JP2956007B2 - 磁気ヘッドおよびそれを用いた検出方法 - Google Patents

磁気ヘッドおよびそれを用いた検出方法

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JP2956007B2 JP29233094A JP29233094A JP2956007B2 JP 2956007 B2 JP2956007 B2 JP 2956007B2 JP 29233094 A JP29233094 A JP 29233094A JP 29233094 A JP29233094 A JP 29233094A JP 2956007 B2 JP2956007 B2 JP 2956007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ヘッドおよびそれを
用いた検出方法に係わり、特に、被測定物の磁気的性質
から、その組織、応力、疲労度等を非破壊で検査するた
めに用いられる磁気ヘッドに関し、例えば鉄鋼材料等へ
の適用が可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より材料の磁気的性質が、結晶粒径
や析出物などの組織、ひずみ等に依存することを利用し
て、被測定物の材質を非破壊的に検査することが試みら
れている。すなわち、被測定物を励磁すると、被測定物
の磁化が変化するが、この変化から被測定物の組織やひ
ずみの状態を知ることができる。
【0003】例えば、透磁率を測定して鋼材の引っ張り
強さを見積もる方法や保磁力によって焼き入れ強度を見
積もる方法等がある。また、最近では磁化の不連続性に
起因するバルクハウゼンノイズを用いた方法が注目さ
れ、それを用いて軟綱の疲労度(L.P.Karjal
ainenら、IEEE Trans.MAG16,5
14(1980))や工具綱の靱性を推定する方法(例
えば、仲居他による鉄と綱,75,833(198
9))などが提唱されている。
【0004】一般に、被測定物を励磁する方法として、
電流貫通法、通電法、コイル法、及びヨーク法がある
が、これらの中でヨーク法は、実ラインで製造される鉄
鋼製品や既設構造物などの比較的大きな製品の一部分に
当てるだけで簡便にそれを励磁できる利点があるので、
上記した材質検査用の励磁用として使用されている。
【0005】他方、被測定物の磁化の変化を検出する方
法に関しては、コイル法、ヨーク法、ホール素子法、磁
気抵抗素子法等があるが、被測定物の温度の影響を受け
にくいコイル法やヨーク法が簡便である。
【0006】従来から磁気信号の検出に用いられている
磁気ヘッドと信号処理システムを図7に示す。この磁気
ヘッドは、励磁ヘッドコア11、検出ヘッドコア12お
よび各コアに巻かれた励磁コイル13、検出コイル14
から構成されている。励磁ヘッドコア11および検出ヘ
ッドコア12の材質としては珪素綱、パーマロイ、ソフ
トウェア等の軟質磁性材料が用いられる。
【0007】磁気シグナルを検出するためには励磁コイ
ルに三角波または正弦波の交流電流を流し、磁気ヘッド
を被測定物15の表面に接触させて局部的に励磁する。
励磁された被測定物内部には励磁方向に磁束16が発生
する。被測定物表面に被測定物よりも高い透磁率を持つ
検出ヘッドコア12を接触させると、検出ヘッドコア内
に磁束の一部が流れ込み検出コイル14に誘起電圧が発
生する。なお、図7において17は電力増幅器、18は
波形発生装置、19は周波数フィルタリング装置、20
は電圧増幅器、21はオシロスコープである。
【0008】従来の磁気ヘッドの最大の欠点は、被測定
物から磁気ヘッドが離れたときに、検出される磁気信号
の強度が急激に減衰することである。これは検出ヘッド
が被測定物から離れると、両者の間に空隙ができること
により磁気抵抗が増加するので、検出コアに磁束16が
流れ込まなくなる理由による。したがって従来の磁気ヘ
ッドを用いた場合には、検出ヘッドと被測定物の距離を
約数十μm程度より大きくすると、高いS/N比を持つ
磁気信号を得ることができなくなる。
【0009】通常、被測定物の表面には数十μm〜数百
μm程度の酸化物層が存在する。さらにオンライン測定
に用いる場合には、移動測定のために磁気ヘッドを被測
定物表面から数百μm離さなくてはならない。したがっ
て、従来の磁気ヘッドはこのような用途に適用するのは
困難であった。
【0010】また、特開昭60−57247号公報に
は、励磁および検出ヘッドコアにソフトフェライト材を
用い、さらに検出ヘッドコアをI型にしたものが開示さ
れている。上記公報に記載されている発明は、被測定面
に接触する部分のコア形状に曲率を与え、作業者が磁気
ヘッドを被測定物面に接触させる時の当て方による測定
誤差を低減させるようにすることを目的としたものであ
る。したがって、上記発明の場合は接触測定を前提とし
ているが、非接触では信号強度が減少してしまうので、
測定困難になる問題があった。
【0011】本願の発明者は、特開平4−357663
号において、被測定物側の検出ヘッド先端が形状可変な
磁性体である複合磁気ヘッドを発明している。この検出
ヘッドを用いることによって、0.2mm程度磁気ヘッド
を離しても磁気シグナルを検出できるようになった。し
かしながら、オンライン検査へ適用するためには、磁気
ヘッドと被測定物の距離をさらに大きくする必要があ
る。
【0012】ところで、検出ヘッドに誘起される全電圧
波形は、励磁と同じ周波数を持つ電圧波形に微少な高周
波電圧波形が重畳したものである。ここでは、検出ヘッ
ドに誘起される全電圧波形を全誘起電圧波形と呼ぶこと
とする。この全誘起電圧波形からは透磁率や保磁力を求
めることができる。
【0013】また、重畳している微少な高周波電圧波形
はバルクハウゼン信号と呼ばれており、磁化の不連続変
化に起因して発生する。これらの磁気的な特性は被測定
物の組織や負荷応力や疲労度等の相関を持つので、被測
定物の材質診断のパラメータとしてはいずれも重要であ
る。
【0014】ここで、全誘起電圧波形の大きさに比べて
バルクハウゼン信号波形の大きさは微少であるので、通
