JP2003075327A - 水中構造物の残余寿命推定方法およびその装置 - Google Patents

水中構造物の残余寿命推定方法およびその装置

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JP2003075327A
JP2003075327A JP2001266274A JP2001266274A JP2003075327A JP 2003075327 A JP2003075327 A JP 2003075327A JP 2001266274 A JP2001266274 A JP 2001266274A JP 2001266274 A JP2001266274 A JP 2001266274A JP 2003075327 A JP2003075327 A JP 2003075327A
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corrosion
diagram
underwater structure
cost
deterioration
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Masakazu Kamibayashi
正和 上林
Yoshimichi Kawakami
善道 川上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残余寿命をより正確に推定することができ、
これに伴い将来的な運用コストを正確に得ることができ
るとともに、運用コストを自動的に試算させることので
きる水中構造物の残余寿命推定方法およびその装置を提
供すること。 【解決手段】 板状部材が最も多く腐食されていると判
断される領域について板状部材の板厚を実測した板厚計
測結果、水中構造物が設置されている場所の水を採取
し、該水の水質を検査した水質検査結果、塗膜の種類・
元の厚さに関する情報、鋼材の元の厚さに関する情報、
および水中構造物の経過年数が入力される腐食劣化線図
作成装置41と、塗膜種類毎の塗膜劣化式が貯蔵された
塗膜劣化データベース42と、鋼材腐食式が貯蔵された
鋼材腐食データベース43と、補修コストに関する情報
が貯蔵された補修コストデータベース44と、ライフサ
イクルコスト線図を作成するライフサイクルコスト線図
作成装置45とを備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中構造物の残余
寿命推定方法およびその装置に関するものであり、水中
構造物としては特に水門などに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9に示すように、水門10は、主桁1
1と、スキンプレート12と、ダイヤフラム13とを主
たる構成要素とするものである。また、これら主桁1
1、スキンプレート12、ダイヤフラム13はそれぞ
れ、図10に示すように、板状の鋼材20とこの鋼材2
0の表裏面20a,20bに設けられた塗膜21とから
なる板状部材22により構成されたものである。
【0003】図9に白抜きの矢印で示すように、水門1
0が水中に漬かっている場合には、水門10に水圧負荷
がかかるようになる。このため図9に黒塗りの矢印で示
すように、主桁11、スキンプレート12、およびダイ
ヤフラム13の各部材には、主として引張応力が作用す
ることとなる。
【0004】さて、このような水門10においては、当
該水門10が漬かっている淡水あるいは海水によって腐
食(錆など)が発生する。そしてこのような腐食は、水
門10の乾湿交番部(水面付近)に特に多く発生するこ
とが知られている。
【0005】ここで、図11に示すように、このような
腐食部を有する腐食部材30に、前述したような引張応
力Sが作用した場合、この引張応力Sの生じる方向に対
して直交する垂直断面a,b,c,・・・kのうち、最
小の平均板厚を有する垂直断面の位置で破断が生じるこ
とが実験により確かめられている。
【0006】ここでいう平均板厚とは、たとえば垂直断
面c,fにおける断面形状31,32を平均化した断面
形状33,34のことをいう。また、最小の平均板厚と
は、垂直断面a,b,c,・・・kそれぞれの平均板厚
のうち最小となるものをいう。したがって、たとえば図
11において垂直断面cでの平均板厚が最小平均板厚で
あった場合には、この垂直断面cにおいて破断が生じる
こととなる。なお、図11に示す黒点は、たとえば5mm
間隔に設定した板厚実測点である。
【0007】同様のことは、図12(a),(b),
(c)に示す実験結果からも理解することができる。
【0008】このように腐食部を有する腐食部材に、引
張応力が作用した場合、この引張応力の生じる方向に対
して直交する垂直断面のうち、最小の平均板厚を有する
垂直断面の位置で破断が生じることから、水門を保守・
管理する場合、最小平均板厚を把握することによって当
該水門の残余寿命(残存強度)を評価し、この結果をも
とに水門の将来的な補修計画などをたてているのが現状
である。
【0009】そこで従来、この残余寿命を推定する一つ
の方法としてつぎのようなものが提案されている。この
方法は、構造物を構成する部材の腐食が多数見られかつ
大きい箇所の鋼材板厚を4点計測し、その平均値を用い
て残余寿命を推定しようとするものである。
【0010】すなわち、まずはじめに、設計時(設置当
初)の板厚(鋼材の元の板厚のみ)から、前述した計測
箇所4点の平均値(平均板厚)を差し引き、その値を当
該構造物の経過年数(使用年数)で割って、1年間当た
りの平均腐食量を導き出す。
【0011】これを式で表すと以下のように表される。 平均腐食量=(設計時の板厚−計測時の平均板厚)/経
過年数
【0012】つぎに、設計時の板厚から、規定最小板厚
(腐食限界)を差し引き、その値を前述した平均腐食量
で割ると、当該構造物の寿命が求められる。
【0013】これを式で表すと以下のように表される。 当該構造物の寿命=(設計時の板厚−規定最小板厚)/
