JP4041008B2 - リニューアル支援システム、リニューアル支援方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

リニューアル支援システム、リニューアル支援方法、プログラム、及び記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4041008B2
JP4041008B2 JP2003134199A JP2003134199A JP4041008B2 JP 4041008 B2 JP4041008 B2 JP 4041008B2 JP 2003134199 A JP2003134199 A JP 2003134199A JP 2003134199 A JP2003134199 A JP 2003134199A JP 4041008 B2 JP4041008 B2 JP 4041008B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deterioration
repair
evaluation
information
degree
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003134199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004340590A (ja
Inventor
眞 金氏
昇 坂田
康祐 横関
大介 林
八郎 右近
篤子 山崎
博之 悦道
良和 広中
久美子 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2003134199A priority Critical patent/JP4041008B2/ja
Publication of JP2004340590A publication Critical patent/JP2004340590A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4041008B2 publication Critical patent/JP4041008B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存構造物の劣化予測及び補修等の維持管理を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、湾岸構造物等の既設のコンクリート構造物の老朽化が問題となってきている。そのため、既設構造物の劣化を予測し、合理的なリニューアルプランを策定することが必要とされている。即ち、構造物の劣化予測に対応した補修の時期、工法、効果、工事費等の最適化が求められている。
【0003】
既設構造物の劣化を評価する方法として、例えば特許文献1に示すように、疲労センサを構造物に取り付け、構造物の現在までの疲労損傷度と今後予測される疲労損傷度蓄積量予測を行い、構造物の余寿命を評価する方法がある。
【0004】
また、構造物の劣化状態の推定値を、対数正規分布に従う情報パラメータを有する予測モデル式を用いて算出し、測定値をベイズの法則を用いて外観目視から得られた構造物の評価データを組み入れて算出し、劣化状態を予測して、維持管理に関する累積総費用を算出する方法がある(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−4599号公報
【特許文献2】
特開2001−200645号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は解析対象となる構造物の形状、構造物の環境設定、劣化原因などの解析条件に柔軟性がなく、現状に沿った解析は困難であった。また、前述の特許文献2による解析方法は、構造物全体としての劣化状況の算出や、維持管理費用を算出するものであり、対象構造物の部分的解析・部材ごとの解析は行われていない。従って、構造物を構成する複数の部材の劣化度の違いや、構造物の部分による環境条件の差(例えば常に塩水に晒される部分と、そうでない部分)による劣化度の違いを、解析に反映させることができない。
【0007】
また、構造物を部材或いは部分ごとに解析できないので、構造物の時間的な劣化の拡大解析や劣化の進行に伴う補修時期、補修工法、補修費用を最適に算出することができない。
【0008】
実際の既設構造物の劣化解析、及び補修計画を策定するには、構造物の部材や部分による劣化の差異、現況の劣化状態、補修工法等を現状に則して詳細に設定できることが要求される。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、現況調査結果を基に、現状に即した構造物の劣化評価及び補修計画を策定するリニューアル支援システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために第1の発明は、データベースと、コンピュータとからなるリニューアル支援システムであって、構造物又は前記構造物を構成する部材毎の構造形状や施行時期等に関する施工情報と、平均気温や湿度等に関する環境条件とを取得し、前記施工情報と前記環境条件とを構造条件設定情報として前記データベースに保存する構造条件設定手段と、前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の材料情報である図書情報と、目視調査データと、選択される前記構造物の劣化評価手法とを、劣化度評価情報として前記データベースに保存する劣化度評価情報設定手段と、前記環境条件と前記図書情報とを用いて、前記劣化評価手法に基づき前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の劣化度の算出、及び前記目視調査データから算出する現在の劣化度を基に前記劣化度の補正を行う劣化度評価手段とを、具備することを特徴とするリニューアル支援システムである。
【0011】
また、リニューアル支援システムは、構造物又は構造物を構成する部材毎の劣化度に対する補修計画を設定し補修計画設定情報としてデータベースに保存する補修計画設定手段と、構造条件設定情報と、劣化度評価情報と、補修計画設定情報に基づいて算出した構造物の補修効果の評価と補修工事費算出結果とを、補修後評価結果としてデータベースに保存する補修後評価結果設定手段とを、更に具備してもよい。
【0012】
また、リニューアル支援システムは、構造条件設定情報と、劣化度評価情報と、補修後評価結果とを基にして、構造物の劣化を考慮した安全性の検討を行う全体系検討手段とを、更に具備してもよい。
【0013】
