JP2003077185A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2003077185A JP2001199845A JP2001199845A JP2003077185A JP 2003077185 A JP2003077185 A JP 2003077185A JP 2001199845 A JP2001199845 A JP 2001199845A JP 2001199845 A JP2001199845 A JP 2001199845A JP 2003077185 A JP2003077185 A JP 2003077185A
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Takeshi Tsunoda
毅 角田
Shinji Saito
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短波長の青色レーザ光を照射して情報の高密
度且つ大容量記録及び再生が可能であり、更に感度と反
射率に優れた記録特性を有する光情報記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 基板上に、波長380〜500nmのレ
ーザ光を開口率(NA)0.7以上のレンズを通して照
射することにより情報の記録が可能な記録層を有する光
情報記録媒体において、前記基板上に反射層その上に前
記記録層その上にシート層が設けられ、前記記録層が有
機物を含む層であり、且つ前記基板の溝深さが15〜4
5nm、トラックピッチが250〜400nm、溝の半
値幅が60〜200nm、溝の傾斜角が40〜80°で
あることを特徴とする光情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体に
関し、詳しくは、レーザ光の照射により情報の記録及び
再生を行うことができる光情報記録媒体に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知ら
れている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−
R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基
板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる
反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層したもの
である。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外
域のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザ
光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の
照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理
的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)により
その部分の光学的特性が変化することにより情報が記録
される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用の
レーザ光と同じ波長のレーザ光をCD−Rに照射するこ
とにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位
(記録部分)と変化していない部位(未記録部分)との
反射率の違いを検出することにより行われている。 【0003】近年、記録密度のより高い光情報記録媒体
が求められている。このような要望に対して、追記型デ
ジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)
と称される光ディスクが提案されている(例えば、「日
経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発
行)。このDVD−Rは、照射されるレーザ光のトラッ
キングのための案内溝(グルーブ又はプレグルーブとも
言われる)が上述のCD−Rの半分以下(0.74〜
0.8μm)という狭い溝幅で形成された透明な円盤状
基板上に、通常、有機色素を含有する記録層、反射層、
及び保護層をこの順に積層したディスク2枚を記録層を
内側にして貼り合わせた構造、或いはこのディスクと同
じ形状の円盤状保護基板とを記録層を内側にして貼り合
わせた構造を有している。そして、このDVD−Rへの
情報の記録及び再生は、可視レーザ光(通常は、波長6
30nm〜680nmの範囲のレーザ光)を照射するこ
とにより行われており、CD−Rより高密度の記録が可
能である。 【0004】最近、インターネット等のネットワークや
ハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDT
V(High Definition Television)の試験放映も最近開
始されている。このような状況の下で、画像情報を安価
に簡便に記録することができる大容量の記録媒体が必要
とされている。DVD−Rは現状では大容量の記録媒体
としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密
度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応で
きる記録媒体の開発も必要である。このため、DVD−
Rよりも更に短波長の光で高密度の記録を行なうことが
できる、一層大容量の記録媒体の開発が進められてい
る。 【0005】例えば、特開平4−74690号公報、特
開平7−304256号公報、特開平7−304257
号公報、特開平8−127174号公報、同11−53
758号公報、同11−334204号公報、同11−
334205号公報、同11−334206号公報、同
11−334207号公報、特開2000−43423
号公報、同2000−108513号公報、同2000
−113504号公報、同2000−149320号公
報、同2000−158818号公報、及び同2000
−228028には、有機色素を含む記録層を有する光
情報記録媒体において、記録層側から反射層側に向けて
波長530nm以下のレーザ光を照射することにより、
情報の記録及び再生を行う記録再生方法が開示されてい
る。これらの方法では、ポルフィリン化合物、アゾ系色
素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチン
シアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマ
リン化合物、ナフタロシアニン化合物等を含有する記録
層を備えた光ディスクに、青色(波長430nm、48
8nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザ光を照
射することにより情報の記録及び再生を行っている。 【0006】また、現在使用されているCD−Rシステ
ムとの互換性という観点から、2つの異なる波長領域の
レーザ光で記録及び再生が可能な光情報記録媒体が提案
されている。例えば、特開2000−141900号公
報、同2000−158816号公報、同2000−1
85471号公報、同2000−289342号公報、
同2000−309165号公報には、CD−Rに用い
られる色素とDVD−Rで用いられる色素とを混合して
