JP2003075410A - 鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度診断方法および疲労損傷度診断システム - Google Patents

鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度診断方法および疲労損傷度診断システム

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JP2003075410A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 BHN電圧パルス幅の新規な評価手法を疲労
損傷材に適用することによって、既設の鋼構造物の疲労
損傷度をスポットで診断可能とする。 【解決手段】 被測定物と同一鋼種の鋼材を試験片に用
いて、荷重の繰り返し回数がN=0,Nf(破断回数)
及びN=0〜Nfの間で所定の繰り返し回数で疲労させ
たそれぞれの試験片を励磁させ、試験片の励磁による磁
化変化を電圧波形として検出し、BHノイズの電圧波形
から電圧パルス幅を求め、電圧パルス幅がNに対して最
も大きく変化する励磁磁場を求め、電圧パルス幅と疲労
損傷度との相関関係を求め、被測定物を励磁し、磁化変
化を検出し、BHノイズの電圧波形を抽出し、電圧パル
ス幅を求め、相関関係から被測定物の疲労損傷度を診断
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主要構造部が鋼材
によって構成された建築物、橋梁、工作物などの鋼構造
物の疲労損傷度診断方法、および、疲労損傷度診断装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物を構成している構造部材は、風、
地震等による揺れによって、程度の差はあるものの、建
設後から繰り返し荷重に伴う疲労損傷を受けている。ま
た橋梁等においては、通過車両による繰り返し振動によ
っても疲労損傷が進行している。疲労が累積した鋼材や
溶接部は、大地震等による突然の大きな荷重負荷に対し
て破壊し易く、疲労損傷度の診断は鋼構造物の安全性を
確認していく上で必要と考えられている。
【0003】現状では、構造物に発生する歪みの程度を
予め構造計算等で求めた上で耐用年数を推定する方法
や、疲労損傷に起因する亀裂をカラーチェック等によっ
て主として目視で行う検査が実施されている。しかしな
がら、これらの方法では、設計から外れた異常荷重によ
る累積疲労が捉えられなかったり、亀裂がある程度まで
進展しないと検出されにくいことから、既に致命的な亀
裂が発生していて補修等の対策が手遅れになる危険性が
あった。このため、亀裂が致命的なレベルに進展する前
に鋼材の疲労損傷度を非破壊で診断できる技術が望まれ
ている。
【0004】繰り返し応力あるいは歪に起因して生じる
亀裂発生を事前に非破壊的に検出する手法として、磁化
の不連続性に起因するバルクハウゼンノイズ(以下、B
HNと記す)を用いた方法が注目されている。L.P. Kar
jalainenらは、軟鋼から検出されるBHNの波高電圧値
が繰り返し荷重に対して変化することを見出し、破断直
前に電圧値が急激に増加するとの報告を行った(L.P. K
arjalainenら、IEEE Trans. Mag. MAG-16, 514(198
0))。
【0005】また、本発明者らは特開平10-253595号公
報にBHNを利用して精度の高い疲労診断を行う方法と
して、鋼材表面の特定位置に磁気ヘッドを固定する方法
を開示した。しかしこれらの方法は、疲労劣化前の敷設
直後から連続的にモニタリングしなければならず、既に
疲労劣化している既設構造物には適用できない。
【0006】特開平5-249081号公報では、BHNを2分
割してそれぞれの部分の実効値電圧から材料組織を評価
する方法が示されている。しかし、特開平5-249081号公
報の方法は、結晶粒径や介在物粒径を測定するものであ
って、疲労損傷度を診断するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の様な理由で、従
来技術には既設の鋼構造物の疲労損傷度をスポットで診
断する方法は無かった。本発明はBHN電圧パルス幅の
新規な評価手法を疲労損傷材に適用することによって、
既設の鋼構造物の疲労損傷度をスポットで診断可能とす
