JP2003073598A - インク組成物、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク組成物、及びインクジェット記録方法

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JP2003073598A
JP2003073598A JP2002010361A JP2002010361A JP2003073598A JP 2003073598 A JP2003073598 A JP 2003073598A JP 2002010361 A JP2002010361 A JP 2002010361A JP 2002010361 A JP2002010361 A JP 2002010361A JP 2003073598 A JP2003073598 A JP 2003073598A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字の色再現性、透明度及び光沢性に優れ、
耐水性や画像保存性にも優れ、受像材料との組み合わせ
により、画像の光沢性や、耐オゾン保存性等の画像堅牢
性にも優れ、擦過性が改良されたインク組成物、及び該
インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供す
る。 【解決手段】 疎水性色素と、疎水性ポリマーと、水の
溶解度が4g以下である高沸点有機溶媒と、沸点が20
0℃以下であり、かつ水への溶解度が25g以下である
補助溶媒とを含む溶液、及び水性媒体を混合して乳化分
散後、補助溶媒を除去して得られる着色微粒子を含有
し、着色微粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μm
で、粒子径の変動係数が45%以内で、比重が0.9〜
1.2であるインク組成物、及びインク受像材料上に、
前記インク組成物を着弾することにより画像を形成後、
前記着色微粒子を加熱処理及び/又は加圧処理し、前記
着色微粒子を融着させるインクジェット記録方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疎水性色素を含有
するインク組成物と、該インク組成物を用いたインクジ
ェット記録方法に関する。さらに詳しくは、擦過性及び
堅牢性に優れた画像をインクジェット記録により形成可
能なインク組成物と、該インク組成物及び受像材料を用
いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式、静電転写方式、昇
華型熱転写方式などの記録方式を用いて、画像、特にフ
ルカラーの画像を形成する方法が急速に普及しつつあ
る。前記記録方式においては、銀塩写真が目標であり、
特に、色再現性、画像密度、光沢、耐水性、及び耐候性
等を、いかに銀塩カラー写真に近づけるかが開発の課題
である。
【0003】前記インクジェット記録方式は、インクの
微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙等の記
録用媒体に付着させ、画像、文字等を記録するものであ
る。前記インクジェット記録方式は、高速低騒音、多色
化が容易であり、記録パターンの融通性が大きく、現像
及び定着が不要である等の特長を有する。このため、各
種画像の記録装置の記録方式として、情報機器をはじめ
各種の用途において、前記インクジェット記録方式は急
速に普及している。さらに、多色インクジェット記録方
式により形成される画像は、製版方式による多色印刷
や、カラー写真方式による印刷と比較して遜色のない記
録を得ることも可能であり、作成部数が少ない場合、通
常の多色印刷よりも安価に製造できることから、フルカ
ラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。前記イ
ンクジェット記録方式においては、記録の高速化、高精
細化、フルカラー化等の記録特性の向上要求に伴って、
記録装置、記録方法の改良が行われてきたが、インクや
記録用媒体に対しても高度な特性が要求されるようにな
り、銀塩カラー写真を超える性能を実現すべく、多種多
様な改良が行われている。
【0004】従来、インクジェット記録方式におけるイ
ンクの色材としては、液媒体が水性であることから、主
として水溶性染料が使用されており、水溶性染料を用い
ることにより、基本的な要求性能の内のいくつかは満足
されている。しかしながら、前記水溶性染料を用いた場
合には、本来、耐光性や耐オゾン性に劣るため印字した
記録物を長時間保存すると、退色や変色する等の問題が
ある。また、染料が水溶性であるために、記録画像の耐
水性が問題となることが多い。即ち、記録画像が水分に
触れた場合に、記録画像が滲むという欠点がある。ま
た、画像の光沢性も十分に得られないという問題もあ
る。インクジェット記録方式において、前記問題点は、
銀塩カラー写真対して大きく劣る点である。前記問題点
を改良するため、特開昭58−136482号、米国特
許5,374,475号明細書には、基材上に熱可塑性
高分子材料からなる多孔質層を設け、印字後、熱、圧力
の作用により、多孔質層を溶解させて緻密化するといっ
た記録媒体が提案されている。
【0005】さらには、特公平2−31673号、特開
平7−237348号、及び特開平8−2090号に
は、インク吸収量が大なる無機顔料層上に、熱可塑性ラ
テックスからなる層をさらに設け、画像形成後、該最表
層の熱可塑性ラテックス層を被膜化することが開示され
ている。
【0006】しかしながら、前記従来法において、ラテ
ックス層を加熱して被膜化した場合、ラテックス層中に
インク成分が残存していると、ラテックス層を加熱処理
して得られる被膜の表面に、十分に良好な平滑性が得ら
れず、光沢性が十分に得られない場合がある。また、残
存溶媒のため被膜にクラックが発生し、その部分の耐水
性、耐候性が低下するという問題もある。
【0007】一方、最近では、染料インクにかえて、耐
光性、耐オゾン性、及び耐水性の問題を解決するために
顔料インクの普及がなされ、インクジェット記録方式に
も応用されている。但し、顔料インクは、確かに、耐光
性、耐水性、耐オゾン性がある程度改良されるが十分と
は言い難く、一方で、顔料粒子は透明度が低いため色再
現性に劣ることや、顔料粒子が硬く、媒体の表面に露出
して擦過性に劣る等の問題があり、この点でも銀塩カラ
ー写真のレベルには至っていない。また、顔料インク
は、粒子の比重等の調節が難しいため、インクの保存中
に沈殿を生成する等の問題があり、インク自身の保存性
の問題も内在している。従って、前記水溶性インクと前
記顔料インクのそれぞれの長所は具備し、それぞれの欠
点を改良したインクの開発と画像形成方法の開発が求め
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、印字した際の色再現性、透
明度及び光沢性に優れ、耐水性や画像保存性にも優れ、
さらに受像材料との組み合わせにより、画像の光沢性
や、耐水性、耐光性、耐熱性、及び耐オゾン保存性等の
画像堅牢性にも優れ、擦過性が大幅に改良されたインク
組成物、及び該インク組成物を用いたインクジェット記
録方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する手段
は以下の通りである。即ち、 <1> 少なくとも1種の疎水性色素と、少なくとも1
種の疎水性ポリマーと、水の溶解度が4g以下である少
なくとも1種の高沸点有機溶媒と、沸点が200℃以下
であり、かつ水への溶解度が25g以下である少なくと
も1種の補助溶媒とを含む溶液、及び水性媒体を混合し
て乳化分散させた後に、前記補助溶媒を除去して得られ
る着色微粒子を含有するインク組成物であって、前記着
色微粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmであり、
粒子径の変動係数が45%以内であり、かつ、比重が
0.9〜1.2であることを特徴とするインク組成物で
ある。
【0010】<2> 前記疎水性色素が、下記一般式
(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表され
る化合物、下記一般式(Y−I)で表される化合物、下
記一般式(M−I)で表される化合物、及び下記一般式
(C−I)で表される化合物からなる群より選択される
化合物の少なくとも一種を含有する前記<1>に記載の
インク組成物である。
【0011】
【化9】 前記一般式(I)及び一般式(II)において、R1
2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン
原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒド
ロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールア
ミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミ
ノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテ
ロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘ
テロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル
基、カルボキシル基、又はスルホ基を表す。Aは、−N
56又はヒドロキシ基を表す。R5及びR6は、各々独
立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を表
す。R5及びR6は、互いに結合して環を形成していても
よい。B1は、=C(R3)−又は=N−を表す。B
2は、−C(R4)=又は−N=を表す。R1とR5と、R
3とR6とは、及び/又は、R1とR2とは、互いに結合し
て芳香族環又は複素環を形成していてもよい。
【0012】
【化10】
【0013】前記一般式(Y−I)において、A及びB
は各々独立に、置換されていてもよい複素環基を表す。
【0014】
【化11】
【0015】前記一般式(M−I)において、Aは、5
員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1及びB
2は、B1が=CR1−を表しB2が−CR2=を表すか、
あるいは、いずれか一方が窒素原子、他方が=CR1
又は−CR2=を表す。R5及びR6は、各々独立に、水
素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置
換基を有していてもよい。G、R1及びR2は、各々独立
して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、
複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバ
モイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボ
ニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ア
ルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミ
ノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、アルキルアリールスルホニルア
ミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基
を表す。各基は更に置換されていてもよい。R1とR5
又はR5とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。
【0016】
【化12】
【0017】前記一般式(C−I)において、X1
2、X3及びX4は、各々独立に、−SO−Z1、−SO
2−Z1、又は−SO2NR2122を表す。Z1は、置換若
しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシク
ロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置
換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換
のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表
す。R21及びR22は、各々独立に、水素原子、置換若し
くは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロ
アルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換
若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換の
アリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
1、Y2、Y3及びY4は、各々独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、
アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イ
ミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カ
ルボキシル基、又はスルホ基を表し、各々は、さらに置
換基を有していてもよい。a1〜a4、b1〜b4は、各
々、X1〜X4、Y1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4
各々独立に0〜4の整数を表し、b1〜b4は各々独立に
0〜4の整数を表す。ただしa1〜a4の総和は2以上で
ある。ここで、a1〜a4及びb1〜b4が2以上の整数を
表すとき、複数のX1〜X4及びY1〜Y4は各々同一でも
異なっていてもよい。a1、b1は、a1+b1=4の関係
を満たす各々独立の0〜4の整数を表す。a2、b2は、
2+b2=4の関係を満たす各々独立の0〜4の整数を
表す。a3、b3は、a3+b3=4の関係を満たす各々独
立の0〜4の整数を表す。a4、b4は、a4+b4=4の
関係を満たす各々独立の0〜4の整数を表す。Mは、水
素原子、金属元素若しくはその酸化物、水酸化物、又は
ハロゲン化物を表す。
【0018】<3> インク受像材料に対して、少なく
とも1種の疎水性色素と、少なくとも1種の疎水性ポリ
マーとを含む着色微粒子を含有するインク組成物を用い
て記録を行うインクジェット記録方法であって、前記受
像材料上に、前記インク組成物を着弾することにより画
像を形成後、前記着色微粒子を加熱処理及び/又は加圧
処理し、前記着色微粒子を融着させることを特徴とする
インクジェット記録方法である。
【0019】<4> 前記疎水性色素が、下記一般式
(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表され
る化合物、下記一般式(Y−I)で表される化合物、下
記一般式(M−I)で表される化合物、及び下記一般式
(C−I)で表される化合物のからなる群より選択され
る化合物の少なくとも一種を含有する前記<3>に記載
のインクジェット記録方法である。
【0020】
【化13】
【0021】前記一般式(I)及び一般式(II)におい
て、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、
ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ
基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミ
ノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、ア
リールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イ
ミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル
基、アシル基、カルボキシル基、又はスルホ基を表す。
Aは、−NR56又はヒドロキシ基を表す。R5及びR6
は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複
素環基を表す。R5及びR6は、互いに結合して環を形成
していてもよい。B1は、=C(R3)−又は=N−を表
す。B2は、−C(R4)=又は−N=を表す。R1とR5
と、R3とR6とは、及び/又は、R1とR2とは、互いに
結合して芳香族環又は複素環を形成していてもよい。
【0022】
【化14】
【0023】前記一般式(Y−I)において、A及びB
は各々独立に、置換されていてもよい複素環基を表す。
【0024】
【化15】
【0025】前記一般式(M−I)において、Aは、5
員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1及びB
2は、B1が=CR1−を表しB2が−CR2=を表すか、
あるいは、いずれか一方が窒素原子、他方が=CR1
又は−CR2=を表す。R5及びR6は、各々独立に、水
素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置
換基を有していてもよい。G、R1及びR2は、各々独立
して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、
複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバ
モイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボ
ニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ア
ルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミ
ノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、アルキルアリールスルホニルア
ミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基
を表す。各基は更に置換されていてもよい。R1とR5
又はR5とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。
【0026】
【化16】
【0027】前記一般式(C−I)において、X1
2、X3及びX4は、各々独立に、−SO−Z1、−SO
2−Z1、又は−SO2NR2122を表す。Z1は、置換若
しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシク
ロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置
換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換
のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表
す。R21及びR22は、各々独立に、水素原子、置換若し
くは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロ
アルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換
若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換の
アリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。
1、Y2、Y3及びY4は、各々独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、
アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イ
ミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カ
ルボキシル基、又はスルホ基を表し、各々は、さらに置
換基を有していてもよい。a1〜a4、b1〜b4は、各
々、X1〜X4、Y1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4
各々独立に0〜4の整数を表し、b1〜b4は各々独立に
0〜4の整数を表す。ただしa1〜a4の総和は2以上で
ある。ここで、a1〜a4及びb1〜b4が2以上の整数を
表すとき、複数のX1〜X4及びY1〜Y4は各々同一でも
異なっていてもよい。a1、b1は、a1+b1=4の関係
を満たす各々独立の0〜4の整数を表す。a2、b2は、
2+b2=4の関係を満たす各々独立の0〜4の整数を
表す。a3、b3は、a3+b3=4の関係を満たす各々独
立の0〜4の整数を表す。a4、b4は、a4+b4=4の
関係を満たす各々独立の0〜4の整数を表す。Mは、水
素原子、金属元素若しくはその酸化物、水酸化物、又は
ハロゲン化物を表す。
【0028】<5> 支持体上に、熱可塑性疎水性ポリ
マー粒子を含む少なくとも1層の多孔質樹脂層を有する
前記受像材料に対して、少なくとも1種の疎水性色素
と、少なくとも1種の疎水性ポリマーとを含む着色微粒
子を含有するインク組成物を用いて記録を行うインクジ
ェット記録方法であって、前記受像材料上に、前記イン
ク組成物を着弾することにより画像を形成後、前記着色
微粒子及び多孔質樹脂層を加熱処理及び/又は加圧処理
し、前記着色微粒子を融着させる前記<3>又は<4>
に記載のインクジェット記録方法である。
【0029】<6> 前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子
の平均粒子径が、前記着色微粒子の平均粒子径よりも大
きい前記<5>に記載のインクジェット記録方法であ
る。
【0030】<7> 前記着色微粒子の平均粒子径d1
(μm)と、前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子の平均粒
子径d2(μm)との関係が、2<d2/d1<100で
ある前記<6>に記載のインクジェット記録方法であ
る。
【0031】<8> 前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子
と、前記着色微粒子に含まれる疎水性ポリマーとが、互
いに少なくとも1種の共通するモノマーユニットを有す
る前記<5>から<7>のいずれかに記載のインクジェ
ット記録方法である。
【0032】<9> 前記インク組成物が、前記<1>
又は<2>に記載のインク組成物である前記<4>から
<8>のいずれかに記載のインクジェット記録方法であ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインク組成物及び
インクジェット記録方法について説明する。
【0034】(インク組成物)本発明のインク組成物
は、少なくとも1種の疎水性色素と、少なくとも1種の
疎水性ポリマーと、水の溶解度が4g以下である少なく
とも1種の高沸点有機溶媒と、沸点が200℃以下であ
り、かつ水への溶解度が25g以下である少なくとも1
種の補助溶媒とを含む溶液、及び水性媒体を混合して乳
化分散させた後に、前記補助溶媒を除去して得られる着
色微粒子を含有し、前記着色微粒子の平均粒子径が0.
01〜0.5μmであり、粒子径の変動係数が45%以
内であり、かつ、比重が0.9〜1.2であることを特
徴とする。前記疎水性色素としては、後述する一般式
(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化
合物、一般式(Y−I)で表される化合物、一般式(M
−I)で表される化合物、及び一般式(C−I)で表さ
れる化合物からなる群より選択される化合物の少なくと
も一種を含有するのが好ましい。
【0035】前記着色微粒子は、少なくとも1種の疎水
性色素と、少なくとも1種の疎水性ポリマーとを少なく
とも含有する透明な微細粒子であり、前記疎水性色素と
前記疎水性ポリマーとは、互いに相溶する限りいかなる
方法で調製してもよい。しかし、アセトン等の水と混和
する有機溶媒を用い、水性ポリマーラテックスに疎水性
色素を含浸させる所謂ローダブルラテックスの方法で
は、前記色素を均一に含浸させることが難しい。一方、
疎水性色素と、疎水性ポリマーと、水不溶性高沸点有機
溶媒と、補助溶媒とを含む溶液、及び水性媒体を混合し
て乳化分散させた後に、前記補助溶媒を除去する本発明
に係る調製方法によれば、安定な本発明の着色微粒子が
得られる。この際、予め該溶液中の構成成分の種類及び
量を変化させた溶液を調製し、補助溶媒を揮発等にて除
去して得られる着色微粒子のサンプルを調べることで、
目的の着色微粒子の相溶性、比重、硬さの予測が可能で
ある。
【0036】なお、本発明における「水性媒体」とは、
水、又は少量の水混和性有機溶媒と水との混合物に、必
要に応じて、界面活性剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を
添加したものを意味する。
【0037】<疎水性色素>ここでは、前記着色微粒子
に含有される疎水性色素について説明する。本発明の着
色微粒子を構成する成分の一つである疎水性色素とは、
水に実質的に不溶な色素を意味する。より具体的には、
25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる色素
の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、
より好ましくは0.1g以下であるものを意味する。従
って、疎水性色素とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性
色素を意味し、その中でも、油溶性色素がより好まし
い。
【0038】前記疎水性色素としては、融点が200℃
以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるもの
がより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に
好ましい。融点が低い疎水性色素を用いることにより、
インク組成物中での色素の結晶析出が抑制され、インク
組成物の保存安定性が良くなる。本発明のインク組成物
においては、疎水性色素は1種単独で用いてもよく、ま
た、数種類を混合して用いてもよい。また、本発明の効
果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染
料、分散染料、顔料等の着色材が含有されていてもよ
い。
【0039】本発明のインク組成物に使用可能な疎水性
色素としては、例えば、アントラキノン系、ナフトキノ
ン系、スチリル系、インドアニリン系、アゾ系、ニトロ
系、クマリン系、メチン系、ポルフィリン系、アザポル
フィリン系、フタロシアニン系色素等が挙げられる。な
お、フルカラー印刷用のインクジェットインクとして完
成させるためには、通常、黄色(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)の三原色に黒を加えた少なくとも
4色の色素が必要となる。
【0040】本発明に使用可能な疎水性色素のうち、イ
エロー色素としては、任意のものを使用することができ
る。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフ
トール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開
鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘ
テリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型
活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えば
ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のよ
うなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキ
ノン染料等のようなキノン系染料等があり、これ以外の
染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染
料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げること
ができる。
【0041】本発明に使用可能な疎水性色素のうち、マ
ゼンタ色素としては、任意のものを使用することができ
る。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフ
トール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリ
ルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン
類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;
例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン
染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニ
ルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染
料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、ア
ントラキノン、アントラピリドン等のようなキノン系染
料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料
等を挙げることができる。
【0042】本発明に使用可能な疎水性色素のうち、シ
アン色素としては、任意のものを使用することができ
る。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料
あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類
を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール
染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフ
ェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテ
ン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染
料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分とし
てフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するア
リール若しくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオイン
ジゴ染料を挙げることができる。
【0043】前記の各染料は、クロモフォアの一部が解
離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈す
るものであってもよく、その場合のカウンターカチオン
はアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオ
ンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム
塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそ
れらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよ
い。
【0044】前記疎水性色素の中でも、好ましい具体例
としては、以下のものが挙げられるが、本発明はこれら
に何ら限定されるものではない。例えば、C.I.ソル
ベント・ブラック3,7,27,29及び34;C.
I.ソルベント・イエロー14,16,19,29,3
0,56,82,93及び162;C.I.ソルベント
・レッド1,3,8,18,24,27,43,49,
51,72,73,109,122,132及び21
8;C.I.ソルベント・バイオレット3;C.I.ソ
ルベント・ブルー2,11,25,35,38,67及び
70;C.I.ソルベント・グリーン3及び7;並びに
C.I.ソルベント・オレンジ2等が好ましい。これら
の中でも、Nubian Black PC−085
0、Oil Black HBB、Oil Yello
w129、Oil Yellow105、Oil Pi
nk312、Oil Red5B、Oil Scarl
et308、Vali Fast Blue2606、
Oil Blue BOS(オリエント化学(株)
製)、Aizen Spilon Blue GNH
(保土ヶ谷化学(株)製)、Neopen Yello
w075、Neopen Mazenta SE137
8、Neopen Blue808、Neopen B
lue FF4012、Neopen Cyan FF
4238(BASF社製)等がより好ましい。
【0045】また本発明においては、水非混和性有機溶
媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもでき、その
好ましい具体例としては、以下のものが挙げられるが、
本発明はこれらに何ら限定されるものではない。例え
ば、C.I.ディスパーズイエロー5,42,54,6
4,79,82,83,93,99,100,119,
122,124,126,160,184:1,18
6,198,199,201,204,224及び23
7;C.I.ディスパーズオレンジ13,29,31:
1,33,49,54,55,66,73,118,1
19及び163;C.I.ディスパーズレッド54,6
0,72,73,86,88,91,92,93,11
1,126,127,134,135,143,14
5,152,153,154,159,164,16
7:1,177,181,204,206,207,2
21,239,240,258,277,278,28
3,311,323,343,348,356及び36
2;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.