用いることによって、780nm付近の近赤外域のレー
ザ光、及び650nm付近の可視レーザ光の何れのレー
ザ光によっても記録及び再生が可能な光情報記録媒体が
提案されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の検討によれば、上記公報に記載された光ディスクで
は、波長380〜500nmの短波長レーザ光の照射に
より情報を記録する場合には、実用上必要とされる感度
を得ることができず、また、反射率や変調度などの他の
記録特性も満足できるレベルではなく、更に改良を要す
ることが判明した。特に、上記公報に記載された光ディ
スクでは、波長380〜500nmのレーザ光を照射し
た場合に記録特性が低下した。 【0008】本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成さ
れたものであり、本発明の第1の目的は、波長380〜
500nmの短波長の青色レーザ光を照射して情報の高
密度記録及び再生を可能ならしめ、かつ優れた記録特性
を有する光情報記録媒体を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者等は光情報記録媒体の溝形状や記録層物質
を鋭意探求した結果、特定の溝形状や特別の記録層物質
とすることにより目的を達成できることを見出し、本発
明を完成するに至った。 【0010】即ち、本発明は次の通りである。 <1> 基板上に、波長380〜500nmのレーザ光
を開口率(NA)0.7以上のレンズを通して照射する
ことにより情報の記録が可能な記録層を有する光情報記
録媒体において、前記基板上に反射層その上に前記記録
層その上にシート層が設けられ、前記記録層が有機物を
含む層であり、且つ前記基板の溝深さが15〜45n
m、トラックピッチが250〜400nm、溝の半値幅
が60〜200nm、溝の傾斜角が40〜80°である
ことを特徴とする光情報記録媒体。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の光情報記録媒体の
実施の形態について、詳細に説明する。 【0012】本発明の光情報記録媒体は、基板上に波長
380〜500nmのレーザ光を開口率(NA)0.7
以上のレンズを通して照射することにより情報の記録が
可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該基板
上に反射層その上に前記記録層その上にシート層が設け
られ、前記記録層が有機物の層であり、且つ該基板の溝
深さが15〜45nm、トラックのピッチが250〜4
00nm、溝の半値幅が60〜200nm、溝の傾斜角
が40〜80°であることを特徴とする。 【0013】(有機物記録層)本発明の光情報記録媒体
の記録層は有機物(有機色素と言われることもある)の
層からなり、波長380〜500nmのレーザ光をNA
(開口率)0.7以上のレンズを通過させて集光し、そ
の焦点位置で記録層を照射することにより、該有機物層
の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物
理的或いは化学的変化(例えば、ピットなどの生成)に
よりその部分の光学的特性が変化することを利用して情
報が記録される。一方、情報の読取り(再生)は、通
常、上記記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を光デ
ィスクに照射して、前記有機物記録層の光学的特性が変
化した部位(記録部分)と変化していない部位(未記録
部分)との反射率の違い等を検出することにより行われ
る。 【0014】本発明の記録層を構成する有機物として
は、フタロシアニン誘導体及び/又はベンゾトリアゾー
ル誘導体を含有することが、更に大容量で且つ高密度の
記録媒体が得られる点で、好ましい。 【0015】(フタロシアニン誘導体)本発明の光情報
記録媒体の有機物記録層に用いられる前記フタロシアニ
ン誘導体としては、下記一般式(I)で表される化合物
が好ましい。 【0016】 【化1】 〔式(I)中、Rは置換基を表し、nは1乃至8の整数
を表し、nが2以上の整数のとき、複数個のRは互いに
同一でも異なっていてもよく、Mは2個の水素原子、金
属、金属酸化物、または配位子を有する金属を表す。〕 【0017】一般式(I)において、Rで表される置換
基の好ましい例としては、炭素原子数1乃至20のアル
キル基、炭素原子数6乃至14のアリール基、炭素原子
数7乃至15のアラルキル基、炭素原子数1乃至10の
ヘテロ環基、炭素原子数1乃至20のアルコキシ基、炭
素原子数6乃至14のアリールオキシ基、炭素原子数2
乃至21のアシル基、炭素原子数2乃至21スルホニル
基、炭素原子数1乃至25のカルバモイル基、炭素原子
数0乃至32のスルファモイル基、炭素原子数1乃至2
0のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7乃至15の
アリールオキシカルボニル基、炭素原子数2乃至21の
アシルアミノ基、炭素原子数1乃至20のスルホニルア
ミノ基又はハロゲン原子を挙げることができるが、好ま
しいものは、炭素原子数3乃至16のアルキル基、炭素
原子数6乃至10のアリール基、炭素原子数3乃至16
のアルコキシ基、炭素原子数6乃至10のアリールオキ
シ基、炭素原子数3乃至16スルホニル基、炭素原子数
2乃至20のスルファモイル基であり、更に好ましいも
のは炭素原子数4乃至12のアルコキシ基、炭素原子数
4乃至12スルホニル基又は炭素原子数4乃至16のス
ルファモイル基であり、特に好ましいものは、炭素原子
数6乃至12のスルファモイル基である。 【0018】一般式(I)において、置換基Rは更に置
換基を有していてもよく、該置換基の例としては、以下
に記載のものを挙げることができる。 【0019】炭素原子数1〜20の鎖状または環状のア
ルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、シ
クロヘキシル)、炭素原子数6〜18のアリール基(例
えば、フェニル、クロロフェニル、2,4−ジ−t−ア
ミルフェニル、1−ナフチル)、炭素原子数7〜18の
アラルキル基(例えば、ベンジル、アニシル)、炭素原
子数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル、2−メ
チルビニル)、炭素原子数2〜20のアルキニル基(例
えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエ
チニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、
I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭
素原子数2〜20のアシル基(例えば、アセチル、ベン
ゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、炭素原子数1〜
20のアルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シ
クロヘキシルオキシ)、炭素原子数6〜20のアリール
オキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ、トル
オイル)、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基(例え
ば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メト
キシプロピルチオ)、炭素原子数6〜20のアリールチ
