JP4894591B2 - 凍害補修効果の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、凍害劣化を受けたコンクリートをポリマーセメント系や樹脂系等の補修材料で置き換える断面修復工法により補修した後の補修効果を定量的に評価するための方法に関する。
高度経済成長期以降、我が国では、道路、鉄道、ダム、港湾等の建設のために多くのコンクリート構造物が建設されている。現在、これらの構造物は、重要な社会資本として日々維持管理が行われており、その一環として、劣化状況の調査と共に、それに対応した補修や補強が成されている。
前記コンクリートの劣化原因の一つに凍害がある。凍害とは、コンクリートの細孔中に含まれる水分が凍結し、その相変化に伴う直接的な膨張圧、水分の移動などによってコンクリートが破壊される現象をいう。凍害劣化に関しては、凍結溶融回数が劣化の進度に影響を与えることが定性的に把握されているものの、定量的な予測評価方法は十分に確立していない状況にある。従来は、基準化凍結融解サイクル法が主として使用されてきたが、この方法は予測地点毎に最低温度別の凍結溶融回数の算定や、ダムに用いられるコンクリートの配合による暴露試験結果の知見を活用しているため、任意の地点における一般的なコンクリート構造物に適用するには、多大な手間と時間を要するという問題があった。
そこで本出願人は、下記特許文献1において、環境データと、予測対象のコンクリートのデータを含む基礎データを取込み、前記基礎データを利用して予測対象コンクリートの凍害劣化に関わる特性値(骨材、結合材の品質、AE剤の影響、水セメント比及びひび割れについて、コンクリートの凍結融解破壊サイクル数との関係)を算出し、自然環境下での基準地点における暴露試験に基づくコンクリートの凍害劣化曲線を基準に、前記特性値を部分係数として反映させた予測地点での凍害劣化曲線を算出する凍害劣化予測方法を提案した。
特開2005−156547号公報
前記特許文献1記載の凍害劣化予測方法によれば、将来の予測地点における凍害劣化程度を定量的に把握することが可能となる。ここで、前記凍害による劣化程度は、相対動弾性係数(%)を指標とする評価である。
一方で、前記凍害によって劣化したコンクリートの補修は、専ら劣化したコンクリート部分を除去し、ポリマーセメント系や樹脂系等の補修材料で置き換える断面修復工法による補修が行われているが、現時点ではこの補修の効果を定量的に評価(補修効果の持続期間の把握)する手法が存在しない。また、近年では、コンクリート構造物に対する維持管理の合理化のために、ライフサイクルコストを考慮すべきとの考え方が主流となってきており、前記凍害補修の効果を定量的に評価する手法が強く望まれている。
そこで本発明の主たる課題は、凍害劣化を受けたコンクリートをポリマーセメント系や樹脂系等の補修材料で置き換える断面修復工法により補修した後の補修効果を定量的に評価し得る手法(補修効果の持続期間の把握)を提案することで、ライフサイクルコストの適正な評価資料に資することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、凍害劣化を受けたコンクリートを補修材料で置き換える断面修復工法で補修した後の補修効果を定量的に評価するための凍害補修効果の評価方法であって、
予め、コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式と、補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式とを得ておき、
補修実施時点において、
補修対象コンクリートの相対動弾性係数を取得する第1ステップと、
前記コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式に基づいて、前記ステップ1で取得した相対動弾性係数から長さ変化率を求める第2ステップと、
前記補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式に基づいて、前記第2ステップで求めた長さ変化率から付着強度を求める第3ステップと、 からなる手順により、補修実施時点における付着強度を求め、
次いで、経年後の任意の補修評価時点での付着強度を上記第1ステップ〜第3ステップの手順によって求め、
前記補修実施時点から経年後の補修評価時点での付着強度低下程度に基づいて、凍害補修効果を評価することを特徴とする凍害補修効果の評価方法が提供される。
