JP3967811B2 - 鋼構造物の疲労寿命診断方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主要構造部が鋼によって構成された建築物、橋梁、工作物などの鋼構造物の疲労寿命診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物を構成している構造部材は、風、地震等による揺れによって、程度の差はあるものの、建設後から疲労損傷を受けている。橋梁等においては、通過車両による繰り返し振動によっても疲労損傷が進行している。この疲労損傷による破壊を防止するために、構造物に発生する歪の程度を予め構造計算等で求めた上で耐用年数を推定する方法や、疲労損傷に起因する亀裂が発生したと想定される場合には、カラーチェック等による主として目視で行う検査が従来から実施されていた。従って、従来の技術は、実際の疲労損傷度を精度良く診断し、補修するか否かの判断を下すまでには至っていない。最近、低降伏点鋼を壁あるいはブレース形状で構造部材の中に組み入れて制振機能を持たせた制振装置が提案されているが、これについても同様にそれらの疲労損傷の度合いを精度よく診断し、それらの補修の要否判断を下す技術はまだ開発されていない。
【0003】
一方、材料の磁気的性質が、結晶粒径や析出物などの組織や歪に依存することを利用して、被測定物の材質や応力を非破壊的に検査することが試みられている。
【0004】
例えば、材質の劣化度を非破壊的に検査する方法としては、以下のものが開示されている。高温ガス炉部材のフェライト生成量を磁化率から求めて劣化度を検査する方法(特開昭59-135362 号公報)、渦電流によって鋼管の材質劣化度を診断する装置(特開昭60-257354 号公報)、ECT値と硬度からタービンロータ
材質の劣化度を診断し、破壊寿命を予知する方法(特開昭61-172059 号公報)、透磁率から低合金鋼の劣化度を検出する装置(実開昭61-161659 号公報)、経年変化による強磁性体内の磁壁の移動に関する特性の変化を測定し、予め求めておいた検量線と比較して材質の脆化度を検査する方法(特開平1-269049号公報)、放射線環境下にある金属材料の劣化度を複数の磁気センサーを用いて迅速に測定する方法(特開平4-125463号公報)等がある。
【0005】
しかしながら、上記の従来技術は、被測定物が高温状態あるいは放射線にさらされた状態における相変態などの組織の変化に起因して生じる材質劣化を検出しようとするものであり、本発明が対象としている応力あるいは歪に起因して生じる疲労劣化の検出を対象としたものではない。さらに、上記の従来技術で用いられている検出手段は渦電流や透磁率などでありバルクハウゼンノイズを用いたものではない。
【0006】
バルクハウゼンノイズを用いた方法としては、軟鋼の疲労劣化度を推定する方法(L.P. Karjalainenら、IEEE Trans. Mag. MAG-16, 514(1980))や工具鋼の靭性を推定する方法(仲居ら、鉄と鋼, 75, 833(1989) )などが提唱されている。ところが、IEEE Trans. Mag. MAG-16, 514(1980)に記載のL.P. Karjalainenらの結果は、軟鋼の薄板小片を用いて、その表面に磁気ヘッドを密着させて疲労試験中のバルクハウゼンノイズの変化を示したものであり、試験片の破断前にバルクハウゼンノイズが急激に変化することを記載してはいるものの、例えば、表面に凹凸があったり、被覆材などがあるために、測定場所に磁気ヘッドを直接密着できない場合など、実構造物において、どのような条件でバルクハウゼンノイズを測定すれば疲労劣化度を精度良く検知して実構造物の寿命を診断できるか、ということに関しては一切述べられていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来、鋼構造物の応力、歪による疲労損傷診断を行う場合、目視検査が主体であり、ビル等では壁や被覆物を剥した後に実施するために、コスト高な作業となっている。橋梁等でも目視検査が主体である。しかし、目視検査では亀裂等が発生してある程度大きく成長した後でなければ検知できず、また、構造上の問題で人が入り込めない場所では疲労診断を行うことができない。このように、実構造物を対象とした疲労寿命診断方法はなかった。
【0008】
