JP2003081817A - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JP2003081817A
JP2003081817A JP2001272321A JP2001272321A JP2003081817A JP 2003081817 A JP2003081817 A JP 2003081817A JP 2001272321 A JP2001272321 A JP 2001272321A JP 2001272321 A JP2001272321 A JP 2001272321A JP 2003081817 A JP2003081817 A JP 2003081817A
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pressure
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weight
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JP2001272321A
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English (en)
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Hiroko Udagawa
弘子 宇田川
Masaru Hamabe
勝 浜辺
Tsutomu Negama
務 根釜
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚への適用時に剥がれ落ちることのない程
度の粘着性を保ちながら、剥離に際しては皮膚刺激を抑
えることのできる貼付剤を提供する。 【解決手段】 支持体の片面に粘着剤層が形成されてな
る貼付剤であって、上記粘着剤層は、粘着剤20〜9
9.5重量%及び皮膚刺激低減化剤0.5〜30重量%
が含有されてなり、(1)JIS Z 0237に準拠
して測定される、ステンレス板に対する180度引き剥
がし粘着力が1.4N/10mm以上、(2)12時間
以上皮膚に貼付した後の180度引き剥がし粘着力が
0.7N/10mm以下、(3)12時間以上皮膚に貼
付した後に、引き剥がした際の角質剥離面積率が70%
以上であることを特徴とする貼付剤。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚に適用するこ
とを目的とした薬物含有系又は非含有系の貼付剤に関す
る。 【0002】 【従来の技術】支持体の片面に粘着剤層が形成されてな
る貼付剤が、皮膚表面に貼ることにより医療用として用
いられている。貼付剤としては、例えば、創傷面の治
療、保護のためのガーゼや包帯等の固定用として用いら
れる絆創膏や、上記粘着剤層に薬物を含有させておき体
内に薬物を吸収させるために用いられるテープ製剤など
がある。このような貼付剤においては、皮膚に適用され
た際にかぶれ等の皮膚刺激ができるだけ少ないことが求
められている。 【0003】上記の皮膚刺激を低減化させる試みとして
は、主に以下の方法がある。 貼付剤の通気性(透湿性)を上げることにより貼付中
の蒸れを抑える(例えば、特開平6−271461号公
報参照)。 粘着剤の粘着力を下げることにより、皮膚に貼付した
後の剥離時の角質の損傷を抑える(基礎と臨床 Vol.26
No.14 p.5277-5289, 1992 )。 上記の方法は、貼付中の皮膚への負荷を軽減する効果
があるが、皮膚刺激の低減化に限度があり、剥離による
刺激を抑えるには不十分であった。また通気性を上げる
ため、揮散性の高い薬物への適用が難しいという問題も
あった。また、上記の方法は、剥離後の刺激を抑える
効果はあるものの、貼付中に貼付剤の一部が皮膚から浮
いたり、場合により全てが剥がれてしまうこともあり、
治療の目的を果たさないという問題があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑みてなされたもので、皮膚への適用時に剥がれ落ち
ることのない程度の粘着性を保ちながら、剥離に際して
は皮膚刺激を抑えることのできる貼付剤を提供すること
を目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明による貼付剤は、
支持体の片面に粘着剤層が形成されてなる貼付剤であっ
て、上記粘着剤層は、粘着剤20〜99.5重量%及び
皮膚刺激低減化剤0.5〜30重量%が含有されてな
り、(1)JIS Z 0237に準拠して測定され
る、ステンレス板に対する180度引き剥がし粘着力が