構造条件設定情報は、解析対象構造物の施工情報である、構造名称と、構造の形状と、施工時期等、及び平均気温や平均湿度等の環境条件である。
【0014】
劣化度評価情報は、作業者によって入力される解析対象構造物の図書情報、目視調査データ、及び予め入力されている構造物の劣化評価手法に基づいて算出される劣化度評価結果である。構造物の目視調査データは、部材ごとに、ひび割れ本数やコンクリートの剥離・剥落面積等に基づいて複数のランクに分類され、入力される劣化ランクである。劣化評価手法として、飛来塩分評価方法には建設省土木研究所の方法と、土木学会コンクリート標準示方書の方法と、離岸距離と標高による方法とが保持されている。中性化深さ評価式としては、和泉式、魚本・高田式、岸谷式、土木学会式、依田式、森永式が保持されている。また、劣化度評価を表すグラフとして、経過期間と構造物の鉄筋残存率との関係を表示する。
【0015】
また、リニューアル支援システムの劣化度評価手段は、目視調査データとして入力される構造物の劣化ランクを、各劣化度の面積割合に対応付けて算出する劣化度算出手段と、環境条件と図書情報とから算出する構造物又は構造物を構成する部材毎の劣化度を、目視調査データに基づいて算出する現在の劣化度を基に補正する劣化度補正手段とを、更に具備してもよい。
【0016】
劣化度評価手段は、目視調査データである構造物の劣化ランクが入力されると、各劣化度の面積割合を算出する。劣化ランクは、構造物の腐食やひび割れの状態を判定基準に基づき数段階にランク付けするもので、例えば作業者が構造物の状態を目視し、劣化ランク1から劣化ランク10(最も劣化度が大きい)を付ける。劣化度とは、劣化の状態に対して度数を付けたもので、例えば「損傷が認められない」状態を「劣化度0」、「鉄筋の露出、コンクリートの断面欠損」の状態を「劣化度IV」とする。1つの劣化ランクは、設定されているそれぞれの劣化度(0からIV)の面積割合に変換される。
また、劣化度評価手段は、構造物の劣化過程(鉄筋残存率)の予測データを、目視調査データに基づいて補正する。
【0017】
補修計画設定手段は、各劣化度に対する補修工法と単価、一式コスト、補修時期等を設定してもよい。
【0018】
補修後評価結果設定手段は、構造物の補修後の補修効果の評価と補修工事費算出結果補修後評価結果としてデータベースに保存する。また、補修後評価結果設定手段は、補修後の劣化過程(鉄筋残存率)の予測データを更新し、補修後の効果を算出する。
【0020】
第1の発明のリニューアル支援システムは、構造物の施工情報や環境条件を設定し、劣化度を評価し、補修計画を設定する。更に、構造条件設定情報と、劣化度評価情報と、補修計画設定情報に基づいて補修後評価を行い、劣化を考慮した安全性の検討を行う。
【0021】
第2の発明は、データベースと、コンピュータとからなるリニューアル支援システムにおいて、構造物の施工情報および/または環境条件を設定して構造条件設定情報として前記データベースに保存する構造条件設定工程と、入力される前記構造物の図書情報、目視調査データ、及び予め入力されている構造物の劣化度の評価手法に基づいて劣化度評価情報を算出し、前記データベースに保存する工程と、前記構造条件設定情報と、前記劣化度評価情報に基づいて前記構造物の劣化度を評価する劣化度評価工程とを、具備することを特徴とするリニューアル支援方法である。
【0022】
第2の発明のリニューアル支援方法は、構造物の施工情報や環境条件を設定し、劣化度を評価し、補修計画を設定する。更に、構造条件設定情報と、劣化度評価情報と、補修計画設定情報に基づいて補修後評価を行い、劣化を考慮した安全性の検討を行う方法である。
【0023】
第3の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項7記載のいずれかのリニューアル支援システムとして機能させるためのプログラムである。
【0024】
第3の発明のプログラムは、コンピュータを請求項1から請求項7記載のいずれかのリニューアル支援システムとして機能させるものであり、このプログラムをネットワークを介して流通させることもできる。
【0025】
第4の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項7記載のいずれかのリニューアル支援システムとして機能させるためのプログラムを記録した記録媒体である。
【0026】
第4の発明の記録媒体は、コンピュータを、請求項1から請求項7記載のいずれかのリニューアル支援システムとして機能させるプログラムを記憶しており、この記録媒体を流通させることもでき、またこのプログラムをネットワークを介して流通させることもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(1.構成)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るリニューアル支援システム1の構成を示す図である。リニューアル支援システム1は、コンピュータ3と、データベース11と、コンピュータ3の周辺機器であるキーボード5、ディスプレイ7、プリンタ9等からなる。
【0028】
データベース11は、構造条件設定情報13と、劣化度評価情報15と、補修計画設定情報17と、最適化評価情報19と、評価結果21等を保持する。
【0029】
構造条件設定情報13は、解析対象構造物の施工情報や環境条件等の情報である。施工情報とは、構造物の名称、部材の形状や寸法、施工・供用開始時期、予定供用期間などの情報であり、環境条件とは、年間平均気温、年間平均湿度等の情報であり、作業者が対話形式で入力、或いはファイルから読み込んで入力する。
【0030】
劣化度評価情報15には、解析対象構造物の図書情報、目視調査データ、及び構造物の劣化評価手法等が記録されている。構造物の目視調査データは、作業者によって部材ごとに判定された劣化ランクとして入力される。劣化ランクとは、ひび割れ本数やコンクリートの剥離・剥落面積等に基づいた劣化状況を、複数の劣化ランク(例えば劣化ランク1から10)に分類したものである。
【0031】
また、構造物の劣化評価手法として、飛来塩分評価方法には建設省土木研究所の方法と、土木学会コンクリート標準示方書の方法と、離岸距離と標高による方法とが保持されている。中性化深さ評価式としては、和泉式、魚本・高田式、岸谷式、土木学会式、依田式、森永式が保持されている。
【0032】
構造物の劣化は、塩害や中性化によって生じるコンクリート内部の鉄筋腐食で判定される。鋼材の腐食開始するまでの期間を「潜伏期」とし、塩害の潜伏期はフィックの拡散則に基づいて評価する。中性化の潜伏期は、拡散方程式より導かれる簡易式を適用して評価する。
【0033】
