JP2003073782A - 深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents
深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板Info
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Abstract
表面の耐肌荒れ性にも優れたフェライト系ステンレス鋼
板を提供する。 【解決手段】 C:0.1mass%以下、Si:1.0mass%以
下、Mn:1.5mass%以下、Cr:11〜23mass%、Mo:3mass
%以下、Ni:2mass%以下、Al:1mass%以下、P:0.06m
ass%以下、S:0.03mass%以下、N:0.04mass%以下
を含有し、かつ、Nb:0.8mass%以下および/またはT
i:1mass%以下、ただし、これらは下記式 18≦Nb/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60 を満足するように含有し、残部がFe及び不可避的不純物
からなり、粒界傾角25°以上の粒界長の割合が75%以上
の鋼板とする。
Description
のほか、家電や厨房、建材などの用途に使用可能なフェ
ライト系ステンレス鋼板に関するものである。特に、高
r値高強度(普通)鋼板が使用されていた、加工用自動車
強度部材等の用途に用いて好適な、深絞り性に優れたフ
ェライト系ステンレス鋼板に関するものである。
性や耐食性に優れ、オーステナイト系ステンレス鋼板と
比べると、多量のNiを含まないので、コスト的に有利で
あるだけでなく、応力腐食割れが発生しないという利点
がある。このため、従来から種々の産業分野で使用され
てきた。
板は、伸びの値が30%(板厚0.8mm)程度、r値も1.5以下
と低く、普通鋼の同一強度をもつ高張力鋼板、例えば、
C,Nを低減し、Ti,Nbを添加した450MPa級の高張力I
F鋼板の平均r値2.0以上と比べると、明らかに深絞り
性が劣るものであった。このため、自動車の強度部材や
建材、家電用品のように、高い深絞り性が求められる用
途には、その利用が制限されてきた。
レス鋼板が、リインフオース、メンバー、アーム材等の
自動車強度部材として使用できるようになれば、塗装工
程の省略が可能となり、トータルコストで比較すると安
価な材料となる。また、このフェライト系ステンレス鋼
板は、耐食性にも優れていることから、塗膜剥離等の心
配が無く、電着塗装が回り込み難い部位に用いても、耐
食性に関する心配は少ない。
ライト系ステンレス鋼の深絞り性を含めた加工性を高め
る試みがなされ、その研究成果がいくつか報告されてい
る。例えば、特開平3-264652号公報には、NbおよびTiを
複合添加し、製造条件を適正化して、集合組織を制御
し、{111}集積度(X線回折強度比(222)/(200))を5以上
とした深絞り性を含む加工性に優れたフェライト系ステ
ンレス鋼板が開示されている。
ライト系ステンレス鋼板でも、r値はせいぜい1.8程度
しか得られず、深絞り加工をはじめとする複雑な成形加
工がなされる自動車強度部材や、大きな拡管と曲げ加工
が施されるパイプ用途等に使用することができなかっ
た。従って、この種の強度部材としては、従来、普通鋼
板表面にめっき処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板
等が広く用いられてきた。これをフェライト系ステンレ
ス鋼に代替できれば、めっき工程をはじめとする製造工
程や作業工程が省略され、大きな利益がもたらされる。
絞り加工する場合には、加工後の表面の肌荒れが大きな
問題となっていた。ここで、肌荒れとは、冷間加工を受
けた際に、結晶粒の凹凸に起因して生じるオレンジピー
ル(Orange Peal)を指す。
有して深絞り性に優れるとともに、表面の耐肌荒れ性に
も優れたフェライト系ステンレス鋼板を提案することに
ある。
達成すべく、自動車強度部材等深絞り用途に適用するた
めに必要な、深絞り性、加工後の肌荒れ状況について詳
細に調査した。その結果、深絞り性は、粒界傾角25°以
上の粒界長の割合を75%以上とすることにより改善され
ること、さらに、これらに加えて、平均結晶粒径を制御
することにより、深絞り性と耐肌荒れ性(肌荒れが発生
しにくい性質)とがともに改善されることを知見した。
また、r値と板面に平行な面における{111}集積度の比
((平均r値−1.0)/({111}集積度−1.0))を0.075以上に
することにより、深絞り性の高いフェライト系ステンレ
