JP2003081846A - 液状鎮咳去痰薬 - Google Patents

液状鎮咳去痰薬

Info

Publication number
JP2003081846A
JP2003081846A JP2001275411A JP2001275411A JP2003081846A JP 2003081846 A JP2003081846 A JP 2003081846A JP 2001275411 A JP2001275411 A JP 2001275411A JP 2001275411 A JP2001275411 A JP 2001275411A JP 2003081846 A JP2003081846 A JP 2003081846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dissolution
liquid
expectorant
drug
stabilizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001275411A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhei Shibazaki
泰平 芝崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON TENGANYAKU KENKYUSHO KK
Nitten Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
NIPPON TENGANYAKU KENKYUSHO KK
Nitten Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON TENGANYAKU KENKYUSHO KK, Nitten Pharmaceutical Co Ltd filed Critical NIPPON TENGANYAKU KENKYUSHO KK
Priority to JP2001275411A priority Critical patent/JP2003081846A/ja
Publication of JP2003081846A publication Critical patent/JP2003081846A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間保存しても沈殿、懸濁又は浮遊物生成
などの外観劣化が生じない、溶解性・安定性の良好な生
薬含有液剤を提供すること、及びその安定化方法を提供
すること。 【構成】 生薬が水に溶解されてなる液状の鎮咳去痰薬
であって、生薬として、キキョウ成分、カンゾウ成分、
セネガ成分及びキョウニン成分が含有されてなり、さら
に、生薬の溶解安定性を高めるための溶解安定剤が添加
されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生薬を含有する液
剤及び当該液剤の溶解安定化方法に関する。より詳しく
は、長期間保存した場合においても、沈殿、浮遊物生成
などの外観劣化が生じない安定な液剤、及びその安定化
方法に関する。
【0002】以下、上記液剤として生薬製鎮咳去痰薬を
例に採り説明を行うが、本発明はこれに限られるもので
はない。例えば、液状であれば、胃腸薬、風邪薬等、そ
の他各種液剤に適用可能である。
【0003】
【従来の技術】従来、生薬を含有する鎮咳去痰薬として
は、生薬粉末が配合された、錠剤、顆粒剤などの固形剤
のほか、トローチ剤、ドロップ剤、シロップ剤等が多く
市販されている。近年、服用のしやすさなどから、シロ
ップ剤等の液状鎮咳去痰薬が多く研究されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シロップ剤等
の液状の鎮咳去痰薬において、生薬を使用したものは、
長期間の保存により沈殿、懸濁又は浮遊物生成などの外
観劣化が生じやすく、生薬の溶解性及び安定性に問題が
あった。
【0005】本発明は、長期間保存しても沈殿、懸濁又
は浮遊物生成などの外観劣化が生じない、溶解性・安定
性の良好な生薬含有液剤を提供すること、及びその安定
化方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記にか
んがみて鋭意研究・開発に努力する過程で、下記構成の
鎮咳去痰薬及び溶解安定化方法に想到した。
【0007】本発明の一つは、生薬が水に溶解されてな
る液状の鎮咳去痰薬であって、生薬として、有効成分で
あるキキョウ成分、補助成分であるカンゾウ成分、セネ
ガ成分及びキョウニン成分が含有され、さらに、生薬の