常オシロスコープ21の解析ダイナミックレンジ内では
バルクハウゼン信号波形のみを充分増幅することはでき
ない。
【0015】そこで、バルクハウゼン信号波形のみを取
り出すために従来では、全誘起電圧信号の中の低周波成
分を周波数フィルタリング装置19でカットし、さらに
電圧増幅器20で増幅するシステムを用いている。
【0016】このように、従来の磁気ヘッドを用いると
バルクハウゼン信号を検出するためにいくつかの特別な
装置を必要とし、装置の重量や消費電力の増加につなが
ら。また、装置の数が増加するほど不要なノイズが混入
し易く、微少な信号の測定を難しくする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁気ヘッドで
は、被測定物から数百μm以上離れて磁気信号を検出す
ることは困難であった。磁気ヘッドを被測定物から離し
て磁気信号を得ることは鉄鋼材料等のオンライン診断を
可能とするために求められている技術である。
【0018】本発明は上述の問題点にかんがみ、従来困
難とされてきた非接触式の磁気ヘッドを提供できるよう
にするとともに、磁気ヘッドの軽量化および省電力化を
可能と、さらに、磁気ヘッドを用いた検出方法を簡略化
することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドは、
磁性体の局部領域を所定の周波数で励磁するための励磁
ヘッドと、上記局部領域における磁化の変化を検出する
ための検出ヘッドとから構成される磁気ヘッドにおい
て、上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた金属系の軟
質磁性材料からなるU型コアによって構成されていると
ともに、上記検出ヘッドは空芯コイルから構成されてお
り、かつ上記空芯コイルの検出面は被測定面に対して平
行に配置されるようになされているとともに、上記空芯
コイルが上記U型コアの両脚部間内に固定されているこ
とを特徴とする。
【0020】また、本発明の他の特徴とするところは、
磁性体の局部領域を所定の周波数で励磁するための励磁
ヘッドと、上記局部領域における磁化の変化を検出する
ための検出ヘッドとから構成される磁気ヘッドにおい
て、上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた軟質磁性材
料のU型コアからなるとともに、上記U型コアが被測定
物に最も接近する面における両脚部内側の距離をaとす
ると、上記U型コアの形状は被測定物に最も接近する面
から離れるに従い上記距離aが不連続的に減少する階段
状に形成されており、一方、上記検出ヘッドは空芯コイ
ルから構成されており、かつ上記空芯コイルの検出面は
被測定面に対して平行に配置されるようになされている
とともに、上記U型コアの両脚部間内に固定されている
ことを特徴とする。
【0021】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記U型コアが被測定物に最も接近する面における
両脚部内側の距離をaとし、上記距離a方向に対してほ
ぼ直交する方向に測定した上記U型コアの厚みをbと
し、上記厚みbの中点同志を結んだ線の中点を原点Oと
し、上記原点Oから上記距離a方向にX軸、上記X軸に
対して垂直方向にY軸を定義した場合、上記検出用空芯
コイルの検出面の重心が、上記励磁ヘッドに対して、 0.2a≦|X|≦0.5a,|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記空芯コイルに誘起される
全誘起電圧の実効値VAとバルクハウゼン信号の実効値
B との比VB /VA が、0<VB /VA ≦1/3とな
るようにしている。
【0022】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記U型コアの被測定物に最も接近する面における
両脚部内側の距離をaとし,上記距離a方向に対してほ
ぼ直交する方向に測定した上記U型コアの厚みをbと
し、上記厚みbの中点同志を結んだ線の中点を原点Oと
し、上記原点Oから上記距離a方向にX軸を定義し、上
記X軸に対して垂直方向にY軸を定義した場合、上記検
出用空芯コイルの検出面の重心が、上記励磁ヘッドに対
して、 |X|<0.2a,|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記空芯コイルに誘起される
全誘起電圧の実効値VAとバルクハウゼン信号の実効値
B との比VB /VA が、1/3<VB /VA ≦1とな
るようにしている。
【0023】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記空芯コイルの中に軟質磁性材料が配置されてい
ることを特徴としている。
【0024】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気ヘッドを
上記被測定物の表面から0.05mm以上で4mm以下の距
離を離して測定することを特徴としている。
【0025】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、磁性体の局部領域を所定の周波数で励磁するための
励磁ヘッドと、上記局部領域における磁化の変化を検出
するための検出ヘッドとから構成される磁気ヘッドにお
いて、上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた金属系の
軟質磁性材料からなるU型コアによって構成されている
とともに、上記検出ヘッドは第1の空芯コイルおよび第
2の空芯コイルの独立した2個の空芯コイルから構成さ
れており、かつ上記第1の空芯コイルおよび第2の空芯
コイルの検出面が被測定面に対して平行に配置されるよ
うになされているとともに、上記2個の空芯コイルが上
記U型コアの両脚部間内にに固定されている。
【0026】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、磁性体の局部領域を所定の周波数で励磁するための
