JP2003075294A - 基板の検査方法 - Google Patents

基板の検査方法

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JP2003075294A
JP2003075294A JP2001268402A JP2001268402A JP2003075294A JP 2003075294 A JP2003075294 A JP 2003075294A JP 2001268402 A JP2001268402 A JP 2001268402A JP 2001268402 A JP2001268402 A JP 2001268402A JP 2003075294 A JP2003075294 A JP 2003075294A
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light
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angle
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English (en)
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Osamu Kuramata
理 倉又
Hirokata Sasamoto
裕方 佐々本
Hiroki Sugihara
洋樹 杉原
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、被検査物の設計値より表面形状の検
査に最適な入射光入射角度、反射光反射角度を算出し、
算出された値を検査装置に反映させて精度良く検査を行
い、収率を著しく低下させることなく、歩留まりを向上
させ、かつ高品質な平面ディスプレイパネルを製造する
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】基板上の隔壁によって形成された複数本の
所定の繰り返しパターンの溝に塗布された液状体の表面
へ入射角θで入射させた光を液状体の表面で反射させて
得られた反射光のうち、少なくとも反射角θの反射光を
捉えて、その反射光の強度を測定する基板の検査方法で
あって、前記入射角θを、液状体を塗布しない状態の溝
底部に光を入射角θで入射させて得られた反射角θの反
射光が隔壁に遮断される角度とすることを特徴とする基
板の検査方法および検査装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
パネル(以下LCDと称する)、プラズマディスプレイ
パネル(以下PDPと称する)に代表される平面ディス
プレイパネルにおいて、特に基板に形成されるパターン
を精度良く検査する検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LCDやPDPなどの平面ディス
プレイは画面の大型化、画素の微細化が進み、欠陥のな
い製品を製造することが極めて難しくなり、歩留まりの
確保が大きな課題になっている。そのため、平面ディス
プレイパネルの製造工程の中に検査・修正を含めること
によって、欠陥パネルを良品として再生させ、歩留まり
を確保することが一般的になってきた。
【0003】特にPDPの背面板に塗布された液状蛍光
体の塗布状態を検査するには、例えば特開2000−1
31226号公報に記載の技術が適用できる。この技術
は測定面に光を入射し、その反射光を捉え、得られた反
射光の強度変化を測定することにより測定面の構造を検
査するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したような光を用
いた検査を実施する場合、検査の精度を上げるためには
様々な光学条件を最適化する必要がある。特に反射光を
測定することによって被検査物の表面状態を検査する場
合においては、様々な光学条件の中でも入射光入射角度
と反射光反射角度が最も重要な光学条件となる。
【0005】しかしながら、上記従来技術においては入
射光入射角度、反射光反射角度を決定する方法が規定さ
れておらず、被検査物の製造条件が変更されて表面を形
成するパターンの形状が変わったり、複雑になったりし
た場合には検査の精度が著しく低下する、または検査不
可となるといった問題が生じていた。
【0006】本発明は上記従来技術の欠点を解消し、被
検査物の設計値より表面形状の検査に最適な入射光入射
角度、反射光反射角度を算出し、算出された値を検査装
置に反映させて精度良く検査を行い、収率を著しく低下
させることなく、歩留まりを向上させ、かつ高品質な基
板を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の基板の検査方法は下記の構成を有する。
【0008】すなわち本発明の基板の検査方法は、基板
上の隔壁によって形成された複数本の所定の繰り返しパ
ターンの溝に塗布された液状体の表面へ入射角θで入射
させた光を液状体の表面で反射させて得られた反射光の
うち、少なくとも反射角θの反射光を捉えて、その反射
光の強度を測定する基板の検査方法であって、前記入射
角θを、液状体を塗布しない状態の溝底部に光を入射角
θで入射させて得られた反射角θの反射光が、隔壁に遮
断される角度とすることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の基板の検査方法において
は、さらに所定の繰り返しパターンを構成する複数本の
溝が少なくとも2種類の溝幅を有し、同じ溝幅を有する
複数本の溝に対して同種の液状体が選択的に塗布された
こととすることも好ましい。
【0010】また、本発明の基板の検査方法において
は、さらに入射光に対する基板の位置を、基板に形成さ
れている溝と交差する方向に相対的に移動させることも
好ましい。
【0011】また、本発明の基板の検査方法において
は、溝を形成する隔壁の高さをH、液状体の表面高さを
Hp、隔壁により形成された液状体を塗布する溝の幅を
