JP2003079473A - シート用クッション構造 - Google Patents

シート用クッション構造

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JP2003079473A JP2001273009A JP2001273009A JP2003079473A JP 2003079473 A JP2003079473 A JP 2003079473A JP 2001273009 A JP2001273009 A JP 2001273009A JP 2001273009 A JP2001273009 A JP 2001273009A JP 2003079473 A JP2003079473 A JP 2003079473A
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Kazuyoshi Chigara
一義 千▲柄▼
Seiji Kawasaki
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Yumi Ogura
由美 小倉
Naoteru Ochiai
直輝 落合
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 座骨結節下における荷重集中を緩和して座り
心地を改善し、振動特性も向上させる。 【解決手段】 本発明のシート構造は、人体中心線回り
に対応する部位に設けられ相対的に弾性率の小さい高剛
性部と、人体側部に対応する部位に設けられ、相対的に
弾性率の大きい高弾性部との組み合わせからなり、前記
高弾性部が荷重の平衡点付近で作用するように設けられ
ている。このため、人体の中心線回りを高剛性部によっ
て伸びを規制して剪断力の発生を小さくし、安定して支
持すると共に、人体側部に対応する部位に配置された高
弾性部の弾性力による支持圧が付与されるため、骨盤を
包み込むようにホールドできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシート用クッション
構造に関し、特に、自動車、列車などの乗物用シートに
適するシート用クッション構造に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の自動車用シートは、Sばね、コイ
ルばね、プルマフレックス、ウレタンフォーム及び表皮
材等のばね系素材から作られ、座部と背部が分離した置
き構造が基本となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の自動車用シートでは、人体の中心線付近と、胸
椎、腰椎・骨盤を支持する構造となっているに過ぎず、
臀部から腰椎部の中心線上の支持圧が大きい。このた
め、座骨結節下付近の筋肉部に人体荷重が集中し易く、
長時間着座した場合にはしびれが発生する。また、主と
してばね系素材から作られているため、ノイズを軽減す
るフィルターとして機能するが、上下方向に振動が入力
された場合には、特に、シート構造体の弾性エネルギー
により、着座者に有害な振動が発生する。また、着座者
にローリング、ヨーイングなどの遠心力が作用すると、
着座者の上体に揺動が発生しやすい。一方、従来のばね
系素材からなるシートでは、座部及び背部の弾性力によ
り反力が大きい、このため、着座動作や起立動作等によ
ってクッション材に小さな荷重で接している際に人が快
適に感じするフィット感(なじみ易さ)を向上させる、
数mmから十数mmの荷重的なへたりを生じさせること
ができなかった。
【0004】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、座骨結節部及びその周辺の筋肉組織に集中する圧
力や筋肉に働く剪断力を分散して座り心地を改善すると
共に、体圧分散を図ることで、入力振動に伴う人体への
振動の伝達特性を改善し、さらに、着座動作及び起立動
作時のフィット感を向上させることができるシート構造
を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1記載の本発明では、シートを形成するフ
レーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持部材によっ
て支持されて張設され、人体中心線回りに対応する部位
に設けられ相対的に永久ひずみの小さい高剛性部と、人
体側部に対応する部位に設けられ、荷重特性におけるヒ
ステリシスロスが相対的に小さく復元性の高い高弾性部
との組み合わせからなり、前記高弾性部が荷重の平衡点
付近で作用するように設けられていることを特徴とする
シート用クッション構造を提供する。請求項2記載の本
発明では、前記高弾性部の直径200mmの加圧板で加
圧した際のバネ定数が、250N/mm以下であること
を特徴とする請求項1記載のシート用クッション構造を
提供する。請求項3記載の本発明では、少なくとも上下
2層構造を有し、いずれかの一方の層において、相対的
に減衰の大きい高減衰部及び荷重特性におけるヒステリ
シスロスが相対的に小さく復元性の高い高弾性部のうち
の少なくとも一方が設定され、他方の層において、人体
中心線回りに対応する部位に高剛性部が、人体側部に対
応する部位に高弾性部がそれぞれ設けられていることを
特徴とする請求項1又は2記載のシート用クッション構
造を提供する。請求項4記載の本発明では、互いに離間
して配置された一対のグランド編地同士を連結糸で結合
することにより形成された三次元立体編物からなり、下
層部のグランド編地のうち、人体中心線回りに対応する
部位に高剛性部を、人体側部に対応する部位に高弾性部
をそれぞれ設定し、上層部のグランド編地と連結糸との
いずれか少なくとも一方に高減衰部又は高弾性部を設定
したことを特徴とする請求項3記載のシート用クッショ
ン構造を提供する。請求項5記載の本発明では、上層部
のグランド編地に高弾性部を設定し、連結糸のうち、人
体中心線回りに対応する部位に高剛性部を、人体側部に
対応する部位に高減衰部又は高弾性部をそれぞれ設定し
たことを特徴とする請求項4記載のシート用クッション
構造を提供する。請求項6記載の本発明では、シートを
形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持
部材によって支持されて張設される際の無負荷時の張力
が伸び率0%近辺であることを特徴とする請求項1〜5
のいずれか1に記載のシート用クッション構造を提供す
る。請求項7記載の本発明では、前記支持部材自体が、
他の任意の支持部材により吊り下げ支持された張力構造
体であることを特徴とする請求項6記載のシート用クッ
ション構造を提供する。請求項8記載の本発明では、シ
ートを形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部材などの各
種支持部材によって支持されて張設された2以上のクッ
ション材を備え、人体中心線回りに対応する部位に設け
られ相対的に永久ひずみの小さい高剛性部と、人体側部
に対応する部位に設けられ、荷重特性におけるヒステリ
シスロスが相対的に小さく復元性の高い高弾性部とが、
いずれか少なくとも一方のクッション材に設定されてな
り、前記高弾性部が荷重の平衡点付近で作用するように
設けられていることを特徴とするシート用クッション構
造を提供する。請求項9記載の本発明では、相対的に減
衰の大きい高減衰部を有し、シートを形成するフレー
ム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持部材によって支
持されて張設される第1のクッション材と、前記第1の
クッション材の裏面側にギャップを介して離間して、シ
ートを形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部材などの各
種支持部材によって支持されて張設され、人体中心線回
りに対応する位置に設けられた相対的に永久ひずみの小
さい高剛性部と、この高剛性部の両側部に連設され、人
体側部に対応する位置に設けられた荷重特性におけるヒ
ステリシスロスが相対的に小さく復元性の高い高弾性部
とを有し、前記高弾性部が荷重の平衡点付近で作用する
ように設けられている第2のクッション材とを具備する