ス鋼板を低コストで得ることができることを知見した。
本発明はこれらの新たな知見に立脚してなされたもので
ある。
下、Si:1.0mass%以下、Mn:1.5mass%以下、Cr:11〜
23mass%、Mo:3mass%以下、Ni:2mass%以下、Al:1ma
ss%以下、P:0.06mass%以下、S:0.03mass%以下、
N:0.04mass%以下を含有し、かつ、Nb:0.8mass%以
下および/またはTi:1mass%以下、ただし、これらは
下記式を満足するように含有し、残部がFe及び不可避的
不純物からなり、粒界傾角が25°以上の粒界長の割合が
75%以上である結晶粒からなることを特徴とする深絞り
性に優れたフェライト系ステンレス鋼板である。 記 18≦Nb/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60 ここで、C,N,NbおよびTiは各元素の含有量(mass%)
i:1.0mass%以下、Mn:1.5mass%以下、Cr:11〜23mas
s%、Mo:3mass%以下、Ni:2mass%以下、Al:1mass%
以下、P:0.06mass%以下、S:0.03mass%以下、N:
0.04mass%以下を含有し、かつ、Nb:0.8mass%以下お
よび/またはTi:1mass%以下、ただし、これらは下記
式を満足するように含有し、残部がFe及び不可避的不純
物からなり、平均r値と板面に平行な面における{111}
集積度の比((平均r値−1.0)/({111}集積度−1.0))が
0.075以上であることを特徴とする深絞り性に優れたフ
ェライト系ステンレス鋼板である。 記 18≦Nb/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60 ここで、C,N,NbおよびTiは各元素の含有量(mass%)
ステンレス鋼板は、平均結晶粒径が50μm以下であるこ
とが耐肌荒れ性のためには望ましい。
i:1.0mass%以下、Mn:1.5mass%以下、Cr:11〜23mas
s%、Mo:3mass%以下、Ni:2mass%以下、Al:1mass%
以下、P:0.06mass%以下、S:0.03mass%以下、N:
0.04mass%以下を含有し、かつ、Nb:0.8mass%以下お
よび/またはTi:1mass%以下、ただし、これらは下記
式を満足するように含有し、残部がFe及び不可避的不純
物からなる鋼スラブを、熱間粗圧延し、熱間仕上圧延
し、熱延板焼鈍し、次いで1回または中間焼鈍を挟む2
回以上の全圧下率75%以上の冷間圧延し、その後、仕上
焼鈍することを特徴とする深絞り性に優れたフェライト
系ステンレス鋼板の製造方法である。 記 18≦Nb/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60 ここで、C,N,NbおよびTiは各元素の含有量(mass%)
を上記範囲に限定した理由について説明する。 C:0.1mass%以下 Cは、粒界を強化し、耐二次加工脆性を向上させる元素
である。しかし、あまり多く含有させると、粒界に炭化
物が析出し、逆に、耐二次加工脆性、粒界耐食性に悪影
響を及ぼすようになる。とくに、Cが0.1mass%を超え
て含有する場合にはその影響が顕著となる。また、C
は、その含有量が多くなるほど鋼を硬質化し、加工性を
阻害するようになる。よって、C量は、0.1mass%以下
に限定する。なお、耐二次加工脆性および深絞りを含む
加工性(以降、特に記載しない限り、加工性には深絞り
性も含む意味で用いる)の観点から、0.002mass%超え
0.008mass%以下の含有量が好ましい。
くに大気環境での耐食性を向上させる。その効果を発揮
させるためには、0.2mass%以上の添加が好ましい。し
かしながら、1.0mass%を超えて含有すると、鋼の靭性
を劣化させ、溶接部の耐二次加工脆性を劣化させるの
で、1.0mass%以下に限定する。
有すると、鋼の靭性を劣化させ、溶接部の耐二次加工脆
性を劣化させるので、1.5mass%以下に限定する。
を得るためには、11mass%以上含有していることが必要
である。また、溶接部の耐食性の観点からは、16mass%
以上の含有が好ましい。一方、Crは、鋼の加工性を低下
させる元素であり、特に23mass%を超えて含有すると、
その影響が顕著となる。このため、Cr含有量は11〜23ma
ss%の範囲に制限する。なお、置換型元素のCrは、後述
する((平均r値−1.0)/({111}集積度−1.0))と密接な
関係があり、この比を0.075以上にするためにも、Cr含