Lα、隔壁により形成された液状体を塗布しない溝の幅
をLβとした際、光の入射角θが式3を満たすことも好
ましい。
【0012】
【数3】
【0013】また本発明の基板の検査装置は、基板上の
隔壁によって形成された複数本の所定の繰り返しパター
ンの溝に塗布された液状体の表面に光を入射させる照射
手段と、液状体の表面で反射した反射光のうち、少なく
とも反射角が入射角と同じである反射光を受光する受光
手段とを備えた基板検査装置であって、照射手段と受光
手段が、液状体を塗布しない状態の溝底部からの反射光
が隔壁に遮断される光入反射角θでそれぞれ光を照射、
受光可能なように設置されていることを特徴とするもの
である。
【0014】また、本発明の基板の検査装置において
は、基板もしくは照射手段と受光手段の少なくとも一方
が、基板に形成されている溝と交差する方向に移動可能
に設けられていることも好ましい。
【0015】溝を形成する隔壁の高さをH、液状体の表
面高さをHp、隔壁により形成された液状体を塗布する
溝の幅をLα、隔壁により形成された液状体を塗布しな
い溝の幅をLβとした際、光の入射角θが式4を満たす
ことも好ましい。
【0016】
【数4】
【0017】また、本発明の基板の製造方法は、複数の
溝を有する基板の溝に液状体を塗布する塗布工程と塗布
した液状体を乾燥させる乾燥工程を有する基板の製造方
法において、塗布工程と乾燥工程との間で上記の方法で
液状体を検査する検査工程を有することを特徴とするも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を、P
DP背面板を例に挙げ、図面を参考にしながら説明す
る。
【0019】まず、PDPの基本的な構成について図1
を用いて簡単に説明する。図1はPDP背面板構成を簡
単に表す簡略断面図である。PDP10は、背面ガラス
基板100上に、アドレス電極101が配置された誘電
体層102上に、隔壁103が設けられ、その間にRG
B蛍光体層104、105、106が塗着されたPDP
背面板11と、表示電極107(90°回転させて表
示)が配置された誘電体層108と保護膜109が介装
された前面ガラス基板12とからなる構成を有する。
【0020】ここで、プラズマディスプレイの発光原理
について説明する。表示電極107とアドレス電極10
1との間の空間内にネオン、キセノンの混合ガスなどを
封入して、そこに電圧を印加することによりプラズマ1
10が発生し、それによって選択された位置の蛍光体が
発光し、各蛍光体の発光の組み合わせにより所望の色表
示が行われるようになっている。
【0021】次に、平面ディスプレイパネルの製造方法
について、PDP背面板を例にとって図2を用いて説明
する。図2はPDP背面板の製造工程を簡略化して示す
フロー図である。PDP背面板の製造方法は、PDP背
面板のベースとなるガラス基板を洗浄、乾燥させる工程
210、導電性材料による直線状パターン電極を形成す
る工程220、誘電体膜をガラス基板上に形成する工程
230、隔壁を形成する工程240および、それぞれの
隔壁間に蛍光体層を形成する工程250より成り立って
いる。また隔壁間に蛍光体層を形成する工程250を詳
細に説明すると、本工程250は隔壁間に液状蛍光体を
塗布する工程251、液状蛍光体の塗布状態を検査する
工程252、液状蛍光体を乾燥させて蛍光体層を形成す
る工程253より成り立っている。
【0022】またPDPでは所望の色表示をRGB3色
の発色を用いて実現するために図1で示したようにRG
B3色の蛍光体層を形成する必要があり、工程としては
隔壁間に蛍光体層を形成する工程250を3回繰り返す
こととなる。
【0023】特に本発明は液状蛍光体の形成状態を検査
する工程252に関わり、本発明の特徴としては、被検
査物である基板の設計値より、液状蛍光体の光学検査に
最適な入射光入射角度、反射光反射角度を算出し、算出
された値を検査装置に反映させて精度良く検査を行い、
不良基板が発生した際には欠陥情報より工程異常の原因
を推測して直ちに工程を修復することにより蛍光体層に
発生する欠陥を予防して、歩留まりを確保することが挙
げられる。
【0024】次に蛍光体層を形成すべき基板について、
図3、4を用いて説明する。図3は溝を有する基板の簡
略図であり、図4は3つの溝幅の溝を有する基板の簡略
図である。図3において、基板300はガラス基板10
0、複数の直線状パターン電極101、誘電体膜10
2、複数の隔壁103により構成されている。基板30
0上において、複数の隔壁103のうち例えば隔壁E、
隔壁Fにより挟まれた隔壁間の空間を溝115と定義す
る。なお当然のことながら基板300上には複数の同幅
Lの溝が構成されている。
【0025】図4において、基板400はガラス基板1
00、複数の直線状パターン電極101、誘電体膜10
2、複数の隔壁103により構成されている。基板40
0上において複数の隔壁103のうち例えば隔壁G、隔
壁Iにより挟まれた隔壁間の空間を溝116と定義し、
隔壁I、隔壁Jにより挟まれた隔壁間の空間を溝117
と定義し、隔壁J、隔壁Kにより挟まれた隔壁間の空間
を溝118と定義する。つまり基板400上には溝幅が
L1<L2<L3となるような3種類の溝116、11
7、118が順序よく構成されている。ただし、溝の種
類は少なくとも2種類以上であることが好ましいが、図
4のように3種類に限定されない。
【0026】次に、図3で示した蛍光体層を形成すべき
基板300に対し、隔壁間に液状蛍光体を塗布する工程
251を実施し、液状蛍光体が塗布された状態の基板に
ついて、図5を用いて説明する。図5は溝に塗布された
液状蛍光体と本発明の検査方法により得られる輝度信号
波形を表す簡略図である。
【0027】上記したように、PDPでは所望の色表示
をRGB3色の発色を用いて実現するために図1で示し
たようにRGB蛍光体層を一定の繰り返し順(例えば…
BRGBRG…)で形成する必要がある。よってRGB
のうちある1色について注目すれば、その1色は図5の
溝b、e、h、kに塗布された液状蛍光体500、50
1、502、503に示すように2本の溝を挟んで順序
