JP2003081807A - メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤及びそれを含有する化粧料

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JP2003081807A
JP2003081807A JP2001275903A JP2001275903A JP2003081807A JP 2003081807 A JP2003081807 A JP 2003081807A JP 2001275903 A JP2001275903 A JP 2001275903A JP 2001275903 A JP2001275903 A JP 2001275903A JP 2003081807 A JP2003081807 A JP 2003081807A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炎症を伴った色素異常やソバカスなどの色素異
常に対して有効な予防或いは改善手段を提供することを
課題とする。 【解決手段】メラノサイトのデンドライドの伸長の抑制
作用を有するのに優れたキク科(Compositae)のトウキ
ンセンカ(Calendula officinalis L.)のエッセンス、
好ましくは花蕾、葉、茎のエッセンスを化粧料などの皮
膚外用剤へ含有させることにより、メラノサイトとマク
ロファージが関与する皮膚黒化現象対応用の優れた美白
化粧料が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メラノサイトのデ
ンドライト伸長抑制剤及び化粧料などの皮膚外用剤に関
し、更に詳細には、美白用の化粧料として好適な、メラ
ノサイトのデンドライト伸長抑制剤により、メラノサイ
トとマクロファージの相互作用を抑制するのに好適な、
メラノサイトとマクロファージが関与する皮膚現象対応
用の皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】メラノサイトは動物において、色素に係
わる生命現象の主役となっていることは既に知られてい
ることであるが、かかる色素であるメラニンがメラノサ
イトで産生され、どの様な経緯で表皮細胞に移動してい
くかについては、未だ詳細には知られておらず、かかる
メラニン顆粒の移動には、マクロファージが関与してい
る場合が少なくないことのみが知られているにすぎな
い。かかるマクロファージの関与については、メラノサ
イトのデンドライトの伸長因子(DEF)を産生するこ
とにより為されていることが指摘されているが、この様
な伸長因子の働きを抑制する試みや、抑制することによ
りメラノサイトのデンドライトの伸長を抑制すること、
該デンドライトの伸長抑制により、メラニン顆粒の移動
を抑制し、皮膚が黒化するのを防ぐ試みは全く為されて
いない。更に、キク科(Compositae)のトウキンセンカ
(Calendula officinalis L.)のエッセンス、好ましく
は頭花のエッセンスにこの様なメラノサイトの伸長抑制
作用が有ることも全く知られていない。
【0003】他方、メラノサイトによって産生されるメ
ラニン顆粒の異常によって生じる色素異常の解決は、美
しい白い肌を具現化するための人類永年の解決課題であ
り、この為、種々の努力が為され、多くの成果が得られ
てきており、そのメカニズムについても様々なものが得
られているが、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制
に着目したものはなく、この様なメカニズムにより、光
の関与する色素異常であって、炎症を伴う色素異常症の
予防や改善などの対応に有用であることは全く知られて
いない。又、炎症を伴った色素異常やソバカスなどの色
素異常に対して、従来良く知られているアスコルビン酸
などのメラニン生成阻害剤の効果が今ひとつであり、こ
の様な色素異常の予防或いは改善手段の開発が望まれて
いた。
【0004】更に、キク科(Compositae)のトウキンセ
ンカ(Calendula officinalis L.)のエキスは、精油、
苦味質、樹脂、カレンデュリンと称するゴム質を含み、
芳香性苦味薬として用いられ、外傷にも利用される。
又、頭花の乾燥したものが駆風、興奮剤として使われ、
健胃、駆虫薬などの民間薬にされた。若芽や葉は、食用
になり、飼料にも使われた。しかしながら、このエッセ
ンスが、メラノサイトのデンドライト伸長を抑制する作
用を有していることは全く知られておらず、従って、こ
のものを含有する化粧料などの皮膚外用剤がメラノサイ
トのデンドライト伸長を抑制し、以て、色素異常、取り
分け、光が関与し、炎症を伴って起こる色素異常の予防