平均腐食量
【0014】この寿命から前述した経過年数を引くこと
により、残余寿命が推定されている。このように従来の
残余寿命推定方法では、単に計測時の平均板厚と計測時
までの経過年数だけをパラメータとして残余寿命が推定
されており、設計時、鋼材の表面に塗布されていた塗膜
の影響(効果)および当該構造物が漬かっている水質の
影響については何等考慮されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の
腐食現象においては、塗膜および水質が腐食の進行に大
きく影響するため、従来の推定方法は実際の腐食現象に
合致していない。したがって、従来の推定方法により推
定された残余寿命は誤差が非常に大きいという問題点が
あった。
【0016】また、推定した残余寿命に基づいて将来的
な運用コストが算出されるため、この運用コストにも非
常に大きな誤差が生じてしまうという問題点があった。
【0017】さらに、将来的な運用コストを試算する
際、計測時点で将来最善と考え得る補修項目を人が適宜
選択してそれらの項目についてそれぞれ計算していたた
め、これらの計算に多大な時間が費やされてしまうとい
った問題点があった。
【0018】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、残余寿命をより正確に推定することができ、これに
伴い将来的な運用コストを正確に得ることができるとと
もに、運用コストを自動的に試算させることのできる水
中構造物の残余寿命推定方法およびその装置を提供する
ことを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の水中構造物の残
余寿命推定方法では、上記課題を解決するため、以下の
手段を採用した。すなわち、請求項1記載の水中構造物
の残余寿命推定方法によれば、鋼材と該鋼材の表裏面に
設けられた塗膜とからなる板状部材により構成された水
中構造物の残余寿命推定方法であって、前記板状部材が
最も多く腐食されていると判断される領域について、前
記板状部材の板厚を実測する段階と、前記水中構造物が
設置されている場所の水を採取し、該水の水質を検査す
る段階と、前記板厚計測結果、前記水質検査結果、前記
塗膜の種類・元の厚さに関する情報、前記鋼材の元の厚
さに関する情報、および前記水中構造物の経過年数を腐
食劣化線図作成装置に入力する段階と、前記腐食劣化線
図作成装置に入力された前記塗膜の種類に対応した、前
記塗膜が経過年数とともにどのように劣化していくかを
表す塗膜劣化式が、塗膜劣化データベースから前記腐食
劣化線図作成装置に呼び出される段階と、前記塗膜が破
壊された後、前記鋼材が経過年数とともにどのように腐
食していくかを表す鋼材腐食式が、鋼材腐食データベー
スから前記腐食劣化線図作成装置に呼び出される段階
と、前記腐食劣化線図作成装置において、前記塗膜劣化
式に、前記水質検査結果、前記塗膜の元の厚さ、および
前記経過年数が入力され、かつ前記鋼材腐食式に、前記
水質検査結果、鋼材の元の厚さ、および前記経過年数が
入力されて、前記板状部材の腐食劣化線図が求められた
後、前記板厚計測結果に基づいて前記腐食劣化線図が補
正され、これら結果がディスプレイ上に表示される段階
と、前記腐食劣化線図の結果から現在の腐食量がライフ
サイクルコスト線図作成装置に自動入力される段階と、
少なくとも前記最も多く腐食されていると判断される領
域を含む、塗膜の塗り替えを行おうとする部分の表面積
・塗料の種類;少なくとも前記最も多く腐食されている
と判断される領域を含む鋼材の補強に必要な補強材の寸
法・材質;および少なくとも前記最も多く腐食されてい
ると判断される領域を含む鋼材の取り替えを行おうとす
る場合の取替部分の寸法・材質;が前記ライフサイクル
コスト線図作成装置に入力される段階と、これら前記ラ
イフサイクルコスト線図作成装置に入力された各種情報
に基づいて、前記補修コストデータベースから、前記塗
装費用に関する情報、前記補強費用に関する情報、およ
び前記取替費用に関する情報が呼び出される段階と、前
記ライフサイクルコスト線図作成装置において、前記塗
装費用に関する情報、前記補強費用に関する情報、およ
び前記取替費用に関する情報に基づいて、前記板状部材
のライフサイクルコスト評価線図が求められた後、その
結果がディスプレイ上に表示される段階と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0020】この水中構造物の残余寿命推定方法におい
ては、設計時、鋼材の表面に塗布されていた塗膜のデー
タおよび当該構造物が漬かっている水質のデータが、残
余寿命を推定する際のパラメータとして入力されること
となる。
【0021】また、推定後の結果が、予め実測された板
厚計測結果に基づいて補正されることとなる。
【0022】さらに、腐食劣化線図の結果から得られた
現在の腐食量がライフサイクルコスト線図作成装置に自
動入力されるとともに、少なくとも最も多く腐食されて
いると判断される領域を含む、塗膜の塗り替えを行おう
とする部分の表面積・塗料の種類;少なくとも最も多く
腐食されていると判断される領域を含む鋼材の補強に必
要な補強材の寸法・材質;および少なくとも最も多く腐
食されていると判断される領域を含む鋼材の取り替えを
行おうとする場合の取替部分の寸法・材質;がライフサ
イクルコスト線図作成装置に入力されることとなり、そ
の結果、補修コストデータベースから塗装費用に関する
情報、補強費用に関する情報、および取替費用に関する
情報が呼び出され、これらの情報に基づいてライフサイ
クルコスト線図作成装置によりそれぞれに応じた運用コ
ストが自動的に試算されることとなる。
【0023】さらにまた、腐食劣化線図作成装置および
ライフサイクルコスト線図作成装置でそれぞれ得られた
結果がディスプレイ上に表示されることとなる。
【0024】請求項2記載の水中構造物の残余寿命推定
方法によれば、請求項1に記載の水中構造物の残余寿命
推定方法において、前記板状部材が最も多く腐食されて