更に劣化が進み、コンクリートに腐食ひび割れが発生するまでの期間を「進展期」とし、進展期は塩害および中性化とも、コンクリート中における鉄筋腐食速度と腐食ひび割れが発生する限界腐食量によって評価する。
【0034】
更に劣化が進む期間を「加速期」とし、加速期の腐食速度は、ユーリック・ヴィー「腐食反応とその制御」(産業図書、1989.)を参考にして、対象部材が供用される場所によって、5〜24mg/cm/y程度の値を用いる。
【0035】
補修計画設定情報17は、各劣化度に対する補修工法と単価、一式コスト、補修時期等の情報であり、作業者によって設定される。
【0036】
最適化評価情報19は、構造物補修後の補修効果の評価手法と、補修工事費の算出手法であり予め設定されている。
【0037】
評価結果21は、構造物補修後の効果と、補修工事費の評価結果である。また、補修後の構造解析結果である。
【0038】
(2.フローチャート)
次に、図2は、本実施の形態であるリニューアル支援システム1のフローチャートを示す。図3は、図2のフローチャートのうちの劣化度評価1002の詳細と、補修後評価1004の詳細を示したものである。また、図2のリニューアル支援システム1のフローチャートに沿ってプログラミングされ、ディスプレイ7上に作業者対話形式に表示される画面を、図6から図26に示す。
【0039】
以降、図2のフローチャートに沿って、表示画面である図6から図26を説明する。
【0040】
図2において、まず、作業者が、リニューアル支援システム1を起動させると、図6に示すメインメニュー画面39がコンピュータ3のディスプレイ7上に表示される。作業者は、解析対象となる構造物の種類41(一般構造、又は桟橋)を選択し、評価方法43(中性化&塩害、又は塩害)を選択する。
【0041】
一般構造とは、内陸地域のコンクリート構造物であり、中性化及び塩害(海砂の使用、飛来塩分の付着および凍結防止剤の散布)により劣化を生じる。桟橋は、沿岸地域のコンクリート構造物であり、塩害(海砂の使用および海水との接触)により劣化を生じる。
【0042】
中性化とは、強アルカリ性であるコンクリートが、空気中の二酸化炭素と反応してアルカリ性が失われ中性化することである。中性化はコンクリート表面から始まり、鉄筋の位置まで中性化が進むと鉄筋が錆びて膨張し、ひび割れが始まることになる。
【0043】
塩害とは、コンクリートに含まれる塩化物(海砂等)、或いは供用中に外部から供給された塩化物(飛来塩分、凍結防止剤等)により鉄筋が腐食する現象である。
【0044】
(2−1.構造条件設定1001)
次に作業者は、対象構造物の施工情報及び環境条件を入力する(図2ステップ1101)。即ち、構造条件設定1001を行う。即ち図6の「構造条件設定」ボタン1001を選択すると、構造条件設定画面49(図7)が展開する。
【0045】
作業者は、図7の構造条件設定画面49で、解析対象構造物の構造名称51、施工・供用開始期間53、検討時期55、年間平均気温57、年間平均相対湿度59、予定供用期間61、単位系63等を入力する。「OK」ボタン65を押すと、図8の構造条件設定画面71が展開する。図8の構造条件設定画面71は、部材ごとの寸法等の入力画面であり、部材種類73を入力した後、部材の幅、長さ、厚さ、ヤング率、ポアソン比、かぶり、鉄筋径等を入力する。部材種類73の入力時に、右側3D図面の該当部材を指定してもよい。また、「ファイルから入力」ボタン79を選択して、部材ごとのデータファイルからデータを読み込むこともできる。入力が終了し「OK」ボタン65を押すと、メインメニュー画面39に戻る。
【0046】
(2−2.劣化度評価1002)
次に作業者は、構造物の劣化度評価1002を行う。即ち図書情報に基づく劣化の将来予測(図2ステップ1102)及び、現地調査に基づく劣化の将来予測の補正(図2ステップ1103)を行う。図書情報に基づく劣化の将来予測とは、構造物の図書情報(セメント種類、水セメント比等の材料情報)や環境条件から、中性化及び塩害による鉄筋腐食の将来予測を行うことである。また、現地調査に基づく劣化の将来予測の補正とは、構造物の現在の状態を目視調査し、設定された基準に従って腐食の劣化ランクを入力し、鉄筋腐食の将来予測を補正する。詳細は、図9から図14を用いて説明する。
【0047】
図6のメインメニュ―画面39で「劣化度評価」ボタン1002が選択されると、図9の劣化度評価画面85が展開する。
【0048】
次に、「点検・図書情報の入力」ボタン1301が押されると、図10の点検・図書情報の入力画面89が展開する。点検・図書情報の入力とは、解析対象構造物の劣化度を評価するための施工時の情報、例えばセメント種類91、水セメント比93等を入力する。また、劣化度算出の為の評価方法、例えば飛来塩分評価方法95として、建設省土木研究所、土木学会コンクリート標準示方書、離岸距離と標高による方法の中から選択する。また、中性化深さ評価式97として、和泉式、魚本・高田式、岸谷式、土木学会式、依田式、森永式から選択する。
【0049】
尚、図10ではシェル81、ビーム83について、図書情報を入力する形式になっているが、「部材ごとの入力」ボタン99が押されると、部材ごとの入力画面が展開する。例えば「シェルNO.18」のように部材1つ1つについて入力することができる。部材ごとに入力することにより、より実際的な劣化解析が可能になる。尚、シェル81は平板状部材、ビーム83は棒状部材(図8の3D図を参照)である。
【0050】
点検・図書情報の入力1301が行われると、解析対象構造物に生じる中性化及び塩害による劣化状況が、鉄筋残存率の経年変化として算出される。劣化の評価式は、潜伏期、進展期、加速期の期間に区別して算出され、後述する図12に示す基本劣化度102として、鉄筋残存率105と経過期間107の関係を示すグラフとして表示される。
【0051】
点検・図書情報の入力1301が終了し、「戻る」ボタン67が押されると、図9の劣化度評価画面85に戻る。
【0052】
次に、「目視データの入力」ボタン1302が押されると、図11の目視データの入力画面101が展開する。作業者は、図11の目視データの入力画面101に、解析対象構造物を実際に目視し評価した劣化ランク27を入力する。シェル81とビーム83について入力しても良いし、「部材ごとの入力」ボタン99を押して、詳細にシェル1つ1つについての入力を行うことも可能である。
【0053】
ここで、入力する劣化ランク27について説明する。図4は、劣化ランク判定基準25を示す図である。劣化ランク27は、1から10までの10段階(最も劣化した状態を10とする)に分けられており、それぞれの段階は、目視によって確認される状況29が設定されている。判定の目安31は、腐食ひび割れの有無、ひび割れ本数、錆汁の有無、剥落面積の割合等である。作業者は、実際の構造物を目視してこの劣化ランク判定基準25に基づいて劣化ランク27を目視データの入力画面101(図11)に入力する。