本発明の目的は、応力、歪による鋼構造物の疲労劣化の度合いを、診断場所の制限を受けずに、亀裂の発生前に簡便に精度よく診断できる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の鋼構造物の疲労寿命診断方法は、励磁ヘッド及び検出ヘッドから構成される磁気ヘッドを、疲労損傷診断を必要とする被測定部材上に5μm以上4mm以下のリフトオフ距離を隔てて配置し、前記励磁ヘッドにより被測定部位を交流励磁した後、バルクハウゼンノイズの検出深さをdとした場合、5μm≦d≦1mmの条件で前記検出ヘッドによりバルクハウゼンノイズを検出し、このバルクハウゼンノイズの実効値電圧あるいは電圧振幅値から被測定部位の疲労損傷の度合いを診断する。
【0010】
ここで、疲労損傷診断を必要とする前記被測定部材の面積をS0、前記被測定部材の厚さをt、図1に示す励磁方向に垂直方向の励磁ヘッドの幅をwとした場合に、前記被測定部材の縁端部または溶接部を基準位置とすると、前記被測定部材の前記基準位置からw以上200t以下の範囲に位置する0<S/S0≦10-2を満たす面積Sの領域のバルクハウゼンノイズを前記磁気ヘッドにより測定する。
【0017】
好ましくは、前記磁気ヘッドを最初に固定した位置において測定される領域の面積をAとし、該測定される領域がずれた後にずれる前と重なっている領域の面積をBとした場合、ずれ量(B/A)×100(%)が、70%を使用期間中の間に測定すると、より高精度の鋼構造物の疲労寿命診断が可能である。
【0018】
本発明は、実鋼構造物の応力、歪による疲労劣化度をどのような手段を用いて、それをどのように使えば精度良く診断できるか、ということを種々検討した結果、達成された技術である。通常、鋼構造物は、錆発生の防止、あるいは、景観を良くするために、塗装処理が施される。したがって、被測定物の表面にセンサー等を直接、接触させることはできない。
【0019】
本発明者らは、すでに、非接触でバルクハウゼンノイズを検出できる磁気ヘッドを発明しており(特開平7-174730号公報)、この磁気ヘッドを用いて、簡便、かつ、精度良く診断できる方法を検討した。そこで、最も問題になったことは、構造物部材のどこの領域を測るか、である。設計段階で各部材に作用する応力は予測可能であり、従って、どこの部材を診断すれば良いかまではある程度絞り込めるが、各部材の中のどこを測ればよいか、ということを述べている文献等はほとんどない。ここで部材とは、通常、建設現場等で両端部を溶接あるいはボルト締めする前の鋼材ユニットなどを言う。通常、疲労による亀裂は、鋼材の最表面から発生し易いと言われてはいるが、実際の鋼構造物部材の最表面には、酸化層あるいは凹凸が存在するために最表面のバルクハウゼンノイズを測定することは非常に困難であり、また、このような表面状態では、磁気ヘッドを密着させて測ることも難しくなることが本発明者らの検討の結果、明らかになった。
【0020】
そこで、先ず、被測定面の凹凸の影響で磁気ヘッドの当て方にぐらつきが生じないためにはリフトオフ距離を少なくとも5μm以上にすること、更に、リフトオフ距離を大きくしてゆくとバルクハウゼンノイズのS/N比が低下してゆくが、それが4mm以内ならば十分なS/N比が得られることを実鋼構造物部材試験において見い出した。従って、磁気ヘッドのリフトオフ距離を5μm以上4mm以下に規定した。
【0021】
次に、バルクハウゼンノイズの検出深さをどのように規定すれば、目的としている疲労劣化の診断が十分な精度でできるか、を調べた。具体的には、前記した範囲のリフトオフ距離に配置した磁気ヘッドの励磁ヘッドに交流電流を流して交流磁場を発生させて、その磁場で被測定部位を励磁する。続いて、被測定部位の磁化の変化に応じて検出ヘッドに誘起される交流電圧信号に周波数フィルタリング処理を施してバルクハウゼンノイズを取り出す。バルクハウゼンノイズは、通常、鋼などの強磁性体が励磁されればその励磁された全ての領域から発生するが、本発明者らは、疲労劣化の度合を診断するためには、バルクハルゼンノイズの検出深さをdとした場合、5μm≦d≦1mmの条件でバルクハウゼンノイズを測定すれば診断精度が向上することを見い出した。
【0022】