励磁ヘッドと、上記局部領域における磁化の変化を検出
するための検出ヘッドとから構成される磁気ヘッドにお
いて、上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた軟質磁性
材料のU型コアから構成されており、上記U型コアが被
測定物に最も接近する面における両脚部内側の距離をa
とすると、U型コアの形状が被測定物に最も接近する面
から離れるに従い上記距離aが不連続的に減少する階段
状に形成されるとともに、上記検出ヘッドが独立した2
個の第1の空芯コイルと第2の空芯コイルによって構成
され、かつ上記第1の空芯コイルおよび第2の空芯コイ
ルの検出面が被測定面に対して平行に配置されるように
なされているとともに、上記2個の空芯コイルが上記U
型コアの両脚部間内に固定されていることを特徴とす
る。
【0027】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記U型コアの被測定物に最も接近する面における
両脚部内側の距離をaとし、上記距離a方向に対してほ
ぼ直交する方向に測定した上記U型コアの厚みをbと
し、上記厚みbの中点同志を結んだ線の中点を原点O、
上記原点Oから上記距離a方向にX軸、上記X軸に対し
て垂直方向にY軸を定義した場合、上記第1の空芯コイ
ルの検出面の重心が上記励磁ヘッドに対して、 0.2a≦|X|≦0.5a,|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記第1の空芯コイルに誘起
される全誘起電圧の実効値VA とバルクハウゼンノイズ
信号電圧の実効値VB との比VB /VA が、0<VB
A ≦1/3となり、同時に、上記第2の空芯コイルの
検出面の重心が、上記励磁ヘッドに対して、 |X|<0.2a,|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記第2の空芯コイルに誘起
される全誘起電圧の実効値VA とバルクハウゼン信号の
実効値VB との比VB /VA が、1/3<VB /VA
1となるようにしている。
【0028】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記検出ヘッドは、上記第1の空芯コイルおよび第
2の空芯コイルの中に軟質磁性材料を配置して構成され
ていて、全誘起電圧信号およびバルクハウゼン信号を同
時に検出するようにしている。
【0029】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記被測定物の表面から0.05mm以上4mm以下の
距離を離し、全誘起電圧信号およびバルクハウゼン信号
を同時に測定することを特徴とする。
【0030】
【作用】本発明は上記技術手段よりなるので、U型コア
の脚部内側から発生する磁束によって被測定物を励磁す
ることにより、被測定面からほぼ垂直方向に漏れる磁束
を空芯コイルで良好に検出することができる。すなわ
ち、被測定面のほぼ垂直に漏れる磁束を利用して検出す
ることができるため、検出ヘッドである空芯コイルを被
測定物から数mm程度離しても誘起される電圧はほとんど
低下しないので、磁気信号を非接触で検出することがで
きるようになる。
【0031】また、本発明の他の特徴とするところは、
励磁用のU型コアの形状が、被測定物に最も接近する面
から離れるに従って、両脚部内側の距離aが不連続に減
少する階段状であるので、上記距離aが不連続に減少し
ない励磁ヘッドを用いた場合に比べて、被測定物表面に
対してほぼ垂直方向に発生する磁束を多くすることがで
き、高い電圧の磁気信号が得られる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。図1に、本発明による磁気ヘッドの概略構
成を示す。図1において、1は励磁用のU型コア、2は
励磁コイル、3は検出用の空芯コイル、4は磁束であ
る。
【0033】図1に示すように本実施例の磁気ヘッドの
特徴は、U型コア1が両脚部内側から発生する磁束4に
より被測定物5を励磁し、被測定面からほぼ垂直方向に
漏れる磁束4を空芯コイル3で検出するようにしている
ことである。すなわち、ほぼ垂直に漏れる磁束を利用し
ているため、検出ヘッドである空芯コイル3を数mm程度
被測定物から離しても誘起される電圧はほとんど低下し
ない。
【0034】本実施例における励磁ヘッドは、金属系の
軟質磁性材料で作られたU型コア1、およびそれに巻か
れている励磁コイル2で構成される。そして、上記U型
コア1には珪素綱、パーマロイ等の金属系軟質磁性材料
を用いている。望ましくは、方向性珪素綱板のような飽
和磁化の高いものを選び、被測定物表面から離れても十
分に被測定物を励磁できるようにする。
【0035】また、U型コア1の大きさについては、以
下のようにするのが望ましい。すなわち、上記被測定物
に最も接近する面でのU型コアの両脚部内側の距離をa
とし、上記距離a方向に対してほぼ直交する方向に測定
した上記U型コア1の厚みをbとする(図2および図6
参照)。
【0036】そして、両脚部の厚みbの中点同志を結ん
だ線の中点を原点O,原点Oから距離a方向にX軸,X
軸に垂直方向にY軸を定義する。距離a,厚みbの大き
さは、5mm≦a≦150mm、1mm≦b≦50mm以下であ
ることが望ましい。
【0037】なぜならば、距離a<5mmでは励磁コイル
を十分な回数だけ巻くことができなくなり、距離a>1
50mm,b>50mmでは励磁電力が大きくなるためであ
る。また、b<1mmでは励磁力が低下するからである。
【0038】また、U型コアの形状は、図2(a)に示
すような被測定物に最も接近する面から離れるに従って
距離aが不連続に減少する階段状であることが望まし
い。なお、図1において5は被測定物、図2における6
は段差付きU型コア、7は励磁コイルをそれぞれ示して
いる。
【0039】励磁用のU型コア6をこのような形状にす
ることによって、得られる磁気信号の電圧が高くなる。
その理由は、励磁コアの両脚部内側面から被測定物5の
表面に対してほぼ垂直方向に発生する磁束が、距離aが
