JP2003074499A - 送風機及びこれを使用した空気調和機 - Google Patents

送風機及びこれを使用した空気調和機

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JP2003074499A
JP2003074499A JP2001268203A JP2001268203A JP2003074499A JP 2003074499 A JP2003074499 A JP 2003074499A JP 2001268203 A JP2001268203 A JP 2001268203A JP 2001268203 A JP2001268203 A JP 2001268203A JP 2003074499 A JP2003074499 A JP 2003074499A
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blade
air
blower
flow
blade surface
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English (en)
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Masatoshi Watanabe
昌俊 渡辺
Shinichi Shimoide
新一 下出
Toshio Otaguro
俊夫 大田黒
Makoto Nagai
誠 長井
Ryoji Sato
良次 佐藤
Hiroyasu Yoneyama
裕康 米山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】騒音が低減された送風機及びこれを用いた空気
調和機を提供する。 【解決手段】回転軸の周りに配置され回転して空気を送
風する複数の翼を有する送風機であって、前記翼内に設
けられた吸音部材と、この吸音部材が設けられた位置の
前記翼面に設けられ翼面上を流れる前記空気の流れを乱
す手段と、この乱す手段により乱れた空気が流れる前記
翼面上の位置に設けられ前記吸音部材と連通した開口と
を備えた送風機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】送風機及びこれを使用する装
置に関し、特には、送風機から発生する騒音を低減する
手段を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】送風機の翼から生じる音を低減する技術
としては、特開平5-196243号公報(従来技術1)に記載
のものがある。
【0003】これらは、主に空気調和機室外機に用いら
れる軸流形式の送風機に適用されるものであり、翼を、
連続気孔を持つポーラス材で構成し、翼の一方の面から
他方の面(圧力面から負圧面)に連通された連続した孔
から、上記二面の間の圧力差で、空気を一方の面の速度
の遅い領域に供給することにより、運動量が失われた速
度の遅い領域に、翼面に沿った流れ方向の空気を導入し
て、流れの速度を保とうとする技術である。
【0004】この従来技術は、上記負圧面での空気の流
れ方向の運動量を増加させることにより、空気が翼から
の剥離を抑制して、剥離により生じる騒音の低減を狙う
ものである。また、負圧面での流れが剥離して乱流とな
ることより生じる空気流れの音をポーラス材の連続した
孔により吸収して低減するものである。
【0005】また、送風機の翼表面に多数の凸凹部を設
けた技術として、特開平6-159297号公報(従来技術2)
がある。これらは、主に空気調和機室外機に用いられる
軸流形式の送風機に適用されるものであり、翼表面の一
方の面に多数の凸凹部を設けることにより、翼表面付近
の流れを乱すものである。
【0006】この従来技術は、翼表面を流れる空気流れ
のうちで運動エネルギの乏しいより翼表面に近い領域を
流れる空気流れを、主流領域(翼から離れた、運動エネ
ルギの十分ある領域)と、凸凹により生じる乱れにより
混合させ、流れの運動エネルギを主流から翼表面付近の
流れに供給することにより、剥離を抑制するものであ
る。この剥離を抑制することにより、翼の性能を向上