と改善に有用であることは全く知られていないことであ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況下為されたものであり、皮膚の美白に好適な、取り分
け、炎症を伴った色素異常やソバカスなどの色素異常に
対して有効な予防或いは改善手段として好適な皮膚外用
剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者ら
は、炎症を伴った色素異常やソバカスなどの色素異常に
対して有効な予防或いは改善手段を求めて、鋭意研究を
重ねた結果、キク科(Compositae)のトウキンセンカ
(Calendula officinalis L.)のエッセンスは、に優れ
たメラノサイトのデンドライトの伸長抑制作用を見出
し、かかる作用を有する物質を皮膚外用剤に含有させる
ことにより、この様な皮膚外用剤により、炎症を伴った
色素異常やソバカスなどの色素異常の予防・改善に有用
であることを見出し、発明を完成させるに至った。即
ち、本発明は次に示す技術に関するものである。 (1) キク科(Compositae)のキンセンカ属植物(Ca
lendula)のエッセンスからなる、メラノサイトの伸長
抑制剤。 (2) キンセンカ属植物(Calendula)がトウキンセ
ンカ(Calendula officinalis L.)であることを特徴と
する、(1)に記載のメラノサイトの伸長抑制剤。 (3) エッセンスが頭花の極性溶媒による抽出物であ
ることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のメラノ
サイトのデンドライトの伸長抑制剤。 (4) デンドライトの伸長抑制が、マクロファージ由
来のデンドライト伸長促進因子の抑制作用に起因するこ
とを特徴とする、(1)〜(3)の何れか一に記載のメ
ラノサイトの伸長抑制剤。 (5) (1)〜(4)の何れか一に記載のメラノサイ
トの伸長抑制剤を含有することを特徴とする、メラノサ
イトとマクロファージが関与する皮膚現象対応用の皮膚
外用剤。 (6) 化粧料であることを特徴とする、(5)に記載
のメラノサイトとマクロファージが関与する皮膚現象対
応用の皮膚外用剤。 (7) メラノサイトとマクロファージが関与する皮膚
現象が、光による炎症を伴った、皮膚の黒化現象或いは
ソバカスである、(5)又は(6)に記載のメラノサイ
トとマクロファージが関与する皮膚現象対応用の皮膚外
用剤。 (8) キク科(Compositae)のトウキンセンカ(Cale
ndula officinalisL.)のエッセンスを含有する、美白
用の化粧料。 (9) キク科(Compositae)のトウキンセンカ(Cale
ndula officinalisL.)のエッセンスが頭花の極性溶剤
抽出物であることを特徴とする、(8)に記載の美白用
の化粧料。 (10) 美白作用がメラノサイトに於けるデンドライ
トの伸長抑制作用をメカニズムとすることを特徴とす
る、(8)又は(9)に記載の美白用の化粧料。 以下、本発明について、実施の形態を中心に詳細に説明
を加える。
【0007】
【発明の実施の形態】(1)本発明のメラノサイトのデ
ンドライトの伸長抑制剤 本発明のメラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤は、
キク科(Compositae)のキンセンカ属植物(Calendul
a)のエッセンスからなる。キンセンカ属植物(Calendu
la)には、トウキンセンカ(Calendula officinalis
L.)、キンセンソウ(Calendula arvensis L.)等があ
り、本発明のデンドライトの伸長を抑制する物質は何れ
にも含まれている。従って、本発明のエッセンスとして
はこれら両植物の何れもが使用できる。しかし、中でも
メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤のエキスを抽
出するのには、トウキンセンカ(Calendula officinali
s L.)を用いるのが好ましい。これは、メラノサイトの
デンドライトの伸長抑制物質が多く含まれているからで
ある。ここで、エッセンスとは、かかる植物の植物体そ
れ自身、植物体を乾燥或いは細切、粉砕など加工した加
工物、植物体乃至はその加工物を溶媒で抽出した抽出
物、抽出物の溶媒を除去した、溶媒除去物、抽出物乃至
はその溶媒除去物をカラムクロマトグラフィーや液液抽
出で精製した精製分画物などの総称を意味する。尚、エ
ッセンスは、植物体の全草から抽出することができる。
これらの内、本発明のメラノサイトのデンドライトの伸
長抑制剤としては、キンセンカ属植物(Calendula)の
場合は、頭花の溶媒抽出物乃至はその溶媒除去物が好ま