る診断方法、および、診断システムを提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の目標を達成するた
めに、本発明は以下の態様を要旨とする。 (1)鋼構造物を構成する鋼材から検出されるBHNか
ら疲労損傷度を診断する方法であって、被測定物と同一
鋼種の鋼材を試験片に用いて、荷重の繰り返し回数がN
=0,Nf(破断回数)、および、N=0〜Nfの間で少
なくとも1条件の繰り返し回数で疲労させたそれぞれの
試験片を励磁部で励磁させるステップ、該試験片の励磁
による磁化変化を検出部に誘起される電圧波形として検
出するステップ、該電圧波形から周波数フィルタリング
でBHNの電圧波形を抽出するステップ、該BHNの電
圧波形を電圧−時間領域に示した後にBHNの電圧パル
ス幅を求めるステップ、その際にBHNの電圧パルス幅
が前記Nに対して最も大きく変化する励磁磁場を求める
ステップ、さらに前記測定励磁磁場で測定したBHNの
電圧パルス幅と疲労損傷度との相関関係を求めるステッ
プ、引き続き、被測定物を励磁磁場で励磁するステッ
プ、該被測定物の励磁による磁化変化を検出部に誘起さ
れる電圧波形として検出するステップ、該電圧波形から
周波数フィルタリングでBHNの電圧波形を抽出するス
テップ、該BHNの電圧波形を電圧−時間領域に示した
後に前記測定励磁磁場におけるBHNの電圧パルス幅を
求めるステップ、該BHNの電圧パルス幅から前記相関
関係を用いて被測定物の疲労損傷度を診断するステッ
プ、を含むことを特徴とする鋼構造物を構成する鋼材の
疲労損傷度診断方法。
【0009】(2)前記BHNの電圧パルス幅を規定す
るステップが、該BHNの電圧波形を電圧−時間領域に
示した後に電圧が0となるゼロクロス時刻Tiを求める
ステップと、隣り合う時刻TiとTi+1の差分Ti+1−Ti
を前記BHNの電圧パルス幅として規定するステップを
含むことを特徴とする請求項1に記載の鋼構造物を構成
する鋼材の疲労損傷度診断方法。
【0010】(3)前記疲労損傷度を応力拡大係数幅Δ
Kで規定することを特徴とする前記(1),(2)に記
載の鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度診断方法。
【0011】(4)鋼構造物を構成する鋼材から検出さ
れるBHNから疲労損傷度診断するシステムであって、
被測定物または被測定物と同一鋼種の鋼材を励磁するた
めの励磁部と、該被測定物または該被測定物と同一鋼種
の鋼材の励磁による磁化変化を電圧波形として検出する
検出部と、該検出電圧波形からBHNの電圧波形を抽出
する周波数フィルタリング部と、該BHNの電圧波形か
らBHNの電圧パルス幅を求める演算部と、前記被測定
物と同一鋼種の鋼材の前記BHNの電圧パルス幅と疲労
損傷度との関係を示す検量線を作成し、該検量線を記憶
させた記憶部と、前記被測定物の前記BHNの電圧パル
ス幅と、前記記憶部に記憶されている前記検量線とから
前記被測定物の疲労損傷度を診断する診断部と、を含む
ことを特徴とする鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度
診断システム。
【0012】(5)前記演算部において、前記BHNの
電圧波形の電圧が0となるゼロクロス時刻Tiを求め、
少なくとも2つ以上の隣り合う時刻TiとTi+1の差分T
i+1−T iから差分の平均値を求めて、該平均値を前記B
HNの電圧パルス幅の代表値とすることを特徴とする前
記(4)に記載の鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度
診断システム。
【0013】(6)前記疲労損傷度を応力拡大係数幅Δ
Kで規定することを特徴とする前記(4),(5)に記
載の鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度診断システ
ム。
【0014】
【発明の実施の形態】BHN電圧波形は、被測定物の磁
化反転過程で検出コイル等に誘起される比較的高い周波
数の電圧波形である。図1にBHN電圧波形を電圧−時
間領域に示した一例を示す。BHN電圧波形は正と負の
電圧の極性である複数の山形形状の波形から構成されて
おり、BHN電圧パルス幅は山形形状の個々の波形にお
ける時間幅を指す。
【0015】本発明者らは、BHN電圧パルス幅をパラ
メータに用いることによって初めて、BHN電圧パルス