溶解安定性を高めるための溶解安定剤が添加されてなる
ことを特徴とする。
【0008】なお、ここで、鎮咳去痰薬とは、鎮咳去痰
の目的に用いるために調製された内服用薬剤のことであ
る。
【0009】従来、上記4種類の生薬を組み合わせた固
形状の鎮咳去痰剤は市販されている。しかし、すべての
生薬を溶解安定化した液状鎮咳去痰剤は、本発明が新規
であり、溶解安定剤を添加したことにより液状化を可能
とした。
【0010】上記構成において、溶解安定剤が3〜6価
の糖アルコール、さらにはキシリトール又はソルビトー
ルであることが望ましい。溶解安定性が良好となり、風
味も良好となるため服用しやすくなる。また、溶解安定
剤としてエタノールを併用することにより、更なる溶解
安定性が実現可能となる。
【0011】上記構成により、本発明の鎮咳去痰薬は溶
解安定化が可能となったため、溶液中の生薬の濃度を高
めることができる。そのため、少量の使用で効果が発揮
できるという利点を有する。よって、定量的投与容器等
に充填して少量を投与する形態で好適に使用できる。
【0012】本発明の他の一つは、生薬含有液剤の溶解
安定化方法であって、生薬の溶解安定性を高める溶解安
定剤として3〜6価の糖アルコールを添加したことを特
徴とする。
【0013】上記構成において、糖アルコールが、キシ
リトール又はソルビトールであることが、さらには、溶
解安定剤としてエタノールを併用することが、上記と同
様の理由により望ましい。
【0014】上記構成において、生薬含有液剤の溶解安
定性を長時間確保するためには、溶媒の外部への透過を
できる限り少なくすることが必要である。そのため、溶
媒の透過性の低い容器に充填されてなることが望まし
い。通常、生薬を含有する液剤は、溶媒としてアルコー
ル、水等を使用するため、容器として、ポリプロピレン
(PP)製のもの等を好適に使用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、詳細に説明を行う。なお、本明細書において、配合
量を表す「%」等は、特に断らない限り質量基準であ
る。
【0016】本発明の一つは、生薬が水に溶解されてな
る液状の鎮咳去痰薬であることを基本的特徴とするもの
である。
【0017】生薬成分としては、汎用のエキスを好適に
使用することができる。なおエキスは、軟エキス、流エ
キス、乾燥エキス、チンキ等いずれも使用可能である。
【0018】そして、生薬として、キキョウ成分、カン
ゾウ成分、セネガ成分及びキョウニン成分が含有され、
さらに、生薬の溶解安定性を高めるための溶解安定剤が
添加されてなることを特徴とする。
【0019】なお、キキョウ成分は、去痰薬の有効成分
として公知である。また、キョウニン成分、セネガ成
分、カンゾウ成分についてもそれぞれ去痰薬として公知
である。上記各生薬成分の配合量は、一般用医薬品製造
承認基準に従って各生薬の最適な濃度を決定すればよ
い。
【0020】そして、上記溶解安定剤としては、例えば
糖アルコール等を代表とする3〜6価のアルコールを使
用することができる。糖アルコールとしては、グリセリ
ン(3価)、エリスリトール(4価)、トレイトール
(4価)、アラビトール(5価)、リビトール(5
価)、キシリトール(5価)、ソルビトール(6価)、
マンニトール(6価)、ズルシトール(6価)、イノシ
トール(6価)等が例示できる。
【0021】上記のうち、特にキシリトール又はソルビ
トールを使用することが望ましい。溶解安定性が良好と
なり、風味も良好となるため服用しやすくなる。
【0022】上記糖アルコールの液剤中の配合量は、生
薬の濃度等にあわせて適宜設定すればよいが、例えば約
5〜40%、望ましくは10〜35%に設定することが
できる。また、上記液剤のpHは、例えば約4.5〜
6.0くらいに設定することができる。pHが高すぎて
も、低すぎても、溶解安定性に影響を与えるとともに、
服用に際して風味等が低下する。
【0023】また、溶解安定剤として、上記糖アルコー
ルに加え、エタノールを添加することにより、更なる溶
解安定性が得られる。この際のエタノールの添加量は、
例えば約5〜45%、望ましくは10〜35%に設定す
ることができる。エタノールの添加量が少なすぎると溶
解安定性の向上が期待しがたく、逆に多すぎると効果が
飽和して無駄となる。
【0024】なお、本発明の液剤には、溶解安定性に影
響を与えない限り、必要に応じてニンジン、イカリソ
ウ、オウギ、ゴオウ、オウセイ、ゴミシ、オンジ、ガラ
ナ、クコシ、ケイヒ、ジオウ、トウキ、タイソウ、マオ
ウ、ハンゲ、シャゼンソウ、トコン、ナンテンジツ、オ
ウヒ、ゲンジン、ボタンピ、ハッカ、バクモンドウ、シ
ャクヤク、バイモ、ショウキョウ、サイシン、ウイキョ