ことを特徴とする請求項8記載のシート用クッション構
造を提供する。請求項10記載の本発明では、前記第2
のクッション材が、少なくとも人体中心線回りに対応す
る高剛性部と第1のクッション材との間であって、かつ
該高剛性部に対してギャップをおいた位置にも設けられ
た高弾性部を備えて構成されていることを特徴とする請
求項9記載のシート用クッション構造を提供する。請求
項11記載の本発明では、相対的に減衰の大きい高減衰
部を有し、シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベルト
部材などの各種支持部材によって支持されて張設される
第1のクッション材と、前記第1のクッション材の裏面
側にギャップを介して離間して、シートを形成するフレ
ーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持部材によって
支持されて張設され、人体中心線回りに対応する位置に
設けられた相対的に永久ひずみの小さい高剛性部と、こ
の高剛性部と第1のクッション材との間であって、かつ
該高剛性部に対してギャップをおいた位置に設けられた
ヒステリシスロスが相対的に小さく復元性の高い高弾性
部とを備え、該高弾性部の両側部付近が人体側部に対応
する位置に設けられている第2のクッション材とを具備
することを特徴とする請求項8記載のシート用クッショ
ン構造を提供する。請求項12記載の本発明では、前記
第1のクッション材の裏面に、この第1のクッション材
よりも復元性の高い補助クッション部材が積層されてい
ることを特徴とする請求項9〜11記載のシート用クッ
ション構造を提供する。請求項13記載の本発明では、
前記第1のクッション材は、互いに離間して配置された
一対のグランド編地同士を連結糸で結合することにより
形成された三次元立体編物から形成されていることを特
徴とする請求項8〜12のいずれか1に記載のシート用
クッション構造を提供する。請求項14記載の本発明で
は、前記第2のクッション材の高剛性部が高剛性布材か
ら構成され、高弾性部が復元性の高い布材、ネット材、
ゴム材及びそれらの複合部材のいずれかから選択される
布状弾性部材から構成されていることを特徴とする請求
項8〜13のいずれか1に記載のシート用クッション構
造を提供する。請求項15記載の本発明では、前記布状
弾性部材が、シートの奥行き方向に分断された状態で配
置されていることを特徴とする請求項14記載のシート
用クッション構造を提供する。請求項16記載の本発明
では、相対的に減衰の大きい高減衰部と、人体中心線回
りに対応する位置に設けられた相対的に永久ひずみの小
さい高剛性部とを備え、シートを形成するフレーム、ワ
イヤ、ベルト部材などの各種支持部材によって支持され
て張設される第1のクッション材と、前記第1のクッシ
ョン材の裏面側にギャップを介して離間して、シートを
形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持
部材によって支持されて張設され、少なくとも人体側部
に対応する位置に、荷重特性におけるヒステリシスロス
が相対的に小さく復元性の高い高弾性部を有し、前記高
弾性部が荷重の平衡点付近で作用するように設けられて
いる第2のクッション材とを具備することを特徴とする
請求項8記載のシート用クッション構造を提供する。請
求項17記載の本発明では、前記第1のクッション材
は、互いに離間して配置された一対のグランド編地同士
を連結糸で結合することにより形成された三次元立体編
物から形成され、一方のグランド編地における人体中心
線回りに対応する位置に相対的に永久ひずみの小さい高
剛性部が配されていることを特徴とする請求項16記載
のシート用クッション構造を提供する。請求項18記載
の本発明では、前記第2のクッション材が、少なくとも
人体中心線回りに対応する高剛性部と第1のクッション
材との間であって、かつ該高剛性部に対してギャップを
おいた位置にも設けられた高弾性部を備えていることを
特徴とする請求項16又は17記載のシート用クッショ
ン構造を提供する。請求項19記載の本発明では、前記
第1のクッション材は、シートを形成するフレーム、ワ
イヤ、ベルト部材などの各種支持部材によって支持され
て張設される際の無負荷時の張力が伸び率0%近辺であ
り、前記第2のクッション材は、シートを形成するフレ
ーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持部材によって
支持されて張設される際の無負荷時の張力が伸び率0%
以上であることを特徴とする請求項8〜18のいずれか
1に記載のシート用クッション構造を提供する。請求項
20記載の本発明では、前記第1のクッション材を支持
する支持部材自体が、他の任意の支持部材により吊り下
げ支持された張力構造体であることを特徴とする請求項
19記載のシート用クッション構造を提供する。請求項
21記載の本発明では、前記高弾性部の直径200mm
の加圧板で加圧した際のバネ定数が、250N/mm以
下であることを特徴とする請求項8〜20のいずれか1
に記載のシート用クッション構造を提供する。
【0006】(作用)本発明によれば、着座状態の最終
安定姿勢を荷重の平衡点とし、この着座状態にある平衡
点付近においては、人体の中心線回りを高剛性部によっ
て伸びを規制して剪断力の発生を小さくし、座骨結節回
りの法線方向の力を大きくして安定して支持できると共
に、人体側部に対応する部位に配置された復元性の高い
高弾性部の復元力により、剪断力の影響が小さくなるた
め、骨盤を略U字状あるいは略V字状に包み込むように
ホールドできる。また、これに加えて、大腿側部の筋、
例えば、大腿二頭筋の伸縮方向に沿って応力勾配の小さ
い座り心地を実現できる。これにより、臀部から腰椎部
の中心線上の支持圧を軽減し、血行不良による筋疲労の
低減を図ることができる。なお、「人体中心線回り」と
は、通常、体格の大きい場合で、人体中心線を挟んだ左
右200mm以下に属する領域をいい、平均的な体格の
場合で、人体中心線を挟んだ左右150mm以下に属す
る領域をいう。
【0007】また、高減衰部を設けた場合には、平衡点
に至るまでは、主としてこの高減衰部の荷重的へたりに
より、荷重を分担支持する。従って、着座動作及び起立
動作時に小さな荷重で接している場合には、荷重的なへ
たりにより柔らかく沈み込み、フィット感を向上させ
る。
【0008】そして、高弾性部の復元力によって高周波
帯の振動が吸収されると共に、着座者にローリング、ヨ
ーイングによる遠心力が作用する場合には、高弾性部の
ばね特性に加えて、高減衰部の減衰作用が機能するた
め、入力振動に伴って人体に作用する力を吸収する。こ
の結果、全身振動や衝撃性振動が入力された場合でも、
頭部と骨盤との相対加速度が小さく、骨盤は回転するこ
となく主に上下方向と前後方向に運動し、振動エネルギ
ーを効率よく分散する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基
づいて本発明を更に詳しく説明する。図1は第1の実施
形態にかかるクッション構造を備えたシート10を示す
一部切り欠きの斜視図である。この図に示したように、
このシート10は、シートフレーム20と、このシート
フレーム20に支持されたクッション材30とを有して
構成される。シートフレーム20は、両側部に配置され
たパイプ状のサイドフレーム21,22と、このサイド
フレーム21,22のそれぞれ下方に配置された第1の
補助フレーム23,24と、第1の補助フレーム23,
24のさらに下方に配置された第2の補助フレーム2
5,26を有している。
【0010】本実施形態のクッション構造は、サイドフ
レーム21,22間に張設されるクッション材30から
構成される。クッション材30は、両側部30a,30
aを内側に折り返した上で、サイドフレーム21,22
上に位置するように配設されている。これは、サイドフ
レーム21,22による異物感を軽減するためである。
【0011】本実施形態のクッション構造は、人体中心
線回りに対応する部位に設けられ、他の部位と比較して
相対的に永久ひずみの小さい高剛性部と、人体側部に対
応する部位に設けられ、他の部位と比較して、荷重特性
におけるヒステリシスロスが相対的に小さくて復元性の
高い高弾性部との組み合わせからなり、着座して荷重の