いると判断される領域は、水面付近に位置する乾湿交番
部近傍領域であることを特徴とする。
【0025】この水中構造物の残余寿命推定方法におい
ては、板厚計測が腐食の特に多く発生する乾湿交番部に
おいて行われることとなる。
【0026】請求項3記載の水中構造物の残余寿命推定
方法によれば、請求項1に記載の水中構造物の残余寿命
推定方法において、前記腐食劣化線図および前記ライフ
サイクルコスト評価線図は、切換装置により、一つのデ
ィスプレイ画面上に交互に表示させることができること
を特徴とする。
【0027】この水中構造物の残余寿命推定方法におい
ては、切換装置により腐食劣化線図およびライフサイク
ルコスト評価線図が一つのディスプレイ上に交互に表示
されることとなる。
【0028】請求項4記載の水中構造物の残余寿命推定
方法によれば、請求項1に記載の水中構造物の残余寿命
推定方法において、前記板厚実測は、超音波計測により
行われることを特徴とする。
【0029】この水中構造物の残余寿命推定方法におい
ては、超音波により計測が実施されることとなる。
【0030】請求項5記載の水中構造物の残余寿命推定
方法によれば、請求項1に記載の水中構造物の残余寿命
推定方法において、前記水質検査は、水質計により行わ
れることを特徴とする。
【0031】この水中構造物の残余寿命推定方法におい
ては、水質計により水質検査が実施されることとなる。
【0032】請求項6記載の水中構造物の残余寿命推定
装置によれば、鋼材と該鋼材の表裏面に設けられた塗膜
とからなる板状部材により構成された水中構造物の残余
寿命推定装置であって、前記板状部材が最も多く腐食さ
れていると判断される領域について前記板状部材の板厚
を実測した板厚計測結果、前記水中構造物が設置されて
いる場所の水を採取し、該水の水質を検査した水質検査
結果、前記塗膜の種類・元の厚さに関する情報、前記鋼
材の元の厚さに関する情報、および前記水中構造物の経
過年数が入力される腐食劣化線図作成装置と、前記腐食
劣化線図作成装置に接続され、前記塗膜が経過年数とと
もにどのように劣化していくかを表す、塗膜種類毎の塗
膜劣化式が貯蔵された塗膜劣化データベースと、前記腐
食劣化線図作成装置に接続され、前記鋼材が経過年数と
ともにどのように腐食していくかを表す鋼材腐食式が貯
蔵された鋼材腐食データベースと、塗膜種類毎に設定さ
れた単位面積当たりの塗装費用に関する情報、材料の種
類毎に設定された単位体積当たりの補強費用に関する情
報、および材料の種類毎に設定された単位体積当たりの
取替費用に関する情報が貯蔵された補修コストデータベ
ースと、前記腐食劣化線図作成装置および前記補修コス
トデータベースに接続されたライフサイクルコスト線図
作成装置とを備え、前記腐食劣化線図作成装置は、自身
に入力された前記塗膜の種類に基づいて前記塗膜劣化デ
ータベースから呼び出した前記塗膜劣化式に、前記水質
検査結果、前記塗膜の元の厚さ、および前記経過年数を
入力し、かつ前記鋼材腐食データベースから呼び出した
前記鋼材腐食式に、前記水質検査結果および前記経過年
数を入力して、前記板状部材の腐食劣化線図を求め、前
記板厚計測結果に基づいて前記腐食劣化線図を補正した
後、これら結果をディスプレイ画面上に表示するもので
あり、前記ライフサイクルコスト線図作成装置には、前
記腐食劣化線図の結果から得られた現在の腐食量が自動
入力されるとともに、少なくとも前記最も多く腐食され
ていると判断される領域を含む、塗膜の塗り替えを行お
うとする部分の表面積・塗料の種類;少なくとも前記最
も多く腐食されていると判断される領域を含む鋼材の補
強に必要な補強材の寸法・材質;および少なくとも前記
最も多く腐食されていると判断される領域を含む鋼材の
取り替えを行おうとする場合の取替部分の寸法・材質;
が入力され、前記ライフサイクルコスト線図作成装置
は、これら入力された各種情報に基づいて、前記補修コ
ストデータベースから、前記塗装費用に関する情報、前
記補強費用に関する情報、および前記取替費用に関する
情報を呼び出して、前記板状部材のライフサイクルコス
ト評価線図を求めた後、その結果をディスプレイ画面上
に表示するものであることを特徴とする。
【0033】この水中構造物の残余寿命推定装置におい
ては、設計時、鋼材の表裏面に塗布されていた塗膜のデ
ータおよび当該構造物が漬かっている水質のデータが、
残余寿命を推定する際のパラメータとして入力されるこ
ととなる。また、推定後の結果が、予め実測された板厚
計測結果に基づいて補正されることとなる。さらに、腐
食劣化線図の結果から得られた現在の腐食量がライフサ
イクルコスト線図作成装置に自動入力されるとともに、
少なくとも最も多く腐食されていると判断される領域を
含む、塗膜の塗り替えを行おうとする部分の表面積・塗
料の種類;少なくとも最も多く腐食されていると判断さ
れる領域を含む鋼材の補強に必要な補強材の寸法・材
質;および少なくとも最も多く腐食されていると判断さ
れる領域を含む鋼材の取り替えを行おうとする場合の取
替部分の寸法・材質がライフサイクルコスト線図作成装
置に入力されることとなり、その結果、補修コストデー
タベースから塗装費用に関する情報、補強費用に関する
情報、および取替費用に関する情報が呼び出され、これ
らの情報に基づいてライフサイクルコスト線図作成装置
によりそれぞれに応じた運用コストが自動的に試算され
ることとなる。さらにまた、腐食劣化線図作成装置およ
びライフサイクルコスト線図作成装置でそれぞれ得られ
た結果がディスプレイ上に表示されることとなる。
【0034】請求項7記載の水中構造物の残余寿命推定
装置によれば、請求項6に記載の水中構造物の残余寿命
推定装置において、前記板状部材が最も多く腐食されて
いると判断される領域は、水面付近に位置する乾湿交番
部近傍領域であることを特徴とする。
【0035】この水中構造物の残余寿命推定装置におい
ては、板厚計測が腐食の特に多く発生する乾湿交番部に
おいて行われることとなる。
【0036】請求項8記載の水中構造物の残余寿命推定