不連続に減少しない励磁ヘッドを用いた場合に比べて多
いからである。
【0040】また、段差の数は両脚にそれぞれ少なくと
も1個以上あれば垂直方向の磁束量の増加効果があり、
1000個を超えるとその効果は飽和する。したがっ
て、段差数の範囲は1個以上1000個以下であること
が望ましい。段差の大きさは1μm未満であると垂直方
向の磁束量の増加効果が小さく、また、段差が5mmを超
えると被測定物5を均一に励磁することができなくなる
ので、段差の大きさの範囲は1μm以上5mm以下である
ことが望ましい。
【0041】次に、磁気信号を検出する検出ヘッドにつ
いて説明する。検出ヘッドには、空芯コイル3を用いる
が、空芯コイル3はアクリルやベークライト等の非磁性
芯材にエナメル細線を巻いたものである。本実施例にお
いては、空芯コイル3の検出面が被測定物5に対して平
行になるように配置し、励磁ヘッドの両脚部間に固定す
る。
【0042】これは、励磁ヘッドの両脚部間にて被測定
物5の表面の垂直方向へ発生する磁束を検出するためで
ある。このような検出ヘッドを用いることによって、被
測定物5から検出ヘッドを4mm程度離しても高いS/N
比の磁気信号を検出できるようになった。
【0043】ここで、空芯コイル3の中に金属系の軟質
磁性材料からなるコア材を配置することによって、さら
に磁気信号の誘起電圧を高くできる。例えば、コア材と
してパーマロイやFe系あるいはCo系アモルファス材
を用いることによって、さらに高感度な磁気ヘッドを構
成できる。
【0044】次に、空芯コイル3の配置について述べ
る。上述の励磁コアでは、コアの両脚部間方向に対して
磁束分布が大きく変化するので、両脚部間に固定する空
芯コイル3の位置に関しては用途に応じて規定しなけれ
ばならない。ここでは前述のX−Y軸を用いて空芯コイ
ル3の固定位置について説明する。
【0045】空芯コイル3には、励磁と同じ周波数を持
つ電圧信号波形に、数kHz〜数百kHzの高い周波数
を持つ微少なバルクハウゼン信号が重畳した全誘起電圧
信号が誘起される。
【0046】この全誘起電圧信号とバルクハウゼン信号
からは、それぞれ被測定物5の材質や負荷応力に関する
情報を得ることができる。図3、図4および図5に空芯
コイル3の検出面の重心位置を変えて、空芯コイル3内
に誘起される全誘起電圧信号とバルクハウゼン信号の実
効値電圧の関係について調べた結果を示す。
【0047】図3に示すy=0の場合には、全誘起電圧
は|X|が大きいほど大きくなり、|X|が0近傍で極
小となる。他方、バルクハウゼン信号の実効値は、|X
|によらずほぼ一定であるが、|X|が0.2a未満の
場合には、全誘起電圧中の1/3以上をバルクハウゼン
信号の実効値が占めるようになる。
【0048】ここで、|X|が0近傍で全誘起電圧が極
小を取る理由は、その付近で被測定物5の表面から発生
する垂直な磁束成分が極性を変え、さらに空芯コイル3
ではそれらが打ち消し合うので誘起される電圧が低下す
るのである。また、バルクハウゼン信号の実効値が一定
値を取るのは、信号が無秩序なパルス状であることか
ら、極性が変わっても打ち消し合うことがないからであ
る。
【0049】また、図4および図5に示すように、|Y
|が0.8b以下の時には全誘起電圧信号およびバルク
ハウゼン信号の実効値ともほぼ一定値を示しているが、
0.8bを超えると両者とも急激に減少する。この理由
は0.8bを超えた部分は励磁コイルから離れすぎてい
るために、十分に励磁されていないからである。
【0050】以上の理由から、0.2a≦|X|≦0.5a,|
y|≦0.8bで示される領域に空芯コイル3の検出面
の重心を固定し、さらに空芯コイル3に誘起される全誘
起電圧の実効値VA とバルクハウゼン信号の実効値VB
の比VB /VA が、0<VB/VA ≦1/3となるよう
な磁気ヘッドを全誘起電圧信号検出用磁気ヘッドと規定
する。
【0051】この磁気ヘッドは、励磁と同じ周波数の全
誘起電圧信号を検出するためのものである。バルクハウ
ゼン信号電圧の実効値の比VB /VA が1/3を超える
と、全誘起電圧の測定がバルクハウゼン信号の実効値の
影響を受けるようになるので、比VB /VA は1/3以
下にした。
【0052】検出面の重心位置|X|をできるだけ0.
5aに近づけ、比VB /VA を0に近づけた磁気ヘッド
ではほとんどバルクハウゼン信号の実効値の影響がない
S/N比が高い全誘起電圧波形が得られる。
【0053】他方、|X|<0.2a,|Y|≦0.8
bで示される領域に空芯コイル3の検出面の重心を固定
し、さらに空芯コイル3に誘起される全誘起電圧の実効
値VA とバルクハウゼン信号の実効値VB の比VB /V
A が1/3<VB /VA ≦1となるような磁気ヘッドを
バルクハウゼン信号検出用磁気ヘッドと規定する。
【0054】この磁気ヘッドは、バルクハウゼン信号の
実効値を検出するものである。上述した実効値の比VB
/VA が1/3以下になると、バルクハウゼン信号の検
出が全誘起電圧信号の影響を受けることに加えて、測定
機のダイナミックレンジ内でバルクハウゼン信号の実効
値を増幅して測定することが困難になる。
【0055】したがって、本実施例においては実効値の
比VB /VA は1/3以上になるようにした。なお、実
効値の比VB /VA が1の場合は、空芯コイル3に誘起
される信号電圧はバルクハウゼン信号の実効値のみにな
り、最も望ましいものとなる。
【0056】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。この第2の実施例においては、図6に示すよう
に、検出ヘッドが独立した2個の空芯コイルを有してい
る。すなわち、第1の空芯コイル31と第2の空芯コイ
ル32とから検出ヘッドが構成されており、それぞれの
コイル31、32が全誘起電圧信号検出用およびバルク
ハウゼン信号の実効値検出用として同時に機能するよう
にしている。そして、これらの2個の空芯コイル31、
32は検出面が被測定物5の面に平行に、かつ同時に以
下のように配置される。
【0057】すなわち、第1の空芯コイル31は、0.