ウ、チョウジ、ブクリョウ、チンピ、ソヨウ、ソウハク
ヒ、オウゴン、セキサン、シャゼンシ、アセンヤク、シ
ャジン、カロニン、チクセツニンジン、シオン、ジャコ
ウなどの生薬の抽出物、塩酸アロクラミド、塩酸クロペ
ラスチン、クエン酸ペントキシベリン(クエン酸カルベ
タペンタン)、クエン酸チペピジン、ジブナートナトリ
ウム、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロ
メトルファンフェノールフタリン塩、ヒベンズ酸チペピ
ジン、フェンジゾ酸クロペラスチン、りん酸コデイン、
りん酸ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン
等の鎮咳剤、塩酸トリメトキノール、塩酸フェニルプロ
パノールアミン、塩酸メトキシフェナミン、dl−塩酸
メチルエフェドリン、l−塩酸メチルエフェドリン等の
交感神経興奮薬、アミノフィリン、ジプロフィリン、テ
オフィリン、プロキシフィリン、安息香酸ナトリウムカ
フェイン、カフェイン、無水カフェイン等の中枢神経興
奮薬、塩化アンモニウム、l−メントール、アンモニア
・ウイキョウ精、グアヤコールスルホン酸カリウム、グ
アイフェネシン、クレゾールスルホン酸カリウム等の去
痰剤、塩化リゾチーム、塩酸エチルシステイン、塩酸メ
チルシステイン等の消炎酵素、塩酸イソペンジル、塩酸
イプロヘプチン、塩酸ジフェテロール、塩酸ジフェニル
ピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸トリプロリジ
ン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フ
ェネタジン、塩酸プロメタジン、サリチル酸ジフェンヒ
ドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、
酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、
タンニン酸フェネタジン、テオクル酸ジフェニルピラリ
ン、プロメタジンメチレンサリチル酸塩、マレイン酸カ
ルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミ
ン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、りん酸ジフェ
テロール等の抗ヒスタミン、アセトアミノフェンなどの
解熱鎮痛薬、硝酸チアミン、りん酸リボフラミンナトリ
ウム、塩酸ピリドキシン、シアノコバラミンやニコチン
酸アミドなどのビタミン類をはじめとする生理活性成分
を配合することができる。
【0025】上記溶解安定剤の使用により、本発明の鎮
咳去痰薬は生薬の溶解安定化が可能となる。言い換えれ
ば、溶液中の生薬の濃度を溶解安定剤無添加の場合に比
して、高めることができる。そのため、少量の鎮咳去痰
剤の使用で鎮咳去痰効果が発揮できるという利点を有す
る。よって、定量的投与容器等に充填して少量を定量的
に投与する形態で好適に使用できる。
【0026】なお、定量的投与容器としては、例えば図
1に示す形状のものが使用可能である。鎮咳去痰薬を後
述の実施例に示す処方とした場合、例えば、1回の投与
量を0.45mLとし、1日6回の投与で1日量とする
ことができる。
【0027】本発明の他の一つは、生薬含有液剤の溶解
安定化方法であって、生薬の溶解安定性を高める溶解安
定剤として3〜6価の糖アルコール、望ましくはキシリ
トール又はソルビトールを使用することを特徴とする。
溶解安定剤を使用する理由は、上記鎮咳去痰薬の説明の
際に述べたのと同様である。すなわち、当該溶解安定化
方法は、上記鎮咳去痰薬以外の一般的な生薬を含有する
液剤に適用可能なものである。
【0028】上記構成において、さらに溶解安定剤とし
てエタノールを併用することが望ましい。更なる溶解安
定性の向上が実現できるためである。
【0029】上記構成において、生薬含有液剤の溶解安
定性を長時間確保するためには、溶媒の外部への透過を
できる限り少なくすることが必要である。溶媒が外部へ
透過すると、内部の組成が変化し、溶解安定性が低下す
るおそれがあるためである。そのため、生薬含有液剤
は、できる限り溶媒の透過性の低い容器に充填されてな
ることが望ましい。
【0030】容器からの溶媒の透過性を低く抑えるため
には、容器の厚みを厚くして対応してもよいが、透過性
の低い材料を選択して容器を製造することもできる。通
常、生薬を含有する液剤は、溶媒としてアルコール(通
常約30%前後)、水等を使用するため、容器として、
プラスチックを使用する場合は、ポリプロピレン(P