1.4N/10mm以上、(2)12時間以上皮膚に貼
付した後の180度引き剥がし粘着力が0.7N/10
mm以下、(3)12時間以上皮膚に貼付した後に、引
き剥がした際の角質剥離面積率が70%以上であること
を特徴とする。 【0006】本発明で用いられる粘着剤は、本発明に規
定される粘着物性を発現させ、医療用に用いられるもの
であれば特に限定されないが、貼付中の粘着物性が皮膚
刺激低減化剤や薬物の皮膚移行後も安定しているものが
望ましい。このような粘着剤の例としては、アクリル
系、ゴム系、シリコン系及びウレタン系の粘着剤が挙げ
られる。 【0007】上記アクリル系粘着剤としては、アルキル
(メタ)アクリレートを共重合して得られるポリアルキ
ル(メタ)アクリレートを主体とする粘着剤が挙げら
れ、アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な多官
能性モノマーやその他のビニルモノマーとの共重合体で
もよい。 【0008】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上
記多官能性モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサ
ングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコ
ールジアクリレート等が挙げられ、上記その他のビニル
モノマーとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリド
ン、酢酸ビニル等が挙げられる。 【0009】上記ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−オレフィン−スチレンブロック共重合体等を主体
とする粘着剤が挙げられ、一般に、ロジン、水添ロジ
ン、ロジンエステル、テルペン樹脂、テルペンフェノー
ル樹脂、石油系樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデ
ン樹脂等の粘着付与剤が添加されてなる。 【0010】粘着剤層中の粘着剤の量は、少なくなると
粘着物性が悪くなり、多くなると皮膚刺激低減化剤や薬
物の効果が低下するので20〜99.5重量%に限定さ
れ、30〜90重量%が好ましい。 【0011】本発明で用いられる皮膚刺激低減化剤とし
ては、上記粘着剤との組み合わせで、本発明に規定され
る粘着物性を発現させる添加剤であれば特に限定されな
いが、例えば、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン
酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ラウリルアルコール、ミ
リスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルア
ルコール、ラノリンアルコール、ゲラニオール等の脂肪
族アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレングリコール等の多価ア
ルコール類が挙げられる。 【0012】皮膚刺激低減化剤の皮膚刺激低減化の詳細
な機構は不明であるが、上記の粘着物性を有する物質
は、皮膚に貼付すると角質層に移行し、その硬度(弾
性、粘性)を下げると考えられる。そして、貼付剤の剥
離時に角質より下層の応力を下げるため、表皮細胞、真
皮細胞等に対する物理的な負荷を軽減し、炎症の発生を
抑えると考えられる。また貼付による物理的負荷(貼付
剤が密着していることによって生じる微視的な皮膚の動
きの抑制等)も角質層より下に伝わることが抑えられる
ため、皮膚刺激低減に寄与する可能性も考えられる。 【0013】粘着剤層中の皮膚刺激低減化剤の量は、少
なくなると効果が発現せず、多くなると貼付性が悪くな
るので0.5〜30重量%に限定され、1〜10重量%
が好ましい。 【0014】本発明で用いられる粘着剤層には、更に薬
物が含有されてもよい。上記薬物としては、皮膚に適用
された際に体内に吸収されるものであれば特に限定され
ず、例えば,ニフェジピン、クロニジン等の降圧剤、ニ
トログリセリン、硝酸イソソルビド等の血管拡張剤、エ
ストラジオール,プロゲステロン等のステロイドホルモ
ン剤、リドカインなどの麻酔剤、インドメタシン、ケト
プロフェン等の消炎鎮痛剤、プレドニゾロン、デキサメ
タゾン等のステロイド系抗炎症剤、ジフェンヒドラミ
ン、クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤などが挙げ
られる。 【0015】本発明で用いられる粘着剤層には、更に、
必要に応じて可塑化剤、吸収促進剤、安定化剤、充填剤
等が含有されてもよい。これらは目的に応じて適量が添
加される。上記可塑化剤は粘着剤に添加されて、その貼
付性を調節するものであるが、同時に薬物の粘着剤中の
拡散速度を高め、皮膚への薬物吸収量を向上させる効果
を奏する場合もある。可塑化剤の例としては,流動パラ
フィン等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、モノ
ラウリン酸グリセリン、セバシン酸ジエチル等の脂肪酸
と1価または多価のアルコールのエステル、脂環族飽和
炭化水素樹脂等の石油系油脂、オリーブ油等の天然物由
来の油脂などが挙げられる。粘着剤層中の可塑化剤の量
は、使用する粘着剤や薬物との組み合わせによって最適
量が異なるが、少なすぎると効果が現れず、多すぎると
逆に貼付性を悪くする場合があるので1〜30重量%が
好ましい。 【0016】上記吸収促進剤は皮膚に作用して薬物の皮
膚透過性を高める効果を有するものであり、皮膚への薬
物分配性を上げるものや、皮膚中の薬物拡散速度を高め
るもの等がある。具体的には、ラウリン酸ジエタノール
アミド、ラウロイルサルコシン、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等
の界面活性剤、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、クロタミトン等の溶解剤が挙げられる。
これらは貼付性及び皮膚刺激性を悪化させない範囲で添
加することができる。 【0017】上記安定化剤は薬物や他の成分の酸化・分
解等を抑え、貼付剤の経時変化を防ぐために用いるもの
であり、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、ソルビン
酸、亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤、シクロデキ
ストリン、エチレンジアミン四酢酸などが挙げられる. 【0018】上記充填剤は貼付性の調節及び薬剤の均一
分散・保持のために用いられる。具体的には炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、乳糖、結晶セルロース、無水ケイ酸
などが挙げられる。 【0019】本発明の貼付剤は、JIS Z 0237
に準拠して測定される、ステンレス板に対する180度
引き剥がし粘着力が1.4N/10mm以上に限定さ
れ、好ましくは、2.0〜6.0N/10mmである。
上記粘着力が1.4N/10mm未満であると、貼付中
に剥がれ易くなる。 【0020】本発明の貼付剤は、12時間以上皮膚に貼
付した後の180度引き剥がし粘着力が0.7N/10
mm以下に限定され、好ましくは、0.4〜0.7N/
10mmである。上記粘着力が0.7N/10mmを超
えると、接着力が強すぎるため皮膚に物理的ダメージを
与えやすくなる。この測定方法は以下の通りである。剃
毛した動物の腹部皮膚に、15×50mmの大きさに切
断した貼付剤(以下、サンプルという)を正中線と平行
に貼付し、貼付12時間以上後に、上記動物を麻酔した
状態で平板に固定し、上記サンプルを剥離角度180
度、剥離速度300mm/minの条件で頭から尾の方
向へ向かって剥離する。そして、貼付面の長さ方向45
mm(サンプルの長さ50mmのうち、5mmをつかみ
部として予め皮膚に接着しないようにつかみ用のフィル
ム等と接着しておく)について剥離開始部から15,2
5,35mmの位置での荷重を記録し、その平均値を求
める。 【0021】本発明の貼付剤は、12時間以上皮膚に貼
付した後に、引き剥がした際の角質剥離面積率が70%
以上に限定され、好ましくは、80〜100%である。
上記面積率が70%未満になると十分に角質と接着して
いないため、本発明の効果を奏さない。この測定方法は
以下の通りである。上述の、動物皮膚への貼付後の18
0度剥離により得られたサンプルを染料(ゲンチアナバ
イオレット1.0重量%,ブリリアントグリーン0.5
重量%,蒸留水98.5重量%からなる溶液)で一晩染
色し、次いで充分に水洗したものを、画像解析装置を用
いて角質細胞剥離面積率を3視野で計測し、平均値を算
出する。 【0022】本発明の貼付剤は、支持体の片面に粘着剤
層が形成されてなるが、上記のように、粘着剤層に薬物
が含有されてもよい。また、支持体と粘着剤層の間に、
薬物を保持する薬物保持層(リザーバー層と通称される
ことがある)が設けられても良い。また、粘着剤層中に
マイクロカプセルや繊維層が含まれていても良い。本発