ディスパーズブルー56,60,73,87,113,
128,143,148,154,158,165,1
65:1,165:2,176,183,185,19
7,198,201,214,224,225,25
7,266,267,287,354,358,365
及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン6:
1及び9等が好ましい。
【0046】また、前記疎水性色素の中でも、下記一般
式(I)で表される化合物(アゾ染料)、及び下記一般
式(II)で表される化合物(アゾメチン染料)が好適に
挙げられる。下記一般式(II)で表されるアゾメチン染
料は、写真材料において、カプラー及び現像主薬から酸
化によって生成する染料として知られている。なお、以
下に、一般式(I)及び一般式(II)で表される化合物
の説明をするが、下記一般式(I)及び一般式(II)の
各基のうち、少なくとも1つが以下に示す好ましい範囲
である化合物が好ましく、より多くの基が好ましい範囲
である化合物がより好ましく、全ての基が好ましい範囲
である化合物が特に好ましい。
【0047】
【化17】
【0048】前記一般式(I)及び一般式(II)におい
て、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、
ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ
基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミ
ノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、ア
リールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニ
ル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イ
ミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル
基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基を表す。こ
れらの中でも、R2としては、水素原子、ハロゲン原
子、脂肪族基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミ
ド基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキ
シカルボニルアミノ基、スルホンアミド基が好ましい。
【0049】前記一般式(I)及び一般式(II)におい
て、Aは、−NR56又はヒドロキシ基を表す。Aとし
ては、−NR56が好ましい。前記R5及びR6は、各々
独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を
表す。その中でも、前記R5及びR6としては、各々独立
に、水素原子、アルキル基及び置換アルキル基、アリー
ル基及び置換アリール基がより好ましく、水素原子、炭
素原子数が1〜18のアルキル基、及び炭素原子数が1
〜18の置換アルキル基が最も好ましい。R5及びR
6は、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0050】前記一般式(II)において、B1は、=C
(R3)−又は=N−を表す。B2は、−C(R4)=又
は−N=を表す。B1及びB2が、同時には−N=となら
ない場合が好ましく、B1が=C(R3)−、B2が−C
(R4)=となる場合がより好ましい。
【0051】前記一般式(I)及び一般式(II)におい
て、R1とR5と、R3とR6とは、及び/又は、R1とR2
とは、互いに結合して芳香族環又は複素環を形成してい
てもよい。
【0052】本明細書において、脂肪族基とは、アルキ
ル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基及
び置換アラルキル基を意味する。前記脂肪族基は、分岐
状であってもよいし、また環状であってもよい。前記脂
肪族基における炭素原子数は1〜20が好ましく、1〜
18がより好ましい。前記アラルキル基及び置換アラル
キル基のアリール部分は、フェニル基及びナフチル基が
好ましく、フェニル基がより好ましい。前記置換アルキ
ル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基及び置換ア
ラルキル基におけるアルキル部分の置換基としては、前
記R1、R2、R3及びR4で挙げた置換基の例と同様のも
のが挙げられる。前記置換アラルキル基におけるアリー
ル部分の置換基としては、下記置換アリール基における
置換基の例と同様のものが挙げられる。
【0053】本明細書において、芳香族基とは、アリー
ル基及び置換アリール基を意味する。前記アリール基と
しては、フェニル基及びナフチル基が好ましく、フェニ
ル基がより好ましい。前記置換アリール基におけるアリ
ール部分は、上記アリール基の場合と同様である。前記
置換アリール基における置換基としては、前記R1
2、R3及びR4で挙げた置換基の例と同様のものが挙
げられる。
【0054】前記一般式(I)において、Yは、不飽和
複素環基を表す。Yとしては、5員又は6員の不飽和複
素環が好ましい。複素環に、脂肪族環、芳香族環又は他
の複素環が縮合していてもよい。複素環のヘテロ原子の
例としては、N、O、及びSを挙げることができる。前
記不飽和複素環としては、例えば、ピラゾール環、イミ
ダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジ
アゾール環、チオフェン環、ベンゾチアゾール環、ベン
ゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ピリミジ
ン環、ピリジン環、及びキノリン環等が好ましい。ま
た、前記不飽和複素環基は、前記R1〜R4で挙げた置換
基を有していてもよい。
【0055】前記一般式(II)において、Xはカラー写
真カプラーの残基を表す。前記カプラーとしては、以下
のカプラーが好ましい。イエローカプラーとしては、米
国特許3,933,501号、同4,022,620
号、同4,326,024号、同4,401,752
号、同4,248,961号、特公昭58−10739
号、英国特許1,425,020号、同1,476,7
60号、米国特許3,973,968号、同4,31
4,023号、同4,511,649号、欧州特許24
9,473A号、同502,424A号の式(I)、
(II)で表されるカプラー、同513,496A号の式
(1),(2)で表されるカプラー(特に18頁のY−
28)、同568,037A号のクレーム1の式(I)
で表されるカプラー、米国特許5,066,576号の
カラム1の45〜55行の一般式(I)で表されるカプ
ラー、特開平4−274425号の段落0008の一般
式(I)で表されるカプラー、欧州特許498,381
A1号の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に1
8頁のD−35)、同447,969A1号の4頁の式
(Y)で表されるカプラー(特に、Y−1(17頁),
Y−54(41頁))、米国特許4,476,219号
のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表され
るカプラー(特にII−17,19(カラム17),II−
24(カラム19))等が挙げられる。
【0056】マゼンタカプラーとしては、米国特許4,
310,619号、同4,351,897号、欧州特許
73,636号、米国特許3,061,432号、同
3,725,067号、リサーチ・ディスクロージャー
No.24220(1984年6月)、同No.242
30(1984年6月)、特開昭60−33552号、
同60−43659号、同61−72238号、同60
−35730号、同55−118034号、同60−1
85951号、米国特許4,500,630号、同4,
540,654号、同4,556,630号、国際公開
WO88/04795号、特開平3−39737号(L
−57(11頁右下),L−68(12頁右下),L−
77(13頁右下)、欧州特許456,257号の〔A
−4〕−63(134頁),〔A−4〕−73,−75
(139頁)、同486,965号のM−4,−6(2
6頁),M−7(27頁)、同571,959A号のM
−45(19頁)、特開平5−204106号の(M−
1)(6頁)、同4−362631号の段落0237の
M−22等が挙げられる。
【0057】シアンカプラーとしては、米国特許4,0
52,212号、同4,146,396号、同4,22
8,233号、同4,296,200号、欧州特許7
3,636号、特開平4−204843号のCX−1,
3,4,5,11,12,14,15(14〜16
頁);特開平4−43345号のC−7,10(35
頁),34,35(37頁),(I−1),(I−1
7)(42〜43頁);特開平6−67385号の請求
項1の一般式(Ia)又は(Ib)で表されるカプラー
等が挙げられる。
【0058】その他、特開昭62−215272号(9
1頁)、特開平2−33144号(3頁,30頁)、E
P355,660A(4頁,5頁,45頁,47頁)記
載のカプラーも有用である。
【0059】前記一般式(I)で表される染料の中で
も、マゼンタ染料としては、下記一般式(III)で表さ
れる染料が、特に好ましい。
【0060】
【化18】
【0061】前記一般式(III)において、Z1は、ハメ
ットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基
を表す。Z1としては、σp値が0.30以上1.0以
下の電子吸引性基が好ましい。好ましい具体的な置換基
としては、後述する電子吸引性置換基を挙げることがで
きるが、その中でも、炭素数2〜12のアシル基、炭素
数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、
シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭
素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数1〜12
のカルバモイル基及び炭素数1〜12のハロゲン化アル
キル基がより好ましく、シアノ基、炭素数1〜12のア
ルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホ
ニル基がさらに好ましく、シアノ基が特に好ましい。
【0062】R1〜R6は、前記一般式(I)と同義であ
る。Z2は、水素原子、脂肪族基、又は芳香族基を表
す。Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基
を表す。その中でも、Qとしては、5員環〜8員環を形
成するのに必要な非金属原子群からなる基が好ましく、
芳香族基又は複素環基がより好ましい。前記5員環〜8
員環は、置換されていてもよく、飽和環であっても不飽
和結合を有していてもよい。前記非金属原子群として
は、窒素原子、酸素原子、イオウ原子又は炭素原子が好
ましい。前記5員環〜8員環としては、例えば、ベンゼ
ン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘ
プタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ト
リアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾール環、
オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、オキサン環、
スルホラン環及びチアン環等が好適に挙げられ、これら
の環がさらに置換基を有する場合、該置換基としては、
前記R1〜R4で例示した基が好ましい。なお、前記一般
式(III)で表される染料の好ましい構造としては、特
願2000−220649号に記載がある。
【0063】前記一般式(II)で表される染料の中で
も、マゼンタ染料としては、下記一般式(IV)で表され
る染料が、特に好ましい。
【0064】
【化19】
【0065】前記一般式(IV)において、Gは、水素原
子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、エステル基、アミノ基、カルバモイル基、スル
ホニル基、スルファモイル基、ウレイド基、ウレタン
基、アシル基、アミド基、又はスルホンアミド基を表
す。またR1、R2、A、B1及びB2は、前記一般式(I
I)と同義であり、それらの好ましい範囲も、前記一般
式(II)と同様である。Lは、5員又は6員の含窒素複
素環を形成する原子群を表し、該含窒素複素環を形成す
る原子群は、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ
基、アルコキシ基、アリール基、オキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、エステル基、アミノ基、カルバ
モイル基、スルホニル基、スルファモイル基、ウレイド
基、ウレタン基、アシル基、アミド基、又はスルホンア
ミド基のうち、少なくとも1つで置換されていてもよ
く、さらに別の環と縮合環を形成してもよい。
【0066】前記一般式(IV)で表される染料におい
て、Aとしては、−NR56が好ましく、Lとしては、
5員の含窒素複素環を形成するのが好ましく、5員の含
窒素複素環としては、例えば、イミダゾール環、トリア
ゾール環、テトラゾール環等が好ましい。
【0067】次に、前記一般式(I)及び前記一般式
(II)で表される染料のうち、マゼンタ染料の例示化合
物(M−1〜70)を以下に示すが、本発明は、これら
により何ら限定されるものではない。
【0068】
【化20】
【0069】
【化21】
【0070】
【化22】
【0071】
【化23】
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】
【化26】
【0075】
【化27】
【0076】
【化28】
【0077】
【化29】
【0078】
【化30】
【0079】
【化31】
【0080】
【化32】
【0081】
【化33】
【0082】
【化34】
【0083】
【化35】
【0084】
【化36】
【0085】
【化37】
【0086】本発明に使用可能な化合物は、前記例示化
合物のほか、特願平11−365187号、同11−3
65190号、特願2000−220649号に記載さ
れているが、これらに限定されるものではない。
【0087】本発明の式(III)で表される色素は、例
えば、特願2000−220649号、特開昭55−1
61856号公報に記載された方法を参考にして合成す
ることができる。本発明の式(IV)で表される色素は、
例えば、特開平4−126772号、特公平7−941
80号公報及び特願2000−78491号に記載され
た方法を参考にして合成することができる。
【0088】前記一般式(II)で表される染料のうち、
シアン染料としては、下記一般式(V)で表されるピロ
ロトリアゾールアゾメチン染料が、特に好ましい。
【0089】
【化38】
【0090】前記一般式(V)において、A、R1
2、B1及びB2は、前記一般式(II)と同義であり、
それらの好ましい範囲も、前記一般式(II)と同様であ
る。Z3及びZ4は、各々独立に、前記一般式(IV)にお
けるGと同義である。Z3及びZ4は、互いに結合して環
構造を形成してもよい。Mは、前記一般式(V)の5員
環に縮合した1,2,4−トリアゾール環を形成できる
原子団であって、縮合部のにおける2つの原子B3及び
4のいずれか一方は窒素原子であり、他方は炭素原子
である。
【0091】さらに、前記一般式(V)で表されるピロ
ロトリアゾールアゾメチン染料の中でも、Z3が、ハメ
ット置換基定数σp値0.30以上の電子吸引性基であ
るものは、吸収がシャープなのでより好ましく、ハメッ
ト置換基定数σp値0.45以上の電子吸引性基である
ものはさらに好ましく、ハメット置換基定数σp値0.
60以上の電子吸引性基であるものは特に好ましい。そ
して、Z3及びZ4のハメット置換基定数σp値の和が
0.70以上のものはシアン色として優れた色相を呈
し、最も好ましい。
【0092】なお、前記一般式(V)で表されるピロロ
トリアゾールアゾメチン染料は、置換基を変更すること
によりマゼンタ染料として用いることもできるが、シア
ン染料として用いるのが好ましい。
【0093】ここで、本明細書で用いられるハメットの
置換基定数σp値について説明する。ハメット則とは、
ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を
定量的に論ずるため、1935年にL.P.Hamme
ttにより提唱された経験則であるが、これは今日広く
妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換
基定数には、σp値とσm値があり、これらの値は多く
の一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.
A.Dean編、「Lange’s Handbook
of Chemistry」第12版、1979年
(McGraw−Hill)や、「化学の領域」増刊、
122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳
しい。
【0094】なお、本発明において各置換基をハメット
の置換基定数σpにより限定したり、説明したりする
が、これは上記成書で見出せる、文献既知の値がある置
換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文
献未知であっても、ハメット則に基づいて測定した場合
にその範囲内に包まれるであろう置換基をも含むことは
いうまでもない。また、本発明の前記一般式(I)〜前
記一般式(V)の中には、ベンゼン誘導体ではないもの
も含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度として、置
換位置に関係なくσp値を使用する。従って、本発明に
おいては、σp値をこのような意味で使用する。
【0095】ハメット置換基定数σp値が0.60以上
の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキ
ルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、アリール
スルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基)等が挙げ
られる。
【0096】ハメットσp値が0.45以上の電子吸引
性基としては、前記に加え、アシル基(例えばアセチル
基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシ
カルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例え
ば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスル
フィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、ア
リールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニ
ル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファ
モイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン
化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)等が挙げら
れる。
【0097】ハメット置換基定数σp値が0.30以上
の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基
(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N
−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメ
チルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、
ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基
(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アル
キルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上
のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたア
リール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタ
クロロフェニル)、及び複素環(例えば、2−ベンゾオ
キサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニルー2
−ベンズイミダゾリル)等が挙げられる。
【0098】σp値が0.20以上の電子吸引性基とし
ては、上記に加え、ハロゲン原子がなどが挙げられる。
【0099】以下に、本発明におけるピロロトリアゾー
ルアゾメチン染料のうち、シアン染料の例示化合物(C
−1〜9)を以下に示すが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。
【0100】
【化39】
【0101】
【化40】
【0102】
【化41】
【0103】本発明に使用可能な染料としては、さらに
特願平11−365188号明細書に記載されている例
示化合物が挙げられるが、本発明は、これらに何ら限定
されるものではない。
【0104】本発明の疎水性色素として使用するイエロ
ー色素としては、下記一般式(Y−I)で表される化合
物(染料)が好ましい。
【0105】
【化42】
【0106】前記一般式(Y−I)において、A及びB
は各々独立に、置換されていてもよい複素環基を表す。
前記複素環としては、5員環又は6員環から構成された
複素環が好ましく、単環構造であっても、2つ以上の環
が縮合した多環構造であってもよく、芳香族複素環であ
っても非芳香族複素環であってもよい。前記複素環を構
成するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄
原子が好ましい。
【0107】前記一般式(Y−I)において、Aで表さ
れる複素環としては、5−ピラゾロン、ピラゾール、オ
キサゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、ピリ
ドン、ローダニン、ピラゾリジンジオン、ピラゾロピリ
ドン、メルドラム酸及びこれらの複素環にさらに炭化水
素芳香環や複素環が縮環した縮合複素環が好ましい。そ
の中でも、5-ピラゾロン、5−アミノピラゾール、ピ
リドン、ピラゾロアゾール類が好ましく、5−アミノピ
ラゾール、2−ヒドロキシ−6−ピリドン、ピラゾロト
リアゾールが特に好ましい。
【0108】前記一般式(Y−I)において、Bで表さ
れる複素環としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジ
ン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリ
ン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリ
ン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チ
オフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾー
ル、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾー
ル、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンゾイソチ
アゾール、チアジアゾール、ベンゾイソオキサゾール、
ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジ
ン、チアゾリンなどが好適に挙げられる。その中でも、
ピリジン、キノリン、チオフェン、ベンゾチオフェン、
ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリ
アゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾオ
キサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチア
ゾール、ベンゾイソチアゾール、チアジアゾール、ベン
ゾイソオキサゾールが好ましく、キノリン、チオフェ
ン、ピラゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベ
ンゾイソオキサゾール、イソチアゾール、イミダゾー
ル、ベンゾチアゾール、チアジアゾールがより好まし
く、ピラゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾー
ル、イミダゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,
3,4−チアジアゾールが特に好ましい。
【0109】前記A及びBに置換する置換基は、ハロゲ
ン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ
環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アル
コキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニル
オキシ、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニル
アミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオ
キシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ア
ルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィ
ニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル
基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、、イミド基、ホスフィノ基、ホ
スフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルア
ミノ基、シリル基が例として挙げられる。
【0110】前記一般式(Y−I)で表される染料の中
でも、下記一般式(Y−II)、(Y−III)、及び(Y−IV)
で表される染料がより好ましい。
【0111】
【化43】
【0112】前記一般式(Y−II)において、R1及び
3は、水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアル
キル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アリール基又はイオン性親水性基
を表す。R2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アラルキル基、カルバモイル基、アシル基、アリ
ール基又は複素環基を表す。R4は複素環基を表す。
【0113】
【化44】
【0114】前記一般式(Y−III)において、R5は、
水素原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、
アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アリール基又はイオン性親水性基を表す。Z
aは−N=、−NH−、又はC(R11)=を表し、Zb
及びZcは各々独立して、−N=、又はC(R11)=を
表し、前記R11は、水素原子又は非金属置換基を表す。
6は複素環基を表す。
【0115】
【化45】
【0116】前記一般式(Y−IV)において、R7及び
9は各々独立して、水素原子、シアノ基、アルキル
基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、又はイオン性親水性基を表す。R
8は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、アシル
アミノ基、スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニル
アミノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、スルホニル基、アシル基、アルキルアミノ
基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、又はイオン性親
水性基を表す。R10は複素環基を表す。
【0117】前記一般式(Y−II)、(Y−III)、及
び(Y−IV)におけるR1、R2、R3、R5、R7、R8
びR9が表す置換基について以下に詳述する。
【0118】R1、R2、R3、R5、R7、R8及びR9
表すアルキル基には、置換基を有するアルキル基及び無
置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基として
は、炭素原子数が1〜20のアルキル基が好ましく、前
記置換基の例としては、ヒドロキシル基、アルコキシ
基、シアノ基、ハロゲン原子、及びイオン性親水性基が
挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチ
ル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒド
ロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフ
ルオロメチル、3−スルホプロピル、及び4−スルホブ
チルが好適に挙げられる。
【0119】R1、R2、R3、R5、R7、R8及びR9
表すシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアル
キル基及び無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記
シクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜12のシ
クロアルキル基が好ましく、前記置換基の例としては、
イオン性親水性基が挙げられる。前記シクロアルキル基
としては、例えば、シクロヘキシルが好適に挙げられ
る。
【0120】R1、R2、R3、R5、R7、R8及びR9
表すアラルキル基には、置換基を有するアラルキル基及
び無置換のアラルキル基が含まれる。前記アラルキル基
としては、炭素原子数が7〜20のアラルキル基が好ま
しく、前記置換基の例にはイオン性親水性基が挙げられ
る。前記アラルキル基としては、ベンジル、及び2−フ
ェネチルが好適に挙げられる。
【0121】R1、R2、R3、R5、R7、及びR9が表す
アリール基には、置換基を有するアリール基及び無置換
のアリール基が含まれる。前記アリール基としては、炭
素原子数が6〜20のアリール基が好ましく、前記置換
基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
子、アルキルアミノ基、及びイオン性親水性基が挙げら
れる。前記アリール基の例としては、フェニル、p−ト
リル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニル、及
びm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが好適に