P)製のもの等を好適に使用することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を完成するに至った実験例、及
び本発明の効果を確認するために行った実施例について
説明を行う。
【0032】(1)まず、下記表1に示す如く、一般用医
薬品製造承認基準に従って各生薬の最適な濃度を決定
し、水溶液とした際の安定性を評価することで鎮咳去痰
薬の液状製剤化の検討を行った。なお、表1に記載の各
生薬エキスは、すべてアルプス製薬工業社製のものを使
用した。
【0033】
【表1】
【0034】上記表1より、セネガ乾燥エキス、カンゾ
ウエキスは、水によく溶けた。しかし5℃に放置すると
1日後には沈殿を生じた。一方、キキョウ乾燥エキス、
キョウニンエキスは調製直後から不溶物が生じた。以上
より、各生薬は水のみで溶解した場合安定性が悪いか均
一に溶解しないことが判明した。
【0035】(2)次に、上記水溶液中に溶解安定剤とし
て、代表的な溶解安定剤であるポリソルベート80(花
王)、ポリビニルピロリドンK−25(BASF)を添
加して、溶解性を検討した。
【0036】その結果、5%ポリソルベート80溶液で
は、各生薬は、水のみを使用した場合と全く同じ溶解性
を示した。
【0037】また、5%ポリビニルピロリドンK−25
溶液では、調製直後はキョウニンエキスの不溶物がわず
かとなるが、他は水のみを使用した場合と同じ溶解性を
示した。ただ、カンゾウエキスは放置後も澄明であっ
た。
【0038】5%ポリソルベート80と5%ポリビニル
ピロリドンK−25を併用した溶液では、キキョウ乾燥
エキスがわずか不溶物を認めたが、キョウニンエキス、
セネガ乾燥エキス、カンゾウエキスは澄明液となった。
これを5℃に放置したところ、キキョウ乾燥エキスは澄
明、キョウニンエキス、セネガ乾燥エキスはいずれもわ
ずか沈殿を生じ、カンゾウエキスは明らかに沈殿を生じ
た。
【0039】以上より、ポリソルベート80、ポリビニ
ルピロリドンK25では、各生薬すべてを安定に溶解す
ることはできなかった。
【0040】(3)前項で述べたとおり、キキョウ乾燥エ
キス、キョウニンエキス、セネガ乾燥エキス、カンゾウ
エキスは水に均一に溶解しないか、溶けても沈殿を生じ
るものであることがわかった。また、代表的な界面活性
剤や水溶性高分子を添加しても満足のいくものが得られ
なかった。このことから、まず各生薬単一の水溶液で安
定に溶解させる溶解安定剤の検索を行った。溶解安定剤
としては下記に列挙したものを使用した。
【0041】 エタノール(30%) 中北薬品 ポリオキシル35ヒマシ油(5%) BASF ステアリン酸ポリオキシル40(5%) 日光ケミカルズ ポリビニルアルコール(5%) クラレ カルボキシメチルセルロースナトリウム(0.5%) 片山化学 ショ糖ラウリン酸エステル(2.5%) 三菱化学フーズ ショ糖ミリスチン酸エステル(2.5%) 三菱化学フーズ コンドロイチン硫酸ナトリウム(1%) マルハ 上記各溶解安定剤の水溶液を調製し、キキョウ乾燥エキ
ス、キョウニンエキス、セネガ乾燥エキス、カンゾウエ
キスをそれぞれ溶解し、40℃のチャンバーに入れ、経
時的に性状を観察した。結果を表2及び3に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】表2、表3の結果から、いずれの溶解安定
剤でも4つの生薬を同時に溶解・安定化することはな
く、特にキョウニンエキスについては1つも望ましい溶
解安定剤が見当たらなかった。
【0045】(4)次に、上記溶解安定剤の混合系を検討
した。組み合わせは、単一溶液(上記表2、表3におけ
るもの)でよい傾向の溶解安定剤を選択し、生薬はキョ
ウニンエキスを含むものとした。
【0046】結果を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】上記表4より、生薬の安定化に寄与するも
のは認められなかった。
【0049】(5)今まで検討してきた中でキョウニンエ
キスの溶解安定化が一番困難と考えられた。そこで、キ
ョウニンエキスの溶解性に絞って検討を行うこととし
た。
【0050】生薬であるナンテンジツ乾燥エキスの溶解
安定化には、キシリトールが有効であることがわかって
きた。そこで、本生薬液剤にも有効か否かを検討した。
また、糖類も含めて検討した。
【0051】日本薬局方によると、キョウニン水はエタ
ノールを25%含有し、エタノール量が少ないと冬場に
混濁する場合があるとの記載がある。そこで、エタノー
ルの添加量についても検討を行った。
【0052】糖類、糖アルコール、エタノールは、それ
ぞれ下記に列挙したものを使用した。