幅が疲労損傷度に対して大きく変化する磁化反転中の特
定領域が存在することを見出した。従来のBHN電圧波
形の電圧値をパラメータに用いた方法では、この様な磁
化反転の特定領域を見つけることは出来なかった。BH
N電圧パルス幅が疲労損傷度に対して大きく変化する磁
化反転中の特定領域は鋼種によって異なり、磁化反転が
励磁磁場の変化によって進行するため、鋼種毎に測定励
磁磁場の決定が必要であることが種々の鋼種を用いた実
験で明らかになった。
【0016】すなわち、この測定励磁磁場においてBH
N電圧パルス幅と疲労損傷度の関係を示す検量線を作成
することによって、既設の鋼構造物の疲労損傷度診断が
可能となる。以下にこれらの手順について記述する。
【0017】まず、被測定物と同一鋼種で異なる疲労損
傷度の試験片を作製し、それぞれの試験片を励磁して励
磁磁場とBHN電圧パルス幅の関係を求める。試験片の
疲労損傷度の種類としては、荷重の繰り返し回数Nが0
と破断回数Nf、および、0〜Nfの間で少なくとも1つ
の条件の繰り返し回数があれば前記検量線の作成が可能
である。少なくともこれらの条件が実施されれば磁化反
転中の特定領域の決定が可能となる。
【0018】さらに特定領域の位置の精度を上げるため
には、できるだけ0〜Nfの間の疲労損傷度の種類を多
くするのが望ましい。これらの試験片を用いた実験か
ら、各疲労損傷度における励磁磁場とBHN電圧パルス
幅の関係が求められ、BHN電圧パルス幅が前記Nに対
して最も変化する励磁磁場が測定励磁磁場と決定され
る。
【0019】測定励磁磁場が決定されたら、次にBHN
電圧パルス幅と疲労損傷度の間の関係を示す検量線を作
成する。本発明者らは、応力拡大係数幅ΔKがBHN電
圧パルス幅と一義的な相関関係を持ち、疲労損傷度を表
わすパラメータとして適用できることを見出した。応力
拡大係数幅ΔKは亀裂寸法2Lと応力振幅Δσから定義
され、通常Δσ×(π×L)0.5で記述される。このΔ
Kは、表面に発生した亀裂の寸法と、応力条件から計算
することができる。様々な荷重で疲労試験を行って、測
定した応力拡大係数幅ΔKとBHN電圧パルス幅の相関
関係を求めて検量線を作成する。ここで、本発明者ら
は、本発明で得られるBHN電圧パルス幅は疲労試験の
荷重には関わらず応力拡大係数幅ΔKと一義的な関係に
あり、その相関関係は1本の曲線で表わされることを新
たに見出した。このため、この検量線を用いれば既設構
造物において繰り返し荷重の大きさが未知であっても、
被測定物のBHN電圧パルス幅は応力拡大係数幅へ換算
が可能である。
【0020】従来から、応力拡大係数幅ΔKと亀裂進展
速度da/dNの間には図2に示す相関関係があることが知
られており、亀裂進展段階はStageI〜IIIで定義されて
いる。この図の中でStageIの領域は微小亀裂が発生する
段階、StageIIは微小亀裂が亀裂進展する段階、StageII
Iは破断に向けて亀裂進展速度が急激に増大する段階を
示している。
【0021】これらのことから、BHN電圧パルス幅か
ら応力拡大係数幅ΔKが求まれば、現時点における亀裂
進展段階が診断できる。検量線は鋼種によって異なるた
め、鋼種毎に検量線を求める必要がある。求められた検
量線は診断部のコンピュータに記録しておき、鋼種とB
HN電圧パルス幅が入力され次第、即座に疲労損傷度が
求められるようにすると現場での効率の良い診断作業が
実現できる。
【0022】次に、被測定物のBHN電圧パルス幅の測
定方法について詳細を記述する。BHN電圧波形を測定
するために外部から磁場を印加させ、磁場を変化させる
方法によって被測定物の測定すべき局部領域を磁化反転
させる。外部から磁場を印加する具体的な手段として
は、励磁コイルの中に被測定物を配置したり、励磁コア
に励磁コイルを巻きつけた励磁ヘッドを被測定物に当て
て励磁コイルに電流を流す。
【0023】そして、励磁コイルに流す電流値を変化さ
せて印加する磁場を変化させる。高い精度でBHN電圧
パルス幅を測定するために、励磁磁場の時間変化率は比
較的低くする。励磁磁場の変化が速すぎると、BHN電
圧パルスが重なり合ってパルス幅を正確に測定すること
が出来なくなる。
【0024】また、遅すぎるとBHN電圧パルスの電圧
値が小さくなるため外乱ノイズの影響を受けやすくな
る。したがって、前記測定励磁磁場を求めたり、被測定
物の疲労損傷度を診断する際の磁場の時間変化率は10-8
