JP2003080700A

JP2003080700A - インクヘッド

Info

Publication number: JP2003080700A
Application number: JP2001276922A
Authority: JP
Inventors: Motoharu Miki; 基晴三木; Kaoru Horie; かおる堀江; Masanobu Shimizu; 正信清水
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 2001-09-12
Filing date: 2001-09-12
Publication date: 2003-03-19

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明の目的は、各インク室に複数のノズル
を形成した際に、前記各ノズルの加工精度にばらつきが
あった場合においても、各ノズルを隣接するノズルと互
いに所定の間隔をあけて離間するとともに、側壁からも
離間するように配置し得るインクヘッドを提供すること
である。【解決手段】インクヘッド１０は、複数のインク室２
０と、ノズルプレート３０と、吐出エネルギー発生素子
４０とを有している。各インク室２０は、４つの側壁２
１により規定されており、両端に開口を有している。前
記２つの開口の一方には、ノズルプレート３０が配置さ
れている。ノズルプレート３０は、各インク室２０中に
連通している複数のノズル３１を有している。ノズル３
１は、ノズルプレート３０において背面側の開口である
背面開口３２と、前面側の開口である前面開口３３とを
有している。背面開口３２は、楕円形状を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタに取り付けられているインクヘッドに関してお
り、特に、各インク室に対して複数のノズルが設けられ
ているインクヘッドに関している。

【０００２】

【従来の技術】画像記録装置は種々のものが知られてい
るが、近年では比較的安価で小型であるという理由で、
インクジェット記録方式を採用したインクジェットプリ
ンタが広く使用されるようになっている。このような画
像記録装置は、インクを吐出するインクヘッドと、画像
が記録される記録媒体に対して相対的にインクヘッドを
移動させる移動機構と、前記インクヘッドに対して相対
的に前記記録媒体を移動させる搬送機構とを有してい
る。

【０００３】前記インクヘッドは、自身の長手方向に沿
って所定のピッチで離間されて配置されているインク室
と、前記インク室の記録媒体と対面する側の面（前面）
に配置されるノズルプレートと、を有している。

【０００４】前記ノズルプレートは、前記複数のインク
室の各々に連通しているノズルを提供している。

【０００５】前記各インク室は、例えばピエゾ素子のよ
うな、インク吐出時にインクに対して吐出に必要な力を
印加する公知の吐出エネルギー発生素子が配設されてお
り、前記ノズルから、インク滴を吐出し得るように構成
されている。

【０００６】上述の画像記録装置は、前記搬送機構の駆
動により、前記記録媒体を間欠搬送する。そして、この
画像記録装置は、前記間欠搬送において、前記記録媒体
が停止している間にインクヘッドを駆動させるととも
に、複数のノズルからインク滴の吐出をさせることで、
前記記録媒体上に所望の画像を形成するものである。

【０００７】近年、画像記録装置は、画像記録速度の高
速化や、記録密度の高密度化のために、各インク室に対
して複数のノズルが設けられているインクヘッドを有し
ているものがある。このような画像記録装置は、各イン
ク室に対して複数のノズルを設けているため、個々のイ
ンク室の間隔を狭くしてインク室の個数を増やすことな
く、吐出するインク滴の総数を増やすことが可能であ
る。従って、この画像記録装置は、高解像度の画像を記
録することが可能である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上述のような、各イン
ク室に対して複数のノズルを有しているインクヘッド
は、各インク室１２０において、各ノズル１３１が、理
想的には、図５（ａ）（ｂ）中に示すように、各々独立
して形成される。言い換えると、各ノズル１３１は、隣
接するノズル１３１と互いに所定の間隔をあけて離間す
るとともに、側壁１２１からも離間するように配置され
る。しかしながら、実際には、前記ノズルの加工精度に
ばらつきがあるため、図５中に示されるように各ノズル
１３１を上記理想的な配置にすることは、困難である。
具体的には、図６（ａ）、（ｂ）中に示すインクヘッド
１１０のように、各ノズル１３１は、隣接するノズル１
３１と意図せず接近してしまい、自身のインク室側の開
口である背面開口の一部分と、隣接するノズル１３１の
前記背面開口の一部分とが、重なってしまうことがあ
る。また、各ノズル１３１は、図７（ａ）、（ｂ）中に
示すように、前記背面開口の一部分が、側壁１２１と重
なってしまう場合もある。これらのように、各ノズル１
３１は、図６（ｂ）並びに図７（ｂ）中に示すように、
他のノズルや側壁と重なり、独立して形成されない場
合、吐出したインク滴８０の直進性が失われ、インク滴
８０を所望の着弾位置に着弾させない可能性を有してし
まう。