挙げられる。
【0122】R1、R2、R3、R5、R7、R8及びR9
表すアルキルチオ基には、置換基を有するアルキルチオ
基及び無置換のアルキルチオ基が含まれる。前記アルキ
ルチオ基としては、炭素原子数が1〜20のアルキルチ
オ基が好ましく、前記置換基の例にはイオン性親水性基
が挙げられる。前記アルキルチオ基としては、メチルチ
オ及びエチルチオが好適に挙げられる。
【0123】R1、R2、R3、R5、R7、R8及びR9
表すアリールチオ基には、置換基を有するアリールチオ
基及び無置換のアリールチオ基が含まれる。前記アリー
ルチオ基としては、炭素原子数が6〜20のアリールチ
オ基が好ましく、前記置換基の例としては、アルキル
基、及びイオン性親水性基が挙げられる。前記アリール
チオ基としては、例えば、フェニルチオ基及びp−トリ
ルチオが好適に挙げられる。
【0124】R2で表される複素環基は、5員又は6員
の複素環が好ましく、それらはさらに縮環していてもよ
い。複素環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子、
硫黄原子、酸素原子が好ましい。また、芳香族複素環で
あっても非芳香族複素環であってもよい。前記複素環は
さらに置換されていてもよく、該置換基の例としては、
後述のアリール基の置換基と同じものが好適に挙げられ
る。好ましい複素環としては、6員の含窒素芳香族複素
環が挙げられ、その中でも、トリアジン、ピリミジン、
フタラジンが特に好ましい。
【0125】R8が表すハロゲン原子としては、フッ素
原子、塩素原子、及び臭素原子が好適に挙げられる。R
1、R3、R5、及びR8が表すアルコキシ基には、置換基
を有するアルコキシ基及び無置換のアルコキシ基が含ま
れる。前記アルコキシ基としては、炭素原子数が1〜2
0のアルコキシ基が好ましく、前記置換基の例として
は、ヒドロキシル基、及びイオン性親水性基が含まれ
る。前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エ
トキシ、イソプロポキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキ
シエトキシ、及び3−カルボキシプロポキシが好適に挙
げられる。
【0126】R8が表すアリールオキシ基には、置換基
を有するアリールオキシ基及び無置換のアリールオキシ
基が含まれる。前記アリールオキシ基としては、炭素原
子数が6〜20のアリールオキシ基が好ましく、前記置
換基の例には、アルコキシ基、及びイオン性親水性基が
含まれる。前記アリールオキシ基としては、例えば、フ
ェノキシ、p−メトキシフェノキシ及びo−メトキシフ
ェノキシが好適に挙げられる。R8が表すアシルアミノ
基には、置換基を有するアシルアミノ基及び無置換のア
シルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基として
は、炭素原子数が2〜20のアシルアミノ基が好まし
く、前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれ
る。前記アシルアミノ基としては、例えば、アセトアミ
ド、プロピオンアミド、ベンズアミド及び3、5−ジス
ルホベンズアミドが好適に挙げられる。
【0127】R8が表すスルホニルアミノ基には、置換
基を有するスルホニルアミノ基及び無置換のスルホニル
アミノ基が含まれる。前記スルホニルアミノ基として
は、炭素原子数が1〜20のスルホニルアミノ基が好ま
しい。前記スルホニルアミノ基としては、例えば、メチ
ルスルホニルアミノ、及びエチルスルホニルアミノが好
適に挙げられる。
【0128】R8が表すアルコキシカルボニルアミノ基
には、置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基及
び無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。
前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素原子
数が2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基が好まし
く、前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれ
る。前記アルコキシカルボニルアミノ基としては、エト
キシカルボニルアミノが好適に挙げられる。
【0129】R8が表すウレイド基には、置換基を有す
るウレイド基及び無置換のウレイド基が含まれる。前記
ウレイド基としては、炭素原子数が1〜20のウレイド
基が好ましく、前記置換基の例としては、アルキル基及
びアリール基が含まれる。前記ウレイド基としては、例
えば、3−メチルウレイド、3、3−ジメチルウレイド
及び3−フェニルウレイドが好適に挙げられる。
【0130】R7、R8、R9が表すアルコキシカルボニ
ル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基及び
無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記アル
コキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜20の
アルコキシカルボニル基が好ましく、前記置換基の例に
は、イオン性親水性基が含まれる。前記アルコキシカル
ボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル及びエ
トキシカルボニルが好適に挙げられる。
【0131】R2、R7、R8、及びR9が表すカルバモイ
ル基には、置換基を有するカルバモイル基及び無置換の
カルバモイル基が含まれる。前記置換基の例にはアルキ
ル基が含まれる。前記カルバモイル基としては、例え
ば、メチルカルバモイル基及びジメチルカルバモイル基
が好適に挙げられる。R8が表すスルファモイル基に
は、置換基を有するスルファモイル基及び無置換のスル
ファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキ
ル基が含まれる。前記スルファモイル基としては、例え
ば、ジメチルスルファモイル基及びジ−(2−ヒドロキ
シエチル)スルファモイル基が好適に挙げられる。
【0132】R8が表すスルホニル基としては、例え
ば、メタンスルホニル及びフェニルスルホニルが好適に
挙げられる。R2、R8が表すアシル基には、置換基を有
するアシル基及び無置換のアシル基が含まれる。前記ア
シル基としては、炭素原子数が1〜20のアシル基が好
ましく、前記置換基の例にはイオン性親水性基が含まれ
る。前記アシル基としては、アセチル及びベンゾイルが
好適に挙げられる。
【0133】R8が表すアミノ基には、置換基を有する
アミノ基及び無置換のアミノ基が含まれる。置換基の例
には、アルキル基、アリール基、複素環基が含まれる。
前記アミノ基としては、メチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、アニリノ及び2−クロロアニリノが好適に挙げられ
る。
【0134】R4、R6、R10で表される複素環基は、前
記一般式(Y−I)のBで表される置換されていてもよ
い複素環基と同じであり、好ましい例、さらに好ましい
例、特に好ましい例も前記と同様である。置換基として
は、イオン性親水性基、炭素原子数が1〜12のアルキ
ル基、アリール基、アルキル又はアリールチオ基、ハロ
ゲン原子、シアノ基、スルファモイル基、スルホンアミ
ノ基、カルバモイル基、及びアシルアミノ基等が挙げら
れ、前記アルキル基及びアリール基等はさらに置換基を
有していてもよい。
【0135】前記一般式(Y−III)において、Zaは
−N=、−NH−、又はC(R11)=を表す。Zb及び
Zcは、各々独立して、−N=又はC(R11)=を表
す。R 11は、水素原子又は非金属置換基を表す。R11
表す非金属置換基としては、シアノ基、シクロアルキル
基、アラルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、又はイオン性親水性基が好ましい。前記置
換基の各々は、R1が表す各々の置換基と同義であり、
好ましい例も同様である。前記一般式(Y−III)に含
まれる2つの5員環からなる複素環の骨格例を下記に示
す。
【0136】
【化46】
【0137】上記で説明した各置換基が、さらに置換基
を有していてもよい場合の置換基の例としては、前記一
般式(Y−I)の複素環A及びBに置換してもよい置換
基を挙げることができる。
【0138】以下に、前記一般式(Y−I)で表される
染料の具体例(Y−101〜Y−155)を示すが、本
発明に用いられる染料は、下記の具体例に限定されるも
のではない。これらの化合物は特開平2−24191
号、特開2001−279145号の各公報を参考にし
て合成できる。
【0139】
【化47】
【0140】
【化48】
【0141】
【化49】
【0142】
【化50】
【0143】
【化51】
【0144】
【化52】
【0145】
【化53】
【0146】
【化54】
【0147】
【化55】
【0148】
【化56】
【0149】
【化57】
【0150】さらに、本発明の疎水性色素として好適に
使用される油溶性色素としては、下記一般式(M−I)
で表される化合物(以下、「アゾ染料」と称する場合が
ある)が好ましい。以下に、本発明の一般式(M−I)
で表される化合物について説明する。
【0151】
【化58】
【0152】前記一般式(M−I)において、Aは、5
員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1及びB
2は、B1が=CR1−を表しB2が−CR2=を表すか、
あるいは、いずれか一方が窒素原子、他方が=CR1
又は−CR2=を表す。R5,R6は、各々独立に、水素
原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カ
ルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、又はスルファモイル基を表す。各基は更に置換
基を有していてもよい。G、R1,R2は、各々独立し
て、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複
素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモ
イルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニ
ルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アル
キル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ
基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミ
ノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、アルキルアリールスルホニルアミ
ノ基、アリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、スルファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基
を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R1
とR5、又はR5とR6が結合して5〜6員環を形成して
もよい。
【0153】本発明の前記一般式(M−I)で表される
化合物について詳細に説明する。前記一般式(M−I)
において、Aは、5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残
基を表す。該5員複素環のヘテロ原子の例としては、
N、O、及びSを挙げることができる。好しくは含窒素
5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環又は他
の複素環が縮合していてもよい。Aの好ましい複素環の
例としては、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾー
ル環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチ
アゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾ
ール環を挙げることができる。各複素環基は、更に置換
基を有していてもよい。中でも、下記一般式(M−a)
から(M−f)で表されるピラゾール環、イミダゾール
環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチア
ゾール環が好ましい。
【0154】
【化59】
【0155】前記一般式(M−a)〜(M−f)のR7
〜R20は、後に説明する置換基G、R1及びR2と同じ置
換基を表す。前記一般式(M−a)〜(M−f)のう
ち、好ましいのは一般式(M−a)及び(M−b)で表
されるピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好
ましいのは一般式(M−a)で表されるピラゾール環で
ある。B1及びB2は、B1が=CR1−を表しB2が−C
2=を表すか、あるいは、いずれか一方が窒素原子、
他方が=CR1−又は−CR2=を表すが、B1が=CR1
−を表しB2が−CR2=を表すものがより好ましい。R
5及びR6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、又はスルファモ
イル基を表し、各基は更に置換基を有していてもよい。
5及びR6で表される好ましい置換基には、水素原子、
脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基を挙げることができ
る。さらに好ましくは、水素原子、芳香族基、複素環
基、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールス
ルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリー
ル基、又は複素環基である。各基は更に置換基を有して
いてもよい。ただし、R5、R6が同時に水素原子である
ことはない。
【0156】G、R1及びR2は、各々独立に、水素原
子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シ
アノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ
基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基若
しくはアリール基若しくは複素環基で置換されたアミノ
基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミ
ノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、ア
リールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィニル
基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、又は
スルホ基を表し、各基は更に置換されていてもよい。
【0157】Gで表される好ましい置換基としては、水
素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アルキル基、アリール基又は複
素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイ
ド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニル
アミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、及びヘテロ環チオ基が挙げ
られ、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、アルキル基若しくはアリール基若
しくは複素環基で置換されたアミノ基、又はアシルアミ
ノ基であり、中でも水素原子、アリールアミノ基、アミ
ド基が最も好ましい。各基は更に置換基を有していても
よい。
【0158】R1及びR2で表される好ましい置換基とし
ては、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル
基、カルボキシル基、カルバモイル基及びシアノ基を挙
げることができる。各基は更に置換基を有していてもよ
い。R1とR5、又は、R5とR6が結合して5〜6員環を
形成してもよい。A、R1、R2、R5、R6、Gで表され
る各置換基が更に置換基を有する場合の置換基として
は、前記G、R1、R2で挙げた置換基を挙げることがで
きる。
【0159】以下、G、R1及びR2で表される置換基に
ついて詳しく説明する。ハロゲン原子としては、フッ素
原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。脂肪族基
は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換
アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラ
ルキル基、及び置換アラルキル基を意味する。脂肪族基
は、分岐を有していてもよく、また環を形成していても
よい。脂肪族基の炭素原子数は、1〜20であることが
好ましく、1〜16であることがさらに好ましい。アラ
ルキル基及び置換アラルキル基のアリール部分はフェニ
ル又はナフチルであることが好ましく、フェニルが特に
好ましい。脂肪族基の例としては、メチル基、エチル
基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヒドロ
キシエチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、ト
リフルオロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スル
ホブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、2−フェ
ネチル基、ビニル基、及びアリル基を挙げることができ
る。
【0160】本明細書において、芳香族基は、アリール
基及び置換アリール基を意味する。アリール基は、フェ
ニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル
基が特に好ましい。芳香族基の炭素原子数は6〜20で
あることが好ましく、6〜16がさらに好ましい。芳香
族基の例としては、フェニル基、p−トリル基、p−メ
トキシフェニル基、o−クロロフェニル基及びm−(3
−スルホプロピルアミノ)フェニル基が含まれる。複素
環基には、置換基を有する複素環基及び無置換の複素環
基が含まれる。複素環に脂肪族環、芳香族環、又は他の
複素環が縮合していてもよい。複素環基としては、5員
又は6員環の複素環基が好ましい。置換基の例として
は、脂肪族基、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、アシル基、アシルアミノ基、ス
ルファモイル基、カルバモイル基、及びイオン性親水性
基などが含まれる。複素環基の例としては、2−ピリジ
ル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾ
チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、及び2−フ
リル基が含まれる。
【0161】前記アルキルスルホニル基及びアリールス
ルホニル基の例としては、各々、メタンスルホニル基及
びフェニルスルホニル基を挙げることができる。前記ア
ルキルスルフィニル基及びアリールスルフィニル基の例
としては、各々、メタンスルフィニル基及びフェニルス
ルフィニル基を挙げることができる。
【0162】前記アシル基には、置換基を有するアシル
基及び無置換のアシル基が含まれる。アシル基として
は、炭素原子数が1〜12のアシル基が好ましい。置換
基の例としては、イオン性親水性基が含まれる。アシル
基の例としては、アセチル基及びベンゾイル基が含まれ
る。
【0163】前記アミノ基には、アルキル基、アリール
基、及び複素環基で置換されたアミノ基が含まれ、アル
キル基、アリール基、及び複素環基は、さらに置換基を
有していてもよい。無置換のアミノ基は含まれない。ア
ルキルアミノ基としては、炭素原子数1〜6のアルキル
アミノ基が好ましい。置換基の例としては、イオン性親
水性基が含まれる。アルキルアミノ基の例としては、メ
チルアミノ基及びジエチルアミノ基が挙げられる。前記
アリールアミノ基には、置換基を有するアリールアミノ
基及び無置換のアリールアミノ基が含まれる。アリール
アミノ基としては、炭素原子数が6〜12のアリールア
ミノ基が好ましい。置換基の例としては、ハロゲン原
子、及びイオン性親水性基が含まれる。アリールアミノ
基の例としては、アニリノ基及び2−クロロアニリノ基
が含まれる。
【0164】前記アルコキシ基には、置換基を有するア
ルコキシ基及び無置換のアルコキシ基が含まれる。アル
コキシ基としては、炭素原子数が1〜12のアルコキシ
基が好ましい。置換基の例としては、アルコキシ基、ヒ
ドロキシル基、及びイオン性親水性基が含まれる。アル
コキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソ
プロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキ
シ基及び3−カルボキシプロポキシ基が含まれる。
【0165】前記アリールオキシ基には、置換基を有す
るアリールオキシ基及び無置換のアリールオキシ基が含
まれる。アリールオキシ基としては、炭素原子数が6〜
12のアリールオキシ基が好ましい。置換基の例として
は、アルコキシ基、及びイオン性親水性基が含まれる。
アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、p−メ
トキシフェノキシ基及びo−メトキシフェノキシ基が含
まれる。
【0166】前記アシルアミノ基には、置換基を有する
アシルアミノ基が含まれる。前記アシルアミノ基として
は、炭素原子数が2〜12のアシルアミノ基が好まし
い。置換基の例としては、イオン性親水性基が含まれ
る。アシルアミノ基の例としては、アセチルアミノ基、
プロピオニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、N−フェ
ニルアセチルアミノ及び3,5−ジスルホベンゾイルア
ミノ基が含まれる。
【0167】前記ウレイド基には、置換基を有するウレ
イド基及び無置換のウレイド基が含まれる。前記ウレイ
ド基としては、炭素原子数が1〜12のウレイド基が好
ましい。置換基の例としては、アルキル基及びアリール
基が含まれる。ウレイド基の例としては、3−メチルウ
レイド基、3,3−ジメチルウレイド基及び3−フェニ
ルウレイド基が含まれる。
【0168】前記スルファモイルアミノ基には、置換基
を有するスルファモイルアミノ基及び無置換のスルファ
モイルアミノ基が含まれる。置換基の例としては、アル
キル基が含まれる。スルファモイルアミノ基の例として
は、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ基が含ま
れる。
【0169】前記アルコキシカルボニルアミノ基には、
置換基を有するアルコキシカルボニルアミノ基及び無置
換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。アルコ
キシカルボニルアミノ基としては、炭素原子数が2〜1
2のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。置換基
の例としては、イオン性親水性基が含まれる。アルコキ
シカルボニルアミノ基の例としては、エトキシカルボニ
ルアミノ基が含まれる。
【0170】前記アルキルスルホニルアミノ基及びアリ
ールスルホニルアミノ基には、置換基を有するアルキル
及びアリールスルホニルアミノ基、無置換のアルキル及
びアリールスルホニルアミノ基が含まれる。アルキル及
びアリールスルホニルアミノ基としては、炭素原子数が
1〜12のアルキル及びアリールスルホニルアミノ基が
好ましい。置換基の例としては、イオン性親水性基が含
まれる。アルキル及びアリールスルホニルアミノ基の例
としては、メタンスルホニルアミノ基、N−フェニルメ
タンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ
基、及び3−カルボキシベンゼンスルホニルアミノ基が
含まれる。
【0171】前記カルバモイル基には、置換基を有する
カルバモイル基及び無置換のカルバモイル基が含まれ
る。置換基の例としては、アルキル基が含まれる。カル
バモイル基の例としては、メチルカルバモイル基及びジ
メチルカルバモイル基が含まれる。
【0172】前記スルファモイル基には、置換基を有す
るスルファモイル基及び無置換のスルファモイル基が含
まれる。置換基の例としては、アルキル基が含まれる。
スルファモイル基の例としては、ジメチルスルファモイ
ル基及びジ−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル
基が含まれる。
【0173】前記アルコキシカルボニル基には、置換基
を有するアルコキシカルボニル基及び無置換のアルコキ
シカルボニル基が含まれる。アルコキシカルボニル基と
しては、炭素原子数が2〜12のアルコキシカルボニル
基が好ましい。置換基の例としては、イオン性親水性基
が含まれる。アルコキシカルボニル基の例としては、メ
トキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基が含まれ
る。
【0174】前記アシルオキシ基には、置換基を有する
アシルオキシ基及び無置換のアシルオキシ基が含まれ
る。アシルオキシ基としては、炭素原子数1〜12のア
シルオキシ基が好ましい。置換基の例としては、イオン
性親水性基が含まれる。アシルオキシ基の例としては、
アセトキシ基及びベンゾイルオキシ基が含まれる。
【0175】前記カルバモイルオキシ基には、置換基を
有するカルバモイルオキシ基及び無置換のカルバモイル
オキシ基が含まれる。置換基の例としては、アルキル基
が含まれる。カルバモイルオキシ基の例としては、N−
メチルカルバモイルオキシ基が含まれる。
【0176】前記アリールオキシカルボニル基には、置
換基を有するアリールオキシカルボニル基及び無置換の
アリールオキシカルボニル基が含まれる。アリールオキ
シカルボニル基としては、炭素原子数が7〜12のアリ
ールオキシカルボニル基が好ましい。置換基には、イオ
ン性親水性基が含まれる。アリールオキシカルボニル基
の例としては、フェノキシカルボニル基が含まれる。
【0177】前記アリールオキシカルボニルアミノ基に
は、置換基を有するアリールオキシカルボニルアミノ基
及び無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含ま
れる。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭
素原子数が7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ
基が好ましい。置換基の例としては、イオン性親水性基
が含まれる。前記アリールオキシカルボニルアミノ基の
例としては、フェノキシカルボニルアミノ基が含まれ
る。
【0178】前記アルキル、アリール及び複素環チオ基
には、置換基を有するアルキル、アリール及び複素環チ
オ基と、無置換のアルキル、アリール及び複素環チオ基
が含まれる。アルキル、アリール及び複素環チオ基とし
ては、炭素原子数が1〜12のものが好ましい。置換基
の例としては、イオン性親水性基が含まれる。アルキ
ル,アリール及び複素環チオ基の例としては、メチルチ
オ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基が含まれ
る。
【0179】本発明において、特に好ましいアゾ染料
は、下記一般式(M−II)で表される化合物である。
【0180】
【化60】
【0181】前記一般式(M−II)において、Z1はハ
メットの置換基定数σp値が0.20以上の電子求引性
基を表す。Z1はσp値が0.30〜1.0の電子求引性
基であるのが好ましい。好ましい具体的な置換基につい
ては後述する電子求引性置換基を挙げることができる
が、中でも、炭素数2〜12のアシル基、炭素数2〜1
2のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ
基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6
〜18のアリールスルホニル基、炭素数1〜12のカル
バモイル基及び炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基
が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1
〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリ
ールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基
である。
【0182】R1、R2、R5、及びR6は、前記一般式
(M−I)の場合と同義である。R3及びR4は、各々独
立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、又はスルファモイル基を表す。その
中でも、水素原子、芳香族基、複素環基、アシル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基が好まし
く、水素原子、芳香族基、複素環基が、特に好ましい。
2は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は複素環基
を表す。Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は複
素環基を表す。その中でも、Qは5〜8員環を形成する
のに必要な非金属原子群からなる基が好ましい。この5
〜8員環は置換されていてもよいし、飽和環であっても
不飽和結合を有していてもよい。その中でも、特に、芳
香族基、複素環基が好ましい。好ましい非金属原子とし
ては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子及び炭素原子が
挙げられる。5〜8員環の具体例としては、例えば、ベ
ンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シク
ロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、
ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン
環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾー
ル環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾ
ール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラン
環、及びチアン環等が挙げらる。
【0183】前記一般式(M−II)で説明した各基は、
更に置換基を有していてもよい。これらの各基が更に置
換基を有する場合、該置換基としては、前記一般式(M
−I)で説明した置換基、G、R1及びR2で例示した基
やイオン性親水性基が挙げられる。
【0184】ここで、置換基Z1に関連して、本明細書
中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説
