱いの容易さ等の点から、溶剤型接
着剤とすることが好ましい。
【0026】溶剤型接着剤として用いる場合に用いられ
る有機溶剤は、本発明のポリエステルを溶解させるもの
なら特に限定されるものではないが、具体的には、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系の溶剤、塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロ
エタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系の溶剤、酢酸エ
チル、イソホロン、γ−ブチロラクトン等のエステル系
の溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系の溶剤、ジ
エチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエー
テル系の溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコー
ル系の溶剤、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン等
の脂肪族炭化水素系の溶剤、シクロペンタン、シクロヘ
キサン等の脂環族炭化水素系の溶剤等が挙げられる。こ
れらは単独で用いることもできるが、複数種混合して使
用することもできる。
【0027】なお、本発明のポリエステル樹脂を用いて
接着する被着材としては、特に限定されないが、生分解
性フィルム、生分解性不織布、紙等の生分解性基材であ
ることが特に好ましい。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】測定方法 (1)極限粘度([η]) ポリ乳酸をフェノールと四塩化エタンとの等質量混合物
を溶媒とし、20℃で測定した溶液粘度から求めた。 (2)軟化点(Ts) 柳本製作所社製AMP−2型を用いて、昇温速度 10
℃/分で測定した。 (3)分子量分布(Mw/Mn) ポリ乳酸をクロロホルムとヘキサフルオロイソプロピル
アルコールとの等質量混合物に溶解し、Waters社
製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー600E型
にて、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwを求め、
その比Mw/Mnを求めた。 (4)接着強力 オリエンテック社製テンシロンRTC−1210型を用
いて20、60℃の雰囲気下で、引張速度50mm/分
でサンプル幅10mmの張り合わせサンプルの接着強力
をそれぞれ測定した。接着強力が10N/cm以上を合
格とした。
【0030】ポリ乳酸製造方法 (1)ポリ乳酸A L−ラクチド30kg、DL−ラクチド20kg、オク
チル酸スズ15gを重合反応槽に仕込み、窒素雰囲気
下、190℃で3時間加熱開環重合させて、L/Dが
4、極限粘度1.52、軟化点92℃、分子量分布2.
08のポリ乳酸Aを得た。 (2)ポリ乳酸B〜I 表1に示した組成となるように原料を添加した以外は、
ポリ乳酸Aと同様にしてポリ乳酸B〜Iを得た。表1
に、得られたポリ乳酸A〜Iの組成と特性値を示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1 ポリ乳酸A 98質量部とラクチドオリゴマー(重合度
1〜50)2質量部とからなるポリエステル樹脂をトル
エンとメチルエチルケトンとの混合溶媒(体積比4/
1)に固形分が30質量%の濃度となるように溶解し、
接着剤溶液を得た。接着剤溶液を厚さ25μmのポリ乳
酸フィルム上に塗布後、乾燥機に入れ、80℃で2分
間、引き続き150℃で3分間乾燥して溶媒を除去し、
10μm厚の接着剤層を形成した。次いで、120℃、
0.1MPaで5秒間ヒートシールして試料を作成し
た。この貼合わせサンプルを用いて、接着強度を測定し
たところ、20℃では15N/cm、60℃では14N
/cmと良好な接着性を示した。
【0033】実施例2〜5、比較例1〜6 オリゴマー等の種類と添加量を表2に示したように変え
てポリエステル樹脂を調製以外は、実施例1と同様にし
て接着剤を調製後、貼合わせサンプルを作成し、接着強
度を測定した。
【0034】実施例6 ポリエステル樹脂であるエリーテルUE−3220(ユ
ニチカ社製)を添加した以外は、実施例1と同様にして
接着剤を調製後、貼合わせサンプルを作成し、接着強度
を測定した。表2に、接着強力の測定結果を示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように、実施例1〜6の
ポリエステル樹脂を使用した接着剤では、20℃、60
℃とも良好な接着強力を示した。一方、比較例では以下
のような問題があった。比較例1では、ポリ乳酸のL/
Dの比率が低すぎるため(D−乳酸過剰)、溶剤に不溶
であり接着試験を実施できなかった。比較例2では、ポ
リ乳酸のL/Dの比率が高すぎるため(L−乳酸過
剰)、溶剤に不溶であり接着試験を実施できなかった。
比較例3では、ポリ乳酸の極限粘度が低く、また、数平
均分子量と重量平均分子量との比が大きいため、接着強
力が十分でなかった。比較例4では、ポリ乳酸の極限粘
度が高いため、30質量%の溶液では溶液粘度が非常に
高く、塗工性が悪いため、20質量%の溶液として使用
しなければならなかった。比較例5では、ポリ乳酸の軟
化点が低いため、60℃雰囲気での接着強力が低く、耐
熱性が悪かった。比較例6では、ラクチドオリゴマーの
含有量が多すぎるため、接着剤層形成時にラクチドオリ
ゴマーがブリードし接着性が低下した。
【0037】
【発明の効果】本発明の接着剤用ポリエステル樹脂は、
従来の生分解性接着剤に比べて品質が安定で耐熱性に優
れ、接着強度が高く、生分解性フィルム、生分解性不織
布又は紙等の生分解性基材用の接着剤として有用であ
る。また、その密着性、耐熱性により生分解性基材用へ
の塗料、コーティング剤としても有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)
    が0.1〜9、極限粘度が0.5〜2.2、軟化点が7
    0℃以上、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/
    Mn)が3.0未満であるポリ乳酸を60質量%以上含
    有することを特徴とする接着剤用ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 乳酸オリゴマー、及び/又はラクチドオ
    リゴマーを0.1〜30質量%含有する請求項1記載の
    接着剤用ポリエステル樹脂。
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