【０００９】本発明の目的は、上記課題を鑑みて、各イ
ンク室に複数のノズルを形成した際に、前記各ノズルの
加工精度にばらつきがあった場合においても、各ノズル
を隣接するノズルと互いに所定の間隔をあけて離間する
とともに、側壁からも離間するように配置し得るインク
ヘッドを提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明のインクヘッドは、下記の如く
構成されている。

【００１１】本発明のインクヘッドは、所定間隔で配列
されたインク室と、前記インク室に設けられ、インク室
内のインクに吐出エネルギーを印加する吐出エネルギー
発生素子と、前記インク室と連通するように前記インク
室毎に複数形成されるノズルと、を有し、前記インク室
内のインクに吐出エネルギーを印加し、インクを複数ノ
ズルから吐出するインクヘッドにおいて、前記複数のノ
ズルは、前記インク室に対面する側の開口である背面開
口が、楕円状に形成されているとともに、この楕円状の
背面開口の短軸方向が互いに平行となるように配置され
ている。

【００１２】上記構成により、各ノズルは、前記背面開
口を同じインク室に配置された他のノズルと短軸の方向
（短軸方向）が一致するように楕円形状に形成される。
従って、各ノズルは、前記短軸方向が長軸に沿った方向
より寸法が小さいため、短軸方向において、前記各ノズ
ルの加工精度にばらつきがあった場合においても、各ノ
ズルが隣接するノズル及び側壁と重なることを防止し得
る。従って、このインクヘッドは、各ノズルを隣接する
ノズルと互いに所定の間隔をあけて離間するとともに、
側壁１２１からも離間するように配置し得る。

【００１３】また、前記インク室は、２組の対向し合う
側壁対を有し、当該２組の側壁対のうち、一方の側壁対
が他方の側壁対に対して側壁間隔が狭くなるように構成
されており、前記複数のノズルは、前記背面開口の短軸
方向が、前記一方の側壁対の側壁の配列方向と一致する
ように配列され得る。

【００１４】上記構成により、複数のノズルは、自身の
短軸方向と前記間隔が狭い側壁対の配列方向とが一致す
るようにインク室に配置される。このため、各ノズル
は、前記狭い側壁対の間においても、各ノズルが隣接す
るノズル及び側壁と重なることが防止され得る。

【００１５】また、前記複数のノズルの各々は、互いに
隣接するノズルに対して、前記一方の側壁対の側壁の配
列方向及び前記他方の側壁対の側壁の配列方向のそれぞ
れにずれているように配列され得る。

【００１６】上記構成により、前記各ノズルは、隣接す
るノズルに対して、前記一方の側壁対の側壁の配列方向
及び前記他方の側壁対の側壁の配列方向に各々ずれてい
るように配置される。このため、各ノズルは、上記両方
向において隣接するノズルと重なる可能性をさらに低減
し得るとともに、側壁と重なる可能性をさらに低減し得
る。

【００１７】また、前記複数のノズルは、前記背面開口
と、この背面開口と反対側の前面開口とが、互いの短軸
と長軸との方向が一致するような楕円状に形成され得
る。

【００１８】上記構成により、前記背面開口と前面開口
とが、楕円形状に形成される。このため、前記複数のノ
ズルは、前記背面開口と前面開口との形状が異なる場合
に比べて容易に形成され得る。

【００１９】また、本発明の他の態様のインクヘッド
は、所定間隔で配列されたインク室と、前記インク室に
設けられ、インク室内のインクに吐出エネルギーを印加
する吐出エネルギー発生素子と、前記インク室と連通す
るように前記インク室毎に複数形成されるノズルと、を
有し、前記インク室内のインクに吐出エネルギーを印加
し、インクを複数ノズルから吐出するインクヘッドにお
いて、前記インク室は、自身の長手方向に対して直交す
る断面の面積が、前記長手方向の中央よりも前記ノズル
近傍のほうが大きく形成されている。

