JP2003073808A - 表面処理膜 - Google Patents

表面処理膜

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面硬度等の向上を目的として部品の表面に
設ける炭素膜の密着性を向上させる。 【解決手段】 各種鋼、超硬合金、アルミナ、サファイ
ア、ガラス、窒化珪素などの母材表面に、母材とB、A
l、Si、Ge、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、
Hf、Ta、Wの中から選ばれた1種以上の物質とから
成る、厚さ0.5nm以上、10nm以下の混合層を形
成し、その混合層又は混合層上に形成される金属中間層
上に炭素膜を設けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具、金型、機械
部品、電気部品、電子部品、光学部品、装飾品などに適
用される表面処理膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、工具、金型、機械部品などには、
各種の表面処理が適用されている。皮膜の密着性を得る
ため、種々の方法が適用されており、基材と皮膜とのそ
れぞれに対し親和性が高い中間層を導入することで密着
性を向上させる方法等が典型的な手法である。皮膜が炭
素膜の場合は特に密着性が得難く、以下のような手法が
提案されている。
【0003】例えば、特許第1444896号には、蒸
着炭素と基材との間に、周期律表第4a、5a、6a族
金属などの炭化物、窒化物、酸化物、硼化物などを中間
層として用いる例が挙げられている。
【0004】また、特許第1940883号は、カーボ
ン硬質膜と金属母材との間に、Cr、Tiを主体とする
下層と、SiまたはGeを主体とする上層の2層からな
る中間層を適用している。中間層をさらに積層化して、
下層の第1中間層は基材との親和性を、上層の第2中間
層は炭素膜との親和性を重視した構造となっている。
【0005】特許第2628595号には、Co、C
r、Ni等の金属または合金を中間層としてダイヤモン
ド状カーボンを被覆する例が示されており、中間層の膜
厚は10nm〜100μmという広い範囲が推奨されて
いる。
【0006】特開平8−232067は、硬質炭素より
靱性が大きい中間層を1層以上設ける方法を提案してい
る。
【0007】また、特開平11−49506は、基体を
なす金属の炭化物を含む中間層を介して硬質炭素膜を被
覆する方法を提示している。基体をなす成分を中間層に
含ませることにより基体との親和性を上げ、同時にその
中間層を炭化物とすることで炭素膜との親和性を持たせ
るものである。
【0008】このほか、特開2000−87218は、
非晶質炭素膜と基材の界面に基材構成元素と非晶質炭素
膜構成元素とからなる厚さ10〜500Åの混合層、あ
るいは、基材表面に厚さ10〜1000Åの中間層を形
成し、その中間層と非晶質炭素膜との間に中間層構成元
素と非晶質炭素膜構成元素とからなる厚さ10〜500
Åの混合層を形成する構造を提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにさまざま
な方法が適用されているが、それでも炭素膜の十分な密
着性は得られていない。その原因としては下記の様なも
のが考えられる。
【0010】まず、炭化物中間層を用いる場合、炭素濃
度が安定しにくい問題がある。わずかに合成条件がずれ
ると、基板や下層に対する密着性が悪くなる。上層の炭
素膜との界面の状態も不安定になりやすい。非常に厳密
な制御を行ないながら成膜を行なう必要がある。
【0011】窒化物や酸化物、硼化物は、元来炭素膜と
の親和性がそれほど良くない。したがって上層に他の中
間層をさらに設ける必要があり、積層数、界面が増えて
不安定性が増す。
【0012】SiやGeは炭素膜に対して比較的安定し
た密着性を生じさせる中間層材料であるが、その脆さゆ
え、高負荷用途の部品などには適用が困難である。ま
た、多くの金属基板との親和性が得難い問題も有る。
【0013】また、炭素膜は極めて応力が高い材料であ
