JP2002144696A - インクジェット画像記録方法 - Google Patents

インクジェット画像記録方法

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JP2002144696A
JP2002144696A JP2000343944A JP2000343944A JP2002144696A JP 2002144696 A JP2002144696 A JP 2002144696A JP 2000343944 A JP2000343944 A JP 2000343944A JP 2000343944 A JP2000343944 A JP 2000343944A JP 2002144696 A JP2002144696 A JP 2002144696A
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acid
image
ink
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JP2000343944A
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Nobuhiro Nishida
伸洋 西田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取り扱い性・臭気・安全性等で利点を有する水
性インクにおいて、吐出安定性が高く、しかも得られる
画像の耐水性、耐光性や耐熱性など堅牢性にすぐれたイ
ンクジェット画像記録方法を提供することである。 【解決手段】水溶性染料を含んだインク組成物とポリマ
ー微粒子分散物を含有する溶液を別個に用意し、それぞ
れ別々に受像材料上に塗布し、画像形成後、加熱するこ
とでポリマー微粒子分散物を受像材料上に被膜化させる
ことを特徴とするインクジェット画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録画像の品質が
高く、吐出安定性に優れ、しかも得られた画像の保存性
が優れたインクジェット画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの普及に伴いイン
クジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、
フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を
加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡
を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方
式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式が
ある。これらのインクジェット記録用インクとしては、
水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)イン
クが用いられる。これらのインクのうち、製造・取り扱
い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっ
ている。
【0003】これらのインクジェット記録用インクに用
いられる着色剤(染料および顔料)に対しては、溶剤に
対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であるこ
と、色相が良好であること、光、熱、空気、水や薬品に
対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着
性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れ
ていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらに
は、安価に入手できることが要求されている。しかしな
がら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し
求めることは、極めて難しい。特に、良好なマゼンタ色
相を有し、光堅牢性に優れた着色剤が強く望まれてい
る。既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提
案され、実際に使用されている。しかし、未だに全ての
要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状で
ある。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されて
いるような、従来からよく知られている染料や顔料で
は、インクジェット記録用インクに要求される色相と堅
牢性とを両立させることは難しい。
【0004】また一方、画像面上に被膜を形成すること
で着色剤と水、酸素、オゾン、NO x等との接触を遮断
し、堅牢性を向上させる方法が検討されている。特開昭
55−18412号公報にはインク組成物にラテックス
を含有させて記録ヘッドより吐出させる方法が記載され
ている。この方法では、吐出性の悪化と、低濃度部では
ラテックス塗布量が減少するため被膜効果が不十分であ
るという問題が発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明が解決し
ようとする課題は、吐出安定性が高く、色相、耐候性、
耐水性や画質面での欠点がないインクジェット画像記録
方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は以下の発明に
より解決された。 <1>水溶性染料を含有するインクジェット記録用イン
ク組成物を受像材料に吐出させて画像を形成させるのと
同時または後に、該受像材料にポリマー微粒子分散物を
含有する溶液を付与した後、該受像材料を加熱して被膜
を形成することを特徴とするインクジェット画像記録方
法。 <2>ポリマー微粒子分散物を含有する溶液を受像材料
に付与した後に、水溶性染料を含有するインクジェット
記録用インク組成物が前記ポリマー微粒子分散物を通過
することができる状態にある間に、前記インク組成物を
受像材料に像様に吐出させた後、該受像材料を加熱して
被膜を形成することを特徴とするインクジェット画像記
録方法。 <3>前記インク組成物が、一般式(A-I)で表される
水溶性染料を含有することを特徴とする<1>または<
2>に記載のインクジェット画像記録方法。 一般式(A-I)
【0007】
【化2】
【0008】式中、Xはハメットの置換基定数σp値が
0.20以上の電子吸引性基を表す。R1、R2、R3
4、R5、R6およびYは、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒド
ロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリール
アミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルア
ミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘ
テロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイ
ルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、
ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシ
ル基、またはイオン性親水性基を表し、R1とR2、R3
とR1、およびR2とR5が各々結合して環を形成してい
てもよい。Z1、Z2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ
環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオ
キシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘ
テロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル
基、またはイオン性親水性基を表す。Aは、5〜8員環
を形成するのに必要な非金属原子群を表し、飽和環であ
っても不飽和結合を有していてもよく、Aを形成してい
る非金属原子群のうち少なくとも3つは、ピラゾール環
のN原子、Z1およびZ2で各々置換され、ピラゾール環
のN原子で置換された原子はZ1およびZ2で置換された
原子の双方に隣接する。ただし、R1、R2、R3、R4
5、R6、X、Y、Z1、Z2およびAのうち少なくとも
1つは、イオン性親水性基を表すか、イオン性親水性基
を置換基として有する。
【0009】<4>前記ポリマー微粒子分散物のガラス
転移温度(Tg)が40〜160℃であることを特徴と
する<1>〜<3>のいずれかに記載のインクジェット
画像記録方法。 <5>前記ポリマー微粒子分散物の固形分の塗布量が
0.1〜10g/m2であることを特徴とする<1>〜
<4>のいずれかに記載のインクジェット画像記録方
法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のインクジェット画像記録方法では、水溶
性染料を含んだインク組成物とポリマー微粒子分散物を
含有する溶液を別個に用意し、それぞれ別々に受像材料
上に塗布し、画像形成後、加熱することでポリマー微粒
子分散物を受像材料上に被膜化させる。ポリマー微粒子
分散物を被膜化させることで、画像の耐候性、耐水性が
向上する。受像材料上にポリマー微粒子分散物を均一に
被膜化させることもできるので、画像の光沢に斑が生じ
ない。また、高Tgポリマー微粒子分散物を用いること
により、塗布後の受像材料面のべたつきを低減させるこ
とができる。
【0011】水溶性染料を含んだインク組成物とポリマ
ー微粒子分散物を含有する溶液を受像材料上に別々に塗
布するのは、水溶性染料を含んだインク組成物を受像材
料上に像様に塗布するのと同時または後に該受像材料上
にポリマー微粒子分散物を含有する溶液を一様に付与し
てもよいし、ポリマー微粒子分散物を含有する溶液を受
像材料上に一様に付与した後に水溶性染料を含んだイン
ク組成物を像様に塗布してもよい。ただし、ポリマー微
粒子分散物を含有する溶液を先に付与する場合には、受
像材料上に付与したポリマー微粒子分散物が、インク組
成物がポリマー微粒子分散物を通過し受像材料上に染み
込んでいくことができる状態にあるうちに、水溶性染料
を含んだインク組成物を塗布する必要がある。
【0012】また、塗布後、ポリマー微粒子分散物の被
膜化のために行う加熱処理は、ポリマー微粒子分散物の
ガラス転移温度(Tg)以上で行えばよく、好ましくは
Tgより10℃程度高温で行うのがよい。加熱手段は特
に制限されず、熱風、アイロン、加熱したローラー、ま
たは赤外線などを用いることができる。塗布後より加熱