〜数十Oe/ms程度が望ましい。
【0025】ここで、被測定物の疲労損傷度を診断する
際のBHN測定における励磁磁場条件について記述す
る。励磁磁場は試験片を用いた実験により予め決定して
おいた測定励磁磁場を含んでいれば良い。通常、測定励
磁磁場の磁場範囲は数mOe〜数Oe程度であり、磁場の時
間変化率が10-8〜数十Oe/ms程度であるので、この磁場
範囲でのBHN電圧波形の測定に要する時間は数ms〜数
秒間のごく短い時間である。被測定物を一端飽和磁化状
態にする必要がある場合には、該測定励磁磁場以外では
励磁磁場は数百Oe/s程度の高速で変化させ、測定励磁磁
場の磁場範囲のみ磁場の時間変化率を10-8〜数十Oe/ms
程度にすればよい。
【0026】次に、磁場の変化に伴って変化する磁化変
化を検出部に誘起されるBHN電圧波形として検出す
る。検出部としては検出コイルや軟磁性体のコアに検出
コイルを巻き付けた検出ヘッドを用い、検出コイルの中
に被測定物を配置させる、あるいは、検出ヘッドを被測
定物に当てる。特に、診断しようとする部位に検出コイ
ルを当てると、その領域からのみのBHNが得られるた
め、高い精度の測定が効率よく実施できる。検出部に誘
起される電圧波形は、励磁磁場の周波数とほぼ同じ周波
数の電圧波形に高い周波数のBHN電圧波形が重畳した
状態である。したがって、その中からハイパスフィルタ
ーとローパスフィルターを組み合わせた周波数フィルタ
リング部でBHN電圧波形を取り出す。フィルター条件
は励磁磁場の時間に対する変化率と、鋼種によって異な
るが、通常ハイパスフィルターの周波数は数十Hz〜数十
kHz、ローパスフィルターの周波数は数kHz〜数MHz程度
の条件である。
【0027】ここで、BHN電圧波形の電圧値は数μV
と小さいので、予め低ノイズ型の電圧増幅器で電圧増幅
することが望ましい。フィルタリング部のノイズの影響
を小さくできるため、電圧増幅はフィルタリングの前に
行うことが望ましい。
【0028】BHN電圧波形からBHN電圧パルス幅を
求める解析は、BHN電圧波形を図1のように電圧−時
間領域に示した後に実施する。BHN電圧波形において
電圧が0となるゼロクロス時刻Tiを検出し、隣り合っ
た時刻TiとTi+1の差分Ti+1−TiをBHN電圧パルス
幅とするものである。例えば図1の第3パルス波形は2
つのパルスから構成されているが、電圧が0である時間
軸を横切ったゼロクロス時刻T3とT4に着目し、BHN
パルス幅はその差分であるT4−T3とする。全体の発生
時間をピーク数で割ってBHNパルス幅とする従来の方
法(例えば第3パルスを例に取ると差分T4−T3を波形
のピーク数2で割った値をBHNパルス幅とする)で
は、得られたBHNパルス幅と疲労損傷度の間の相関が
極めて低い。
【0029】本発明者らは、ゼロクロス時刻の差分から
求めた値をBHN電圧パルス幅とすることによって、こ
のBHN電圧パルス幅が疲労損傷度と強い相関を持ち、
この相関関係を用いることによってBHN電圧パルス幅
から疲労損傷度を診断できることを見出し、本発明を完
成するに至ったものである。
【0030】ここでBHN電圧波形が図3に示す様な離
散的に発生する電圧パルスから構成される場合の取り扱
いを記す。時刻TiとTi+1の間の電圧が0の場合、そこ
にはBHN電圧パルスが存在しないものと考える。した
がって、T1とT2の間には第一のBHN電圧パルスが存
在してBHN電圧パルス幅はT2−T1とし、T2とT3
間は電圧が0なのでBHN電圧パルスは存在しないもの
とする。そして、T3とT4の間には第二の電圧パルスが
存在するため、第二のBHN電圧パルス幅はT4−T3
する。
【0031】上記に示したBHN電圧波形の解析は、ア
ルゴリズムをプログラミングした演算部で行われる。例
えば、BHN電圧波形をAD変換等でデジタルデータ化
して、演算部としてコンピュータを用いれば効率的に解
析を実施できる。この場合、BHN電圧波形が電圧0と
なるゼロクロス時刻は図4に示したように離散的なデー
タ点の間を補完して求めればよい。
【0032】本発明のBHNの電圧パルス幅の測定方法
を実施するのに当たって、測定システムの一例を図5に
示した。磁気ヘッド1は励磁ヘッド11と検出コイル1
2から構成されており、励磁ヘッド11は珪素鋼板製の
U型コアに励磁コイルを巻いたものであり、検出コイル
12は空心コイルである。検出コイル12は励磁コアの
両脚の間に固定配置され、励磁に伴い強磁性体内の磁化