る。そこで、中間層に応力を緩和させる機能を合せ持た
せるべく金属などの靱性が高い材料を中間層として導入
し、応力緩和層とする方法があるが、その中間層の部分
で疲労を蓄積し、経時剥離につながりやすい。Co、C
r、Ni等の金属中間層を適用する場合が当てはまる。
【0014】基材と炭素膜、あるいは中間層と炭素膜と
の間に混合層を設ける方法は、炭素膜構成元素を高エネ
ルギーで照射するために、混合層が形成されると同時に
照射表面の温度が上昇し、混合層における炭素がグラフ
ァイト化する問題がある。グラファイト化した炭素成分
は密着性を著しく損なう。
【0015】さらに、炭素膜は300℃以下という比較
的低温で被覆処理されるため、一般的に親和性が高いと
いわれる組み合わせを適用するだけでは界面での十分な
結合が得られない。基体材料を含む中間層を適用する場
合も、処理温度が低いと密着性を確保するのが難しい。
【0016】本発明は、このような炭素膜の密着性を大
幅に改善することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では上記の目的を
達成するために以下の構造を提唱する。
【0018】まず第1に、厚さ0.5nm以上、10n
m以下の母材と金属材料との混合層を設け、その上に炭
素膜を設けるものである。混合層を形成する、金属材料
は、B、Al、Si、Ge、Ti、V、Cr、Zr、N
b、Mo、Hf、Ta、Wの中から選ばれた1種以上の
金属が好ましい。
【0019】母材材料を含む中間層は、例えば特開平1
1−49506などにもあるが、本発明の特徴は、その
厚さが0.5nmから10nmと非常に薄いことと、母
材材料と組み合わされる材料が炭化物や窒化物、酸化物
などの化合物ではなく、金属材料であることの2点であ
る。
【0020】この混合層は厚さが薄いため、いわゆる応
力緩和層としての機能はないが、逆に外力による変形も
なく疲労破壊も発生しにくいと考えられる。この効果を
得るための上限が10nmである。また、0.5nm未
満では混合層が薄すぎて層として存在しえない。混合層
はイオン注入法を適用して合成できる。また、各種PV
D法、CVD法で基板に高い負のバイアスを印加しなが
ら金属材料を成膜することでも得られる。
【0021】母材材料と組み合わされる材料が化合物で
なく金属であることは、合成上の不安定要因を排除する
のに有利である。また、安定な化合物中間層上よりもあ
る程度活性な金属を含む層の上に炭素膜を被覆する方が
炭素膜の密着性が得やすい。炭素との密着性が得られる
金属材料としては、B、Al、Si、Ge、Ti、V、
Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wが適当であ
る。これらの中でも、特にTi、V、Crが好ましい。
【0022】なお、薄い混合層を形成する方法は、例え
ば特開2000−87218に炭素膜と基材、または炭
素膜と中間層との混合層の形で提案されているが、炭素
を混合層に含ませると、前述のようにグラファイト成分
が形成され密着性は得られない。本発明では金属と基材
との混合層を形成する点に特徴がある。
【0023】本発明では第2の構造として、母材と炭素
膜との間にB、Al、Si、Ge、Ti、V、Cr、Z
r、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの中から選ばれた1種
以上の物質からなる中間層を有し、その中間層の少なく
とも母材側が、母材と中間層材料とからなる厚さ0.5
nm以上、10nm以下の混合層であり、中間層の厚さ
が0.5nm以上、10nm以下となるものを提供す
る。
【0024】混合層の上層に混合していない薄い金属層
が形成されているものが含まれ、この点が第1の構造と
の相違点となる。中間層の厚さが0.5nm未満では薄
すぎて層として存在しえない。10nmを超えると疲労
破壊が発生し易くなる。
【0025】上記第1、第2の構造は、いずれも混合層
の厚さが0.5nm以上、5nm以下であるものがなお
好ましい。混合層が薄くなればより疲労破壊が発生しに
くくなる。
【0026】また、どちらの構造も、混合層または混合
層と中間層の平均酸素濃度が1at%以下であることが