よく塗布される必要がある。所望の溝に塗布された液状
蛍光体は乾燥工程253を実施することにより溶媒成分
が除去され、溝に蛍光体層が形成される。
【0028】また、図5においては溝a、c、d、f、
g、i、j、lは蛍光体層が未形成の状態となっている
が、工程の都合上すでに他の1色、もしくは他の2色の
蛍光体層が形成されている場合がある。
【0029】ところでPDPにおける発光輝度を決定す
る特に重要な要因の一つとして溝に形成された蛍光体層
の蛍光体量が挙げられる。蛍光体の量が少なければ輝度
が低く、多ければ輝度が高くなる傾向があり、塗布され
ていなければ当然発光はおこらない。また蛍光体量が少
ない溝、多い溝、塗布されていない溝が一枚の基板に混
在する場合、これらはPDPの発光輝度ムラとなり製品
としては当然不良品である。これら蛍光体層の蛍光体量
が一定とならない現象の最も大きな原因は液状蛍光体を
溝に塗布する際の液状蛍光体塗布ムラである。
【0030】液状蛍光体を所望の溝に塗布する手法とし
てはスクリーン印刷、フォトリソ加工、ノズル塗布など
が一般的に知られているが、これらの手法による液状蛍
光体の塗布において不具合が発生すると、図5の501
の様に液状蛍光体が塗布されない箇所が発生したり、5
03のように完全に液状蛍光体が塗布されない溝が発生
することとなる。このような液状蛍光体の塗布状態に不
具合のある基板が液状蛍光体を乾燥させて蛍光体層を形
成する工程253を経ると、一枚の基板上に、蛍光体量
の異なった蛍光体層を有する不良基板が製造される。
【0031】また、上記した液状蛍光体塗布手法による
塗布ムラの発生原因としては、スクリーン印刷において
はスクリーンの目詰まりや蛍光体塗布装置の調整不良、
フォトリソ加工においては蛍光体塗布装置の調整不良や
フォトマスクへの異物付着、ノズル塗布においてはノズ
ル孔の詰まりや加圧装置の異常による塗布圧の偏りなど
が考えられ、これらに起因する塗布の不具合は、一度発
生するとその後全ての基板にわたって連続的に発生する
連続欠陥となる。
【0032】このような不良基板が後工程に連続流出す
ることを防止するため、塗布直後に液状蛍光体の塗布状
態の検査を行い、連続欠陥をすばやく検知し、欠陥情報
より工程異常の原因を推測して直ちに工程を修復するこ
とにより、蛍光体層に発生する輝度ムラ欠陥を予防し
て、製品の歩留まりを向上させる必要がある。
【0033】液状蛍光体の塗布状態の検査には上記した
従来技術を適用することができる。すなわち、液状蛍光
体が塗布された溝を有する基板に対し、ある入射角で光
を入射し、基板からの正反射光を捉え、得られた反射光
の強度より液状蛍光体の塗布状態を検査する。なおここ
で入射光入射角度と同じ角度で反射光が反射することを
正反射、正反射した反射光を正反射光、光を捉える所定
の開口角が少なくとも正反射光を捉える場合に開口角内
に反射する光を開口角内反射光と定義し、以下文章中で
用いる。
【0034】ここで、従来技術による基板上に塗布され
た液状蛍光体の塗布状態検査の原理と問題点について、
図5、図8、図9、図10、図11、図12を用いて順
次説明する。ここで、図8は液状蛍光体の表面形状(充
填量)と反射光強度の関係を示す簡略図である。図9、
図10、図11、図12は液状蛍光体の充填量と充填後
の表面形状の関係を示す簡略図である。
【0035】まず、図8、図9、図10、図11、図1
2に注目して、液状蛍光体の塗布状態と得られる反射光
輝度の関係について順次説明する。
【0036】理解を簡単にするためにある充填量V2を
基準とすると、この時の液状蛍光体の表面形状は図11
の液状蛍光体1100に示すように、基板面に対しフラ
ット(平行)になるとする。この基準に対し基準よりも
少ない充填量V1(<V2)では液状蛍光体の表面形状
は図10の液状蛍光体1000に示すように、基板面に
対し凹形状となり、基準よりも多い充填量V3(>V
2)では液状蛍光体の表面形状は図12の液状蛍光体1
200に示すように、基板面に対し凸形状となる。
【0037】また、液状蛍光体が完全に塗布されていな
い塗布抜けが発生した場合の充填量V0=0(<V2)
では図9の900に示すように、溝に液状蛍光体が存在
しないため、表面形状は隔壁と誘電体層によって構成さ
れた凹形状となる。
【0038】上記したように、液状蛍光体の表面で反射
した反射光を捉えると、基準となる液状蛍光体1100
においては、表面がフラットなため液面の全ての領域1
101からの正反射光を捉えることとなり、得られる輝
度信号は最も大きくなる。
【0039】これに対し、液状蛍光体1000において
は、表面が凹形状なため開口角内反射光を反射可能な部
分は図10に示すある領域1001となり、よって得ら
れる輝度信号は液状蛍光体表面1100に比べて小さく
なる。またこの効果は充填量Vが小さくなるに従って、
つまり液状蛍光体表面凹形状がフラット形状と比較して
著しく凹になるに従って顕著になる。
【0040】また、液状蛍光体1200においては、表
面が凸形状なため開口角内反射光を反射可能な部分は図
12に示すある領域1201となり、得られる輝度信号
は液状蛍光体1100に比べて小さくなる。またこの効
果は充填量Vが大きくなるに従って、つまり液状蛍光体
表面凸形状がフラット形状と比較して著しく凸になるに
従って顕著になる。
【0041】塗布抜け状態900においては、反射面が
平らであるために正反射は起こりやすい。ただし反射面
底部が、液状蛍光体が塗布されている部分に比べて低い
ために開口角内反射光が隔壁によって遮断されやすく、
開口角内反射光を反射可能な部分は図9に示すある領域
901となり、得られる輝度信号は液状蛍光体1100
に比べて小さくなる。
【0042】液状蛍光体充填量、液状蛍光体表面形状、
得られる輝度の関係を、縦軸に得られる輝度、横軸に液
状蛍光体充填量または液状蛍光体表面形状をとったグラ
フで表すと図8のようになる。すなわち液状蛍光体表面
フラット形状で最も輝度が大きくなり、表面形状が凹凸
および塗布抜け状態になると得られる輝度が小さくな