し、送風機の回転数を下げ、騒音を低減しようとするも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来技
術1では、翼表面のうちの一方の面から他方の面に空気
が流れるように構成されており、両面の間で空気が流れ
ない構成と比べて両面の間の圧力差が小さくなるので、
翼自体の性能が低下してしまう。このため、所定の性能
を得るためには、回転数を上げる必要があり、音の増加
が生じてしまい、折角、発生音を低減する構成を備えて
も、結果として音が増大してしまうか、或いは音を低く
しようとして送風機としての性能が低下してしまうとい
う問題が生じてしまう。
【0008】さらに、このような翼表面に多数の凸凹部
を設けた技術は、翼の性能向上に伴って作動される回転
数が低減可能となることによる騒音低減であり、乱れに
よる高い周波数の乱流騒音の増加は抑制できず、発生す
る騒音そのものを低減するものではない。
【0009】また、騒音の周波数と吸音材による吸音の
効果との間には、吸音する部材の厚さ(音が通過する部
材の厚さ)の大小により、吸音する周波数が低周波数側
に広くなるという関係がある。つまり、吸音材厚さが薄
い場合には限られた高い周波数に音の低減の効果が大き
いが低周波数の音には効果が小さく、厚さが厚くなると
低い周波数まで吸音の効果が大きくなるという関係があ
る。一般には、吸音材の厚さは、吸音したい音の波長の
1/4以上の場合効果があり、それ以下の厚さでは効果
が小さいことが知られている。
【0010】このため、上記吸音材を翼の内側に有する
構造を騒音発生源である翼に持たせたとしても、騒音の
周波数が高いもののみが低減され、低い周波数の音は低
減されない。
【0011】さらには、吸音材として用いられる多孔質
のポーラス材は、一般的な内部が詰まった(中実な)部
材と比べ引っ張り強度、剛性が小さく、翼の強度が低下
してしまい振動、騒音が生じやすくなる。
【0012】この結果、却って騒音が増大したり、翼の
送風性能の低下が生じたりしてしまう点については、上
記従来技術2では考慮されていなかった。
【0013】本発明は、騒音が低減された送風機及びこ
れを用いた冷凍空調装置を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、回転軸の周
りに配置され回転して空気を送風する複数の翼を有する
送風機であって、前記翼内に設けられた吸音部材と、こ
の吸音部材が設けられた位置の前記翼面に設けられ翼面
上を流れる前記空気の流れを乱す手段と、この乱す手段
により乱れた空気が流れる前記翼面上の位置に設けられ
前記吸音部材と連通した開口とを備えた送風機により達
成される。
【0015】また、回転軸の周りに配置され回転して空
気を送風する複数の翼を有する送風機であって、前記翼
面上に設けられこの翼面上に空気の流れに乱れを起こす
手段と、前記乱れた空気が流れる翼面上に設けられ前記
翼の内側に配置された複数の気孔に連通した複数の開口
とを備えた送風機により達成される。
【0016】さらに、前記吸音部材が複数の気孔を有す
る多孔質の部材を備えたことにより達成される。
【0017】さらに、前記乱れた空気が流れる翼面が多
孔質の部材で形成されたことにより達成される。
【0018】また、上記目的は、圧縮機と、室内及び室
外に各々配置された熱交換器と、膨張手段と、冷媒の流
れを切替える手段と、これらを連結し内部を冷媒が流れ
る冷媒管とを有し、前記室外の熱交換器に送風する第1
の送風機と、前記室内の熱交換器により空気を供給して
熱交換された空気を室内に送風する第2の送風機とを備
えた空気調和機であって、前記第1または第2の送風機
は、回転軸の周りに配置され回転して空気を送風する複
数の翼と、この翼面上に設けられこの翼面上に空気の流
れに乱れを起こす手段と、前記乱れた空気が流れる翼面
上に設けられ前記翼の内側に配置された複数の気孔に連
通した複数の開口とを備えた空気調和機により達成され
る。
【0019】
【発明の実施形態】本発明の第一の実施例について、図
面を参照しながら説明する。図1、及び図2は、本発明
の第1の実施例に係る送風機を適用した空気調和機室内
機の縦断面図及び、図1に示す送風機の羽根車の斜視図