【００２０】上記構成により、前記インク室は、自身の
長手方向に対して直交する断面の面積が、前記長手方向
の中央よりも前記ノズル近傍ほうが大きく形成されてい
る。このため、各ノズルは、前記前記ノズル近傍の面積
が大きくされていない場合に比べて、隣接するノズルと
の距離、及び側壁との距離を大きくとることが出来る。
従って、このインクヘッドは、各インク室に複数のノズ
ルを形成した際に、前記各ノズルの加工精度にばらつき
があった場合においても、各ノズルを隣接するノズルに
対して所定の間隔をあけて離間させ得るとともに、側壁
に対しても離間され得るように配置し得る。

【００２１】また、前記インク室は、４つの側壁を有し
ており、前記４つの側壁の少なくとも１つは、ノズル側
の近傍部が他の部分に対して壁厚が薄く形成され得る。

【００２２】上記構成により、前記インク室の側壁の少
なくとも１つは、前記ノズル側において壁厚が薄く形成
される。このため、前記インク室は、自身の長手方向に
対して直交する断面において、ノズル近傍の面積をより
確実に大きく形成し得る。

【００２３】また、本発明の他の態様のインクヘッド
は、所定間隔で配列されたインク室と、前記インク室に
設けられ、インク室内のインクに吐出エネルギーを印加
する吐出エネルギー発生素子と、前記インク室と連通す
るように前記インク室毎に複数形成されるノズルと、を
有し、前記インク室内のインクに吐出エネルギーを印加
し、インクを複数ノズルから吐出するインクヘッドにお
いて、前記インク室は、４つの側壁を有しており、前記
４つの側壁は、ノズル方向から見た際に平行四辺形状に
なるように配置されており、前記複数のノズルは、前記
側壁により規定されている平行四辺形の２つの対角線の
うち、線分が長い方の対角線と略平行な方向に沿って配
置されている。

【００２４】上記構成により、前記側壁が、ノズル方向
から見た際に平行四辺形状になるように配置されるとと
もに、前記各ノズルが、この平行四辺形の前記長い方の
対角線と略平行な方向に沿って配置される。このため、
前記４つの側壁が、前記ノズル方向から見た際に、前記
平行四辺形と同面積を有するような長方形状を規定する
ように配置された場合に比べ、各ノズルの中心をつない
だ線分の長さを大きくとることが可能である。従って、
このインクヘッドは、各インク室に複数のノズルを形成
した際に、前記各ノズルの加工精度にばらつきがあった
場合においても、各ノズルを隣接するノズルと互いに所
定の間隔をあけて離間するとともに、側壁からも離間す
るように配置し得る。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。

【００２６】（第１の実施の形態）まず、本発明の第一
の実施の形態に従ったインクヘッド１０について、図１
（ａ）、（ｂ）を参照して説明する。図１（ａ）は、本
実施の形態に従ったインクヘッド１０の一部分を示す上
面図である。図１（ｂ）は、図１（ａ）の切断線Ｘ−Ｘ
に沿った断面図である。

【００２７】インクヘッド１０は、公知の画像記録装置
に搭載され、画像が記録される記録媒体に対して、主、
副走査方向に相対的に移動されるとともに、インクを噴
射することで画像の記録を行う。

【００２８】インクヘッド１０は、図１（ａ）中に示さ
れているように、複数のインク室２０と、ノズルプレー
ト３０と、吐出エネルギー発生素子４０とを有してい
る。

【００２９】複数のインク室２０は、所定のピッチでイ
ンクヘッド１０の長手方向に沿って設けられている。各
インク室２０は、４つの側壁２１により規定されてお
り、側壁２１の延伸方向に沿った両端に開口を有してい
る。前記２つの開口の一方は、画像記録時において、前
記記録媒体と対面する側に配置され、ノズルプレート３
０により覆われている。前記開口の他方は、インクが貯
蔵されているインクタンク（図示せず）に接続されてい
る底壁により覆われている。なお、本明細書中におい
て、ノズルプレート３０により覆われている前記開口
は、プレート側開口とする。

