JP2003082303A - 表面保護シート及びその製造方法 - Google Patents
表面保護シート及びその製造方法Info
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Abstract
表面への傷やくぼみの発生なく、さらには加工後に剥れ
等も発生せず、さらには屋外等に長期保存された場合に
おいても良好に剥離可能な表面保護シートを提供する。 【解決手段】支持基材の片面に粘着層が設けられてお
り、前記支持基材はそれぞれがポリオレフィン系樹脂か
らなる複数の層にて構成された複層構造であり、その少
なくとも1層が発泡層である表面保護シートとする。支
持基材層と粘着層とは共押出し法によって成膜すること
が好ましい。
Description
金属板、アルミサッシ、樹脂板、化粧鋼板、塩化ビニル
ラミネート鋼板、ガラス板等を運搬、加工、養生する際
に、その表面保護のために貼り付けられる等の用途を有
する表面保護シートに関する。
に貼り付けた後に曲げ加工等の加工を行った場合に、被
着体に傷がつかず、表面保護シートの浮きや剥れが発生
せず、搬送等のハンドリング、他の製品との衝突によっ
ても表面保護シートの浮きや剥れが発生せず、剥離した
時に糊残り等が発生しないことである。
トとしては、軟質ポリ塩化ビニルやポリオレフィン系樹
脂といった支持基材にアクリル系共重合体をイソシアネ
ート化合物やメチロール化合物で架橋三次元化して凝集
力を高めた粘着剤を用いたものや、天然ゴム、または変
性天然ゴムに、適量の粘着付与剤等を配合した粘着剤を
使用した表面保護シートが公知である。
は焼却時等においてダイオキシンの発生を引き起こす可
能性が有るといわれており、好ましくない。また、ポリ
オレフィン系支持基材を使用した表面保護シートは金属
板等の曲げ加工時に支持基材の破損ないし切断(基材ギ
レという)が起こり、金属板に傷やくぼみ等が発生し
て、外観不良となる場合があった。
題点を克服するために鋭意研究を重ねる中で、支持基材
層を厚くして基材ギレ抑制し、製品の傷発生を軽減する
ことを試みたところ、基材厚みを厚くすることによって
表面保護シートの風合いが損なわれ、表面保護シートの
ような弱接着の場合には加工後に表面保護シートの浮き
が発生したり、輸送中に剥離するなどの問題があった。
させて表面保護シートの浮き等を防止することを試み
た。
より剥離性が大きく損なわれ、施工後に剥離する場合に
剥離不良を引き起こし、製品表面に糊残り等を発生する
問題が生じた。
材ギレや金属板表面への傷やくぼみの発生がなく、加工
後に表面保護シートの剥れ、浮き等も発生せず、さらに
は屋外等に長期保存された場合においても良好に剥離可
能な表面保護シートを提供することを目的とする。
は、支持基材の片面に粘着層が設けられており、前記支
持基材はそれぞれがポリオレフィン系樹脂からなる複数
の層にて構成された複層構造であり、その少なくとも1
層が発泡層であることを特徴とする。
持基材層を厚くしても、支持基材層中に発泡層を有する
ために曲面追従性が向上し、支持基材厚みが厚くなった
場合でも浮きが発生しない。また、発泡層が曲げ加工時
の金型が金属板に対する応力集中を軽減し、金属板の傷
等の発生を防止することができる。
であることが好ましい。最外層に発泡層を設けた場合に
は表面保護シートの表面は大きく荒れたものとなり、金
属板に貼付された後に集積された時に表面保護フィルム
同士のブロッキングを防止することができる。
設けられた表面保護シートの製造方法であって、前記支
持基材はそれぞれがポリオレフィン系樹脂からなる複数
の層にて構成された複層構造であり、その少なくとも1
層が発泡層であり、前記支持基材層と前記粘着層とを共
押出し法によって成膜することを特徴とする。
着剤を塗布することにより製造してもよいが、共押出し
法により製造することにより、別途粘着剤塗工工程を設
ける必要がなく、より簡便に低コストにて製造すること
ができる。
前記粘着層と反対側の最外層として形成することを特徴
とすることが好ましい。
フィン系樹脂からなる複数の層にて構成された複層構造
の支持基材とは2層もしくは3層以上の多層構造であ
り、その内の少なくとも1層が発泡されたものをいう。
また、剥離時の基材ギレ防止や基材強度の観点から、支
持基材層の少なくとも1層は未発泡層である。未発泡層
とは、発泡剤を添加して発泡させていない層のことを指
し、空気の巻き込みの気泡があっても、発泡層といわな
い。
系樹脂としてはオレフィン単独重合体系や複数のオレフ
ィン、さらには他のモノマーを使用したブロック重合
体、ランダム重合体等の共重合樹脂であり、具体的には
プロピレン系ポリマー、低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、リニア低密度等のエ
チレン系ポリマー、エチレン・プロピレン共重合体、エ
チレン−α−オレフィン共重合体、リアクターTPOな
どのオレフイン系ポリマー、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体などのオ
レフィンと他モノマーとのオレフイン系コポリマーが例
示される。これらのオレフィン系樹脂は単独で使用して
もよく、2種以上を使用して支持基材を構成してもよ
い。発泡層と未発泡層とをそれぞれ異なるオレフィン系
樹脂としてもよい。
例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系
光安定剤等の光安定剤を添加してもよい。また帯電防止
剤、その他例えば酸化カルシウムや酸化マグネシウム、
シリカや酸化亜鉛、酸化チタンの如き充填剤、顔料、目
ヤニ防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤等の適宜な添
加剤も配合することができる。
特に30〜250μm、好ましく40〜200μmが一
般的であるが、これに限定されない。
樹脂に添加する発泡剤としては公知のポリオレフィン系
樹脂の発泡剤が限定なく使用可能であり、例えば、プロ
パン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペ
ンタン、シクロペンタン、ペンテン、ヘキサンなどの炭
化水素やハロゲン化炭化水素等の揮発性有機発泡剤、、
二酸化炭素、空気、窒素などの無機ガス系発泡剤、アゾ
ダイカルボンアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル等の分解型
有機発泡剤,炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の
分解型無機系発泡剤などが挙げられる。これらの発泡剤
は単独で、または二種以上混合して使用することができ
る。また、市販の発泡性マスターバッチを使用してもよ
い。市販の発泡性マスターバッチとしては、例えば商品
名ポリスレン(永和化成社製)などが使用可能である。
泡、これらが混在したものいずれであってかまわない
が、表面保護シートを被覆した製品の耐傷性向上の点か
ら独立気泡であることがより好ましい。また、発泡層の
発泡倍率は適宣に決定してよく、1 .2 〜6倍であるこ
とが好ましく、1 .3 〜4 倍であることがより好まし
く、さらに好ましくは1 .5 〜3 倍である。発泡倍率が
1 .2 未満の場合は風合いや耐傷性の向上効果に乏し
く、6倍を超えると発泡層の強度が低下する。発泡層は
多層構造の支持基材の中間層、最外層、最内層など適宣
な層とすることができるが、上述のように表面保護シー
トのブロッキング防止の観点から、最外層、即ち粘着層
の反対側の層とすることがより好ましい。
体の厚みに対して1/2〜1/20であり、より好まし
くは1/3〜1/10、さらに好ましくは1/4〜1/
8である。発泡層の厚みが支持基材全体の1/2を超え
ると支持基材の強度低下が顕著となり、剥離時に表面保
護シートが破れて剥離不能となる場合がある。また、1
/20未満である場合には風合い向上効果に乏しく、加
工性が低下したり、製品からの保護シートの浮き等が発
生する場合がある。
ム系、アクリル系やウレタン系などの公知の粘着剤を用
いうる。ゴム系ポリマーの例としては天然ゴム、ポリイ
ソブチレン、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリブタジ
エン等のジエン系ポリマーやそれらの水添物、エチレン
プロピレンゴム、エチレン−α−オレフィンやエチレン
−プロピレン−α−オレフィンやプロピレン−α−オレ
フィン等のオレフィン系ゴム、スチレン・ブタジエン・
スチレン(SBS)やスチレン・イソプレン・スチレン
(SIS)、スチレン・エチレン−ブチレン・スチレン
(SEBS)、スチレン・エチレン−プロピレン・スチ
レン(SEPS)の如きA−B−A型ブロックポリマー
や、スチレン・ブタジエン(SB)やスチレン・イソプ
レン(SI)、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体
(SEB)、スチレン・エチレン−プロピレン共重合体
(SEP)の如きA−B型ブロックコポリマー、スチレ
ン・ブタジエンラバー(SBR)の如きスチレン系ラン
ダム共重合体や水添スチレン系ランダム共重合体(HS
BR)、スチレン・エチレン−ブチレン共重合体・オレ
フイン結晶(SEBC)の如きA・B・O型のスチレン
・オレフィン結晶系ブロックポリマー、オレフィン結晶
・エチレン‐ブチレン共重合体・オレフィン結晶(CE
BC)の如きC・B・C型のオレフィン結晶系ブロック
ポリマーなどをベースポリマーとするものがあげられ、
これらを1種又は2種以上を用いることができる。
等を目的に必要に応じて例えば軟化剤、オレフィン系樹
脂、シリコーン系ポリマー、液状アクリル系共重合体、
リン酸エステル系化合物、粘着付与剤、老化防止剤、ヒ
ンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、その他例え
ば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜
鉛、酸化チタンの如き充填剤や顔料などの適宜な添加剤
を配合することができる。
紫外線照射処理、火炎処理、プラズマ処理やスパッタエ
ッチング処理などの、粘着性の制御や貼付作業性等を目
的とした表面処理を必要に応じて施すことも好適な態様
である。
泡剤マスターバッチとの混合物からなる発泡層形成材料
と発泡剤を含まないオレフィン系樹脂とを共押出し成形
する方法やオレフィン樹脂に有機系ガスや無機系ガス剤
を押出機中にて注入した発泡層形成材料と発泡剤を含ま
ないオレフイン系樹脂からなる基材層とを共押出し成形
する方法等にて行うことができる。
成材の熱溶融液ないし溶剤による溶液又はエマルジョン
を前記支持基材に塗布する方法、粘着層形成材の熱溶融
液ないし溶剤による溶液又はエマルジョンをセパレータ
上に塗布形成した粘着層を支持基材に移着する方法、粘
着層形成材を支持基材上に押出塗布する方法、前記支持
基材層と粘着層を2層もしくは多層にて共押出しする方
法などの公知の表面保護シートの形成方法に準じて行う
ことができる。
面保護シートの形成法は発泡剤を含有したオレフィン系
樹脂層と発泡剤を含有しない基材層と粘着層の多層共押
出し法により製造することが好ましい。
て適宜に決定してよく、一般には1〜50μmであり、
好ましくは2〜40μm、特に好ましくは5〜20μm
である。粘着層は必要に応じて、実用に供されるまでの
間、セパレータなどを仮着して保護することもできる。
コロナ放電処理や火炎処理、プラズマ処理、スパッタエ
ッチング処理、プライマー等の下塗り処理などの、粘着
層の密着力の向上等を目的とした表面処理を必要に応じ
て施すこともできる。また支持基材の粘着層を付設しな
い面に対しては、巻戻しが容易な巻回体の形成などを目
的として例えば支持基材中に脂肪酸アミド、脂肪酸エス
テル、ポリエチレンイミン等を添加したり、シリコーン
系、長鎖アルキル系、フッ素系などの適宜な剥離剤から
なるコート層を設けることもできる。
セン180)100重量部に対して発泡剤マスターバッ
チであるポリスレンEE105(永和化成社製)3重量
部を配合した発泡層と低密度ポリエチレン100重量部
に対して白色顔料HCM2035W(大日精化社製)4
重量部からなる中間層と低密度ポリエチレンからなる最
内層をTダイ法にてダイス温度200℃にて3層押出し
をした。その時、発泡層を30μm、中間層を70μ
m、最内層を20μmとした。
スチレンコポリマー(SEBS)(旭化成社製、タフテ
ックHI042)100重量部に石油系樹脂(荒川化学
社製、アルコンP−100)10重量部を混合し、トル
エン溶液に溶解した粘着剤を乾燥後の厚さが10μmに
なるように塗布し、乾燥後、表面保護シートを作成し
た。また、この時、発泡層の発泡倍率を1.5倍とし
た。
社製、ペトロセン173)100重量部に対して発泡剤
マスターバッチであるポリスレンEE105(永和化成
社製)3重量部を配合した発泡層と低密度ポリエチレン
100重量部に対して白色顔料HCM2035W(大日
精化社製)4重量部からなる中間層と低密度ポリエチレ
ンからなる最内層と粘着層としてスチレン・エチレン−
ブチレン・スチレンコポリマー(旭化成社製、タフテッ
クH1221)をTダイ法にてダイス温度230℃にて
多層共押出しをして表面保護シートを得た。その時、発
泡層(1)を40μm、中間層を50μm、最内層を2
0μm、粘着層を7μmとした。またこの時、発泡層の
発泡倍率を2.0倍とした。
ッチを添加しないで、最外層の厚みを30μmとしたほ
かは、実施例1に準じて表面保護シートを作成した。
ッチを添加しないほかは実施例2に準じて表面保護シー
トを作成した。未発泡のため、最外層は20μmであっ
た。
た。測定サンプルをミクロトームにて断面を切断し、任
意に選定した10箇所について撮影した電子顕微鏡断面
写真の発泡層に関して、下記の通りに測定した。支持基
材の断面を模式的に図1に示した。支持基材1は、発泡
層3と非発泡層5とから構成されている。粘着層は表面
7に設けられる。任意に設定した部分の任意の場所(矢
印の間の直線)の長さをAとする。その直線の発泡して
いない長さの合計をBとする。例えば図1において示し
た測定位置Pにおいては、B=b1 +b2 +b3 として
計算される。発泡倍率は次式にて求めた。なお、測定は
10mm間隔で10点(n=10)測定し、平均値とし
て算出した。 発泡倍率=A/B
ンレス板(2D仕上げ)に表面保護シートを貼付した後
に、図2に示した上型、下型からなる型を使用し、表面
保護シート付着面を下にしてベンダー加工を行なった。
図2においてL=12mm、R=1.5mm、曲げ角度
θは88度とした。ベンダー加工後にステンレス板を取
りだし、表面保護シートの基材ギレの有無を目視にて確
認した。
の表面保護シートの浮きの有無を目視にて確認した。前
記の評価の結果を表1にまとめて示した。
を有することによって、基材ギレが防止され、しかも加
工後においても製品からの表面保護シートの浮きの発生
がないことがわかる。
倍率の測定法を示した図
Claims (4)
- 【請求項1】 支持基材の片面に粘着層が設けられてお
り、前記支持基材はそれぞれがポリオレフィン系樹脂か
らなる複数の層にて構成された複層構造であり、その少
なくとも1層が発泡層であることを特徴とする表面保護
シート。 - 【請求項2】 前記発泡層は前記粘着層と反対側の最外
層であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護シ
ート。 - 【請求項3】 支持基材の片面に粘着層が設けられた表
面保護シートの製造方法であって、 前記支持基材はそれぞれがポリオレフィン系樹脂からな
る複数の層にて構成された複層構造であり、その少なく
とも1層が発泡層であり、前記支持基材層と前記粘着層
とを共押出し法によって成膜することを特徴とする表面
保護シートの製造方法。 - 【請求項4】 前記発泡層を前記粘着層と反対側の最外
層として形成することを特徴とする請求項3に記載の表
面保護シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001280140A JP4775874B2 (ja) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | 表面保護シート及びその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2001348544A (ja) * | 2000-06-09 | 2001-12-18 | Nitto Denko Corp | カバーシート |
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2001
- 2001-09-14 JP JP2001280140A patent/JP4775874B2/ja not_active Expired - Fee Related
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