JP2003074422A - エバポガスパージシステムのリーク診断装置 - Google Patents

エバポガスパージシステムのリーク診断装置

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JP2003074422A JP2001266638A JP2001266638A JP2003074422A JP 2003074422 A JP2003074422 A JP 2003074422A JP 2001266638 A JP2001266638 A JP 2001266638A JP 2001266638 A JP2001266638 A JP 2001266638A JP 2003074422 A JP2003074422 A JP 2003074422A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン停止後にエバポ系を密閉してリーク
診断を行う場合に、リーク診断終了後にエバポ系を大気
に開放したときに、キャニスタ内に吸着されている燃料
成分が大気中に吹き飛ばされることを未然に防止できる
ようにする。 【解決手段】 エンジン停止後のリーク診断期間中に、
エバポ系を密閉し、該エバポ系の圧力が所定の制限圧に
達する毎に該エバポ系を一時的に開放して該エバポ系の
圧力を大気圧付近まで低下させてから再密閉するという
動作を繰り返す。このリーク診断期間内にエバポ系の圧
力の検出値を所定の演算周期で積算する。この際、エバ
ポ系の圧力が所定の制限圧に達した回数に応じてエバポ
系の圧力の検出値を補正して積算し、この積算値をリー
ク判定値と比較してエバポ系のリークの有無を診断す
る。尚、リーク診断期間内にエバポ系の圧力が所定の制
限圧に達した回数に基づいてエバポ系のリークの有無を
診断しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク内の燃
料が蒸発して生じたエバポガス(燃料蒸発ガス)を内燃
機関の吸気系にパージ(放出)するエバポガスパージシ
ステムのリーク診断を行うエバポガスパージシステムの
リーク診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エバポガスパージシステムに
おいては、燃料タンク内から発生するエバポガスが大気
中に漏れ出すことを防止するため、燃料タンク内のエバ
ポガスをエバポ通路を通してキャニスタ内に吸着すると
共に、このキャニスタ内に吸着されているエバポガスを
内燃機関の吸気系へパージするパージ通路の途中にパー
ジ制御弁を設け、内燃機関の運転状態に応じてパージ制
御弁の開閉を制御することによって、キャニスタから吸
気系へパージするエバポガスのパージ流量を制御するよ
うになっている。このエバポガスパージシステムから大
気中にエバポガスが漏れる状態が長期間放置されるのを
防止するために、エバポガスの漏れを早期に検出する必
要がある。
【0003】そこで、燃料タンク内の圧力(以下「タン
ク内圧力」という)を検出する圧力センサを設け、内燃
機関の運転中にパージ制御弁を開弁して吸気系から燃料
タンク内に負圧を導入した後、パージ制御弁を閉弁し
て、パージ制御弁から燃料タンクまでのエバポ系を密閉
した状態で、タンク内圧の変化量を測定して、このタン
ク内圧の変化量をリーク判定値と比較することで、エバ
ポ系のリーク(漏れ)の有無を診断するようにしたもの
がある。この場合、エバポ系にリークが無ければ、タン
ク内圧変化量は、エバポガスの発生量に応じた値とな
り、リーク判定値よりも小さくなるが、リークが発生し
ていれば、タンク内圧変化量がリーク分だけ大きくな
り、リーク判定値以上となる。
【0004】一般に、リーク診断は、内燃機関の運転条
件の変化の影響を受けないようにアイドル運転時や低速
走行時等の安定した運転条件下で行われるため、リーク
検出精度を高めるために、タンク内圧変化量の測定時間
を長い時間に設定すると、内燃機関の運転中にリーク診
断を開始しても、そのリーク診断の途中で、内燃機関の
運転条件が変化したり、内燃機関の運転が停止されたり
して、リーク診断が中止される回数が大幅に増えてしま
い、内燃機関の運転中にリーク診断が最後まで行われる
回数が極端に少なくなってしまう。
【0005】そこで、米国特許第5263462号公報
に示すように、内燃機関の運転停止後に、エバポ系を密
閉してエバポ系の圧力(タンク内圧力)を検出し、その
圧力に基づいてエバポ系のリークの有無を診断すること
が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関を
ある程度の時間運転すると、排気系の熱や燃料噴射弁側
から燃料タンク内に戻されるリターン燃料によって燃料
タンク内の燃料温度が上昇してエバポガスが発生しやす
い状態となるため、エバポ系にリークが無ければ、内燃
機関の運転停止後にエバポ系を密閉すると、その後のエ
バポガスの発生によってエバポ系の圧力が上昇する。リ
ーク診断終了後は、キャニスタの大気開閉弁を開放して
エバポ系を大気に連通させるため、リーク診断中にエバ
ポ系の圧力が高くなり過ぎると、リーク診断終了後にキ
ャニスタの大気開閉弁を開放したときに、燃料タンク内
の高圧のエバポガスがキャニスタ内を吹き抜けて大気連
通孔から大気中に勢い良く吹き出し、それによって、キ
ャニスタ内に吸着されている燃料成分が大気中に吹き飛
ばされてしまうという不具合が発生する。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、内燃機関運転停止後
にエバポ系を密閉してリーク診断を行う場合に、リーク
診断終了後にエバポ系を大気に開放したときに、キャニ