である。図3は、図1に示す羽根車の翼の断面図であ
る。図4は、図1に示す実施例に係る送風機の作用を説
明する摸式図である。
【0020】本実施例の空気調和機室内機は、図1に示
すように、パネル部1、吸込み部2、吐出し部3、熱交
換器4、筐体5、羽根車駆動装置(モータ)6、吸込み
ガイド7、本発明による羽根車8から構成される。図に
示した矢印は、空気の流れを示しており、装置内部の羽
根車8が羽根車駆動装置(モータ)6により回転するこ
とにより、室内の空気を吸込み部2から吸込まれ、吸込
みガイド7、羽根車8、熱交換器4をへて、加熱、冷却
され、吐出し部3から室内へ吐出される。
【0021】羽根車は、図2に示すように、ハブ21、
シュラウド22、翼23、駆動装置取り付け部24から
構成される。図中の矢印は回転方向を示す。翼23は、
連続気孔をもつポーラスな材料で形成されており、翼2
3の回転方向と反対側の負圧を発生する翼面の表面に
は、多数の突起25が設けてある。
【0022】本明細書では、送風機の回転により生じる
翼周囲の相対的な流れについて、流れに対向する面(図
3,6,7,8における紙面上方の面)で紙面上向きの
力、圧力が生じる構成となっており、この面に対向する
面(紙面下方の面)では紙面下向きの力、圧力が生じ
る。以下、この前者の圧力を正圧、後者の圧力を負圧と
称する。
【0023】図3は、図2に示す羽根車の、ハブ21、
シュラウド22の中間での断面であり、翼23部分を拡
大してある。図3において、翼31断面は、正圧を生じ
る第1面32、負圧を生じる第2面33に分けられ、第
1面32から第2面33に連続する多数の穴や気孔を有
する多孔質(ポーラス)の材料で構成されている。ま
た、第2面33には、突起34が多数設けてある。翼3
1の第1面32、第2面33間の流れは、図に示すよう
に、回転により圧力面32側に沿うように流れ、第2面
側33では、速度は遅くなり第2面33表面に沿う方向
の運動量が減少し、剥離しやすくなっている。本実施例
では突起が設けられているが、凹み等表面の流れに乱れ
を生起させる手段であれば良い。
【0024】図4は、図3のA領域を拡大して示す翼の
翼面に垂直な方向の断面図であり、本発明の作用と従来
技術の作用とを比較する図である。図4において、
(a)は、翼41の材料が、ポーラスでなく、表面に突
起が無い場合、(b)は、翼41の材料はポーラスでな
いが、表面に突起42がある場合、(c)は、翼41の
材料はポーラスであるが、突起がない場合、(d)は、
本発明に基づく構造で、翼41の材料がポーラスであ
り、突起42がある場合を示す断面図である。
【0025】以下、それぞれについて説明する。(a)
は、従来技術による送風機の羽根車であり、その表面と
内部とが樹脂や、金属等で形成されている。この翼の表
面の空気の流れは、翼41の面上に生じる負圧が大きく
なる部分の近傍で、剥離が起こり大きな剥離渦がその翼
面上の流れの中にに発生している。また、剥離渦に起因
して上記負圧を発生する面上で生じる流れの圧力の変動
により、低い周波数の騒音が発生している。
【0026】一方、(b)は、前記従来技術で示したよ
うに、翼面上に凸凹部のみを設けたものである。この例
では、突起42のみが設けられているが、凹み部を設け
た場合も同様である。翼41の生じる負圧が大きくなる
面上で、突起42によって流れが乱され、流れ内に小さ
な渦が発生する。この渦により、空気の流れの剥離が抑
えられている。しかし、ここでも、負圧が大きくなる面
上での圧力変動により、小さい渦に起因した高い周波数
の騒音が発生する。
【0027】ここで、負圧面に突起を設けたことによる
騒音の周波数変化を図5に示す。突起がない場合に対し
て、騒音の周波数は、低い周波数51のレベルが低下
し、高い周波数52に移行していることがわかる。
【0028】次に、図4(c)は、上記従来技術で示し
た、翼を連続した気孔を有する多孔質材料(ポーラス
材)で構成したもの、あるいは、多孔質材料(ポーラス
材)を翼41の表面の板材の内側に充填した例であり、
翼41の負圧を発生する面では、流れの剥離が起こり易
くなり、この剥離による空気の渦が翼41表面近くに発
生している。図中の、一方の面から他方の面(負圧を発