変化を電圧波形として捉えられるようにしてある。この
磁気ヘッド1を強磁性体である被測定物の表面上に当て
て、検出コイルの位置の磁化変化を検出する。
【0033】励磁は磁場の変化率が数十Oe/ms〜10-8Oe/
msの内、所定値で一定になるように励磁コイルに流れる
電流を波形発生装置2と電力増幅装置3で制御して行
う。ここで、鋼種を決定すると予め求められている測定
励磁磁場条件と検量線が選択されるようになっている。
【0034】検出コイルに誘起された電圧波形は低ノイ
ズ型の電圧増幅装置4で昇圧された後、周波数フィルタ
ー装置5によってローパス、ハイパスカット処理が施さ
れる。フィルタリングによって得られたBHN電圧波形
はデジタルオシロスコープ6でデジタルデータに変換さ
れる。そして、GP−IB等で演算部として設けられた
コンピュータ7へ該データは送られ、専用のプログラム
によってBHN電圧パルス幅を求める解析が行われる。
解析は測定と同時にリアルタイムで行っても良いし、B
HN波形データをメモリに記憶させた後、まとめて行う
ことも可能である。そして、同コンピュータの記憶部に
は鋼種毎の検量線が入力されており、BHN電圧パルス
幅が求まり次第、診断部によって疲労損傷度が診断さ
れ、その結果がインジケータ等で表示されるようになっ
ている。
【0035】
【実施例】以下、いくつかの実施例をもって本発明を詳
細に説明する。
【0036】(実施例1)一般構造用鋼において、繰り
返し荷重を負荷させた場合の疲労損傷度とBHN電圧パ
ルス幅の間の相関を調べる実験を行った。用いた鋼材は
C量が0.13wt%の成分系で、フェライト−パーラ
イト組織を有するものである。
【0037】まず、BHN電圧パルス幅が疲労損傷度の
進展に対して大きく変化する磁化反転中の特定領域を求
める実験を行った。用意した疲労試験片の形状は通常の
砂時計型であり、試験片の中央部分で表面観察による疲
労損傷度の評価と、BHN測定を行った。疲労試験は試
験片の長手方向へ圧縮引っ張り荷重を繰り返し負荷させ
て行った。荷重の大きさは応力にして±290MPaで
あり、この荷重条件ではNfは12万回であり、この際
には数mm程度の目視亀裂が発生した。繰り返し回数N
が0、12万回、および、2万、6万、10万回の疲労
損傷度が異なる試験片を作製し、この異なる繰り返し回
数Nの試験片において、磁化反転中においてBHN電圧
パルス幅を測定する測定励磁磁場とBHN電圧パルス幅
の関係を調べた。
【0038】使用したBHN診断システムは図5に示し
たものである。励磁速度は磁場の変化率で2×10-4Oe
/ms一定であり、励磁磁場は被測定物の磁化が飽和した
状態から磁化反転によって逆方向に飽和するまでの間変
化させた。周波数フィルタリング条件としてはローパス
周波数は100kHz、ハイパス周波数は500Hzとし
た。磁気ヘッドを試験片の最も疲労損傷が進んでいる中
央部へ押し当ててBHNを測定し、BHN波形が電圧0
であるゼロクロス時刻から個々のBHN電圧パルス幅を
求めた。
【0039】励磁磁場とBHN電圧パルス幅の関係を図
6に示す。その結果、BHN電圧パルス幅が疲労損傷度
に対して最も大きく変化した励磁磁場は磁化反転開始直
後の磁場H1であり、励磁磁場H1ではBHN電圧パル
ス幅は繰り返し回数Nが増えて疲労損傷度が増加するほ
ど高い値を示した。一方、保磁力から磁化反転終了まで
の励磁磁場では、BHN電圧パルス幅は疲労損傷度の変
化に対してほとんど変化しなかった。したがって、この
鋼種の測定励磁磁場は磁場H1と決定した。
【0040】次に、この鋼種で色々な荷重で疲労試験を
行い、応力拡大係数幅ΔKと磁場H1で測定したBHN
電圧パルス幅の関係を示す検量線を作成した。応力拡大
係数幅ΔKは試験片に発生した微小亀裂の大きさと応力
振幅から求めた。さらに、図2に示したような応力拡大
係数幅ΔKと亀裂進展速度の相関図を作成して、亀裂進
展段階の程度を表わすStageI〜IIIに段階分けした。B
HN測定を行う際の励磁速度や周波数フィルタリング条
件は上記と同じであるが、BHN電圧波形の検出は励磁
磁場がH1から12.8mOe(64ms間)の間に行い、
この間のBHN電圧パルス幅の平均値を求めた。
【0041】図7に応力拡大係数幅ΔKとBHN電圧パ
ルス幅の関係を示す。測定のばらつきは点線の領域で示
した。また図中には亀裂進展段階StageI〜IIIの領域を
示した。BHN電圧パルス幅は疲労損傷度の進展に伴い