検出深さが5μmより浅いと表面酸化層あるいは凹凸の影響でバルクハウゼンノイズのばらつきが大きくなり診断精度が低下し、検出深さが1mmより深くなると疲労劣化を反映しないバルクハウゼンノイズの割合が大きくなって診断精度が低下する。従って、検出深さdを40μm≦d≦1mmにすることにより、上述した表層部の影響がさらに減少して、診断精度がより向上する。このような規定によって、例えば、1mmより深い内部まで励磁を行う必要がなくなったために励磁ヘッドも小型化できるようになった。さらに、バルクハウゼンノイズの実効値電圧あるいは電圧振幅値を疲労劣化度を表すパラメ−タ−として用いることによって、実用上、十分な診断精度を確保できることがわかった。
【0023】
先にも述べたように、疲労による微小亀裂は部材の表面から発生し易いと言われているが、それらの中でも特に、溶接部あるいは応力集中が起こるノッチのような形状をしている部分から疲労劣化が始まり易いと言われている。しかしながら、溶接部では、溶接金属と母材の材質が異なるため両者の透磁率が異なる。そのために、それらの境界近傍で励磁磁束の流れが乱れ一様な励磁ができず、バルクハウゼンノイズの検出感度が悪くなってしまう。更に、溶接部には溶接金属の肉盛りがあったり、複数枚の板を互いに角度を付けて溶接する場合が多く、溶接部自体に磁気ヘッドを当てて測定することはかなり困難である。部材の縁端部は、表面にノッチ形状の凹凸が入り易いために、疲労による微小亀裂の発生源になり易いと予想される。ところが、母材と空気の透磁率が異なるために、溶接部の場合と同様に、縁端部でも励磁磁束の流れが乱れる。その結果、バルクハウゼンノイズの検出感度が低下してしまう問題がある。更に、縁端部に直接磁気ヘッドを当てて測定することは、磁気ヘッドの当て方にぐらつき等が生じるために容易ではない。ここで、縁端部とは、部材のエッジ部を指す。
【0024】
そこで、本発明者らは、縁端部あるいは溶接部を直接測るのではなく、それらの近傍を測定することによっても、縁端部あるいは溶接部で生じる疲労劣化の度合を予測でき、破壊に至る前に補修等が可能であるか否かを調べた。測定面積が大きければその分だけ疲労による微小亀裂を検出できる確率が大きくなるために診断精度は向上する。ところが、時間と労力がかかるため、その面積はできるだけ小さい方が好ましい。そこで、診断に必要な面積も同時に調べた。
【0025】
前述したように、例えば、ある一つの鋼構造物においては、それを構成する各部材にかかる応力を設計段階に予測することが可能である。したがって、診断を必要とする部材は設計段階で特定できる。その部材の面積(表面積)をS0 、部材の厚さをtとする。ただし、S0 は、部材を構成している個々の板材の少なくとも片側の面積であり、tはその板厚である。通常、tは数mm〜約200mm程度である。実際に実部材と同じものを用いて、実験室で疲労劣化のシミュレーション実験を行い、部材表面の中のどの領域に磁気ヘッドを当てて、どのように測るのが良いのかを検討した。
【0026】
その結果、以下のことが明らかになった。即ち、基準位置を部材の縁端部あるいは溶接部とし、 1 に示す励磁方向に垂直方向の幅がwである励磁ヘッドと検出ヘッドから構成される磁気ヘッドを用いる場合に、それらの基準位置からw以上200t以下の範囲に位置する領域の中で0<S/S0≦10-2を満たす面積Sの大きさを持つ領域を測れば、測り難い縁端部、あるいは溶接部を直接測らなくともそれらの領域の劣化度、しいては、部材全体の劣化度を診断できることを見出した。
【0027】
測定する領域が縁端部、あるいは溶接部からwより近いと、それらの領域では、前述したように、透磁率が異なる材質が隣接しているために励磁磁束の流れが乱れ、一様励磁ができなくなる。その結果、バルクハウゼンノイズの検出感度が低下してしまう。更に、磁気ヘッドの当て方も難しくなる。また、200tを越えると縁端部、あるいは溶接部の劣化の様子が捕らえられなくなる。従って、基準位置からw以上200t以下の範囲の領域を測るように規定した。
【0028】
励磁ヘッドコアの幅wは、通常は数mm〜数cm程度である。この幅wは検出ヘッドの幅よりも大きく設計されるのが普通である。面積Sの部位は板厚が厚い場合には、板厚方向の領域で測ることも可能である。面積Sの最小値は、使用する磁気ヘッドを構成する検出ヘッドの測定面積で決まるが、通常、数mm2 程度である。Sを10-2<S/S0 を満たす面積としても診断精度の向上は認められず、時間と労力がかかるだけて非効率的になる。従って、0<S/S0 ≦10-2とした。効率をさらに優先する場合には、基準位置からw以上100t以下の範囲に位置する0<S/S0 ≦10-4を満たす面積Sの領域を測ることによっても疲労劣化度の診断は可能である。面積Sは、一箇所の測定部位の面積でも良いし、また、複数箇所の測定部位の合計の面積でも良い。複数箇所の部位を測定する場合には、その中で最も疲労劣化が進んでいる部位の結果を用いて被測定部材の劣化度を診断することが望ましい。