装置によれば、請求項6に記載の水中構造物の残余寿命
推定装置において、前記腐食劣化線図および前記ライフ
サイクルコスト評価線図は、切換装置により、一つのデ
ィスプレイ画面上に交互に表示させることができること
を特徴とする。
【0037】この水中構造物の残余寿命推定装置におい
ては、切換装置により腐食劣化線図およびライフサイク
ルコスト評価線図が一つのディスプレイ上に交互に表示
されることとなる。
【0038】請求項9記載の水中構造物の残余寿命推定
装置によれば、請求項6に記載の水中構造物の残余寿命
推定装置において、前記板厚実測は、超音波計測により
行われることを特徴とする。
【0039】この水中構造物の残余寿命推定装置におい
ては、超音波により計測が実施されることとなる。
【0040】請求項10記載の水中構造物の残余寿命推
定装置によれば、請求項6に記載の水中構造物の残余寿
命推定装置において、前記水質検査は、水質計により行
われることを特徴とする。この水中構造物の残余寿命推
定装置においては、水質計により水質検査が実施される
こととなる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。また、従来と同一の
部材には同一の符号を付している。まずはじめに図1を
参照されたい。
【0042】図1は、本発明による水中構造物(たとえ
ば図9に示す水門10など)の残余寿命推定装置40の
概略構成図を示している。この残余寿命推定装置40
は、腐食劣化線図作成装置41と、塗膜劣化データベー
ス42と、鋼材腐食データベース43と、補修コストデ
ータベース44と、ライフサイクルコスト線図作成装置
45とを主な構成要素として構成されたものである。
【0043】図1に示すように、塗膜劣化データベース
42および鋼材腐食データベース43はそれぞれ、腐食
劣化線図作成装置41に接続されており、塗膜劣化デー
タベース42と腐食劣化線図作成装置41との間、およ
び鋼材腐食データベース43と腐食劣化線図作成装置4
1との間で互いにデータのやりとりができるようになっ
ている(図1において両方向矢印で示す)。
【0044】また、腐食劣化線図作成装置41はライフ
サイクルコスト線図作成装置45に接続されており、こ
の腐食劣化線図作成装置41で得られた結果(現在の腐
食量)をライフサイクルコスト線図作成装置45に自動
的に入力できるようになっている(図1において一方向
矢印で示す)。
【0045】さらに、補修コストデータベース44がラ
イフサイクルコスト線図作成装置45に接続されてお
り、補修コストデータベース44とライフサイクルコス
ト線図作成装置45との間で互いにデータのやりとりが
できるようになっている(図1において両方向矢印で示
す)。
【0046】つぎに、それぞれの構成要素について説明
する。腐食劣化線図作成装置41は、板状部材22(図
10参照)が最も多く腐食されていると判断される領域
についてこの板状部材22の板厚を実測した板厚計測結
果、当該水中構造物が設置されている場所の水を採取
し、この水の水質を検査した水質検査結果、鋼材20
(図10参照)表面に塗布された塗膜21(図10参
照)の種類・元(設計時)の厚さに関する情報、鋼材2
0の元(設計時)の厚さに関する情報、および水中構造
物の経過年数(使用年数)が入力できるように構成され
たものである。
【0047】塗膜劣化データベース42は、図2に示す
ような種々の塗膜にそれぞれ対応した塗膜劣化式が多数
貯蔵されたものである。これら塗膜劣化式は、前述した
腐食劣化線図作成装置41に入力された塗膜の種類に応
じて呼び出され、腐食劣化線図作成装置41に入力され
るものである。なお、図2の塗膜劣化式中に記載したア
ルファベットa,b,c,・・・は、塗膜種類毎に決定
された係数である。なお、ここでいう塗膜種類というの
は、一種類の塗料からなるものに限定されるものではな
く、二種類以上の塗料を重ね塗りしたものも含まれるこ
とに留意しなければならない。
【0048】鋼材腐食データベース43は、図3に示す
ような鋼材の鋼材腐食式が貯蔵されたものである。この
鋼材腐食式は、前述した腐食劣化線図作成装置41に呼
び出され、腐食劣化線図作成装置41に入力されるもの
である。なお、図3の鋼材腐食式中に記載したアルファ
ベットac,bc,cc,・・・は、塗膜種類毎に決定さ
れた係数である。
【0049】補修コストデータベース44は、図4に示
すように、補修の種類(たとえば、塗替1,補強1,取
替1など)に対応した補修コスト(たとえば、塗膜(塗
料A)を使用して塗り替えをした場合の単位面積(1m
2)あたりの塗装費用や、補強材(材料・材質a)を使
用して補強した場合の単位体積(1m3)あたりの補強
費用など)が項目毎に多数貯蔵されたものである。この
補修コストは、前述したライフサイクルコスト線図作成
装置45に呼び出され、ライフサイクルコスト線図作成
装置45に入力されるものである。
【0050】ライフサイクルコスト線図作成装置45
は、腐食劣化線図作成装置41で得られた結果(現在の
腐食量)、少なくとも最も多く腐食されていると判断さ
れる領域を含む、塗膜の塗り替えを行おうとする部分の
表面積・塗料の種類、少なくとも最も多く腐食されてい
ると判断される領域を含む鋼材の補強に必要な補強材の
寸法(あるいは体積)・材質、および少なくとも最も多
く腐食されていると判断される領域を含む鋼材の取り替
えを行おうとする場合の取替部分の寸法(あるいは体
積)・材質;が入力できるように構成されたものであ
る。
【0051】つぎに、本発明による水中構造物の残余寿
命推定方法について説明する。まずはじめに、板状部材
22(図10参照)が最も多く腐食されていると判断さ
れる領域について、この板状部材22の板厚を実測す
る。また、当該水中構造物が設置されている場所の水を
採取し、この水の水質を検査する。
【0052】そして、上記板厚計測結果、上記水質検査
結果、設計時(設置当初)鋼材の表面に塗られていた塗
膜の種類・元の厚さ、鋼材20(図10参照)の元の厚
さに関する情報、および当該水中構造物の経過年数を腐