生する面)へ連続して開けられた孔は、空気の振動であ
る音を翼41面上に形成された孔から翼内部へ導入して
翼内の複数の穴や気孔内に伝播させる。つまり、音の空
気の振動は、翼内部の空間に伝えられる。
【0029】翼内部に配置された多孔質材が有する複雑
な孔(穴)の形状は、音が孔の内部を伝搬する際に、壁
との摩擦等により、そのエネルギの一部を、熱エネルギ
に変えて、音のエネルギーを減衰させる役目を果たす。
この場合、気孔の形状が複雑で長い程音の減衰は大きく
なるが、孔は翼の両面の間を連続する必要はなく、出口
のない穴形状であってもよい。以下、孔についてはこれ
ら両者を含むものとして記載する。通常、この減衰は、
音の周波数が高いほど顕著であり、流れの音は、エネル
ギ減衰分だけ小さくなって騒音として使用者に届くこと
になる。
【0030】この騒音は、上記の通り、高い周波数成分
が効果的に低減されて観測されるが、音の発生源である
翼表面の流れの圧力変動を作り出す剥離渦が大きい場合
には、発生する音の周波数は低いものが多く含まれるこ
とになり、上記の多孔質材の音の減衰の大きな効果は望
めない。
【0031】(d)は本発明に基づく翼41である。翼
41の負圧面で、突起42の効果により、突起とこの後
方の位置において流れが乱され、小さな渦が発生し、剥
離が抑えられている。また、翼41がポーラス材料で構
成されているため、翼面で発生した小さな渦に起因した
乱れによル表面の圧力変動は、乱流が生じている位置の
翼面に形成された多孔質材の複数の孔から翼41内部に
伝達され、翼41内部の多数の孔で構成された空間内で
壁との摩擦により減衰される。この場合、音源である圧
力変動が、小さな渦スケールに基づく高い周波数の変動
であるために、発生源である圧力変動自体が低減され、
発生騒音は低減される。
【0032】本実施例では、多孔質の部材で翼を形成し
ているが、翼表面を板材で形成し、その板材の内側に吸
音部材を配置してもよい。また、この吸音部材は、前記
翼面を形成する板材上の突起の近傍或いはそれにより生
起される乱流が生じる突起の後流側に開口された孔によ
り翼表面側と連通し、乱流により生じる音が、孔を介し
て翼内部の吸音部材に伝達されるように構成する。
【0033】これらの効果により、騒音の発生自体が抑
えられると共に、発生した騒音も効果的に吸音されるた
めに、騒音が(c)に比べて効率的に低減される。ま
た、このように、大きな渦を、小さな渦にするための突
起の高さは、翼表面からとった運動量を失った流れの厚
さに関係している。羽根車内の相対的な速度の最大値
は、羽根車入口における翼に対する相対的な速度に依存
することが多く、また、翼面上の運動量を失った流れの
厚さは、流れの慣性力の強さに依存する。このため、羽
根車入口の相対速度w1と、羽根車出口径寸法D2を用いた
レイノルズ数(Re=w1D2/ν:ν動粘性係数)を用いて、
0.5*D2/√Re〜2*D2//√Reに突起高さを設定することが
効果的と考えられる。
【0034】また、突起により、翼面周囲の流れの剥離
が抑えられるので、送風性能が向上する。このことは、
翼面の一方の面から他方の面へ連続した孔を開けるこ
とにより、両面の間の圧力差が小さくなることによる翼
の性能の低下を補うことができるものである。
【0035】このように、本発明では、突起による性能
確保と、突起により騒音源である圧力変動の周波数を高
くしている。これにより、孔による音源である圧力変動
の低減効果を増大させる、また、突起により騒音の周波
数を高くし、孔による騒音の吸音効果を増大させるとい
った孔と突起の相乗効果により、性能を維持しながら、
騒音を低減することが可能となる。
【0036】(e)に示すように、孔が連続していない
場合は、表面の圧力変動は翼内部全体に透過することが
抑制され、大きな減衰効果を奏することはできない。そ
のために、(d)に示すような効果は望めず、(a)若し
くは突起を設けたとしても(b)程度の効果である。
【0037】また、図6に示すように、負圧を発生する
面62だけでなく、対向する反対の翼面61上にも突起
63を設け、上記効果を用いることにより、圧力面61
からの騒音の低減を行うことができる。本発明の突起位