明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡
に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935
年にL.P.Hammettにより提唱された経験則で
あるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメ
ット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があ
り、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことがで
きるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’
s Handbook of Chemistry」第
12版、1979年(McGraw−Hill)や「化
学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979
年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基
をハメットの置換基定数σpにより限定したり、説明し
たりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の
値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、
その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定
した場合に、その範囲内に包まれるであろう置換基をも
含むことはいうまでもない。また、本発明の一般式(M
−I)及び(M−II)の中には、ベンゼン誘導体ではな
い物も含まれるが、置換基の電子効果を示す尺度とし
て、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明にお
いては、σp値をこのような意味で使用する。
【0185】ハメット置換基定数σp値が0.60以上
の電子求引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキ
ルスルホニル基〔例えば、メタンスルホニル基、アリー
ルスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基〕を例
として挙げることができる。ハメットσp値が0.45
以上の電子求引性基としては、上記に加えアシル基(例
えば、アセチル基)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、ドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカ
ルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル
基)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピル
スルフィニル基)、アリールスルフィニル基(例えば、
フェニルスルフィニル基)、スルファモイル基(例え
ば、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジメチルス
ルファモイル基)、ハロゲン化アルキル基(例えば、ト
リフロロメチル基)を挙げることができる。
【0186】ハメット置換基定数σp値が0.30以上
の電子求引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基
(例えば、アセトキシ基)、カルバモイル基(例えば、
N−エチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモ
イル基)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロ
ロメチルオキシ基)、ハロゲン化アリールオキシ基(例
えば、ペンタフロロフェニルオキシ基)、スルホニルオ
キシ基(例えば、メチルスルホニルオキシ基)、ハロゲ
ン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ
基)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子求引性基
で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフ
ェニル基、ペンタクロロフェニル基)、及び複素環(例
えば、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリ
ル基、1−フェニルー2−ベンズイミダゾリル基)を挙
げることができる。σp値が0.20以上の電子求引性
基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子がなど
が挙げられる。
【0187】前記一般式(M−I)で表される化合物と
して、特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通り
である。 (イ)R5及びR6は、好ましくは水素原子、アルキル
基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基で
あり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環
基、スルホニル基であり、最も好ましくは水素原子、ア
リール基、複素環基である。ただし、R5及びR6が共に
水素原子であることはない。 (ロ)Gは、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基であり、
さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、
アミド基であり、最も好ましくは水素原子、アミノ基、
アミド基である。 (ハ)Aは、好ましくはピラゾール環、イミダゾール
環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチア
ゾール環であり、さらに好ましくはピラゾール環、イソ
チアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環であ
る。 (ニ)B1及びB2は、各々=CR1−、−CR2=であ
り、そしてこれらR1、R2は、各々、好ましくは水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボ
キシル基、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基
であり、さらに好ましくは水素原子、シアノ基、カルバ
モイル基、アルコキシ基である。
【0188】なお、一般式(M−I)で表される化合物
の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換
基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が
好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基で
ある化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好まし
い基である化合物が最も好ましい。
【0189】前記一般式(M−I)で表される化合物の
例示化合物(a−1〜a−27、b−1〜b−6、c−
1〜c−3、d−1〜d−4、e−1〜e−4)を以下
に示すが、本発明は、下記の例に限定されるものではな
い。
【0190】
【化61】
【0191】
【化62】
【0192】
【化63】
【0193】
【化64】
【0194】
【化65】
【0195】
【化66】
【0196】
【化67】
【0197】
【化68】
【0198】
【化69】
【0199】本発明における油溶性色素としては、下記
一般式(C−I)で表される化合物(以下、「フタロシ
アニン染料」と称する場合がある)を用いることが好ま
しい。以下に、一般式(C−I)で表される化合物につ
いて説明する。
【0200】
【化70】
【0201】前記一般式(C−I)において、X1
2、X3及びX4は、各々独立に、−SO−Z1、−SO
2−Z1、又は−SO2NR2122を表す。
【0202】Z1は、置換若しくは無置換のアルキル
基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若し
くは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラ
ルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若し
くは無置換のヘテロ環基を表し、特に置換若しくは無置
換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置
換若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも
置換アルキル基、置換アリール基、置換へテロ環基が最
も好ましい。
【0203】R21及びR22は各々独立に、水素原子、置
換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換の
シクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル
基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは
無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基
を表し、特に水素原子、置換若しくは無置換のアルキル
基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無
置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも水素原子、置
換アルキル基、置換アリール基、置換へテロ環基が最も
好ましい。ただしR21及びR22の両方が水素原子である
ことはない。
【0204】R21、R22及びZ1が表す、置換又は無置
換のアルキル基は、炭素原子数が1〜30のアルキル基
が好ましい。置換基の例としては、後述のZ1、R21
22、Y1、Y2、Y3及びY4が更に置換基を有すること
が可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。これら
の中でも、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、
及びハロゲン原子が好ましい。
【0205】R21、R22及びZ1が表す、置換基を有す
るシクロアルキル基又は無置換のシクロアルキル基は、
炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。
置換基の例としては、後述のZ1、R21、R22、Y1、Y
2、Y3及びY4が更に置換基を有することが可能な場合
の置換基と同じものが挙げられる。中でも、ヒドロキシ
ル基、アルコキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子が好
ましい。
【0206】R21、R22及びZ1が表す、置換基を有す
るアルケニル基又は無置換のアルケニル基は、炭素原子
数が2〜30のアルケニル基が好ましい。置換基の例と
しては、後述のZ1、R21、R22、Y1、Y2、Y3及びY
4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同
じものが挙げられる。中でも、ヒドロキシル基、アルコ
キシ基、シアノ基、及びハロゲン原子が好ましい。
【0207】R21、R22及びZ1が表す、置換基を有す
るアラルキル基又は無置換のアラルキル基は、炭素原子
数が7〜30のアラルキル基が好ましい。置換基の例と
しては、後述のZ1、R21、R22、Y1、Y2、Y3及びY
4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同
じものが挙げられる。中でも、ヒドロキシル基、アルコ
キシ基、シアノ基、及びハロゲン原子が好ましい。
【0208】R21、R22及びZ1が表すアリール基の置
換基としては、後述のZ1、R21、R 22、Y1、Y2、Y3
及びY4が更に置換基を有することが可能な場合の置換
基と同じもの挙げられる。好ましい置換基としては、ハ
ロゲン原子、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アルキルオキシカルボニ
ル基、アルキルオキシカルボニルアミノ基、スルホンア
ミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニ
ル基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、イミド
基、ヘテロ環チオ基、アシル基、スルホ基、4級アンモ
ニウム基が挙げられ、中でもヘテロ環基、シアノ基、カ
ルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ス
ルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミ
ド基、アシル基が好ましく、シアノ基、カルボキシル
基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル
基、イミド基、アシル基が更に好ましい。
【0209】R21、R22及びZ1が表すヘテロ環基とし
ては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に
縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても
非芳香族ヘテロ環であってもよい。以下に、R21、R22
及びZ1で表されるヘテロ環基を、置換位置を省略して
ヘテロ環の形で例示するが、置換位置は限定されるもの
ではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位
で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピ
リミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキ
ノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキ
サリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラ
ン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミ
ダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサ
ゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチア
ゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チア
ジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾー
ル、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリ
ジン、チアゾリンなどが挙げられる。この中でも、芳香
族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に
例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダ
ジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズ
イミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチア
ゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チア
ジアゾールが挙げられる。これらは置換基を有していて
もよい。
【0210】Y1、Y2、Y3及びY4は、各々独立に、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ
環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルフ
ァモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アル
コキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシ
ルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、
アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル
基、アシル基、カルボキシル基、又はスルホ基を表し、
各々は、さらに置換基を有していてもよい。
【0211】これらの中でも、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ
基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、及びアルコキシカルボニ
ル基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、及びシ
アノ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
【0212】Z1、R21、R22、Y1、Y2、Y3及びY4
が更に置換基を有することが可能な基であるときは、以
下に挙げたような置換基を更に有してもよい。
【0213】ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子)、炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭
素数7〜30のアラルキル基、炭素数2〜30のアルケ
ニル基、炭素数2〜30の直鎖又は分岐鎖アルキニル
基、炭素数3〜30の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル
基、炭素数3〜30の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル
基で、詳しくは(例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、t−ブチル、2−メタンスルホニルエチ
ル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シ
クロペンチル)、アリール基(例えば、フェニル、4−
t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニ
ル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピ
リミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒド
ロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アル
キルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メト
キシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリ
ールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノ
キシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキ
シ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3
−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、
アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキル
アミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエ
チルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例え
ば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基
(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N
−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例え
ば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アル
キルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−
フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フ
ェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニル
チオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシ
カルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミ
ド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンア
ミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモ
イル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイ
ル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジ
プロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイ
ル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オク
タンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホ
ニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキ
シカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オ
キシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例え
ば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピ
バロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プ
ロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、
アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メ
チルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオ
キシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオ
キシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシ
カルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルア
ミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−
フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾ
チアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5
−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スル
フィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィ
ニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニ
ル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フ
ェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基
(例えば、カルボキシル基、スルホ基、及び4級アンモ
ニウム基)等が挙げられる。
【0214】a1〜a4、b1〜b4は、各々、X1〜X4
1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4は各々独立に0〜
4の整数を表し、b1〜b4は各々独立に0〜4の整数を
表す。ただし、a1〜a4の総和は2以上である。ここ
で、a1〜a4及びb1〜b4が2以上の整数を表すとき、
複数のX1〜X4及びY1〜Y4は各々同一でも異なってい
てもよい。
【0215】a1、b1は、a1+b1=4の関係を満たす
各々独立の0〜4の整数を表し、特に好ましいのは、a
1が1又は2を表し、b1が3又は2を表す組み合わせで
あり、その中でもa1が1を表し、b1が3を表す組み合
わせが最も好ましい。
【0216】a2、b2は、a2+b2=4の関係を満たす
各々独立の0〜4の整数を表し、特に好ましいのは、a
2が1又は2を表し、b2が3又は2を表す組み合わせで
あり、その中でもa2が1を表し、b2が3を表す組み合
わせが最も好ましい。
【0217】a3、b3は、a3+b3=4の関係を満たす
各々独立の0〜4の整数を表し、特に好ましいのは、a
3が1又は2を表し、b3が3又は2を表す組み合わせで
あり、その中でもa3が1を表し、b3が3を表す組み合
わせが最も好ましい。
【0218】a4、b4は、a4+b4=4の関係を満たす
各々独立の0〜4の整数を表し、特に好ましいのは、a
4が1又は2を表し、b4が3又は2を表す組み合わせで
あり、その中でもa4が1を表し、b4が3を表す組み合
わせが最も好ましい。
【0219】Mは、水素原子、金属元素若しくはその酸
化物、水酸化物、又はハロゲン化物を表す。Mとして好
ましいものは、水素原子、金属原子としては、Li、N
a、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、M
o、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、
Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、H
g、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、S
b、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、Ge
O等が挙げられる。また、水酸化物としては、Si(O
H)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が挙げられ
る。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiC
2、VCl、VCl2、VOCl、FeCl、GaC
l、ZrCl等が挙げられる。これらの中でも特に、C
u、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好まし
い。
【0220】また、L(2価の連結基)を介してPc
(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L
−M−Pc)又は3量体を形成してもよく、その場合の
Mは、各々、同一であっても異なるものであってもよ
い。
【0221】Lで表される2価の連結基は、オキシ基
(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO
−)、スルホニル基(−SO2−)、イミノ基(−NH
−)、又はメチレン基(−CH2−)が好ましい。
【0222】前記一般式(C−I)で表される化合物と
して、特に好ましい組み合わせは以下の通りである。
【0223】X1〜X4としては、各々独立に、−SO2
−Z1又は−SO2NR2122が特に好ましい。
【0224】Z1は、各々独立に、置換若しくは無置換
のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換
若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置
換アルキル基、置換アリール基、置換へテロ環基が最も
好ましい。
【0225】R21及びR22は各々独立に、水素原子、置
換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換の
アリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環基が好まし
く、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリー
ル基、置換へテロ環基が最も好ましい。
【0226】Y1〜Y4は水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド
基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキ
シル基、及びスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロ
ゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、及びスルホ基が
好ましく、水素原子が最も好ましい。
【0227】a1〜a4は、各々独立に、1又は2である
ことが好ましく、特に1であることが好ましい。b1
4は、各々独立に、3又は2であることが好ましく、
特に3であることが好ましい。
【0228】Mは、水素原子、金属元素又はその酸化
物、水酸化物若しくはハロゲン化物を表し、特にCu、
Ni、Zn、Alが好ましく、なかでも特に特にCuが
最も好ましい。
【0229】前記一般式(C−I)で表される化合物の
好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基
の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好
ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基であ
る化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい
基である化合物が最も好ましい。
【0230】前記一般式(C−I)で表される化合物の
中でも、下記一般式(C−II)で表される構造の化合物
がより好ましい。
【0231】
【化71】
【0232】前記一般式(C−II)において、X11〜X
14、Y11〜Y18は、前記一般式(C−I)の中のX1
4、Y1〜Y4と各々同義であり、好ましい例も同様で
ある。また、M1は、前記一般式(C−I)中のMと同
義であり、好ましい例も同様である。
【0233】具体的には、前記一般式(C−II)中、X
11、X12、X13及びX14は、各々独立に、−SO−
11、−SO2−Z11、又は−SO2NR2324を表す。
11は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しく
は無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のア
ルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換
若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換
のヘテロ環基を表す。R23は、水素原子、置換若しくは
無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアル
キル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若し
くは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリ
ール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、
24は、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しく
は無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のア
ルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換
若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換
のヘテロ環基を表す。Y11、Y12、Y13、Y14、Y15
16、Y17及びY18は、各々独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、
アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、
アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ
基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリ
ル基、アシル基、カルボキシル基、又はスルホ基を表
し、各々の基は、さらに置換基を有していてもよい。a
11〜a14は各々X11〜X14の置換基数を表し、各々独立
に、0〜2の整数を表すが、すべてが同時に0になるこ
とは無い。なお、a11〜a14が2を表すとき、2つのX
11〜X14は各々同一でも異なっていてもよい。M1は水
素原子、金属元素若しくはその酸化物、水酸化物、又は
ハロゲン化物である。
【0234】前記一般式(C−II)中、好ましくはa11
〜a14は、4≦a11+a12+a13+a14≦8の範囲であ
る各々独立の1又は2の整数を表し、特に好ましいの
は、4≦a11+a12+a13+a14≦6であり、その中で
も特に好ましいのは、a11=a 12=a13=a14=1のと
きである。
【0235】一般式(C−II)で表される化合物の中で
も、特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通りで
ある。
【0236】X11〜X14としては、各々独立に−SO2
−Z11又は−SO2NR2324が特に好ましい。
【0237】Z11は、各々独立に、置換若しくは無置換
のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換
若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置
換アルキル基、置換アリール基、置換へテロ環基が最も
好ましい。
【0238】R23は、各々独立に、水素原子、置換若し
くは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリー
ル基、置換若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、そ
の中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、
置換へテロ環基が最も好ましい。
【0239】R24は、各々独立に、置換若しくは無置換
のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換
若しくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置
換アルキル基、置換アリール基、置換へテロ環基が最も
好ましい。
【0240】Y11〜Y18は、各々独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アル
コキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、
カルバモイル基、スルファモイル基、及びアルコキシカ
ルボニル基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、
及びシアノ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
【0241】a11〜a14は、各々独立に、1又は2であ
ることが好ましく、特に全てが1であることが好まし
い。
【0242】M1は、水素原子、金属元素若しくはその
酸化物、水酸化物、又はハロゲン化物を表し、特に、C
u、Ni、Zn、Alが好ましく、その中でもCuが最
も好ましい。
【0243】前記一般式(C−II)で表される化合物の
好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基
の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好
ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基であ
る化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい
基である化合物が最も好ましい。
【0244】前記一般式(C−I)で表される化合物
は、その合成法によって不可避的に置換基Rn(n=1
〜4)及びYq(q=1〜4)の導入位置及び導入個数
が異なる類縁体混合物である場合が一般的であり、これ
ら類縁体混合物を統計的に平均化して表している場合が
多い。本発明は、これらの類縁体混合物を以下に示す三
種類に分類すると、特定の混合物が特に好ましいことを
見出したものである。
【0245】本発明においては、前記一般式(C−I)
及び(C−II)で表される化合物であるフタロシアニン
系色素類縁体混合物を、置換位置に基づいて以下の三種
類に分類して定義する。
【0246】(1)β-位置換型:(2及び/又は3
位、6及び/又は7位、10及び/又は11位、14及
び/又は15位に特定の置換基を有するフタロシアニン
系染料)
【0247】(2)α-位置換型:(1及び/又は4
位、5及び/又は8位、9及び/又は12位、13及び
/又は16位に特定の置換基を有するフタロシアニン系
染料)
【0248】(3)α,β-位混合置換型:(1〜16
位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン
系染料)
【0249】本明細書中において、構造が異なる(特
に、置換位置)フタロシアニン系染料の誘導体を説明す
る場合、上記β-位置換型、α-位置換型、α,β-位混
合置換型を使用する。
【0250】本発明に用いられるフタロシアニン誘導体
は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行
「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、
C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共
著、VCH発行‘Phthalocyanines−P
roperties and Application
s’(P.1〜54)等に記載、引用若しくはこれらに
類似の方法を組み合わせて合成することができる。
【0251】本発明の一般式(C−I)で表される化合
物は、WO00/17275、同00/08103、同
00/08101、同98/41853、特開平10−
36471号の各公報などに記載されているように、例
えば、無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、ス
ルホニルクロライド化、アミド化反応を経て合成するこ
とができる。この場合、スルホン化がフタロシアニン核
のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も
制御が困難である。従って、このような反応条件でスル
ホ基を導入した場合には、生成物に導入されたスルホ基
の位置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や置換位
置の異なる混合物を与える。従ってそれを原料として本
発明の化合物を合成する時には、ヘテロ環置換スルファ
モイル基の個数や置換位置は特定できないので、本発明
の化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる化合
物が何種類か含まれるα,β-位混合置換型混合物とし
て得られる。
【0252】前述したように、例えばスルファモイル基
のような電子求引性基を多くフタロシアニン核に導入す
ると、酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。
上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている
個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシア
ニン染料が混入してくることが避けられない。従って、
オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑で
ある化合物の生成を抑えるような合成法を用いることが
より好ましい。
【0253】それに対して、本発明の一般式(C−II)
で表される化合物は、例えば、下記式で表されるフタロ
ニトリル誘導体(化合物P)及び/又はジイミノイソイ
ンドリン誘導体(化合物Q)を下記一般式(C−III)
で表される金属誘導体と反応させて得られる化合物から
誘導できる。
【0254】
【化72】
【0255】化合物P、Q中、pは、11〜14を表
し、q及びq’は、各々独立に、11〜18を表す。
【0256】一般式(C−III) M−(Y)d 前記一般式(C−III)において、Mは、前記一般式
(C−I)及び(C−II)で表される化合物におけるM
と同義であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセ
チルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位子を
表し、dは1〜4の整数を表す。
【0257】即ち、上記の合成法に従えば、望みの置換
基を特定の数だけ導入することができる。特に、本発明
のように酸化電位を高くするために電子求引性基を数多
く導入したい場合には、上記合成法は一般式(C−I)
で表される化合物の合成法と比較して極めて優れてい
る。
【0258】かくして得られる前記一般式(C−II)で
表される化合物は、通常、Xpの各置換位置における異
性体である下記一般式(C−II−1)〜(C−II−4)
で表される化合物の混合物、即ちβ−位置換型(2及び
又は3位、6及び又は7位、10及び又は11位、14
及び又は15位に特定の置換基を有するフタロシアニン
系染料)となっている。
【0259】
【化73】
【0260】
【化74】
【0261】前記一般式(C−II−1)〜(C−II−
4)において、R1〜R4は、前記一般式(C−II)にお
ける(X11)a11〜(X14)a14と同義である。
【0262】本発明では、いずれの置換型においても酸
化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であること
が堅牢性の向上に非常に重要であることが見出されてい
る。中でもα,β−位混合置換型よりはβ−位置換型の
方が、色相・光堅牢性・オゾンガス耐性等において優れ
ている傾向にある。
【0263】前記一般式(C−I)又は(C−II)で表
される化合物の例示化合物(C−101〜C−120)
を下記に示すが、本発明は、下記の例に限定されるもの
ではない。
【0264】
【化75】
【0265】
【化76】
【0266】
【化77】
【0267】
【化78】
【0268】前記一般式(C−I)で表される化合物
は、前述した特許に従えば合成することが可能である。
また、一般式(C−II)で表される化合物は、特願20
00−24352号、同2000−47013号、同2
000−57063号、同2000−96610号の各
明細書に記載の方法により合成することができる。ま
た、出発物質、色素中間体及び合成ル−トについてはこ
れらにより限定されるものでない。
【0269】本発明に使用される油溶性色素のインク組
成物における含有量としては、インク組成物に対して
0.05〜50質量%が好ましく、0.1〜10質量%
がより好ましい。
【0270】<高沸点有機溶媒>ここでは、本発明に用
いられる高沸点有機溶媒について説明する。本発明のイ
ンク組成物は、少なくとも1種の疎水性色素と、少なく
とも1種の疎水性ポリマーと、水の溶解度が4g以下で
ある少なくとも1種の高沸点有機溶媒と、沸点が200
℃以下であり、かつ水への溶解度が25g以下である少
なくとも1種の補助溶媒とを含む溶液、及び水性媒体を
混合して乳化分散させた後に、前記補助溶媒を除去して
得られる着色微粒子を含有する。前記着色微粒子の調製
において、前記高沸点有機溶媒は、色相に優れた安定な
着色微粒子を形成するのに必須の成分である。本発明に
おいて、前記高沸点有機溶媒とは、沸点200℃以上
で、融点が80℃以下の有機溶媒であり、水の溶解度
(25℃)が4gを越えると、インク組成物を構成する
着色微粒子において、経時での粒子径の粗大化や凝集等
が起こり易くなり、インクの吐出性に重大な悪作用を及
ぼすため、水の溶解度としては、4g以下が好ましく、
3g以下がより好ましく、2g以下がさらに好ましく、
1g以下が特に好ましい。
【0271】本明細書において、「水の溶解度」とは、
25℃における高沸点有機溶媒中の水の飽和濃度であ
り、25℃での高沸点有機溶媒100gに、溶解できる
水の質量(g)を意味する。
【0272】本発明に係る高沸点有機溶媒の使用量とし
ては、着色微粒子の共存する色素に対して、5〜200
質量%が好ましく、10〜100質量%がより好まし
い。
【0273】本発明において、前記高沸点有機溶媒とし
ては、下記式〔S−1〕から〔S−9〕で表される化合
物が好ましい。
【0274】
【化79】
【0275】前記式〔S−1〕においてR1、R2及びR
3は各々独立に、脂肪族基又はアリール基を表す。ま
た、a,b,cは、各々独立に0又は1を表す。
【0276】式〔S−2〕においてR4及びR5は各々独
立に、脂肪族基又はアリール基を表し、R6は、ハロゲ
ン原子(F、Cl、Br、I以下同じ)、アルキル基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニ
ル基又はアリールオキシカルボニル基を表し、dは0〜
3の整数を表す。dが複数のとき、複数のR6は同じで
も異なっていてもよい。
【0277】式〔S−3〕においてArはアリール基を
表し、eは1〜6の整数を表し、R 7はe価の炭化水素
基又はエーテル結合で互いに結合した炭化水素基を表
す。
【0278】式〔S−4〕においてR8は脂肪族基を表
し、fは1〜6の整数を表し、R9はf価の炭化水素基
又はエーテル結合で互いに結合した炭化水素基を表す。
【0279】式〔S−5〕においてgは2〜6の整数を
表し、R10はg価の炭化水素基(ただしアリール基を除
く)を表し、R11は脂肪族基又はアリール基を表す。
【0280】式〔S−6〕においてR12、R13及びR14
は各々独立に、水素原子、脂肪族基又はアリール基を表
す。Xは−CO−又は−SO2−を表す。R12とR13
はR1 3とR14は互いに結合して環を形成していてもよ
い。
【0281】式〔S−7〕においてR15は脂肪族基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリー
ル基又はシアノ基を表し、R16はハロゲン原子、脂肪族
基、アリール基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を
表し、hは0〜3の整数を表す。hが複数のとき、複数
のR16は同じでも異なっていてもよい。
【0282】式〔S−8〕においてR17及びR18は、各
々独立に、脂肪族基又はアリール基を表し、R19はハロ
ゲン原子、脂肪族基、アリール基、アルコキシ基又はア
リールオキシ基を表し、iは0〜4の整数を表す。iが
複数のとき、複数のR19は同じでも異なっていてもよ
い。
【0283】式〔S−9〕においてR20及びR21は、脂
肪族基又はアリール基を表す。jは1又は2を表す。
【0284】式〔S−1〕〜〔S−9〕においてR1
6、R8、R11〜R21が脂肪族基又は脂肪族基を含む基
であるとき、脂肪族基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいず
れであってもよく、また不飽和結合を含んでいても置換
基を有していてもよい。置換基の例として、ハロゲン原
子、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ
基、エポキシ基等がある。
【0285】式〔S−1〕〜〔S−9〕においてR1
6 、R8 、R11〜R21が環状脂肪族基、すなわちシク
ロアルキル基であるか、又はシクロアルキル基を含む基
であるとき、シクロアルキル基は3〜8員の環内に不飽
和結合を含んでよく、また置換基や架橋基を有していて
もよい。置換基の例としてハロゲン原子、脂肪族基、ヒ
ドロキシル基、アシル基、アリール基、アルコキシ基、
エポキシ基、アルキル基等があり、架橋基の例としてメ
チレン、エチレン、イソプロピリデン等が挙げられる。
【0286】式〔S−1〕〜〔S−9〕においてR1
6、R8、R11〜R21がアリール基又はアリール基を含
む基であるとき、アリール基はハロゲン原子、脂肪族
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルコキシカルボニル基等の置換基で置換されていてもよ
い。
【0287】式〔S−3〕、〔S−4〕、〔S−5〕に
おいてR7、R9又はR10が炭化水素基であるとき、炭化
水素基は環状構造(例えばベンゼン環、シクロペンタン
環、シクロヘキサン環)や不飽和結合を含んでいてもよ
く、また置換基を有していてもよい。置換基の例として
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、エポキシ基
等がある。
【0288】以下に、式〔S−1〕〜〔S−9〕で表さ
れる高沸点有機溶媒の中でも、特に好ましい高沸点有機
溶媒について述べる。式〔S−1〕においてR1、R2
びR3は、各々独立して、炭素原子数(以下C数と略
す)1〜24(好ましくは4〜18)の脂肪族基(例え
ばn−ブチル、2−エチルヘキシル、3,3,5−トリ
メチルヘキシル、n−ドデシル、n−オクタデシル、ベ
ンジル、オレイル、2−クロロエチル、2,3−ジクロ
ロプロピル、2−ブトキシエチル、2−フェノキシエチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−t−ブチル
シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル)、又はC
数6〜24(好ましくは6〜18)のアリール基(例え
ばフェニル、クレジル、p−ノニルフェニル、キシリ
ル、クメニル、p−メトキシフェニル、p−メトキシカ
ルボニルフェニル)である。a、b、cは各々独立に0
又は1であり、より好ましくはa、b、cすべて1であ
る。
【0289】式〔S−2〕においてR4及びR5 はC数
1〜24(好ましくは4〜18)の脂肪族基(例えば前
記R1 について挙げたアルキル基と同じ基、エトキシカ
ルボニルメチル、1,1−ジエチルプロピル、2−エチ
ル−1−メチルヘキシル、シクロヘキシルメチル、1−
エチル−1,5−ジメチルヘキシル、3,5,5−トリ
メチルシクロヘキシル、メンチル、ボルニル、1−メチ
ルシクロヘキシル)又はC数6〜24(好ましくは6〜
18)のアリール基(例えば前記R1について挙げたア
リール基、4−t−ブチルフェニル、4−t−オクチル
フェニル、1,3,5−トリメチルフェニル、2,4,
−ジ−t−ブチルフェニル、2,4,−ジ−t−ペンチ
ルフェニル)であり、R6はハロゲン原子(好ましくは
塩素原子)、C数1〜18のアルキル基(例えばメチ
ル、イソプロピル、t−ブチル、n−ドデシル)、C数
1〜18のアルコキシ基(例えばメトキシ、n−ブトキ
シ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ベンジル
オキシ)、C数6〜18のアリールオキシ基(例えばフ
ェノキシ、p−トリルオキシ、4−メトキシフェノキ
シ、4−t−ブチルフェノキシ)又はC数2〜19のア
ルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、n
−ブトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカル
ボニル)又はC数6〜25のアリールオキシカルボニル
基であり、dは0又は1である。
【0290】式〔S−3〕においてArはC数6〜24
(好ましくは6〜18)のアリール基(例えばフェニ
ル、4−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、1−
ナフチル、4−n−ブトキシフェニル、1,3,5−ト
リメチルフェニル)であり、eは1〜4(好ましくは1
〜3)の整数であり、R7はe価のC数2〜24(好ま
しくは2〜18)の炭化水素基〔例えば前記R4につい
て挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
−(CH22−、
【0291】
【化80】
【0292】又はe価の炭素原子数4〜24(好ましく
は4〜18)のエーテル結合で互いに結合した炭化水素
基〔例えば、−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2
2(OCH2CH23−、−CH2CH2CH2OCH2
2CH2−、
【0293】
【化81】
【0294】である。
【0295】式〔S−4〕においてR8はC数1〜24
(好ましくは1〜17)の脂肪族基(例えばメチル、n
−プロピル、1−ヒドロキシエチル、1−エチルペンチ
ル、n−ウンデシル、ペンタデシル、8,9−エポキシ
ヘプタデシル、シクロプロピル、シクロヘキシル、4−
メチルシクロヘキシル)であり、fは1〜4(好ましく
は1〜3)の整数であり、R9はf価のC数2〜24
(好ましくは2〜18)の炭化水素基又はc価の炭素原
子数4〜24(好ましくは4〜18)のエーテル結合で
互いに連結した炭化水素基(例えば前記R7について挙
げた基)である。
【0296】式〔S−5〕においてgは2〜4(好まし
くは2又は3)であり、R10はg価の炭化水素基〔例え
ば、−CH2−、−(CH22−、−(CH24−、−
(CH27−、
【0297】
【化82】
【0298】であり、R11はC数1〜24(好ましくは
4〜18)の脂肪族基又はC数6〜24(好ましくは6
〜18)のアリール基(例えば前記R4について挙げた
脂肪族基、アリール基)である。
【0299】式〔S−6〕において、R12は水素原子、
C数1〜24の脂肪族基(好ましくは3〜20)〔例え
ばn−プロピル、1−エチルペンチル、n−ウンデシ
ル、n−ペンタデシル、2,4−ジ−t−ペンチルフェ
ノキシメチル、4−t−オクチルフェノキシメチル、3
−(2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ)プロピル、1
−(2,4−ジ−t−ブチルフェキシ)プロピル、シク
ロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル)又はC数6〜
24(好ましくは6〜18)のアリール基(例えば前記
Arについて挙げたアリール基)であり、R13及びR14
は、水素原子、C数1〜24(好ましくは1〜18)の
脂肪族基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−
ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ドデ
シル、シクロペンチル、シクロプロピル)又はC数6〜
18(好ましくは6〜15)のアリール基(例えばフェ
ニル、1−ナフチル、p−トリル)である。R13とR14
とが互いに結合し、Nとともにピロリジン環、ピペリジ
ン環、モルホリン環を形成してもよく、R12とR13とが
互いに結合してピロリドン環を形成してもよい。Xは−
CO−又は−SO2−であり、好ましくはXは−CO−
である。
【0300】式〔S−7〕においてR15はC数1〜24
(好ましくは3〜18)の脂肪族基(例えばメチル、イ
ソプロピル、t−ブチル、t−ペンチル、t−ヘキシ
ル、t−オクチル、2−ブチル、2−ヘキシル、2−オ
クチル、2−ドデシル、2−ヘキサデシル、t−ペンタ
デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、C数2〜
24(好ましくは5〜17)のアルコキシカルボニル基
(例えばn−ブトキシカルボニル、2−エチルヘキシル
オキシカルボニル、n−ドデシルオキシカルボニル)C
数1〜24(好ましくは1〜18)のアルキルスルホニ
ル基(例えばメチルスルホニル、n−ブチルスルホニ
ル、n−ドデシルスルホニル)、C数6〜30(好まし
くは6〜24)のアリールスルホニル基(例えばp−ト
リルスルホニル、p−ドデシルフェニルスルホニル、p
−ヘキサデシルオキシフェニルスルホニル)、C数6〜
32(好ましくは6〜24)のアリール基(例えばフェ
ニル、p−トリル)又はシアノ基であり、R16はハロゲ
ン原子(好ましくはCl)、C数1〜24(好ましくは
1〜18)のアルキル基(例えば前記R15について挙げ
たアルキル基)、C数3〜18(好ましくは5〜17)
のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘ
キシル)、C数6〜32(好ましくは6〜24)のアリ
ール基(例えばフェニル、p−トリル)C数1〜24
(好ましくは1〜18)のアルコキシ基(例えばメトキ
シ、n−ブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ベンジ
ルオキシ、n−ドデシルオキシ、n−ヘキサデシルオキ
シ)又はC数6〜32(好ましくは6〜24)のアリー
ルオキシ基(例えばフェノキシ、p−t−ブチルフェノ
キシ、p−t−オクチルフェノキシ、m−ペンタデシル
フェノキシ、p−ドデシルオキシフェノキシ)であり、
hは1〜2の整数である。
【0301】式〔S−8〕においてR17及びR18は前記
13及びR14と同じであり、R19は前記R16と同じであ
る。
【0302】式〔S−9〕においてR20、R21は前記R
1、R2及びR3と同じである。jは1又は2を表し、好
ましくは、jは1である。
【0303】以下に本発明において用いられる高沸点有
機溶媒の具体例(S−1〜93)を示す。
【0304】
【化83】
【0305】
【化84】
【0306】
【化85】
【0307】
【化86】
【0308】
【化87】
【0309】
【化88】
【0310】
【化89】
【0311】
【化90】
【0312】
【化91】
【0313】
【化92】
【0314】
【化93】
【0315】
【化94】
【0316】
【化95】
【0317】
【化96】
【0318】
【化97】
【0319】
【化98】
【0320】本発明において、高沸点有機溶媒は1種類
を単独で使用しても、2種以上を混合〔例えばトリクレ
ジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチル
ホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、
ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルア
ミド)〕して使用してもよい。
【0321】本発明において、前記疎水性色素と前記高
沸点有機溶媒との質量比としては、疎水性色素:高沸点
有機溶媒が、1:0.01〜1:1であるのが好まし
く、1:0.05〜1:0.5であるのがより好まし
い。
【0322】本発明において用いられる高沸点有機溶媒
の前記以外の化合物例、及び/又はこれら高沸点有機溶
媒の合成方法については、例えば、米国特許第2,32
2,027号、同第2,533,514号、同第2,7
72,163号、同第2,835,579号、同第3,
594,171号、同第3,676,137号、同第
3,689,271号、同第3,700,454号、同
第3,748,141号、同第3,764,336号、
同第3,765,897号、同第3,912,515
号、同第3,936,303号、同第4,004,92
8号、同第4,080,209号、同第4,127,4
13号、同第4,193,802号、同第4,207,
393号、同第4,220,711号、同第4,23
9,851号、同第4,278,757号、同第4,3
53,979号、同第4,363,873号、同第4,
430,421号、同第4,430,422号、同第
4,464,464号、同第4,483,918号、同
第4,540,657号、同第4,684,606号、
同第4,728,599号、同第4,745,049
号、同第4,935,321号、同第5,013,63
9号、欧州特許第276,319A号、同第286,2
53A号、同第289,820A号、同第309,15
8A号、同第309,159A号、同第309,160
A号、同第509,311A号、同第510,576A
号、東独特許第147,009号、同第157,147
号、同第159,573号、同第225,240A号、
英国特許第2,091,124A号等の各明細書、特開
昭48−47335号、同50−26530号、同51
−25133号、同51−26036号、同51−27
921号、同51−27922号、同51−14902
8号、同52−46816号、同53−1520号、同
53−1521号、同53−15127号、同53−1
46622号、同54−91325号、同54−106
228号、同54−118246号、同55−5946
4号、同56−64333号、同56−81836号、
同59−204041号、同61−84641号、同6
2−118345号、同62−247364号、同63
−167357号、同63−214744号、同63−
301941号、同64−9452号、同64−945
4号、同64−68745号、特開平1−101543
号、同1−102454号、同2−792号、同2−4
239号、同2−43541号、同4−29237号、
同4−30165号、同4−232946号、同4−3
46338号等の各公報に記載されている。
【0323】<補助溶媒>次に、本発明に用いられる補
助溶媒について説明する。本発明においては、前記高沸
点有機溶媒とともに補助溶媒を用いる。この補助溶媒
は、低沸点溶媒又は水溶解性の有機溶媒であり、乳化分
散後、蒸発、膜透析や限外濾過等で除く溶媒である。本
発明に係る、少なくとも疎水性色素と、疎水性ポリマー
と、高沸点有機溶媒とを含有する着色微粒子を調製する
場合、粒子サイズの分布が狭く、かつ安定な分散物を得
るには、前記補助溶媒の水への溶解度が小さい方が好ま
しい。その一方で、乳化分散後に補助溶媒をスムーズに
除去し易くするため、ある程度水への溶解性が必要とな
る。従って、水と完全に混和性の溶媒、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等
は、粒子サイズの分布の狭い、安定な分散物を得るため
には好ましくない。本発明に係る前記補助溶媒の水への
溶解度(25℃、水100gに対して)としては、0.