食劣化線図作成装置41に入力する。
【0053】この腐食劣化線図作成装置41に入力され
た塗膜の種類に対応した塗膜劣化式が塗膜劣化データベ
ース42から呼び出される(ここでは、図2に示す塗膜
1が呼び出されたこととする)。そして、この腐食劣化
線図作成装置41では、塗膜劣化式に塗膜の厚さ(鋼材
表面に塗布された塗膜の元の厚さ)A、水質パラメータ
(たとえば、pH,溶存酸素,塩化イオン濃度,電気伝導
度など)の値x1,x2,x3,・・・、および経過年数
Xが入力され、図5に示すような塗膜劣化曲線が得られ
ることとなる。
【0054】ここで、図5に記載した塗膜破壊点とは、
設置当初に塗った塗膜が劣化して剥離し、腐食が鋼材に
およんでいく移行点である。言い換えれば、鋼材の表面
に塗った塗膜が浮きはじめ、鋼材の腐食が開始される点
のことをいう。
【0055】他方、鋼材腐食データベース43から鋼材
腐食式が腐食劣化線図作成装置41に呼び出される。そ
して、腐食劣化線図作成装置41では、鋼材腐食式に、
水質パラメータ(たとえば、pH,溶存酸素,塩化イオン
濃度,電気伝導度など)の値x1,x2,x3,・・・、
および経過年数Xが入力され、図6に示すような鋼材腐
食曲線が得られることとなる。
【0056】そして、腐食劣化線図作成装置41におい
て、これら塗膜劣化曲線と鋼材腐食曲線とが塗膜破壊点
でつなぎ合わされ、図7(a)に示すような(理論上
の)腐食劣化曲線(腐食劣化線図)が求められる。図7
(a)におけるYcmaxは、最大腐食量(設計時の板厚
−規定最小板厚)である。そして、腐食がこの最大腐食
量Ycmaxに達する時点を寿命点という。したがって、
この図ではXeが寿命年数ということになる。
【0057】しかしながら、前述したように、実際の塗
膜の劣化および鋼材の腐食は、そのときの水質によって
大きく変化する。したがって、図7(b)に示すよう
に、実測した時点(経過年数Xp)での腐食量がYcp
であるような場合には、前述した(理論上の)腐食劣化
曲線を上方に平行移動して補正しなければならない。
【0058】よって、本発明では、腐食劣化線図作成装
置41に入力された板厚計測結果に基づいて、上記補正
を行うことにより補正された腐食劣化曲線(図7(b)
において一点鎖線で示す曲線)を求めている。なお、図
7(b)に示すものは、実際の腐食が理論上(理想)の
腐食よりも多い場合のものである。これに対して、実際
の腐食が理論上(理想)の腐食よりも少ない場合も当然
起こり得ることはいうまでもない。その場合には、前述
した理論上(理想)の腐食劣化曲線を下方に平行移動し
て補正腐食劣化曲線を求めることとなる。
【0059】そして、この補正された腐食劣化曲線およ
び/または理論上(理想)の腐食劣化曲線は、腐食劣化
線図作成装置41に接続された、あるいは当該装置に設
けられたディスプレイ(図示せず)上に表示されるよう
になる。
【0060】これにより、当該構造物の残余寿命や将来
の腐食進行状況を視覚的に得ることができる。
【0061】このとき、補正腐食劣化線図の結果から現
在の腐食量Ycpがライフサイクルコスト線図作成装置
45に自動的に入力される。
【0062】つぎに、少なくとも前記最も多く腐食され
ていると判断される領域を含む、塗膜の塗り替えを行お
うとする部分の表面積・塗料の種類、少なくとも前記最
も多く腐食されていると判断される領域を含む鋼材の補
強に必要な補強材の寸法・材質、および少なくとも前記
最も多く腐食されていると判断される領域を含む鋼材の
取り替えを行おうとする場合の取替部分の寸法・材質
を、ライフサイクルコスト線図作成装置45に入力す
る。
【0063】これらライフサイクルコスト線図作成装置
45に入力された各種情報に基づいて、補修コストデー
タベース44から、補修コスト(塗装費用に関する情
報、補強費用に関する情報、取替費用に関する情報な
ど)が呼び出される。
【0064】そして、ライフサイクルコスト線図作成装
置45において、現在の腐食量Yc p、塗装費用に関す
る情報、補強費用に関する情報、取替費用に関する情報
などから、図8に示すライフサイクルコスト評価線図が
求められることとなる。
【0065】図8は、当該構造物の残余寿命を考慮し
て、現在を含め数年毎に塗替を行った場合と、現在およ
び何年後かに一回補強を行った場合と、現段階において
取替(たとえば当該部材の材質をステンレス材のものに
取り替えるなど)を行った場合とで何れのコストが一番
低く抑えられるかを示すものである。この場合、現時点
で取替を行っておけば、現時点でかかる費用は一番多く
なるが、将来的コストは一番低く抑えられることを示し
ている。
【0066】このライフサイクルコスト評価線図は、ラ
イフサイクルコスト線図作成装置45に接続された、あ
るいは当該装置に設けられたディスプレイ(図示せず)
上に表示されるようになる。
【0067】これにより、当該構造物を保守・補修して
いく上で、現時点でかかる費用や将来的にトータルでか
かる費用を視覚的に得ることができる。
【0068】また、前記板状部材が最も多く腐食されて
いると判断される領域が、水面付近に位置する乾湿交番
部近傍領域に設定されればさらに有利である。
【0069】さらに、前記腐食劣化線図および前記ライ
フサイクルコスト評価線図が、切換装置により、一つの
ディスプレイ画面上に交互に表示させることができれば
さらに有利である。
【0070】さらにまた、前記板厚実測が、超音波計測
により行われればさらに有利である。
【0071】さらにまた、前記水質検査が、水質計によ
り行われればさらに有利である。
【0072】なお、本実施形態では水門を構成する板状
の部材について説明してきたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、たとえば板厚を有する中空円筒の部
材についても適用することができる。板厚を有する中空
円筒の部材としては、たとえばその上に空港施設などが
設けられる水上構造物の脚(杭)などが考えられる。
【0073】また、図3に示すように、本実施形態にお
ける鋼材腐食データベース43には、鋼材に対する式が
一つだけ貯蔵されているが、本発明はこれに限定される
ものではなく、たとえば性質の異なる鋼材に対する式
や、アルミニウムに対する式などが貯蔵されたものであ
ってもよい。ただしこの場合、腐食劣化線図作成装置4
1に、材質に関するデータも入力しなければならないこ
とには注意する必要がある。
【0074】さらに、図4に示すように、本実施形態に
おける補修コストデータベース44には、補強に必要な
補強材の体積・材質、あるいは取替に必要な取替部分の
体積・材質に応じたデータが貯蔵されているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、たとえば補強あるい
は取替を行おうとする部位名(たとえば、主桁、スキン
プレート、ダイヤフラムなど)とその材質に応じたデー
タ(補修コスト)を貯蔵しておくことも可能である。
【0075】さらにまた、本実施形態では超音波により
板厚計測を行っているが、本発明は超音波による計測に
限定されるものではなく、板厚を計測できるものであれ
ばどのような計測機器を用いてもよい。
【0076】さらにまた、本実施形態で使用する板厚計
測結果とは、腐食が多数見られかつ大きい箇所の板厚を
数点計測し、これらの値を平均したものであってもよい
し、あるいは部材に引張応力が生じるような場合には、
この引張応力が生じる方向に対して略直交する垂直断面
の平均板厚値のうちの最小のものであってもよい。
【0077】
【発明の効果】本発明の水中構造物の残余寿命推定方法
およびその装置によれば、以下の効果が得られる。すな
わち、請求項1記載の水中構造物の残余寿命推定方法に
よれば、設計時、鋼材の表裏面に塗布されていた塗膜の
データおよび当該構造物が漬かっている水質のデータ
が、残余寿命を推定する際のパラメータとして入力さ
れ、かつ推定後の結果(理論上の腐食劣化線図)が、予
め実測された板厚計測結果に基づいて補正されるので、
当該構造物の残余寿命を正確に推定することができ、か
つこの残余寿命に基づいて算出される将来的な運用コス
トについても正確に算出することができるという効果を
奏する。
【0078】また、腐食劣化線図の結果から得られた現
在の腐食量がライフサイクルコスト線図作成装置に自動
入力されるとともに、少なくとも最も多く腐食されてい
ると判断される領域を含む、塗膜の塗り替えを行おうと
する部分の表面積・塗料の種類;少なくとも最も多く腐
食されていると判断される領域を含む鋼材の補強に必要
な補強材の寸法・材質;および少なくとも最も多く腐食
されていると判断される領域を含む鋼材の取り替えを行
おうとする場合の取替部分の寸法・材質をライフサイク
ルコスト線図作成装置に入力するだけで、補修コストデ
ータベースから塗装費用に関する情報、補強費用に関す
る情報、および取替費用に関する情報が呼び出され、こ
れらの情報に基づいてライフサイクルコスト線図作成装
置がそれぞれに応じた運用コストを自動試算するので、
人的労力および試算に要する時間を大幅に削減すること
ができるという効果を奏する。
【0079】さらに、腐食劣化線図作成装置およびライ
フサイクルコスト線図作成装置で得た結果をディスプレ
イ上に表示させることができるので、視覚的に非常にわ
かりやすいものとすることができるという効果を奏す
る。
【0080】請求項2記載の水中構造物の残余寿命推定
方法によれば、板厚計測が、腐食の特に多く発生する乾
湿交番部において行われることとなるので、より残余寿
命をより正確に推定することができるという効果を奏す
る。
【0081】請求項3記載の水中構造物の残余寿命推定
方法によれば、切換装置により腐食劣化線図およびライ
フサイクルコスト評価線図を一つのディスプレイ上に交
互に表示させることができるので、ディスプレイを一つ
だけ用意すればよく、全体の設備費を削減することがで
きるという効果を奏する。
【0082】請求項4記載の水中構造物の残余寿命推定
方法によれば、板厚計測が超音波を利用した計測機器に
より行われることとなるので、計測すべき部材の一面側
にのみ計測機器をあてるだけで簡単に板厚を計測するこ
とができるという効果を奏する。
【0083】請求項5記載の水中構造物の残余寿命推定
方法によれば、水質計として既存のものを使用すること
ができるので、簡単かつ容易に種々の水質パラメータを
得ることができるとともにコストを低く抑えることがで
きるという効果を奏する。
【0084】請求項6記載の水中構造物の残余寿命推定
装置によれば、設計時、鋼材の表裏面に塗布されていた
塗膜のデータおよび当該構造物が漬かっている水質のデ
ータが、残余寿命を推定する際のパラメータとして入力
され、かつ推定後の結果(理論上の腐食劣化線図)が、
予め実測された板厚計測結果に基づいて補正されるの
で、当該構造物の残余寿命を正確に推定することがで
き、かつこの残余寿命に基づいて算出される将来的な運
用コストについても正確に算出することができるという
効果を奏する。また、腐食劣化線図の結果から得られた
現在の腐食量がライフサイクルコスト線図作成装置に自
動入力されるとともに、少なくとも最も多く腐食されて
いると判断される領域を含む、塗膜の塗り替えを行おう
とする部分の表面積・塗料の種類;少なくとも最も多く
腐食されていると判断される領域を含む鋼材の補強に必
要な補強材の寸法・材質;および少なくとも最も多く腐
食されていると判断される領域を含む鋼材の取り替えを
行おうとする場合の取替部分の寸法・材質をライフサイ
クルコスト線図作成装置に入力するだけで、補修コスト
データベースから塗装費用に関する情報、補強費用に関
する情報、および取替費用に関する情報が呼び出され、
これらの情報に基づいてライフサイクルコスト線図作成
装置がそれぞれに応じた運用コストを自動試算するの
で、人的労力および試算に要する時間を大幅に削減する
ことができるという効果を奏する。さらに、腐食劣化線
図作成装置およびライフサイクルコスト線図作成装置で
得た結果をディスプレイ上に表示させることができるの
で、視覚的に非常にわかりやすいものとすることができ
るという効果を奏する。
【0085】請求項7記載の水中構造物の残余寿命推定
装置によれば、板厚計測が、腐食の特に多く発生する乾
湿交番部において行われることとなるので、より残余寿
命をより正確に推定することができるという効果を奏す
る。
【0086】請求項8記載の水中構造物の残余寿命推定
装置によれば、切換装置により腐食劣化線図およびライ
フサイクルコスト評価線図を一つのディスプレイ上に交
互に表示させることができるので、ディスプレイを一つ
だけ用意すればよく、全体の設備費を削減することがで
きるという効果を奏する。
【0087】請求項9記載の水中構造物の残余寿命推定
装置によれば、板厚計測が超音波を利用した計測機器に
より行われることとなるので、計測すべき部材の一面側
にのみ計測機器をあてるだけで簡単に板厚を計測するこ
とができるという効果を奏する。
【0088】請求項10記載の水中構造物の残余寿命推
定装置によれば、水質計として既存のものを使用するこ
とができるので、簡単かつ容易に種々の水質パラメータ
を得ることができるとともにコストを低く抑えることが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による水中構造物の残余寿命推定装置
の概略構成図である。
【図2】 図1に示す塗膜劣化データベース内に貯蔵さ
れた塗膜の種類およびそれに対応した塗膜劣化式を示す
図である。
【図3】 図1に示す鋼材腐食データベース内に貯蔵さ
れた鋼材腐食式を示す図である。
【図4】 図1に示す補修コストデータベース内に貯蔵
された補修の種類およびそれに対応した補修コストを示
す図である。
【図5】 塗膜が劣化し、破壊されるまでの過程を表し
た塗膜劣化曲線を示す図である。
【図6】 塗膜が破壊された後、鋼材が腐食されていく
過程を表した鋼材腐食曲線を示す図である。
【図7】 ディスプレイ上に表示された腐食劣化曲線を
示す図であって、(a)は理論上の、(b)は補正後の
腐食劣化曲線を示す図である。
【図8】 ディスプレイ上に表示されたライフサイクル
コスト評価線図である。
【図9】 一般的な水門の要部斜視図である。
【図10】 図9の水門を構成する板状部材の一部断面
図である。
【図11】 引張応力の生じる方向に対して直交する垂
直断面のうち、最小の平均板厚を有する垂直断面の位置
で破断が生じることを説明するための図である。
【図12】 引張応力の生じる方向に対して直交する垂
直断面のうち、最小の平均板厚を有する垂直断面の位置
で破断が生じることを実験により証明した図であって、
(a)は試験片の表面に中程度の凹凸があり、裏面に小
程度の凹凸があったもの、(b)は試験片の表面に大程
度の凹凸があり、裏面に中程度の凹凸があったもの、
(c)は試験片の表面には凹凸がなく、裏面に中程度の
凹凸があったものの実験結果である。
【符号の説明】
20 鋼材 21 塗膜 22 板状部材 40 残余寿命推定装置 41 腐食劣化線図作成装置 42 塗膜劣化データベース 43 鋼材腐食データベース 44 補修コストデータベース 45 ライフサイクルコスト線図作成装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材と該鋼材の表裏面に設けられた塗膜
    とからなる板状部材により構成された水中構造物の残余
    寿命推定方法であって、 前記板状部材が最も多く腐食されていると判断される領
    域について、前記板状部材の板厚を実測する段階と、 前記水中構造物が設置されている場所の水を採取し、該
    水の水質を検査する段階と、 前記板厚計測結果、前記水質検査結果、前記塗膜の種類
    ・元の厚さに関する情報、前記鋼材の元の厚さに関する
    情報、および前記水中構造物の経過年数を腐食劣化線図
    作成装置に入力する段階と、 前記腐食劣化線図作成装置に入力された前記塗膜の種類
    に対応した、前記塗膜が経過年数とともにどのように劣
    化していくかを表す塗膜劣化式が、塗膜劣化データベー
    スから前記腐食劣化線図作成装置に呼び出される段階
    と、 前記塗膜が破壊された後、前記鋼材が経過年数とともに
    どのように腐食していくかを表す鋼材腐食式が、鋼材腐
    食データベースから前記腐食劣化線図作成装置に呼び出
    される段階と、 前記腐食劣化線図作成装置において、前記塗膜劣化式
    に、前記水質検査結果、前記塗膜の元の厚さ、および前
    記経過年数が入力され、かつ前記鋼材腐食式に、前記水
    質検査結果、鋼材の元の厚さ、および前記経過年数が入
    力されて、前記板状部材の腐食劣化線図が求められた
    後、前記板厚計測結果に基づいて前記腐食劣化線図が補
    正され、これら結果がディスプレイ上に表示される段階
    と、 前記腐食劣化線図の結果から現在の腐食量がライフサイ
    クルコスト線図作成装置に自動入力される段階と、 少なくとも前記最も多く腐食されていると判断される領
    域を含む、塗膜の塗り替えを行おうとする部分の表面積
    ・塗料の種類;少なくとも前記最も多く腐食されている
    と判断される領域を含む鋼材の補強に必要な補強材の寸
    法・材質;および少なくとも前記最も多く腐食されてい
    ると判断される領域を含む鋼材の取り替えを行おうとす
    る場合の取替部分の寸法・材質;が前記ライフサイクル
    コスト線図作成装置に入力される段階と、 これら前記ライフサイクルコスト線図作成装置に入力さ
    れた各種情報に基づいて、前記補修コストデータベース
    から、前記塗装費用に関する情報、前記補強費用に関す
    る情報、および前記取替費用に関する情報が呼び出され
    る段階と、 前記ライフサイクルコスト線図作成装置において、前記
    塗装費用に関する情報、前記補強費用に関する情報、お
    よび前記取替費用に関する情報に基づいて、前記板状部
    材のライフサイクルコスト評価線図が求められた後、そ