平衡点付近で高弾性部が作用する構造であればよく、高
剛性部及び高弾性部の組み合わせには種々の種類があ
る。なお、高弾性部は、直径200の加圧板で加圧した
際のバネ定数が250N/mm以下であることが内臓の
共振点以下となるため好ましく、さらには、200N/
mm以下であることがより好ましい。また、着座時のフ
ィット感を向上させるため、及び高弾性部と相俟って振
動吸収特性を改善するためには、他の部位と比較して、
減衰の大きい高減衰部を設定することが好ましい。但
し、減衰性を重視したシート構造にするか、復元性を重
視したシート構造にするかにより、高減衰部を含めると
さらに種々の組み合わせがある。
【0012】図2はその組み合わせの例を示すものであ
る。図2(a),(b)はいずれも、クッション材30
を3層構造とし、上層部31を高減衰部又は高弾性部と
している。そして、下層部32のうち、人体中心線回り
に対応する幅方向中央部32aを高剛性部とし、幅方向
中央部32aに連設された側部32b,32cを高弾性
部としている。中間層33は、図3(a)に示したよう
に、幅方向中央部33aを高剛性部とし、その両側の側
部33b,33cを高弾性部又は高減衰部とすることが
できるし、また、図3(b)に示したように中間層33
の全てを高減衰部又は高弾性部とすることもできる。
【0013】また、図2(a)に示したように、人体中
心線回りに対応する幅方向中央部31a,32a,33
aと、人体の一方の体側部に対応する一方の側部31
b,32b,33bと、人体の他方の体側部に対応する
他方の側部31c,32c,33cとをそれぞれ分断形
成して、隣接する端縁同士を下向きにして接合した上
で、縫合して形成することもできるし、図2(b)に示
したように、幅方向中央部31a,32a,33a、各
側部31b,32b,33b及び31c,32c,33
cを一体的に連続した形状で形成することもできる。
【0014】クッション材30の下方にはギャップを介
してネット部材40が配設される。ネット部材40は、
上記したクッション材30の沈み込み量を規制するため
に第1の補助フレーム23,24間に配設される。ネッ
ト部材40としては、かかる機能を果たすものであれば
よく、剛性の高いものであってもよいし、減衰性の高い
ものであってもよい。剛性の高いものを用いた場合に
は、クッション材30が接することにより、下層部32
の幅方向中央部32aに設定された高剛性部による伸び
又はひずみを抑制して座骨結節部を支持する機能を補
い、減衰性の高いものである場合には、クッション材3
0の上層部31に設定した高減衰部による減衰機能を補
うことができる。
【0015】本実施形態のクッション材30は、上記し
た機能を発揮するため、無負荷時において伸び率0%近
辺で張設される。すなわち、サイドフレーム21,22
間に引っ張らない状態で、むしろ多少弛ませるようにし
て配設される。
【0016】積層構造体であるクッション材30として
は、上記の高減衰部、高剛性部及び高弾性部の各特性を
発揮することができる限り、ファブリック、ニット、モ
ケット、ウレタンフォーム、ポリエステル、原綿素材、
ポリエステルフェルト材(主に、高剛性部用)、布状
(面状)弾性体(例えば、二次元ネット)及びこれらを
任意に組み合わせたもの等を用いて形成することもでき
るが、三次元立体編物から形成するか、さらには三次元
立体編物に上記の各素材を任意に組み合わせて用いるこ
とが好ましい。三次元立体編物によれば、素材となる糸
やパイルの太さ、材質、目締め力、糸やパイルの配設密
度等を調節することにより、上記のような高減衰部、高
剛性部及び高弾性部を部分的に設定することも、またた
わみを大きくしてストローク感を出すことも容易に行う
ことができる。すなわち、原反の状態から部分的に異な
る特性を有するように編み込み形成することもできる
し、各種特性を有する三次元立体編物を積層したり、縫
い継いで水平方向に連設するなどして組み合わせて用い
ることも容易である。また、三次元立体編物によれば、
それを構成する糸やパイル(連結糸)により発揮される
弾性を平面的に使用するだけでなく、糸やパイルの使用
量の調整等により、糸やパイルにより発揮されるたわみ
や伸びを三次元的に利用でき、上記した直径200mm
の加圧板により加圧した場合で250N/mm以下、好
ましくは200N/mm以下の柔らかなバネ定数を作る
ことも容易である。
【0017】三次元立体編物は、互いに離間して配置さ
れた一対のグランド編地同士を連結糸で結合することに
より形成されている。具体的には、図18に示すよう
に、三次元立体編物100は、互いに離間して配置され
た一対のグランド編地110,120、該一対のグラン
ド編地110,120間を往復して両者を結合する多数
の連結糸130とを有する立体的な三次元構造から構成
されている。
【0018】一方のグランド編地110は、例えば、図
19に示したように、単繊維を撚った糸から、ウェール
方向及びコース方向のいずれの方向にも連続したフラッ
トな編地組織(細目)によって形成されている。これに
対し、他方のグランド編地120は、例えば、図20に
示したように、短繊維を撚った糸から、ハニカム状(六
角形)のメッシュを有する、一方のグランド編地110
よりも大きな編み目構造に形成されている。もちろん、
この編地組織はあくまで一例であり、細目組織やハニカ
ム状以外の編地組織を採用することもできる。連結糸1
30は、一方のグランド編地110と他方のグランド編
地120とが所定の間隔を保持するように、この一対の
グランド編地110,120間に編み込んだもので、立
体メッシュニットとなっている三次元立体編物100に
所定の剛性を付与している。
【0019】グランド編地110,120を形成するグ
ランド糸の太さ等は、立体編地に必要な腰の強さを具備
させることができると共に、編成作業が困難にならない
範囲のものが選択される。また、グランド糸としてはモ
ノフィラメント糸を用いることも可能であるが、風合い
及び表面感触の柔らかさ等の観点から、マルチフィラメ
ント糸やスパン糸を用いることが好ましい。
【0020】連結糸130としては、モノフィラメント
糸を用いることが好ましく、太さ167〜1100デシ
テックスの範囲のものが好適である。マルチフィラメン
ト糸では復元力の良好なクッション性を付与できず、ま
た、太さが167デシテックスを下回ると腰の強さが得
られにくくなり、1100デシテックスを上回る場合に
は、硬くなり過ぎて適度な弾性を得ることができないか
らである。すなわち、連結糸130として上記範囲のモ
ノフィラメント糸を採用することにより、着座者の荷重
を、各グランド編地110,120を構成する編目の変
形と連結糸130の変形(倒れ及び座屈)により、ま
た、変形した連結糸130にバネ特性を付与する隣接し
た連結糸130の復元力によって支持することができ、
柔らかなバネ特性を有する応力集中の起きない柔構造と
することができる。また、連結糸130間が擦れ合うこ
とにより減衰力が発揮される。
【0021】グランド糸又は連結糸130の素材として
は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリ
ル、レーヨン等の合成繊維や再生繊維、ウール、絹、綿
等の天然繊維が挙げられる。上記素材は単独て用いても
よいし、これらを任意に併用することもできる。好まし
くは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブ
チレンテレフタレート(PBT)などに代表される熱可
塑性ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66な
どに代表されるポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどに代表されるポリオレフィン系繊維、あ
るいはこれらの繊維を2種類以上組み合わせたものであ
る。なお、ポリエステル系繊維はリサイクル性に優れて
おり好適である。また、グランド糸又は連結糸130の
糸形状も限定されるものではなく、丸断面糸でも異形断
面糸等でもよい。
【0022】連結糸130の配設の仕方(パイル組織)
としては、各グランド編地110,120を連結する連
結糸130を側面から見た状態で表すと、より具体的に
は、例えば、図21に示したような種類に分類される。