【0054】
劣化ランク27に例えば「1」が入力されると、図11のように劣化度35は、予め設定された割合「劣化度0がa11(%)、劣化度Iがa12(%)、劣化度IIがa13(%)、劣化度IIIがa14(%)、劣化度IVがa15(%)」のように変換されて表示される。
【0055】
図5に、劣化ランクと各劣化度の面積割合33の変換表を示す。縦軸に示す劣化度35は、劣化の状態37を0からIVまでの5段階に分けたものである。劣化度IVが最も劣化した状態である。横軸に示す劣化ランク27は、前述の図4に示す目視による劣化ランク判定基準25に基づく劣化ランク27である。例えば劣化ランク1の場合、劣化度0からIVまでの面積割合を加算すると、a11+a12+a13+a14+a15=100(%)となるように、劣化度35(0からIV)ごとの配分が設定されている。例えば劣化状況の進んだ劣化ランク10は、劣化度IIIや劣化度IVなどの面積割合が大きく設定されている。
【0056】
図11で、作業者による目視データの入力が終了し、「戻る」ボタン67が押されると、図9の劣化度評価画面85に戻る。
【0057】
次に、図9の「IS Lifeによる劣化度評価」ボタン1303が押されると、図12に示すIS Lifeによる劣化度評価画面109が展開する。図12は、シェルNO.15の劣化度評価を示す。表示領域109には、解析対象構造物の3D画像が表示され、表示領域111には、鉄筋残存率105と、経過期間107の関係を示すグラフが表示される。
【0058】
一点鎖線で示すグラフは、前述の図10で入力された点検・図書情報から算出された、構造物の劣化度評価としての基本劣化度102である。グラフ中の●印は、図11で入力された目視データから算出された現在(経過期間20.1年)の劣化度(鉄筋残存率105)を示す。この●印を基に、劣化度評価を補正したグラフが、実線で示すグラフ、補正劣化度103である。図12に示すグラフから、構造物は目視データにより予測よりも劣化が進行していることが判定できる。
【0059】
尚、「図入れ替え」ボタン115が押されると、表示領域109と表示領域111の図が入れ替わる。
【0060】
また、「中性化グラフ」ボタン113が押されると、図13に示すIS Lifeによる劣化度評価画面117が展開する。表示領域127は、中性化深さ119と経過期間107との関係が示され、中性化深さ121が一点鎖線で、中性化残り123が実線で示される。
【0061】
中性化深さ121は、経過時間に伴う中性化の進行過程を示すものである。また、中性化残り123は、かぶりと鉄筋腐食が開始するときの中性化深さの差を示すものであり、海砂、飛来塩分量、凍結防止剤等より供給される塩化物イオン量に応じた値となる。
【0062】
図13に示すグラフから、中性化深さ121と中性化残り123の交点の経過時間において、鉄筋腐食が開始することが分かる。
【0063】
図12又は図13において、「OK」ボタン65が押されると、図9の劣化度評価画面85に戻る。
【0064】
次に、図9の劣化度評価画面85において、「劣化状況アニメ」ボタン1304が押されると、図14の劣化状況アニメ画面131が展開する。図14の表示領域111には、劣化グラフ(鉄筋残存率105と経過期間107の関係)が表示される。また、再生ボタン133が押されると、表示領域135には、構造物の劣化状況が時間経過と共に動画表示される。「戻る」ボタン67が押されると、再度、図9の劣化度評価画面85が表示される。更に、「メインメニューへ」ボタン87が押されると、図6のメインメニュー画面39に戻る。
【0065】
(2−3.補修計画設定1003)
次に、作業者は、構造物の補修計画設定1003を行う。即ち、構造物の予定供用期間61及び要求性能の設定(図2ステップ1104)と、補修工法の選定及び補修効果の評価(図2ステップ1105)を行う。予定供用期間61とは、図7の構造条件設定画面49で設定した、構造物の使用予定期間である。例えば予定供用期間を50年と、設定する。また、要求性能とは、補修の要否の基準となる鉄筋残存率105のことであり、例えば「鉄筋残存率80%以下になった場合に補修要」と、設定する。
【0066】
補修計画設定1003の詳細については、図6及び図15から図19を用いて説明する。
【0067】
作業者が、図6の「補修計画設定」ボタン1003を押すと、図15の補修計画設定画面137が展開する。続いて「補修工法・単価の入力」ボタン1401が押されると、図16の補修工法・単価の入力画面139が展開する。
【0068】
作業者は、劣化度0から劣化度IV、それぞれの場合に対して、各補修工法を採用するか否かを設定する。補修工法は、表面被覆工法141、含浸材塗布工法143、ひび割れ補修工法145、防錆工法147、断面修復工法149、鉄筋補強工法151等である。各劣化度35に対する補修工法の設定が終了し、「OK」ボタン65が押されると、図17の詳細工法と単価の設定画面157が展開する。
【0069】
作業者は、図17の詳細工法と単価の設定画面157から、各補修工法に対して詳細な工法を設定し、更に面積当たりの単価159を入力する。図17の「戻る」ボタン67が押されると、再度図16の補修工法・単価の入力画面139が展開する。また、「標準データ」ボタン161が押されると、保存されているデータの中から標準的な工法や単価が自動的に設定される。図17の入力が終了し、「OK」ボタン65が押されると、図15の補修計画設定画面137に戻る。
【0070】
「一式コスト情報の入力」ボタン1402が押されると、図18の一式コスト情報の入力画面163が展開する。作業者は、補修にかかる直接経費165(特許使用料等)や、共通仮設費167(運搬費、準備費等)の経費等を入力する。入力が終了し「OK」ボタン65が押されると、図15の補修計画設定画面137に戻る。
【0071】
次に、作業者が「補修時期の入力」ボタン1403を押すと、図19の補修時期の入力画面169が展開する。図19の補修時期の入力画面169において、構造物の補修回数171(例えば10回)、基本補修間隔173(例えば5年)、補修開始時期175(0年後)、補修終了177(45年後)等を設定する。また、前述の、要求性能の設定(図2のステップ1104)として、「3〜4割剥離、又は鉄筋残存率80%より劣化が進んだ部材を補修」の設定を行う。
【0072】
本リニューアル支援システム1では、構造物の対象部材が補修時期に達した場合(例えば基本補修間隔5年目に達した場合)でも、将来予測結果が要求性能を下回らなかった場合には補修は行わない。一方、構造物の対象部材が予定供用期間61内に複数回にわたって要求性能を下回る場合は、複数回の補修を行う。