有量は11mass%以上が必要となる。
ので、2mass%以下の範囲で含有させることができる。
しかし、2mass%を超えて多量に含有すると、鋼が硬質
化し、また、オーステナイト相の生成により、応力腐食
割れの懸念が生ずる。したがって、その含有量は2mass
%以下に限定する。
る。耐食性の向上を図るには、好ましくは0.1mass%以
上のMo量が必要である。ただし、3mass%を超えて含有
すると、熱処理時に析出物を生じ、加工時の割れ等、加
工性の劣化を招く。よって、Mo含有量は3mass%以下、
好ましくは2mass%以下とする。
添加は、介在物を生成し、表面外観、耐食性および加工
性を劣化させるので1mass%以下とする。
有した場合に、Bの粒界強化作用を低減させ、溶接部の
耐二次加工脆性を劣化させる。また、加工性や靭性、高
温疲労特性も劣化させる傾向があり、できる限り低い方
が望ましい。しかし、あまりに低くすると製鋼コストの
上昇を招くため、特性との兼ね合いから、0.06mass%以
下、好ましくは0.01〜0.03mass%とする。
しい。しかし、Pと同様、過度の低減は製鋼コストの上
昇を招くため、特性との兼ね合いも考慮し、0.03mass%
以下、好ましくは0.002〜0.010mass%とする。
せる。しかし、0.04mass%を超えて含有すると、窒化物
となって粒界に析出し、耐食性を劣化させるので、0.04
mass%以下に限定する。
つ 18≦Nb/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60 Nb,Tiは、固溶C,Nを化合物として固定することによ
り、耐食性や深絞り性を向上させる効果を有しており、
単独、もしくは複合して添加することが必要である。そ
の効果は、それぞれ0.01mass%未満では得られないた
め、0.01mass%以上を含有させることが望ましい。一
方、Nb含有量が、0.8mass%を超えると靭性の劣化を招
き、また、Ti含有量が、1.0mass%を超えると外観およ
び靭性の劣化を招くため、Nbは0.8mass%以下、Tiは1.0
mass%以下に限定する。また、鋼中のC,Nを化合物と
して固定し、一層優れた加工性を確保するには、18≦Nb
/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60の関係を満たすよ
うに合金設計することが必要となる。ここで、C,N,
Nb,Tiの各含有量(mass%)を、上記のように限定する理
由は、18未満となると、鋼中のC,Nを充分炭窒化物と
して固定できないため、加工性、耐食性が著しく低下す
る。一方、60超えとなると、炭窒化物の析出物が増加し
て、加工性が低下するためである。
よび不可避的不純物を含む鋼である。ただし、Co,Bに
ついては、粒界脆性改善の観点から、それぞれ0.3mass
%以下、0.01mass%以下の範囲で含有することができ
る。また、Zr,Ca,Ta,W,CuおよびSnは、それぞれZ
r:0.5mass%以下、Ca:0.1mass%以下、Ta:0.3mass%
以下、W:0.3mass%以下、Cu:1mass%以下、Sn:0.3m
ass%以下の範囲内で含有していても、本発明の効果に
特に影響を及ぼすものではない。
板の特性について、さらに説明する。 粒界傾角25°以上の粒界長の割合が75%以上 本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、板厚1/4厚に
おける粒界傾角が25°以上の粒界長を75%以上として、
結晶粒同士の方位差(粒界傾角)を大きくすることによ
り高い深絞り性が得られることを新たに見出した。この
理由は、一般に、r値の向上にともない、{111}集積度
が増加するものの、{111}の圧延面内における向きは幅
広く分布する。しかし、本発明鋼のように、さらにr値
を高めていくと、特定な面と方向、例えば{111}<110
>、<112>への配向が顕著になる。その結果、高いr
値材になるほど、隣接する{111}結晶粒同士の粒界傾角
が大きくなり、粒界傾角25°以上の粒界長の割合が75%
以上となるものと考えられる。なお、発明者らは、粒界
傾角の測定は、従来のX線による測定法ではなく、電子
線後方散乱法により行った。測定には、JEOL製の電子顕
微鏡JIM−5800(加速電圧25kV)、TSL社製のOIMシス
テム(バージョン3.1)を用いた。そして、この結果か
ら粒界傾角が25°以上の粒界長の割合を求めた。なお、
粒界傾角の板厚方向の測定位置は、板厚1/4厚とすると
代表性が高く、好ましい。