る。従来技術を適用した液状蛍光体の塗布状態検査にお
いては、以上の液状蛍光体充填量、液状蛍光体表面形状
および得られる輝度の大小の関係を利用して液状蛍光体
の充填量を測定し、良品、不良品の判定を行う。
【0043】以上の説明においては、理解を簡単にする
ためにある一本の液状蛍光体を例にとり説明してきた
が、実際は複数の液状蛍光体に対し検査を行う必要があ
る。基板上に塗布された全ての液状蛍光体について検査
を実施するには、入射光に対する基板の位置を、基板に
形成されている溝をよぎる方向に相対的に移動させなが
ら輝度の測定を行えば良い。装置の詳細な構成について
は後述する。
【0044】上記した通り、液状蛍光体の検査を基板上
に塗布された全ての液状蛍光体に対して実施すると、図
5のグラフに示すような液状蛍光体の表面形状をも含ん
だ基板の表面形状に対応した輝度信号波形520が得ら
れる。この輝度信号波形520は基板の表面形状と対応
させると、正常に塗布され、表面形状がフラット形状の
液状蛍光体500、502を含む溝b、hからは大きい
輝度信号が、正常に塗布されなかった液状蛍光体50
1、503を含む溝e、kからは小さい値の輝度信号が
それぞれ得られ、液状蛍光体を塗布していない溝a、
c、d、f、g、i、j、lからは溝e、kと同等の輝
度が得られることを示している。ここで輝度信号波形5
20において液状蛍光体を塗布された溝、あるいは塗布
されるべき溝の位置に対応した部分の輝度の頂点をそれ
ぞれ510、511、512、513とし、以降輝度ピ
ークと記す。
【0045】PDPにおいては、液状蛍光体は所定の間
隔Lpで塗布されていることから、当然得られた輝度信
号波形の輝度ピーク510、511、512、513
は、液状蛍光体の塗布間隔に対応してある周期的な間隔
mLp(mは定数)で出現することとなる。よって輝度
波形520に対し、あるN番目の輝度ピークより距離m
Lpだけ離れた点の輝度ピークをN+1番目の輝度ピー
クとして抜き出し、これを全輝度ピークについて繰り返
すことにより、基板上の各溝に塗布された液状蛍光体か
らの輝度ピークの値が得られる。これら輝度ピークの値
を各溝毎の代表輝度とし、これらを順に連ねることによ
り輝度ピーク波形540を得る。輝度ピーク波形540
を構成する各値530、531、532、533は各溝
毎の液状蛍光体の充填量に対応しており、輝度ピーク波
形540より溝の位置とその溝に塗布された液状蛍光体
の充填量を特定する。さらには輝度ピーク波形540に
対し、適切なスレッショルド550を設定することによ
り、スレッショルド550を下回った輝度ピーク53
1、533を抜き出し、輝度ピーク531、533に対
応する溝を特定し、その溝に充填された液状蛍光体の充
填量が規定値範囲を外れていると判定する。このことは
すなわち、基板長手方向全長にわたって、すべての液状
蛍光体を塗布されるべき溝に対し、塗布された液状蛍光
体の充填量が規定値範囲に入っているか否かを検査する
ことを意味しており、当然規程値範囲を外れた溝を有す
る基板に対してはNGの判定を下す。
【0046】以上、従来技術を用いて液状蛍光体の塗布
状態を検査する方法について説明した。しかし、実際の
基板製造においては液状蛍光体を表面がフラットになる
充填量V2ではなく、表面形状が凹形状になる充填量V
1、または表面形状が凸形状になる充填量V3で製造す
ることがある。例として充填量V1で基板を製造する場
合に、上記した従来技術で液状蛍光体の塗布状態の検査
を実施することによる不具合について図6、図9、図1
0を用いて説明する。ここで、図6は溝に塗布された液
状蛍光体と本発明の検査方法により得られる輝度信号波
形を表す簡略図である。
【0047】図10に示すように表面形状が凹形状であ
ると開口角内反射光を反射可能な部分が狭く、液状蛍光
体から得られる反射光輝度は弱くなる。これに対し液状
蛍光体が塗布されていない溝底部は開口角内反射光が隔
壁によって遮断され易くはあるが、図9に示すように反
射面が平らであるために反射率は高いので、ある大きさ
の輝度が得られることとなる。その結果、図6のグラフ
に示すように検査を行うべき液状蛍光体部と検査を行な
う必要のない溝底部からの反射光強度に明確な差がなく
なり、検査を行うべき液状蛍光体部からの輝度信号61
0、611、612、613を抜き出すことが困難とな
る。これはつまり、輝度ピーク波形が容易に得られない
ということを示している。
【0048】更にこの現象は図4に示すような2種類以
上の幅の溝で構成された基板の液状蛍光体の塗布状態を
検査する場合に大きな問題となる。これについて図7を
用いて説明する。図7は溝に塗布された液状蛍光体と本
発明の検査方法により得られる輝度信号波形を表す簡略
図である。例えば図7に示すような溝幅がL1<L2<
L3となるような3種類の溝が順序よく構成されている
基板400において、最も狭い幅L1の溝b’、e’、
h’、k’に、標準よりも少ない充填量で塗布された液
状蛍光体の塗布状態を検査する場合、表面形状が凹形状
になることと、溝幅が狭いことにより検査すべき液状蛍
光体からの開口角内反射光の強度が極端に弱くなる。
【0049】一方、最も広い幅L3の溝a’、d’、
g’、j’の底部からの開口角内反射光は、溝幅が広い
ために隔壁に遮断されにくくなり、得られる強度が極端
に強くなる。その結果、図7の上側のグラフのように検
査すべき液状蛍光体からの反射光輝度信号が、検査を行
なう必要のない溝底部からの反射光輝度信号に埋もれて
しまう。これでは検査を行うべき液状蛍光体部からの輝
度信号710、711、712、713を抜き出すこと
が困難となるばかりでなく、正確な測定ができない。
【0050】ここで、検査すべき液状蛍光体からの開口
角内反射光輝度信号をシグナル(以降Sと示す)、検査
を行なう必要のない溝底部からの開口角内反射光輝度信
号をノイズ(以降Nと示す)と定義してS/N比を算出
すると、従来技術では液状蛍光体の塗布量、溝の幅、隔
壁の高さなどの基板の製造条件が変更された場合にS/
N比が極端に小さくなり、検査不可となる。なお、この
問題は液状蛍光体の表面形状が凹と凸の違いはあるが、