【００３０】４つの側壁２１は、インク室２０の配列方
向に沿って延びている側壁２１の組である側壁対２１ａ
と、この側壁対２１ａと交差する方向に延びている側壁
２１の組である側壁対２１ｂとの組に分けることが出来
る。側壁対２１ｂは、吐出エネルギー発生素子４０を有
している。側壁対２１ｂの間隔は、側壁対２１ａより狭
く構成されている。

【００３１】吐出エネルギー発生素子４０は、例えばピ
エゾ素子のような、インク噴射時にインクに対して噴射
に必要な力を印加する公知のエネルギー発生素子である
圧電駆動素子により構成されている。

【００３２】ノズルプレート３０は、平板状に形成され
ており、外気と接触する側の前面と、インク室２０と対
面する側の背面とを有している。また、ノズルプレート
３０は、全インク室２０の前記プレート側開口を覆い得
るように、インクヘッド１０の長手方向全体に渡って延
びている。さらに、ノズルプレート３０は、インク室２
０中のインクをインク滴として噴出させるために、各イ
ンク室２０中に連通している複数のノズル３１を有して
いる。より具体的には、ノズルプレート３０は、各イン
ク室２０毎に２つのノズル３１を提供している。複数の
ノズル３１は、インクが記録媒体に吐出される際の吐出
口である。

【００３３】ノズル３１は、ノズルプレート３０におい
て背面側の開口である背面開口３２と、前面側の開口で
ある前面開口３３とを有している。背面開口３２は、楕
円形状を有している。前面開口３３は、背面開口３２よ
り面積が小さく構成されており、背面開口３２と同心に
なるように配置されている。

【００３４】各インク室２０毎の２つのノズル３１は、
背面開口３２の短軸の方向（短軸方向）が、互いに平行
あるとともに、離間して配置されている。また、上記２
つのノズル３１は、短軸方向と直交する方向（長軸方
向）にずれるように配置されている。また、上記２つの
ノズル３１の短軸方向は、側壁対２１ｂの側壁の配列方
向（図面において左右方向）と平行にされている。

【００３５】上記構成に示すように、上記２つのノズル
３１は、背面開口３２が楕円形状に構成されている。こ
のため、この楕円形状の背面開口３２は、面積が同じ円
形で背面開口が構成された場合に比べて、短軸方向の寸
法が小さくなる。従って、２つのノズル３１の短軸方向
に沿った互いの間隔は、同じ面積を有する円形にされた
場合に比べて、大きくすることが可能である。また、各
ノズル３１と側壁２１との間隔も大きくとることが可能
である。

【００３６】また、上記構成に示すように、上記２つの
ノズル３１の短軸方向は、側壁対２１ｂの配列方向と一
致するようにインク室に配置されている。このため、各
ノズル３１は、前記狭い側壁対の間においても、各ノズ
ルが隣接するノズル及び側壁と重なることが防止され得
る。

【００３７】また、上記構成に示すように、上記２つの
ノズル３１は、短軸方向と長軸方向とにずれるように配
置されている。そして、２つのノズル３１は、上述のよ
うに楕円形状に構成されている。従って、２つのノズル
３１は、同じ面積を有する円形にされた場合に比べて、
短軸方向の寸法が小さく形成されている。このため、２
つのノズル３１は、上述のように背面開口３２が円形に
形成された場合に比べ、短軸方向並びに長軸方向に沿っ
て互いの間隔を大きくとることが可能である。即ち、２
つのノズル３１は、隣接するノズル及び側壁と重なるこ
とが防止され得る。

【００３８】従って、本実施の形態のインクヘッド１０
は、各インク室２０に複数のノズルを形成した際に、前
記各ノズルの加工精度にばらつきがあった場合において
も、各ノズルを隣接するノズルと互いに所定の間隔をあ
けて離間するとともに、側壁からも離間するように配置
し得る。

【００３９】また、本実施の形態の各ノズル３１は、前
面開口３３が円形に形成されているが、図２（ａ）中に
示されるように、下面の楕円の短軸並びに長軸向が一致
するような楕円形状に形成することも可能である。この
場合、各ノズルは、背面開口３２と前面開口３３との形
状が同じ為、容易に製造され得る。

【００４０】なお、２つのノズル３１は、所望の位置に
インク滴を吐出し得るならば、上記のように長軸方向に
沿って互いにずれた配置に限定されない。例えば、２つ
のノズル３１は、図２（ｂ）中のように、互いの短軸方
向が一直線状に配置することも可能である。この場合に
おいても、２つのノズル３１は、背面開口３２が楕円形
状に形成されているため、背面開口３２が円形に形成さ
れた場合に比べ、より互いの間隔を大きくすることが可
能である。