【0073】
図19の補修時期入力が終了し「OK」ボタン65が押されると、図15の補修計画設定画面137に戻り、更に「メインメニューへ」ボタン87が押されると、図6のメインメニュー画面39に戻る。
【0074】
(2−4.補修後評価1004)
次に作業者は、構造物の補修後評価1004を行う。即ち、リニューアルLCCの算出(図2ステップ1106)を行う。リニューアルLCC(Life Cycle Cost)とは、構造物の劣化評価と将来予測に基づいた補修時期、補修工法で、構造物を補修していく場合にかかるコストである。詳細は、図6及び図20から図24を用いて説明する。
【0075】
図6のメインメニュ―画面39で「補修後評価」ボタン1004が選択されると、図20の補修後評価画面181が展開する。
【0076】
次に、「補修後劣化度評価」ボタン1501が押されると、図21の補修後劣化度評価画面183が展開する。表示画面187では、再生ボタン185を押すと補修後劣化状況(補修を行った場合の将来予測)と、補修前劣化状況(補修を行わなかった場合将来予測)の構造物の劣化の様子が動画で表示される。図21には竣工後18年の時点が表示されている。
【0077】
また、表示画面189には、例えばシェル21の部材の、補修前劣化度評価193のグラフ(一点鎖線)と、補修後劣化度評価191のグラフ(実線)が表示され、補修を行った場合の効果を確認することができる。「OK」ボタン65が押されると、図20の補修後評価画面181に戻る。
【0078】
次に、「補修工事費グラフ」ボタン1502が押されると、図22の補修工事費グラフ表示画面195が展開する。下側グラフは、横軸に補修時期201、縦軸に増分工事費197が示され、本グラフでは、「現在」と「竣工後60年」に補修工事が行われることを示す。また、上側グラフは、横軸に補修時期201、縦軸に累計工事費199を示す。この上下のグラフが、算出されたリニューアルLCCである。
【0079】
ここで、リニューアルLCCの算出方法を図3を用いて説明する。図3は、解析対象構造物の劣化度評価1002と補修後評価1004を説明する図である。
【0080】
前述したように、まず構造物の部材毎の劣化度の評価(ステップ1201)を行う。即ち、作業者は、部材毎に目視によって現地調査を行い、腐食ひび割れの有無や剥離状況を基に劣化ランク27(劣化ランク1から10)を付ける(ステップ1202)。それぞれ劣化ランク27は、劣化度35(劣化度0からIV)の面積割合として対応付けられる(ステップ1203)。
【0081】
次に構造物の補修後評価(ステップ1004)を行う。構造物全体の補修数量の算出(ステップ1204)を行うため、まず構造物全体の各劣化度35に対応する補修面積の累計を行う(ステップ1205)。尚、各劣化度35に対応する補修工法は、予め図16、図17で設定されている。
【0082】
次に、補修数量に補修工法の単価を乗じて直接工事費207を算出する(ステップ1206)。例えば補修工法Aは、補修数量200m2×単価6300円/m2、として算出される。さらに、間接工事費209を加算して、補修工事費を算出する(ステップ207)。この補修工事費が、図22の下側グラフにおける各補修時の補修工事費(増分工事費197)である。また、予定供用期間61内における補修工事費の総和としてリニューアルLCCを算出する(ステップ1208)。補修工事費の総和は、図22の上側グラフに示す累計工事費199である。
【0083】
図22の「OK」ボタン65が押されると、図20の補修後評価画面181に戻る。
【0084】
次に、「補修工事費一覧」ボタン1503が押されると、図23の補修工事費一覧画面203が展開する。図23は、第1回目の補修工事に係る費用の一覧を示す。直接工事費207、間接工事費209等は、前述の図3で説明した方法で算出される。「集計表作成」ボタン205が押されると、図24の工事集計表の作成画面211が展開する。即ち、各工法の数量219(補修工事対象面積)、単価221、金額223等が集計表の形式で表示される。「OK」ボタン65が押されると、図20の補修後評価画面181に戻る。更に「メインメニューへ」ボタン87が押されると、図6のメインメニュー画面39に戻る。
【0085】
(2−5.全体系検討1005)
次に、作業者は構造物の全体系検討1005を行う。即ち、劣化を考慮した構造安全性の検討を行う(図2ステップ1107)。構造物の、鉄筋腐食による構造性能(断面応力度および耐力)の低下の検討を行う。
【0086】
全体系検討1005の詳細については、図6及び図25、図26を用いて説明する。
【0087】
作業者が、図6の「全体系検討」ボタン1005を押すと、図25の全体系検討画面225が展開する。構造物全体の解析結果227が表示され、さらに「詳細結果」ボタン229が押されると、図26が展開し、選択したシェル要素21の構造解析結果が表示される。即ち、補修の有無の設定や、竣工後の年数を設定することで、構造物の構造性能を解析することが可能である。図26の「OK」ボタン65が押されると、図6のメインメニュー画面39の戻る。
【0088】
作業者は、更に補修時期や補修工法、補修材料等を変更して、リニューアルLCCの試算や全体系検討を行い、最適なリニューアルプランを策定することができる。
【0089】
図6のメインメニュー画面39の「システム終了」ボタン45が押されると、リニューアル支援システム1が終了し、最適なリニューアルプランの策定(図2ステップ1108)が終了する。
【0090】
(3.効果等)
このように、本実施の形態によれば、構造物のリニューアルプランの策定にあたり、構造物の各部材ごとに、現状の劣化評価及び将来予測を行った結果に基づいて補修時期や補修工法を選定するので、適切なリニューアルLCCの算出及び検討を行うことができる。
【0091】
また、現状の劣化状況を目視評価することにより、構造物劣化の将来予測を的確に補正することが可能である。また、適切な補修時期、補修工法を提案することができる。
【0092】
尚、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に限られるものではない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0093】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、現況調査結果を基に、現状に即した構造物の劣化評価及び補修計画を策定するリニューアル支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るリニューアル支援システム1の構成を示す図