【0029】
橋梁等の鉄骨部材の疲労劣化度を診断する場合には、建設した後においても容易に磁気ヘッドを当てることができるため、必要な時に診断作業を実施できる。しかし、ビル等の鉄骨部材の場合には、それらのほとんどが内装材で覆われているために、簡便に磁気ヘッドを当てることができない。そこで、予め、磁気ヘッドを鉄骨部材の所定の位置に固定して両者を一体化した、言うなれば、疲労寿命の自己診断機能が付加された鉄骨あるいは鉄壁等の鉄骨部材としてもよい
【0030】
即ち、それは、励磁ヘッド及び検出ヘッドから構成される磁気ヘッドが、疲労損傷診断を必要とする被測定部材上に5μm以上4mm以下のリフトオフ距離を隔てて配置され、この磁気ヘッドが被測定部位を交流励磁し、バルクハウゼンノイズの検出深さをdとした場合、5μm≦d≦1mmの条件でバルクハウゼンノイズを測定する機能を有し、該バルクハウゼンノイズの実効値電圧あるいは電圧振幅値から被測定部位の疲労損傷の度合いを診断するシステムに接続できる鉄骨あるいは鉄壁等の部材である。
【0031】
励磁ヘッドの幅をw、疲労損傷診断を必要とする部材の面積をS0 、該部材の厚さをtとした場合、被測定部材の基準位置からw以上200t以下の範囲に位置する0<S/S0 ≦10-2を満たす面積Sの領域のバルクハウゼンノイズを測定する機能を有することによって、実用上の精度を確保することができる。ここで、基準位置とは、被測定部材の縁端部または溶接部である。
【0032】
励磁ヘッドへ入力する励磁電流の供給や検出ヘッドに誘起される電圧信号の検出は、壁等に設けたコンセント形式の脱着式入出力コネクタ−を通じて簡便に行うことが可能となる。さらに、磁気ヘッドに無線機を併設することによって、検出ヘッドに誘起される電圧を電波で飛ばして一ヵ所で集中管理ができるようになる。即ち、時間的に連続して診断することも可能となり、ある一定期間をおいて診断することも可能になる。この磁気ヘッドと鉄骨部材を一体化した寿命診断機能付き鉄骨部材における磁気ヘッドの固定は、磁気ヘッドを最初に固定した位置において測定された被測定部位の領域の面積Aの少なくとも70%が測定できることが好ましい。なぜならば、使用期間中に磁気ヘッドと被測定部位の相対位置がずれて同一領域の70%より小さい面積しか測定できなくなると、その部位における診断精度が低下してしまうからである。
【0033】
これらの寿命診断機能付き鉄骨部材を、通常の鋼構造物のメインフレーム部材として用いることによって、その効果が発揮されるが、中でも、鉄骨あるいは鉄壁自体が他の鉄骨部材よりも風、地震等による揺れのエネルギー(外力によって受けたエネルギー)を多く吸収するように設計されたダンパ−等の制振部材に適用することによって、特に、その効果が発揮される。なぜならば、これらの制振部材は、外力が作用した場合に容易に塑性変形するように設計されているため、そこに疲労劣化が集中するからである。この寿命診断機能付き鉄骨部材を制振部材等に適用することによって、従来には無かった精度の高い寿命診断が可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0035】
先ず、磁気ヘッドを用いて被測定物である鉄骨部材の疲労寿命を診断する方法の一例を示す。この磁気ヘッド1は、図1に示すように、珪素鋼板、アモルファス、等の軟質磁性材料からなるU字型コア11及びこのU字型コア11にエナメル線等の銅線が巻回されてなる励磁コイル12を備えた励磁ヘッド2と、空心コイルである検出ヘッド3とから構成されている。この磁気ヘッド1においては、励磁ヘッド2のU字型コア11の間に検出ヘッド3が配されており、検出ヘッド3の下端面3aと被測定物4の表面とのリフトオフ距離Dを5μm以上4mm以下に設定して、バルクハウゼンノイズの測定を行う。
【0036】