上記請求項1記載の発明では、断面修復工法による補修では、補修材料と既設コンクリートとが一体化していることが重要であるとの視点の下、一体化の程度を示す補修材料とコンクリートとの付着強度を補修効果の指標とするものである。しかし、経年による相対動弾性係数と付着強度との関係を直接的に結びつけることは困難であることから、コンクリートの劣化による緩み度合いを表す長さ変化率を用い、相対動弾性係数と長さ変化率との関係、及び長さ変化率と付着強度との関係をそれぞれ求めておき、前記長さ変化率を中間に介することにより、相対動弾性係数から付着強度を求めるようにした。
そして、補修実施時点の付着強度と、補修評価時点の付着強度を算出し、補修実施時点から経年後の補修評価時点での付着強度低下程度に基づいて、凍害補修効果を評価することが可能となる。従って、合理的な補修材料の選定が可能になるとともに、補修効果の持続期間が把握可能となることで、ライフサイクルコストの評価が適性に行えるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記補修対象コンクリートの相対動弾性係数は、ASTM C597-68Tに準じた超音波伝播速度の測定試験、又は経過年数と相対動弾性係数との関係図及び/又は関係式に基づいて求める請求項1記載の凍害補修効果の評価方法が提供される。
上記請求項2記載の発明は、補修対象コンクリートの相対動弾性係数は、ASTM C597-68Tに準じた超音波伝播速度の測定試験、又は経過年数と相対動弾性係数との関係図及び/又は関係式に基づいて求めるようにするものである。この場合、補修実施時点における相対動弾性係数は、ASTM C597-68Tに準じた超音波伝播速度の測定試験、又は経過年数と相対動弾性係数との関係図及び/又は関係式に基づいて求めることが可能であるが、補修評価時点における相対動弾性係数は前記経過年数と相対動弾性係数との関係図及び/又は関係式に基づいて求める。なお、前記経過年数と相対動弾性係数との関係図及び/又は関係式については、前述した特許文献1に記載される方法によって得ることが可能である。
請求項3に係る本発明として、平面上に直行する2つの直線(座標軸)X軸、Y軸を定め、第1象限においてX軸を経過年数、Y軸を相対動弾性係数とする関係図を描き、第2象限においてX軸を長さ変化率、Y軸を相対動弾性係数とする関係図を描き、第3象限においてX軸を長さ変化率、Y軸を付着強度とする関係図を描き、前記第1象限の関係図から前記第1ステップの相対動弾性係数を求めるか或いは相対動弾性係数を直接測定し、前記第2象限の関係図から前記第2ステップの長さ変化率を求め、前記第3象限の関係図から前記第3ステップの付着強度を求めるようにしてある請求項1〜2いずれかに記載の凍害補修効果の評価方法が提供される。
上記請求項3記載の発明は、グラフから簡単に付着強度を求められるようにしたもので、第1象限においてX軸を経過年数、Y軸を相対動弾性係数とする関係図を描き、第2象限においてX軸を長さ変化率、Y軸を相対動弾性係数とする関係図を描き、第3象限においてX軸を長さ変化率、Y軸を付着強度とする関係図を描いた組合せ図を作製しておけば、X軸の経過年数上の点を特定点から簡単かつ迅速に付着強度を求めることが可能となる。
以上詳説のとおり本発明によれば、凍害劣化を受けたコンクリートをポリマーセメント系や樹脂系等の補修材料で置き換える断面修復工法により補修した後の補修効果を定量的に評価することが可能となり、ライフサイクルコストの適正な評価資料に資することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る凍害補修効果の評価方法は、予め、コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式と、補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式とを得ておき、
補修実施時点において、補修対象コンクリートの相対動弾性係数を取得する第1ステップと、前記コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式に基づいて、前記ステップ1で取得した相対動弾性係数から長さ変化率を求める第2ステップと、前記補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式に基づいて、前記第2ステップで求めた長さ変化率から付着強度を求める第3ステップとからなる手順により、補修実施時点における付着強度を求め、