【0053】 糖類 :果糖(ヘキソース) 和光純薬 ガラクトース(ヘキソース) 和光純薬 マンノース(ヘキソース) 和光純薬 グルコース(ヘキソース) 和光純薬 キシロース(ペントース) 和光純薬 アラビノース(ペントース) 和光純薬 糖アルコール:キシリトール(五価糖アルコール) 片山化学 エタノール :日本薬局方エタノール 中北薬品 下記表5,6,7に示す配合で、キョウニンエキスの濃
度1.5%に対して、溶解安定剤、エタノールの濃度を
種々変化させて、5℃及び40℃保存の性状変化を観察
した。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】上記表5,6,7から、キシリトール、エ
タノールはともに30%前後でキョウニンエキスの安定
化が予想された。また、糖の添加はキョウニンエキスの
溶解安定化に寄与しなかった。
【0058】(6)上記のごとく、キョウニンエキスの溶
解安定化にキシリトール30%及びエタノール30%が
有効であることが予想された。そこで、再度確認する意
味で、今度は長期間の保存安定性を観察した。用いた糖
アルコールは、キシリトールに加え、ソルビトール、グ
リセリンも検討した。
【0059】ここでは、下記試薬を使用した。
【0060】 糖アルコール:グリセリン(三価糖アルコール) 花王 キシリトール(五価糖アルコール) 片山化学 ソルビトール(六価糖アルコール) 和光純薬 下記表8,9,10に示すごとく、キョウニンエキス
1.5%、エタノール30%に対して糖アルコールの濃
度を変えた処方の溶液を調製し、5℃、40℃において
性状の変化を観察した。
【0061】
【表8】
【0062】
【表9】
【0063】
【表10】
【0064】上記表8,9,10から、キョウニンエキ
スの溶解安定化にはソルビトール30%が特に有効であ
ることがわかった。
【0065】(7)次に、表1に示した全生薬配合溶液の
安定性を検討した。また、エタノールを含むことから、
容器の材質の影響を考慮し、ポリプロピレン性容器、ポ
リエチレン製容器の2種類に充填した。
【0066】生薬液は、下記のものを使用した。
【0067】 キキョウ乾燥エキス Lot0G103 アルプス薬品工業 キョウニンエキス Lot9F67 アルプス薬品工業 セネガ乾燥エキス Lot0K189 アルプス薬品工業 カンゾウエキス Lot0K565 アルプス薬品工業 グリセリン Lot00K-54 花王 キシリトール Lot590808 東和化成工業 ソルビトール Lot521502 東和化成工業 エタノール Lot00I-54 中北薬品 生薬液の処方を表11に示す。
【0068】
【表11】
【0069】上記処方の生薬液500mLを調製し、A
P25(φ75mm:ミリポア)で前ろ過後、0.45μ
mメンブランフィルター(φ90mm:ミリポア)でろ過
した。ろ過後、PP容器及びPE容器に10mLずつ充
填した。容器は、5℃、40℃75%RH及び60℃に
保存した。
【0070】60℃保存における性状を、表12〜14
に、40℃における性状を表15〜17に、5℃におけ
る性状を表18〜20に示す。
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
【表14】
【0074】60℃保存では、グリセリン処方は、保存
1週後よりPP容器、PE容器ともに沈殿の発生が認め
られた。キシリトール処方は、PP容器で保存3週後よ
り沈殿の発生が認められた。一方、PE容器では4週間
沈殿の発生は認められなかった。ソルビトール処方で
は、PP容器,PE容器ともに4週間沈殿の発生は認め
られなかった。
【0075】以上より、60℃に4週間保存した結果、
ソルビトール処方が一番安定であることが明らかとなっ
た。pHは、いずれの処方も低下傾向を示した。その程
度は60℃4週間で0.5前後であった。なお、pHの
変化による溶解安定性の低下は、本実施例においては見
られなかった。
【0076】
【表15】
【0077】
【表16】
【0078】
【表17】
【0079】40℃75%RH保存では、グリセリン処
方で保存1ヵ月後よりPP容器、PE容器ともに沈殿が
認められた。キシリトール処方及びソルビトール処方
は、PE容器にのみ保存2ヵ月後に沈殿が認められた。
一方、PP容器には沈殿は認められなかった。
【0080】また、pHはいずれも低下傾向を示した。
低下はグリセリン処方が一番大きく、PP容器で0.2
4、PE容器で0.32であった。キシリトール処方、
ソルビトール処方は、同様の低下を示し、PP容器で
0.16〜0.19、PE容器で0.25であった。全
体的に見てPP容器よりPE容器のほうが低下は大きか
った。なお、pHの変化による溶解安定性の低下は、本
実施例においては見られなかった。
【0081】