オ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチ
オ)、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基(例
えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、炭素原
子数6〜20のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼ
ンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数
1〜17のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモ
イル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−
ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル)、炭素原
子数1〜16のアミド基(例えば、アセトアミド、ベン
ズアミド)、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基(例
えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素原子数2
〜10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル)、5もしくは6員のヘ
テロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チア
ゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ
環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラ
ン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環など
のヘテロ環)。 【0020】一般式(I)において、置換基Rの置換基
として好ましいものは、炭素原子数1〜16の鎖状又は
環状のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基、
炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜1
6のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキ
シ基、ハロゲン原子、炭素原子数2〜17のアルコキシ
カルボニル基、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、
炭素数1〜10のアミド基であり、中でも好ましいもの
は、炭素原子数1〜10の鎖状又は環状のアルキル基、
炭素原子数7〜13のアラルキル基、炭素原子数6〜1
0のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、
炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、塩素原子、炭
素原子数2〜11のアルコキシカルボニル基、炭素原子
数1〜7のカルバモイル基、炭素数1〜8のアミド基で
あり、特に好ましいものは、炭素原子数3〜10の鎖状
分岐又は環状のアルキル基、炭素原子数7〜11のアラ
ルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子
数3〜9のアルコキシカルボニル基、フェニル及び塩素
原子である。 【0021】一般式(I)において、nは2乃至6が好
ましく、更に3又は4が好ましく、特に4が好ましい。
nが2以上の整数のとき、複数個のRは互いに同一でも
異なっていてもよいが、同一である場合が好ましい。ま
た、一般式(I)において、Mは金属であることが好ま
しく、中でも銅、ニッケル又はパラジウムが好ましく、
更に銅又はニッケルが好ましく、特に銅が好ましい。 【0022】一般式(I)で表される化合物は、任意の
位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合
の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポ
リスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコー
ル、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。 【0023】本発明の光情報記録媒体に用いられる一般
式(I)で表されるフタロシアニン誘導体は、特定の誘
導体単独で使用してもよく、また構造の異なったものを
複数種混合して用いてもよいが、単独で使用することが
好ましい。尚、一般式(I)で表されるフタロシアニン
誘導体は、その合成時において不可避的に置換基Rの置
換位置異性体を含む場合があるが、これら置換位置異性
体は互いに区別することなく同一誘導体とみなすことが
できる。また、Rの置換基に異性体が含まれる場合も、
これらを区別することなく、同一のフタロシアニン誘導
体とみなすことができる。従って、構造が異なる場合と
は、一般式(I)で説明すると、置換基Rの構成原子種
又は数が異なる場合もしくはnが異なる場合の何れかで
ある。 【0024】以下に、本発明で用いるフタロシアニン誘
導体の好ましい具体例を下記表1に示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。尚、フタロシアニン誘
導体の置換基Rの置換位置の番号を下記化2に示す。 【0025】 【化2】【0026】 【表1】 【0027】本発明に用いられるフタロシアニン誘導体
は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行
「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、
C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共
著、VCH発行‘Phthalocyanines−P
roperties and Application
s’(P.1〜54)等に記載された方法、引用された
方法、もしくはこれらに類似の方法により合成すること
ができる。 【0028】(ベンゾトリアゾール誘導体)また、本発
明の光情報記録媒体の有機物記録層に用いられる前記ベ
ンゾトリアゾール誘導体としては、下記一般式(II)で
表される化合物が好ましい。 【0029】 【化3】 〔式(II)中、h及びkはそれぞれ独立に1乃至3の整
数を表す。R3及びR4は置換基を表し、r及びsは0乃
至3の整数を表す。但し、h=1且つr≠0のとき、R
3は炭素原子数2〜16のアルキル基、炭素原子数6〜
14のアリール基、炭素原子数7〜15のアラルキル
基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数6
〜14のアリールオキシ基、炭素原子数2〜17のアル
コキシカルボニル基、炭素原子数1〜10のカルバモイ
ル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜
17のアシルオキシ基、及びハロゲン原子からなる群か
ら選択される置換基を表す。〕 【0030】一般式(II)で表されるベンゾトリアゾー
ル化合物は、ベンゼン環が、少なくともヒドロキシ基と
1,2,3−ベンゾトリアゾリル基の2位の窒素原子と