明の貼付剤は、粘着剤層を適用時まで保護するために、
通常、粘着剤層の表面に剥離紙が積層される。 【0023】上記支持体の素材及び構成は特に限定され
ないが、通常フィルム、織布、不織布、及びこれらの積
層体が用いられる。上記フィルムの素材としては特に限
定されず,例えば,ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アク
リル酸メチル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエステル、スチ
レン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレ
ン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体な
どが挙げられ,単独で用いたり、ブレンドして用いたり
することができる。 【0024】上記織布、不織布の素材としては特に限定
されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリ
ル酸メチル共重合体、ナイロン、ポリエステル、スチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン
・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体、レ
ーヨン、綿などが挙げられ、単独で又はブレンドして用
いることができる。 【0025】上記支持体の厚さは、素材によって異なる
が、薄すぎると保型性が不十分で貼付剤が変形しやす
く、取り扱いにくくなり、厚すぎると支持体が堅くなり
すぎて貼付時の皮膚への追従性が低下し、違和感が生じ
やすいので、フィルムでは5〜200μm、織布及び不
織布では100〜1000μm、目付として30〜15
0g/m2 が好ましい。 【0026】上記剥離紙は、粘着剤層を保護し得るもの
であれば特に限定されないが、通常、フィルム、紙など
の単層又は積層体の表面に離型処理を施したものが用い
られる。フィルムの素材としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。紙におい
ては、ポリビニルアルコール等の樹脂を含浸させたもの
も用いることができる。 【0027】本発明の貼付剤の製造方法としては、特に
限定されるものではないが、例えば、次のような方法が
挙げられる。 【0028】先ず、粘着剤と皮膚刺激低減化剤(及び、
必要に応じて、薬物、可塑化剤、吸収促進剤、安定化
剤、充填剤などの添加剤)とからなる粘着剤組成物を作
製する。上記粘着剤組成物の作製は、通常の攪拌混練機
を用いて、それぞれを所定の割合で均一に攪拌混練する
方法を採っても良いし、また、予め準備した粘着剤の所
定量に対して、皮膚刺激低減化剤の所定量と必要に応じ
て添加される前記各種添加剤の1種又は2種以上の各所
定量とを添加し、通常の攪拌混練機を用いて、これらを
均一に攪拌混練する方法を採っても良い。 【0029】次いで、予め準備した支持体の片面に上記
粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成することにより、
所望の貼付剤を製造することができる。 【0030】支持体の片面に粘着剤層を形成する方法と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、通常
の塗工機を用いて、支持体の所定の面に粘着剤組成物を
乾燥後の厚みが所定の厚みとなるように塗工し、必要に
応じて乾燥や冷却等の工程を経て粘着剤層を形成し、こ
の粘着剤層の表面に剥離紙の離型処理面を積層する方法
(直接塗工方法)を採っても良いし、また、通常の塗工
機を用いて、剥離紙の離型処理面に粘着剤組成物を乾燥
後の厚みが所定の厚みとなるように塗工し、必要に応じ
て乾燥や冷却等の工程を経て粘着剤層を形成し、この粘
着剤層を支持体の所定の面に積層して転写する方法(転
写方法)を採っても良いが、生産性に優れることから、
後者の転写方法を採ることが好ましい。 【0031】上記粘着剤層の形成方法の具体例として
は、溶剤塗工法、ホットメルト塗工法が挙げられる。溶
剤塗工法の一例としては、粘着剤組成物の溶剤溶液又は
溶剤分散液を作製し、剥離紙(又は支持体)面上に展延
し溶剤を乾燥後、支持体(又は剥離紙)を積層する方法
が挙げられる。また、ホットメルト塗工法の一例として
は、通常、薬物以外の粘着剤層構成成分を、窒素置換
下、温度100〜150℃で加熱攪拌して溶解した後、
温度100〜120℃に冷却し、薬物を添加して均一に
混合する。次いで、得られた粘着剤組成物を、ホットメ
ルトコーターにより、剥離紙(又は支持体)面上に展延