【００４１】また、本実施の形態の各ノズル３１は、前
面開口３３が円形に形成されているが、吐出されるイン
ク滴を所望の方向に吐出し得るならば形状において限定
されることはない。

【００４２】なお、本実施の形態において、インクヘッ
ド１０は、各インク室２０に対して２つのノズル３１を
有するように構成されているが、ノズル３１を３つ以上
有するように構成することも可能である。この場合にお
いても、各ノズル３１は、背面開口３２を楕円形状に構
成すると、この背面開口３２と面積が同じ円形で背面開
口が構成された場合に比べて、短軸方向の寸法が小さく
形成される。このため、複数のノズル３１は、上述のよ
うに背面開口３２が円形に形成された場合に比べ、より
隣接するノズル３１並びに側壁２１に対する間隔を大き
くすることが可能である。従って、本実施の形態のイン
クヘッド１０は、各インク室２０に複数のノズルを形成
した際に前記各ノズルの加工精度にばらつきがあった場
合においても、各ノズルを隣接するノズルと互いに所定
の間隔をあけて離間するとともに、側壁からも離間する
ように配置し得る。

【００４３】（第２の実施の形態）以下に、本発明の第
２の実施の形態に従ったインクヘッド１０を図３を参照
して説明する。なお、本実施の形態において、前述した
本発明の第１の実施の形態に従ったインクヘッド１０と
同じ構成部材は、このインクヘッド１０の同じ構成部材
を指摘した参照符号を使用して指摘し、詳細な説明は省
略する。図３は、本実施の形態に従ったインクヘッド１
０の一部分を示す拡大した断面図である。

【００４４】本実施の形態のインクヘッド１０は、第１
の実施の形態と側壁対２１ｂの構成が異なっている。本
実施の形態のインクヘッド１０は、図３中に示すよう
に、側壁対２１ｂが、ノズル近傍において、自身の長手
方向（図３中において上下方向）に沿った方向の中央よ
りも厚さが薄い薄肉部２２を有している。薄肉部２２
は、側壁対２１ｂの各側壁において、側壁対２１ｂの長
手方向と直交する方向（図３中において左右方向）の略
中央部に配置されている。即ち、薄肉部２２は、側壁対
２１ｂの各側壁の両側面に対して均等な距離だけへこむ
ように、薄く構成されている。薄肉部２２は、吐出エネ
ルギー発生素子４０が設けられておらず（例えばピエゾ
素子に対して電圧を印加するための電極が設けられてお
らず）、薄肉部２２以外の側壁対２１ｂの動作に従って
動かされる。

【００４５】上記構成により、インク室２０は、薄肉部
２２を有しているため、側壁対２１ｂの側壁の配列方向
に沿った最大の幅の寸法を変えることなく、ノズル近傍
の前記配列方向に沿った寸法を大きくすることが出来
る。言い換えると、インク室２０は、薄肉部２２を有し
ているため、自身の長手方向に対して直交する断面にお
いて、前記長手方向の中央の面積よりも前記ノズル近傍
の面積を大きく形成し得る。

【００４６】従って、本実施の形態のインクヘッド１０
は、各インク室２０に２つのノズル３１を形成した際に
前記各ノズル３１の加工精度にばらつきがあった場合に
おいても、各ノズルを隣接するノズルと互いに所定の間
隔をあけて離間するとともに、側壁からも離間するよう
に配置し得る。

【００４７】なお、本実施の形態のインクヘッド１０
は、側壁対２１ｂのみに薄肉部２２が設けられている
が、側壁対２１ａに薄肉部２２を設けることも可能であ
るし、側壁対２１ａ並びに２１ｂの両方に薄肉部２２を
設けることも可能である。この場合、インクヘッド１０
は、各ノズル３１が隣接するノズル３１と互いに接触す
る可能性がさらに低減するため、前記各ノズルの加工精
度にばらつきがあった場合においても、各ノズルを隣接
するノズルと互いに所定の間隔をあけて離間するととも
に、側壁からも離間するように配置し得る。