しく例示でき、かかる溶媒としては、極性溶媒が特に好
ましく例示できる。この様な極性溶媒としては、例え
ば、水、エタノール、メタノール、1,3−ブタンジオ
ール、プロピレングリコールなどのアルコール類、酢酸
エチルや蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチ
ルエチルケトンなどのケトン類、クロロホルムや塩化メ
チレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等の
ニトリル類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランな
どのエーテル類から選ばれる1種乃至は2種以上が好ま
しく例示できる。これらの内、特に好ましいものは、水
乃至はアルコールである。この様な抽出物を作成するに
は、植物体乃至はその加工物に1〜10倍量の溶媒を加
え、室温であれば数日、沸点付近の温度であれば数時間
浸漬すればよい。しかる後に、不溶物を濾過などで除去
し、必要に応じて減圧濃縮や凍結乾燥により溶媒除去す
ることが出来る。キク科(Compositae)のトウキンセン
カ(Calendula officinalis L.)の頭花の場合、各部分
を50%エタノール抽出後、濾過紙、減圧濃縮する、そ
して場合によって凍結乾燥するのがエッセンスとして特
に好ましい。それは、頭花の部分がメラノサイトのデン
ドライドの伸長抑制成分が多く含まれており、特に好ま
しいからである。かくして得られた、本発明のメラノサ
イトのデンドライトの伸長抑制剤である、キク科(Comp
ositae)のトウキンセンカ(Calendula officinalis
L.)の頭花のエッセンスは、メラノサイトがデンドライ
トを伸長するのを抑制する作用に優れ、以て、メラノサ
イトより皮膚組織へメラニン顆粒が移動するのを抑制
し、この様なメラニン顆粒の移動をメカニズムとする、
光照射時に生じる、炎症を伴った黒化やソバカスなどの
色素異常を予防或いは改善する作用を有する。この様な
作用は、マクロファージが放出するメラノサイトのデン
ドライトの伸長因子がメラノサイトに働きかけるのを阻
害することを機序としていると考えられる。勿論、色素
異常が、メラニン顆粒の産生にあたってこの様なルート
をとることから、本発明のメラノサイトのデンドライト
伸長抑制剤は、光照射による炎症を伴った黒化やソバカ
ス以外の色素異常も抑制するが、この様な色素異常は他
の手段でも予防や改善が可能であるため、本発明の効果
の特徴は前記の光照射時に生じる、炎症を伴った黒化や
ソバカスなどの色素異常を予防或いは改善する作用と言
える。又、この様なエッセンスにはチロシナーゼ活性阻
害やメラニン産生阻害作用を有する物質も含まれている
ため、この様な作用を目的として美白用の化粧料に含有
させることも出来る。この様な作用は、前記本発明のデ
ンドライト伸長抑制作用と相乗的或いは相加的に働くた
め、これらエッセンスを化粧料に含有させて、美白用の
化粧料とすることも本発明の技術的範囲に属する。
【0008】(2)本発明のメラノサイトとマクロファ
ージが関与する皮膚現象対応用の皮膚外用剤 本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤は、マ
クロファージが放出するメラノサイトのデンドライトの
伸長因子がメラノサイトに働きかけるのを阻害すること
を機序としているので、メラノサイトとマクロファージ
とが協調的に働く生命現象を抑制することが出来、この
様なメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤を、皮膚外
用剤に含有させることにより、メラノサイトとマクロフ
ァージが関与する皮膚現象へ対応する事が出来る。即
ち、本発明の皮膚外用剤は、メラノサイトとマクロファ
ージが関与する皮膚現象対応用であって、本発明のメラ
ノサイトのデンドライト伸長抑制剤を含有することを特
徴とする。ここで、本発明で言う皮膚外用剤とは、皮膚
に外用で適用される組成物の総称であって、貼付剤を含
む皮膚外用医薬や洗浄剤を含む化粧料が好ましく例示で
き、これらの内では、化粧料であることが特に好まし
い。これは、本発明のメラノサイトのデンドライト伸長
抑制剤の安全性が高く、作用が穏やかであるためであ
る。メラノサイトとマクロファージが関与する皮膚現象
としては、特に好ましくは前述の光照射による炎症を伴
った黒化やソバカスなどの色素異常がまず一番重要な課
題として挙げられるが、その他炎症反応なども含まれ
る。本発明のメラノサイトとマクロファージが関与する
皮膚現象対応用の皮膚外用剤に於ける、メラノサイトの
デンドライト伸長抑制剤の好ましい含有量は、皮膚外用
剤全量に対して、0.001重量%〜10重量%であ