【図2】リニューアル支援システムのフローチャート
【図3】劣化度評価1002及び補修後評価1004を示す図
【図4】劣化ランク判定基準25を示す図
【図5】劣化ランクと各劣化度の面積割合33を示す図
【図6】メインメニュー画面39を示す図
【図7】構造条件設定画面49を示す図
【図8】構造条件設定画面71を示す図
【図9】劣化度評価画面85を示す図
【図10】点検・図書情報の入力画面89を示す図
【図11】目視データの入力画面101を示す図
【図12】IS Lifeによる劣化度評価画面109を示す図
【図13】IS Lifeによる劣化度評価画面117を示す図
【図14】劣化状況アニメ画面131を示す図
【図15】補修計画設定画面137を示す図
【図16】補修工法・単価の入力画面139を示す図
【図17】詳細工法と単価の設定画面157を示す図
【図18】一式コスト情報の入力画面163を示す図
【図19】補修時期の入力画面169を示す図
【図20】補修後評価画面181を示す図
【図21】補修後劣化度評価画面183を示す図
【図22】補修工事費グラフ表示画面195を示す図
【図23】補修工事費一覧画面203を示す図
【図24】工事集計表の作成画面211を示す図
【図25】全体系検討画面225を示す図
【図26】シェル要素21の構造解析結果231を示す図
【符号の説明】
1・・・ リニューアル支援システム
3・・・ コンピュータ
5・・・ キーボード
7・・・ ディスプレイ
9・・・ プリンタ
11・・・ データベース
13・・・ 構造条件設定条件
15・・・ 劣化度評価情報
17・・・ 補修計画設定情報
19・・・ 評価情報
21・・・ 評価結果
25・・・ 劣化ランク判定基準
27・・・ 劣化ランク
29・・・ 目視によって確認される状況
31・・・ 判定の目安
33・・・ 劣化ランクと各劣化度の面積割合
35・・・ 劣化度
37・・・ 劣化の状態
39・・・ メインメニュー画面
41・・・ 構造の種類
43・・・ 評価方法
45・・・ 「システム終了」ボタン
47・・・ 「ヘルプ」ボタン
49・・・ 構造条件設定画面
51・・・ 構造名称
53・・・ 施工・供用開始時期
55・・・ 検討時期
57・・・ 年間平均気温
59・・・ 年間平均相対湿度
61・・・ 利用供用期間
63・・・ 単位系
65・・・ 「OK」ボタン
67・・・ 「戻る」ボタン
69・・・ 「データ更新」ボタン
71・・・ 構造条件設定画面
73・・・ 部材種類
75・・・ シェルNo.18
77・・・ 「プリプロセッサで構造作成」ボタン
79・・・ 「ファイルから入力」ボタン
81・・・ シェル
83・・・ ビーム
85・・・ 劣化度評価画面
87・・・ 「メインメニューへ」ボタン
89・・・ 点検・図書情報の入力画面
91・・・ セメント種類
93・・・ 水セメント比
95・・・ 飛来塩分評価方法
97・・・ 中性化深さ評価式
99・・・ 「部材ごとの入力」ボタン
101・・・ 目視データの入力画面
102・・・ 基本劣化度
103・・・ 補正劣化度
105・・・ 鉄筋残存率
107・・・ 経過期間
109、111、125、127、135、187、189・・・ 表示領域
113・・・ 「中性化グラフ」ボタン
115・・・ 「図入れ替え」ボタン
117・・・ IS Lifeによる劣化度評価画面
119、121・・・ 中性化深さ
123・・・ 中性化残り
129・・・ 「劣化グラフ」ボタン
131・・・ 劣化状況アニメ画面
133、185・・・ 再生ボタン
137・・・ 補修計画設定画面
139・・・ 補修工法・単価の入力画面
141・・・ 表面被覆工法
143・・・ 含浸材塗布工法
145・・・ ひび割れ補修工法
147・・・ 防錆工法
149・・・ 断面修復工法
151・・・ 鉄筋補強工法
153・・・ 電気化学的補修工法
155・・・ 仮設工
157・・・ 詳細工法と単価の設定画面
159・・・ 単価
161・・・ 「標準データ」ボタン
163・・・ 一式コスト情報の入力画面
165・・・ 直接経費
167・・・ 共通仮設費
169・・・ 補修時期の入力画面
171・・・ 補修回数
173・・・ 基本補修間隔
175・・・ 補修開始時期
177・・・ 補修終了
181・・・ 補修後評価画面
183・・・ 補修後劣化度評価画面
191・・・ 補修後劣化度評価
193・・・ 補修前劣化度評価
195・・・ 補修工事費グラフ表示画面
197・・・ 増分工事費
199・・・ 累計工事費
201・・・ 補修時期
203・・・ 補修工事費一覧画面
205・・・ 「集計表作成」ボタン
207・・・ 直接工事費
209・・・ 間接工事費
211・・・ 工事集計表の作成画面
213・・・ 名称
215・・・ 詳細
217・・・ 単位
219・・・ 数量
221・・・ 単位
223・・・ 金額
225・・・ 全体系検討画面
227・・・ メニュー
229・・・ 「詳細結果」ボタン
231・・・ シェル要素21の構造解析結果

Claims (12)

  1. データベースと、コンピュータとからなるリニューアル支援システムであって、
    構造物又は前記構造物を構成する部材毎の構造形状や施行時期等に関する施工情報と、平均気温や湿度等に関する環境条件とを取得し、前記施工情報と前記環境条件とを構造条件設定情報として前記データベースに保存する構造条件設定手段と、
    前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の材料情報である図書情報と、目視調査データと、選択される前記構造物の劣化評価手法とを、劣化度評価情報として前記データベースに保存する劣化度評価情報設定手段と、
    前記環境条件と前記図書情報とを用いて、前記劣化評価手法に基づき前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の劣化度の算出、及び前記目視調査データから算出する現在の劣化度を基に前記劣化度の補正を行う劣化度評価手段と、
    を、具備することを特徴とするリニューアル支援システム。
  2. 前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の前記劣化度に対する補修計画を設定し補修計画設定情報として前記データベースに保存する補修計画設定手段と、
    前記構造条件設定情報と、前記劣化度評価情報と、前記補修計画設定情報に基づいて算出した前記構造物の補修効果の評価と補修工事費算出結果とを、補修後評価結果として前記データベースに保存する補修後評価結果設定手段と、
    を、更に具備することを特徴とする請求項1記載のリニューアル支援システム。