1.0)/({111}集積度−1.0))が、0.075以上 本発明のフェライト系ステンレス鋼板は、平均r値と{1
11}集積度の比すなわち((平均r値−1.0)/({111}集積
度−1.0))が、0.075以上となることを特徴としている。
一般に、{111}集積度が高いほど、鋼板のr値が高くな
ることが知られているが、本発明のフェライト系ステン
レス鋼板は、低{111}集積度にもかかわらず、深絞り性
の指標であるr値が高いという特性を有する。この理由
について、以下に説明する。
(slip plane)と呼ばれる特定の結晶面に沿ったすべり
により起こる。このすべり面は、通常、最も面間隔が大
きい面(原子密度が最も高い結晶面)である。また、そ
のすべり方向は、原子間隔の最も小さな方向におこる。
このすべり系が、すべりに対する抵抗が最も小さいため
である。体心立方構造(BCC)であるフェライト系ステ
ンレス鋼板では、複数のすべり系が活動することが可能
であり、一般に、すべり面は、{110}、{112}、{123}、
すべり方向はいずれも<111>と言われている。
ては、結晶格子中のFe(原子半径1.24Å)に替わって、
Cr(原子半径1.25Å)が一部置換する場合、原子半径差
に起因した格子歪みが発生する。この歪み(構造因子)に
加え、原子の結合エネルギー差(化学因子)に起因したエ
ネルギー差により、複数あるすべり系のうち一部に制限
が加わる、すなわち面間隔が{110}より狭い、{112}、{1
23}のすべり面の一部が規制される。この結果、特定の
すべり系のみが活動することとなり、複数のすべり系が
活動する時に比べて異方性が増大し、低い{111}集積度
にもかかわらず高r値が得られるのである。ここで、本
発明でいう{111}集積度とは、(222)ピークの積分強度
比を指し、例えば、理化学電機(株)製RINT 1500のX線
回折装置を用いて、Coκα線を使用し、θ−2θ法によ
り電圧46kV、電流150mAの条件で測定することができ
る。
度を高めるために、熱間圧延および冷間圧延において厳
密な圧下率の管理が必要なことや、焼鈍温度の高温化な
どコストアップ要因が多かった。しかし、本発明の深絞
り性の高いフェライト系ステンレス鋼板は、上記のよう
な対策を必要とすることなく、低コストで得られる。
0以上とする。好ましくは2.2以上である。
す。結晶粒が大きくなって粒径が50μm以上になると、
加工後の製品表面に、オレンジピールと呼ばれる肌荒れ
が生じ、外観の悪化を招くだけでなく、肌荒れに起因し
て耐食性の劣化、加工性(成形限界)の低下を招く。そこ
で、平均結晶粒径は50μm以下、好ましくは45μm以下と
する。ここで、本発明で言う平均結晶粒径は、すべてJI
S G 0552に定める方法で測定した結晶粒径であり、圧延
方向(L方向)断面の板厚1/2,1/4,1/6位置において、
おのおの4点測定した値の平均値(n数12)である。な
お、r値のみを高めるには、仕上げ焼鈍温度を高温で行
えばよい。しかし、かかる焼鈍温度の高温化では、結晶
粒が粗大化し、肌荒れを引き起こすことになり、また肌
荒れが加工時の抵抗を増加させて成形限界が低下するた
め、本制限を定める。
テンレス鋼板(仕上焼鈍板)を製造する方法について説明
する。本発明の鋼板は、製鋼、熱間圧延、熱延板焼鈍、
酸洗、冷間圧延および仕上焼鈍の各工程を経て製造され
るが、熱間圧延工程におけるスラブ加熱温度、熱間粗圧
延条件、熱間仕上圧延条件、熱延板焼鈍工程における焼
鈍温度、冷間圧延条件および中間焼鈍、仕上焼鈍工程に
おける焼鈍温度を調整することにより、2.0以上の平均
r値と、50μm以下の平均フェライト結晶粒径を得るこ
とが可能となる。以下、これらについて詳細に説明す
る。
間粗圧延することが困難となり、一方、加熱温度が高す
ぎると、熱延板の板厚方向で、集合組織が不均一にな
る。このためスラブ加熱温度は1000〜1200℃の範囲とす
るのがよい。さらに、好ましい温度範囲は1100〜1200℃
である。
1パスを、圧延温度850〜1100℃、圧下率35%/パス以
上とするとよい。粗圧延の圧延温度が850℃未満では、
再結晶が進みにくく、結晶の異方性が大きくなって、仕
上焼鈍板の加工性が劣り、また圧延ロールへの負荷が大
きくなり、ロール寿命が短くなる。一方、1100℃を超え
ると、フェライト結晶粒が、圧延方向に伸びた組織にな
り、結晶の異方性が大きくなる。したがって、粗圧延の
圧延温度は850℃〜1100℃にするとよい。さらに、好ま
しい温度範囲は900℃から1050℃である。また、粗圧延
の圧下率が35%/パス未満では、板厚方向の中心部に、
バンド状の組織(未再結晶部分)が大量に残存し、深絞り