り、更に好ましくは0.01重量%〜5重量%である。
これは、少なすぎるとデンドライトの伸長抑制作用が発
揮されない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり
他の処方成分の自由度を損なうことがあるからである。
【0009】本発明のメラノサイトとマクロファージが
関与する皮膚現象対応用の皮膚外用剤は、抗炎症剤とし
て知られる、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、デキ
サメタゾン、インドメタシン、ジクロフェナックナトリ
ウム等を配合させれば相乗効果により日光による炎症を
伴う黒化症に有意義である。また、上記必須成分以外
に、通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される任意の成分
を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例
えば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワ
ックス等の炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワック
ス,オレイン酸オクチルドデシル等のエステル類、オリ
ーブ油、牛脂、椰子油等のトリグリセライド類、ステア
リン酸、オレイン酸、リチノレイン酸等の脂肪酸、オレ
イルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデ
カノール等の高級アルコール、スルホコハク酸エステル
やポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニ
オン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活
性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活
性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセ
ライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレング
リコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多
価アルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を含有することができ
る。勿論、従来のメラニン産生抑制剤である、アスコル
ビン酸類やアルブチンなどのハイドロキノン類を含有す
ることも相乗的な効果を発揮する場合があり、有利であ
る。
【0010】
【実施例】以下に実施例を挙げて更に詳細に本発明につ
いて説明を加えるが、本発明がこれら実施例にのみ、限
定を受けないことは言うまでもない。
【0011】<実施例1>キク科(Compositae)のトウ
キンセンカ(Calendula officinalis L.)の頭花のエッ
センスは、頭花500gに5lの50%エタノールを加
え、攪拌しながら一週間、室温で抽出し、濾過して不溶
物を取り除き、更に減圧濃縮をして、その後、凍結乾燥
した。そして、本発明のメラノサイトのデンドライト伸
長抑制剤であるトウキンセンカのエッセンス1を得た。
【0012】<実施例2>キク科(Compositae)のトウ
キンセンカ(Calendula officinalis L.)の頭花のエッ
センスは、頭花500gに5lの50%エタノールを加
え、攪拌しながら2時間、90℃で加熱し、室温まで冷
却した後、濾過して不溶物を取り除き、更に減圧濃縮を
して、その後、凍結乾燥した。そして、本発明のメラノ
サイトのデンドライト伸長抑制剤であるトウキンセンカ
のエッセンス2を得た。
【0013】<実施例3>キク科(Compositae)のトウ
キンセンカ(Calendula officinalis L.)の頭花のエッ
センスは、頭花500gに5lの50%メタノールを加
え、攪拌しながら2時間、90℃で加熱し、室温まで冷
却した後、濾過して不溶物を取り除き、更に減圧濃縮を
して、その後、凍結乾燥した。そして、本発明のメラノ
サイトのデンドライト伸長抑制剤であるトウキンセンカ
のエッセンス3を得た。
【0014】<実施例4>上記実施例1、2、3のメラ
ノサイトのデンドライト伸長抑制剤を用いて、デンドラ
イト伸長抑制作用を調べた。即ち、予め常法に従い、マ
ウス腹腔より、マクロファージを回収し、10%FBS
加イーグルの最少培地で希釈し、2×106セル/ml
の濃度のマクロファージ液を調製しておいた。このもの
を90μlずつ35mmシャーレに分注し、これに0.
05mW/cm2で20分間の紫外線照射を行った。こ
れらのメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤であるト
ウキンセンカのエッセンス1、2及び3を乾燥重量%で
0.005%となるようDMSOに溶かして加え37℃
で1晩培養した。又、他方マウスの尾を切り、尾の表皮
を細かく刻みシャーレに入れ0.5%トリプシンにて3
7℃で一晩処理し、ピンセットを用いて、表皮と真皮に
分離し、表皮のみを回収し、0.5%トリプシンにて3
7℃で20分間処理し、フィルター濾過でメラノサイト
のみを濾液として集めた。このメラノサイトを含む濾液
を、イーグルの最少培地に10%FBS、10-4MのI
BMX及び10ng/mlのTPAを加えた培地で、3
7℃、48時間培養した。これを同培地で懸濁させ、9
6穴ウェルに1000セル/ウェルずつ分注し、37℃
で一晩培養した。メラノサイトの培地を捨て、PBSで
3回洗浄した後、10%FBS加イーグルの最少培地3
5μlに置換した。これに前記検体を含むマクロファー
ジの培養上清35μlずつ添加し、37℃で二晩培養
し、光学顕微鏡下写真撮影を行い、この写真よりデンド
ライトの長さを測定した。結果を表1に示す。これよ
り、本発明のメラノサイトのデンドライト伸長抑制剤で
あるトウキンセンカのエッセンス1,2及び3によるデ
ンドライト伸長の抑制作用に優れることが分かる。 (検体) 1)UV照射+メラノサイトのデンドライト伸長抑制剤
であるトウキンセンカのエッセンス1,2及び3のDM
SO溶液(0.005%) 2)UV照射のみ(ポジティブコントロール) 3)UV非照射のみ(ネガティブコントロール)
【0015】
【表1】
【0016】<実施例5>以下に示す処方で化粧水を作
成した。即ち、処方成分を室温で攪拌可溶化して化粧水
を得た。この化粧水について、シミ、そばかすに悩むパ
ネラー1群3名を用いて、1ヶ月間、朝晩1日2回使用して
もらいそのシミ、そばかすの予防及び改善効果を評価し
てもらった。評価基準は、評点2:著しい改善、評点1:
明らかな改善、評点0.5:わずかな改善、評点0:改善な
しの基準である。平均評点は0.91であった。本発明
のメラノサイトのデンドライドの伸長抑制効果のあるト
ウキンセンカのエッセンス1を含有する化粧水は、シ
ミ、そばかすの改善に効果のあることが認められた。 実施例1のトウキンセンカのエッセンス1
1.0 重量部 1,3ブタンジオール
5.0 重量部 グリセリン
3.0 重量部 クエン酸ナトリウム
0.1重量部 メチルパラベン
0.2重量部 エタノール
8重量部 水
82.7 重量部
【0017】<実施例6>以下に示す処方で化粧水を作
成した。即ち、処方成分を室温で攪拌可溶化して化粧水
を得た。この化粧水について、シミ、そばかすに悩むパ
ネラー1群3名を用いて、1ヶ月間、朝晩1日2回使用して
もらいそのシミ、そばかすの予防及び改善効果を評価し
てもらった。評価基準は、評点2:著しい改善、評点1:
明らかな改善、評点0.5:わずかな改善、評点0:改善な
しの基準である。平均評点は0.86であった。本発明
のメラノサイトのデンドライドの伸長抑制効果のあるト
ウキンセンカのエッセンス2を含有する化粧水は、シ
ミ、そばかすの改善に効果のあることが認められた。 実施例2のトウキンセンカのエッセンス2
1 重量部 1,3ブタンジオール 5 重量部 グリセリン 3 重量部 クエン酸ナトリウム 0.1 重量部 メチルパラベン
0.2 重量部 エタノール 8 重量部 水
82.7 重量部
【0018】<実施例7>下記に示す処方に従って、皮
膚外用医薬組成物を作成した。即ち、処方成分を攪拌分
散して、皮膚外用剤を得た。このものは光による炎症を
伴った、光による皮膚の黒化現象或いはソバカスに対し
て著効を示した。 実施例3のトウキンセンカのエッセンス3
0.5重量部 プレドニゾロン 1 重量部 ワセリン 85 重量部
【0019】<実施例8>以下に示す処方に従ってクリ
ームを作製した。即ち、イ、ロ、ハをそれぞれ80℃に
加熱溶解して、イにロを徐々に加え、更にハを加え乳化
した後、ホモミキサーにより乳化粒子を均一化し、冷却
してクリームを得た。このクリームは、炎症を伴うそば
かす等の予防改善に優れた効果があった。 イ) スクワラン 10 重量部 セタノール 3 重量部 ソルビタンセスキステアレート
2重量部 ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル
2重量部 ビタミンA酸 1 重量部 ロ) 1,3−ブタンジオール
5 重量部 実施例1のトウキンセンカのエッセンス1
1 重量部 カルボキシビニルポリマー
0.3 重量部 水
40 重量部 ハ) 水 37.3 重量部 水酸化カリウム
0.2 重量部
【0020】<実施例9>下記に示す処方に従って、皮
膚外用医薬組成物を作成した。即ち、処方成分を攪拌分
散して、皮膚外用剤を得た。このものは光による炎症を
伴った、光による皮膚の黒化現象或いはソバカスに対し
て著効を示した。 実施例2のトウキンセンカのエッセンス2
0.5重量部 デキサメタゾン 1 重量部 ワセリン 85 重量部
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、炎症を伴った色素異常
やソバカスなどの色素異常に対して有効な予防或いは改
善手段を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 35/78 A61K 35/78 T A61P 17/00 A61P 17/00 43/00 105 43/00 105 (72)発明者 西川 和子 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社ポーラ戸塚研究所内 (72)発明者 鈴木 聡 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社ポーラ戸塚研究所内 (72)発明者 斉藤 優子 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社ポーラ戸塚研究所内 Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AB032 AC022 AC072 AC102 AC122 AC182 AC302 AC442 AC482 AD092 AD622 BB51 CC04 CC05 DD22 DD23 DD27 DD31 EE06 EE10 EE12 EE13 EE16 FF05 4C088 AB26 AC03 BA10 CA06 CA08 CA11 MA02 MA17 MA28 MA63 NA14 ZA89 ZB21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キク科(Compositae)のキンセンカ属植
    物(Calendula)のエッセンスからなる、メラノサイト
    の伸長抑制剤。
  2. 【請求項2】 キンセンカ属植物(Calendula)がトウ
    キンセンカ(Calendula officinalis L.)であることを
    特徴とする、請求項1に記載のメラノサイトの伸長抑制
    剤。
  3. 【請求項3】 エッセンスが頭花の極性溶媒による抽出
    物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のメ
    ラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤。
  4. 【請求項4】 デンドライトの伸長抑制が、マクロファ
    ージ由来のデンドライト伸長促進因子の抑制作用に起因
    することを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記
    載のメラノサイトの伸長抑制剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項に記載のメラ
    ノサイトの伸長抑制剤を含有することを特徴とする、メ
    ラノサイトとマクロファージが関与する皮膚現象対応用
    の皮膚外用剤。
  6. 【請求項6】 化粧料であることを特徴とする、請求項
    5に記載のメラノサイトとマクロファージが関与する皮
    膚現象対応用の皮膚外用剤。
  7. 【請求項7】 メラノサイトとマクロファージが関与す
    る皮膚現象が、光による炎症を伴った、皮膚の黒化現象
    或いはソバカスである、請求項5又は6に記載のメラノ
    サイトとマクロファージが関与する皮膚現象対応用の皮
    膚外用剤。
  8. 【請求項8】 キク科(Compositae)のトウキンセンカ
    (Calendula officinalis L.)のエッセンスを含有す
    る、美白用の化粧料。
  9. 【請求項9】 キク科(Compositae)のトウキンセンカ
    (Calendula officinalis L.)のエッセンスが頭花の極
    性溶剤抽出物であることを特徴とする、請求項8に記載
    の美白用の化粧料。
  10. 【請求項10】 美白作用がメラノサイトに於けるデン
    ドライトの伸長抑制作用をメカニズムとすることを特徴
    とする、請求項8又は9に記載の美白用の化粧料。
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