次いで、経年後の任意の補修評価時点での付着強度を上記第1ステップ〜第3ステップの手順によって求め、前記補修実施時点から経年後の補修評価時点での付着強度低下程度に基づいて、凍害補修効果を評価するものである。
以下、更に具体的に詳述する。
[事前手順]
本凍害補修効果の評価方法では、事前に、(1)コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式と、(2)補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式とを得ておき、これに基づいて、後述する手順に従って、前記補修実施時点における付着強度と、前記補修評価時点における付着強度とを求めるようにする。
以下、(1)コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式と、(2)補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式とについて、その取得要領と共に詳述する。
(1)コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式の取得について
コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との間には明確な相関関係があることが既往の文献から明らかになっている。例えば、図1に示されるコンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図は、本出願人が実験により求めたものであるが、同グラフから両者には高い相関関係が存在する。また、同図から水セメント比に依存しないことも知見される。
上記実験について詳述すると、
コンクリートの使用材料及び配合設計を、(1)細骨材:厚木産[相模川](川砂)下表2参照、(2)粗骨材及び最大寸法:厚木飯山[山砕石]、20mm(下表2参照)、(2)セメント:普通ポルトランドセメント、(3)スランプ:8cm、(4)空気量:1.5%、(5)AE剤:未使用とし、水セメント比を夫々、45%、60%及び75%で変えた3種類のコンクリート供試体を得る。コンクリート供試体の配合は下表1のとおりである。
Figure 0004894591
Figure 0004894591
試験は、各コンクリート供試体(3体)に対して、JIS A1148に準じて、凍結融解試験を繰り返して行い、3サイクル実施毎に、後述するように、パンジット測定機を用い、ASTM C597-68Tに準じた超音波伝播速度の測定試験によって、相対動弾性係数を測定するとともに(図3参照)、JIS A1148(附属書)に従って、長さ変化率の計測を行った。
(2)補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式の取得について
使用する補修材料、例えば、ポリマーセメント系又は樹脂系の補修材料について、長さ変化率と付着強度との関係を実験等により取得する。
図2に示されるように、40cm×9cm×10cmの寸法で作製したコンクリートブロック1の上面に、厚さ1cmで補修材2を積層した供試体を作製した。前記補修材2は、ポリマーセメント系補修材(商品名「トーコーフィルコンN」東電工業株式会社製)と、樹脂系補修材(商品名「コンクレッシブ1315」日本アドックス株式会社製)の2種類とした。
前記供試体に対してJIS A1148のA法に準じて凍結融解試験を繰り返して行い、相対動弾性係数(REd)が概ね100%(凍結融解試験前)、80%、60%及び40%である各供試体(先行劣化供試体)を得るようにした。そして、各先行劣化供試体に対して、更にJIS A1148のA法に準じて凍結融解試験を繰り返して行い、長さ変化させた任意の段階で、JIS A1148(附属書)に従って、長さ変化率の計測を行うとともに、JIS A1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準じて付着強度試験を実施する。
試験器具は図4に示される建研式付着試験機3を使用し、補修材の接着面にエポキシ系樹脂により接着治具3aを取付け、周囲に反力を取り前記接着治具3aに引張り力を与え、付着強度を測定した(図5参照)。
補修材料の長さ変化率と付着強度との関係を整理し、ポリマーセメント系補修材(トーコーフィルコンN)の場合の結果を図6に、樹脂系補修材(コンクレッシブ1315)の結果を図7にそれぞれ示す。なお、付着強度は、先行劣化(凍結融解)に伴う低下程度のみを抽出し施工条件による影響や、実測値を反映させることを前提として相対付着強度として取り扱うこととした。相対付着強度の算出は、相対動弾性係数が80%(REd=80%)の先行劣化供試体の付着強度試験結果を”1”とした。