スタ内に吸着されている燃料成分が大気中に吹き飛ばさ
れることを未然に防止できるエバポガスパージシステム
のリーク診断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1のエバポガスパージシステムのリ
ーク診断装置は、内燃機関運転停止後のリーク診断期間
中に、密閉手段によってエバポ系を密閉し、該エバポ系
の圧力が所定の制限圧に達する毎に該エバポ系を一時的
に開放して該エバポ系の圧力を大気圧付近まで低下させ
てから再密閉するという動作を繰り返す。そして、この
リーク診断期間内にエバポ系の圧力を内圧検出手段で検
出し、その検出圧力に基づいて、リーク診断手段によっ
てエバポ系のリークの有無を診断する。この場合、リー
ク診断期間中のエバポ系の圧力が所定の制限圧以下に制
限されるため、リーク診断終了時のエバポ系の圧力も所
定の制限圧以下に制限される。これにより、リーク診断
終了後に、キャニスタの大気開閉弁を開放してエバポ系
を大気に連通させたときに、キャニスタ内をエバポガス
が勢い良く吹き抜けることが未然に防止され、キャニス
タ内の燃料成分が大気中に吹き飛ばされてしまうことが
未然に防止される。
【0009】この場合、請求項2のように、リーク診断
期間内の内圧検出手段の検出圧力を所定の演算周期で積
算し、その積算値に基づいてエバポ系のリークの有無を
診断するようにしても良い。このようにすれば、リーク
診断期間中のエバポ系の圧力の経時的変化も考慮してリ
ーク診断を行うことができ、リーク診断精度を向上する
ことができる。
【0010】更に、請求項3のように、内圧検出手段の
検出圧力を積算する際に、エバポ系の圧力が所定の制限
圧に達した回数に応じて内圧検出手段の検出圧力を補正
して積算するようにすると良い。このようにすれば、リ
ーク診断期間中にエバポ系の圧力を所定の制限圧以下に
制限しても、内圧検出手段の検出圧力を、エバポ系の圧
力上昇を制限しない場合のエバポ系の圧力相当値に補正
することができ、エバポ系の圧力上昇を制限しない場合
とほぼ同様の条件で精度の良いリーク診断を行うことが
できる。
【0011】また、請求項4のように、リーク診断期間
内にエバポ系の圧力が所定の制限圧に達した回数に基づ
いてエバポ系のリークの有無を診断するようにしても良
い。つまり、エバポ系にリークが発生していると、リー
ク診断期間中のエバポ系の圧力上昇が少なくなり、エバ
ポ系の圧力が所定の制限圧まで上昇するまでの時間が長
くなったり、或は、大量リークが発生している場合はエ
バポ系の圧力が所定の制限圧まで上昇しなくなるため、
リーク診断期間内にエバポ系の圧力が所定の制限圧に達
した回数が所定回数よりも少ないか否かで、リークの有
無を診断することができる。
【0012】この場合、請求項5のように、リーク診断
期間内にエバポ系の圧力が所定の制限圧に達した回数が
所定回数に達した時点で、リーク無しと診断してリーク
診断を終了するようにしても良い。このようにすれば、
内燃機関運転停止後のリーク診断に要する時間(消費電
力)を減らすことができ、その分、バッテリの負担を軽
減することができる。
【0013】また、請求項6のように、エバポ系の圧力
が所定の制限圧に達するまでの時間に基づいてエバポ系
のリークの有無を診断するようにしても良い。つまり、
エバポ系の圧力が所定の制限圧に達するまでの時間が所
定時間よりも長いか否かで、リークの有無を診断するこ
とができる。
【0014】この場合、請求項7のように、リーク診断
開始から所定時間経過してもエバポ系の圧力が所定の制
限圧に達しないときは、リーク有りと診断してリーク診
断を終了するようにしても良い。このようにすれば、内
燃機関運転停止後のリーク診断に要する時間(消費電
力)を減らすことができ、その分、バッテリの負担を軽
減することができる。
【0015】また、請求項8のように、燃料タンクを樹
脂で形成しても良い。このように、燃料タンクを樹脂で
形成すれば、従来の金属製の燃料タンクと比較して、錆
等による燃料タンクの劣化が発生せず、燃料タンクの耐
久性を向上することができる。しかし、樹脂製の燃料タ
ンクは、金属製の燃料タンクと比較して強度が弱いた
め、タンク内圧が高くなり過ぎると変形してエバポ系の
圧力が変動するおそれがあるが、本発明では、リーク診
断期間中のエバポ系の圧力を所定の制限圧以下に制限す
るため、燃料タンクが樹脂製であっても、リーク診断時
の圧力上昇による燃料タンクの変形を防止することがで
きる。これにより、燃料タンクの変形による圧力変動を
防止でき、リーク診断の信頼性を向上することができ
る。
【0016】また、請求項9のように、リーク診断実行
条件判定手段によって燃料タンク内のエバポガス発生状
態に相関するパラメータ(例えば燃料温度)を判定して
その判定結果に基づいてリーク診断の許可/禁止を判定
するようにしても良い。つまり、内燃機関運転停止後に
エバポ系のリーク診断を行うためには、リーク無しの場
合にエバポガスの発生によってエバポ系の圧力がある程
度上昇する環境になっている必要がある。エバポガスの
発生量が少ないときにリーク診断を行っても、エバポ系
の圧力上昇が少ないため、リーク有りとリーク無しの場
合のエバポ系の圧力の違いが少なく、両者を精度良く区
別するのが困難である。従って、請求項9のように、燃
料タンク内のエバポガス発生状態に相関するパラメータ
(例えば燃料温度)に基づいてリーク診断の許可/禁止
を判定すれば、リーク有りとリーク無しの場合のエバポ
系の圧力の違いが明瞭に現れるエバポガス発生状態にな
っている場合のみ、リーク診断を実施することができ、
リーク診断精度を向上することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】[実施形態(1)]以下、本発明