充填量V3で基板を製造する場合も同様に発生する。
【0051】そこで、本技術では液状蛍光体の塗布量、
溝の幅、隔壁の高さなどの基板の製造条件が変更された
場合に、これら基板の製造条件より検査のために最適な
光入反射角度を算出して、算出された光入反射角度で検
査を行うことにより、高いS/N比で高精度に液状蛍光
体の塗布状態が検査可能となることを特徴としている。
【0052】S/N比を高くするためには、(1)Sを大
きくする、(2)Nを小さくする、という2つの手法が一
般的であるが、本技術では(2)Nを小さくすることに主
眼をおいている。以下、技術の内容について詳細に説明
する。
【0053】上記したように、本技術に関わる液状蛍光
体の塗布状態の検査方法においては、Nとは検査する必
要のない溝底部からの開口角内反射光輝度信号である。
これを小さくするためには溝底部からの開口角内反射光
を捉えなければ良い。そのために最も効果的な方法は溝
底部からの開口角内反射光が全て隔壁によって遮断され
てしまう光入反射角度で検査を行うことである。
【0054】SとNの関係について図13、図14、図
15、図16を用いて順次説明する。ここで、図13、
図14、図15、図16はそれぞれ光入反射角度θまた
はθ’時に溝底面または液状蛍光体表面から反射する反
射光の様子を示す簡略図である。なお、既に上記した
が、光を捉える場合は光を捉える手段が所定の開口角を
有することが一般的であるので、本技術の説明において
も開口角θkを併せて考える。
【0055】まず、図14のように光入反射角度θ’に
おいて検査を実施した場合、溝幅がL1である検査を行
うべき液状蛍光体からの開口角内反射光Sは1400の
部分で開口角θkの範囲へ反射する。ただし、図13の
ように光入反射角度θ’では溝幅がL3(>L1)であ
る検査を行う必要のない溝の底部1300からの開口角
内反射光Nも捉えることとなる。すなわち、上記した図
7の上側のグラフに示すような現象が発生してS/N比
が著しく低下し、高精度な検査が不可能となる。
【0056】次に、光入反射角度θで検査を実施した場
合について説明する。本技術ではこの光入反射角度θを
図15に示す開口角θk、検査を行う必要のない溝を構
成する設計値である隔壁の高さHおよび溝幅L3より、
溝底部1500からの開口角内反射光Nを捉える開口角
θkが全て隔壁Kにより遮断されるように決定すること
を特徴としている。つまり、図15のように光入反射角
度θでは検査を行う必要のない溝の底部1500からの
開口角内反射光Nを捉えることはなくなり、図16のよ
うに検査を行うべき液状蛍光体からの開口角内反射光S
のみを捉えることが可能となる。ただし、光入反射角度
θを小さくし過ぎると、今度は検査を行うべき液状蛍光
体の表面からの開口角内反射光Sが隔壁によって遮断さ
れ、S/N比が低下してしまう。従って、本技術の検査
方法においては、光入反射角度θを図16に示す開口角
θk、検査を行うべき溝を構成する設計値である隔壁の
高さHおよび溝幅L1、塗布される液状蛍光体の表面高
さHpより、液状蛍光体表面1600からの開口角内反
射光Sを捉える開口角θkが隔壁Iにより遮断されない
ように決定することを特徴としている。以上の概念を以
下の式5で示す。[Sが隔壁に遮断されない角度]<θ
<[Nが隔壁に遮断される角度] 式5図15、図1
6に一例として示すように、式5で求められる光入反射
角度θで検査を実施することにより、検査を行なう必要
のない溝底部からの開口角内反射光Nは隔壁に遮断さ
れ、検査を行うべき液状蛍光体の表面からの開口角内反
射光Sは開口角θkの範囲で受光されることになる。従
って図7の下側のグラフに示すような輝度信号波形が得
られることとなり、高精度な検査を実施するに充分なS
/N比を得ることが可能となる。
【0057】以上、図4、図7に示すような少なくとも
2種類以上の溝幅が順序よく構成された基板に塗布した
液状蛍光体の塗布状態の検査について説明を行ってきた
が、図3、図5、図6に示すような等間隔の溝幅で構成
される基板についても同様の効果がある。
【0058】具体的に図4、図7に示すような少なくと
も2種類以上の溝幅が順序よく構成された基板に塗布し
た液状蛍光体の塗布状態の検査について、検査に最適な
光入反射角度θを求めると以下の式6のようになる。な
おここでは例として撮像側のしぼりを極限までしぼり、
開口角θkが0°であると仮定して計算を行った。
【0059】
【数5】
【0060】上記した式1、式2、式3、式4は式6を
一般化したものであり、式1、式2、式3、式4全て同
じものである。このようにして得られた光入反射角度θ
で検査を行えば、上記したように高精度な検査を実施す
るに充分なS/N比を得ることが可能となる。
【0061】なお、上記したように式6の算出において
は開口角θkが0°であると仮定しているが、現実には
必ず光を捉える所定の開口角θkが存在する。従って、
実際の検査において充分なS/Nを得ようとするなら
ば、式6に開口角θkの大きさを考慮してやれば良い。
【0062】ここで、図17を用いて、検査装置につい
て説明を行う。図17は本検査方法を実現する検査装置
の概略図である。本検査装置は、基本的には所定の溝に
液状蛍光体を塗布された基板300(または基板40
0)に対し、液状蛍光体の表面へ入射光1704を入射
させる照射手段1701と、液状蛍光体の表面で反射し
た反射光のうち入射光入射角度と同じ角度で反射した正
反射光を含む反射光1705を所定の開口角で捉える受
光手段1702と、受光手段により得られた反射光17
05の強度信号を処理する信号処理手段1703により
構成されており、照射手段1701と受光手段1702
は光の反射点までの距離を変えることなく光入反射角度
θを20°〜45°まで変化させることが可能な角度調
節機構1714により固定されている。
【0063】上記した方法により、光入反射角度θを求
めて照射手段1701と受光手段1702を設置し、反
射光1705を受光手段1702で捉え、信号処理手段
1703で反射光1705の強弱を測定することにより