【００４８】また、本実施の形態で説明したように、側
壁対２１ｂは、好ましくは、両側壁が肉薄部２２を有す
るように構成されるが、片方のみが肉薄部２２を有する
ように構成されることも可能である。

【００４９】また、薄肉部２２は、側壁対２１ｂの各側
壁の他の部分に対して段差を有するように構成されてい
るが、前記他の部分から徐徐に薄くなるように構成する
ことも可能である。

【００５０】なお、本実施の形態において、インクヘッ
ド１０は、各インク室２０に対して２つのノズル３１を
有するように構成されているが、ノズル３１を３つ以上
有するように構成することも可能である。この場合にお
いても、ノズル近傍の前記面積は、薄肉部２２を有して
いない場合に比べ大きく出来る。このため、複数のノズ
ル３１は、薄肉部２２を有していない場合に比べ、より
隣接するノズル３１並びに側壁２１に対する間隔を大き
くすることが可能である。従って、本実施の形態のイン
クヘッド１０は、各インク室２０に複数のノズルを形成
した際に、前記各ノズルの加工精度にばらつきがあった
場合においても、各ノズルを隣接するノズルと互いに所
定の間隔をあけて離間するとともに、側壁からも離間す
るように配置し得る。

【００５１】（第３の実施の形態）以下に、本発明の第
３の実施の形態に従ったインクヘッド１０を図４を参照
して説明する。なお、本実施の形態において、前述した
本発明の第１の実施の形態に従ったインクヘッド１０と
同じ構成部材は、このインクヘッド１０の同じ構成部材
を指摘した参照符号を使用して指摘し、詳細な説明は省
略する。図３は、本実施の形態に従ったインクヘッド１
０を示す拡大された断面図である。

【００５２】本実施の形態に従ったインクヘッド１０
は、第１の実施の形態と側壁２１の構成が異なってい
る。本実施の形態のインクヘッド１０は、４つの側壁２
１が、ノズル３１側（ノズル方向）から見た際に平行四
辺形状になるように配置されている。また、各インク室
２０に配置された２つのノズル３１は、側壁２１により
規定されている平行四辺形の２つの対角線のうち、線分
が長い方の対角線と略平行な方向に沿って配置されてい
る。

【００５３】上記構成により、４つの側壁２１が、前記
ノズル方向から見た際に、前記平行四辺形と同面積を有
するような長方形状を規定するように配置された場合に
比べ、２つのノズル３１の中心をつないだ線分の長さを
大きくとることが可能である。従って、このインクヘッ
ド１０は、各インク室２０に２つのノズル３１を形成し
た際に各ノズル３１の加工精度にばらつきがあった場合
においても、各ノズル３１を隣接するノズル３１と互い
に所定の間隔をあけて離間するとともに、側壁からも離
間するように配置し得る。

【００５４】なお、本実施の形態において、インクヘッ
ド１０は、各インク室２０に対して２つのノズル３１を
有するように構成されているが、ノズル３１を３つ以上
有するように構成することも可能である。この場合にお
いても、各インク室２０に配置された各ノズル３１の中
心をつないだ線分の長さは、上述のように側壁２１が長
方形を規定した場合に比べ、大きくすることが出来る。
従って、本実施の形態のインクヘッド１０は、各インク
室２０に複数のノズルを形成した際に前記各ノズルの加
工精度にばらつきがあった場合においても、各ノズルを
隣接するノズルと互いに所定の間隔をあけて離間すると
ともに、側壁からも離間するように配置し得る。

【００５５】

【発明の効果】本発明は、各インク室に複数のノズルを
形成した際に、前記各ノズルの加工精度にばらつきがあ
った場合においても、各ノズルを隣接するノズルと互い
に所定の間隔をあけて離間するとともに、側壁からも離
間するように配置し得るインクヘッドを提供する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）は、第１の実施の形態に従ったイン
クヘッドの一部分を示す上面図である。図１（ｂ）は、
図１（ａ）の切断線Ｘ−Ｘに沿った、拡大された断面図
である。

【図２】図２（ａ）は、第１の実施の形態に従ったイン
クヘッドの変形例を示す上面図である。図２（ｂ）は、
第１の実施の形態に従ったインクヘッドの変形例を示す
上面図である。