で置換された化合物である。 【0031】一般式(II)において、hは1,2,3−
ベンゾトリアゾリル基の数を表す。hは1乃至3の整数
であり、1又は2が好ましく、特に1が好ましい。kは
ヒドロキシ基の数を表す。kは1乃至3の整数であり、
1又は2が好ましく、特に1が好ましい。また、1,
2,3−ベンゾトリアゾリル基とヒドロキシ基は互いに
隣接してベンゼン環に置換している場合が好ましい。 【0032】一般式(II)において、R3はベンゼン環
の置換基であり、R4は1,2,3−ベンゾトリアゾー
ル環の置換基である。rは置換基R3の数を表す。rは
0乃至3の整数であり、1又は2が好ましく、特に1が
好ましい。sは置換基R4の数を表す。sは0乃至3の
整数であり、0又は1が好ましく、特に0が好ましい。
即ち、ヒドロキシ基で置換されたベンゼン環は他の置換
基を有していることが好ましいが、1,2,3−ベンゾ
トリアゾール環は無置換であることが好ましい。 【0033】一般式(II)において、R3またはR4で表
される置換基の例としては、以下に記載のものを挙げる
ことができる。 【0034】炭素原子数1〜20の鎖状または環状のア
ルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、シ
クロヘキシル)、炭素原子数6〜18のアリール基(例
えば、フェニル、クロロフェニル、2,4−ジ−t−ア
ミルフェニル、1−ナフチル)、炭素原子数7〜18の
アラルキル基(例えば、ベンジル、アニシル)、炭素原
子数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル、2−メ
チルビニル)、炭素原子数2〜20のアルキニル基(例
えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエ
チニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、
I)、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素
原子数2〜20のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾ
イル、サリチロイル、ピバロイル)、炭素原子数1〜2
0のアルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シク
ロヘキシルオキシ)、炭素原子数6〜20のアリールオ
キシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ、トルオ
イル)、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基(例え
ば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メト
キシプロピルチオ)、炭素原子数6〜20のアリールチ
オ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチ
オ)、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基(例
えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、炭素原
子数6〜20のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼ
ンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数
1〜17のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモ
イル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−
ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル)、炭素原
子数1〜16のアミド基(例えば、アセトアミド、ベン
ズアミド)、炭素原子数2〜20のアシルオキシ基(例
えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素原子数2
〜20のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル)、5もしくは6員のヘ
テロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チア
ゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ
環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラ
ン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環など
のヘテロ環)。但し、R1で表される置換基からは、
1、3−ジメチルバルビツール酸から誘導される基は除
かれる。 【0035】R3またはR4で表される置換基として好ま
しいものは、炭素原子数2〜16の鎖状又は環状のアル
キル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数
7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜16のアルコ
キシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、ハロ
ゲン原子、炭素原子数2〜17のアルコキシカルボニル
基、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素数1〜
10のアミド基であり、中でも好ましいものは、炭素原
子数2〜10の鎖状又は環状のアルキル基、炭素原子数
7〜13のアラルキル基、炭素原子数6〜10のアリー
ル基、炭素原子数2〜10のアルコキシ基、炭素原子数
2〜17のアシルオキシ基、炭素原子数6〜10のアリ
ールオキシ基、塩素原子、炭素原子数2〜11のアルコ
キシカルボニル基、炭素原子数2〜7のカルバモイル
基、炭素数2〜8のアミド基であり、特に好ましいもの
は、炭素原子数3〜10の鎖状分岐又は環状のアルキル
基、炭素原子数7〜11のアラルキル基、炭素原子数2
〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜9のアルコキシカ
ルボニル基、フェニル及び塩素原子である。 【0036】但し、h=1且つr≠0のとき、R3で表
される置換基としては、炭素原子数2〜16のアルキル
基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数7〜
15のアラルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ
基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子
数2〜17のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜
10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド
基、炭素原子数2〜17のアシルオキシ基、またはハロ
ゲン原子が特に好適である。 【0037】R3またはR4で表される置換基は更に置換
基を有していてもよく、この場合の置換基の例として
は、R3またはR4で表される置換基の例として上述した
ものを挙げることができる。また、R3は2価または3
価の連結基であってもよく、複数のベンゼン環を置換し