なお、付着強度試験結果によれば、先行劣化を考慮しない場合(REd=100%)と比較して先行劣化(目標相対動弾性係数80%程度)させた場合の方が、付着強度が3倍程度大きくなっている。これは、ポリマーセメント系補修材の“トーコーフィルコンN”や樹脂系補修材の”コンクレッシブ1315“の試験結果から同様な傾向を示しているのが分かる。なお、付着強度の増加は、目標先行劣化80%程度を境にして低下傾向にある。
このような試験結果となったのは、先行劣化を伴わない場合の基材コンクリートの表面状態が、REd=80%程度まで低下した表面状態に比べ、比較的凹凸がない状態であったと考えられる。つまり、先行劣化によるマイクロクラックの発生に伴う補修材料の投錨効果から付着強度が増加したものと考えられる。また、補修後の促進試験に伴う付着強度の低下は、先行劣化がある供試体と比較して、早期に低下していると考えられる。一般的にコンクリート表面に補修(表面被覆と断面修復)を行う場合、表面の劣化箇所をはつりとるか、目粗を施してから補修を実施する場合が多い。よって、促進試験にあるような、供試体脱型直後に見られるような凹凸のない表面に補修を施すことはまれであると考えられる。
以上により、(1)コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式と、(2)補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式とを得たならば、これら両者の関係と、凍害劣化曲線(相対動弾性係数の低下曲線)とを図8に示されるように、1つのグラフに纏めると、補修実施時点及び評価実施時点の相対動弾性係数から簡単かつ迅速に付着強度を求めることが可能となる。
図8に示されるグラフは、平面上に直行する2つの直線(座標軸)X軸、Y軸を定め、第1象限においてX軸を経過年数、Y軸を相対動弾性係数とする関係図(凍害劣化曲線[相対動弾性係数の低下曲線])を描き、第2象限においてX軸を長さ変化率、Y軸を相対動弾性係数とする関係図(長さ変化率曲線)を描き、第3象限においてX軸を長さ変化率、Y軸を付着強度とする関係図(相対付着強度曲線)を描いたものである。なお、第1象限に描かれた経過年数と相対動弾性係数との関係図(凍害劣化曲線[相対動弾性係数の低下曲線])は、前述した特許文献1に記載される手法に従って求めたものである。
[補修実施時点での付着強度の算出]
(ステップ1)
先ず、図8において、補修対象コンクリートの相対動弾性係数を求める。相対動弾性係数は、測定による場合は、パンジット測定機を用いて、ASTM C597-68Tに準じた超音波伝播速度の測定試験によるのが望ましい。用いたパンジット測定機の仕様を下表3に示す。
Figure 0004894591
超音波伝播速度の測定方法は、ASTM C597-68T(Standard Test Method for Pulse Velocity)に従い、コア採取孔内面に治具を介して密着できるように超音波発振子と受振子を配置し、超音波が到達するまでの時間を測定し、測線長で除して伝播速度を求める(図3参照)。
また、前記経過年数と相対動弾性係数との関係図及び/又は関係式から求める場合は、X軸上の経過年数の点(A点)を特定したならば、A点を通るY軸との平行線を引き、凍害劣化曲線(相対動弾性係数の低下曲線)との交点を定め、対応するY軸の目盛りから相対動弾性係数を求める。
(ステップ2)
第2象限に描かれた”長さ変化率曲線”に基づいて、前記ステップ1によって求められた相対動弾性係数から長さ変化率を求める。具体的には、第2象限において、前記ステップ1で取得した相対動弾性係数からY軸上の点が既に決定しているため、X軸との平行線を引き、”長さ変化率曲線”との交点を定め、対応するX軸の目盛りから長さ変化率を求める。
(ステップ3)
第3象限に描かれた”相対付着強度曲線”に基づいて、前記第2ステップで求められた長さ変化率から相対付着強度を求める。具体的には、第3象限において、前記第2ステップで求めた長さ変化率からX軸上の点が既に決定しているため、Y軸との平行線を引き、”相対付着強度曲線”との交点を定め、対応するY軸の目盛りから相対付着強度を求める(図示例では、C点 相対付着強度=68%)。なお、相対動弾性係数別に複数本描かれた”相対付着強度曲線”の内、使用する曲線は、第1ステップで求めた補修実施時の相対動弾性係数に対応する曲線(図示例ではREd=80%)である。