性を劣化させる。ただし、粗圧延の1パス当たりの圧下
率が60%を超えると、圧延時にロールと鋼板の焼き付け
を起こしたり、圧延材の圧延ロールへの噛み込み不良を
生じる危険がある。そこで、圧下率は40〜60%/パスの
範囲が特に好ましい。
延時に鋼板表面に強い剪断歪みが生じ、板厚中心部に未
再結晶組織が残ったり、粗圧延時に焼き付きを生じるこ
ともある。このような場合には、必要に応じて、摩擦係
数0.3以下になるような潤滑を施してもよい。上述した
圧延温度と圧下率の条件を満たす粗圧延を、少なくとも
1パスを行うことにより、深絞り性が向上する。この1
パスは、粗圧延のどのパスで行ってもよいが、圧延機の
能力を考えると、最終パスで行うのが最も好ましい。
する)では、少なくとも1パスを、圧延温度650℃〜900
℃、圧下率20〜40%/パスで行うとよい。圧延温度が65
0℃未満では、変形抵抗が大きくなって20%/パス以上
の圧下率を確保することが難しくなるとともに、ロール
負荷が大きくなる。一方、仕上圧延温度が900℃を超え
ると、圧延歪みの蓄積が小さくなり、次工程以降におけ
る深絞り性向上効果が小さくなる。このため、仕上圧延
温度は650℃〜900℃、さらに好ましくは、700℃〜800℃
の範囲で行うものとする。また、仕上圧延時に650℃〜9
00℃での圧下率が20%未満では、r値の低下やリジング
の原因になる{100}//ND、(110)//NDコロニー(横田
ら、川崎製鉄技報、30(1998)2,p115)が大きく残存して
しまう。一方、40%を超えると、圧延材のロールへの噛
み込み不良や鋼板の形状不良を引き起こし、鋼の表面性
状の劣化を招く。よって、仕上圧延においては、圧下率
20〜40%の圧延を少なくとも1パス以上行うのがよい。
より好ましい範囲は25〜35%である。上述した圧延温度
と圧下率の条件を満たす仕上圧延を、少なくとも1パス
行うことにより深絞り性は改善される。その1パスは、
どのパスで行ってもよいが、圧延機の能力から、最終パ
スで行うのが最も好ましい。
不十分となり、r値が低下するとともに、残存するバン
ド状組織に起因して、仕上焼鈍板でのリジング発生が著
しくなる。また、1100℃を超えると、組織が粗大化し
て、成形後の肌荒れや、成形限界の低下、耐食性の低下
を引き起こす。さらにまた、前記した固溶Cを固定した
化合物の再固溶により、鋼中の固溶Cが増大し、好まし
い集合組織の形成を阻害する。したがって、熱延板焼鈍
は800℃〜1100℃、より好ましくは800℃〜1050℃の温度
範囲とするのがよい。
鈍を挟んだ2回以上の冷延法とする。また、全圧下率
は、1回冷延法の場合、2回以上の冷延法の場合とも75
%以上とする。全圧下率の増大は、仕上げ焼鈍板の{11
1}集積度の向上に寄与し、r値向上に有効であり、平均
r値2.0以上を満たすためには、全圧下率は75%以上、
好ましくは80〜90%未満とする。なお、2回以上の冷延
法の場合には、この全圧下率を2回以上に分けて圧延す
る。ただし、この場合、(1回目冷延の圧下率)/(最終
冷延の圧下率)で表される圧下比を、0.7〜1.3として行
うとよい。この圧下比は、最終冷延前の結晶粒径、中間
焼鈍板中の{111}集合組織の発達、仕上げ焼鈍板中の{11
1}集積度の向上と密接な関係がある。高r値化を達成す
るには、この圧下比を0.7〜1.3、より好ましくは0.8〜
1.1の範囲として冷間圧延するのがよい。なお、各回の
冷間圧延の圧下率は、いずれも50%以上とし、各回の圧
下率の差を30%以下とするのが望ましい。各回の圧下率
が50%未満でも、圧下率差が30%超えでも、{111}集
積度が低くなり、r値が低下するためである。
延材表面の剪断変形を低減し、{111}集積度を高め、r
値の向上に有効に寄与するため、ロール径と圧延方向の
影響を考慮することが望ましい。通常、ステンレス鋼板
の最終冷延は、表面光沢を得るために、ロール径が例え
ば200mmφ以下と小さいワークロールを用いて行われ
る。しかし、本発明では、ロール径300mmφ以上の大径
ワークロールを使用することが好ましい。また、本発明
においては、タンデム圧延を用いるとよい。また、2回
以上の冷間圧延の場合には、いずれの冷間圧延も、1方
向に圧延するのが好ましい。上記理由は、ロール径100
〜200mmφのリバース圧延に比べ、300mmφ以上のロール
径を有するタンデム圧延機による1方向圧延は、表面の
剪断変形を低減し、r値を高めるうえで効果的であるか
らである。なお、より高r値を安定して得るため、線圧
(圧延荷重/板幅)を増大させて板厚方向に均一に歪み
を与えるとよい。そのためには、熱延温度の低下、高合
金化、熱延速度の増加を任意に組み合わせて行うことも
有効である。
が不十分となり、r値が低下するとともに、バンド状組
織に起因して、リジングが著しくなる。一方、1050℃を
超えると、組織が粗大化するとともに、炭化物が再固溶
し、鋼中の固溶Cが増大し、深絞り性に好適な集合組織
の形成を阻害する。
晶粒径は、50μm以下とするとよい。特に、2回冷延法
の場合、仕上げ焼鈍板を、微細結晶粒かつ高r値のとす
るためには、中間焼鈍を終えた最終冷延前のフェライト
結晶粒の微細化(結晶粒径50μm以下)と、最終冷延前の
固溶Cの低減が重要なポイントとなる。このため、中間
焼鈍温度は、最終冷延前の結晶粒径50μm以下を満た
し、かつ未再結晶組織が残存しない温度範囲で低温ほど
よい。これらのことから、中間焼鈍温度は、好ましくは
750℃〜1000℃とし、かつ熱延板焼鈍温度より50℃以上
低い温度とするのがよい。
得られる。しかし、仕上焼鈍温度が800℃未満では、r
値の向上に有効な結晶方位が得られず、平均r値2.0以
上を達成できないばかりか、鋼板板厚の中央にバンド状
の組織が残存し、深絞り性を阻害する。また、r値の増
大を図るには、高温焼鈍が有効であるが、高過ぎると結
晶粒が粗大化し、加工後に肌荒れが生じ、成形限界の低
下と耐食性の劣化をもたらす。このため、仕上焼鈍温度
は、好ましくは結晶粒径50μm以下を確保できる範囲
で、高温であるほど良い。そこで、本発明では、850℃
〜1050℃の温度範囲で仕上焼鈍するとよい。
る場合には、TIG、MIGを始めとするアーク溶接、
電縫溶接、レーザー溶接など、通常の溶接方法はすべて
適用可能である。
条件で熱間圧延し、次いで、冷間圧延、中間焼鈍、仕上
げ焼鈍を行った。表2に製造したフェライト系ステンレ
ス鋼板の特性を示す。なお、表中の平均r値は、JIS Z
2254により測定されるr値を用いて、下記の式から求め
たものである。 平均r値=(rL+2rD+rC)/4 ただし、rL、rDおよびrCは、それぞれ圧延方向、圧
延方向に対して45°方向、圧延方向に対し90°方向のr
値である。また、耐肌荒れ性については、歪み付与後の
鋼板表面の表面粗さを測定し評価した。ここで、表面粗
さは、鋼板の圧延方向からJIS 5号引張試験片を切り出
し、25%の引張歪みを加えた後、触針法で、引張方向に
垂直な方向に1cm長さ測定した時の表面粗度Ra(JIS B 0
601の定義による)を、試験片長手方向中央から±10mmの
範囲で、長手方向に5mm間隔で5点測定し、その平均値と
した。またその評価は、上記表面粗度Raが2.0μm以下
を耐肌荒れ性良好と判定した。表2に示したように、本
発明のフェライト系ステンレス鋼は、平均r値が2.0以
上と、良好な深絞り性を有する。また本発明の好適態様
である、平均結晶粒径が50μm以下であるフェライト系
ステンレス鋼は、加工後の表面粗度Raが2.0μm以下で
あり、耐肌荒れ性は良好である。
従来にない高r値を有して深絞り性に優れるとともに、
耐肌荒れ性にも優れたフェライト系ステンレス鋼板を提
供することができる。高r値を有し、耐肌荒れ性に優れ
る本発明の鋼板は、自動車用強度部材や家電、厨房、建
材用等の深絞り、拡管等の強加工用途に用いて好適であ
り、産業上大きな効果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】C:0.1mass%以下、Si:1.0mass%以下、
Mn:1.5mass%以下、Cr:11〜23mass%、Mo:3mass%以
下、Ni:2mass%以下、Al:1mass%以下、P:0.06mass
%以下、S:0.03mass%以下、N:0.04mass%以下を含
有し、かつ、Nb:0.8mass%以下および/またはTi:1ma
ss%以下、ただし、これらは下記式を満足するように含
有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、粒界傾角
が25°以上の粒界長の割合が75%以上である結晶粒から
なることを特徴とする深絞り性に優れたフェライト系ス
テンレス鋼板。 記 18≦Nb/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60 ここで、C,N,NbおよびTiは各元素の含有量(mass%) - 【請求項2】C:0.1mass%以下、Si:1.0mass%以下、
Mn:1.5mass%以下、Cr:11〜23mass%、Mo:3mass%以
下、Ni:2mass%以下、Al:1mass%以下、P:0.06mass
%以下、S:0.03mass%以下、N:0.04mass%以下を含