置は、剥離が生じる位置の上流側に突起を設けられる。
特に、負圧力を発生する面では、かなり上流から、剥離
が生じる可能性があるために、翼の入口から翼の出口ま
での長さの30%の位置以降に設置することが望ましい。
逆に、正圧を発生する面側では、下流側で剥離が生じや
すいので、翼の入口から、翼の入口から翼の出口までの
長さの70%の位置以降に設置することが望ましい。
【0038】次に、本発明の第二の実施例の羽根車の翼
断面について、図面を参照しながら説明する。本実施例
の羽根車は、図1に示す空気調和機室内機等に適用さ
れ、図2と類似した外観を有している。図7は、本実施
例の係る送風機の羽根車の翼の構成を示す断面図であ
る。
【0039】図7において、翼断面は、正圧を発生する
第1面71、及び負圧を発生する第2面72とを有し、
第2面72から第1面付近71に連続する気孔をもつポ
ーラスな材料74で構成されている。
【0040】また、第2面72には、突起75が複数設
けてあり、第1面71は表面に孔のない材料73で構成
されている。翼の第2面72では、突起75により、流
れが乱され、小さな渦が発生し、運動量失った流れに、
主流から運動量が供給され、剥離が抑えられている。
【0041】また、翼の第2面72の表面から翼の内部
にかけて、多数の穴や気孔を有する多孔質材(ポーラス
材)74で構成されているため、第2面上で発生した流
れの小さなの乱れ起因する翼表面の圧力変動は、翼の内
部に伝達され、振動として伝達される音は翼内部の多孔
による複雑な空間内で、壁との摩擦により、そのエネル
ギを失い、減衰される。
【0042】音源である圧力変動は、上記突起75によ
って起こされる渦が、突起を有さない場合と比べ相対的
に小さな渦となることから、より高い周波数成分を多く
含む変動となる。このため、発生源である圧力変動自体
が低減され易く、さらに、負圧面で発生した音は、翼内
部に伝達され、翼内部の多数の孔による経路内で、その
エネルギを失い、減衰される。
【0043】本実施例では、流れから発生する音は、相
対的に小さな渦に起因した高い周波数の騒音であるため
に、翼内部での減衰の効果が大きく、騒音は大きく低減
される。また、 正圧を生じる第1面には上記多孔質材
の孔に連通する孔がないか、孔の数は第2面のものと比
して非常に少なくなっている。このため、第1面と第2
面との間の空気の連通が抑制され、第1面と第2面との
圧力差が大きく確保でき、翼としての送風性能の低下が
抑制される。
【0044】以上のように、上記実施例では、翼表面上
に設けた突起による、送風性能の向上と圧力変動の周波
数の高周波数の成分を相対的に大きくすることとの作用
と、翼の表面から内部に形成した複数の孔による音のエ
ネルギの減衰による音の低減との相乗効果により、性能
を向上し、騒音を低減することが可能となる。
【0045】上記第2の実施例では、圧力面上の孔の無
いまたは孔の少い材料は、翼の前縁から、後縁まで設け
る必要はない。求められる性能の必要に対応できる領域
に設けることができる。また、正圧を発生する第1面を
孔のない材料で構成する以外の手法として、第1面と負
圧を発生する第2面との間に孔のない或いは孔の数の少
ない材料の板上の部材を配置し、この部材の第1,2面
側に多孔質の材料からなる吸音部材を配置しても良い。
この場合、第一の実施例のように、第1面での吸音及び
圧力の変動を抑制する効果もあるので、第二の実施例に
比べ、騒音低減の効果が大きくなる。
【0046】図8に、第1,2面間に孔のない或いは孔
の数の少ない材料を挟んで配置したものを含む第二の実
施例及びその変形例を示す。図8は、第2の実施例の変
形例の送風機に係る翼の構成を示す断面図である。
【0047】(a)は、正圧が発生する第1面81の前
縁付近に孔のない材料82を設けたものである。また、
(b)は、圧力面83の後縁付近に孔のない材料84を
設けたもの、(c)は圧力面85の前縁から、後縁付近
まで孔のない材料86を設けたもの、(d)は、負圧面
89前縁付近から圧力面87後縁まで孔のない材料88
を設けたもの、(e)は、圧力面80、負圧面81間に
孔のない材料82を設けたもの、(f)は、圧力面8
3、負圧面84間の一部に孔のない材料85を設けたも