の実施形態(1)を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエバポガスパージシステムの構成
を説明する。樹脂で形成した燃料タンク11には、エバ
ポ通路12を介してキャニスタ13が接続されている。
このキャニスタ13内には、エバポガス(燃料蒸発ガ
ス)を吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容さ
れている。また、キャニスタ13の底面部の大気連通孔
には、大気開閉弁14が取り付けられている。
【0018】この大気開閉弁14は、常開型の電磁弁に
より構成され、通電がオフされている状態では、開弁状
態に保持されて、キャニスタ13の大気連通孔が大気に
開放された状態に保たれる。この大気開閉弁14は、通
電すると閉弁し、キャニスタ13の大気連通孔が閉塞さ
れた状態になる。
【0019】一方、キャニスタ13とエンジン吸気系と
の間には、キャニスタ22内の吸着体に吸着されている
エバポガスをエンジン吸気系にパージ(放出)するため
のパージ通路15が設けられ、このパージ通路15の途
中に、パージ流量を制御するパージ制御弁16が設けら
れている。このパージ制御弁16は、常閉型の電磁弁に
より構成され、通電をデューティ制御することで、キャ
ニスタ13からエンジン吸気系へのエバポガスのパージ
流量を制御するようになっている。
【0020】また、燃料タンク11には、その内圧を検
出するタンク内圧センサ17(内圧検出手段)が設けら
れている。燃料タンク11内からパージ制御弁16まで
のエバポ系が密閉されている時には、燃料タンク11の
内圧とエバポ系の他の部位の内圧が一致するため、タン
ク内圧センサ17により燃料タンク11の内圧(以下
「タンク内圧」という)を検出することで、エバポ系の
圧力を検出することができる。
【0021】燃料タンク11には、燃料残量を検出する
燃料レベルセンサ18と燃料温度を検出する燃料温度セ
ンサ26が設けられている。その他、エンジン冷却水温
を検出する水温センサ19、吸気温を検出する吸気温セ
ンサ20等の各種のセンサが設けられている。
【0022】これら各種のセンサの出力は、制御回路2
1に入力される。この制御回路21の電源端子には、メ
インリレー22を介して車載バッテリ(図示せず)から
電源電圧が供給される。この他、大気開閉弁14、パー
ジ制御弁16、タンク内圧センサ17及び燃料レベルセ
ンサ18に対しても、メインリレー22を介して電源電
圧が供給される。メインリレー22のリレー接点22a
を駆動するリレー駆動コイル22bは、制御回路21の
メインリレーコントロール端子に接続され、このリレー
駆動コイル22bに通電することで、リレー接点22a
がオン(ON)して、制御回路21、大気開閉弁14、
パージ制御弁16、タンク内圧センサ17及び燃料レベ
ルセンサ18に電源電圧が供給される。そして、リレー
駆動コイル22bへの通電をオフ(OFF)すること
で、リレー接点22aがオフして、制御回路21等への
電源供給がオフされる。制御回路21のキーSW端子に
は、イグニッションスイッチ23のオン/オフ信号が入
力される。また、制御回路21には、バックアップ電源
24と、このバックアップ電源24を電源として計時動
作するソークタイマ25が内蔵されている。このソーク
タイマ25は、エンジン停止後(イグニッションスイッ
チ23のオフ後)に計時動作を開始してエンジン停止後
の経過時間を計測する。
【0023】制御回路21は、マイクロコンピュータを
主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶さ
れた燃料噴射制御ルーチン、点火制御ルーチン及びパー
ジ制御ルーチンを実行することで、燃料噴射制御、点火
制御及びパージ制御を行う。更に、この制御回路21
は、ROMに記憶された図2及び図3に示すリーク診断
ルーチンを実行することで、エンジン停止後(イグニッ
ションスイッチ23のオフ後)にエバポ系のリーク診断
を実行し、リーク有りと判定したときには、警告ランプ
27を点灯(又は点滅)させて運転者に警告する。ま
た、制御回路21はROMに記憶された図4に示すメイ
ンリレー制御ルーチンを実行することで、エンジン運転
停止後にリーク診断を実行する際に必要な部品(制御回
路21、大気開閉弁14等)に電源電圧を供給する。
【0024】ここで、エンジン運転停止後のリーク診断
の手法を図5に基づいて説明する。エンジン停止後(イ
グニッションスイッチ23のオフ後)に、直ちにパージ
制御弁16を閉弁し、且つ大気開閉弁14を閉弁してエ
バポ系を密閉する。エンジン停止直後は、排気系の温度
が高いため、その熱で燃料タンク11内の燃料温度がエ
バポガスの発生しやすい温度に保たれてエバポガスの発
生量が多くなるため、エンジン停止直後にエバポ系を密
閉すれば、リーク無しの場合にエバポガスの発生による
タンク内圧上昇量(エバポ系の圧力上昇量)が大きくな
る。
【0025】一方、リーク有りの場合は、エバポ系を密
閉しても、エバポ系のリーク孔からエバポガスが大気中
に漏れるため、エバポ系密閉後のタンク内圧(エバポ系
の圧力)の上昇が少なくなる。
【0026】リーク診断期間中は、エバポ系を密閉する
が、タンク内圧が所定の制限圧に達する毎に、キャニス
タ13の大気開閉弁14を一時的に開放してエバポ系内
に大気圧を導入してタンク内圧を大気圧付近まで急低下
させてから該大気開閉弁14を閉鎖してエバポ系を再密
閉するという動作を繰り返す。この場合、制限圧は、リ
ーク診断終了後の大気開閉弁14の開放時に発生するキ
ャニスタ13内を吹き抜けるエバポガスの流れによって
キャニスタ13内の燃料成分が大気中に吹き飛ばされる
ことを防止できるタンク内圧の範囲内の上限値付近に設