大きく変化することが確認できた。荷重条件を変えて同
様な相関関係を求めた場合でも、荷重条件が変わっても
BHN電圧パルス幅は応力拡大係数幅ΔKと一義的な相
関を有し、図7とほぼ同様な関係が得られた。
【0042】これらのことから、本発明のBHN電圧パ
ルス幅を疲労損傷材で測定することにより、BHN電圧
パルス幅が疲労損傷度に対して大きく変化し、荷重条件
によらず鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度を診断で
きることが明らかになった。
【0043】上述と同一鋼種の鋼材で構成されているモ
デル鋼構造物を4種類建造し、繰り返し荷重を負荷し疲
労損傷させて上述と同じ本発明の診断システムを用いて
疲労損傷度の診断を行った。ここで、測定励磁磁場はH
1であり、測定時間は64msであった。BHN電圧パル
ス幅を求めた後に、応力拡大係数幅ΔKと亀裂進展段階
を図7の検量線を用いて診断した。また、歪みゲージで
測定した応力振幅と詳細な表面観察から求めた微小亀裂
長さから別途、応力拡大係数幅ΔKと亀裂進展段階を求
めた。その結果を表1にまとめる。
【0044】
【表1】
【0045】表1から本発明の方法および診断システム
を用いると、既設の鋼構造物においてもスポットで疲労
損傷度が診断できることがわかった。従来のBHN波形
の実効値電圧を利用した方法でスポット的な診断を試み
たが、電圧値から疲労損傷度を一義的に決めることが出
来なかったため、既設構造物の疲労損傷度を診断できな
かった。
【0046】以上に示した様に、本発明の方法および診
断システムを利用すると、従来法では不可能であった既
設の鋼構造物の疲労損傷度の非破壊診断が正確かつ迅速
に行えることがわかった。
【0047】(実施例2)高強度鋼の溶接HAZ部にお
いて、繰り返し荷重を負荷させた場合の疲労損傷度とB
HN電圧パルス幅の間の相関を調べる実験を行った。用
いた鋼材はC量が0.05wt%の成分系で、HAZ部
はベイナイト組織を有するものである。
【0048】まず、BHN電圧パルス幅が疲労損傷度の
進展に対して大きく変化する磁化反転中の特定領域を求
める実験を行った。用意した疲労試験片の形状は通常の
砂時計型であり、中央部分で表面観察による疲労損傷度
の評価と、BHN測定を行った。疲労試験は試験片の長
手方向へ圧縮引っ張り荷重を繰り返し負荷させて行っ
た。荷重の大きさは応力にして±380MPaであり、
この荷重条件ではNfは12万回であり、この際には数
mm程度の目視亀裂が発生した。繰り返し回数Nが0、
12万回、および、4万、6万、10万回の疲労損傷度
が異なる試験片を作製し、この異なる繰り返し回数Nの
試験片において、磁化反転途中においてBHN電圧パル
ス幅を測定する測定励磁磁場とBHN電圧パルス幅の関
係を調べた。
【0049】使用したBHN診断システムは図5に示し
たものである。励磁条件は磁場の変化率で1×10-4Oe
/ms一定であり、励磁磁場は被測定物の磁化が飽和した
状態から磁化反転によって逆方向に飽和するまでの間変
化させた。周波数フィルタリング条件としてはローパス
周波数が250kHz、ハイパス周波数が500Hzとし
た。磁気ヘッドを疲労試験片の最も疲労損傷が進んでい
る中央部へ押し当ててBHNを測定し、BHN波形が電
圧0であるゼロクロス時刻から個々のBHN電圧パルス
幅を求めた。励磁磁場とBHN電圧パルス幅の関係を図
8に示した。その結果、BHN電圧パルス幅が疲労損傷
度に対して最も大きく変化した励磁磁場は磁化反転中期
の磁場H2であり、励磁磁場H2では電圧パルス幅は繰
り返し回数Nが増えて疲労損傷度が増加するほど高い値
を示した。このことから、この鋼種の測定励磁磁場は磁
場H2と決定した。
【0050】次に、この鋼種のHAZ部で色々な荷重で
疲労試験を行い、応力拡大係数幅ΔKと磁場H2で測定
したBHN電圧パルス幅の関係を示す検量線を作成し
た。応力拡大係数幅ΔKは試験片に発生した微小亀裂の
大きさと応力振幅から求めた。
【0051】さらに、図2に示したような応力拡大係数
幅ΔKと亀裂進展速度の相関図を作製して、亀裂進展段
階の程度を表わすStageI〜IIIに段階分けした。BHN
測定を行う際の励磁速度や周波数フィルタリング条件は
上記と同じであるが、BHN電圧波形の検出は励磁磁場
がH2から1mOe(10ms間)の間に行い、この間のB
HN電圧パルス幅の平均値を求めた。