液状蛍光体の塗布状態を検査することが可能となる。
【0064】また、基板に塗布された液状蛍光体の長手
方向に対し、液状蛍光体をよぎる方向へ照射手段170
1と受光手段1702か、もしくは基板300(または
基板400)の少なくともどちらか一方を移動させて、
受光手段1702で連続的に反射光1705を撮像する
ことにより、基板300(または基板400)について
基板移動方向全長にわたる各溝毎の液状蛍光体充填量の
測定が可能である。照射手段1701と受光手段170
2を移動させるためには、例えばガントリーステージな
どの移動手段1706が考えられ、基板300(または
基板400)を移動させるためには、例えば基板を積
載、固定して移動可能なステージまたはコロ搬送機など
の基板搬送手段1707が考えられる。受光手段170
2により得られた反射光の強度信号は画像情報として信
号処理手段1703に入力され、信号処理手段1703
がその信号に対し処理を行い、液状蛍光体の充填量を測
定し、さらに良品、不良品の判別を行う。
【0065】さらに本発明の検査装置の照射手段170
1と受光手段1702について詳細に説明する。まず、
照射手段1701は光源部1708、出射口1709お
よび両者をつなぐ光伝送部1710により構成されてい
る。特に射出口1709に関しては装置全体の大きさを
コンパクトにし、また光源の光量を無駄に分散させるこ
とを防止するため、その形状がスリット状であり、その
幅が0.3mm以上、10mm以下であり、その長手方
向の長さが10mm以上、500mm以下であることが
望ましい。照射手段1701の光源部1708としては
例えばハロゲン光源やメタルハライド光源などが考えら
れ、光伝送部1710としては例えば光ファイバーなど
が考えられ、出射口1709としては例えば光ファイバ
ーの片側端部をライン状に並べてライン状に光を出射さ
せることを可能としたライトガイドなどが考えられる。
さらに出射口1709には出射光を拡散させることによ
り振動の影響を排除したり、入射光の角度調節を簡易に
するための光拡散手段1711と、所望の偏光方向の光
のみを測定・検査に使用することにより撮像のコントラ
ストを向上させるため、出射光より所望の偏光方向の光
を選択する光偏光方向選択手段1712のどちらか一方
もしくは両方が取り付けられていても良い。光拡散手段
1711としては例えば光拡散シートなどが考えられ、
光偏光方向選択手段1712としては偏光板などが考え
られる。
【0066】次に、受光手段1702の受光部1713
は受光素子が1次元に配列された構成であり、例えばC
CDラインセンサカメラやフォトマルなどが考えられ
る。さらに、受光部1713には所望の偏光方向の光の
みを検査に使用することにより撮像のコントラストを向
上させるため、反射光より所望の偏光方向の光を選択す
る光偏光方向選択手段1712が取り付けられていても
良く、光偏光方向選択手段1712としては偏光板など
が考えられる。また、本発明の検査装置においては、出
射口1709の長手方向と、受光部1713の受光素子
の並び方向が基板上に塗布された液状蛍光体の長手方向
と同じ方向である。
【0067】また、本発明においては、上記したように
液状蛍光体の塗布異常が発生した溝を特定できることを
大きな特徴のひとつとしている。液状蛍光体の塗布異常
が発生した場合、その発生原因は溝に液状蛍光体を塗布
する工程251にある。この工程251において液状蛍
光体を塗布する手段は前記したとおりの3種類がよく知
られているが、液状蛍光体の塗布不良が発生した際に
は、そのいずれにおいても塗布不良の発生位置と対応し
た部分に塗布不良を引き起こす原因がある。上記したよ
うに液状蛍光体の塗布異常が発生した溝を特定できれ
ば、液状蛍光体塗布手段のそれに対応した部分に塗布不
良を引き起こす原因が存在することがわかり、塗布不良
の原因除去を行うにあたり有利となる。
【0068】すなわち、液状蛍光体塗布手段において塗
布不良を引き起こす原因が存在する場所が特定できない
場合は液状蛍光体塗布手段の全体に対し、塗布不良の原
因を除去するための処理を行う必要があるが、塗布不良
を引き起こす原因が存在する場所が特定できる本発明の
場合は、液状蛍光体塗布手段の特定の部分に対し塗布不
良の原因を除去するための処理を行えばよい。
【0069】以上までに述べてきたように、本発明の基
板の製造方法においては液状蛍光体の塗布状態を液状蛍
光体塗布工程と液状蛍光体乾燥工程の間で検査すること
により、より高品質な複数の溝に蛍光体を有する基板を
製造することが可能となり、収率が著しく低下すること
もなく、歩留まりの向上に大きく寄与することができ
る。これを実施するために本発明の基板の製造方法は液
状蛍光体の塗布装置と、液状蛍光体の乾燥装置と、検査
装置とを備えている。
【0070】
【実施例】以上、本発明の詳細につき実施例を用いて更
に説明する。
【0071】図2に示す工程においてPDP背面板の製
造を行った。製造の対象となる基板としては図3、図
5、図6に示す同幅Lの溝を有する基板を使用した。溝
に液状蛍光体を塗布する工程251にはノズル塗布手法
を用い、液状蛍光体の塗布状態を検査する工程252に
は図17に示す検査装置を用いた。
【0072】特に液状蛍光体の塗布状態の検査装置につ
いて以下に詳細に説明する。照射手段1708の光源部
にはハロゲン光源を用い、その光を光ファイバーにて幅
0.5mm×長手方向100mmの出射口まで導き、か
つ出射口には拡散板を設け、受光手段1702の受光部
には2042画素の受光素子を1次元的に配列したCC
Dラインセンサカメラを使用し、検査に用いる入射光1
704と反射光1705の光入反射角度θは溝の設計値
から検査に最適な光入反射角度θを算出し、その値を反
映させた。受光手段により得られた輝度情報を処理する
信号処理手段1703としては汎用の画像処理装置を用
いた。その詳細な処理内容はCCDラインセンサカメラ
により得られた輝度ピーク波形から全ての液状蛍光体を
塗布されるべき溝に充填された液状蛍光体の充填量を測
定し、更には輝度ピーク波形に対し適切なスレッショル