定されている。
【0027】本実施形態(1)では、リーク診断期間中
のタンク内圧の挙動を数値化するために、リーク診断期
間中にタンク内圧センサ17によりゲージ圧(大気圧基
準)で検出したタンク内圧(ゲージ圧=絶対圧−大気
圧)を所定の演算周期で積算し、リーク診断終了時に、
このタンク内圧積算値をリーク判定値と比較してリーク
の有無を診断する。この場合、タンク内圧の検出値を積
算する際に、タンク内圧が所定の制限圧に到達した回数
Cに応じて、次式によりタンク内圧の検出値を補正して
積算する。
【0028】補正後のタンク内圧検出値=補正前のタン
ク内圧検出値+制限圧×C 以上説明したエバポ系のリーク診断は、図2及び図3の
リーク診断ルーチンによって次のようにして実行され
る。図2及び図3のリーク診断ルーチンは、制御回路2
1の電源供給中(メインリレー22のオン時)に周期的
に実行され、次のようにしてエンジン停止後にエバポ系
のリーク診断を実行する。本ルーチンが起動されると、
まずステップ101で、エンジン停止後(イグニッショ
ンスイッチ23のオフ後)であるか否かを判定し、エン
ジン運転中であれば、以降の処理を行うことなく、本ル
ーチンを終了する。
【0029】一方、上記ステップ101で、エンジン停
止後(イグニッションスイッチ23のオフ後)と判定さ
れれば、次のステップ102に進み、リーク診断実行条
件が成立しているか否かを判定する。このリーク診断実
行条件としては、例えば、燃料温度センサ26で検出し
た燃料温度がエバポガスの発生しやすい所定温度以上で
あることであり、燃料温度が所定温度以上であれば、リ
ーク診断実行条件が成立する。
【0030】つまり、エンジン停止後にエバポ系のリー
ク診断を行うためには、リーク無しの場合にエバポガス
の発生によってタンク内圧がある程度上昇する環境にな
っている必要があり、そのためには、燃料温度がある程
度高くなっている必要がある。エバポガスの発生量が少
ないときにリーク診断を行っても、タンク内圧の上昇が
少ないため、リーク有りとリーク無しの場合のタンク内
圧の違いが少なく、両者を精度良く区別するのが困難で
ある。従って、燃料温度が所定温度以上であるか否か
で、リーク診断実行条件が成立しているか否かを判定す
れば、リーク有りとリーク無しの場合のタンク内圧の違
いが明瞭に現れるエバポガス発生状態になっている場合
のみ、リーク診断を実施することができ、リーク診断精
度を向上することができる。上記ステップ102の処理
が特許請求の範囲でいうリーク診断実行条件判定手段と
しての役割を果たす。
【0031】上記ステップ102で、燃料温度が所定温
度未満で、リーク診断実行条件が成立しないと判定され
れば、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了す
る。一方、燃料温度が所定温度以上で、リーク診断実行
条件が成立していると判定されれば、ステップ103以
降のリーク診断処理を次のようにして実行する。まず、
ステップ103で、パージ制御弁16を閉弁し、次のス
テップ104で、大気開閉弁14を閉弁してエバポ系を
密閉する。これらステップ103、104の処理が後述
するステップ109、111、112の処理と共に特許
請求の範囲でいう密閉手段としての役割を果たす。
【0032】この後、ステップ105に進み、燃料レベ
ルセンサ18の出力信号を読み込んで燃料タンク11内
の燃料残量Lを検出した後、リーク診断開始後(エバポ
系の密閉後)の経過時間を計測するタイマTimer1 をリ
セットすると共に、タンク内圧Pa が制限圧Pref に到
達した回数をカウントするカウンタCをリセットする。
この後、ステップ106に進み、タンク内圧センサ17
の出力信号を読み込んで今回のタンク内圧Pa を検出
し、次のステップ107で、前回までのタンク内圧積算
値Ptotal に今回のタンク内圧Pa を加算してタンク内
圧積算値Ptotalを更新する。この際、今回のタンク内
圧Pa は、タンク内圧Pa が制限圧Prefに到達した回
数(カウンタCの値)に応じて補正される。 Ptotal =Ptotal +Pa +Pref ×C
【0033】この後、ステップ108に進み、前回のタ
イマTimer1 の値に演算周期Aを加算して、タイマTim
er1 のカウント値を更新する。そして、次のステップ1
09で、タンク内圧Pa が制限圧Pref に到達したか否
かを判定し、タンク内圧Paが制限圧Pref に到達して
いなければ、ステップ110に進み、タイマTimer1の
値(リーク診断開始後の経過時間)が所定値αを越えた
か否かを判定し、所定値αを越えていなければ、ステッ
プ106に戻る。これにより、タイマTimer1の値が所
定値αを越えるまで、所定の演算周期Aでタンク内圧P
a を積算してタンク内圧積算値Ptotal を更新する処理
を繰り返す。
【0034】このリーク診断期間中に、タンク内圧Pa
が制限圧Pref に到達した時点で、ステップ109で
「Yes」と判定されてステップ111に進み、大気開
閉弁14を一時的に開弁してエバポ系内に大気圧を導入
してタンク内圧Pa を大気圧付近まで急低下させてか
ら、該大気開閉弁14を閉鎖してエバポ系を再密閉する
(ステップ112)。そして、次のステップ113で、
タンク内圧Pa が制限圧Pref に到達した回数をカウン
トするカウンタCをインクリメントして、ステップ10
6に戻り、所定の演算周期Aでタンク内圧Pa を積算し
てタンク内圧積算値Ptotal を更新する処理を繰り返
す。
【0035】その後、タイマTimer1 の値が所定値αを
越えた時点で、ステップ110で「Yes」と判定され
て、図3のステップ114に進み、現在の燃料残量Lに
応じたリーク判定値f1(L)を、燃料残量Lをパラメータ
とするリーク判定値マップから読み込む(又は数式によ
り算出する)。この後、ステップ115に進み、タンク
内圧積算値Ptotal をリーク判定値f1(L)と比較し、タ
ンク内圧積算値Ptotal がリーク判定値f1(L)よりも大
きければ、ステップ116に進み、リーク無し(正常)
と判定し、次のステップ119で、大気開閉弁14を開
弁してリーク診断を終了する。
【0036】これに対し、上記ステップ115で、タン
ク内圧積算値Ptotal がリーク判定値f1(L)以下と判定
されれば、ステップ117に進み、リーク有り(異常)
と判定して、次のステップ118で、警告ランプ27を
点灯して運転者に警告すると共に、異常コードを制御回
路21のバックアップRAM(図示せず)に記憶し、次
のステップ119で、大気開閉弁14を開弁してリーク
診断を終了する。尚、上記ステップ106〜119の処
理が特許請求の範囲でいうリーク診断手段としての役割
を果たす。
【0037】一方、図4のメインリレー制御ルーチン
は、所定時間毎に実行され、次のようにしてメインリレ
ー22のオン/オフ(ON/OFF)を制御する。本ル
ーチンが起動されると、まずステップ201で、イグニ
ッションスイッチ(以下「IGスイッチ」と表記する)
23がオンされているか否か、つまりエンジン運転中で
あるか否かを判定し、IGスイッチ23がオン状態(エ
ンジン運転中)であれば、ステップ205に進み、メイ
ンリレー22をオン状態に維持して、制御回路21、大
気開閉弁14、パージ制御弁16、タンク内圧センサ1
7及び燃料レベルセンサ18に電源電圧を供給する。
【0038】その後、IGスイッチ23がオンからオフ
に切り換えられた時点で、ステップ201で「No」と
判定されてステップ202に進み、前記図2のリーク診
断ルーチンによってリーク診断を実行している途中であ
るか否かを判定し、リーク診断を実行していなければ、
ステップ204に進み、メインリレー22をオフして、
制御回路21、大気開閉弁14、パージ制御弁16、タ
ンク内圧センサ17及び燃料レベルセンサ18への電源
供給を遮断する。
【0039】これに対し、上記ステップ202で、リー
ク診断実行中であると判定された場合は、ステップ20
3に進み、電源電圧がエンジン始動性を確保できる所定
電圧よりも高いか否かを判定し、電源電圧が所定電圧以
下であれば、ステップ204に進み、リーク診断の途中
であっても、メインリレー22をオフして、制御回路2
1、大気開閉弁14等への電源供給を遮断してリーク診
断を中止し、バッテリの消耗を防ぐ。
【0040】一方、電源電圧が所定電圧よりも高けれ
ば、ステップ205に進み、IGスイッチ23のオフ後
(エンジン停止後)であっても、メインリレー22をオ
ン状態に維持して、リーク診断の継続に必要な部品(制
御回路21、大気開閉弁14等)への電源供給を継続す
る。そして、このリーク診断が終了した時点で、ステッ
プ202で「No」と判定されて、ステップ204に進
み、メインリレー22をオフして、制御回路21、大気
開閉弁14等への電源供給を遮断する。
【0041】以上説明した本実施形態(1)では、エン
ジン運転停止後のリーク診断期間中に、タンク内圧Pa
が所定の制限圧Pref に達する毎に、キャニスタ13の
大気開閉弁14を一時的に開放してタンク内圧Pa を大
気圧付近まで低下させてから大気開閉弁14を閉鎖して
エバポ系を再密閉するという動作を繰り返すようにした
ので、リーク診断終了時のタンク内圧Pa も所定の制限
圧Pref 以下に制限することができる。これにより、リ
ーク診断終了後に、キャニスタ13の大気開閉弁14を
開放してエバポ系を大気に連通させたときに、キャニス
タ13内をエバポガスが勢い良く吹き抜けることを未然
に防止でき、キャニスタ13内の燃料成分が大気中に吹
き飛ばされてしまうことを未然に防止できる。
【0042】しかも、本実施形態(1)では、リーク診
断期間内のタンク内圧Pa を所定の演算周期Aで積算し
てリーク診断パラメータ(タンク内圧積算値)を求める
際に、タンク内圧Pa が所定の制限圧Pref に達した回
数に応じてタンク内圧Pa を補正して積算するようにし
たので、リーク診断期間中にタンク内圧Pa を所定の制
限圧Pref 以下に制限しても、タンク内圧Pa の上昇を
制限しない場合のタンク内圧相当値を得ることができ、
タンク内圧Pa の上昇を制限しない場合とほぼ同様の条
件で精度の良いリーク診断を行うことができる。
【0043】更に、本実施形態(1)では、燃料温度セ
ンサ26で検出した燃料温度がエバポガスの発生しやす
い所定温度以上であるか否かによって、リーク診断を許
可/禁止するようにしたので、リーク有りとリーク無し
の場合のタンク内圧の違いが明瞭に現れるエバポガス発
生状態になっている場合のみ、リーク診断を実施するこ
とができ、リーク診断精度を向上することができる。
【0044】尚、燃料タンク11内の燃料温度は、停止
前のエンジン運転状態又は走行履歴に基づいて推定する
ようにしても良い。燃料タンク11内の燃料温度を上昇
させる主な要因は、排気系の熱や、燃料噴射弁側から燃
料タンク11内に戻されるリターン燃料であり、これら
はエンジン運転状態や走行履歴に基づいて推定すること
ができる。従って、停止前のエンジン運転状態又は走行
履歴に基づいて燃料タンク11内の燃料温度を推定する
ことができ、それによって、燃料温度センサ26が不要
となるため、低コスト化の要求も満たすことができる。
【0045】ところで、本実施形態(1)のように、燃
料タンク11を樹脂で形成すると、従来の金属製の燃料
タンクと比較して、錆等による燃料タンク11の劣化が
発生せず、燃料タンク11の耐久性を向上できるという
利点がある。しかし、樹脂製の燃料タンク11は、金属
製の燃料タンクと比較して強度が弱いため、タンク内圧
が高くなり過ぎると変形してタンク内圧Pa が変動する
おそれがある。
【0046】その点、本実施形態(1)では、リーク診
断期間中のタンク内圧Pa を所定の制限圧Pref 以下に
制限するため、燃料タンク11が樹脂製であっても、リ
ーク診断時の圧力上昇による燃料タンク11の変形を防
止することができる。これにより、燃料タンク11の変
形による圧力変動を防止でき、リーク診断の信頼性を向
上することができる。しかしながら、本発明は、金属製
の燃料タンクを用いても良く、この場合でも本発明の所
期の目的は十分に達成することができる。
【0047】[実施形態(2)]上記実施形態(1)で
は、リーク診断期間中のタンク内圧積算値をリーク判定
値と比較してリークの有無を診断するようにしたが、図
6乃至図8に示す本発明の実施形態(2)では、リーク
診断期間中に、タンク内圧Pa が大気圧付近から所定の
制限圧Pref に達するまでの時間T(1) 、T(2) 、T
(3) …を測定し、リーク診断期間の終了時に、この時間
T(1) 、T(2) 、T(3) …の平均時間Tavを算出し、こ
の平均時間Tavがリーク判定値f2(L)よりも長いか否か
でリークの有無を診断するようにしている。つまり、エ
バポ系にリークが発生していると、リーク診断期間中の
タンク内圧Pa の上昇が少なくなり、タンク内圧Pa が
制限圧Pref まで上昇するまでの時間T(1) 、T(2) 、
T(3) …が長くなったり、或は、大量リークが発生して
いる場合はタンク内圧Pa が制限圧Pref まで上昇しな
くなるため、タンク内圧Pa が制限圧Pref に達するま
での平均時間Tavがリーク判定値f2(L)よりも長いか否
かで、リークの有無を診断することができる。
【0048】本実施形態(2)で実行する図6及び図7
のリーク診断ルーチンは、前記実施形態(1)で説明し
た図2及び図3のリーク診断ルーチンのステップ107
の処理を省略し、その代わりに、ステップ105a、1
08a、113a、114a、114b、115aの処
理を変更・追加したものであり、他の各ステップの処理
は同じである。
【0049】図6及び図7のリーク診断ルーチンでは、
ステップ101〜104の処理で、エンジン停止後にエ
バポ系を密閉した後、ステップ105aに進み、燃料タ
ンク11内の燃料残量Lを検出した後、リーク診断開始
後(エバポ系の密閉後)の経過時間を計測するタイマT
imer1 をリセットすると共に、タンク内圧Pa が大気圧
付近から所定の制限圧Pref に達するまでの時間T(C)
を計測するタイマTimer2 をリセットし、更に、タンク
内圧Pa が制限圧Pref に到達した回数をカウントする
カウンタCをリセットする。
【0050】この後、ステップ106に進み、タンク内
圧センサ17により今回のタンク内圧Pa を検出し、次
のステップ108aで、前回のタイマTimer1 、Timer
2 の値にそれぞれ演算周期Aを加算して、タイマTimer
1 、Timer2 のカウント値を更新する。
【0051】このリーク診断期間中に、タンク内圧Pa
が制限圧Pref に到達する毎に、キャニスタ13の大気
開閉弁14を一時的に開放してタンク内圧Pa を大気圧
付近まで低下させてから大気開閉弁14を閉鎖してエバ
ポ系を再密閉するという動作を繰り返す(ステップ10
9〜112)。更に、タンク内圧Pa が制限圧Prefに
到達する毎に、タンク内圧Pa が制限圧Pref に到達し
た回数をカウントするカウンタCをインクリメントする
と共に、タンク内圧Pa が大気圧付近から制限圧Pref
に達するまでの時間T(C) を、その時点のタイマTimer
2 の値から読み取って記憶して(ステップ113a)、
ステップ106に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0052】その後、タイマTimer1 の値が所定値αを
越えた時点で、ステップ110で「Yes」と判定され
て、図7のステップ114aに進み、現在の燃料残量L
に応じたリーク判定値f2(L)を、燃料残量Lをパラメー
タとするリーク判定値マップから読み込む(又は数式に
より算出する)。この後、ステップ114bに進み、上
記ステップ113aで記憶した時間T(1) 、T(2) 、T
(3) …の平均時間Tavを算出する。この際、カウンタC
=0の場合(リーク診断期間中にタンク内圧Pa が制限
圧Pref に全く到達しなかった場合)は、平均時間Tav
を最大時間(例えばリーク診断時間)に設定する。
【0053】この後、ステップ115aに進み、平均時
間Tavをリーク判定値f2(L)と比較し、平均時間Tavが
リーク判定値f2(L)よりも短ければ、ステップ116に
進み、リーク無し(正常)と判定し、次のステップ11
9で、大気開閉弁14を開弁してリーク診断を終了す
る。
【0054】これに対し、上記ステップ115aで、平
均時間Tavがリーク判定値f2(L)以上と判定されれば、
ステップ117に進み、リーク有り(異常)と判定し
て、次のステップ118で、警告ランプ27を点灯して
運転者に警告すると共に、異常コードを制御回路21の
バックアップRAM(図示せず)に記憶し、次のステッ
プ119で、大気開閉弁14を開弁してリーク診断を終
了する。以上説明した本実施形態(2)においても、前
記実施形態(1)と同様の効果を得ることができる。
【0055】尚、本実施形態(2)では、タンク内圧P
a が大気圧付近から制限圧Pref に達するまでの時間T
(1) 、T(2) 、T(3) …の平均時間Tavを算出し、この
平均時間Tavがリーク判定値f2(L)よりも長いか否かで
リークの有無を診断するようにしたが、リーク診断開始
後にタンク内圧Pa が最初に制限圧Pref に到達するま
での時間T(1) がリーク判定値よりも長いか否かでリー
クの有無を診断するようにしても良く、或は、タンク内
圧Pa が制限圧Pref に到達する回数が所定回数Nのと
きの時間T(N) がリーク判定値よりも長いか否かでリー
クの有無を診断するようにしても良い。これらの場合
は、時間T(1) 又は時間T(N) の測定後に直ちにリーク
診断を終了するようにすると良い。
【0056】また、リーク診断開始から所定時間経過し
てもタンク内圧Pa が制限圧Prefに達しないときは、
リーク有りと診断してリーク診断を終了するようにして
も良い。このようにすれば、エンジン停止後のリーク診
断に要する時間(消費電力)を減らすことができ、その
分、バッテリの負担を軽減することができる。
【0057】[実施形態(3)]図9及び図10に示す
本発明の実施形態(3)では、リーク診断期間中に、タ
ンク内圧Pa が大気圧付近から所定の制限圧Pref に達
した回数Cをカウントし、その回数Cがリーク判定値f
3(L)よりも少ないか否かでリークの有無を診断するよう
にしている。つまり、エバポ系にリークが発生している
と、リーク診断期間中のタンク内圧Pa の上昇が少なく
なり、タンク内圧Pa が制限圧Pref まで上昇するまで
の時間が長くなったり、或は、大量リークが発生してい
る場合はタンク内圧Pa が制限圧Pref まで上昇しなく
なるため、タンク内圧Pa が制限圧Pref に達した回数
Cがリーク判定値f3(L)よりも少ないか否かで、リーク
の有無を診断することができる。
【0058】本実施形態(3)で実行する図9及び図1
0のリーク診断ルーチンは、前記実施形態(1)で説明
した図2及び図3のリーク診断ルーチンのステップ10
7の処理を省略し、ステップ114c、115bの処理
を変更したものであり、他の各ステップの処理は同じで
ある。
【0059】図9及び図10のリーク診断ルーチンで
は、ステップ101〜104の処理で、エンジン停止後
にエバポ系を密閉した後、ステップ105に進み、燃料
タンク11内の燃料残量Lを検出した後、リーク診断開
始後(エバポ系の密閉後)の経過時間を計測するタイマ
Timer1 をリセットすると共に、タンク内圧Pa が制限
圧Pref に到達した回数をカウントするカウンタCをリ
セットする。この後、ステップ106に進み、タンク内
圧センサ17により今回のタンク内圧Pa を検出し、次
のステップ108で、前回のタイマTimer1 の値に演算
周期Aを加算して、タイマTimer1 のカウント値を更新
する。
【0060】このリーク診断期間中に、タンク内圧Pa
が制限圧Pref に到達する毎に、キャニスタ13の大気
開閉弁14を一時的に開放してタンク内圧を大気圧付近
まで低下させてから大気開閉弁14を閉鎖してエバポ系
を再密閉するという動作を繰り返す(ステップ109〜
112)。更に、タンク内圧Pa が制限圧Pref に到達
する毎に、タンク内圧Pa が制限圧Pref に到達した回
数をカウントするカウンタCをインクリメントして(ス
テップ113)、ステップ106に戻り、上述した処理
を繰り返す。
【0061】その後、タイマTimer1 の値が所定値αを
越えた時点で、ステップ110で「Yes」と判定され
て、図10のステップ114cに進み、現在の燃料残量
Lに応じたリーク判定値f3(L)を、燃料残量Lをパラメ
ータとするリーク判定値マップから読み込む。この後、
ステップ115bに進み、カウンタCの値をリーク判定
値f3(L)と比較し、カウンタCの値がリーク判定値f3
(L)よりも大きければ、ステップ116に進み、リーク
無し(正常)と判定し、次のステップ119で、大気開
閉弁14を開弁してリーク診断を終了する。
【0062】これに対し、上記ステップ115bで、カ
ウンタCの値がリーク判定値f3(L)以下と判定されれ
ば、ステップ117に進み、リーク有り(異常)と判定
して、次のステップ118で、警告ランプ27を点灯し
て運転者に警告すると共に、異常コードを制御回路21
のバックアップRAM(図示せず)に記憶し、次のステ
ップ119で、大気開閉弁14を開弁してリーク診断を
終了する。
【0063】以上説明した本実施形態(3)において
も、前記実施形態(1)と同様の効果を得ることができ
る。尚、リーク診断期間内にタンク内圧Pa が所定の制
限圧Pref に達した回数がリーク判定値f3(L)を越えた
時点で、リーク無しと診断してリーク診断を終了するよ
うにしても良い。このようにすれば、エンジン停止後の
リーク診断に要する時間(消費電力)を減らすことがで
き、その分、バッテリの負担を軽減することができる。
【0064】尚、図1のシステム構成例では、キャニス
タ13の大気開閉弁14を常開型の電磁弁で構成し、リ
ーク診断期間中に大気開閉弁14に通電し続けることに
より大気開閉弁14の閉弁状態を維持するようにした
が、大気開閉弁14の閉弁状態と開弁状態をそれぞれ永
久磁石等で保持する省電力型の大気開閉弁を採用し、大
気開閉弁14の閉弁/開弁の切換時に一時的に通電する
だけで、その後、通電を停止しても大気開閉弁14の閉
弁状態や開弁状態を永久磁石等で維持できるようにして
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエバポガスパ
ージシステムの構成を示す図
【図2】実施形態(1)のリーク診断ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その1)
【図3】実施形態(1)のリーク診断ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その2)
【図4】実施形態(1)のメインリレー制御ルーチンの
処理の流れを示すフローチャート
【図5】実施形態(1)のエンジン停止後のリーク診断
の一例を示すタイムチャート
【図6】実施形態(2)のリーク診断ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その1)
【図7】実施形態(2)のリーク診断ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その2)
【図8】実施形態(2)のエンジン停止後のリーク診断
の一例を示すタイムチャート
【図9】実施形態(3)のリーク診断ルーチンの処理の
流れを示すフローチャート(その1)
【図10】実施形態(3)のリーク診断ルーチンの処理
の流れを示すフローチャート(その2)
【符号の説明】
11…燃料タンク、12…エバポ通路、13…キャニス
タ、14…大気開閉弁、15…パージ通路、16…パー
ジ制御弁、17…タンク内圧センサ(内圧検出手段)、
18…燃料レベルセンサ、19…水温センサ、20…吸
気温センサ、21…制御回路(リーク診断手段,密閉手
段,リーク診断実行条件判定手段)、22…メインリレ
ー、23…イグニッションスイッチ、24…バックアッ
プ電源、25…ソークタイマ、26…燃料温度センサ、
27…警告ランプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若原 啓二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 三輪 真 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D038 CA25 CB01 CC02 CD18 3G044 BA22 CA02 EA36 EA40 EA53 EA55 EA57 FA04 FA13 FA14 FA15 FA23 FA39 GA02 GA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内の燃料が蒸発して生じたエ
    バポガスを内燃機関の吸気系にパージするエバポガスパ
    ージシステムにおいて、 前記燃料タンクを含むエバポ系の圧力を検出する内圧検
    出手段と、 内燃機関運転停止後のリーク診断期間中に前記エバポ系
    を密閉し、該エバポ系の圧力が所定の制限圧に達する毎
    に該エバポ系を一時的に開放して該エバポ系の圧力を大
    気圧付近まで低下させてから再密閉する密閉手段と、 内燃機関運転停止後のリーク診断期間内に前記内圧検出
    手段で検出した圧力に基づいて前記エバポ系のリークの
    有無を診断するリーク診断手段と を備えていることを特徴とするエバポガスパージシステ
    ムのリーク診断装置。
  2. 【請求項2】 前記リーク診断手段は、前記リーク診断
    期間内の前記内圧検出手段の検出圧力を所定の演算周期
    で積算し、その積算値に基づいて前記エバポ系のリーク
    の有無を診断することを特徴とする請求項1に記載のエ
    バポガスパージシステムのリーク診断装置。
  3. 【請求項3】 前記リーク診断手段は、前記内圧検出手
    段の検出圧力を積算する際に、前記エバポ系の圧力が所
    定の制限圧に達した回数に応じて前記内圧検出手段の検
    出圧力を補正して積算することを特徴とする請求項2に
    記載のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  4. 【請求項4】 前記リーク診断手段は、前記リーク診断
    期間内に前記エバポ系の圧力が所定の制限圧に達した回
    数に基づいて前記エバポ系のリークの有無を診断するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエバポガスパージシス
    テムのリーク診断装置。
  5. 【請求項5】 前記リーク診断手段は、前記リーク診断
    期間内に前記エバポ系の圧力が所定の制限圧に達した回
    数が所定回数に達した時点で、リーク無しと診断してリ
    ーク診断を終了することを特徴とする請求項4に記載の
    エバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  6. 【請求項6】 前記リーク診断手段は、前記エバポ系の
    圧力が所定の制限圧に達するまでの時間に基づいて前記
    エバポ系のリークの有無を診断することを特徴とする請
    求項1に記載のエバポガスパージシステムのリーク診断
    装置。
  7. 【請求項7】 前記リーク診断手段は、リーク診断開始
    から所定時間経過しても前記エバポ系の圧力が所定の制
    限圧に達しないときはリーク有りと診断してリーク診断
    を終了することを特徴とする請求項6に記載のエバポガ
    スパージシステムのリーク診断装置。
  8. 【請求項8】 前記燃料タンクは、樹脂で形成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載
    のエバポガスパージシステムのリーク診断装置。
  9. 【請求項9】 前記燃料タンク内のエバポガス発生状態
    に相関するパラメータを判定してその判定結果に基づい
    てリーク診断の許可/禁止を判定するリーク診断実行条
    件判定手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至
    8のいずれかに記載のエバポガスパージシステムのリー
    ク診断装置。
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