のである。これらの孔のない材料は上記送風性能及び吸
音の性能に応じて孔の少ない材料を選択しても良い。
【0048】第一、第二の実施例の羽根車の翼の構成
は、図1に示す空気調和機室内機だけでなく、空気調和
機室外機の軸流形式の羽根車にも用いることができる。
図9は、本発明の第3の実施例に係る空気調和機室外機
の軸流形式の羽根車の構成を示す断面図である。図10
は、図9に用いられる軸流形式の羽根車の斜視図であ
る。
【0049】図9において、空気調和機室外機は、熱交
換器180、羽根車181、羽根車駆動装置182、筐
体183、吐出しグリル184等から構成され、空気
は、矢印のように熱交換器180側から、羽根車181
を通り、吐出しグリル184から吐出される。図10に
示す羽根車は、ボス190、羽根車を構成する複数の翼
191からなり負圧面上に複数の突起193が設けられ
ている。翼断面は、第一、第二の実施例のように構成さ
れている。
【0050】図11は、本発明の第3の実施例に係る空
気調和機室の構成の概略を示す斜視図である。室外機
は、本発明を使用したプロペラファン200、熱交換器
201、ガード202、圧縮機203、室内、外をつな
ぐ配管204等から構成され、室内機は、吸込み口20
5、パネル206、熱交換機207、本発明を使用した
遠心ファン208、グリル209から構成される。
【0051】上記実施例に係る翼の成形方法について以
下説明する。 第一の実施例の翼は、突起を設けた型で
いったん羽根車を成形し、表面から腐蝕させることによ
り、内部に圧力面から負圧面に連続する孔を作成する、
あるいは、ポーラスな樹脂、金属を切削し、加工しても
よい。これらの製造方法は、羽根車を作成する手間を少
なくすることができるので、安価に製造することが可能
となる。また、従来用いていた方法で成形した羽根車に
対しても適用可能である。
【0052】第二の実施例の翼は、先ず孔が形成されて
いない材料で羽根車を形成し、表面に多孔質の材料を塗
布することにより突起のない状態を作り、更に例えば樹
脂などで作成した突起形状のものを接合することで形成
される。また、第1面、第2面間に孔のない或いは少な
い材料を配置するものは、翼形状の型の内側に孔のない
部材あるいは少ない板状の部材を配置し、これを挟んで
両側から多孔質部材を充填して硬化させることで形成さ
れる。あるいは、板の両側から塗布して形成しても良
い。
【0053】また、表面に突起のついた羽根車を作成
し、圧力面、負圧面から腐蝕させて孔を多数形成し、第
1面からの腐蝕と第2面からの腐蝕とが到達しない状態
で腐食を止めることで、形成できる。この場合、羽根車
の作成には、従来と同様の製造工程に、腐蝕の工程が入
るだけで済み、比較的安価に製造可能となる。
【0054】本実施例の送風機を室内機に用いる場合
は、たばこの煙、油等による羽根車表面の汚染が突起
や、孔の効果を低減させる問題があり、室外機に用いる
場合は、着霜や、凍結等が突起や、孔の効果を低減させ
る問題があり、効果を持続させるためには、洗浄や、除
霜等の手法と組み合わせて用いることが必要である。
【0055】洗浄は、羽根車内部に翼のポーラス部分に
通じる管路をあらかじめ設けておき、空気、洗浄液等を
翼内部に加圧して供給することにより、表面の孔を塞ぐ
汚れを排除する方法が考えられる。また、この方法と、
全体を洗浄する事を組み合わせ、全体も洗浄する等が考
えられる。また、凍結、霜などは、翼にヒータを取り付
けても良い。
【0056】なお、上記実施例では、空気調和機とこれ
に用いられる送風機を例として説明したが、他の冷凍サ
イクルを用いる装置、例えば、冷凍機、冷蔵庫等に用い
ても、同様に、送風の性能の向上及び送風機からの騒音
の低減を達成することができる。
【0057】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、騒音が低
減された送風機及びこれを用いた空気調和機を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る送風機を適用した
空気調和機室内機の縦断面図である。
【図2】図1に示す送風機の羽根車の斜視図である。
【図3】図1に示す羽根車の翼の断面図である。