【0052】図9には応力拡大係数幅ΔKと電圧パルス
幅の関係を示す。測定のばらつきは点線の領域で示し
た。また図中には亀裂進展段階StageI〜IIIの領域を示
した。この鋼種のHAZ部においてBHN電圧パルス幅
は疲労損傷度の進展に伴い大きく変化することが確認で
きた。荷重条件を変えて同様な相関関係を求めた場合で
も、BHN電圧パルス幅は応力拡大係数幅ΔKと一義的
な相関を有し、図9とほぼ同様な関係が得られた。
【0053】これらのことから、本発明のBHN電圧パ
ルス幅を疲労損傷材で測定することによって、BHN電
圧パルス幅が疲労損傷度に対して大きく変化し、荷重条
件によらず鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度を診断
できることが明らかになった。
【0054】上述と同一鋼種の鋼材で構成されているモ
デル鋼構造物を4種類建造し、繰り返し疲労で溶接部を
疲労させて、上述と同じ本発明の診断システムを用いて
溶接HAZ部の疲労損傷度の診断を行った。ここで測定
励磁磁場はH2であり、測定時間は10msであった。B
HN電圧パルス幅を求めた後に、応力拡大係数幅ΔKと
亀裂進展段階を図9の検量線を用いて診断した。また、
歪みゲージで測定した応力振幅と詳細な表面観察から求
めた微小亀裂長さから別途、応力拡大係数幅ΔKと亀裂
進展段階を求めた。その結果を表2にまとめる。
【0055】
【表2】
【0056】表2から本発明の方法および診断システム
を用いると、既設の鋼構造物においてもスポットで溶接
HAZ部の疲労損傷度が診断できることがわかった。従
来のBHN波形の実効値電圧を利用した方法でスポット
的な診断を試みたが、電圧値から疲労損傷度を一義的に
決めることが出来なかったため、既設構造物の疲労損傷
度を診断できなかった。
【0057】以上に示した様に、本発明の方法および診
断システムを利用すると、従来法では不可能であった既
設の鋼構造物の疲労損傷度の非破壊診断が正確かつ迅速
に行えることがわかった。
【0058】
【発明の効果】本発明は、鋼材の磁化反転中の特定領域
の励磁磁場におけるBHNの電圧パルス幅が疲労損傷度
に強い相関を有することを利用して、鋼材の疲労損傷度
を診断する方法、および、診断システムである。本発明
によるBHN電圧パルス幅を用いた疲労損傷度診断方法
およびそのシステムを用いれば、既設の鋼構造物の疲労
損傷度を求めることが可能となり、測定時間が極めて短
いため、効率的な診断作業が実施できる。したがって、
敷設から時間が経過して高い疲労損傷度を有し、破壊の
危機に晒されている鋼構造物を確実に検出でき、補修等
の対策を早急に実施出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で測定したBHN電圧波形の電圧
パルス幅の一例を示す特性図である。
【図2】応力拡大係数幅と亀裂進展速度の相関図から求
められた疲労損傷度StageI〜IIIの領域を示す特性図で
ある。
【図3】BHN波形データが離散的な場合のゼロクロス
点Tiの決定方法の一例を示す特性図である。
【図4】本発明の方法で測定したBHN電圧波形の電圧
パルス幅の一例を示す特性図である。
【図5】本発明の方法を実施するための測定システムの
一例を示す模式図である。
【図6】一般構造用鋼の励磁磁場とBHN電圧パルス幅
の関係を示す相関図である。
【図7】一般構造用鋼の疲労損傷度とBHN電圧波形の
電圧パルス幅の関係を示す相関図である。
【図8】高強度鋼の溶接HAZ部の励磁磁場とBHN電
圧パルス幅の関係を示す相関図である。
【図9】高強度鋼の溶接HAZ部の疲労損傷度とBHN
電圧波形の電圧パルス幅の関係を示す相関図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッド 2 波形発生装置 3 電力増幅装置 4 電圧増幅装置 5 周波数フィルター装置 6 デジタルオシロスコープ 7 コンピュータ 11 励磁ヘッド 12 検出コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G050 AA01 BA12 CA10 DA01 EB02 EC01 EC05 2G053 AA14 AB20 BA21 BC05 CB21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼構造物を構成する鋼材から検出される