ていてもよい。このときR3で置換される複数のベンゼ
ン環は異なる置換基で置換されていてもよい。 【0038】一般式(II)で表される化合物は、任意の
位置で直接または間接に結合して多量体を形成していて
もよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なってい
てもよい。なお、任意の位置で間接に結合して多量体を
形成する場合には、前記のR 1またはR3で表される置換
基を連結基として結合する場合が含まれる。また、ポリ
スチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコー
ル、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。 【0039】以下に、本発明で用いられるベンゾトリア
ゾール化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。 【0040】 【化4】 【0041】 【化5】【0042】 【化6】【0043】 【化7】【0044】 【化8】【0045】 【化9】【0046】 【化10】【0047】本発明に用いられるベンゾトリアゾール化
合物は、例えば特公昭54−41038号公報、同60
−14062号公報、特公平2−33709号公報、特
登2858940号公報、同2864468号公報、英
国特許第1,239,258号公報、米国特許第4,5
87,346号公報、Poymer、1985、Vol
26、1288及びMonatsh.Chem.198
1,112,1279等に記載または引用の方法もしく
はこれらに類似の方法により合成することができるが、
塗料やポリマーの安定化剤として市販されているものを
使用してもよい。 【0048】ベンゾトリアゾール化合物は、単独で用い
ても良いし、二種以上を併用しても良い。また、ベンゾ
トリアゾール化合物とこれ以外の色素化合物とを記録物
質として併用してもよい。併用できる色素化合物の例と
しては、シアニン系色素、オキソノール系色素、アゾ金
属錯体、フタロシアニン系色素、ピリリウム系色素、チ
オピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリ
ウム系色素、ナフトキノン系色素、トリフェニルメタン
系色素、及びトリアリルメタン系色素等を挙げることが
できる。 【0049】(記録媒体基板)本発明の光情報記録媒体
は、基板上に反射層その上に記録層その上にシート層が
設けられて構成され、該基板の溝深さ(図1のa)が1
5〜45nm、トラックのピッチ(図1のb)が250
〜400nm、溝の半値幅(図1のc)が60〜200
nm、溝の傾斜角(図1のd)が40〜80°であるこ
とを特徴としているが、これ以外には特に制限はなく、
種々の構成の光情報記録媒体に適用することができる。
ここで、溝の半値幅(d)とは、該溝の深さの半分の地
点における溝の幅のことを表す。本発明の光情報記録媒
体は、上記の構成で成り立っているので、感度や反射率
等の記録媒体としての基本性能を高水準に保持しなが
ら、記録容量と記録密度を一層向上させることができ
る。 【0050】本発明の光情報記録媒体の基板は、従来の
光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料
から任意に選択することができる。基板材料としては、
例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル
共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモル
ファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げる
ことができ、各々を単独で使用しても、所望によりそれ
らを併用してもよい。尚、これらの材料はフィルム状と
して又は剛性のある基板として使うことができる。上記
材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び経済性などの観
点からポリカーボネート樹脂の使用が好ましい。 【0051】本発明の光情報記録媒体には、記録密度を
高めるために、CD−RやDVD−Rに比べてより狭
い、250〜400nmのトラックピッチのグルーブが
形成された基板が用いられる。基板の該トラックピッチ
は、更に260〜380nmの範囲が好ましく、特に2
80〜350nmの範囲にあることが最も好ましい。該
トラックピッチが250nmより狭くなると、所望の感
度(C/N)が得られなくなり、一方400nmより広
くなると高密度・大容量化が達成できない。 【0052】また、本発明の光情報記録媒体では、基板
の溝の半値幅が60〜200nmの範囲にある。この基
板の溝の半値幅は、更に80〜200nmの範囲が好ま
しく、特に80〜150nmの範囲にあることが最も好
ましい。該溝の半値幅が60nmより狭くなると、或い
は200nmより広くなると、いずれの場合も溝信号の
出力が小さ過ぎ、所望のトラッキングが達成できない。 【0053】また、本発明の光情報記録媒体では、基板
の溝の深さは15〜45nmの範囲にある。この基板の
溝深さは、更に15〜40nmの範囲が好ましく、特に
20〜40nmの範囲にあることが最も好ましい。該溝
の深さが15nmより浅くなると、位相差が小さ過ぎる
ためトラッキング信号が小さくなり、所望のトラッキン
グが機能しなくなる。一方、該溝の深さが45nmより
深くなると、位相差の関係で反射率が小さくなり、感度
(C/N)が低下して正確な再生ができなくなる。 【0054】また、本発明の光情報記録媒体では、基板
の溝の傾斜角が40〜80°の範囲にある。この基板の
溝の傾斜角は、更に50〜80°の範囲が好ましく、特
に60〜80°の範囲にあることが最も好ましい。該溝
の傾斜角が40°より小さくなると、位相差の関係でグ
ルーブ反射率が低下して、感度(C/N)が低くなり正
確な再生ができなくなる。一方、該溝の傾斜角が80°
より大きくなると、基板の成型時に金型からの脱型が困
難になり、溝にクラウドのような欠陥が発生しやすく、
感度(C/N)が低下して正確な再生ができなくなる。 【0055】尚、本発明の光情報記録媒体では、前記基
板の溝深さをa(nm)、トラックのピッチをb(n
m)、溝の半値幅をc(nm)、溝の傾斜角をd(°)
とするとき、これらの3変数の間で下記の不等式; c+(a/2)×tan(d) < b/2 を満たすことが、記録媒体としての性能を維持し大容量
且つ高密度化を図る上で好ましい。 【0056】本発明の反射層が設けられる側の基板表面
には、平面性の改善、接着力の向上及び反射層や記録層
の変質防止の目的で、下塗層を設けてもよい。下塗層の
材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アク
リル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイ
ン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロール
アクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、
クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポ
リ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、
ポリイミド、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の高分子物質、及びシランカッ