(a),(b)は、グランド編地110,120間に連
結糸130をほぼ垂直に編み込んだストレートタイプで
あり、このうち(a)は8の字状にしてストレートに編
んだもので、(b)は単純なストレートに編んだもので
ある。(c)〜(e)は、グランド編地110,120
間において、連結糸130が中途で交差するように編ん
だクロスタイプであり、このうち(c)は8の字状にク
ロスさせたもの、(d)は単純なクロスに編んだもの、
(e)は2本ずつまとめてクロス(ダブルクロス)させ
たものである。なお、(c)〜(e)に示したように、
連結糸130同士を交差させて斜めに配置した場合に
は、連結糸130をグランド編地110,120間にほ
ぼ垂直に配置した形態と比較して((a),(b)参
照)、各連結糸130の座屈強度により十分な復元力を
保持しながら、圧縮率の大きな柔らかなバネ特性を付与
することができる。
【0023】以上より、三次元立体編物を用いた場合に
は、その編み方等によって弾性を大きくしたり、減衰性
を大きくしたりすることが容易であり、例えば、一方の
グランド編地を形成する際には、編み方や糸の太さの調
節などによって減衰比を高くし、他方のグランド編地を
形成する際には、その幅方向略中央部においては編み目
を小さくして弾性率を低くして剛性を高めたり、各側部
においては、復元力の高い糸を使用して復元性を高くし
たりすることができる。また、一対のグランド編地間を
往復して編み込まれる連結糸として、その配設密度を変
えたりすることにより、例えば、幅方向中央付近では配
設密度を高くするして剛性を高めた構成としたりするこ
とができる。また、復元力の高い連結糸を用いてそのた
わみを利用して復元性を高めたりすることができる。さ
らに、グランド編地を構成する糸と連結糸との目締め部
分の強さを調整し、目締め部分における両者の摩擦力を
利用して減衰性を調整することができる。従って、例え
ば、減衰性又は復元性の高い一方のグランド編地を上層
部とし、高剛性部及び高弾性部を有する他方のグランド
編地を下層部として配置することにより、図2(a),
(b)で示したクッション構造を容易に設定することが
できる。
【0024】また、三次元立体編物は、三層構造となっ
ていることが基本であるため、このように、一枚用いる
だけでも、高減衰部、高剛性部及び高弾性部という異な
る特性を部分的に設定することができる。しかしなが
ら、三次元立体編物を複数枚用いて積層し、例えば、そ
の上層部として減衰性又は復元性の高いものを用い、中
間層としては、減衰性の高いもの、あるいは高剛性部と
高弾性部を有するものを用い、さらに、下層部として
は、幅方向略中央部に高剛性部を有し、その両側に高弾
性部を有する構造のものを用いるようにしてもよい。
【0025】本実施形態によれば、人が着座してクッシ
ョン材30に接触すると、例えば、上層部31を高減衰
部とした場合には、この高減衰部からなる上層部31が
荷重的なへたりによりたわむ。このため、小さな荷重領
域においては、人体に対する反力がほとんどなく、高い
フィット感(なじみ易さ)が得られる。そして、着座状
態の最終安定姿勢である荷重の平衡点付近に至ると、人
体の中心線回りに対応する幅方向略中央部32aに形成
した高剛性部によって、必要以上の伸びが抑制され、い
わば剛体の上に着座したようになり、法線方向の力によ
って人体の大きな沈み込みを防止しつつ安定して支持す
る。また、側部32b,32cに形成した高弾性部が作
用するため、人体側部に対して、シートの背部及び座部
共に、帯状にかつ法線方向に支持圧が付与され、略U字
状又は略V字状の形状により骨盤を包み込むようにホー
ルドする。このため、臀部から腰椎部の中心線上の支持
圧を軽減し、血行不良による筋疲労の低減を図ることが
できる。
【0026】次に、本発明の第2の実施形態にかかるク
ッション構造を図4〜図8に基づき説明する。図4及び
図5に示したように、本実施形態では、両サイドに、互
いに内面側を向かい合わせて配置した断面略L字状の板
状フレーム51,52を有している。また、この板状フ
レーム51,52の下方であってそれぞれの外側にはつ
り込み用フレーム53,54がそれぞれ配置されてい
る。そして、本実施形態では、クッション構造を構成す
る第1のクッション材60を、つり込み用フレーム5
3,54に対して、被覆用布55,56を介して張設
し、第2のクッション材70を、板状フレーム51,5
2に張設している。
【0027】すなわち、本実施形態では、第1のクッシ
ョン材60と第2のクッション材70とを合わせて本発
明のクッション構造を構成するものである。第1のクッ
ション材60は、他の構成部位(構成部材)と比較して
相対的に減衰の大きい高減衰部を有する。第1のクッシ
ョン材60としては、例えば、20mm前後の薄いウレ
タンフォーム、織物、編物、本革等を用いることもでき
るし、上記第1の実施形態と同様に三次元立体編物を用
いることもできる。本実施形態では、三次元立体編物を
用いているが、三次元立体編物を用いる場合、本実施形
態では、高剛性部及び高弾性部を第2のクッション材7
0に設定する構成であるため、第1のクッション材60
を構成する三次元立体編物は、各グランド編地及び連結
糸の素材、太さ、配設密度等の構成は、高い減衰が発揮
される構成で製作される。また、第1のクッション材6
0を構成する三次元立体編物は、一枚だけ用いる構成と
してもよいし、複数枚積層して用いる構成としてもよ
い。この場合、図5に示したように、減衰の高い三次元
立体編物の裏面に、弾性感を補うため、比較的復元力の
高い補助用の薄手の三次元立体編物(補助クッション部
材)61やその他の二次元ネット(編物、織物)等から
なる布状(面状)弾性体を配設することもできる。
【0028】第1のクッション材60及び補助クッショ
ン部材61の外側部には、上記のように被覆用布55,
56が縫合されており、被覆用布55,56の端部に縫
合により固定した略U字状の合成樹脂製プレート部材
(セットプレート)57,58をつり込み用フレーム5
3,54に係合させることにより張設される。
【0029】第2のクッション材70は、幅方向略中央
部に他の構成部位(部材)と比較して相対的に永久ひず
みの小さい高剛性部を形成する、例えば、伸び量の極め
て小さい繊維を使って形成された帆布やアラミド繊維な
どから形成される高剛性布材71が配設されている。ま
た、この高剛性布材71の両側部には、荷重特性におけ
るヒステリシスロスが他の構成部位(他の構成部材)と
比較して相対的に小さくて復元力の高い高弾性部を形成
する布状弾性部材72,73が配設されている。なお、
布状弾性部材72,73としては、布材、ネット材、ゴ
ム材及びそれらの複合部材などを用いることができる。
各布状弾性部材72,73は、高剛性布材71の各側部
と各板状フレーム51,52とのそれぞれの間に張設す
るだけでもよいが、図5に示したように、一端を略L字
状の板状フレームの頂部に固定すると共に、中間部を高
剛性布材71の各側部に縫い合わせて連結し、さらに、
他端を、下方に位置する各板状フレーム51,52の内
側端にクリップ78などを用いて係止することで、布状
弾性部材72,73に略水平部721,731と略垂直
部722,732を形成する構成とすることもできる。
このような構成とすることで、図5(b)に示したよう
に、着座により荷重がかかった場合に、略水平部72
1,731の伸縮による弾性力のほか、略垂直部72
2,732の伸縮による弾性力も発揮される。また、略
垂直部722,723によって振動入力時における上方
向への反力を抑制することもできる。
【0030】また、布状弾性部材72,73は、単独で
用いることもできるが、復元力を補うために、補助用布
状弾性部材75,76を積層して張設することもでき
る。図5では、この補助用布状弾性部材75,76を、
布状弾性部材72,73の略水平部721,731のみ
に積層しているが、略垂直部722,732にも積層で
きることはもちろんである。また、布状弾性部材72,
73の略水平部721,731の張力方向(図5の幅方
向)の長さを、補助用布状弾性部材75,76の張力方
向の長さよりも長くし、図5に示したように、布状弾性
部材72,73の略水平部721,731が、補助用布
状弾性部材75,76よりもたるむように積層すること
により、両者の復元力が段階的に作用する構成とするこ