この磁気ヘッド1を用いて、バルクハウゼンノイズの測定を実施する際に、その検出深さをdとした場合、5μm≦d≦1mmとなる条件で測定を行う。具体的には、励磁周波数を所定の値に合わせて励磁深さを5μm以上1mm以下になるように設定する。あるいは、励磁領域が1mmより深い領域まである場合には検出周波数を所定の値に合わせて検出深さを5μm以上1mm以下になるようにする。実際には、これらの一方、あるいは両方を使うことができる。
【0037】
これらの手法は、励磁周波数が高い程、励磁磁場の侵入深さが浅くなること、また、検出周波数が高いほどより表層部近くから発生するバルクハウゼンノイズを検出できることに基づいている。鋼構造物の場合には、励磁周波数を数Hz〜数百Hz、検出周波数を数十Hz〜約10MHz程度に設定すれば良い。バルクハウゼンノイズをフーリエ解析して周波数スペクトラムを求めると、一般に、周波数が大きくなる程、信号強度が小さくなる傾向を示す。従って、S/N比を大きくしたい場合には検出周波数の最大値を約200kHz程度にするのが好ましい。
【0038】
このような測定条件で、例えば、図2に示した領域を診断する。図2は、橋梁、ビル等の鋼構造物を構成している鉄骨部材5の一部を示している。ここで、鉄骨部材5の厚さをt、励磁方向に垂直方向の励磁ヘッド2の幅をwとした場合、基準位置とした縁端部6からw以上200t以下の範囲に位置する0<S/S0≦10-2を満たす面積Sの領域9を測定する。また、図3は、被測定物として鉄骨部材7を用い、基準位置が溶接部8である場合を示す概略図である。
【0039】
基準位置には、縁端部6あるいは溶接部8を選ぶが、両者がある部材の場合には両者を基準位置として選び、複数ケ所の領域を測定すれば診断精度が向上する。どちらか一方を選択しなければならない場合には、溶接部を基準位置とした方が診断確率が向上する。しかし、縁端部6あるいは溶接部8よりも応力あるいは歪が集中して疲労劣化がより進む部位が予めわかっている場合には、その部位を基準位置として選択した方が診断精度が向上する。
【0040】
の磁気ヘッド1を用いた診断方法によれば、応力、歪による鋼構造物の疲労劣化の度合いを、診断場所の制限を受けずに、亀裂の発生前に簡便に精度よく診断することが可能となる。
【0041】
いて、被測定物の疲労寿命を診断するための磁気ヘッド1が設けられてなる鉄骨部材の一例を示す。なお、上述した磁気ヘッド1等に対応する部材等については同符号を記して説明を省略する。
【0042】
寿命診断機能付き鉄骨部材13は、図4に示すように、いわゆるブレース状の制振部材であり、極軟鋼のプレート21と、このプレート21の表面に設けられた第1の実施形態の磁気ヘッド1とを有し、これらプレート21及び磁気ヘッド1が図中破線で示すモルタル22内に埋設されて構成されている。ここで、磁気ヘッド1は、プレート21の表面から上述のリフトオフ距離Dだけ離間されて固定されている。そして、磁気ヘッド1に接続された配線23がモルタル22から外部に引き出されている。
【0043】
図5は、鉄骨部材13を壁14に配置した一例を示す概略図である。この場合、配線23が壁14に設置されたコンセント形式のコネクタ15に接続されており、所定の励磁電流の送流機能、及び検出した電圧信号の解析機能があるバルクハウゼンノイズ解析装置16のコ−ド24をコネクタ15に差込むことによって、磁気ヘッド1へ励磁電流を送流すると同時にバルクハウゼンノイズの検出が可能になる。
【0044】
図6に、寿命診断機能付き鉄骨部材の他の例を示す。この鉄骨部材17は、壁状の制振部材であり、極軟鋼のプレート25と、このプレート25の表面に設けられた第1の実施形態の磁気ヘッド1と、プレート25の表面に固定された格子状の骨格部材26とを有し、これらプレート25、磁気ヘッド1及び骨格部材26を有して構成されている。この場合も、磁気ヘッド1がプレート25の表面から上述のリフトオフ距離Dだけ離間されて固定されている。
【0045】
の寿命診断機能付き鉄骨部材13,17を用いることによって、ビル、橋梁等の疲労寿命診断を実施する場合でも壁や被覆物を剥す必要がない。また、構造上の問題で人が入り込めない場所でも、応力、歪による鋼構造物の疲労劣化の度合いを亀裂の発生前に簡便に精度よく診断可能となる。
【0046】
【実施例】
以下、いくつかの実施例をもって本発明を詳細に説明する。
【0047】
(実施例1)