【図4】図1に示す実施例に係る送風機の作用を説明す
る摸式図である。
【図5】負圧面に突起を設けたことによる騒音の周波数
変化を示すグラフである。
【図6】図1に示す実施例の変形例に係る羽根車の翼の
構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例の係る送風機の羽根車の
翼の構成を示す断面図である。
【図8】第2の実施例の変形例の送風機に係る翼の構成
を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る空気調和機室外機
の構造を示す断面図である。
【図10】図9に示す羽根車の斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施例に係る空気調和機室の
構成の概略を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パネル部 2 吸込み部 3 吐出し部 4 熱交換器 5 筐体 6 羽根車駆動装置(モータ) 7 吸込みガイド 8 本発明による羽根車 21 ハブ 22 シュラウド 23 翼 24 駆動装置取り付け部 25 突起 31 圧力面 32 負圧面 33 突起 41 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大田黒 俊夫 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 長井 誠 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 佐藤 良次 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 米山 裕康 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 Fターム(参考) 3H033 AA02 BB02 BB08 BB20 CC01 DD02 EE06 EE08 3H035 CC01 CC07 3L049 BB05 BB07 BB10 BC01 BC02 BC03 BD03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸の周りに配置され回転して空気を送
    風する複数の翼を有する送風機であって、 前記翼内に設けられた吸音部材と、この吸音部材が設け
    られた位置の前記翼面に設けられ翼面上を流れる前記空
    気の流れを乱す手段と、この乱す手段により乱れた空気
    が流れる前記翼面上の位置に設けられ前記吸音部材と連
    通した開口とを備えた送風機。
  2. 【請求項2】回転軸の周りに配置され回転して空気を送
    風する複数の翼を有する送風機であって、 前記翼面上に設けられこの翼面上に空気の流れに乱れを
    起こす手段と、前記乱れた空気が流れる翼面上に設けら
    れ前記翼の内側に配置された複数の気孔に連通した複数
    の開口とを備えた送風機。
  3. 【請求項3】前記吸音部材が複数の気孔を有する多孔質
    の部材を備えた請求項1に記載の送風機。
  4. 【請求項4】前記乱れた空気が流れる翼面が多孔質の部
    材で形成された請求項1乃至3に記載の送風機。
  5. 【請求項5】圧縮機と、室内及び室外に各々配置された
    熱交換器と、膨張手段と、冷媒の流れを切替える手段
    と、これらを連結し内部を冷媒が流れる冷媒管とを有
    し、前記室外の熱交換器に送風する第1の送風機と、前
    記室内の熱交換器により空気を供給して熱交換された空
    気を室内に送風する第2の送風機とを備えた空気調和機
    であって、 前記第1または第2の送風機は、回転軸の周りに配置さ
    れ回転して空気を送風する複数の翼と、この翼面上に設
    けられこの翼面上に空気の流れに乱れを起こす手段と、
    前記乱れた空気が流れる翼面上に設けられ前記翼の内側
    に配置された複数の気孔に連通した複数の開口とを備え
    た空気調和機。
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