  3. 前記構造条件設定情報と、前記劣化度評価情報と、前記補修後評価結果とを基にして、前記構造物の補修後の構造解析を行う全体系検討手段を、更に具備することを特徴とする請求項2記載のリニューアル支援システム。
  4. 前記劣化度評価手段は、
    前記目視調査データとして入力される前記構造物の劣化ランクを、各劣化度の面積割合に対応付けて算出する劣化度算出手段と、
    前記環境条件と前記図書情報とから算出する前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の前記劣化度を、前記目視調査データに基づいて算出する現在の劣化度を基に補正する劣化度補正手段と
    を、更に具備することを特徴とする請求項1記載のリニューアル支援システム。
  5. 前記補修計画設定手段は、前記各劣化度に対する補修工法と単価、一式コスト、補修時期等を設定することを特徴とする請求項2記載のリニューアル支援システム。
  6. データベースと、コンピュータとからなるリニューアル支援システムにおいて、
    構造物又は前記構造物を構成する部材毎の構造形状や施行時期等に関する施工情報と、平均気温や湿度等に関する環境条件とを取得し、前記施工情報と前記環境条件とを構造条件設定情報として前記データベースに保存する構造条件設定工程と、
    前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の材料情報である図書情報と、目視調査データと、選択される前記構造物の劣化評価手法とを、劣化度評価情報として前記データベースに保存する劣化度評価情報設定工程と、
    前記環境条件と前記図書情報とを用いて、前記劣化評価手法に基づき前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の劣化度の算出、及び前記目視調査データから算出する現在の劣化度を基に前記劣化度の補正を行う劣化度評価工程と、
    を、具備することを特徴とするリニューアル支援方法。
  7. 前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の前記劣化度に対する補修計画を設定し補修計画設定情報として前記データベースに保存する補修計画設定工程と、
    前記構造条件設定情報と、前記劣化度評価情報と、前記補修計画設定情報に基づいて算出した前記構造物の補修効果の評価と補修工事費算出結果とを、補修後評価結果として前記データベースに保存する補修後評価結果設定工程と、
    を、更に具備することを特徴とする請求項6記載のリニューアル支援方法。
  8. 前記構造条件設定情報と、前記劣化度評価情報と、前記補修後評価結果とを基にして、前記構造物の補修後の構造解析を行う全体系検討工程を、更に具備することを特徴とする請求項7記載のリニューアル支援方法。
  9. 前記劣化度評価工程は、
    前記目視調査データとして入力される前記構造物の劣化ランクを、各劣化度の面積割合に対応付けて算出する劣化度算出工程と、
    前記環境条件と前記図書情報とから算出する前記構造物又は前記構造物を構成する部材毎の前記劣化度を、前記目視調査データに基づいて算出する現在の劣化度を基に補正する劣化度補正工程と
    を、更に具備することを特徴とする請求項6記載のリニューアル支援方法。
  10. 前記補修計画設定工程は、前記各劣化度に対する補修工法と単価、一式コスト、補修時期等を設定することを特徴とする請求項7記載のリニューアル支援方法。
  11. コンピュータを、請求項1から請求項5記載のいずれかのリニューアル支援システムとして機能させるためのプログラム。
  12. コンピュータを、請求項1から請求項5記載のいずれかのリニューアル支援システムとして機能させるためのプログラムを記録した記録媒体。
JP2003134199A 2003-05-13 2003-05-13 リニューアル支援システム、リニューアル支援方法、プログラム、及び記録媒体 Expired - Fee Related JP4041008B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003134199A JP4041008B2 (ja) 2003-05-13 2003-05-13 リニューアル支援システム、リニューアル支援方法、プログラム、及び記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003134199A JP4041008B2 (ja) 2003-05-13 2003-05-13 リニューアル支援システム、リニューアル支援方法、プログラム、及び記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004340590A JP2004340590A (ja) 2004-12-02
JP4041008B2 true JP4041008B2 (ja) 2008-01-30

Family

ID=33524830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003134199A Expired - Fee Related JP4041008B2 (ja) 2003-05-13 2003-05-13 リニューアル支援システム、リニューアル支援方法、プログラム、及び記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4041008B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007011707A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Toyo Eng Corp プラント保全支援システム
JP4894591B2 (ja) * 2007-03-30 2012-03-14 東京電力株式会社 凍害補修効果の評価方法
JP5875783B2 (ja) * 2011-05-16 2016-03-02 トヨタホーム株式会社 住宅メンテナンスシステム
JP5839974B2 (ja) * 2011-12-13 2016-01-06 トヨタホーム株式会社 建物維持管理システム
JP6190461B2 (ja) * 2013-08-28 2017-08-30 株式会社日立システムズ 修繕計画立案システムおよび修繕計画立案方法ならびに修繕計画立案プログラム
JP6460687B2 (ja) * 2014-09-09 2019-01-30 株式会社Ihiインフラシステム インフラ構造物の保守管理システム、インフラ構造物の保守管理方法