極低降伏点鋼(降伏点=約10kg/mm2 )の試験片(断面8mm×8mm、長さ50mm)の軸方向に平行に引っ張り応力と圧縮応力を繰り返して負荷した場合におけるバルクハウゼンノイズの変化の様子を応力負荷の繰り返し回数に対して調べた。負荷した応力は歪換算で、(a)±0.05%及び(b)±0.5%の二種類である。バルクハウゼンノイズの検出条件は励磁周波数100Hz、検出周波数10kHz〜100kHz、検出ヘッドと被測定部位表面とのリフトオフ距離Dは約1mmである。これらの条件でのバルクハウゼンノイズの検出深さdは約200μm程度である。
【0048】
バルクハウゼンノイズの実効値電圧を用いて整理した結果を図7(歪:±0.05%の場合)及び図8(歪:±0.5%の場合)に示す。両者ともに亀裂が入る前に実効値電圧が急激に低下し、その後、急激に上昇する変化を示している。従って、これらの実効値電圧の急激な変化を捕らえることによって、亀裂が入る直前に精度の高い疲労寿命の診断が可能になる。
【0049】
なお、バルクハウゼンノイズの電圧振幅値を応力負荷の繰り返し回数に対して調べた結果においても、電圧振幅値の変化は図7、8と同様な変化を示し、これらの変化を捕らえることによっても亀裂が入る前に疲労寿命の診断が可能になることがわかった。
【0050】
(実施例2)
図2に示した形状の溶接構造用圧延鋼材SM400(部材の厚さ5mm、長さ3000mm、幅2500mm)の試験部材を大型試験機を用いて長さ方向に±1%のせん断歪を負荷し、負荷の繰り返し回数とバルクハウゼンノイズの変化の様子から疲労寿命診断が可能か否かを調べた。診断可否の判断は、図7あるいは図8に示すように、亀裂発生前にバルクハウゼンノイズの急激な変化を捕らえることができる場合には‘診断可’とし、できなければ‘診断否’とした。
【0051】
この実験では、バルクハウゼンノイズの検出深さを種々変えた場合について検討した。但し、励磁ヘッドの幅が10mm、検出ヘッドの測定面積が20mm2 の磁気ヘッド1を使用した。磁気ヘッド1のリフトオフ距離Dは0.6mmである。測定の際に励磁周波数を2Hzから100Hzの範囲で変化させるとともに、検出周波数を10Hzから20MHzの範囲で変化させて、バルクハウゼンノイズの検出深さdを変えた。励磁磁場の表面からの侵入深さ、及びバルクハウゼンノイズの発生源が深さ方向の内部にある場合、それの内部から表面に向かっての到達距離をSkin Depth=(ρ/πfμ)1/2 (ここで、f:周波数、μ:透磁率、ρ:電気抵抗率)を用いて評価した。すなわち、このSkin Depthによってバルクハウゼンノイズの検出深さdを評価した。同一実験をそれぞれの条件で10回づつ実施して、その中で亀裂の発生を予知できた回数で評価した。検出深さdと診断精度との関係を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003967811
【0053】
表1から明らかなように、5μm以上1mm以下の検出深さdにおいて、80%以上の高い精度で疲労寿命の診断が可能であることがわかる。さらに、検出深さdを40μm以上0.7mm以下にすることによって、90%以上の高い精度で寿命診断が可能になることがわかる。
【0054】
(実施例3)
図2に示した鋼構造物部材で任意の場所を選び、同一場所で磁気ヘッド1のリフトオフ距離Dを変化させて、各々のリフトオフ距離Dの位置で10回づつバルクハウゼンノイズを測定した。磁気ヘッド1としては実施例2と同じものを使用した。励磁周波数は100Hz、検出周波数は10kHz〜100kHzとした。バルクハウゼンノイズの検出深さdは約200μmである。10回づつ測定したバルクハウゼンノイズの実効値電圧の最大値、最小値、及び平均値を表2に示す。
【0055】
【表2】
Figure 0003967811
【0056】
以上の結果から、リフトオフ距離Dが5μm(0.005mm)より狭くなると、被測定面の凹凸によって磁気ヘッド1の当て方にぐらつきが生じ、最大値と最小値の差が大きくなり、一回の測定結果で診断する場合には、診断精度が低下する。また、リフトオフ距離Dを4mm超にすると実効値電圧の低下に起因してS/N比が低下するため診断精度が低下する。したがって、リフトオフ距離Dを5μm以上4mm以下にすることによって、診断精度が向上することがわかる。
【0057】
(実施例4)
実施例2に示した部材と同じものを用いて、同様な繰り返し歪を負荷する試験を行い、負荷の繰り返し回数とバルクハウゼンノイズの変化の様子から疲労寿命診断が可能か否かを調べた。診断可否の決め方は実施例2と同じである。ここでの実験では、縁端部を基準位置として測定部位の位置及び測定面積を種々変えた場合について検討した。励磁周波数、及び検出周波数は実施例3と同様である。リフトオフ距離Dは0.6mmとした。但し、励磁ヘッドの幅wは10mm、磁気ヘッド1を被測定物に当てて一回に測定できる面積は20mm2 である。なお、今回使用した部材の全表面積S0 は15×106 mm2 (1枚の鋼板の片側の面積は7.5×106 mm2 )である。同一実験をそれぞれの条件で10回づつ行って、その中で亀裂の発生を予知できた回数で評価した。結果を表3及び表4に示す。
【0058】
【表3】
Figure 0003967811
【0059】
【表4】
Figure 0003967811
【0060】
表3において、wより近い部位ではバクハウゼンノイズの検出感度が低下し、さらに、磁気ヘッド1の当て方にばらつきが生じて診断精度が低下した。また、200tより離れた部位では基準位置(ここでは縁端部)からの影響が小さくなって診断精度が低下した。診断部位を基準位置からw以上200t以下にすることによって80%以上の確率で疲労劣化度を診断することが可能になる。さらに、診断部位を基準位置からw以上100t以下にすることによって90%以上の確率で疲労劣化度を診断することが可能になる。
【0061】
また、表4から明かなように、全てのS/S0 の範囲で、80%以上の精度で診断可能となることがわかるが、S/S0 を10-2より大きくしても精度のそれ以上の向上はなく、作業効率が低下するだけである。測定面積Sを0<S/S0 ≦10-2にすることによって、実用上の測定効率を確保できるとともに、80%以上の高い確率で疲労劣化の診断が可能になる。特に、10-4≦S/S0 ≦10-2ではほぼ90%以上の確率で診断可能となる。効率をさらに優先する場合には、0<S/S0 ≦10-4にすれば良く、これによっても80〜90%の確率で疲労劣化の診断が可能になる。
【0062】
以上の結果から、被測定部材の縁端部を基準位置として、そこからw以上200t以下の範囲に位置する0<S/S0 ≦10-2を満たす面積Sの領域のバルクハウゼンノイズを測定することによって、鋼構造物の疲労寿命を診断することが可能になる。
【0063】
また、溶接部がある構造部材で、溶接部を基準位置にして同様な実験を行った結果、表3及び表4と同様な結果が得られ、w以上200t以下の範囲に位置する0<S/S0 ≦10-2を満たす面積Sの領域のバルクハウゼンノイズを測定することによって、鋼構造物の疲労寿命を診断することが可能になることがわかった。
【0064】
(実施例5)
図4に示したブレースタイプのプレート21に磁気ヘッド1を固定した鉄骨部材13を用いて、地震の揺れを想定した疲労シミュレーション実験を鉄骨に目視亀裂が発生するまで行った。この時、磁気ヘッド1の固定方法を種々変えて診断精度を評価した。鉄骨は実施例1と同じ極低降伏点鋼であり、長さ2000mm、幅200mm、厚さ15mmである。磁気ヘッド1の固定方法を変えることによって、試験途中に磁気ヘッド1がずれるようにした。試験前に磁気ヘッド1をプレート21の中央近傍、且つ縁端部から3tの位置に設置した。リフトオフ距離Dは0.6mmである。図9に示すように、検出ヘッド3で測定される領域31,32(領域31は試験前の位置、領域32は試験後の位置とする。)の面積をA、それがずれた後にずれる前と重なっている領域33の面積をBとした場合、磁気ヘッド1のずれ量を、(B/A)×100(%)で定義した。但し、検出ヘッド3の測定面積は20mm2である。診断精度の評価は、図7或いは図8に示したように、亀裂発生前にバルクハウゼンノイズの急激な変化を捕らえることができるか否か、で行い、できる場合には"診断可"、できない場合には"診断不可"とした。今回の実験において急激な変化とは、バルクハウゼンノイズの実効値電圧が亀裂発生前に3%以上減少した場合とした。
【0065】
実験結果を表5に示す。
【0066】
【表5】
Figure 0003967811
【0067】