2a≦|X|≦0.5a、|Y|≦0.8bで示す領域
内に固定され、第1の空芯コイル31に誘起される全誘
起電圧の実効値VA とバルクハウゼンノイズ信号電圧の
実効値VB の比VB /VA が0<VB /VA ≦1/3と
なるように配置される。
【0058】同様に、第2の空芯コイル32の検出面の
重心は、励磁ヘッドに対して|X|<0.2a,|Y|
≦0.8bで示す領域内に固定され、第2の空芯コイル
32に誘起される全誘起電圧の実効値VA とバルクハウ
ゼン信号の実効値VB の比VB /VA が、1/3<VB
/VA ≦1となるように配置される。
【0059】実際の材質試験では、両信号を同時に検出
し、それぞれから得られる情報を複合評価する。この磁
気ヘッドを用いた複合評価によって材質診断の精度が格
段に向上する。したがって、本実施例の磁気ヘッドを用
いれば、0.05mm以上4mm以下被測定物から離れても
実用範囲内で十分に高いS/N比の磁気信号を得ること
ができる。
【0060】以下、本発明の磁気ヘッドの具体例を詳細
に説明する。本実施例の全誘起電圧信号検出用の磁気ヘ
ッドを用いて、励磁と同じ周波数の全誘起電圧信号の検
出実験を行った。被測定物は低炭素綱材であり、その寸
法は40mm×30mm×15mmであり、40mm×30mmの
部分を被測定面とした。
【0061】励磁ヘッドコアには、珪素綱板を積層した
ものを用いた、コアの寸法は、両脚部内側の距離aが2
0mm、距離a方向に対してほぼ直交するに測定方向に測
定したコアの厚みbが10mmである。励磁は、コイルに
周波数が2.5Hzの正弦波電流を入力して行った。励
磁ヘッドと被測定物の間が離れると励磁力が変化するの
で、センサコイルを使い励磁力が一定になるように励磁
電流を制御した。
【0062】検出ヘッドには、空芯コイルとI型パーマ
ロイコアにコイルを巻いたものを2種類用意した。空芯
コイルはアクリル製の芯材にエナメル細線を巻き付けた
ものである。
【0063】他方、上記の空芯コイルと同じ検出面積を
持つI型パーマロイコアにエナメル細線を空芯コイルと
同数巻き付けた。それぞれの検出ヘッドの方向は、検出
面が被測定面と平行になるようにした。そして、励磁ヘ
ッドに対して検出ヘッドの検出面の重心位置は4mm≦|
X|≦10mm、|Y|≦8mmの領域内の(x,y)=
(−4.5,0)に固定する。
【0064】比較のために、次の2種類の磁気ヘッドを
用意した。すなわち、そのうちの一つは従来型のU型パ
ーマロイコア材にコイルを巻いた検出ヘッドと、上記励
磁ヘッドコアと同寸法の珪素綱板コアを用いた励磁ヘッ
ドを組み合わせた磁気ヘッドである。検出ヘッドの向き
は、検出コアの両脚部を結ぶ線がX軸と平行になるよう
し、検出コアの中心軸の位置がX−Y座標比で(−4.
5,0)になるように固定した。
【0065】また、もう一つはI型ソフトフェライトコ
ア材にコイルを巻いた検出ヘッドと、上記励磁コアと同
寸法のU型そソフトフェライトコアに励磁コイルを巻い
た励磁ヘッドを組み合わせた磁気ヘッドである。検出ヘ
ッドは検出面の重心が(−4.5,0)になるように固
定した。
【0066】以下に、それぞれの検出ヘッドで誘起され
た電圧をアンプによって同じ増幅率で増幅し、オシロス
コープを用いて波形解析した結果を示す。なお、表1
は、被測定物表面と各磁気ヘッドの距離を変えた時に検
出される全誘起電圧信号の実効値電圧を示している。
【0067】
【表1】
【0068】発明例1〜3に示すように、本実施例の磁
気ヘッドを用いると、被測定物表面と磁気ヘッドとの距
離が1.0mm以上4.0mm以下であっても、十分に高い
電圧値を持つ全誘起電圧信号を得ることができる。
【0069】これに対して、検出ヘッドコアにU型パー
マロイを用いた磁気ヘッドでは、磁気ヘッドを被測定物
表面から離すと急速に検出ヘッドに誘起される電圧が低
下する。この原因は被測定物から離れるとU型パーマロ
イコアに磁束が流れ込み難くなるからである。また、コ
ア材にソフトフェライトを用いた磁気ヘッドでは1mm離
すと全誘起電圧信号は検出できなくなる。
【0070】次に、第2の具体例を説明する。この第2
の具体例では、上記具体例1で示した励磁ヘッドと空芯
コイルを組み合わせて、空芯コイルの固定位置を変えた
場合の磁気信号の違いについて調べた。
【0071】それぞれの検出コイルで誘起された電圧を
電圧増幅器によって同じ増幅率で増幅し、オシロスコー
プを用いて波形解析した。また、周波数フィルタリング
装置を用いて1kHz〜200kHzの周波数範囲のバ
ルクハウゼン信号(BHN)を分離して、その実効値電
圧を求めた。ここで磁気ヘッドと被測定物の間の距離は
1mmである。表2にその結果を示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2において、第1の発明例および第2の
発明例に示したように、空芯コイルの重心位置が本実施
例の領域である4mm≦|X|≦10mm、|Y|≦8.0
mmにある場合には高い実効値電圧を持つ全誘起電圧信号
が得られる。
【0074】この磁気ヘッドではバルクハウゼン信号の
実効値との比VB /VA は小さく、バルクハウゼン信号
の影響は無視できる。また、比較例1のように空芯コイ
ルの重心位置が|Y|>8.0mmに固定していると、全
誘起電圧信号の実効値電圧は著しく低くなる。
【0075】また、表2において第3の発明例および第
4の発明例として示したように、空芯コイルの重心位置
が本実施例の領域である|X|<4mm、|Y|≦8.0
mmにある場合には、全誘起電圧信号に対するバルクハウ
ゼン信号の実効値VB /VAが大きくなる。
【0076】すなわち、全誘起電圧信号からほぼ独立し
てバルクハウゼン信号が検出できる磁気ヘッドであるこ
とが分かる。また、比較例2のように空芯コイルの重心
位置が|Y|>8.0mmに固定していると、バルクハウ
ゼン信号を検出することができなくなる。
【0077】以上の結果より、空芯コイル3を本実施例
の領域に固定している磁気ヘッドでは、全誘起電圧信号
あるいはバルクハウゼン信号を独立に検出できることが
分かる。
【0078】次に、本発明の第3の具体例を説明する。
この第3の具体例では、励磁ヘッドコアとしてU型の両
脚部内側に段差が付いた形状のものを用いてバルクハウ
ゼン信号の検出を行った。
【0079】段差は、被測定物に最も接近する面から離
れるに従い、両脚部内側の距離aが不連続的に減少する
ような階段状に付与させている。ここでは、三種類の段
差付きコアを用意したが、第1のコアには距離a方向に
測定した各段差がμmであり、その個数が100個、第
2のコアには200μmの段差が10個、第3のコアに
は2mmの段差が1個付与されている。
【0080】また、比較のために段差の無いコアも用意
した。コア材としては珪素綱板を積層したものを用い、
コアの寸法は、励磁ヘッドの被測定物に最も接近する面
における両脚部内側の距離aが20mm、距離a方向に対
してほぼ直交する方向に測定したコアの厚みbが10mm
である。
【0081】また、距離a方向に測定したコア脚部の最
大厚みが全ての励磁コアとも同じ値になるように設計し
た。励磁コイルに周波数が100Hzの正弦波電流を入
力して行った。
【0082】検出コイルには、アクリル製の芯材にエナ
メル細線を巻き付けた空芯コイルを用いた。空芯コイル
の方向は検出面が被測定面と平行になるようにした。実
験では、空芯コイルは検出面の重心位置を|X|<4m
m、|Y|≦8.0mmの領域内に置き、かつ全誘起電圧
A とバルクハウゼン信号の実効値VB との比VB /V
A が1である位置にそれぞれ固定した。
【0083】100mm×100mm×15mmの低炭素綱を
被測定物とし、100mm×100mmの部分を被測定面と
した。上記の三種類の磁気ヘッドを用いて、バルクハウ
ゼン信号の検出実験を行った。その結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】発明例1,2,3に示すように、励磁コア
の両脚部内側に階段状の段差を付けることによって、検
出されるバルクハウゼン信号の実効値電圧がより高くな
ることが分かる。
【0086】なお、励磁と同じ周波数を持つ全誘起電圧
信号についても同様の実験を行ったが、段差を付与させ
た励磁コアを用いることにより信号電圧をさらに上昇さ
せることができた。
【0087】次に、本発明の第3の具体例を説明する。
この第3の具体例では、本発明の磁気ヘッドを用いて全
誘起電圧信号とバルクハウゼン信号を同時および独立に
検出する実験を行った。
【0088】励磁ヘッドコアとしてU型の両脚部内側に
段差が付いた形状のものと段差の付いていないものを用
いた。また、段差有ヘッドでは、被測定物に最も接近す
る面から離れるに従い、両脚部内側間の距離aが不連続
的に200μmずつ減少し、その段差が10個付与され
ている形状を持つ。
【0089】コア材としては珪素綱板を積層したものを
用い、コアの寸法は被測定物に最も接近する面におい
て、両脚部内側の距離aが20mmであり、距離a方向に
対してほぼ直交する方向に測定したコアの厚みbが10
mmである。また、二種類のヘッドには同巻き数の励磁コ
イルが巻かれている。
【0090】検出コイルには、アクリル製の芯材にエナ
メル細線を巻き付けた第1の空芯コイル31、第2の空
芯コイル32を用意した。この2つの空芯コイル31お
よび32は、検出面積およびコイル巻き数ともに同じで
ある。
【0091】また、空芯コイル31および32の方向
は、検出面が被測定面と平行になるようにした。実験で
は第1の空芯コイル31は、その重心位置が4mm≦|X
|≦10mm、|Y|≦8.0mmの領域内にあるように固
定され、他方、第2の空芯コイル32は重心位置が|X
|<4mm、|Y|≦8.0mmの領域内にあるように固定
される。
【0092】100mm×100mm×15mmの低炭素綱を
被測定物とし、100mm×100mmの部分を被測定面と
した。また、励磁は励磁コイルに周波数2.5Hzの正
弦波形電流を入力して行った。第1の検出コイルおよび
第2の検出コイルで誘起された電圧波形については同じ
増幅率でそれぞれ増幅し、オシロスコープにて独立に波
形解析を行った。その結果を表4に示す。なお、表4に
は、それぞれの磁気ヘッドを用いて同時に測定した全誘
起電圧信号とバルクハウゼン信号の実効値電圧を示し
た。
【0093】
【表4】
【0094】発明例1および発明例2から分かるよう
に、段有および段無励磁コアを使っても、同時におよび
独立に全誘起電圧信号とバルクハウゼン信号の実効値を
得ることができる。
【0095】以上の結果から、本実施例の磁気ヘッドは
全誘起電圧信号とバルクハウゼン信号の実効値を同時か
つ独立に検出できることが分かった。また、この磁気ヘ
ッドを用いて炭素綱材の応力測定を行ったが、一つの空
芯コイルを用いた磁気ヘッドに比べて測定誤差が減少
し、精度を向上させることができた。
【0096】
【発明の効果】本発明は上述したように構成したので、
本発明の磁気ヘッドを用いることによって、従来の磁気
ヘッドでは難しいとされていた被測定物表面から数mm離
した非接触による磁気信号の検出が可能となる。
【0097】また、本発明の磁気ヘッドは、非接触で磁
気信号を得られるので、鉄鋼製造プロセスにおけるオン
ラインでの材質診断、および鉄構造物等の材質診断に良
好に適用することができる。これにより、鉄鋼プロセス
での材質のオンライン診断技術は品質管理の効率化、高
精度化に加えて、製品の歩留りを向上させることができ
る。また、鉄構造物の材質診断を良好に行うことができ
るので、事故防止等の安全確保に大きく寄与することが
できる。
【0098】また、本発明の磁気ヘッドは全誘起電圧信
号とバルクハウゼン信号とを同時に、かつ独立に検出可
能であるので、同時に異なる種類の磁気信号を独立に検
出することができるようになり、材質診断の精度を大き
く向上させることが可能となる。また、信号処理には周
波数フィルタ等の特別な装置を必要としないので、処理
システム全体を軽量化および小型化することができる。
これにより、特に、持ち運びする場合の作業性を向上さ
せることができる。加えて、省電力化も実現されるの
で、電池で駆動させる場合には、メンテナンスの頻度を
大幅に減少させることができ、労力の低減に寄与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ヘッドの概略を示す構成図であ
る。
【図2】段差付き励磁ヘッドを示し、(a)は概略構成
説明図を示し、(b)は平面図を示している。
【図3】全誘起電圧信号およびバルクハウゼン信号の実
効値電圧値と空芯コイル面の重心位置との関係を示す特
性図である。
【図4】全誘起電圧信号およびバルクハウゼン信号の実
効値電圧値と空芯コイル面の重心位置との関係を示す特
性図である。
【図5】全誘起電圧信号およびバルクハウゼン信号の実
効値電圧値と空芯コイル面の重心位置との関係を示す特
性図である。
【図6】二つの空芯コイルを配設した磁気ヘッドの概略
構成を示す斜視図である。
【図7】従来の磁気ヘッドと信号処理システムの概略を
示す構成図である。
【符号の説明】
1 U型コア 2 励磁コイル 3 検出空芯コイル 4 磁束 5 被測定物 6 段差付き励磁コア 7 励磁コイル 11 励磁ヘッドコア 12 検出ヘッドコア 13 励磁コイル 14 検出コイル 15 被測定物 16 磁束 17 電力増幅器 18 波形発生装置 19 周波数フィルタリング装置 20 電圧増幅器 21 オシロスコープ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−57247(JP,A) 特開 平5−264508(JP,A) 特開 平6−130038(JP,A) 特開 平6−194341(JP,A) 実用新案登録2548069(JP,Y2) 特公 平6−76993(JP,B2) 特表 昭63−502457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/72 - 27/90

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体の局部領域を所定の周波数で励磁
    するための励磁ヘッドと、上記局部領域における磁化の
    変化を検出するための検出ヘッドとから構成される磁気
    ヘッドにおいて、 上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた軟質磁性材料の
    U型コアからなるとともに、上記U型コアが被測定物に
    最も接近する面における両脚部内側の距離をaとする
    と、上記U型コアの形状は被測定物に最も接近する面か
    ら離れるに従い上記距離aが不連続的に減少する階段状
    に形成されており、 一方、上記検出ヘッドは空芯コイルから構成されてお
    り、かつ上記空芯コイルの検出面は被測定面に対して平
    行に配置されるようになされているとともに、上記U型
    コアの両脚部間内に固定されていることを特徴とする磁
    気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記U型コアが被測定物に最も接近する
    面における両脚部内側の距離をaとし、上記距離a方向
    に対してほぼ直交する方向に測定した上記U型コアの厚
    みをbとし、上記厚みbの中点同士を結んだ線の中点を
    原点Oとし、上記原点Oから上記距離a方向にX軸、上
    記X軸に対して垂直方向にY軸を定義した場合、上記検
    出用空芯コイルの検出面の重心が、上記励磁ヘッドに対
    して、 0.2a≦|X|≦0.5a、|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記空芯コイルに誘起される
    全誘起電圧の実効値VAとバルクハウゼンノイズ電圧の
    実効値VB の比VB /VA が0<VB /VA ≦1/3と
    なることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記U型コアが被測定物に最も接近する
    面における両脚部内側の距離をaとし、上記距離a方向
    に対してほぼ直交する方向に測定した上記U型コアの厚
    みをbとし、上記厚みbの中点同士を結んだ線の中点を
    原点Oとし、上記原点Oから上記距離a方向にX軸、上
    記X軸に対して垂直方向にY軸を定義した場合、上記検
    出用空芯コイルの検出面の重心が、上記励磁ヘッドに対
    して、 |X|<0.2a、|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記空芯コイルに誘起される
    全誘起電圧の実効値VAとバルクハウゼンノイズ電圧の
    実効値VB の比VB /VA が1/3<VB /VA≦1と
    なることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁性体の局部領域を所定の周波数で励磁
    するための励磁ヘッドと、上記局部領域における磁化の
    変化を検出するための検出ヘッドとから構成される磁気
    ヘッドにおいて、 上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた金属系の軟質磁
    性材料からなるU型コアによって構成されているととも
    に、上記検出ヘッドは空芯コイルから構成されており、
    かつ上記空芯コイルの検出面は被測定面に対して平行に
    配置されるようになされているとともに、上記U型コア
    が被測定物に最も接近する面における両脚部内側の距離
    をaとし、上記距離a方向に対してほぼ直交する方向に
    測定した上記U型コアの厚みをbとし、上記厚みbの中
    点同士を結んだ線の中点を原点Oとし、上記原点Oから
    上記距離a方向にX軸、上記X軸に対して垂直方向にY
    軸を定義した場合、上記検出用空芯コイルの検出面の重
    心が、上記励磁ヘッドに対して、 0.2a≦|X|≦0.5a、|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記空芯コイルに誘起される
    全誘起電圧の実効値VAとバルクハウゼンノイズ電圧の
    実効値VB の比VB /VA が0<VB /VA ≦1/3と
    なることを特徴とする磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 磁性体の局部領域を所定の周波数で励磁
    するための励磁ヘッドと、上記局部領域における磁化の
    変化を検出するための検出ヘッドとから構成される磁気
    ヘッドにおいて、 上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた金属系の軟質磁
    性材料からなるU型コアによって構成されているととも
    に、上記検出ヘッドは空芯コイルから構成されており、
    かつ上記空芯コイルの検出面は被測定面に対して平行に
    配置されるようになされているとともに、上記U型コア
    が被測定物に最も接近する面における両脚部内側の距離
    をaとし、上記距離a方向に対してほぼ直交する方向に
    測定した上記U型コアの厚みをbとし、上記厚みbの中