望ましい。
【0027】ここでいう混合層または混合層と中間層に
は、母材と混合層、混合層と中間層、混合層と炭素膜、
中間層と炭素膜の境界付近も含まれる。この領域に平均
濃度1at%を超えて酸素が含まれると炭素膜の密着性
が不安定になりやすい。なお、より好ましくは平均酸素
濃度0.5at%以下がよい。
【0028】上述した混合層、中間層の厚さや組成は、
TEM/TED、EDX、SIMS、AES、XPSな
どで分析できる。
【0029】例えば、混合層または混合層と中間層に含
まれる酸素濃度に関しては、以下の方法などで分析でき
る。
【0030】まず、炭素膜を機械研磨などで研磨し、膜
厚0.1μm以下にする。この厚さは薄いほど精度の良
い分析が出来る。この部分をAES法でエッチングしな
がら深さ方向の分析を行なう。モニターする元素は、炭
素、中間層構成元素、混合層構成元素、母材構成元素で
ある。中間層、混合層では、中間層材料が山状の分布を
示す。この山状分布の領域に検出される中間層・混合層
構成元素の量と、この領域に検出される酸素の量とか
ら、酸素の平均的な原子濃度を求められる。この分析方
法は、XPSでも同様である。SIMSでは、あらかじ
めAESやXPSで組成が判っているリファレンスを参
考にして求める。
【0031】部材表面にヌープ硬度が3000以上、7
000以下の炭素膜を設けるときに本構造を適用すると
特に効果的である。炭素膜は一般に応力が高いが、硬度
が高いものほど応力もよりいっそう高くなる。したがっ
て、硬度が高い炭素膜ほど応力に起因して剥離しやすく
なる。そこで、従来技術では特に剥離しやすかったヌー
プ硬度3000以上の炭素膜に本構造を適用すると、従
来適用が困難であった工具や金型、機械部品等への用途
が広がる。ヌープ硬度7000以上では結晶成分が含ま
れ、表面の凹凸が激しくなるため適用用途が限られる。
なお、ダイナミック硬度では、3000kgf/mm 2
以上、7000kgf/mm2 以下とする。
【0032】以上、炭素膜と母材との界面構造を中心に
説明した。以下では本発明で用いる炭素膜を定義する。
【0033】本発明における炭素膜は、sp3構造を一
部に有するアモルファス状の炭素膜あるいは水素化炭素
膜で、非晶質炭素、アモルファスカーボン(a−C、a
−C:H)、i−C(アイ・カーボン)、ダイヤモンド
状炭素(Diamond like carbon;D
LC)、硬質炭素(hard carbon)などとも
呼ばれている。こうした炭素膜は、一般にヌープ硬度が
800〜8000と高硬度で、耐摩耗性が高い。多くの
相手材料に対する摩擦係数が低く、焼き付き難く、離型
性に優れる。科学的にも安定で、酸、アルカリに対して
高い耐食性を有する。
【0034】本炭素膜は、いわゆるダイヤモンドとは異
なる材料である。ダイヤモンドは結晶質であり、硬さは
ビッカース硬度で約9000以上である。電子線回折や
X線回折では、ダイヤモンドからはダイヤモンド構造を
反映した回折像が得られるが、本炭素膜からは非晶質を
反映したハローパターンとなる。ラマン分光分析では、
ダイヤモンドでは1333cm-1付近にダイヤモンド構
造に対応する狭いピークが見られるが、本炭素膜では、
1350cm-1付近と1550cm-1付近に数十〜2百
cm-1の広いピーク構造を示す。屈折率は、ダイヤモン
ドは2.4程度であるが、本炭素膜は1.7〜2.3の
間の値をとる。薄膜の合成温度も、ダイヤモンドは70
0℃以上、一般には800℃から1000℃以上である
が、本炭素膜は450℃以下、一般には300℃以下で
ある。ダイヤモンドの合成には1%前後のメタンなどの
炭化水素ガスに、99%程度の多量の水素ガスを導入し
て合成を行う。多量の原子状水素を発生させ、合成され
る膜中の非晶質成分をこの原子状水素と反応させて除去
するためである。本炭素膜の合成には、雰囲気中に水素
ガスは導入しないのが一般的である。
【0035】
【発明の実施の形態】
【0036】
【実施例1】工具鋼、ステンレス鋼、超硬合金、アルミ
ナ、サファイア、ガラス、窒化珪素からなる基材上に、
各種金属と基材材料との混合層を介して炭素膜を被覆し
た。炭素膜の膜厚は約1μmとした。