5以上25g以下が好ましく、1g以上20g以下がよ
り好ましい。前記補助溶媒の好ましい具体例(AS−1
〜11)、及びそれらの水への溶解度を以下に示すが、
本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0324】 補助溶媒 補助溶媒の水への溶解度(25℃) AS−1 酢酸エチル 8g AS−2 酢酸プロピル 2g AS−3 酢酸2−エチルブチル <1g AS−4 酢酸2−エチレン 20g AS−5 酢酸2−エトキシエチル 25g AS−6 酢酸ブチル 2g AS−7 プロピオン酸エチル 2g AS−8 アセチルアセトン 12g AS−9 アセト酢酸エチル 12g AS−10 2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチルアセテート 2g AS−11 シクロヘキサノン 15g
【0325】本発明における補助溶媒の使用量として
は、着色微粒子において共存する色素に対して、1〜2
00倍量が好ましく、2〜100倍量がより好ましい。
【0326】<疎水性ポリマー>ここでは、本発明に用
いられる疎水性ポリマーについて説明する。本発明のイ
ンク組成物に含有される着色微粒子は、少なくとも1種
の疎水性色素と、少なくとも1種の疎水性ポリマーとを
含有する。前記着色微粒子を構成する成分の一つであ
る、疎水性ポリマーの構造としては、重縮合で得られる
ポリマーでも、ビニルモノマーから得られるポリマーで
もよい。
【0327】本発明に係る疎水性ポリマーとしては、下
記に具体例として示したモノマー群から選ばれる任意の
モノマーの単独重合体を用いてもよく、任意のモノマー
を自由に組み合わせた共重合体を用いてもよい。また、
使用可能なモノマー単位には特に制限はなく、通常のラ
ジカル重合法で重合可能なものであれば、任意のものが
使用可能である。
【0328】前記重縮合で得られるポリマーとしては、
ポリエステル系ポリマーが好ましく、例えば、多価カル
ボン酸類と多価アルコール類から構成され、単独あるい
は二種類以上のモノマーを組み合わせて重合させた樹脂
等が挙げられる。
【0329】前記多価カルボン酸類としては、特に限定
されるものではないが、例えば、テレフタル酸、イソフ
タル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン
酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカ
ルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、
スルホテレフタル酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒド
ロキシエトキシ)安息香酸、コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フマ
ール酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、トリメシ
ン酸、ピロメリット酸等で示される芳香族多価カルボン
酸、芳香族オキシカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂
環族ジカルボン酸等が挙げられ、これらは金属塩、アン
モニウム塩等としても使用できる。
【0330】多価アルコール類としては、特に限定され
るものではないが、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエルスリトール、1,4−シクロヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピロ
グリコール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデ
カンジメタノール、メタキシレングリコール、オルトキ
シレングリコール、1,4−フェニレングリコール、ビ
スフェノールA、ラクトン系ポリエステル、ポリオール
類等で示される脂肪族多価アルコール類、脂環族多価ア
ルコール類、芳香族多価アルコール類等が挙げられる。
また、前記多価カルボン酸類と前記多価アルコール類と
の単独、あるいは二種類以上組み合わせて重合させたポ
リエステル樹脂は、通常知られている末端封止可能な化
合物を用いて、高分子鎖の末端の極性基を封止したもの
を使用することもできる。
【0331】前記ビニルモノマーから得られるポリマー
としては、下記に具体例として示したモノマー群から選
ばれる任意のモノマーの単独重合体でもよく、任意のモ
ノマーを自由に組み合わせた共重合体でもよい。使用可
能なモノマー単位には特に制限はなく、通常のラジカル
重合法で重合可能なものであれば、任意の物が使用可能
である。また、以下にモノマーの具体例を挙げるが、本
発明は、これらに何ら限定されるものではない。
【0332】前記モノマー群としては、例えば、オレフ
ィン類、α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類、α,
β−不飽和カルボン酸の誘導体、α,β−不飽和カルボ
ン酸のアミド類、スチレン及びその誘導体、ビニルエー
テル類、ビニルエステル類、その他の重合性単量体など
が挙げられる。
【0333】前記オレフィン類としては、エチレン、プ
ロピレン、イソプレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、シクロペ
ンタジエン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビ
ニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキ
シビニルシラン、ブタジエン、ペンタジエン、イソプレ
ン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−ト
リビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0334】前記α,β−不飽和カルボン酸及びその塩
類としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アン
モニウム、イタコン酸カリウムなどが挙げられる。
【0335】前記α,β−不飽和カルボン酸の誘導体と
しては、アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、n−ドデシルアクリレート等)、置換ア
ルキルアクリレート(例えば、2−クロロエチルアクリ
レート、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアク
リレート、アリルアクリレート等)、アルキルメタクリ
レート(例えば、メチルメタクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n
−ドデシルメタクリレート等)、置換アルキルメタクリ
レート[例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、グリセリンモノメタク
リレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、テト
ラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メトキシエチ
ルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコー
ルメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数=
2〜100のもの)、ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数=2〜1
00のもの)、ポリプロピレングリコールモノメタクリ
レート(ポリオキシプロピレンの付加モル数=2〜10
0のもの)、2−カルボキシエチルメタクリレート、3
−スルホプロピルメタクリレート、4−オキシスルホブ
チルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピル
メタクリレート、アリルメタクリレート等]、不飽和ジ
カルボン酸の誘導体(例えば、マレイン酸モノブチル、
マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン
酸ジブチル等)、多官能エステル類(例えばエチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,2,4
−シクロヘキサンテトラメタクリレート等)などが挙げ
られる。
【0336】前記α,β−不飽和カルボン酸のアミド類
としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルアクリ
ルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−t
ertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシル
アクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−
(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−
アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミ
ド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メチ
レンビスアクリルアミド、ジメタクリロイルピペラジン
などが挙げられる。
【0337】前記スチレン及びその誘導体としては、ス
チレン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレ
ン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチ
ルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタ
レン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンス
ルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリ
ウム塩、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香
酸−2−アクリロイルエチルエステルなどが挙げられ
る。
【0338】前記ビニルエーテル類としては、メチルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチル
ビニルエーテルなどが挙げられる。前記ビニルエステル
類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香
酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニルなどが挙
げられる。その他の重合性単量体としては、N−ビニル
ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペ
ニルオキサゾリン、ジビニルスルホンなどが挙げられ
る。
【0339】前記モノマーを組み合わせた共重合により
合成される、本発明の疎水性ポリマーの中でも、主成分
がアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、スチレン、ビニルエステ
ル、ビニルエーテル、オレフィン等の単独重合体、又は
共重合体からなるものが好ましく選択される。
【0340】以下に本発明の好ましい疎水性ポリマーの
具体例を挙げるが、本発明は、これらに何ら限定される
ものではない。ここで特に断りのない限り、各モノマー
の組成比を示す数値は質量百分率を表す。
【0341】P−1 ポリ(N−tert−ブチル
アクリルアミド) P−2 ポリ(シクロヘキシルメタクリレート) P−3 ポリ(n−ブチルアクリレート) P−4 ポリ(メチルメタクリレート) P−5 ポリ(エチルメタクリレート) P−6 ポリ(N−シクロヘキシルアミド) P−7 ポリ(N−sec−ブチルアクリルアミ
ド) P−8 ポリ(N、N−ジ−n−プロピルアクリル
アミド) P−9 N−tert−ブチルアクリルアミド/2
−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(80/2
0) P−10 メチルアクリレート/2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(98/2) P−11 メチルアクリレート/2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸/2−アセトアセトキ
シエチルメタクリレート共重合体(91/5/4) P−12 ブチルアクリレート/2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩/2−ア
セトアセトキシエチルメタクリレート共重合体(90/
6/4) P−13 ブチルアクリレート/スチレン/メタクリ
ルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸ナトリウム塩共重合体(55/29/11/
5) P−14 ブチルアクリレート/スチレン/2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム
塩共重合体(85/10/5) P−15 ポリスチレン P−16 ポリ(4−アセトキシスチレン) P−17 スチレン/メチルメタクリレート/アクリ
ル酸ナトリウム塩共重合体(45/50/5) P−18 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリ
リルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸ナトリウム塩共重合体(74/
23/3) P−19 N−tert−ブチルアクリルアミド/3
−アクリルアミド−3−メチルブタン酸共重合体(99
/1) P−20 N−tert−ブチルアクリルアミド/メ
チルアクリレート共重合体(50/50) P−21 メチルメタクリレート/メチルアクリレー
ト共重合体(50/50) P−22 N−tert−ブチルアクリルアミド/2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナト
リウム塩共重合体(99/1) P−23 N−tert−ブチルアクリルアミド/n
−ブチルアクリレート共重合体(50/50) P−24 スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合
体(85/12/3) P−25 スチレン/ブタジエン共重合体(90/1
0) P−26 アクリル酸エチル/スチレン/ブタジエン
共重合体(40/50/10) P−27 スチレン/メチルメタクリレート共重合体
(80/20) P−28 エチルアクリレート/スチレン/2−アク
リルアミドー2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム
共重合体(55/40/5) P−29 n−ブチルアクリレート/スチレン共重合
体(40/60) P−30 n−ブチルアクリレート/t−ブチルアク
リレート/アクリル酸共重合体(47/50/3) P−31 2−エチルヘキシルアクリレート/スチレ
ン共重合体(50/50) P−32 ポリn−ブチルメタクリレート P−33 n−ブチルメタクリレート/メタクリル酸
共重合体(90/10) P−34 2−エチルヘキシルメタクリレート/スチ
レン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル
酸共重合体(40/40/18/2) P−35 n−ドデシルメタクリレート/メチルメタ
クリレート/スチレン/スチレンスルホン酸ナトリウム
共重合体(45/25/25/5) P−36 ベンジルメタクリレート/メチルアクリレ
ート共重合体(80/20) P−37 スチレン/n−ブチルアクリレート/アリ
ルメタクリレート共重合体(40/30/30) p−38 2−エチルヘキシルメタクリレート/スチ
レン/アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(30/35/30/5) P−39 酢酸ビニル(単独重合体) P−40 t−ブチルアクリルアミド/n−ブチルア
クリレート/2−カルボキシエチルアクリレート共重合
体(45/45/10) P−41 メチルアクリレート/2−アセトアセトキ
シエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(80/
17/3) P−42 t−ブチルアクリルアミド/n−ブチルア
クリレート共重合体(50/50)
【0342】前記疎水性ポリマーは、1種単独で用いて
もよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0343】前記疎水性ポリマーを重合により得る際に
用いられる重合開始剤としては、アゾビス化合物、パー
オキサイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触媒
などが挙げられ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム等の無機過酸化物、t−ブチルパーオクトエー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピルパーカー
ボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過
酸化物、2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’
−アゾビスシアノ吉草酸のナトリウム塩、2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、
2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕塩酸塩、2,2′−アゾビ
ス{2−メチル−N−〔1,1′−ビス(ヒドロキシメ
チル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}等
のアゾ化合物などが好ましく、その中でも、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウムがより好ましい。
【0344】ここでは、前記疎水性ポリマーを乳化重合
により合成する場合について説明する。本発明におい
て、前記疎水性ポリマーは、乳化重合法により合成する
ことができるが、その際用いる乳化剤としては、アニオ
ン性、カチオン性、両性、ノニオン性の界面活性剤の
他、水溶性ポリマー等が挙げられる。その具体例として
は、例えば、ラウリン酸ソーダ、ドデシル硫酸ナトリウ
ム、1−オクトキシカルボニルメチル−1−オクトキシ
カルボニルメタンスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、セチルト
リメチルアンモニウムクロライド、N−2−エチルピリ
ジニウムクロライド、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエ
ステル、ポリビニルアルコール、特公昭53−6190
号公報に記載の乳化剤、水溶性ポリマー等が挙げられ
る。
【0345】本発明に係る疎水性ポリマーを乳化重合に
より合成する場合においては、その目的に応じて、重合
開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、かつ
容易に変更できる。また、乳化重合反応は、モノマー、
界面活性剤、水性媒体を、予め反応容器に全量入れてお
き、開始剤を投入して行ってもよく、必要に応じてモノ
マー、開始剤溶液のいずれか、もしくはその両者の一部
あるいは全量を滴下しながら行ってもよい。
【0346】本発明の疎水性ポリマーラテックスは、通
常の乳化重合法の手法を用いることにより、容易に合成
可能である。一般的な乳化重合の方法については以下の
成書に詳しい。「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣
寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラ
テックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原
啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成
ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1
970))」。その他、所謂溶液重合や塊状重合によっ
ても、乳化重合と同様に本発明の疎水性ポリマーを合成
できる。
【0347】本発明の着色微粒子の調製に用いられる疎
水性ポリマーの使用量としては、着色微粒子において共
存する色素に対して、10〜500質量%が好ましく、
20〜300質量%がより好ましい。
【0348】<着色微粒子及びインク組成物の調製>本
発明に係る着色微粒子は、少なくとも1種の前記疎水性
色素と、少なくとも1種の前記疎水性ポリマーと、水の
溶解度が4g以下である少なくとも1種の前記高沸点有
機溶媒と、沸点が200℃以下であり、かつ水への溶解
度が25g以下である少なくとも1種の前記補助溶媒と
を含む溶液(以下、「油相」と称する場合がある。)
を、水性媒体(以下、「水相」と称する場合がある。)
と混合して乳化分散させた後に、前記補助溶媒を除去し
て得ることができる。そして、本発明のインク組成物
は、該着色微粒子を含有することを特徴とする。
【0349】前記乳化分散の際、前記水相及び前記油相
のいずれか又は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、
染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤
を必要に応じて添加することができる。
【0350】前記界面活性剤としては、例えば、脂肪酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエ
チレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオ
ン系界面活性剤、また、アセチレン系ポリオキシエチレ
ンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(Ai
rProducts&Chemicals社)、また、
N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシド等のア
ミンオキシド型の両性界面活性剤、また、特開昭59−
157,636号公報の第(37)〜(38)頁、リサーチ・デ
ィスクロージャーNo.308119(1989年)記
載のものも好適に挙げられる。
【0351】本発明においては、これらの界面活性剤と
共に、乳化直後の安定化を図る目的で水溶性ポリマーを
添加することができる。前記水溶性ポリマーとしては、
例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリア
クリルアミドやこれらの共重合体、また、多糖類、カゼ
イン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマー、などが好適に
挙げられる。
【0352】前記乳化分散により前記着色微粒子を調製
し、該着色微粒子を含有するインク組成物を調製する場
合、印刷特性を向上させる上で、特に重要なのは着色微
粒子のサイズのコントロールである。本発明の着色微粒
子の平均粒子径は、公知の方法で容易に測定することが
でき、例えば、インク組成物中の色素濃度が、0.1〜
1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平
均粒子径測定機で容易に測定できる。測定装置として
は、例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)
製)が好適に挙げられる。
【0353】本発明のインク組成物に含有される着色微
粒子のサイズとしては、印字特性や本発明の大きな効果
を得るという観点から、体積平均粒子径が0.01〜
0.5μmであるのが好ましく、0.01〜0.3μm
であるのがより好ましく、0.01〜0.2μmである
のが特に好ましい。
【0354】また、前記着色微粒子における粒子径の変
動係数としては、45%以内であることが好ましく、4
0%以内であることがより好ましく、35%以内である
ことが特に好ましい。なお、粒子径の変動係数とは、イ
ンク組成物の調製直後における、着色微粒子の粒子径の
変動係数を意味し、(体積平均粒子径の分布の標準偏差
/体積平均粒子径)により、求めることができる。
【0355】本発明に係る前記着色微粒子の比重として
は、0.90〜1.10が好ましく、0.93〜1.0
8がより好ましく、0.95〜1.05が特に好まし
い。それらの範囲から外れると、水中で安定に存在し難
くなる。前記着色微粒子の比重は、着色微粒子の構成成
分よりなる溶液を調製し、その後、補助溶媒を除去して
得られる固まりを、例えば、新実験化学講座1巻(丸善
(株))のP79〜P82に記載の方法等やその応用で
測定することができる。
【0356】本発明のインク組成物において、粗大粒子
の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示す。即ち、粗
大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まら
ないまでも汚れを形成することによって、インク組成物
の不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を
与えることが分かった。これを防止するためには、本発
明のインク組成物をインクジェット記録に用いた場合、
インク1μl中において、5μm以上の粒子を10個以
下、1μm以上の粒子を1000個以下に抑えることが
好ましい。
【0357】これらの粗大粒子を除去する方法として
は、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることがで
きる。これらの分離手段は、乳化分散直後に行ってもよ
いし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤
を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよ
い。インク組成物における着色微粒子の平均粒子径を小
さくし、かつ粗大粒子をなくす有効な手段として、機械
的攪拌を行う乳化分散装置を好適に用いることができ
る。
【0358】前記乳化分散装置としては、簡単なスター
ラーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロ
イドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用
いることができるが、本発明においては、高圧乳化分散
装置が好ましく、その中でも、高圧ホモジナイザーが特
に好ましい。
【0359】前記高圧ホモジナイザーは、米国特許第4
533254号明細書、特開平6−47264号公報等
に詳細な機構が記載されているが、市販の装置として
は、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V GAULI
N INC.)、マイクロフルイダイザー(MICRO
FLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式
会社スギノマシン)等が挙げられる。
【0360】また、近年になって米国特許第57205
51号明細書に記載されているような、超高圧ジェット
流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは
本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェッ
ト流を用いた乳化分散装置の例として、DeBEE20
00(BEE INTERNATIONAL LT
D.)が挙げられる。
【0361】前記高圧乳化分散装置を用いて乳化分散す
る際の圧力としては、50MPa以上(500bar以
上)が好ましく、60MPa以上(600bar以上)
がより好ましく、180MPa以上(1800bar以
上)が更に好ましい。本発明においては、前記乳化分散
の際、例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナ
イザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用する
のが特に好ましい。また、一度これらの乳化装置で乳化
分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した
後、カートリッジにインク組成物を充填する間に、再度
高圧ホモジナイザーを通過させるのも好ましい。
【0362】前記乳化分散の際、前記高沸点有機溶媒に
加えて、前記補助溶媒を含む場合、前記乳化物(着色微
粒子)の安定性及び安全衛生上の観点から、前記補助溶
媒を実質的に除去するのが好ましい。前記補助溶媒を実
質的に除去する方法としては、該補助溶媒の種類に応じ
て各種の公知の方法、例えば、蒸発法、真空蒸発法、限
外濾過法等を採用することができる。前記補助溶媒の除
去工程は、乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ま
しい。
【0363】本発明のインク組成物は、各種分野に使用
することができ、筆記用水性インク、水性印刷インク、
情報記録用インク等のインク組成物として好適に使用す
ることができる。本発明のインク組成物は、前記成分に
加え更に必要に応じて、適宜選択したその他の成分を含
有していてもよい。前記その他の成分としては、例え
ば、乾燥防止剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、防黴剤、pH調節剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘
度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等
の公知添加剤が挙げられる。
【0364】前記乾燥防止剤は、インクジェット記録方
法に用いるノズルのインク噴射口において該インクが乾
燥することによる目詰まりを防止する目的で好適に使用
される。前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い
水溶性有機溶剤が好ましい。該乾燥防止剤の具体例とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジ
グリコール、ジチオグリコール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、1,2,3−ヘキサトリオール、ア
セチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレン
グリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の
複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−ス
ルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジ
エタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体等が挙
げらる。これらの内グリセリンジエチレングリコール等
の多価アルコールがより好ましい。これらは、1種単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してよい。これらの
乾燥防止剤は、インク中に10〜50質量部含有するこ
とが好ましい。
【0365】前記浸透促進剤としては、例えば、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアル
コール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリ
ウムや前記乳化分散用界面活性剤として掲げたノニオン
性界面活性剤等が挙げられる。これらは、インク組成物
中に、10〜30質量%添加されれば十分な効果があ
り、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさな
い範囲で添加される。
【0366】前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上
させる目的で使用され、例えば、特開昭58−1856
77号公報、同61−190537号公報、特開平2−
782号公報、同5−197075号公報、同9−34
057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合
物、特開昭46−2784号公報、特開平5−1944
83号公報、米国特許第3214463号明細書等に記
載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−304
92号公報、同56−21141号公報、特開平10−
88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開
平4−298503号公報、同8−53427号公報、
同8−239368号公報、同10−182621号公
報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリ
アジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.2
4239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズ
オキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍
光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤なども挙げられ
る。
【0367】前記酸化防止剤は、画像の保存性を向上さ
せる目的で使用され、例えば、各種の有機系及び金属錯
体系の褪色防止剤が好適に挙げられる。前記有機系の褪
色防止剤としては、例えば、ハイドロキノン類、アルコ
キシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノ
ール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン
類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられ
る。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯
体、亜鉛錯体などが挙げられ、具体的には、リサーチデ
ィスクロージャーNo.17643の第VIIのIないし
J項、同No.15162、同No.18716の65
0頁左欄、同No.36544の527頁、同No.3
07105の872頁、同No.15162に引用され
た特許に記載された化合物や特開昭62−215272
号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物
の一般式及び化合物例に含まれる化合物などが好適に挙
げられる。
【0368】前記防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢
酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジ
ンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチ
ルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン
及びその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.0
2〜1.00質量%使用するのが好ましい。
【0369】前記pH調整剤としては、例えば、水酸化
リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化
物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、
酢酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム
等の無機塩基、N−メチルジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
【0370】前記表面張力調整剤としては、例えば、ノ
ニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げら
れる。例えば、上記の乳化分散に用いる界面活性剤を用
いることができるが、ここで用いられる界面活性剤は2
5℃での水に対する溶解度が0.5%以上のものが好ま
しい。
【0371】前記分散剤及び前記分散安定剤としては、
上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性
剤、などが好適に挙げられる。前記消泡剤としては、フ
ッソ系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるれ
るキレート剤等が挙げられる。
【0372】なお、インク組成物のpHとしては、保存
安定性の向上の点で、6〜10が好ましく、7〜10が
より好ましい。前記インク組成物の表面張力としては、
20〜60mN/mが好ましく、25〜45mN/mが
より好ましい。前記インク組成物の粘度としては、30
mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより
好ましい。本発明のインク組成物は、以下の本発明のイ
ンクジェット記録方法に好適に用いられる。
【0373】(インクジェット記録方法)本発明のイン
クジェット記録方法は、インク受像材料に対して、少な
くとも1種の疎水性色素と、少なくとも1種の疎水性ポ
リマーとを含む着色微粒子を含有するインク組成物、即
ち、前記インク組成物を用いて記録を行うというもので
あり、前記受像材料上に、前記インク組成物を着弾する
ことにより画像を形成後、前記着色微粒子を加熱処理及
び/又は加圧処理し、前記着色微粒子を融着させること
を特徴とする。前記疎水性色素としては、前述した一般
式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される
化合物、一般式(Y−I)で表される化合物、一般式
(M−I)で表される化合物、及び一般式(C−I)で
表される化合物からなる群より選択される化合物の少な
くとも一種を含有するのが好ましい。前記受像材料とし
ては、支持体上に、熱可塑性疎水性ポリマー粒子を含む
少なくとも1層の多孔質樹脂層を有するものが好まし
く、本発明のインクジェット記録方法としては、該受像
材料上に、前記インク組成物を着弾することにより画像
を形成後、前記着色微粒子及び前記多孔質樹脂層を加熱
処理及び/又は加圧処理し、前記着色微粒子を融着させ
るのが好ましい態様である。また、前記熱可塑性疎水性
ポリマー粒子の平均粒子径が、前記着色微粒子の平均粒
子径よりも大きいことが好ましく、前記着色微粒子の平
均粒子径d1(μm)と、前記熱可塑性疎水性ポリマー
粒子の平均粒子径d2(μm)との関係が、2<d2/d
1<100であることがより好ましい。さらに、前記熱
可塑性疎水性ポリマー粒子と、前記着色微粒子に含まれ
る疎水性ポリマーとが、互いに少なくとも1種の共通す
るモノマーユニットを有することが好ましい。
【0374】本発明のインクジェット記録方法において
は、前述した本発明のインク組成物を用いることが特に
好ましい。即ち、少なくとも1種の疎水性色素と、少な
くとも1種の疎水性ポリマーと、水の溶解度が4g以下
である少なくとも1種の高沸点有機溶媒と、沸点が20
0℃以下であり、かつ水への溶解度が25g以下である
少なくとも1種の補助溶媒とを含有する溶液、及び水性
媒体を混合して乳化分散させた後に、前記補助溶媒を除
去して得られた着色微粒子であって、平均粒子径が0.