ドを設定し、スレッショルドを下回った輝度ピークが示
す溝の液状蛍光体の塗布状態が不良であることを検査す
ることとした。また基板全体にわたって検査を実施する
ために、基板300を移動させることとし、そのための
基板搬送手段1707としてはコロ搬送機を使用して検
査を実施した。
【0073】その結果、上記した算出式により、溝の設
計値から算出された検査に最適な光入反射角度θにて検
査を実施したところ、高いS/N比が得られ、容易に検
査を行なうべき溝と検査を行なう必要のない溝を区別す
ることができた。ここで基板300の溝に対し液状蛍光
体を塗布する工程において、液状蛍光体を塗布するノズ
ルのある1孔に液状蛍光体を構成する成分の凝集物が詰
まって液状蛍光体の塗布不良が発生したが、これを上記
検査手段により検出した。また不良個所の位置を特定す
ることで、ノズルを塗布装置から取り外して分解洗浄す
ることなく、ノズルを塗布装置に取り付けたままノズル
のその部分の孔を超音波洗浄し、詰まっていた凝集物を
排除することで、連続欠陥の発生を最小限の不良発生回
数でかつ、最小限の復旧作業で回避できた。
【0074】また、製造する基板が、図4に示す基板4
00のようにRGBで溝幅が異なる基板に変更された。
これについても上記と同様に、溝の設計値から算出され
た検査に最適な光入反射角度θにて検査を実施したとこ
ろ、高いS/N比が得られ、容易に検査を実施すべき溝
と検査を行なう必要のない溝を区別することができた。
こちらも上記と同様に液状蛍光体の塗布不良が発生した
が、これを検出し、欠陥原因を除去できた。
【0075】以上の結果より、本発明がPDP背面板製
造における歩留まりの向上に対し、大きく寄与すること
を確認した。
【0076】
【発明の効果】本発明により、PDP背面板などの平面
ディスプレイパネルの製造工程において、所定の溝に塗
布した複数の液状蛍光体に対し、基板によって溝幅およ
び蛍光体塗布量の設計値が異なっていても、高精度に検
査を行うことによって連続欠陥を素早く検知し、欠陥情
報より工程異常の原因を推測して直ちに工程を修復する
ことにより蛍光体層に発生する欠陥を予防して、製品の
歩留まり向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PDP背面板構成を簡単に表す簡略断面図であ
る。
【図2】実施の形態の一例を示すフロー図である。
【図3】溝を有する基板の簡略図である。
【図4】3つの溝幅の溝を有する基板の簡略図である。
【図5】溝を有する基板に表面形状がフラットになるよ
うに塗布された液状蛍光体と本発明の検査方法により得
られる輝度信号波形を表す簡略図である。
【図6】溝を有する基板に表面形状が凹形状になるよう
に塗布された液状蛍光体と本発明の検査方法により得ら
れる輝度信号波形を表す簡略図である。
【図7】3つの溝幅の溝を有する基板に表面形状が凹形
状になるように塗布された液状蛍光体と本発明の検査方
法により得られる輝度信号波形を表す簡略図である。
【図8】液状蛍光体の表面形状(充填量)と反射光強度
の関係を示す簡略図である。
【図9】液状蛍光体が塗布されなかった場合の溝表面形
状を示す簡略図である。
【図10】液状蛍光体の充填量がV1の場合の充填後の
表面形状を示す簡略図である。
【図11】液状蛍光体の充填量がV2の場合の充填後の
表面形状を示す簡略図である。
【図12】液状蛍光体の充填量がV3の場合の充填後の
表面形状を示す簡略図である。
【図13】光入反射角度θ’時に溝底面から開口角内に
反射する反射光の様子を示す簡略図である。
【図14】光入反射角度θ’時に液状蛍光体表面から開
口角内に反射する反射光の様子を示す簡略図である。
【図15】光入反射角度θ時に溝底面から開口角内に反
射する反射光の様子を示す簡略図である。
【図16】光入反射角度θ時に液状蛍光体表面から開口
角内に反射する反射光の様子を示す簡略図である。
【図17】本検査方法を実現する検査装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
10…PDP 11…PDP背面板 12…PDP前面板 100…ガラス基板 101…アドレス電極 102…誘電体層 103…隔壁 104…赤色蛍光体層 105…緑色蛍光体層 106…青色蛍光体層 107…表示電極 108…誘電体層 109…保護膜 110…プラズマ 115…隔壁によって形成された溝幅Lの溝 116…隔壁によって形成された溝幅L1の溝 117…隔壁によって形成された溝幅L2の溝 118…隔壁によって形成された溝幅L3の溝 210…ガラス基板を洗浄、乾燥させる工程 220…直線状パターン電極を形成する工程 230…誘電体膜を形成する工程 240…隔壁を形成する工程 250…隔壁間に蛍光体層を形成する工程 251…隔壁間に液状蛍光体を塗布する工程 252…液状蛍光体の塗布状態を検査する工程 253…液状蛍光体を乾燥させる工程 300…溝を有する基板 400…3つの溝幅の溝を有する基板 500、502、600、602、700、702…そ
れぞれの溝に正常に塗布された液状蛍光体 501、601、701…溝に塗布されなかった部分を
有する液状蛍光体 503、603、703…溝に塗布されるべきだったが
塗布されなかった液状蛍光体 510、512、610、612、710、712…液
状蛍光体表面からの反射光輝度ピーク 511、611、711…溝に塗布されなかった部分を
有する液状蛍光体表面からの反射光輝度ピーク 513、613、713…塗布されなかった液状蛍光体
からの反射光輝度ピーク 520、620、720…輝度信号波形 530、532…液状蛍光体表面からの反射光輝度ピー
クの抜き出された値 531…溝に塗布されなかった部分を有する液状蛍光体
表面からの反射光輝度ピークの抜き出された値 533…塗布されなかった液状蛍光体からの反射光輝度
ピークの抜き出された値540…輝度ピーク波形 550…スレッショルド 710’、712’…光入反射角度最適化後の液状蛍光
体表面からの反射光輝度ピーク 711’…光入反射角度最適化後の溝に塗布されなかっ