【0037】B、Al、Si、Geは非平衡型マグネト
ロンスパッタリング法で、Ti、V、Crは陰極アーク
イオンプレーティング法で、Zr、Nb、Moはイオン
注入法で、Hf、Ta、Wはレーザーアブレーション法
で合成した。
【0038】非平衡型マグネトロンスパッタリング法で
は、原料に上記の金属ターゲットを適用した。雰囲気中
にはアルゴンガスを導入し、ターゲットに負の直流電圧
を印加して放電を発生させた。ターゲット表面よりスパ
ッタされプラズマ中で活性化した金属イオンが、負に印
加した基材上に照射され混合層を形成した。
【0039】カソードアークイオンプレーティング法で
は、原料に上記の金属ターゲットを適用した。ターゲッ
トに負の電位を印加してアーク放電を発生させ、そのエ
ネルギーで金属を蒸発・プラズマ化し、負に印加した基
材上に照射され混合層を形成した。
【0040】イオン注入法では、イオン源より上記の金
属イオンを基材に照射し、混合層を形成した。
【0041】レーザーアブレーション法では、原料に上
記の金属ターゲットを適用した。ターゲットにレーザー
を照射してそのエネルギーで表面の金属を蒸発・プラズ
マ化し、負に印加した基材上に成膜した。
【0042】イオン注入法で混合層を形成したものはそ
の混合層上にマグネトロンスパッタリング法で炭素層を
形成し、それ以外は混合層と同じ手法で炭素層を形成し
た。
【0043】マグネトロンスパッタリング法では、原料
にカーボンターゲットを適用した。雰囲気中にはアルゴ
ンガスまたはアルゴンとメタンの混合ガスを導入し、タ
ーゲットに負の直流電圧を印加して放電を発生させた。
ターゲット表面よりスパッタされプラズマ中で活性化し
た炭素イオンが、プラズマ雰囲気中の炭素イオン、炭化
水素イオンとともに基材上で反応し炭素膜を成膜した。
【0044】得られた炭素膜に関して、ピン・オン・デ
ィスクタイプの摩擦摩耗試験機で摺動試験を行ない、膜
が剥離するまでの時間を調べた。混合層を設けずに基材
上に直接炭素膜を被覆したものについても同様の試験を
行なった。基材の材質、混合層を形成する金属、混合層
の厚さ及び混合層を設けなかった炭素膜に対する混合層
を設けた炭素膜の剥離までの時間の比を、表1に整理し
た。
【0045】
【表1】
【0046】混合層があるものは数倍から10倍の耐久
性を示し、密着性の大幅な向上が確認できた。
【0047】
【実施例2】実施例1と同様の各種機材に対して、金属
と基材材料との混合層、金属中間層を介して炭素膜を被
覆した。炭素膜の膜厚は約0.8μmとした。
【0048】B、Al、Si、Geはレーザーアブレー
ション法で、Ti、Zr、Hfは非平衡型マグネトロン
スパッタリング法で、V、Nb、Taはイオン注入法
で、Cr、Mo、Wは陰極アークイオンプレーティング
法で合成した。
【0049】イオン注入法で混合層を形成したものはマ
グネトロンスパッタリング法で炭素層を形成し、それ以
外は混合層と同じ手法で炭素層を形成した。成膜方法は
実施例1に準ずる。
【0050】得られた炭素膜に関して、リング・オン・
プレートタイプの摩擦摩耗試験機で摺動試験を行ない、
膜が剥離するまでの時間を調べた。混合層を設けずに基
板上に直接炭素膜を被覆したものについても同様の試験
を行なった。基材の材質、混合層の厚さ、中間層を形成
する金属、中間層の厚さ、混合層を設けなかった炭素膜
に対する混合層を設けた炭素膜の剥離までの時間の比
を、表2に整理した。なお、混合層は中間層を形成する
金属と基材材質が混じり合ったものになっている。
【0051】
【表2】
【0052】混合層があるものは数倍から10倍の耐久
性を示し、密着性の大幅な向上が確認できた。
【0053】
【実施例3】工具鋼基材上にTi混合層を介して炭素膜
を、ステンレス鋼基材上にCr混合層・中間層を介して
膜厚約1.5μmの炭素膜を各々被覆した。いずれも混
合層、中間層、炭素層の全てを陰極アークイオンプレー
ティング法で合成した。
【0054】混合層および中間層の平均酸素濃度は、真
空引き時間を変えたり、成膜中に微量の酸素ガスを流す
などして調節した。
【0055】得られた皮膜について、スクラッチ試験に