[補修評価時点での付着強度の算出]
以上により、補修実施時点における相対付着強度を求めたならば、次に経年後の任意の補修評価時点での付着強度を上記第1ステップ〜第3ステップと同手順によって求める。例えば、経過年数10年時における相対付着強度を求める場合は、第1象限において、経過年数の10年時に点(B点)を定め、同様の要領に従って、辿って行くと、相対付着強度が求まる(図示例では、D点 相対付着強度=20%)。なお、この際に、第3象限に相対動弾性係数別に複数本描かれた”相対付着強度曲線”の内、使用する曲線は、前記第1ステップで求めた補修実施時の相対動弾性係数に対応する曲線(図示例ではREd=80%)である。
[凍害補修効果の評価]
前述した手順により、補修実施時点における付着強度と、前記補修評価時点における付着強度とを求めたならば両者を比較し、補修実施時点から経年後の補修評価時点での付着強度低下程度に基づいて、凍害補修効果を評価する。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、相対動弾性係数の測定は、パンジットを使用しASTM C597-68Tに準じた超音波伝播速度の測定試験の要領により行ったが、JIS A1127に準じてたわみ振動の一次共鳴振動数、及び質量を計測することによって算出するようにしてもよい。
(2)本手法による考え方は、凍害劣化を対象としたものであるが、凍害と同様に、長さ変化を伴う劣化であるアルカリ骨材反応に対しても適用が可能である。
コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図である。 補修材料の長さ変化率と付着強度との関係式を求めるための供試体の斜視図である。 パンジットによる超音波伝播速度の測定要領を示す概略図である。 建研式付着試験機3を示す概略図である。 付着強度試験要領を示す概念図である。 ポリマーセメント系補修材の長さ変化率と相対付着強度との関係を示す図である。 樹脂系補修材の長さ変化率と相対付着強度との関係を示す図である。 相対動弾性係数から相対付着強度を図式で求めるための組み合わせ図である。
符号の説明
1…コンクリート、2…補修材、3…建研式付着試験機

Claims (3)

  1. 凍害劣化を受けたコンクリートを補修材料で置き換える断面修復工法で補修した後の補修効果を定量的に評価するための凍害補修効果の評価方法であって、
    予め、コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式と、補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式とを得ておき、
    補修実施時点において、
    補修対象コンクリートの相対動弾性係数を取得する第1ステップと、
    前記コンクリートの相対動弾性係数と長さ変化率との関係図及び/又は関係式に基づいて、前記ステップ1で取得した相対動弾性係数から長さ変化率を求める第2ステップと、
    前記補修材料の長さ変化率と付着強度との関係図及び/又は関係式に基づいて、前記第2ステップで求めた長さ変化率から付着強度を求める第3ステップと、 からなる手順により、補修実施時点における付着強度を求め、
    次いで、経年後の任意の補修評価時点での付着強度を上記第1ステップ〜第3ステップの手順によって求め、
    前記補修実施時点から経年後の補修評価時点での付着強度低下程度に基づいて、凍害補修効果を評価することを特徴とする凍害補修効果の評価方法。
  2. 前記補修対象コンクリートの相対動弾性係数は、ASTM C597-68Tに準じた超音波伝播速度の測定試験、又は予め求めてある経過年数と相対動弾性係数との関係図及び/又は関係式に基づいて求める請求項1記載の凍害補修効果の評価方法。
  3. 平面上に直行する2つの直線(座標軸)X軸、Y軸を定め、第1象限においてX軸を経過年数、Y軸を相対動弾性係数とする関係図を描き、第2象限においてX軸を長さ変化率、Y軸を相対動弾性係数とする関係図を描き、第3象限においてX軸を長さ変化率、Y軸を付着強度とする関係図を描き、前記第1象限の関係図から前記第1ステップの相対動弾性係数を求めるか或いは相対動弾性係数を直接測定し、前記第2象限の関係図から前記第2ステップの長さ変化率を求め、前記第3象限の関係図から前記第3ステップの付着強度を求めるようにしてある請求項1〜2いずれかに記載の凍害補修効果の評価方法。
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