プリング剤等の表面改質剤を挙げることができる。本発
明の下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散
して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコー
ト、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗
布法により基板表面に塗布することにより形成すること
ができる。該下塗層の層厚は一般に0.005〜20μ
mの範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜10μ
mの範囲である。 【0057】(反射層)本発明の光情報記録媒体では、
前記基板の上かつ前記有機物記録層の下に、情報の再生
時における反射率を向上させるために、反射層が設けら
れる。反射層の材料である光反射性物質は、レーザに対
する反射率が70%以上の物質であれば何でもよいが、
反射率が高い物質が好ましく、その例としては、Mg、
Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、R
h、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、P
o、Sn、Biなどの金属及び半金属或いはステンレス
鋼を挙げることができる。 【0058】これらの物質は単独で用いてもよいし、或
いは二種以上の混合で、又は合金として用いてもよい。
これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、C
u、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好
ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれ
らの合金であり、最も好ましくは、Ag金属、Al金属
あるいはそれらの合金である。本発明の反射層は、例え
ば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオ
ンプレーティングを施すことにより基板若しくは記録層
の上に形成することができる。反射層の厚みは、一般的
には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nm
の範囲にあることが好ましい。 【0059】(記録層の形成)本発明の光情報記録媒体
では、上記反射層の上に、光情報を記録するための有機
物(既述の記録層を構成する有機物)を含む記録層が設
けられる。本発明の該有機物記録層の形成は、蒸着、ス
パッタリング、CVD又は溶剤塗布等の方法によって行
うことができるが、溶剤塗布が好ましい。塗布温度は、
23℃以上で50℃以下であれば特に問題はないが、好
ましくは24℃〜40℃、更に好ましくは25℃〜37
℃の範囲である。溶剤塗布により記録層を形成する場合
に、前記フタロシアニン誘導体又はベンゾトリアゾール
誘導体の有機物の他に、更に所望によりクエンチャー、
結合剤等を溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの
塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成した後、形成し
た塗布膜を乾燥する。 【0060】塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸
エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケ
トンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロル
エタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホ
ルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化
水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
ジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3
−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル等のグリコールエーテル類などを挙げること
ができる。上記溶剤は使用する有機物の溶解性を考慮し
て単独で、或いは二種以上を組み合わせて使用すること
ができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、
可塑剤、潤滑剤等の各種添加剤を目的に応じて添加して
もよい。 【0061】前記有機物記録層に結合剤を使用する場合
に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導
体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物
質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸
ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビ
ニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、
ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール−ホルムアル
デヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機
高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合
剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に前記有
機物に対して0.01〜50倍質量の範囲が好ましく、
より好ましくは0.1〜5倍質量の範囲である。このよ
うにして調製される塗布液中の前記有機物の濃度は、一
般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは
0.1〜5質量%の範囲にある。 【0062】前記有機物記録層の塗布方法としては、ス
プレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート
法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン
印刷法等を挙げることができる。該記録層は単層でも重
層でもよい。また、記録層の層厚は一般に20〜500
nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲
にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にあ
る。 【0063】本発明の有機物記録層には、記録層の耐光
性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させる
ことができる。このような褪色防止剤としては、一般的
に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素ク
エンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物
に記載のものを利用することができる。その具体例とし
ては、特開昭58−175693号、同59−8119