【表18】
【0082】
【表19】
【0083】
【表20】
【0084】5℃保存では、保存1ヵ月後よりグリセリ
ン処方PE容器で沈殿が認められ、保存6ヵ月後でグリ
セリン処方PP容器にも沈殿が認められた。それぞれ1
ヵ月後または2ヵ月後の観察では澄明と判定されたが、
沈殿が少なく性状も黒褐色で見にくいためと考えられ
た。キシリトール処方、ソルビトール処方では、保存2
ヶ月の間PP容器,PE容器とも性状に変化なく、沈殿
の発生は認められなかった。
【0085】以上より、5℃保存の結果、キシリトール
処方、ソルビトール処方において、PP容器、PE容器
ともに安定な製剤であることが判明した。なお、pHの
変化による溶解安定性の低下は、本実施例においては見
られなかった。
【0086】
【発明の効果】本発明は、上記構成により、溶解安定性
に優れ、長期間保存した場合にも沈殿、懸濁、浮遊物生
成などの外観劣化がほとんど発生しない安定な薬剤とす
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鎮咳去痰薬を充填可能な定量的投与容
器の一形態を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/10 A61P 11/10 11/14 11/14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生薬が水に溶解されてなる液状の鎮咳去
    痰薬であって、前記生薬として、キキョウ成分、カンゾ
    ウ成分、セネガ成分及びキョウニン成分が含有されてな
    り、さらに、生薬の溶解安定性を高めるための溶解安定
    剤が添加されてなることを特徴とする液状鎮咳去痰薬。
  2. 【請求項2】 前記溶解安定剤が、3〜6価の糖アルコ
    ールであることを特徴とする請求項1記載の液状鎮咳去
    痰薬。
  3. 【請求項3】 前記糖アルコールが、キシリトール又は
    ソルビトールであることを特徴とする請求項2記載の液
    状鎮咳去痰薬。
  4. 【請求項4】 前記溶解安定剤として、さらにエタノー
    ルが添加されていることを特徴とする請求項2または3
    記載の液状鎮咳去痰薬。
  5. 【請求項5】 定量的投与容器に充填されてなることを
    特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液状鎮咳去痰
    薬。
  6. 【請求項6】 生薬含有液剤の溶解安定化方法であっ
    て、生薬の溶解安定性を高める溶解安定剤として3〜6
    価の糖アルコールを添加したことを特徴とする生薬含有
    液剤の溶解安定化方法。
  7. 【請求項7】 前記糖アルコールが、キシリトール又は
    ソルビトールであることを特徴とする請求項6記載の生
    薬含有液剤の溶解安定化方法。
  8. 【請求項8】 前記溶解安定剤として、さらにエタノー
    ルを添加したことを特徴とする請求項6又は7記載の生
    薬含有液剤の溶解安定化方法。
  9. 【請求項9】 前記生薬含有液剤が、溶媒の透過性の低
    い容器に充填されてなることを特徴とする請求項6、7
    又は8記載の生薬含有液剤の溶解安定化方法。
  10. 【請求項10】 前記生薬含有液剤が鎮咳去痰薬である
    ことを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の生薬含
    有液剤の溶解安定化方法。
JP2001275411A 2001-09-11 2001-09-11 液状鎮咳去痰薬 Withdrawn JP2003081846A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001275411A JP2003081846A (ja) 2001-09-11 2001-09-11 液状鎮咳去痰薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001275411A JP2003081846A (ja) 2001-09-11 2001-09-11 液状鎮咳去痰薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003081846A true JP2003081846A (ja) 2003-03-19

Family