【図３】図３は、第２の実施の形態に従ったインクヘッ
ドの一部分を示す拡大した断面図である。

【図４】図４は、第３の実施の形態に従ったインクヘッ
ドの一部分を示す上面図である。

【図５】図５（ａ）は、ノズルの配置が理想状態の従来
のインクヘッドの一部分を示す上面図である。図５
（ｂ）は、図５（ａ）の切断線Ｘ−Ｘに沿った、拡大し
た断面図である。

【図６】図６（ａ）は、ノズルの配置が理想状態からず
れた際の従来のインクヘッドの一部分を示す上面図であ
る。図６（ｂ）は、図６（ａ）の切断線Ｘ−Ｘに沿っ
た、拡大した断面図である。

【図７】図７（ａ）は、ノズルの配置が理想状態からず
れた際の従来のインクヘッドの一部分を示す上面図であ
る。図７（ｂ）は、図７（ａ）の切断線Ｘ−Ｘに沿っ
た、拡大した断面図である。

【符号の説明】１０インクヘッド２０インク室２１側壁２１ａ、２１ｂ側壁対２２薄肉部３０ノズルプレート３１ノズル３２背面開口３３前面開口４０吐出エネルギー発生素子８０インク滴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者清水正信東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号オリンパス光学工業株式会社内Ｆターム(参考） 2C057 AG05 AG18 AG45 BA03 BA14

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所定間隔で配列されたインク室と、前記インク室に設けられ、インク室内のインクに吐出エ
ネルギーを印加する吐出エネルギー発生素子と、前記インク室と連通するように前記インク室毎に複数形
成されるノズルと、を有し、前記インク室内のインクに吐出エネルギーを印加し、イ
ンクを複数ノズルから吐出するインクヘッドにおいて、前記複数のノズルは、前記インク室に対面する側の開口
である背面開口が、楕円状に形成されているとともに、
この楕円状の背面開口の短軸方向が互いに平行となるよ
うに配置されているインクヘッド。
【請求項２】前記インク室は、２組の対向し合う側壁
対を有し、当該２組の側壁対のうち、一方の側壁対が他
方の側壁対に対して側壁間隔が狭くなるように構成され
ており、前記複数のノズルは、前記背面開口の短軸方向が、前記
一方の側壁対の側壁の配列方向と一致するように配列さ
れている請求項１に記載のインクヘッド。
【請求項３】前記複数のノズルの各々は、互いに隣接
するノズルに対して、前記一方の側壁対の側壁の配列方
向及び前記他方の側壁対の側壁の配列方向のそれぞれに
ずれているように配列されている請求項２に記載のイン
クヘッド。
【請求項４】前記複数のノズルは、前記背面開口と、
この背面開口と反対側の前面開口とが、互いの短軸と長
軸との方向が一致するような楕円状に形成されている請
求項１に記載のインクヘッド。
【請求項５】所定間隔で配列されたインク室と、前記インク室に設けられ、インク室内のインクに吐出エ
ネルギーを印加する吐出エネルギー発生素子と、前記インク室と連通するように前記インク室毎に複数形
成されるノズルと、を有し、前記インク室内のインクに吐出エネルギーを印加し、イ
ンクを複数ノズルから吐出するインクヘッドにおいて、前記インク室は、自身の長手方向に対して直交する断面
の面積が、前記長手方向の中央よりも前記ノズル近傍の
ほうが大きく形成されているインクヘッド。
【請求項６】前記インク室は、４つの側壁を有してお
り、前記４つの側壁の少なくとも１つは、ノズル側の近傍部
が他の部分に対して壁厚が薄く形成されている請求項５
に記載のインクヘッド。
【請求項７】所定間隔で配列されたインク室と、前記インク室に設けられ、インク室内のインクに吐出エ
ネルギーを印加する吐出エネルギー発生素子と、前記インク室と連通するように前記インク室毎に複数形
成されるノズルと、を有し、前記インク室内のインクに吐出エネルギーを印加し、イ
ンクを複数ノズルから吐出するインクヘッドにおいて、前記インク室は、４つの側壁を有しており、前記４つの側壁は、ノズル方向から見た際に平行四辺形
状になるように配置されており、前記複数のノズルは、前記側壁により規定されている平
行四辺形の２つの対角線のうち、線分が長い方の対角線
と略平行な方向に沿って配置されているインクヘッド。