し、支持体(又は剥離紙)を積層する方法が挙げられ
る。 【0032】 【作用】本発明の貼付剤においては、皮膚表面の角質層
に対する粘着性が適用中維持されながらも、含有する皮
膚刺激低減化剤が貼付時に皮膚の角質に浸透して、角質
層の硬度(弾性,粘性)を下げると考えられる。これに
より角質層内の接着力が低減化し、剥離時には角質層の
最表面のみが剥がし取られるために、角質層の実質的な
損傷が抑制されることによって皮膚刺激の低減化が図れ
るものと考えられる。また、同様に角質層の硬度(弾
性,粘性)が下がることにより、粘着剤剥離時に角質よ
り下層の応力が抑制され、表皮細胞層及び真皮細胞層に
対する物理的な負荷が軽減し、炎症の発生が抑えられる
と考えられる。また貼付中の物理的負荷(製剤が密着し
ていることで生じる微視的な皮膚の動きの抑制等)も角
質より下層に伝わることが抑えられ、刺激低減に寄与す
ると考えられる。 【0033】 【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。 【0034】本実施例においては以下に示す原材料を用
いた。 1.粘着剤 (1)粘着剤A:2−エチルヘキシルアクリレート13
92g、2−エチルヘキシルメタクリレート11976
g、ドデシルメタクリレート1924g、1,6−ヘキ
サングリコールジメタクリレート19g、酢酸エチル5
103gを40リットルの重合装置に入れ、窒素置換下
で80℃に加熱した後、過酸化ラウロイル20gをシク
ロヘキサン500g、酢酸エチル1500gに溶解した
ものを8時間かけて添加しながら重合を行い、分子量1
14万、固型分45重量%の粘着剤A溶液を得た。 【0035】(2)粘着剤B:2−エチルヘキシルアク
リレート11764g、ビニルピロリドン3500g、
1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート16g、
酢酸エチル13600gを40リットルの重合装置に入
れ、窒素置換下で80℃に加熱した後、過酸化ラウロイ
ル15gをシクロヘキサン1200g、酢酸エチル80
0gに溶解したものを10時間かけて添加しながら重合
を行い、分子量58万、固型分35重量%の粘着剤B溶
液を得た。 【0036】2.皮膚刺激低減化剤: (1)ミリスチルアルコール (2)ミリスチン酸 3.薬物:硝酸イソソルビド 4.可塑化剤:ミリスチン酸イソプロピル 5.吸収促進剤:ラウリン酸ジエタノールアミド 【0037】6.支持体:PET/EVAラミネートフ
ィルム(ポリエチレンテレフタレート12μm厚/エチ
レン・酢酸ビニル共重合樹脂30μm厚積層フィルム) 7.剥離紙:離型PETフィルム(シリコーン系離型剤
により片面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタ
レートフィルム) 【0038】(実施例1)粘着剤A溶液を適量とり、皮
膚刺激低減化剤としてミリスチルアルコール、可塑化剤
としてミリスチン酸イソプロピルを、粘着剤Aの不揮発
分82重量%に対してそれぞれ3重量%、15重量%の
比となるようにとり、酢酸エチルを加えて不揮発分25
重量%に調製し、ディゾルバーで均一に攪拌混練して、
粘着剤組成物を作製した。次いで、離型PETフィルム
の離型処理面に上記粘着剤組成物を乾燥後の厚みが80
μmとなるようにナイフコーターで塗工し、60℃で3
0分間乾燥して、粘着剤層を形成した後、この粘着剤層
をPET/EVAラミネートフィルムのPET面に積層
して貼付剤を製造した。 【0039】(実施例2)粘着剤B溶液を適量とり、皮
膚刺激低減化剤としてミリスチン酸、薬物として硝酸イ
ソソルビドを、粘着剤Bの不揮発分80重量%に対して
それぞれ5重量%、15重量%の比となるようにとり、
酢酸エチルを加えて不揮発分25重量%に調製し、ディ
ゾルバーで均一に攪拌混練して、粘着剤組成物を作製し
た。この粘着剤組成物を使用した他は、実施例1と同様
に操作して貼付剤を製造した。 【0040】(比較例1)ミリスチルアルコールを添加
せず、粘着剤Aの不揮発分85重量%に対してミリスチ
ン酸イソプロピルを15重量%の比となるようにしたこ
との他は、実施例1と同様に操作して貼付剤を製造し
た。 【0041】(比較例2)ミリスチン酸を添加せず、吸
収促進剤としてラウリン酸ジエタノールアミドを用い、
粘着剤Bの不揮発分83重量%に対してラウリン酸ジエ
タノールアミドを2重量%、硝酸イソソルビドを15重
量%の比となるようにしたことの他は、実施例2と同様
に操作して貼付剤を製造した。 【0042】(比較例3)ミリスチン酸を添加せず、酸
化亜鉛を用い、粘着剤Bの不揮発分80重量%に対して