ID=19100277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001275411A Withdrawn JP2003081846A (ja) 2001-09-11 2001-09-11 液状鎮咳去痰薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003081846A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116916A1 (ja) * 2006-04-04 2007-10-18 Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. 経口投与用液体医薬製剤
US7651706B2 (en) 2001-09-13 2010-01-26 Wakunaga Pharmaceutical Co., Ltd. Liquid preparation containing crude-drug extract
JP5917499B2 (ja) * 2011-05-02 2016-05-18 ライオン株式会社 パナキサジオール含有組成物
CN107260937A (zh) * 2017-06-27 2017-10-20 张佳佳 止咳中药

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7651706B2 (en) 2001-09-13 2010-01-26 Wakunaga Pharmaceutical Co., Ltd. Liquid preparation containing crude-drug extract
WO2007116916A1 (ja) * 2006-04-04 2007-10-18 Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. 経口投与用液体医薬製剤
JP2007277124A (ja) * 2006-04-04 2007-10-25 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 経口投与用液体医薬製剤
JP5917499B2 (ja) * 2011-05-02 2016-05-18 ライオン株式会社 パナキサジオール含有組成物
US9510613B2 (en) 2011-05-02 2016-12-06 Lion Corporation Panaxadiol-containing composition
CN107260937A (zh) * 2017-06-27 2017-10-20 张佳佳 止咳中药

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2016208390B2 (en) Enhanced stability of novel liquid compositions
EP2040672B1 (en) Enhanced stability phenylephrine liquid compositions
JP6062168B2 (ja) 生薬由来成分を含有する製剤及びその製造方法
JP2020073615A (ja) ロキソプロフェンを含有する医薬製剤(に)
EP1321140B1 (en) Ibuprofen solutions for capsule-filling and capsule preparations
JP4853818B2 (ja) イブプロフェン及び塩酸アンブロキソール含有固形製剤
JP3382076B2 (ja) イブプロフェンを溶解してなるかぜ薬軟カプセル及びその製造方法
KR20130141622A (ko) 해열 진통 조성물
JP2003081846A (ja) 液状鎮咳去痰薬
JPH035418A (ja) 鎮咳去痰ソフトカプセル剤
GB2564444A (en) Liquid pharmaceutical composition of flecainide
WO2004041263A1 (en) New pharmaceutical compositions containing ambroxol and isopropamide iodide
JP2005187328A (ja) イブプロフェン含有解熱鎮痛組成物、及び感冒薬
JP2006089415A (ja) カフェイン含有カプセル製剤
JP2003246744A (ja) ナンテンジツ成分含有液剤
JP3027696B2 (ja) 安定な水性医薬組成物
JP2005289906A (ja) 医薬組成物
JP2006062999A (ja) カフェイン含有カプセル製剤
JPH1045577A (ja) 風邪用咳止め薬
JPH0826996A (ja) コデイン含有カプセル剤

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081202