    バルクハウゼンノイズにより疲労損傷度を診断する方法
    であって、 被測定物と同一鋼種の鋼材を試験片に用いて、荷重の繰
    り返し回数がN=0,Nf(破断回数)、および、N=
    0〜Nfの間で少なくとも1条件の繰り返し回数で疲労
    させたそれぞれの試験片を励磁部で励磁させるステップ
    と、 前記試験片の励磁による磁化変化を検出部に誘起される
    電圧波形として検出するステップと、 前記電圧波形から周波数フィルタリングでバルクハウゼ
    ンノイズの電圧波形を抽出するステップと、 該バルクハウゼンノイズの電圧波形を電圧−時間領域に
    示した後にバルクハウゼンノイズの電圧パルス幅を求め
    るステップと、 その際にバルクハウゼンノイズの電圧パルス幅が前記N
    に対して最も大きく変化する励磁磁場を求めるステップ
    と、 さらに前記測定励磁磁場で測定したバルクハウゼンノイ
    ズの電圧パルス幅と疲労損傷度との相関関係を求めるス
    テップと、 引き続き、前記被測定物を励磁磁場で励磁するステップ
    と、 前記被測定物の励磁による磁化変化を検出部に誘起され
    る電圧波形として検出するステップと、 該電圧波形から周波数フィルタリングでバルクハウゼン
    ノイズの電圧波形を抽出するステップと、 該バルクハウゼンノイズの電圧波形を電圧−時間領域に
    示した後に前記測定励磁磁場におけるバルクハウゼンノ
    イズの電圧パルス幅を求めるステップと、 該バルクハウゼンノイズの電圧パルス幅から前記相関関
    係を用いて前記被測定物の疲労損傷度を診断するステッ
    プとを含むことを特徴とする鋼構造物を構成する鋼材の
    疲労損傷度診断方法。
  2. 【請求項2】 前記バルクハウゼンノイズの電圧パルス
    幅を規定するステップが、 該バルクハウゼンノイズの電圧波形を電圧−時間領域に
    示した後に電圧が0となるゼロクロス時刻Tiを求める
    ステップと、 隣り合う時刻TiとTi+1の差分Ti+1−Tiを前記バルク
    ハウゼンノイズの電圧パルス幅として規定するステップ
    とを含むことを特徴とする請求項1に記載の鋼構造物を
    構成する鋼材の疲労損傷度診断方法。
  3. 【請求項3】 前記疲労損傷度を応力拡大係数幅ΔKで
    規定することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼構
    造物を構成する鋼材の疲労損傷度診断方法。
  4. 【請求項4】 鋼構造物を構成する鋼材から検出される
    バルクハウゼンノイズにより疲労損傷度診断するシステ
    ムであって、 被測定物または被測定物と同一鋼種の鋼材を励磁するた
    めの励磁部と、 該被測定物または該被測定物と同一鋼種の鋼材の励磁に
    よる磁化変化を電圧波形として検出する検出部と、 該検出電圧波形からバルクハウゼンノイズの電圧波形を
    抽出する周波数フィルタリング部と、 該バルクハウゼンノイズの電圧波形からバルクハウゼン
    ノイズの電圧パルス幅を求める演算部と、 前記被測定物と同一鋼種の鋼材の前記バルクハウゼンノ
    イズの電圧パルス幅と疲労損傷度との関係を示す検量線
    を作成し、該検量線を記憶させた記憶部と、 前記被測定物の前記バルクハウゼンノイズの電圧パルス
    幅と、前記記憶部に記憶されている前記検量線とから前
    記被測定物の疲労損傷度を診断する診断部とを含むこと
    を特徴とする鋼構造物を構成する鋼材の疲労損傷度診断
    システム。
  5. 【請求項5】 前記演算部において、前記バルクハウゼ
    ンノイズの電圧波形の電圧が0となるゼロクロス時刻T
    iを求め、少なくとも2つ以上の隣り合う時刻TiとT
    i+1の差分Ti+1−Tiから差分の平均値を求めて、該平
    均値を前記バルクハウゼンノイズの電圧パルス幅の代表
    値とすることを特徴とする請求項4に記載の鋼構造物を
    構成する鋼材の疲労損傷度診断システム。
  6. 【請求項6】 前記疲労損傷度を応力拡大係数幅ΔKで
    規定することを特徴とする請求項4又は5に記載の鋼構
    造物を構成する鋼材の疲労損傷度診断システム。
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