01〜0.5μmであり、粒子径の変動係数が45%以
内であり、かつ比重が0.9〜1.2である着色微粒子
を含有するインク組成物を用いるのが特に好ましい。な
お、本発明のインクジェット記録方法により記録を行う
際に使用するインクノズル等については特に制限はな
く、目的に応じて、適宜選択することができる。
【0375】<受像材料>前記受像材料としては、特に
制限はなく、公知の被記録材、即ち普通紙、樹脂コート
紙、例えば、特開平8−169172号公報、同8−2
7693号公報、同2−276670号公報、同7−2
76789号公報、同9−323475号公報、特開昭
62−238783号公報、特開平10−153989
号公報、同10−217473号公報、同10−235
995号公報、同10−337947号公報、同10−
217597号公報、同10−337947号公報等に
記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子
写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器、等が挙げら
れる。
【0376】本発明においては、前記受像材料の中で
も、受像層を支持体上に有してなる記録紙及び記録フィ
ルムが好ましく、支持体上に、熱可塑性疎水性ポリマー
粒子を含む少なくとも1層の多孔質樹脂層を有するもの
がより好ましく、前記多孔質樹脂層を、前記受像層の上
部(支持体から遠い側)に設けた受像材料が最も好まし
い。
【0377】前記支持体としては、LBKP、NBKP
等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CT
MP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙
パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バ
インダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤
等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種
装置で製造されたもの等が使用可能であり、また、これ
らの他、合成紙、プラスチックフィルムシートなどであ
ってもよい。前記支持体の厚みとしては、10〜250
μm程度であり、その坪量としては、10〜250g/
2が好ましい。
【0378】前記支持体には、そのまま前記受像層を設
けてもよいし、バックコート層を更に設けてもよく、ま
た、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレス
やアンカーコート層を設けた後、前記受像層及びバック
コート層を設けてもよい。前記支持体には、マシンカレ
ンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレン
ダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
【0379】前記支持体の中でも、両面をポリオレフィ
ン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー
等)でラミネートした紙及びプラスチックフイルムがよ
り好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料
(例、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例、
コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加するこ
とが好ましい。
【0380】前記受像層は、前記支持体上に設けられ、
顔料や水性バインダーが含有される。前記受像層は、一
般に顔料から構成される層であることが好ましく、これ
らの顔料粒子間の空隙を利用してインク成分を吸収させ
る。前記顔料としては、白色顔料が好ましく、該白色顔
料としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タル
ク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニ
ウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリ
ウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛等の無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系
ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料、等
が好適に挙げられる。これらの白色顔料の中でも無機顔
料が好ましく、顔料粒子自体が内部に微細な空孔を有す
る多孔性無機顔料がより好ましく、細孔面積の大きな合
成非晶質シリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、又は炭
酸カルシウムがさらに好ましく、合成非晶質シリカとア
ルミナ水和物が特に好ましい。前記合成非晶質シリカ
は、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造
法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である
が、特に含水珪酸を使用することが好ましい。
【0381】前記アルミナ水和物を含有する受像層の製
作については、特開平2−276670号、特開平6−
199034号公報に記載されている方法が適用可能で
ある。処方例としては、アルミニウムイソプロキシドの
加水分解膠法で合成した{020}面方向の結晶厚さ8
0ミクロン、2次凝集粒子直径1.5〜4ミクロンのベ
ーマイトゾル100質量部に、ポリビニールアルコール
11質量部(いずれも固形分換算)と水を加え、塗工液
とし、乾燥膜厚が5〜40ミクロン程度の塗膜とする。
このようにして作ると塗工膜はアルミナ水和物多孔質層
の細孔径が50〜60ミリミクロンの透明な多孔質膜が
得られる。
【0382】また、別の処方例としては、触媒化成工業
(株)より市販されているベーマイト結晶の凝集体ゾル
である「カタロイドAS−3」5部(固形分)とポリビ
ニルアルコール1部(固形分)に水を加え、固形分10
%のコート液を作成し、乾燥膜厚が5〜40ミクロンの
塗料膜とする例がある。
【0383】前記水性バインダーとしては、例えば、ポ
リビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコ
ール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラ
チン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオ
キサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性
高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマ
ルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの
水性バインダーは、一種単独で使用してもよいし、二種
以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリビニルア
ルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが、前
記顔料に対する付着性、受像層の耐剥離性の点で好まし
い。
【0384】前記受像層は、前記顔料及び前記水性バイ
ンダーの他に、媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面
活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
【0385】前記媒染剤は、不動化されていることが好
ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用い
られる。前記ポリマー媒染剤については、特開昭48−
28325号、同54−74430号、同54−124
726号、同55−22766号、同55−14233
9号、同60−23850号、同60−23851号、
同60−23852号、同60−23853号、同60
−57836号、同60−60643号、同60−11
8834号、同60−122940号、同60−122
941号、同60−122942号、同60−2351
34号、特開平1−161236号の各公報、米国特許
2484430号、同2548564号、同31480
61号、同3309690号、同4115124号、同
4124386号、同4193800号、同42738
53号、同4282305号、同4450224号の各
明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の
212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受
像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を
用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光
性が改善される
【0386】前記耐水化剤は、画像の耐水化に有効であ
り、カチオン樹脂が特に好適に挙げられる。前記カチオ
ン樹脂としては、例えば、ポリアミドポリアミンエピク
ロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホ
ン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、
カチオンポリアクリルアミド等が挙げられ、これらの中
でも、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが特に
好ましい。これらのカチオン樹脂の含有量としては、前
記受像層の全固形分に対し1〜15質量%が好ましく、
特に3〜10質量%であることが好ましい。
【0387】前記耐光性向上剤としては、例えば、硫酸
亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベン
ゾフェノン等のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等
が挙げられる。これらの中でも、硫酸亜鉛が特に好まし
い。
【0388】前記界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良
剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能す
る。前記界面活性剤については、特開昭62−1734
63号、同62−183457号の各公報に記載があ
る。前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用
いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性である
ことが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例
えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物
(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四
フッ化エチレン樹脂)が含まれる。前記有機フルオロ化
合物については、特公昭57−9053号(第8〜17
欄)、特開昭61−20994号、同62−13582
6号の各公報に記載がある。
【0389】前記その他の添加剤としては、例えば、顔
料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤、等が挙げられる。
なお、前記受像層は、1層であってもよいし、2層以上
であってもよい。
【0390】前記受像層の厚みとしては、10〜50μ
mが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
【0391】本発明のインクジェット記録方法に用いら
れる受像材料は、支持体上に、熱可塑性疎水性ポリマー
粒子を含む少なくとも1層の多孔質樹脂層を有すること
が好ましく、該多孔質樹脂層が前記受像層の上部(支持
体から遠い側)に設けられた態様が最も好ましい。前記
多孔質樹脂層は、前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子、即
ち、熱可塑性ラテックスを含む溶液を、支持体上に既に
設けてある下部層(例えば、受像層)上に、常法に従い
塗布、乾燥することにより形成できる。
【0392】前記多孔質樹脂層(表層)に含有させる熱
可塑性ラテックスの素材としては、加熱処理及び/又は
加圧処理によって透明被膜化が可能なものであればよい
が、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、SBR、NBR、ポリスチレン、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、ポ
リエチレン系のラテックスが挙げられる。ただし、これ
らの樹脂に限定されるものではなく、また、これらの樹
脂を修飾したものや、モノマーを共重合したものも使用
可能である。また、前述の本発明の着色微粒子に含有さ
れる疎水性ポリマーをラテックス化したものも、熱可塑
性ラテックスとして好適に用いられる。前記熱可塑性ラ
テックスは、1種単独で又は混合して、必要に応じて用
いることができる。
【0393】熱可塑性ラテックスの最低造膜温度は、4
0℃〜150℃であることが好ましく、50〜130℃
であることがより好ましい。ここで「最低造膜温度」と
は、前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子を、塗膜として形
成して加熱した際、これを均一な皮膜として形成できる
最低温度を意味する。
【0394】前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子として
は、体積平均粒子径が0.2〜8μmであるのが好まし
く、0.5〜6μmであるのがより好ましい。また、イ
ンクジェット記録を行う場合、インク組成物中の着色微
粒子が、受像材料における前記熱可塑性疎水性ポリマー
粒子を含む多孔質樹脂層の空孔の中に入り、その後の加
熱処理及び/又は加圧処理にて被膜化する際に形成膜の
一部として取り込まれることが、本発明の効果を発現さ
せるために重要であるので、前記熱可塑性疎水性ポリマ
ー粒子の平均粒子径が、前記着色微粒子の平均粒子径よ
りも大きいことが好ましい。具体的には、前記着色微粒
子の平均粒子径d1(μm)と前記熱可塑性疎水性ポリ
マー粒子の平均粒子径d2(μm)との関係が、2<d2
/d1<100であることが好ましく、4<d2/d1
50であることがより好ましい。さらに、空孔を形成さ
せるために、前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子の粒子径
分布も狭いのが好ましく、具体的には、粒子径の変動係
数が40%以内が好ましく、30%以内がより好まし
く、20%以下が最も好ましい。
【0395】前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子は、本発
明のインク組成物における着色微粒子の調製に用いた前
記ポリマー合成法の乳化重合法によって調製できる。別
法としては、線状ポリマーを酢酸エチル等の有機溶媒に
溶解し、水中にて乳化分散することによっても調製でき
る。また、ポリマー種としては、本発明のインク組成物
に用いられる疎水性ポリマーとの相溶性があることが好
ましく、その点から、前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子
と、前記インク組成物に用いられる疎水性ポリマーと
が、互いに少なくとも1種の共通するモノマーユニット
を有するのが好ましい。
【0396】また、前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子に
は、必要に応じて、可塑剤、紫外線吸収剤、退色防止剤
等を含有させることができる。含有させる方法として
は、例えば、重合時や乳化分散時に所望の化合物を共存
させる方法等がある。熱可塑性ラテックスからなる多孔
質樹脂層の厚さとしては、画像記録後、被膜化した際に
目的とする機能が得られるように設定され、例えば、1
〜20μm程度が好ましく、3〜15μmがより好まし
い。
【0397】前記受像材料には、バックコート層を設け
ることもでき、該バックコート層に添加可能な成分とし
ては、白色顔料、水性バインダー、その他の添加剤、が
挙げられる。
【0398】前記バックコート層に含有される白色顔料
としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライ
ト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピ
グメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエ
チレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等
の有機顔料等が挙げられる。
【0399】前記バックコート層に含有される水性バイ
ンダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、ス
チレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコー
ル、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、
カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエ
ンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分
子等が挙げられる。
【0400】前記バックコート層に含有されるその他の
成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防
腐剤、耐水化剤、等が挙げられる。
【0401】前記受像材料における構成層(バックコー
ト層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよ
い。前記ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防
止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の
目的で使用される。前記ポリマーラテックスについて
は、特開昭62−245258号、同62−13664
8号、同62−110066号の各公報に記載がある。
ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテッ
クスを媒染剤を含む層に添加すると、該層のひび割れや
カールを防止することができる。また、ガラス転移温度
が高いポリマーラテックスを前記バックコート層に添加
すると、該層のカールを防止できる。
【0402】インクジェット記録方式には、特に制限は
なく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインク
を吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利
用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、
電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を
利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、
及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用
するサーマルインクジェット方式、等のいずれであって
もよい。なお、前記インクジェット記録方式には、フォ
トインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数
射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数の
インクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインク
を用いる方式、が含まれる。
【0403】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0404】(実施例1) <試料A−101の作製>以下に従い、着色微粒子を含
有する本発明のインク組成物である試料A−101を作
製した。疎水性色素(M−6)8gを、高沸点有機溶媒
(S−52)7g、疎水性ポリマー(P−17)9g、
退色防止剤(AL−1)1g、退色防止剤(AL−2)
0.5g、及び補助溶媒(AS−1)140ml中に7
0℃にて溶解させた。この溶液中に400mlの脱イオ
ン水、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナ
トリウム(25%)20mlを、マグネチックスターラ
ーで攪拌しながら添加し、水中油滴型の粗粒分散物を作
製した。次に、前記粗粒分散物を、マイクロフルイダイ
ザー(MICROFLUIDEX INC)にて60M
Pa(600bar)の圧力で5回通過させることで、
微粒子化を行った。更に、できあがった乳化分散物を減
圧し、酢酸エチル(AS−1)を除去した。
【0405】こうして得られた着色微粒子を含有する分
散物に、ジエチレングリコール140g、グリセリン6
4g、SURFYNOL465(AirProduct
s&Chemicals社)7g、及び尿素等の添加剤
を加えた後、脱イオン水900mlを加え、その後pH
=7に調整し、孔径が0.45μmのマイクロフィルタ
ーで濾過することにより、表1に従うマゼンタインクを
作製した。得られたインク組成物における着色微粒子の
体積平均粒子径を、マイクロトラックUPA(日機装株
式会社)を用いて測定したところ、62nmであり、粒
子径の変動係数は28%であった。また、着色微粒子に
おける構成物の比重は1.06であった。
【0406】ここで前記試料の調製に用いた、退色防止
剤(AL−1)、及び退色防止剤(AL−2)の構造式
を下記に示す。
【0407】
【化99】
【0408】<試料A−102〜A−114の作製>下
記表1に記載した点を変更した以外は、前記試料101
の場合と、等質量の色素、疎水性ポリマー、高沸点有機
溶媒、補助溶媒、及び添加剤を加えて、同様の方法によ
り、試料102〜114のインク組成物を調製した。た
だし、試料107、109及び110の補助溶媒の除去
は、限外濾過にて行った。また、下記表1において、S
PX−1〜4(比較用高沸点有機溶媒)、及びASX−
1〜2(比較用補助溶媒)は以下のものを意味する。
【0409】 ・SPX−1 ((n)C49O)3−P=O ・SPX−2 (ClCH2CHCHO)3−P=O ・SPX−3 (ClCH2CH2O)3−P=O ・SPX−4 ((n)C511O)3−P=O ・ASX−1 メチルアルコール ・ASX−2 エチルメチルケトン
【0410】<試料の評価及び結果>前記試料101〜
114について、下記評価を行った。まず、本発明のイ
ンク組成物に含有される着色微粒子の粒子径の変動係数
は、調製直後及び経時後のいずれも、45%以内に入っ
ていた。一方、本発明以外の比較用インク組成物では、
調製直後及び/又は経時後は、粒子径の変動係数が45
%以上であった。
【0411】作製したインク組成物の試料をガラス瓶中
に密閉し、それぞれ、0℃、20℃、40℃及び60℃
で1ヶ月保存した後、粒子径の変化、沈殿物の発生及び
液物性の変化を測定して保存安定性を評価した。評価結
果を表1に示す。保存安定性の総合的評価は、表中の◎
は優良を、○は良好を、△は、やや不良を、そして×は
不良を表す。××は、インク自身の調製が分散不良で出
来なかったものを示す。粒子径変化は、60℃の保存結
果を示す。
【0412】
【表1】
【0413】前記表1に示すように、本発明のインク組
成物においては、インクの吐出性を悪化させる原因とな
る着色微粒子の粒子径の粗大化、沈殿物の発生、液物性
の変化等が少なく、保存性に優れたインク組成物が得ら
れることが確認された。
【0414】(実施例2) <試料B−101〜B−106の作製>前記実施例1で
調製したA−101、A−108、A−109、及びA
−114の4種のインク組成物、ならびに実施例1のA
−114において、疎水性色素を下記表2に示した疎水
性色素に変更した点以外は、前記A−114と同組成の
インク組成物であるB−101〜B−106の6種のイ
ンク組成物、あわせて10種のインク組成物を、インク
ジェットプリンターPM670(EPSON社製)のカ
ートリッジに詰め、同機を用いてインクジェットペーパ
ーフォト光沢紙EX(富士写真フイルム(株)製)に画
像を記録し、ヒートローラー対による加熱定着(加熱処
理及び加圧処理)が有る場合と無い場合での耐オゾン保
存性及び光堅牢性を評価した。
【0415】<試料の評価及び結果> 1)光堅牢性の評価 光堅牢性の評価は、蛍光灯16000luxの条件下に
て3週間、試料を保存した場合の前後における画像部の
濃度低下を、色素残存率(%)として求めて行った。 2)耐オゾン性の評価 耐オゾン保存性の評価は、0.3ppm、25℃の条件
下において、3週間試料を保存した場合の前後における
画像部の濃度低下を、色素残存率(%)として求めて行
った。光堅牢性及び耐オゾン保存性評価の結果を下記表
2に示す。なお、色素残存率(%)は、下記式によって
表される。 色素残存率(%)=(3週間後の濃度/印字直後の濃
度)×100
【0416】
【表2】
【0417】前記表2に示すように、ヒートローラー対
による加熱定着(加熱処理及び加圧処理)を行うことに
より、耐オゾン保存性及び光堅牢性、即ち画像保存性に
優れた画像を得ることができ、特にインク組成物B−1
01〜B−106において優れた性能が得られることが
確認された。
【0418】(実施例3) <A−201〜A−205の作製>疎水性色素(M−1
7)32gを、高沸点有機溶媒(S−52)20g、疎
水性ポリマー(P−2)40g、退色防止剤(AL−
1)3.2g、退色防止剤(AL−2)3.2g、及び
補助溶媒(AS−1)300ml中に、70℃にて溶解
させた。この溶液中に2000mlの脱イオン水及びジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム30gを攪拌羽根で
攪拌しながら添加し、水中油滴型の粗粒分散物を得た。
次に、粗粒分散物を等量の3つの粗粒分散物に分け、マ
イクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX I
NC)にて60MPa(600bar)の圧力で3回、
4回、5回及び6回通過させ、4種の乳化分散物を得
た。更に、できあがった各々の乳化分散物を減圧し、酢
酸エチル(AS−1)を除去した。
【0419】こうして得られた着色微粒子を含有する分
散物のそれぞれに、ジエチレングリコール140g、グ
リセリン64g、SURFYNOL465(AirPr
oducts&Chemicals社)7g、及び尿素
50g、トリエタノールアミン8g、ベンゾトリアゾー
ル0.10g、防腐剤2.5g、脱イオン水を合計10
00gになるように添加した後、pH=7に調整し、孔
径が0.45μmのマイクロフィルターで濾過し、粒子
径の異なる4種(a,b,c,d)のマゼンタインクを
作製した。
【0420】また、補助溶媒(AS−1)を300ml
から600mlに変えた以外は、前記と全く同じ工程で
更に4種(e,f,g,h)のマゼンタインクを作製し
た。更に、この8種(a〜h)のインクを互いに混合し
て、孔径が0.45μmのマイクロフィルターで濾過
し、表2に記載の粒子サイズ及び変動係数を有するA−
201、A−202、A−203、A−204、A−2
05の新たな4種のインク組成物の試料を作製した。
【0421】<試料の評価及び結果>前記インク組成物
の試料A−201〜A−205をガラス瓶中に密閉し、
それぞれ、60℃で1ヶ月保存した後、着色微粒子の粒
子径の変化を、平均粒子径、変動係数及び保存後におけ
る10μm以上の粗大粒子の数について評価した。平均
粒子径(体積)及び変動係数は、マイクロトラックUP
A(日機装(株)製)を用い、また粗大粒子数は、粒子
カウンター・モデルSV65−C(PAMAS(株)
製)を用いて測定した。その結果を下記表3に示す。
【0422】
【表3】
【0423】表3の結果から分かるように、インク組成
物の調製直後における粒子径の変動係数が本発明の範囲
外となると(即ち、比較用インク組成物においては)経
時でインクの詰まり等の原因となる粗大粒子が増加し、
好ましくないことが明らかとなった。その一方で、本発
明のインク組成物の試料においては、粗大粒子は経時後
もあまり増加しないことが確認された。
【0424】(実施例4) <熱可塑性疎水性ポリマー粒子の合成> −熱可塑性疎水性ポリマー粒子(Q−1)の合成− 以下に従い、組成が、メタクリル酸メチル/アクリル酸
2−クロロエチル(質量比75/25)である熱可塑性
疎水性ポリマー粒子(Q−1)を合成した。攪拌機及び
環流冷却器を装着した1リットルの三つ口反応フラスコ
に、300mlの蒸留水、1mlの45%DowFax
2A1(Dow Chemical社製)、1.00g
の過硫酸カリウム、及び0.33gのメタ重亜硫酸ナト
リウムを添加した。前記三つ口フラスコを60℃の浴槽
に置き、100mlの蒸留水、2mlの45mlDow
Fax2A1、75gのメタクリル酸エチル、及び25
gのアクリル酸2−クロロエチルを含有した添加用フラ