    の結果がディスプレイ上に表示される段階と、を備える
    ことを特徴とする水中構造物の残余寿命推定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水中構造物の残余寿命
    推定方法において、前記板状部材が最も多く腐食されて
    いると判断される領域は、水面付近に位置する乾湿交番
    部近傍領域であることを特徴とする水中構造物の残余寿
    命推定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の水中構造物の残余寿命
    推定方法において、 前記腐食劣化線図および前記ライフサイクルコスト評価
    線図は、切換装置により、一つのディスプレイ画面上に
    交互に表示させることができることを特徴とする水中構
    造物の残余寿命推定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の水中構造物の残余寿命
    推定方法において、 前記板厚実測は、超音波計測により行われることを特徴
    とする水中構造物の残余寿命推定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の水中構造物の残余寿命
    推定方法において、 前記水質検査は、水質計により行われることを特徴とす
    る水中構造物の残余寿命推定方法。
  6. 【請求項6】 鋼材と該鋼材の表裏面に設けられた塗膜
    とからなる板状部材により構成された水中構造物の残余
    寿命推定装置であって、 前記板状部材が最も多く腐食されていると判断される領
    域について前記板状部材の板厚を実測した板厚計測結
    果、前記水中構造物が設置されている場所の水を採取
    し、該水の水質を検査した水質検査結果、前記塗膜の種
    類・元の厚さに関する情報、前記鋼材の元の厚さに関す
    る情報、および前記水中構造物の経過年数が入力される
    腐食劣化線図作成装置と、 前記腐食劣化線図作成装置に接続され、前記塗膜が経過
    年数とともにどのように劣化していくかを表す、塗膜種
    類毎の塗膜劣化式が貯蔵された塗膜劣化データベース
    と、 前記腐食劣化線図作成装置に接続され、前記鋼材が経過
    年数とともにどのように腐食していくかを表す鋼材腐食
    式が貯蔵された鋼材腐食データベースと、 塗膜種類毎に設定された単位面積当たりの塗装費用に関
    する情報、材料の種類毎に設定された単位体積当たりの
    補強費用に関する情報、および材料の種類毎に設定され
    た単位体積当たりの取替費用に関する情報が貯蔵された
    補修コストデータベースと、 前記腐食劣化線図作成装置および前記補修コストデータ
    ベースに接続されたライフサイクルコスト線図作成装置
    とを備え、 前記腐食劣化線図作成装置は、自身に入力された前記塗
    膜の種類に基づいて前記塗膜劣化データベースから呼び
    出した前記塗膜劣化式に、前記水質検査結果、前記塗膜
    の元の厚さ、および前記経過年数を入力し、かつ前記鋼
    材腐食データベースから呼び出した前記鋼材腐食式に、
    前記水質検査結果および前記経過年数を入力して、前記
    板状部材の腐食劣化線図を求め、前記板厚計測結果に基
    づいて前記腐食劣化線図を補正した後、これら結果をデ
    ィスプレイ画面上に表示するものであり、 前記ライフサイクルコスト線図作成装置には、前記腐食
    劣化線図の結果から得られた現在の腐食量が自動入力さ
    れるとともに、少なくとも前記最も多く腐食されている
    と判断される領域を含む、塗膜の塗り替えを行おうとす
    る部分の表面積・塗料の種類;少なくとも前記最も多く
    腐食されていると判断される領域を含む鋼材の補強に必
    要な補強材の寸法・材質;および少なくとも前記最も多
    く腐食されていると判断される領域を含む鋼材の取り替
    えを行おうとする場合の取替部分の寸法・材質;が入力
    され、 前記ライフサイクルコスト線図作成装置は、これら入力
    された各種情報に基づいて、前記補修コストデータベー
    スから、前記塗装費用に関する情報、前記補強費用に関
    する情報、および前記取替費用に関する情報を呼び出し
    て、前記板状部材のライフサイクルコスト評価線図を求
    めた後、その結果をディスプレイ画面上に表示するもの
    であることを特徴とする水中構造物の残余寿命推定装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の水中構造物の残余寿命
    推定装置において、 前記板状部材が最も多く腐食されていると判断される領
    域は、水面付近に位置する乾湿交番部近傍領域であるこ
    とを特徴とする水中構造物の残余寿命推定装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の水中構造物の残余寿命
    推定装置において、 前記腐食劣化線図および前記ライフサイクルコスト評価
    線図は、切換装置により、一つのディスプレイ画面上に
    交互に表示させることができることを特徴とする水中構
    造物の残余寿命推定装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の水中構造物の残余寿命
    推定装置において、 前記板厚実測は、超音波計測により行われることを特徴
    とする水中構造物の残余寿命推定装置。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の水中構造物の残余寿
    命推定装置において、 前記水質検査は、水質計により行われることを特徴とす
    る水中構造物の残余寿命推定装置。
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