とができる。図5に示した態様では、ある荷重値に至る
と、まず、補助用布状弾性部材75,76の復元力が作
用し、さらに負荷が大きくなって所定の荷重値に至る
と、布状弾性部材72,73の復元力が作用する。すな
わち、2つの弾性部材が、所定の荷重値に至るまでは、
直列配列されているように段階的に作用するとと共に、
所定の荷重値に至った場合には両者が並列的に作用する
ことで、体格差(体重差)に応じた復元力を発揮でき、
体重差に拘わらず、底付き感を軽減することができる。
【0031】布状弾性部材72,73は、高剛性布材7
1の奥行き方向全体にわたって、図6(a)に示したよ
うに、それぞれ長尺に形成した一枚の部材として連結す
ることもできるが、図6(b)に示したように、短く形
成した複数枚の部材72a,73aを間隔をおいて高剛
性布材71の奥行き方向に配置して連結し、あるいは一
枚の部材に切り込みを入れるなどして連結し、すなわ
ち、布状弾性部材72,73を複数の部分に分断した状
態で連結する構成とすることもできる。このように配置
することにより、一枚の面積の大きい状態と比較して、
ひきつれ方向の弾性の作用を小さくでき、布状弾性部材
72,73を構成する分断された各部材72a,73a
がそれぞれの配設位置に応じて適切な復元力を発揮でき
る。この結果、荷重をより分散し、反力を小さくするこ
ともできる。また、分断した各部材72a,73aの大
きさ(面積)や隣接する各部材72a,72a間又は7
3a,73a間の間隔を調節することにより、配設位置
によってバネ定数の異なる構造とすることもできる。
【0032】本実施形態のクッション構造を座部に設定
する場合、図6に示したように、高剛性布材71の前端
縁と後端縁にはゴム材77,78などの他の布状弾性部
材をそれぞれ縫合連結し、図7に示したように、これら
を前端フレームと後端フレームに係合させることによ
り、上記布状弾性部材72,73と相俟って、前後方向
により高い復元力を発揮させ、姿勢支持性能及び振動吸
収機能を向上させることができる。
【0033】なお、本実施形態のクッション構造を構成
する第1のクッション材60は、張力0%近辺で張設
し、第2のクッション材70は、張力0%以上で張設す
ることが好ましい。これにより、第1のクッション材6
0ではそれ自身の減衰性を損なうことがなく、人体形状
とのフィット感を増すことができ、また、第2のクッシ
ョン材70では、高剛性布材71による法線方向の支持
力を確実に発揮させることができると共に、布状弾性部
材72,73の平衡状態で作用する復元力により、任意
の負荷質量に対して適当なストロークで荷重を支持する
ことができる。また、図5に示したように、第1のクッ
ション材60と第2のクッション材70との間には無負
荷時において所定量のギャップが形成されるように張設
することが好ましい。これにより、着座時等において第
1のクッション材60がギャップ内をたわんでいる間、
その張力がソフトにかつ人体形状に沿って小さな剪断力
で人体に作用するため、人体への拘束感を上げることな
く、フィット感を向上させることができる。
【0034】本実施形態によれば、着座時等において
は、減衰性の高い第1のクッション材60のみがたわ
む。そして、平衡点付近に至ると、第1のクッション材
60が第2のクッション材70に接し、第2のクッショ
ン材70の張力も人体に作用する。この際、本実施形態
によれば、高剛性布材71の作用によって、人体を支え
ると共に、布状弾性部材72,73による復元力が作用
して、振動を吸収したり、底付き感を軽減する。これに
より、座骨結節下で主荷重を支持できると共に、体側部
に沿った法線方向の支持圧が発生するため、体圧分散効
果が向上する。特に、高剛性部と高弾性部の境界付近に
おいては、高剛性部の法線方向の力と高弾性部の復元力
との両方が作用し、体側部に沿ってフィットして体側支
持力が発揮される。仮に、高弾性部を構成する部材とし
て、上記した布状弾性部材ではなく、金属バネを採用し
た場合には、その反力により人体に対して異物感を感じ
させることになるため、金属バネを採用する場合には、
その異物感を軽減するために、金属バネ上に位置する減
衰性の高い第1のクッション材60の層を厚くするなど
の対策をほどこす必要が生じる。このため、高弾性部と
して金属バネを用いた場合には、体側支持力を十分には
発揮させることができない。また、本発明によれば、第
2のクッション材70における剛性と復元力によって、
第2のクッション材70を配置していない状態と比較す
ると、着座者の体重差によって生じる第1のクッション
材60のたわみ量の差を小さくすることができる。
【0035】ここで、図9は、サイドフレームに対して
金属バネでプルマフレックスの両側部を吊り下げ支持し
た状態で、該金属バネの略中央部に対し、径方向(金属
バネの張設方向に対して略直交する曲げ方向)に直径3
0mmの加圧板により、変位量10mmまで、20mm
まで及び30mmまで、それぞれ荷重をかけた場合と、
図5に示したように、高剛性布材71を、本実施形態の
高弾性部により、すなわち、布状弾性部材72,73と
補助用布状弾性部材75,76との積層構造体により支
持した状態で、該布状弾性部材72,73の略中央部に
対し、略垂直方向に直径30mmの加圧板により、変位
量10mmまで、20mmまで及び30mmまで、それ
ぞれ荷重をかけた場合の荷重特性を示す図である。な
お、金属バネと、布状弾性部材72,73及び補助用布
状弾性部材75,76(高弾性部)とは、両者の引っ張
り方向の荷重特性がほぼ等しい領域となるように張設し
た。また、布状弾性部材72,73としては復元性の高
い糸を使用してなる三次元立体編物を用い、補助用布状
弾性部材75,76としては、ゴム材を使用した。ま
た、図9には、人の臀部の筋肉に直径30mmの加圧板
により40Nまで荷重をかけた場合の荷重特性を併せて
示した。
【0036】図9から明らかなように、金属バネの荷重
特性は、本実施形態の布状弾性部材72,73と補助用
布状弾性部材75,76との積層構造体の荷重特性と比
較して2倍以上高く、人の臀部の荷重特性と比較して非
常に高い。これに対し、本実施形態の布状弾性部材7
2,73と補助用布状弾性部材75,76との積層構造
体の場合には、人の臀部の荷重特性より高いものの、金
属バネと比較すると臀部の荷重特性に接近している。従
って、人の筋肉に接した場合には、金属バネを、筋肉を
大きく変形させるような異物として感じるのに対し、本
実施形態の布状弾性部材72,73と補助用布状弾性部
材75,76との積層構造体の場合には、人の筋肉にフ
ィットし易いことがわかる。一方、図10は、サイドフ
レームに対して金属バネでプルマフレックスの両側部を
吊り下げ支持した状態で、直径98mmの加圧板によ
り、金属バネとプルマフレックスとの境界を中心とし
て、金属バネとプルマフレックスを半々ずつ、変位量1
0mmまで、20mmまで、30mmまで、それぞれ荷
重をかけた場合と、高剛性布材71を、本実施形態の高
弾性部により、すなわち、布状弾性部材72,73と補
助用布状弾性部材75,76との積層構造体により支持
した状態で、直径98mmの加圧板により、高剛性部材
71と高弾性部との境界を中心として、両者を半々ず
つ、略垂直方向に変位量10mmまで、20mmまで、
それぞれ荷重をかけた場合の荷重特性を示す図である。
また、図10には、人の臀部の筋肉に直径98mmの加
圧板により100Nまで荷重をかけた場合の荷重特性
を、上記金属バネ及び高弾性部の荷重特性とバネ定数が
ほぼ共通する範囲で重畳するように示している。金属バ
ネとプルマフレックスのように硬い材質で作った場合に
は、通常、ヒステリシスロスが小さく、たわみにくくな
り、バネ定数も大きくなる。これに対し、本実施形態の
布状弾性部材72,73と補助用布状弾性部材75,7
6との積層構造体のように、柔らかな材質でバネ構造を
作った場合には、金属バネ等と比較した場合には、ヒス
テリシスロスが大きく、たわみ方向のバネ定数が小さく
なり、筋肉の特性に近づく。このことは、図9の30m
mの加圧板で加圧した荷重特性を見れば明らかである。
しかしながら、図10に示したように、98mmの加圧
板により、金属バネとプルマフレックスを半々ずつ押圧
した場合のバネ定数と、高剛性布材71と高弾性部とを
半々ずつ押圧した場合のバネ定数とは、いずれも約7.
1N/mmでほぼ同じである。また、所定の変位量にお
ける筋肉のバネ定数6.9N/mmの値と比較しても大
きな差はない。直径98mmというと、通常の体格の人
間の臀部の片側の幅あるいは太股の片側の幅にほぼ相当
するが、このような広い面積においては、高剛性布材7
1と高弾性部との組み合わせによっても、金属バネとプ
ルマフレックスとを組み合わせたものとほぼ同様に、筋
肉とほぼ同じ荷重特性を発揮できることを示すものであ
る。すなわち、本実施形態の高剛性布材71と、布状弾
性部材72,73と補助用布状弾性部材75,76との
積層構造体からなる高弾性部との組み合わせは、広い面
積では筋肉とほぼ同じバネ特性により、筋肉への負担を
軽減できると共に、30mmの加圧板で曲げ方向に集中
的に加圧した図9の荷重特性から明らかなように、大腿
部や大腿部付近の部位が、本実施形態の高弾性部に当接
しても、異物感を感じず、大腿側部にフィットして法線
方向への支持圧を発生しやすい構成であることがわか
る。
【0037】なお、図8に、第2の実施形態の他のバリ
エーションを示す。この態様では、第1の実施形態のも
のと同様のパイプ状のサイドフレーム21,22間に第
1のクッション材60を張設している一方で、第2のク
ッション材70を、第1のクッション材60に対して所
定のギャップを介して補助フレーム材23,24間に張
設している。また、布状弾性部材72,73を、高剛性
布材71に連結して、略水平方向に張設しているのみ
で、図5に示した態様のように略垂直方向には張設して
いない。
【0038】図11〜図14は、第2の実施形態のさら
に他のバリエーションを示す図である。これらの図に示
したように、この態様では、三次元立体編物、ウレタン
フォーム、本革あるいはそれらの複合部材等から構成さ
れる第1のクッション材60に対して所定のギャップを
介して第2のクッション材70を配置している点では、
図5ないし図8に示した態様と同様である。但し、第2
のクッション材70を構成する高弾性部と高剛性部とを
上下方向に離間させて配置し、両者間ギャップを設けた
点で、図5ないし図8に示した態様と異なる。
【0039】まず、図11に示した態様では、略L字状
の板状フレーム51,52の上端縁間に、取り付け用布
材70aを介して、高弾性部を形成する布状弾性部材7
0bを配設する。また、布状弾性部材70bに対し、少
なくとも幅方向略中央付近において所定のギャップを有
するように弛ませた状態で、取り付け用布材70aを介
して高剛性部を形成する高剛性布材70cを配設する。
さらに、略L字状の板状フレーム51,52の下端縁と
高剛性布材70cとの間には、布状弾性部材70bによ
る復元力を補助する補助用弾性部材70dを図において
略垂直方向に配設している。
【0040】図11に示した態様によれば、第1のクッ
ション材60が所定量たわむと、第2のクッション材7
0の布状弾性部材70bにまず接し、この布状弾性部材
70bの復元力が単独で作用し始め、さらに、所定量た
わむと、高剛性布材70cの剛性による法線方向の力が
作用する。これに対し、図5に示した態様では、第1の
クッション材60と第2のクッション材70との間にギ
ャップを有するのみで、第2のクッション材70にはギ
ャップを有しておらず、第1のクッション材60の下方
に直接高剛性部が配されている。従って、図11に示し
た態様の場合には、図5に示した態様と比較すると、底
付感の低減効果が大きい。このため、図11に示した態
様の場合には、第1のクッション材60として、より薄
手のクッション材を用いることも可能である。
【0041】図12に示した態様は、補助用弾性部材7
0dを図11に示した態様よりもテンションが低くなる
ように緩く張設した構造である。従って、補助用弾性部
材70dの復元力が図11に示した態様のものよりも小
さい。すなわち、図11及び図12は、補助用弾性部材
70dの張り方によって、人体に作用する復元力を種々
設定できることを示したものである。
【0042】図13及び図14は、幅方向略中央部に高
剛性部である高剛性布材71を有し、その両側部に高弾
性部である布状弾性部材72,73を配置している点で
は、図5に示したものと同様である。但し、これらの図
に示した態様では、高剛性部である高剛性布材71に対
してギャップを介して、すなわち、第1のクッション材
60と高剛性布材71との間であって、いずれに対して
もギャップをおいてさらに他の高弾性部である布状弾性
部材70eを配置したことを特徴とする。
【0043】これにより、図11及び図12に示したも
のと同様に、第1のクッション材60が所定量たわんだ
後、第2のクッション材70の一部を構成する他の布状
弾性部材70eが単独でたわんで復元力を作用する荷重
領域が設けられることになり、底付感の低減に資するこ
とができる。なお、図13に示した構造と図14に示し
た構造とでは、他の布状弾性部材70eと高剛性布材7
1とのギャップの大きさが異なるが、これは、剛性感が
発揮されるまでの初期たわみに対応する荷重領域を種々
設計変更できることを例示したものである。
【0044】図15は、本発明の第3の実施形態にかか
るクッション構造の例を示す図である。この実施形態で
は、サイドフレーム21,22間に張設した第1のクッ
ション材80に対し、その下方にギャップをおいて、全
体が相対的にヒステリシスロスが小さく復元性の高い高
弾性部を構成する布材やネット材からなる第2のクッシ
ョン材90を配設した構造である。第1のクッション材
80としては、例えば、三次元立体編物を用い、図2及
び図3に示したものと同様に、下部層のグランド編地に
おける人体中心線回りに対応する部位に高剛性部を設定
して、その両側部に高弾性部を形成したものを用いるこ
とができる。また、上部層を形成するグランド編地や中
間層を形成する連結糸としては、高減衰部、高剛性部又
は高弾性部のいずれか、あるいはこれらを任意に組み合
わせることにより所望のクッション特性を有する構造と
することができる。
【0045】本実施形態においても、第1のクッション
材80の下方にギャップを有するため、着座時等におい
ては、第1のクッション材80がソフトな当たり感でた
わむと共に、荷重の平衡点においては、第1のクッショ
ン材80に設定した高剛性部の法線方向の力により座骨
結節下が確実に支持されると共に、第2のクッション材
90の復元力によって体側部に支持圧が付与されて荷重
が分散される。また、第2のクッション材90の弾性作
用により振動吸収特性、特に高周波帯における振動吸収
特性が向上する。
【0046】図16及び図17(a)〜(c)は、第3
の実施形態の他のバリエーションを示す図である。図1
6及び図17(a)は、第1のクッション材80の折り
曲げ部の内側に、任意のフレームなどに吊り下げ支持さ
せた張力構造体である第1のベルト部材95を配設し、
第1のベルト部材95によって第1のクッション材80
を支持すると共に、同じく、任意のフレームなどに吊り
下げ支持させた張力構造体である第2のベルト部材96
に対して、合成樹脂製のセットプレート96aを用いて
第1のクッション材80の側部を支持した構成である。
図17(b)は、図17(a)と異なり、第2のベルト
部材96とセットプレート96aのみによって第1のク
ッション材80を支持した構成である。
【0047】任意のフレームに支持された各ベルト部材
95,96によって第1のクッション材80を支持する
ことにより、第1のクッション材80が、各フレームに
対して浮き上がった状態で支持されることになるため、
フレームの硬い当たり感を軽減するのに役立つ。また、
セットプレート96aとして、張力方向(幅方向)には
拘束力があるが、それと直交する方向に対して自由度を
有するものを用いることにより、その弾性によって底付
き感を軽減するのに役立つ。
【0048】図17(c)は、図17(a),(b)と
同様に、第1のベルト部材95上に第1のクッション材
80を支持すると共に、逆L字状に配置した板状フレー
ム97,98に対して、セットプレート96aを用いて
第1のクッション材80の側部を係合した構成である。
そして、この板状フレーム97,98として、所定の弾
性力のある素材や形状等を選択している。これにより、
各フレームに対する当たり感を軽減すると共に、上下方
向ないしは体側部に対する法線方向の復元性が利用され
ることにより、体側部の支持を補助し、振動吸収特性の
向上に役立つ。
【0049】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではない。例えば、上記した説明では、第1の
クッション材と第2のクッション材との間だけでなく、
第2のクッション材を構成する部材間にもギャップを形
成した態様を、第2の実施形態においてのみ説明してい
るが、他の実施形態でもかかる構造を採用することはも
ちろん可能である。また、各クッション材を支持するフ
レーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持部材自体
が、他の任意の支持部材により吊り下げ支持された張力
構造体である態様については、第3の実施形態のバリエ
ーションとして例示しているに過ぎないが、かかる構造
を他の実施形態で採用できることももちろんである。
【0050】
【発明の効果】本発明のシート構造は、人体中心線回り
に対応する部位に設けられ相対的に永久ひずみの小さい
高剛性部と、人体側部に対応する部位に設けられ、ヒス
テリシスロスが相対的に小さく復元性の高い高弾性部と
の組み合わせからなり、前記高弾性部が荷重の平衡点付
近で作用するように設けられている。このため、人体の
中心線回りを高剛性部によって伸びを規制して剪断力の
発生を小さくし、法線方向の力によって人体を安定して
支持すると共に、人体側部に対応する部位に配置された
高弾性部の復元力及び高弾性部と高剛性部の境界付近に
おける法線方向の合力による支持圧が付与されるため、
骨盤を包み込むようにホールドできる。また、大腿側部
の筋、例えば、大腿二頭筋の伸縮方向に沿って支持力の
勾配は小さいが弾性感のある座り心地を実現できる。こ
れにより、臀部から腰椎部の中心線上の支持圧を軽減
し、血行不良による筋疲労の低減を図ることができる。
また、高減衰部を設けた場合には、平衡点に至るまで
は、主としてこの高減衰部により、荷重を分担支持す
る。従って、着座動作及び起立動作時に小さな荷重で接
している場合には、柔らかく沈み込む荷重的なへたりを
生じ、フィット感を向上させることができる。
【0051】また、高弾性部の弾性力によって高周波帯
の振動やクレストファクターの大きい衝撃性振動も吸収
されるため、ランダム波の吸収性に優れると共に、着座
者にローリング、ヨーイングによる遠心力あるいは低周
波帯の衝撃性振動が作用する場合には、高弾性部のばね
特性に加えて、高減衰部の減衰作用が機能するため、高
い緩衝機能を有し、入力振動に伴って人体に作用する力
を効率よく吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のシート構造の第1の実施形態
を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】図2(a)は、図1のA−A’矢視図であっ
て、高剛性部と高弾性部とを縫い継いで形成した態様を
示す図であり、図2(b)は、両者を一体に形成した態
様を示す図である。
【図3】図3(a),(b)は、クッション材に対する
高剛性部、高弾性部、高減衰部の組み合わせの例を示す
図である。
【図4】図4は、本発明のシート構造の第2の実施形態
を示す一部を切り欠いた斜視図である。
【図5】図5は、図4のA方向矢視図であり、(a)は
無負荷時の状態を示す図であり、(b)は着座により荷
重の平衡点となっている状態を示す図である。
【図6】図6(a),(b)は、第2の実施形態で用い
た布状弾性部材のバリエーションを示す図である。
【図7】図7は、前端フレーム及び後端フレームに対し
て、ゴム材を取り付けた状態を示す一部斜視図である。
【図8】図8は、第2の実施形態の他の態様を示す断面
図である。
【図9】図9は、直径30mmの加圧板を用いて測定し
た第2の実施形態の高弾性部と金属バネとの荷重特性の
差を示すグラフである。
【図10】図10は、直径98mmの加圧板を用いて測
定した第2の実施形態の高弾性部と金属バネとの荷重特
性の差を示すグラフである。
【図11】図11は、第2のクッション材にギャップを
形成した第2の実施形態の他の態様を示す図である。
【図12】図12は、第2のクッション材にギャップを
形成した第2の実施形態のさらに他の態様を示す図であ
る。
【図13】図13は、第2のクッション材にギャップを
形成した第2の実施形態のさらに他の態様を示す図であ
る。
【図14】図14は、第2のクッション材にギャップを
形成した第2の実施形態のさらに他の態様を示す図であ
る。
【図15】図15は、本発明のシート構造の第3の実施
形態を示す断面図である。
【図16】図16は、第3の実施形態の他の態様を示す
一部を切り欠いた斜視図である。
【図17】図17(a)は、図16のB−B’矢視図で
ある。図17(b),(c)は、それぞれ、第3の実施
形態のさらに他の態様を示す断面図である。
【図18】図18は、上記各実施形態で使用可能な三次
元立体編物の一例の構成を示す断面図である。
【図19】図19は、一方のグランド編地の一例を示す
図である。
【図20】図20は、他方のグランド編地の一例を示す
図である。
【図21】図21は、連結糸の各種配設の仕方を例示し
た図である。
【符号の説明】
10 シート 20 シートフレーム 21,22 サイドフレーム 23,24 第1の補助フレーム 30 クッション材 40 ネット部材 51,52 板状フレーム 60 第1のクッション材 70 第2のクッション材 71 高剛性布材 72,73 布状弾性部材 80 第1のクッション材 90 第2のクッション材 100 三次元立体編物 110 一方のグランド編地 120 他方のグランド編地 130 連結糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60N 2/44 B60N 2/44 (72)発明者 川崎 誠司 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番10 号 株式会社デルタツーリング内 (72)発明者 小倉 由美 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番10 号 株式会社デルタツーリング内 (72)発明者 落合 直輝 広島県広島市安芸区矢野新町一丁目2番10 号 株式会社デルタツーリング内 Fターム(参考) 3B087 DE05 3B096 AB07 AD04

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベ
    ルト部材などの各種支持部材によって支持されて張設さ
    れ、 人体中心線回りに対応する部位に設けられ相対的に永久
    ひずみの小さい高剛性部と、人体側部に対応する部位に
    設けられ、荷重特性におけるヒステリシスロスが相対的
    に小さく復元性の高い高弾性部との組み合わせからな
    り、前記高弾性部が荷重の平衡点付近で作用するように
    設けられていることを特徴とするシート用クッション構
    造。
  2. 【請求項2】 前記高弾性部の直径200mmの加圧板
    で加圧した際のバネ定数が、250N/mm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のシート用クッション構
    造。
  3. 【請求項3】 少なくとも上下2層構造を有し、いずれ
    かの一方の層において、相対的に減衰の大きい高減衰部
    及び荷重特性におけるヒステリシスロスが相対的に小さ
    く復元性の高い高弾性部のうちの少なくとも一方が設定
    され、他方の層において、人体中心線回りに対応する部
    位に高剛性部が、人体側部に対応する部位に高弾性部が
    それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1又は
    2記載のシート用クッション構造。
  4. 【請求項4】 互いに離間して配置された一対のグラン
    ド編地同士を連結糸で結合することにより形成された三
    次元立体編物からなり、下層部のグランド編地のうち、
    人体中心線回りに対応する部位に高剛性部を、人体側部
    に対応する部位に高弾性部をそれぞれ設定し、上層部の
    グランド編地と連結糸とのいずれか少なくとも一方に高
    減衰部又は高弾性部を設定したことを特徴とする請求項
    3記載のシート用クッション構造。
  5. 【請求項5】 上層部のグランド編地に高弾性部を設定
    し、連結糸のうち、人体中心線回りに対応する部位に高