スコの内容物を40分かけて前記反応用三つ口フラスコ
に添加した。前記反応用フラスコを80℃で1時間攪拌
し、0.25gの過硫酸カリウムを添加し、これらの内
容物を80℃で更に90分間攪拌した。前記反応用フラ
スコを冷却し、10%の水酸化ナトリウムを使用して、
当該ラテックスのpHを5.5に調整し、19.1%の
固形分を含有しているラテックス〔熱可塑性疎水性ポリ
マー粒子(Q−1)〕を得た。前記Q−1は、Tgが7
5℃で、平均粒子サイズ 0.15μm、変動係数が3
5%のラテックスであった。
【0425】−熱可塑性疎水性ポリマー粒子(Q−2)
〜(Q−6)の合成− さらに、DowFax2A1の量と反応時の攪拌の速度
を変えることにより、粒子径の異なる各種ラテックスを
作製した。これらのラテックスの1種や2種以上を混合
し、表3に示した粒子径及び分布のQ−2からQ−6の
ラテックスを得た。粒子径は、マイクロトラックUPA
(日機装(株)製)にて測定し、選択した。
【0426】−熱可塑性疎水性ポリマー粒子(Q−7)
の合成− 以下に従い、組成が、メタクリル酸メチル/アクリル酸
ブチル/スチレン(質量比55/15/30)である−
熱可塑性疎水性ポリマー粒子(Q−7)を合成した。滴
下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計及び環流冷却器
を備えたフラスコに、イオン交換水を170ml、ノニ
ポール200(ポリエチレングリコールノニルフェニル
エーテル系乳化剤;三洋化成工業社製)を10ml、ニ
ューポールPE−64(ポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコールブロック共重合体系乳化剤;三洋
化成工業社製)を1ml仕込み、穏やかに窒素を吹き込
みながら45℃に加熱した。滴下ロートに、メタクリル
酸メチル247ml、アクリル酸ブチル68ml、及び
スチレン135mlからなるモノマー混合物を入れ、そ
のうちの25%をフラスコ内に添加した。
【0427】続いて、亜硫酸水素ナトリウムの1%水溶
液を15mlと、過硫酸アンモニウムの3%水溶液15
mlとを前記フラスコ内に加えた。30分後、残りのモ
ノマー混合物と、亜硫酸水素ナトリウムの1%水溶液6
2mlと、過硫酸アンモニウムの1%水溶液62mlと
を、それぞれ滴下した。前記滴下中は、フラスコ内温度
を50℃〜54℃に保持し、更に滴下終了後、同温度で
2時間攪拌して、重合を終了させ、熱可塑性疎水性ポリ
マー粒子(Q−7)を得た。
【0428】前記Q−7は、Tgが80℃で、平均粒子
サイズ0.25μm、変動係数が38%のラテックスで
あった。
【0429】−熱可塑性疎水性ポリマー粒子(Q−8)
〜(Q−12)の合成− 更に、乳化剤の量と反応時の攪拌の速度を変えることに
より、粒子径の異なる各種ラテックスを作製した。これ
らのラテックスの1種や2種以上を混合し、表3に示し
た粒子径及び分布を有する(Q−8)〜(Q−12)の
ラテックスを得た。粒子径は、マイクロトラックUPA
(日機装(株)製)にて測定し、選択した。
【0430】<受像材料K−1〜K−12の作製>ポリ
エチレンで両面ラミネートした紙支持体(100μm)
表側にコロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、この
基材上に、受像層である多孔質無機顔料層を形成するた
め、下記の方法で塗工分散液を作製した。まず、アルミ
ニウムドデキシドを加水分解してアルミスラリーを作
り、該アルミナスラリーに、アルミナ水和物固形物が
7.9%になるまで水を加えた。次に3.9%の硝酸水
溶液を加えてpHを調整した後、熟成工程を経て、コロ
イダルゾルを得た。このコロイダルゾルを75℃でスプ
レー乾燥して、アルミナ水和物を得た。前記アルミナ水
和物はイオン交換水に分散して15%分散液とした。
【0431】次に、ポリビニールアルコール(日本合成
化学工業(株)社製、ゴーセーノールNH18)をイオ
ン交換水に溶解・分散して10%の溶液を得た。上記ア
ルミナ水和物とポリビニールアルコール溶液を重量混合
比で10:1になるように混ぜ合わせ攪拌して塗工分散
液を作製した。この塗工分散液をコート機及び熱風乾燥
炉を用い、ダイコート後、乾燥し(乾燥温度140
℃)、厚さ35μmの多孔質無機顔料層(受像層)を形
成した。このとき、塗工層の細孔直径は8〜18nmで
あった。
【0432】次に、多孔質樹脂層を形成するためにラテ
ックスQ−1の塗工液を、バーコーターにて塗布し、6
0℃で乾燥して、約5μmの厚さの多孔質樹脂層を設け
た受像材料(記録紙)K−1を作製した。同様にQ−2
〜Q−12を塗布した受像材料(記録紙)K−2〜K−
12を作製した。
【0433】<試料A−301〜312の作製>実施例
3で用いたA−201と同組成の、それぞれ粒子径の異
なる着色微粒子を含有するインク組成物A−301〜A
−312を作製した。
【0434】<画像記録及び評価>作製したインク組成
物の試料A−301〜A−312を、インクジェットプ
リンターPM−670C(EPSON(株)製)のカー
トリッジに充填し、同機を用いて、前記受像材料K−1
〜K−12に画像を記録し、乾燥後、ヒートローラー対
による加熱定着をした上で、以下の評価を行った。結果
を下記表4に示す。
【0435】1)擦過性 加熱定着後、消しゴムで擦って、画像部の濃度変化の有
無を目視にて評価した。「A」は濃度変化が確認されな
い良好な結果を示し、「B」は濃度変化が若干確認さ
れ、「C」は濃度変化が非常に大きく、「D」は、実質
消えてしまうことを示す。
【0436】2)画像堅牢性 耐オゾン保存性として、オゾン濃度0.3ppm、25
℃の条件下に7日間試料を保存した場合、その前後にお
ける濃度の低下を色素残存率(%)として求めた。色素
残存率(%)は以下の式で表される。 色素残存率(%)=(7日放置後の濃度/印字直後の濃
度)×100
【0437】
【表4】
【0438】表4の結果から分かるように、本発明のイ
ンク組成物を用いたインクジェット記録方法によれば、
擦過性及び堅牢性(耐オゾン保存性)に優れた画像を得
ることができることが確認された。
【0439】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決し、印字した際の色再現性、透明度及び光沢性
に優れ、耐水性や画像保存性にも優れ、さらに受像材料
との組み合わせにより、画像の光沢性や、耐水性、耐光
性、耐熱性、及び耐オゾン保存性等の画像堅牢性にも優
れ、擦過性が大幅に改良されたインク組成物、及び該イ
ンク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 29/42 C09B 29/48 29/48 47/20 47/20 47/26 47/26 55/00 A 55/00 B41J 3/04 101Y (72)発明者 石井 善雄 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 矢吹 嘉治 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA05 BA53 BA54 BA55 BA59 BA60 4J039 AD08 AD09 AE06 AE07 BC05 BC12 BC20 BC24 BC33 BC38 BC39 BC51 BC52 BC60 BC65 BC72 BC74 BC77 BC78 BC79 BD04 BE01 BE02 BE12 CA03 CA07 EA29 EA33 EA34 EA36 EA38 EA46 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の疎水性色素と、少なく
    とも1種の疎水性ポリマーと、水の溶解度が4g以下で
    ある少なくとも1種の高沸点有機溶媒と、沸点が200
    ℃以下であり、かつ水への溶解度が25g以下である少
    なくとも1種の補助溶媒とを含む溶液、及び水性媒体を
    混合して乳化分散させた後に、前記補助溶媒を除去して
    得られる着色微粒子を含有するインク組成物であって、 前記着色微粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmで
    あり、粒子径の変動係数が45%以内であり、かつ、比
    重が0.9〜1.2であることを特徴とするインク組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記疎水性色素が、下記一般式(I)で
    表される化合物、下記一般式(II)で表される化合
    物、下記一般式(Y−I)で表される化合物、下記一般
    式(M−I)で表される化合物、及び下記一般式(C−
    I)で表される化合物からなる群より選択される化合物
    の少なくとも一種を含有する請求項1に記載のインク組
    成物。 【化1】 前記一般式(I)及び一般式(II)において、R1
    2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン
    原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒド
    ロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールア
    ミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキ
    ルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミ
    ノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモ
    イル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテ
    ロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイル
    オキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘ
    テロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル
    基、カルボキシル基、又はスルホ基を表す。Aは、−N
    56又はヒドロキシ基を表す。R5及びR6は、各々独
    立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を表
    す。R5及びR6は、互いに結合して環を形成していても
    よい。B1は、=C(R3)−又は=N−を表す。B
    2は、−C(R4)=又は−N=を表す。R1とR5と、R
    3とR6とは、及び/又は、R1とR2とは、互いに結合し
    て芳香族環又は複素環を形成していてもよい。 【化2】 前記一般式(Y−I)において、A及びBは各々独立
    に、置換されていてもよい複素環基を表す。 【化3】 前記一般式(M−I)において、Aは、5員複素環ジア
    ゾ成分A−NH2の残基を表す。B1及びB2は、B1が=
    CR1−を表しB2が−CR2=を表すか、あるいは、い
    ずれか一方が窒素原子、他方が=CR1−又は−CR2
    を表す。R5及びR6は、各々独立に、水素原子、脂肪族
    基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボ
    ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
    基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又
    はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有して
    いてもよい。G、R1及びR2は、各々独立して、水素原
    子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シ
    アノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ
    カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
    基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
    シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ
    基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ
    基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又
    はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシ
    ルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、ア
    ルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
    ルアミノ基、アルキルアリールスルホニルアミノ基、ア
    リールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニル
    アミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ
    基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ア
    ルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スル
    ファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表す。
    各基は更に置換されていてもよい。R1とR5、又はR5
    とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。 【化4】 前記一般式(C−I)において、X1、X2、X3及びX4
    は、各々独立に、−SO−Z1、−SO2−Z1、又は−
    SO2NR2122を表す。Z1は、置換若しくは無置換の
    アルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、
    置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置
    換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、
    置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。R21及びR22
    は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアル
    キル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換
    若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換の
    アラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換
    若しくは無置換のヘテロ環基を表す。Y1、Y2、Y3
    びY4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル
    基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
    基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキ
    シ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ
    基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチ
    オ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ
    基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイ
    ル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ
    環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオ
    キシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘ
    テロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル
    基、又はスルホ基を表し、各々は、さらに置換基を有し
    ていてもよい。a1〜a4、b1〜b4は、各々、X1
    4、Y1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4は各々独立
    に0〜4の整数を表し、b1〜b4は各々独立に0〜4の
    整数を表す。ただしa1〜a4の総和は2以上である。こ
    こで、a1〜a4及びb1〜b4が2以上の整数を表すと
    き、複数のX1〜X4及びY1〜Y4は各々同一でも異なっ
    ていてもよい。a1、b1は、a1+b1=4の関係を満た
    す各々独立の0〜4の整数を表す。a2、b2は、a2
    2=4の関係を満たす各々独立の0〜4の整数を表
    す。a3、b3は、a3+b3=4の関係を満たす各々独立
    の0〜4の整数を表す。a4、b4は、a4+b4=4の関
    係を満たす各々独立の0〜4の整数を表す。Mは、水素
    原子、金属元素若しくはその酸化物、水酸化物、又はハ
    ロゲン化物を表す。
  3. 【請求項3】 インク受像材料に対して、少なくとも1
    種の疎水性色素と、少なくとも1種の疎水性ポリマーと
    を含む着色微粒子を含有するインク組成物を用いて記録
    を行うインクジェット記録方法であって、前記受像材料
    上に、前記インク組成物を着弾することにより画像を形
    成後、前記着色微粒子を加熱処理及び/又は加圧処理
    し、前記着色微粒子を融着させることを特徴とするイン
    クジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記疎水性色素が、下記一般式(I)で
    表される化合物、下記一般式(II)で表される化合
    物、下記一般式(Y−I)で表される化合物、下記一般
    式(M−I)で表される化合物、及び下記一般式(C−
    I)で表される化合物からなる群より選択される化合物
    の少なくとも一種を含有する請求項3に記載のインクジ
    ェット記録方法。 【化5】 前記一般式(I)及び一般式(II)において、R1
    2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン
    原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒド
    ロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールア
    ミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキ
    ルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミ
    ノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモ
    イル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテ
    ロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイル
    オキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘ
    テロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル
    基、カルボキシル基、又はスルホ基を表す。Aは、−N
    56又はヒドロキシ基を表す。R5及びR6は、各々独
    立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を表
    す。R5及びR6は、互いに結合して環を形成していても
    よい。B1は、=C(R3)−又は=N−を表す。B
    2は、−C(R4)=又は−N=を表す。R1とR5と、R
    3とR6とは、及び/又は、R1とR2とは、互いに結合し
    て芳香族環又は複素環を形成していてもよい。 【化6】 前記一般式(Y−I)において、A及びBは各々独立
    に、置換されていてもよい複素環基を表す。 【化7】 前記一般式(M−I)において、Aは、5員複素環ジア
    ゾ成分A−NH2の残基を表す。B1及びB2は、B1が=
    CR1−を表しB2が−CR2=を表すか、あるいは、い
    ずれか一方が窒素原子、他方が=CR1−又は−CR2
    を表す。R5及びR6は、各々独立に、水素原子、脂肪族
    基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボ
    ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
    基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又
    はスルファモイル基を表す。各基は更に置換基を有して
    いてもよい。G、R1及びR2は、各々独立して、水素原
    子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シ
    アノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ
    カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
    基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
    シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ
    基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ
    基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基又
    はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシ
    ルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、ア
    ルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
    ルアミノ基、アルキルアリールスルホニルアミノ基、ア
    リールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニル
    アミノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ
    基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ア
    ルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スル
    ファモイル基、スルホ基、又はヘテロ環チオ基を表す。
    各基は更に置換されていてもよい。R1とR5、又はR5
    とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。 【化8】 前記一般式(C−I)において、X1、X2、X3及びX4
    は、各々独立に、−SO−Z1、−SO2−Z1、又は−
    SO2NR2122を表す。Z1は、置換若しくは無置換の
    アルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、
    置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置
    換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、
    置換若しくは無置換のヘテロ環基を表す。R21及びR22
    は、各々独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアル
    キル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換
    若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換の
    アラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換
    若しくは無置換のヘテロ環基を表す。Y1、Y2、Y3
    びY4は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル
    基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
    基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキ
    シ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ
    基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチ
    オ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ
    基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイ
    ル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ
    環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオ
    キシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘ
    テロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル
    基、又はスルホ基を表し、各々は、さらに置換基を有し
    ていてもよい。a1〜a4、b1〜b4は、各々、X1
    4、Y1〜Y4の置換基数を表し、a1〜a4は各々独立
    に0〜4の整数を表し、b1〜b4は各々独立に0〜4の
    整数を表す。ただしa1〜a4の総和は2以上である。こ
    こで、a1〜a4及びb1〜b4が2以上の整数を表すと
    き、複数のX1〜X4及びY1〜Y4は各々同一でも異なっ
    ていてもよい。a1、b1は、a1+b1=4の関係を満た
    す各々独立の0〜4の整数を表す。a2、b2は、a2
    2=4の関係を満たす各々独立の0〜4の整数を表
    す。a3、b3は、a3+b3=4の関係を満たす各々独立
    の0〜4の整数を表す。a4、b4は、a4+b4=4の関
    係を満たす各々独立の0〜4の整数を表す。Mは、水素
    原子、金属元素若しくはその酸化物、水酸化物、又はハ
    ロゲン化物を表す。
  5. 【請求項5】 支持体上に、熱可塑性疎水性ポリマー粒
    子を含む少なくとも1層の多孔質樹脂層を有する前記受
    像材料に対して、少なくとも1種の疎水性色素と、少な
    くとも1種の疎水性ポリマーとを含む着色微粒子を含有
    するインク組成物を用いて記録を行うインクジェット記
    録方法であって、前記受像材料上に、前記インク組成物
    を着弾することにより画像を形成後、前記着色微粒子及
    び多孔質樹脂層を加熱処理及び/又は加圧処理し、前記
    着色微粒子を融着させる請求項3又は4に記載のインク
    ジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子の平均
    粒子径が、前記着色微粒子の平均粒子径よりも大きい請
    求項5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 前記着色微粒子の平均粒子径d1(μ
    m)と、前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子の平均粒子径
    2(μm)との関係が、2<d2/d1<100である
    請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性疎水性ポリマー粒子と、前
    記着色微粒子に含まれる疎水性ポリマーとが、互いに少
    なくとも1種の共通するモノマーユニットを有する請求
    項5から7のいずれかに記載のインクジェット記録方
    法。
  9. 【請求項9】 前記インク組成物が、請求項1又は2に
    記載のインク組成物である請求項4から8のいずれかに
    記載のインクジェット記録方法。
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