有し、かつ、Nb:0.8mass%以下および/またはTi:1ma
ss%以下、ただし、これらは下記式を満足するように含
有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、平均r値
と板面に平行な面における{111}集積度の比((平均r値
−1.0)/({111}集積度−1.0))が0.075以上であることを
特徴とする深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼
板。 記 18≦Nb/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60 ここで、C,N,NbおよびTiは各元素の含有量(mass%) - 【請求項3】上記鋼板の平均結晶粒径が50μm以下であ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の深絞り性
に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 - 【請求項4】C:0.1mass%以下、Si:1.0mass%以下、
Mn:1.5mass%以下、Cr:11〜23mass%、Mo:3mass%以
下、Ni:2mass%以下、Al:1mass%以下、P:0.06mass
%以下、S:0.03mass%以下、N:0.04mass%以下を含
有し、かつ、Nb:0.8mass%以下および/またはTi:1ma
ss%以下、ただし、これらは下記式を満足するように含
有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼スラブ
を、熱間粗圧延し、熱間仕上圧延し、熱延板焼鈍し、次
いで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の全圧下率75%
以上の冷間圧延し、その後、仕上焼鈍することを特徴と
する深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製
造方法。 記 18≦Nb/(C+N)+2(Ti/(C+N))≦60 ここで、C,N,NbおよびTiは各元素の含有量(mass%)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001262782A JP2003073782A (ja) | 2001-08-31 | 2001-08-31 | 深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 |
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JP2001262782A JP2003073782A (ja) | 2001-08-31 | 2001-08-31 | 深絞り性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 |
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ID=19089625
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---|---|
JP (1) | JP2003073782A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101131208B1 (ko) | 2008-08-12 | 2012-04-12 | 닛폰 스틸 앤드 스미킨 스테인레스 스틸 코포레이션 | 가공 오렌지 필이 작은 페라이트계 스테인리스 강판 및 그 제조 방법 |
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WO2019132190A1 (ko) * | 2017-12-26 | 2019-07-04 | 주식회사 포스코 | 오렌지필 저항성과 성형성이 향상된 페라이트계 스테인리스강 |
WO2024203318A1 (ja) * | 2023-03-30 | 2024-10-03 | 日鉄ステンレス株式会社 | フェライト系ステンレス鋼板 |
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-
2001
- 2001-08-31 JP JP2001262782A patent/JP2003073782A/ja active Pending
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