よる剥離荷重を測定した。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】酸素濃度が低いものほど剥離荷重が高いこ
とが判る。
【0058】
【実施例4】工具鋼基材上に種々の硬さの炭素膜を膜厚
1.5μmで被覆した。Cr混合層2nm、Cr中間層
2nmがあるものと無いものを作製した。
【0059】炭素膜のヌープ硬度と成膜後の外観の観察
結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】混合層、中間層が無いものは、硬度280
0以上で剥離が見られたが、混合層、中間層があるもの
は、全ての硬度において良好であった。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の表面処理
膜は、母材表面に、母材と活性な金属とが混じり合った
厚さ0.5nm以上、10nm以下の極く薄い混合層を
形成し、その混合層上、又は母材との混合がなされてい
ない混合層の上層の金属中間層上に炭素膜を設けて構成
されるので、従来品と比べて炭素膜の密着性が著しく向
上し、耐摩耗性の向上などを目的とした炭素膜を設ける
部品の耐久性を飛躍的に高めることが可能になる。
【0063】混合層の厚さを0.5nm以上、5nm以
下にしたものはその層の疲労破壊がより起こり難く、ま
た、混合層や混合層と中間層の平均酸素濃度を1at%
以下にしたものは炭素膜の密着性がより安定し、炭素膜
の剥離防止効果がより高まる。
【0064】さらに、ヌープ硬度が3000以上、70
00以下の炭素膜を設けるものは、この発明の適用範囲
が拡大し、従来安定した高硬度炭素膜を形成できなかっ
た部品についてもその耐久性を向上させることが可能に
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大原 久典 伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電気工 業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 4G046 CB03 CB08 CC06 4K029 AA02 AA04 AA07 AA09 BA34 BA64 BB02 BD05 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材表面に、母材と、B、Al、Si、
    Ge、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
    a、Wの中から選ばれた1種以上の物質とからなる、厚
    さ0.5nm以上、10nm以下の混合層が形成され、
    その混合層上に炭素膜が形成されていることを特徴とす
    る表面処理膜。
  2. 【請求項2】 母材と炭素膜との間にB、Al、Si、
    Ge、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、T
    a、Wの中から選ばれた1種以上の物質からなる中間層
    を有し、その中間層の少なくとも母材側が、母材と中間
    層材料とからなる厚さ0.5nm以上、10nm以下の
    混合層であり、中間層の厚さが0.5nm以上10nm
    以下であることを特徴とする表面処理膜。
  3. 【請求項3】 混合層の厚さが0.5nm以上、5nm
    以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    表面処理膜。
  4. 【請求項4】 混合層または混合層と中間層の平均酸素
    濃度が1at%以下であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の表面処理膜。
  5. 【請求項5】 炭素膜のヌープ硬度が3000以上、7
    000以下であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の表面処理膜。
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