4号、同60−18387号、同60−19586号、
同60−19587号、同60−35054号、同60
−36190号、同60−36191号、同60−44
554号、同60−44555号、同60−44389
号、同60−44390号、同60−54892号、同
60−47069号、同63−209995号、特開平
4−25492号、特公平1−38680号、及び同6
−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号
明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第11
41頁等に記載のものを挙げることができる。好ましい
一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式
(III)で表される化合物を挙げることができる。 【0064】 【化11】 〔式(III)中、R21は置換基を有していてもよいアル
キル基を表わし、そしてQ-はアニオンを表わす。〕 【0065】一般式(III)において、R21は置換され
ていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般的であ
り、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。ア
ルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F,C
l)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アル
キルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基
(例、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基
(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ
基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例、ビニ
ル)、アリール基(例、フェニル、ナフチル)を挙げる
ことができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ま
しい。Q-のアニオンの好ましい例としては、Cl
4 -、AsF6 -、BF4 -、及びSbF6 -を挙げることが
できる。 【0066】一般式(III)で表される化合物例を表2
に記載する。 【表2】 前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量
は、前記有機物の量に対して、通常0.1〜50質量%
の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範
囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ま
しくは5〜25質量%の範囲である。 【0067】(シート層)本発明の光情報記録媒体にお
いては、上記有機物記録層の上に、該記録層などを物理
的及び化学的に保護する目的でシート層が設けられる。
該シート層としては、光透過性の材質であれば何でもよ
いが、本発明に用いられるシート層材料の例としては、
SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無
機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂
等の有機物質を挙げることができる。特に、ポリカーボ
ネート或いは三酢酸セルロースのような熱可塑性樹脂が
好ましく、更に温度23℃相対湿度50%の環境下で吸
湿率が5%以下の熱可塑性樹脂が好ましい。 【0068】シート層は、例えばプラスチックの押出加
工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミ
ネートすることにより形成することができる。あるいは
真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けら
れてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合
には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した
のち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形
成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、その
ままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したの
ちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させるこ
とによっても形成することができる。これらの塗布液中
には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各
種添加剤を目的に応じて添加してもよい。シート層の層
厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。以上の
工程により、基板上に、反射層、記録層そしてシート層
が設けられた本発明の光情報記録媒体用の積層体を製造
することができる。 【0069】なお、上記シート層は中間層、接着層等を
介して記録層上に設けてもよい。中間層は記録層の保存
性を高め、記録層と薄膜シート層との接着性を向上させ
るために設けられる。中間層に用いられる材料として
は、例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、S
34などの無機物質を挙げることができる。また、こ
の中間層は、蒸着、スパッタリング等の真空成膜により
形成することができる。接着層には光硬化性樹脂を含む
接着剤を使用するのが好ましい。例えば、光硬化性樹脂
をそのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製
した後、この塗布液を中間層上に塗布し、塗布膜上に例
えばプラスチックの押出加工で得られた樹脂フィルムを
ラミネートし、ラミネートした樹脂フィルムの上から光
照射して塗布膜を硬化させることにより、樹脂フィルム
を中間層上に接着することができる。これにより薄膜シ
ート層が形成される。 【0070】(情報記録方法)本発明に係わる情報記録
方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のよ
うに行われる。まず光情報記録媒体を定線速度(CDフ
ォーマットの場合は1.2〜1.4m/秒)又は定角速
度にて回転させながら、基板側或いは保護層側から波長
380〜500nmの光を含む半導体レーザなどの記録
用の光をNA(レンズ開口率)0.7以上のレンズを通
して照射する。この光の照射により、有機物記録層がそ
の光を吸収して局所的に温度が上昇し、物理的或いは化
学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその照射個
所の光学的特性を変えることにより、情報が記録され
る。 【0071】波長380〜500nmの範囲の発振波長
を有するレーザ光源としては、波長380〜500nm
の範囲の発振波長を有する青色半導体レーザを挙げるこ
とができる。記録密度の上げる点で青色半導体レーザを
用いることが特に好ましい。なお、上記のように記録さ
れた情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線
速度で回転させながらレーザ光をシート側から照射し
て、その反射光を検出することにより行うことができ
る。 【0072】本発明の光情報記録媒体は、例えば一定の
トラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板
上に反射層、記録層およびシート層をこの順に積層して
構成されている。この光情報記録媒体では、所定厚さ
(CD−Rでは1.2mm)の基板とは反対側に薄膜の
シート層を設け、この薄膜シート層側から光を照射して
記録を行うことにより、照射するレーザ光のビーム径を
小さく絞ることができ、波長500nm以下の短波長の
光で高密度の記録を行うことができる。 【0073】 【実施例】以下の実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。 【0074】<A:フタロシアニン系有機物記録層の例
> [実施例1〜5、9〜12;比較例1、2、5、6]厚
さ1.2mm、直径120mmのスパイラル状グルーブ
(表3に各々の溝深さ、トラックピッチ、溝の半値幅、
溝の傾斜角を示す)を有する射出成形ポリカーボネート
樹脂((株)帝人製の商品名「パンライトAD550
3」)基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタ
リングして膜厚100nmの反射層を形成した。別途、
CIBAスペシャリティケミカル社製のフタロシアニン
「オラゾールブルGN」を2,2,3,3−テトラフル
オロプロパノールと混合して2時間超音波を掛けて溶解
させ、記録層形成用塗布液(濃度2質量%)を得た。こ
の有機色素塗布液を、スピンコート法により回転数を3
00rpmから4000rpmまで変化させながら、温
度23℃相対湿度50%の条件で塗布した。その後、温
度23℃相対湿度50%で1時間保存した後、ZnS−
SiO2を膜厚5nmになるようにスパッタリングし
て、UV硬化接着剤(大日本インキ化学社製の「SD−
640」)をスピンコート法により回転数100〜30
0rpmで塗布し、ポリカーボネートシート((株)帝
人製の「ピュアエース」、70ミクロン)を重ね合わ
せ、その後回転数を300rpmから4000rpmま
で変化させながら、全面に接着剤を広げた後、UV照射
ランプにて紫外線を照射して硬化させ、本発明に係わる
実施例1〜5、9〜12、及び比較例1、2、5、6の
光情報記録媒体(光ディスク)サンプルを作製した。 【0075】<B:ベンゾトリアゾール系有機物記録層
の例> [実施例6〜8、13〜17;比較例3、4、7、8]
厚さ1.2mm、直径120mmの螺旋状グルーブ(表
3に各々の溝深さ、トラックピッチ、溝の半値幅、溝の
傾斜角を示す)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂
((株)帝人製の商品名「パンライトAD5503」)
基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタリング
して膜厚100nmの反射層を形成した。別途、下記の
化合物1(ベンゾトリアゾール)を2,2,3,3−テ
トラフルオロプロパノールと混合して2時間超音波を掛
けて溶解させ、記録層形成用塗布液(濃度2質量%)を
得た。この有機色素塗布液を、スピンコート法により回
転数を300rpmから4000rpmまで変化させな
がら、温度23℃相対湿度50%の条件で塗布した。そ
の後、温度23℃相対湿度50%で1時間保存した後、
ZnS−SiO2を膜厚5nmになるようにスパッタリ
ングして、UV硬化接着剤(大日本インキ化学社製の
「SD−640」)をスピンコート法により回転数10
0〜300rpmで塗布し、ポリカーボネートシート
((株)帝人製の「ピュアエース」、70ミクロン)を
重ね合わせ、その後回転数を300rpmから4000
rpmまで変化させながら全面に接着剤を広げた後、U
V照射ランプにて紫外線を照射して硬化させ、本発明に
係わる実施例6〜8、13〜17、及び比較例3、4、
7、8の光情報記録媒体(光ディスク)サンプルを作製
した。 【0076】 【化12】 【0077】<光ディスクとしての評価>上記で作製し
た光情報記録媒体(光ディスク)について、線速度3.
5m/秒で3T−EFM信号を発振波長405nmの青
色半導体レーザを用いて開口率(NA)0.85のレン
ズ系を通して記録した後、記録された信号を再生した。
波長405nmの青色半導体レーザと開口率(NA)
0.85のレンズ系を積載したパルステック社製「DD
U1000」を用いて、未記録のグルーブ反射率を測定
した。また、3T信号を8mWで記録して、その感度
(C/N)を測定した。評価結果を下記の表3に示す。 【0078】 【表3】 【0079】表3の結果から、本発明に従う光ディスク
(実施例1〜17)は、比較例1〜8の光ディスクに比
べて、開口率(NA)0.85のレンズを通過させて集
光した波長405nmのレーザ光に対して高い反射率を
示し、しかも高感度であることが判明した。従って、本
発明に従う光情報記録媒体を用いることで、開口率(N
A)0.7以上のレンズを通過させた波長380〜50
0nmの短波長レーザ光に対して高い記録特性を具えた
光ディスクが得られることが分かった。 【0080】 【発明の効果】本発明の光情報記録媒体は、記録層を有
機物を含む層とし、基板の溝深さを15〜45nm、ト
ラックピッチを250〜400nm、溝の半値幅を60
〜200nm、溝の傾斜角を40〜80°としたことに
より、波長380〜500nmの短波長のレーザ光を照
射して情報の高密度記録及び再生が可能であり、かつ高
感度、高反射率といった良好な記録再生特性を有する、
という効果を奏する。即ち、従来のCD−RやDVD−
Rよりも高密度での情報の記録が可能となり、更に大容
量の情報の記録が可能となった。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の光情報記録媒体の基板の溝の半径方
向の断面図である。 【符号の説明】 a 溝の深さ b トラックピッチ c 溝の半値幅 d 溝の傾斜角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/007 B41M 5/26 Y (72)発明者 斉藤 真二 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H111 EA03 EA22 EA32 FA01 FA12 FA14 FB42 FB45 5D029 JA04 JC01 WB11 WB21 WC01 WC06 WD10 WD12 WD19 5D090 AA01 BB03 BB07 CC01 DD03 EE01 FF11 GG07 KK01 KK06

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に、波長380〜500nmのレ
    ーザ光を開口率(NA)0.7以上のレンズを通して照
    射することにより情報の記録が可能な記録層を有する光
    情報記録媒体において、前記基板上に反射層その上に前
    記記録層その上にシート層が設けられ、前記記録層が有
    機物を含む層であり、且つ前記基板の溝深さが15〜4
    5nm、トラックピッチが250〜400nm、溝の半
    値幅が60〜200nm、溝の傾斜角が40〜80°で
    あることを特徴とする光情報記録媒体。
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