    点同士を結んだ線の中点を原点Oとし、上記原点Oから
    上記距離a方向にX軸、上記X軸に対して垂直方向にY
    軸を定義した場合、上記検出用空芯コイルの検出面の重
    心が、上記励磁ヘッドに対して、 |X|<0.2a、|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記空芯コイルに誘起される
    全誘起電圧の実効値VAとバルクハウゼンノイズ電圧の
    実効値VB の比VB /VA が1/3<VB /VA≦1と
    なることを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 上記空芯コイルの中に軟質磁性材料を配
    置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁
    気ヘッドを上記被測定物の表面から0.05mm以上4
    mm以下の距離を離して測定することを特徴とする磁気
    ヘッドを用いた信号の検出方法。
  8. 【請求項8】 磁性体の局部領域を所定の周波数で励磁
    するための励磁ヘッドと、上記局部領域における磁化の
    変化を検出するための検出ヘッドとから構成される磁気
    ヘッドにおいて、 上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた軟質磁性材料の
    U型コアから構成されており、上記U型コアが被測定物
    に最も接近する面における両脚部内側の距離をaとする
    と、上記U型コアの形状が被測定物に最も接近する面か
    ら離れるに従い上記距離aが不連続的に減少する階段状
    に形成されるとともに、上記検出ヘッドが独立した2個
    の第1の空芯コイルと第2の空芯コイルによって構成さ
    れており、かつ上記第1の空芯コイルおよび第2の空芯
    コイルの検出面が被測定面に対して平行に配置されるよ
    うになされているとともに、上記2個の空芯コイルが上
    記U型コアの両脚部間内に固定されていることを特徴と
    する磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 上記U型コアが被測定物に最も接近する
    面における両脚部内側の距離をaとし、上記距離a方向
    に対してほぼ直交する方向に測定した上記U型コアの厚
    みをbとし、上記厚みbの中点同士を結んだ線の中点を
    原点Oとし、上記原点Oから上記距離a方向にX軸、上
    記X軸に対して垂直方向にY軸を定義した場合、上記第
    1の空芯コイルの検出面の重心が上記励磁ヘッドに対し
    て、 0.2a≦|X|≦0.5a、|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記第1の空芯コイルに誘起
    される全誘起電圧の実効値VA とバルクハウゼンノイズ
    信号電圧の実効値VB の比VB /VA が0<VB/VA
    ≦1/3となり、 同時に、上記第2の空芯コイルの検出面の重心が、上記
    励磁ヘッドに対して、 |X|<0.2a、|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、空芯コイル2に誘起される全
    誘起電圧の実効値VA とバルクハウゼンノイズ信号電圧
    の実効値VB の比VB /VA が1/3<VB /VA ≦1
    となることを特徴とする請求項8に記載の磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 磁性体の局部領域を所定の周波数で励
    磁するための励磁ヘッドと、上記局部領域における磁化
    の変化を検出するための検出ヘッドとから構成される磁
    気ヘッドにおいて、 上記励磁ヘッドは励磁コイルが巻かれた金属系の軟質磁
    性材料からなるU型コアによって構成されているととも
    に、上記検出ヘッドは第1の空芯コイルおよび第2の空
    芯コイルの独立した2個の空芯コイルから構成されてお
    り、かつ上記第1の空芯コイルおよび第2の空芯コイル
    の検出面が被測定面に対して平行に配置されるようにな
    されているとともに、上記U型コアが被測定物に最も接
    近する面における両脚部内側の距離をaとし、上記距離
    a方向に対してほぼ直交する方向に測定した上記U型コ
    アの厚みをbとし、上記厚みbの中点同士を結んだ線の
    中点を原点Oとし、上記原点Oから上記距離a方向にX
    軸、上記X軸に対して垂直方向にY軸を定義した場合、
    上記第1の空芯コイルの検出面の重心が上記励磁ヘッド
    に対して、 0.2a≦|X|≦0.5a、|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記第1の空芯コイルに誘起
    される全誘起電圧の実効値VA とバルクハウゼンノイズ
    信号電圧の実効値VB の比VB /VA が0<VB/VA
    ≦1/3となり、 同時に、上記第2の空芯コイルの検出面の重心が、上記
    励磁ヘッドに対して、 |X|<0.2a、|Y|≦0.8b で示す領域内に固定され、上記第2の空芯コイルに誘起
    される全誘起電圧の実効値VA とバルクハウゼンノイズ
    信号電圧の実効値VB の比VB /VA が1/3<VB
    A ≦1となることを特徴とする磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 上記検出ヘッドは、上記第1の空芯コ
    イルおよび第2の空芯コイルの中に軟質磁性材料を配置
    して構成されており、全誘起電圧信号およびバルクハウ
    ゼン信号を同時に検出することを特徴とする請求項8〜
    10のいずれか1項に記載の磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 上記被測定物の表面から0.05mm
    以上4mm以下の距離を離して、全誘起電圧信号および
    バルクハウゼン信号を同時に測定することを特徴とする
    請求項8〜11のいずれか1項に記載の磁気ヘッドを用
    いた信号の検出方法。
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