    剛性部を、人体側部に対応する部位に高減衰部又は高弾
    性部をそれぞれ設定したことを特徴とする請求項4記載
    のシート用クッション構造。
  6. 【請求項6】 シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベ
    ルト部材などの各種支持部材によって支持されて張設さ
    れる際の無負荷時の張力が伸び率0%近辺であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のシート用
    クッション構造。
  7. 【請求項7】 前記支持部材自体が、他の任意の支持部
    材により吊り下げ支持された張力構造体であることを特
    徴とする請求項6記載のシート用クッション構造。
  8. 【請求項8】 シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベ
    ルト部材などの各種支持部材によって支持されて張設さ
    れた2以上のクッション材を備え、 人体中心線回りに対応する部位に設けられ相対的に永久
    ひずみの小さい高剛性部と、人体側部に対応する部位に
    設けられ、荷重特性におけるヒステリシスロスが相対的
    に小さく復元性の高い高弾性部とが、いずれか少なくと
    も一方のクッション材に設定されてなり、 前記高弾性部が荷重の平衡点付近で作用するように設け
    られていることを特徴とするシート用クッション構造。
  9. 【請求項9】 相対的に減衰の大きい高減衰部を有し、
    シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部材などの
    各種支持部材によって支持されて張設される第1のクッ
    ション材と、 前記第1のクッション材の裏面側にギャップを介して離
    間して、シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部
    材などの各種支持部材によって支持されて張設され、人
    体中心線回りに対応する位置に設けられた相対的に永久
    ひずみの小さい高剛性部と、この高剛性部の両側部に連
    設され、人体側部に対応する位置に設けられた荷重特性
    におけるヒステリシスロスが相対的に小さく復元性の高
    い高弾性部とを有し、前記高弾性部が荷重の平衡点付近
    で作用するように設けられている第2のクッション材と
    を具備することを特徴とする請求項8記載のシート用ク
    ッション構造。
  10. 【請求項10】 前記第2のクッション材が、少なくと
    も人体中心線回りに対応する高剛性部と第1のクッショ
    ン材との間であって、かつ該高剛性部に対してギャップ
    をおいた位置にも設けられた高弾性部を備えて構成され
    ていることを特徴とする請求項9記載のシート用クッシ
    ョン構造。
  11. 【請求項11】 相対的に減衰の大きい高減衰部を有
    し、シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部材な
    どの各種支持部材によって支持されて張設される第1の
    クッション材と、 前記第1のクッション材の裏面側にギャップを介して離
    間して、シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部
    材などの各種支持部材によって支持されて張設され、人
    体中心線回りに対応する位置に設けられた相対的に永久
    ひずみの小さい高剛性部と、この高剛性部と第1のクッ
    ション材との間であって、かつ該高剛性部に対してギャ
    ップをおいた位置に設けられたヒステリシスロスが相対
    的に小さく復元性の高い高弾性部とを備え、該高弾性部
    の両側部付近が人体側部に対応する位置に設けられてい
    る第2のクッション材とを具備することを特徴とする請
    求項8記載のシート用クッション構造。
  12. 【請求項12】 前記第1のクッション材の裏面に、こ
    の第1のクッション材よりも復元性の高い補助クッショ
    ン部材が積層されていることを特徴とする請求項9〜1
    1記載のシート用クッション構造。
  13. 【請求項13】 前記第1のクッション材は、互いに離
    間して配置された一対のグランド編地同士を連結糸で結
    合することにより形成された三次元立体編物から形成さ
    れていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1
    に記載のシート用クッション構造。
  14. 【請求項14】 前記第2のクッション材の高剛性部が
    高剛性布材から構成され、高弾性部が復元性の高い布
    材、ネット材、ゴム材及びそれらの複合部材のいずれか
    から選択される布状弾性部材から構成されていることを
    特徴とする請求項8〜13のいずれか1に記載のシート
    用クッション構造。
  15. 【請求項15】 前記布状弾性部材が、シートの奥行き
    方向に分断された状態で配置されていることを特徴とす
    る請求項14記載のシート用クッション構造。
  16. 【請求項16】 相対的に減衰の大きい高減衰部と、人
    体中心線回りに対応する位置に設けられた相対的に永久
    ひずみの小さい高剛性部とを備え、シートを形成するフ
    レーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持部材によっ
    て支持されて張設される第1のクッション材と、 前記第1のクッション材の裏面側にギャップを介して離
    間して、シートを形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部
    材などの各種支持部材によって支持されて張設され、少
    なくとも人体側部に対応する位置に、荷重特性における
    ヒステリシスロスが相対的に小さく復元性の高い高弾性
    部を有し、前記高弾性部が荷重の平衡点付近で作用する
    ように設けられている第2のクッション材とを具備する
    ことを特徴とする請求項8記載のシート用クッション構
    造。
  17. 【請求項17】 前記第1のクッション材は、互いに離
    間して配置された一対のグランド編地同士を連結糸で結
    合することにより形成された三次元立体編物から形成さ
    れ、一方のグランド編地における人体中心線回りに対応
    する位置に相対的に永久ひずみの小さい高剛性部が配さ
    れていることを特徴とする請求項16記載のシート用ク
    ッション構造。
  18. 【請求項18】 前記第2のクッション材が、少なくと
    も人体中心線回りに対応する高剛性部と第1のクッショ
    ン材との間であって、かつ該高剛性部に対してギャップ
    をおいた位置にも設けられた高弾性部を備えていること
    を特徴とする請求項16又は17記載のシート用クッシ
    ョン構造。
  19. 【請求項19】 前記第1のクッション材は、シートを
    形成するフレーム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持
    部材によって支持されて張設される際の無負荷時の張力
    が伸び率0%近辺であり、 前記第2のクッション材は、シートを形成するフレー
    ム、ワイヤ、ベルト部材などの各種支持部材によって支
    持されて張設される際の無負荷時の張力が伸び率0%以
    上であることを特徴とする請求項8〜18のいずれか1
    に記載のシート用クッション構造。
  20. 【請求項20】 前記第1のクッション材を支持する支
    持部材自体が、他の任意の支持部材により吊り下げ支持
    された張力構造体であることを特徴とする請求項19記
    載のシート用クッション構造。
  21. 【請求項21】 前記高弾性部の直径200mmの加圧
    板で加圧した際のバネ定数が、250N/mm以下であ
    ることを特徴とする請求項8〜20のいずれか1に記載
    のシート用クッション構造。
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