磁気ヘッド1のずれ量である(B/A)×100(%)は、磁気ヘッド1を最初に固定した位置において測定した部位の領域の面積Aの何%を使用期間中に測定しているかを示すパラメータであり、それが70%以上である場合に実効値電圧の急激な減少が3%以上となって診断できることがわかる。42%の時には、実効値電圧は増加したが、これは検出ヘッドにずれが生じたことによって新たに測定された部位の実効値電圧が大きいためによる。このような場合には、図7或いは図8に示したような連続した曲線を描くことができなくなるため、疲労寿命を診断することができない。
【0068】
以上から、磁気ヘッド1を最初に固定した位置からの測定面積のずれが少なくとも30%以内であれば、すなわち、測定面積のずれが生じた場合でも最初に測定した被測定部位の領域の面積Aの少なくとも70%が測定可能ならば、十分な診断精度が得られることがわかった。
【0069】
【発明の効果】
本発明による疲労寿命診断方法を用いることによって、ビル、橋梁等の疲労寿命診断を実施する場合でも壁や被覆物を剥す必要がない。また、構造上の問題で人が入り込めない場所でも、応力、歪による鋼構造物の疲労劣化の度合いを亀裂の発生前に簡便に精度よく診断可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による磁気ヘッドの一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明を適用した一例(基準位置が縁端部の場合)を示す一部概略斜視図である。
【図3】本発明を適用した一例(基準位置が溶接部の場合)を示す一部概略斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による寿命診断機能付き鉄骨部材の一例を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による寿命診断機能付き鉄骨部材を配置した例を示す概略斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による寿命診断機能付き鉄骨部材の他の例を示す概略斜視図である。
【図7】疲労試験の繰り返し回数に伴うバルクハウゼンノイズの変化の様子(歪:±0.05%の場合)を示す特性図である。
【図8】疲労試験の繰り返し回数に伴うバルクハウゼンノイズの変化の様子(歪:±0.5%の場合)を示す特性図である。
【図9】疲労試験の前後において、検出コイルによって測定される領域を示す模式図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッド
2 励磁ヘッド
3 検出ヘッド
3a 下端面
4 被測定物
5,7,13,17 鉄骨部材
6 縁端部
8 溶接部
11 U字型コア
12 励磁コイル
14 壁
15 コネクタ
16 バルクハウゼンノイズ解析装置
21,25 極軟鋼のプレート
22 モルタル
23 配線
24 コ−ド
26 骨格部材
31〜33 領域

Claims (2)

  1. 被測定部材の疲労損傷の度合いを診断する鋼構造物の疲労寿命診断方法であって、
    励磁ヘッド及び検出ヘッドから構成される磁気ヘッドを、疲労損傷診断を必要とする前記被測定部材上に5μm以上4mm以下のリフトオフ距離を隔てて配置し、
    前記励磁ヘッドにより被測定部位を交流励磁した後、バルクハウゼンノイズの検出深さをdとした場合、5μm≦d≦1mmの条件で前記検出ヘッドによりバルクハウゼンノイズを検出し、
    バルクハウゼンノイズを検出する領域として、疲労損傷診断を必要とする前記被測定部材の面積をS0 、前記被測定部材の厚さをt、励磁ヘッドの幅をwとした場合に、
    被測定部材の縁端部または溶接部を基準位置とすると、前記被測定部材の前記基準位置からw以上200t以下の範囲に位置する0<S/S0 ≦10-2を満たす面積Sの領域を選び、
    このバルクハウゼンノイズの実効値電圧あるいは電圧振幅値から前記被測定部位の疲労損傷の度合いを診断することを特徴とする鋼構造物の疲労寿命診断方法。
  2. 前記磁気ヘッドを最初に固定した位置において測定される領域の面積をAとし、該測定される領域がずれた後にずれる前と重なっている領域の面積をBとした場合、ずれ量(B/A)×100(%)が、少なくとも70%であることを特徴とする請求項1に記載の鋼構造物の疲労寿命診断方法。
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