た部分を有する液状蛍光体表面からの反射光輝度ピーク 713’…光入反射角度最適化後の塗布されなかった液
状蛍光体からの反射光輝度ピーク 720’…輝度信号波形 900…塗布抜け時の溝断面 901…溝の開口角内反射光を反射可能な部分 1000…表面が凹形状の液状蛍光体の断面 1001…表面が凹形状の液状蛍光体の開口角内反射光
を反射可能な部分 1100…表面がフラット形状の液状蛍光体の断面 1101…表面がフラット形状の液状蛍光体の開口角内
反射光を反射可能な部分 1200…表面が凸形状の液状蛍光体の断面 1201…表面が凸形状の液状蛍光体の開口角内反射光
を反射可能な部分 1300…溝底部で光が角度θ’で入反射している様子 1400…液状蛍光体表面で光が角度θ’で入反射して
いる様子 1500…溝底部で光が角度θで入反射している様子 1600…液状蛍光体表面で光が角度θで入反射してい
る様子 1701…照射手段 1702…受光手段 1703…信号処理手段 1704…入射光 1705…反射光 1706…照明手段と撮像手段を移動させるための移動
手段 1707…基板搬送手段 1708…光源部 1709…出射口 1710…光伝送部 1711…光拡散手段 1712…光偏光方向選択手段 1713…受光部 1714…角度調節機構部 E、F、G、I、J、K…隔壁 a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l…隔
壁によって形成された溝幅Lの溝 a’、d’、g’、j’…隔壁によって形成された溝幅
がL3の溝 b’、e’、h’、k’…隔壁によって形成された溝幅
がL1の溝 c’、f’、i’、l’…隔壁によって形成された溝幅
がL2の溝 P0…塗布抜け時に得られる反射光輝度 P1…液状蛍光体の充填量がV1の時に得られる反射光
輝度 P2…液状蛍光体の充填量がV2の時に得られる反射光
輝度 P3…液状蛍光体の充填量がV3の時に得られる反射光
輝度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA49 AA56 BB02 BB18 CC21 DD04 FF04 FF41 GG02 HH12 JJ01 JJ02 JJ08 JJ17 JJ25 LL01 LL33 LL34 LL49 QQ05 QQ31 2G051 AA90 AB07 BB01 BC05 CB01 CD03 DA06 2G086 EE10 EE12 2H088 FA11 FA16 FA17 FA24 FA30 HA01 KA01 MA16 2H090 JA13 JB02 JC18 JD14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上の隔壁によって形成された複数本の
    所定の繰り返しパターンの溝に塗布された液状体の表面
    へ入射角θで入射させた光を液状体の表面で反射させて
    得られた反射光のうち、少なくとも反射角θの反射光を
    捉えて、その反射光の強度を測定する基板の検査方法で
    あって、前記入射角θを、液状体を塗布しない状態の溝
    底部に光を入射角θで入射させて得られた反射角θの反
    射光が、隔壁に遮断される角度とすることを特徴とする
    基板の検査方法。
  2. 【請求項2】所定の繰り返しパターンを構成する複数本
    の溝が少なくとも2種類の溝幅を有し、同じ溝幅を有す
    る複数本の溝に対して同種の液状体が選択的に塗布され
    たことを特徴とする請求項1に記載の基板の検査方法。
  3. 【請求項3】入射光に対する基板の位置を、基板に形成
    されている溝と交差する方向に相対的に移動させること
    を特徴とする請求項1または2に記載の基板の検査方
    法。
  4. 【請求項4】溝を形成する隔壁の高さをH、液状体の表
    面高さをHp、隔壁により形成された液状体を塗布する
    溝の幅をLα、隔壁により形成された液状体を塗布しな
    い溝の幅をLβとした際、光の入射角θが式1を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基板
    の検査方法。 【数1】
  5. 【請求項5】基板上の隔壁によって形成された複数本の
    所定の繰り返しパターンの溝に塗布された液状体の表面
    に光を入射させる照射手段と、液状体の表面で反射した
    反射光のうち、少なくとも反射角が入射角と同じである
    反射光を受光する受光手段とを備えた基板検査装置であ
    って、照射手段と受光手段が、液状体を塗布しない状態
    の溝底部からの反射光が隔壁に遮断される光入反射角θ
    でそれぞれ光を照射、受光可能なように設置されている
    ことを特徴とする基板検査装置。
  6. 【請求項6】基板もしくは照射手段と受光手段の少なく
    とも一方が、基板に形成されている溝と交差する方向に
    移動可能に設けられていることを特徴とする請求項5に
    記載の基板検査装置。
  7. 【請求項7】溝を形成する隔壁の高さをH、液状体の表
    面高さをHp、隔壁により形成された液状体を塗布する
    溝の幅をLα、隔壁により形成された液状体を塗布しな
    い溝の幅をLβとした際、光の入射角θが式2を満たす
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の基板検査装
    置。 【数2】
  8. 【請求項8】液状体の塗布装置と、液状体の乾燥装置
    と、請求項5〜7のいずれかに記載の検査装置とを備え
    ている複数の溝に蛍光体を有する基板の製造装置。
  9. 【請求項9】複数の溝を有する基板の溝に液状体を塗布
    する塗布工程と塗布した液状体を乾燥させる乾燥工程を
    有する基板の製造方法において、塗布工程と乾燥工程と
    の間で請求項1〜4のいずれかの方法で液状体を検査す
    る検査工程を有することを特徴とする基板の製造方法。
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