酸化亜鉛を5重量%、硝酸イソソルビドを15重量%の
比となるようにしたことの他は、実施例2と同様に操作
して貼付剤を製造した。 【0043】性能評価 上記実施例1,2及び比較例1〜3の貼付剤について、
15×50mmの大きさに切断したサンプルを用いて以
下の方法で性能を評価した。 粘着力(ステンレス板に対する180度引き剥がし粘
着力試験)の測定:JIS Z 0237に準拠して測
定した。 剥離力(12時間以上皮膚に貼付した後の180度引
き剥がし粘着力)の測定:予めバリカン、シェーバーに
て剃毛したラット(Wistar系,雄,14週齢)の
腹部皮膚に、サンプルを正中線と平行に貼付した。貼付
24時間後、上記ラットをペントバルビタール麻酔状態
(腹腔内投与)で平板に固定し、上記サンプルを剥離角
度180度、剥離速度300mm/minの条件で、頭
から尾の方向へ向かって剥離した。そして、貼付面の長
さ方向45mm(サンプルの長さ50mmのうち、5m
mをつかみ部として予め皮膚に接着しないようにつかみ
用のフィルム等と接着しておく)について剥離開始部か
ら15,25,35mmの位置での荷重を記録し、その
平均値を求めた。 【0044】角質剥離面積率の測定:上記の剥離力
測定で用いた、剥離後のサンプルを染料(ゲンチアナバ
イオレット1.0重量%,ブリリアントグリーン0.5
重量%,蒸留水98.5重量%からなる溶液)で一晩染
色し、次いで充分に水洗した。そして、画像解析装置を
用いて角質細胞剥離面積率を3視野で計測し、平均値を
算出した。 剥がれの面積率の測定:上記の剥離力測定の直前
に、サンプルが貼付中に自然に剥離していた面積を目視
で判定し、剥離面積の割合を10%刻みで判定した。 皮膚刺激性の測定:上記の剥離力測定で用いた皮膚
について、サンプルの剥離直後と24時間後にそれぞれ
評価した。評価基準はドレイズ法〔Draiz法(19
59年FDA,1973年Federal Regis
ter)〕に従って下記の基準で評価した。 紅斑生成の判断基準 紅斑なし 0 非常に軽度の紅斑(やっと認められる程度) 1 明らかな紅斑 2 中等度ないし強い紅斑 3 深赤色の強い紅班に軽い痂皮形成 4 【0045】更に、上記実施例2及び比較例2,3の貼
付剤について、15×15mmの大きさに切断したサン
プルを用いて以下の性能を評価した。 薬物移行量:予めバリカン、シェーバーにて剃毛した
ラット(Wistar系,雄,14週齢)の腹部皮膚
に、サンプルを貼付した。24時間後にサンプルを剥離
し、メタノールに浸漬した後HPLCにより薬物の残存
量を測定し、皮膚移行量を算出した。 【0046】以上〜の評価結果を表1に示した。 【0047】 【表1】 【0048】 【発明の効果】本発明の貼付剤は、上記の構成を有する
ので、皮膚への適用時に剥がれ落ちることのない程度の
粘着性を保ちながら、剥離に際しては皮膚刺激を抑える
ことができる。従って、本発明の貼付剤は、例えば、創
傷面の治療、保護のためのガーゼや包帯等の固定用とし
て用いられる絆創膏や、粘着剤層に薬物を含有させた場
合には体内に薬物を吸収させるために用いられるテープ
製剤などとして最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA72 BB31 CC11 DD37 DD45 EE10 EE12 EE13 EE49 4J004 AA05 AA10 AA11 AA14 AB01 CA04 CA05 CA06 CB01 CB02 CB03 CC03 EA06 FA09 4J040 BA172 BA202 CA011 DF041 DF051 DM011 DN032 DN072 EK031 GA05 JB09 KA26 LA06 MA03 MA09 MA10 MA11 MA15 MB02 MB03 NA02 PA23

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体の片面に粘着剤層が形成されてな
    る貼付剤であって、上記粘着剤層は、粘着剤20〜9
    9.5重量%及び皮膚刺激低減化剤0.5〜30重量%
    が含有されてなり、(1)JIS Z 0237に準拠
    して測定される、ステンレス板に対する180度引き剥
    がし粘着力が1.4N/10mm以上、(2)12時間
    以上皮膚に貼付した後の180度引き剥がし粘着力が
    0.7N/10mm以下、(3)12時間以上皮膚に貼
    付した後に、引き剥がした際の角質剥離面積率が70%
    以上であることを特徴とする貼付剤。
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