JP2016126769A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 古河機械金属株式会社 検査結果出力装置、検査結果出力方法、及び、プログラム
US10042964B2 (en) * 2015-03-02 2018-08-07 General Electric Company Method of evaluating a part
WO2017051554A1 (ja) * 2015-09-25 2017-03-30 富士フイルム株式会社 メンテナンス計画立案支援システム、方法およびプログラム
JP6571552B2 (ja) * 2016-02-04 2019-09-04 日本電信電話株式会社 予測装置および予測方法
JP7252835B2 (ja) * 2018-06-08 2023-04-05 亨 嘉山 プログラム及び情報処理装置
JP7190700B2 (ja) * 2019-03-19 2022-12-16 五洋建設株式会社 桟橋の損傷度評価支援装置、評価方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004340590A (ja) 2004-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bastidas-Arteaga et al. Damage risks and economic assessment of climate adaptation strategies for design of new concrete structures subject to chloride-induced corrosion
JP4041008B2 (ja) リニューアル支援システム、リニューアル支援方法、プログラム、及び記録媒体
Biondini et al. Life-cycle performance of deteriorating structural systems under uncertainty
Shohet et al. Service life prediction of exterior cladding components under standard conditions
Ehlen et al. Life-365 service life prediction modelTM version 2.0
Bastidas-Arteaga et al. Stochastic improvement of inspection and maintenance of corroding reinforced concrete structures placed in unsaturated environments
Neto et al. Validation of an inspection and diagnosis system for anomalies in natural stone cladding (NSC)
JP6454793B2 (ja) 健全度判定装置、健全度判定方法および健全度判定プログラム
US9436783B2 (en) Method and system for estimating degradation and durability of concrete structures and asset management system making use of same
Frangopol et al. Maintenance and safety of aging infrastructure
JP4594184B2 (ja) 鋼構造物のライフサイクルコスト評価システム
JP5443055B2 (ja) コンクリート診断システム
JP4110004B2 (ja) コンクリート構造物の劣化予測計算方法
JP4719143B2 (ja) 構造物(特に土木構造物)の視覚的検査および鑑定を最適化するための携帯用装置および仮想現実方法
JP4627173B2 (ja) 評価システム、評価方法、プログラム、記録媒体
Deiveegan Service life prediction of concrete structure using life-365 software
JP2002245146A (ja) 構造物の維持管理コスト計算方法およびシステム、この計算方法をコンピュータに実行させるプログラム、並びに、このプログラムを記録した記録媒体
Lukas et al. Developing a life-cycle management system for reinforced concrete buildings based on fully-probabilistic deterioration models
Applied Technology Council et al. Evaluation of Earthquake Damaged Concrete and Masonry Wall Buildings: Basic Procedures Manual
JP4110005B2 (ja) コンクリート構造物のライフサイクルコストの計算方法
Jin Evaluating infrastructure performance to assist facility management toward sustainable systems
Paupério et al. Challenges in the Preventive Maintenance of Early 20th-Century Reinforced Concrete Architectural Sculptures
Ilman Multiphysics modelling for ultimate strength assessment of damage to ships induced by corrosion
Mondoro Uncertainty Quantification for Naval Ships and the Optimal Adaptation of Bridges to Climate Change
Nishijima et al. Sustainable decisions for life-cycle based design and maintenance

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071108

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4041008

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees