JP2003082275A - 水性路面表示塗料 - Google Patents

水性路面表示塗料

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JP2003082275A
JP2003082275A JP2001280650A JP2001280650A JP2003082275A JP 2003082275 A JP2003082275 A JP 2003082275A JP 2001280650 A JP2001280650 A JP 2001280650A JP 2001280650 A JP2001280650 A JP 2001280650A JP 2003082275 A JP2003082275 A JP 2003082275A
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JP2001280650A
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Etsuo Higuchi
悦夫 樋口
Akihide Hagino
明秀 萩野
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料の保存安定性と機械的安定性とに優れ、
ガラスビーズの固着性および塗膜の耐水性に優れる水性
路面表示塗料を提供する。 【解決手段】 共重合体ラテックス、シランカップリン
グ剤、着色顔料、および充填剤からなる水性路面表示塗
料であって、共重合体ラテックスが水酸基含有単量体
0.5〜5重量%、カルボキシル基含有単量体0.5〜
8重量%、およびこれらと共重合可能なその他の単量体
99〜87重量%からなる単量体混合物を乳化重合して
得られるものであり、かつ、共重合体ラテックス固形分
100重量部あたり、シランカップリング剤を0.1〜
5重量部配合することを特徴とする水性路面表示塗料。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水性路面表示塗料
に関し、さらに詳しくは、塗料の保存安定性と機械的安
定性とに優れ、ガラスビーズの固着性および塗膜の耐水
性に優れる水性路面表示塗料に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の溶剤タイプまたはホットメルトタ
イプの路面表示塗料に代えて、危険性の高い有機溶剤を
多量に使用せず、かつ施工現場での高温熱源を必要とし
ない水性の路面表示塗料が提案されている。水性の路面
表示塗料には、配合後の塗料の保存安定性と機械的安定
性とに優れ、塗布直後に塗膜表面に散布されるガラスビ
ーズの固着性および塗膜の耐水性に優れていることが求
められる。 【0003】従来、例えば、特開平6−271789号
公報には、特定のエマルションと、顔料、充填剤、およ
びその他塗料用添加剤とからなり、不揮発分が70重量
%以上である水性路面表示塗料が開示されている。この
特定エマルションは、分子量10,000〜100,0
00の樹脂からなる固形分を45%以上含み、かつ0〜
50℃のガラス転移温度を有する機械的安定性に優れ
る、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレンな
どを重合したものであって、好ましくはカルボキシル
基、エポキシド基などの反応性官能基を少量導入したエ
マルションである。このようなエマルションを使用した
該塗料は、ガラスビーズの固着性に優れるものの、塗料
の機械的安定性や保存安定性に劣る場合があった。塗料
の機械的安定性に劣ると、スプレー塗装する際に、スプ
レーノズルの詰まりが発生する問題がある。 【0004】また、特開平9−169944号公報に
は、ガラス転移温度が0〜70℃で、平均分子量が15
万以上のアルコキシシリル基を有するアクリル系エマル
ジョン、着色剤、および充填剤からなる水性路面表示塗
料が開示されている。このようなアルコシキシリル基を
有するアクリル系エマルジョンを使用した該塗料は、塗
料の保存安定性に優れ、ガラスビーズの固着性や塗膜の
耐水性に優れるものの、塗料の機械的安定性に劣る。 【0005】さらに、特開平10−102004号公報
には、カルボキシル基などの酸基を有するバインダーポ
リマーと多官能アミンとエポキシ基を有するシラン化合
物などの架橋剤とからなる水性路面表示塗料が開示され
ている。ここで使用されるバインダーポリマーは、ガラ
ス転移温度が0〜60℃、重量平均分子量が500〜
5,000,000、粒子径が20〜1000nmであ
り、その酸価が0.8〜130の範囲のものである。こ
のようなバインダーポリマーを使用した該塗料は、ガラ
スビーズの固着性や塗膜の耐水性に優れるものの、塗料
の保存安定性や機械的安定性が不十分である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗料
の保存安定性と機械的安定性とに優れ、ガラスビーズの
固着性および塗膜の耐水性に優れる水性路面表示塗料を
提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために、鋭意検討を行ない、共重合体ラテッ
クス、シランカップリング剤、着色顔料、および充填剤
からなる水性路面表示塗料において、特定量の水酸基含
有単量体とカルボキシル基含有単量体とを乳化共重合さ
せて得られた共重合ラテックスを使用し、その固形分に
対して特定量のシランカップリング剤を配合すること
で、塗料の保存安定性と機械的安定性とに優れ、ガラス
ビーズの固着性および塗膜の耐水性に優れる水性路面表
示塗料が得られることを見い出し、その知見に基づき、
本発明を完成するに至った。 【0008】かくして、本発明によれば、共重合体ラテ
ックス、シランカップリング剤、着色顔料、および充填
剤からなる水性路面表示塗料であって、共重合体ラテッ
クスが水酸基含有単量体0.5〜5重量%、カルボキシ
ル基含有単量体0.5〜8重量%、およびこれらと共重
合可能なその他の単量体99〜87重量%からなる単量
体混合物を乳化重合して得られるものであり、かつ、共
重合体ラテックス固形分100重量部あたり、シランカ
ップリング剤を0.1〜5重量部配合することを特徴と
する水性路面表示塗料が提供される。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 【0010】本発明において用いる共重合体ラテックス
は、水酸基含有単量体0.5〜5重量%、好ましくは
0.8〜4重量%、より好ましくは1〜3重量%、カル
ボキシル基含有単量体0.5〜8重量%、好ましくは1
〜7重量%、より好ましくは2〜6重量%、およびこれ
らと共重合可能なその他の単量体99〜87重量%、好
ましくは98.2〜89重量%、より好ましくは97〜
91重量%からなる単量体混合物を乳化重合して得られ
る。水酸基含有単量体が少ないとガラスビーズ固着性に
劣り、逆に多いと塗膜の耐水性に劣る。カルボキシル基
含有単量体が少ないと塗料の機械的安定性に劣り、逆に
多いと塗膜の耐水性に劣る。 【0011】水酸基含有単量体は、1分子中に少なくと
も1個の第1級、第2級または第3級の水酸基を有する
重合性単量体である。具体例としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシオクチルなどのエチレン性不飽和モノカルボン
酸のヒドロキシアルキルエステル;ヒドロキシメチル
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリルアミド、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミドの
ヒドロキシアルキル置換体;ジ−(エチレングリコー
ル)イタコネート、ビス(2−ヒドロキシプロピル)イ
タコネート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート
などのエチレン性不飽和多価カルボン酸のヒドロキシア
ルキルエステル;グリセロールモノ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシ
メチルビニルケトンなどが挙げられる。なかでも、エチ
レン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエス
テルが好ましく、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チルがより好ましく使用できる。これらの水酸基含有単
量体は、それぞれ単独で、または2種以上を混合して使
用できる。 【0012】カルボキシル基含有単量体は、1分子中に
少なくとも1個の第1級、第2級または第3級のカルボ
キシル基を有する重合性単量体である。具体例として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのようなエ
チレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、シトラコン酸などのようなエチレン性不
飽和多価カルボン酸;フマル酸モノブチル、マレイン酸
モノブチル、マレイン酸モノプロピルなどのようなエチ
レン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;など
が挙げられる。これらの中でも、エチレン性不飽和モノ
カルボン酸が好ましく、メタクリル酸およびアクリル酸
がより好ましく、メタクリル酸が特に好ましく使用され
る。これらのカルボキシル基含有単量体はアルカリ金属
塩又はアンモニウム塩の形態で用いることもできる。
これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独
で、または2種類以上を混合して使用できる。 【0013】共重合可能なその他の単量体は、前記の水
酸基含有単量体およびカルボキシル基含有単量体と共重
合可能な単量体であれば特に限定されない。具体例とし
て、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、クロロスチレン等のような芳香族ビニル単量
体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のような
エチレン性不飽和ニトリル単量体;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)
アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸オクチルのようなエチレン性不飽和カルボン酸アルキ
ルエステル単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエンなどのような共役ジエン単量体;(メタ)アク
リルアミドなどのようなエチレン性不飽和カルボン酸ア
ミド単量体;塩化ビニルなどのようなハロゲン化ビニ
ル;酢酸ビニル等のようなカルボン酸ビニルエステル、
などが挙げられる。これらのなかでも、塗膜の耐候性の
点で、芳香族ビニル単量体およびエチレン性不飽和カル
ボン酸アルキルエステル単量体が好ましく、エチレン性
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体がより好まし
い。これらの共重合可能な単量体は、それぞれ単独で、
または2種類以上を混合して使用できる。 【0014】乳化重合は、通常の方法を採用すればよ
く、前記の単量体混合物を水相中で、所望により、乳化
剤などの分散安定剤の存在下に、重合開始剤により重合
する。単量体混合物は、反応容器に一括で、分割して、
あるいは連続的に添加してもよい。重合反応を制御しや
すい点から、単量体混合物を水に乳化させた状態で連続
的に添加させることが好ましい。 【0015】乳化剤としては、例えば、高級アルコール
の硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪
族スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルス
ルホン酸塩などのようなアニオン性界面活性剤;ポリエ
チレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェ
ニルエーテル型又はアルキルエーテル型のノニオン性界
面活性剤、などを挙げることができる。なかでもアニオ
ン性界面活性剤が好ましい。乳化剤の使用量は、単量体
100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ま
しくは0.5〜3重量部である。この使用量が少なすぎ
ると乳化重合の際に凝集物が多量発生し、逆に多すぎる
と塗膜の耐水性を低下させる傾向にある。 【0016】重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素などのような水溶性開始剤;過酸化ベンゾイル、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビス−2,
4− ジメチルバレロニトリル、アゾイソブチロニトリ
ルなどのような油溶性開始剤:過酸化物とナトリウム・
ホルムアルデヒド・スルホキシレートなどのような還元
剤と組み合わせたレドックス開始剤、などを使用するこ
とができる。 これらのなかでも、水溶性開始剤が好適
であり、過硫酸塩が特に好適である。重合開始剤の使用
量は、単量体100重量部に対して、通常0.1〜5重
量部程度である。 【0017】乳化重合において、通常の乳化重合で使用
される、連鎖移動剤などの副資材を適宜使用できる。 【0018】重合温度は、通常、5〜95℃の範囲で適
宜設定される。 【0019】共重合体ラテックスの固形分濃度は好まし
くは48〜60重量%、より好ましくは50〜55重量
%である。この濃度が低すぎると、塗料の固形分濃度が
低くなり乾燥性に劣り、逆に高すぎると、着色顔料や充
填剤を分散し難く、また塗料粘度が高くなり取り扱い難
くなる。 【0020】共重合体ラテックスのpHは7〜9.5程
度、好ましくは7.5〜9であり、水酸化ナトリウムな
どの無機アルカリ、アンモニアなどの有機アミンなどで
調製すればよい。 【0021】共重合体ラテックスの体積平均粒子径は、
通常50〜1000nm、好ましくは100〜500n
mである。 【0022】共重合体ラテックスのガラス転移温度は、
好ましくは0〜70℃、より好ましくは10〜50℃、
特に好ましくは20〜40℃である。ガラス転移温度が
低すぎると塗膜の耐摩耗性に劣り、逆に高すぎるとバイ
ンダーとしての接着性に劣る。 【0023】共重合体ラテックスの重量平均分子量は、
好ましくは100,000以上、より好ましくは12
0,000〜1000,000、特に好ましくは15
0,000〜500,000である。重量平均分子量が
低すぎると塗膜の耐摩耗性に劣り、逆に高すぎるものを
製造するのは共重合体ラテックスの製造における生産性
を低下させる。 【0024】本発明の水性路面表示塗料は、前記共重合
体ラテックス、シランカップリング剤、着色顔料および
充填剤からなり、シランカップリング剤を、共重合体ラ
テックス固形分100重量部あたり、0.1〜5重量
部、好ましくは0.2〜3重量部、より好ましくは0.
3〜1重量部配合する。シランカップリング剤の配合量
が少ないと塗膜の耐水性に劣り、逆に多いと塗料の保存
安定性に劣る。 【0025】シランカップリング剤としては、例えば、
γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなど
のビニル系シランカップリング剤;γ−(メタクリロイ
ルオキシプロピル)トリメトキシシランなどのメタクリ
ロキシ系シランカップリング剤;N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系シラン
カップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シランなどのメルカプト系シランカップリング剤、など
が挙げられる。これらの中でも、塗料の保存安定性によ
り優れる点で、エポキシ系シランカップリング剤が好ま
しい。これらのシランカップリング剤は、それぞれ単独
で、または2種以上を併用して用いることができる。 【0026】着色顔料としては、路面表示塗料に通常使
用されるものが使用でき、例えば、酸化チタン、黄鉛、
弁柄、シアニンブルー、シアニングリーンなどが挙げら
れる。着色顔料の配合量は、共重合体ラテックス固形分
100重量部当たり、通常20〜200重量部、好まし
くは30〜150重量部、より好ましくは40〜100
重量部である。この配合量が少なすぎると隠蔽力が不足
し、逆に多すぎると分散し難く、また塗料粘度が高くな
り取り扱い難くなる。 【0027】充填剤としては、路面表示塗料に通常使用
されるものが使用でき、例えば、炭酸カルシウム、炭酸
バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、硅石粉、セライト、クレー、タルク、マイ
カ、アルミナなどが挙げられる。充填剤の配合量は、共
重合体ラテックス固形分100重量部当たり、通常10
0〜400重量部、好ましくは150〜300重量部、
より好ましくは170〜250重量部である。この配合
量が少なすぎると塗料の固形分濃度が低くなり乾燥性に
劣る傾向があり、逆に多すぎると分散し難く、また塗料
粘度が高くなり取り扱い難くなる。 【0028】本発明の水性路面表示塗料には、更に必要
に応じて分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、造膜助剤、
凍結防止剤、増粘剤などを適宜添加することができる。
好ましい造膜助剤としては、ブチルカルビトールアセテ
ート、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブ、ブチル
セロソルブアセテート、ベンジルアセテート、2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブ
チレートなどが挙げられる。また、好ましい凍結防止剤
としては、メチルアルコール、エチルアルコールなどの
低級アルコールなどが挙げられる。これらの有機化合物
を添加する場合、揮発性有機化合物(VOC)抑制の観
点から、常圧における沸点が254℃以下である有機化
合物の添加量を、水性路面表示塗料全体の5重量%以下
とすることが好ましく、3重量%以下とすることがより
好ましい。 【0029】本発明の水性路面表示塗料を製造する方法
としては、通常の水性路面表示塗料を製造する方法が採
用できる。例えば、共重合体ラテックスに、所望により
分散剤や消泡剤などを添加して、ドライピグメント法に
よって、着色顔料および充填剤を分散し、その後、所望
の造膜助剤、凍結防止剤などを混合して水性路面表示塗
料を製造する。必須成分のシランカップリング剤は、ど
の時点で配合してもよいが、塗料の保存安定性に優れる
点で、予め、共重合体ラテックスに配合しておくことが
好ましい。 【0030】本発明の水性路面表示塗料は、スプレー、
エアレススプレー、ロール、ブラシなどの公知の塗布方
法により、路面上に塗布できる。また、本塗料は、夜間
や霧のような悪天候時における路面表示物の視認性を向
上させるために、表示塗布面表面にガラスビーズを散布
した路面表示物に好適に使用できる。 【0031】 【実施例】以下に、実施例をあげて、本発明を具体的に
説明する。なお、実施例および比較例における部および
%は、特に断りのない限り、重量基準である。 【0032】共重合体ラテックスおよび水性路面表示塗
料の物性評価は以下に示す方法に従った。 (1)共重合体のガラス転移温度 共重合体ラテックスをガラス板上に流延し、室温で2日
間乾燥し、共重合体のフィルムを得た。このフィルムを
試料として、示差走査熱量計を用いて、測定開始温度−
100℃、昇温速度20℃/分の条件で、共重合体のガ
ラス転移温度を測定した。 (2)共重合体の重量平均分子量 上記の共重合体フィルムを試料として、ゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィーを用いて、共重合体の重
量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定した。 【0033】(3)水性路面表示塗料の機械的安定性 マーロン機械的安定性試験機を用い、水性路面表示塗料
75gをカップに秤量し、荷重15kg/cm2、回転数
1000rpmで10分間処理し、処理後の組成物を1
00メッシュ金網にてろ過した。105℃で1時間乾燥
した後、100メッシュ金網上に残る凝固物量を測定
し、その量の水性路面表示塗料75gに対する比率を計
算し、下記基準で判定した。 ○:0.5%未満 ×:0.5%以上 (4)水性路面表示塗料の保存安定性 水性路面表示塗料の粘度を測定し、さらに50℃で30
日間保存した後の粘度を測定した。保存処理後の粘度の
保存処理する前の粘度に対する変化率を計算し、下記の
基準で表示した。 〇:変化率が10%以内 ×:変化率が10%を超える 【0034】(5)ガラスビーズ固着性 JIS K5410に規定するガラス板を水平に置いた
中央部にアプリケーターを用いて塗り、直ちにJIS
R3301に規定する路面表示塗料用ガラスビーズ1号
100gを散布する。(ガラスビーズは、あらかじめ、
100gを、0.01gの桁まで秤量し、この重さをM
1とする。) 試験片の塗面を上向きにして1時間おいた後、JIS
K5400の3.3(7.1)(ハケ塗り)に規定す
る、乾いたハケを用いて塗膜に付着していない余分のガ
ラスビーズを払い落とし、その重さを0.01gの桁ま
で秤量する。(この重さをM2とする。)さらに、試験
片を72時間おいて、JIS K5663の5.11に
規定する洗浄試験機およびブラシを用い、乾燥状態のま
ま、この試験片を2000回こする。塗面から剥がれ落
ちたガラスビーズを集めて水洗した後、乾燥し、その重
さを0.01gの桁まで秤量する。(この重さをM3と
する。) ガラスビーズの固着率は次式により算出し下記の基準で
評価した。 【0035】 【式1】 【0036】○:95%以上 ×:95%未満 【0037】(6)塗膜の耐水性 水性路面表示塗料をガラス板上にアプリケーターを用い
て塗膜の厚さが100±20μmになるように塗布し、
20℃×65%RHで72時間乾燥後、20℃の温水中
に24時間浸漬し、表面状態を観察した。 ○:異常なし △:一部ブリスター発生 ×:多数のブリスター発生 【0038】(実施例1)攪拌機を備えた重合容器に、
脱イオン水60部、シードラテックス(重量平均粒子径
が35nmのメタアクリル酸メチル重合体ラテックス)
を固形分換算で1部、およびポリオキシエチレンエーテ
ルサルフェートナトリウム(ラテムルE−118B:花
王(株)製)0.1部を添加し、攪拌しながら、80℃
に昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム0.4部を添
加した後、別の容器内で調製した、スチレン53部、ア
クリル酸ブチル42部、メタアクリル酸3部、アクリル
酸2−ヒドロキエチル2部、ポリオキシエチレンエーテ
ルサルフェートナトリウム(ラテムルE−118B:花
王(株)製)1部および脱イオン水50部からなる乳化
物を、重合温度を80℃で維持しながら、4時間かけて
重合容器に添加した。さらに、85℃で2時間後反応を
行なったところ、重合転化率は98%であった。重合終
了後、アルカリでラテックスpHを8.5に調整し、そ
の一部を取り出して、共重合体ラテックスのガラス転移
温度と重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
次いで、共重合体ラテックス固形分100部当たり、ラ
ウリル硫酸ナトリウム0.5部およびγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン(KBM403:信越化学
(株)製)0.5部を添加した。さらに、ラテックスの
固形分濃度とpHを調製し、固形分濃度50%、pH
8.5の共重合体ラテックスを得た。 【0039】得られた共重合体ラテックス(固形分換
算)100部に、着色顔料として酸化チタン50部、無
機充填剤として炭酸カルシウム200部、分散剤として
ポリカルボン酸ナトリウムの30%水溶液10部および
シリコーン系消泡剤1部を攪拌混合した。さらに、造膜
助剤としてブチルカルビトールアセテート8部、凍結防
止剤としてメタノール50%水溶液10部を添加して、
水性路面表示塗料を得た。この塗料の特性値を表1に示
す。 【0040】(実施例2および3)表1に示す単量体組
成および後添加するシランカップリング剤の量に変更し
た以外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスを
得た。これらの共重合体ラテックスを用いた以外は、実
施例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料
の特性値を表1に示す。 【0041】(比較例1〜6)表1に示す単量体組成お
よび後添加するシランカップリング剤の量に変更した以
外は、実施例1と同様にして共重合体ラテックスを得
た。これらの共重合体ラテックスを用いた以外は、実施
例1と同様にして水性路面表示塗料を得た。この塗料の
特性値を表1に示す。 【0042】 【表1】 【0043】比較例1のカルボキシル基含有単量体を使
用しない共重合体ラテックスを用いた水性路面表示塗料
は、塗料の機械的安定性に劣る。比較例2の水酸基含有
単量体を使用しない共重合体ラテックスを用いた水性路
面表示塗料は、ガラスビーズ固着性に劣る。比較例3の
水酸基含有単量体を本発明の範囲を超えて使用した共重
合体ラテックスを用いた水性路面表示塗料は、塗膜の耐
水性に劣る。比較例4のカルボキシル基含有単量体を本
発明の範囲を超えて使用した共重合体ラテックスを用い
た水性路面表示塗料は、塗膜の耐水性に劣る。比較例5
のシランカップリング剤を使用しない水性路面表示塗料
は、塗膜の耐水性に劣る。比較例6のシランカップリン
グ剤を本発明の範囲を超えて使用した水性路面表示塗料
は、塗料の保存安定性に劣る。 【0044】これらの比較例に対して、実施例1〜3の
本発明の水性路面表示塗料は、塗料の保存安定性と機械
的安定性とに優れ、ガラスビーズの固着性および塗膜の
耐水性に優れている。 【0045】 【発明の効果】本発明によれば、塗料の保存安定性と機
械的安定性とに優れ、ガラスビーズの固着性および塗膜
の耐水性に優れる水性路面表示塗料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CA021 CA051 CC021 CC061 CC081 CC101 CD061 CF071 CG141 CG161 CG171 CJ131 GA03 GA06 JC34 JC35 JC36 KA03 KA08 MA08 MA10 NA04 NA12 NA25 NA26 PB05

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 共重合体ラテックス、シランカップリン
    グ剤、着色顔料、および充填剤からなる水性路面表示塗
    料であって、共重合体ラテックスが水酸基含有単量体
    0.5〜5重量%、カルボキシル基含有単量体0.5〜
    8重量%、およびこれらと共重合可能なその他の単量体
    99〜87重量%からなる単量体混合物を乳化重合して
    得られるものであり、かつ、共重合体ラテックス固形分
    100重量部あたり、シランカップリング剤を0.1〜
    5重量部配合することを特徴とする水性路面表示塗料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101504255B1 (ko) 2014-10-13 2015-03-19 삼진하이테크(주) 노면표시용 도료 조성물, 이를 포함하는 노면표시재 및 이의 시공방법
KR101998192B1 (ko) * 2019-03-29 2019-07-09 대화페인트공업주식회사 글라스 비드 고착력이 우수한 수용성형 노면 표지용 도료 및 그 제조방법

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KR101504255B1 (ko) 2014-10-13 2015-03-19 삼진하이테크(주) 노면표시용 도료 조성물, 이를 포함하는 노면표시재 및 이의 시공방법
KR101998192B1 (ko) * 2019-03-29 2019-07-09 대화페인트공업주식회사 글라스 비드 고착력이 우수한 수용성형 노면 표지용 도료 및 그 제조방법

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