するまでの時間は特に制限されないが、短時間の方がよ
い。好ましくは1秒〜3分であり、より好ましくは1秒
〜1分である。
【0013】−水溶性染料− ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数
σp値について説明する。ハメット則はベンゼン誘導体
の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ず
るために、1935年にL. P. Hammettにより提唱され
た経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められて
いる。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値と
σm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出
すことができるが、例えば、J. A. Dean編、「Lange's
Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Gr
aw-Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜1
03頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明
において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限
定したり、説明したりするが、これは上記の成書で見出
せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるとい
う意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット
則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであ
ろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明の一
般式(A-I)で表される化合物はベンゼン誘導体ではな
いが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に
関係なくσp値を使用する。以下、本発明においては、
σp値をこのような意味で使用する。
【0014】本発明で使用するインクジェット記録用イ
ンクは前記一般式(A-I)で表される化合物を含有する
のが好ましい。以下に一般式(A-I)で表されるアゾ染
料について詳しく述べる。 一般式(A-I)
【化3】
【0015】前記一般式(A-I)において、Xはハメッ
トの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基で
ある。好ましくは、0.30〜1.0の電子吸引性基で
ある。σp値が0.20以上の電子吸引性基であるXの
具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモ
イル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホ
ノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル
基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ス
ルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、
チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アル
キル基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アル
キルアミノ基、ハロゲン化アルキルオキシ基、ハロゲン
化アルキルチオ基、σp値が0.20以上の他の電子吸
引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン
原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。
【0016】Xは、更に置換基を有していてもよく、置
換基としては以下のものが挙げられる。ハロゲン原子
(例えば、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜12の直
鎖または分岐鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、t−ブチル)、炭素数7〜1
8のアラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル)、
炭素数2〜12のアルケニル基(例えば、ビニル、アリ
ル)、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基
(例えば、エチニル)、炭素数3〜12の直鎖または分
岐鎖シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シク
ロヘキシル)、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シク
ロアルケニル基(例えば、シクロペンテニル、シクロヘ
キセニル)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−
ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、
ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリ
アゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニ
ル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシ
基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、アルキルオ
キシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエ
トキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオ
キシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、
4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3
−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メト
キシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセト
アミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ
基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルア
ミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フ
ェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例え
ば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブ
チルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、
N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキル
チオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェ
ノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニ
ルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチ
オ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカ
ルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミ
ド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンア
ミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモ
イル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイ
ル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジ
プロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモ
イル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オ
クタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスル
ホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環
オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オ
キシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例
えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−
ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−
プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例え
ば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N
−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイ
ルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリ
ルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオ
キシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニ
ルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、
N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベ
ンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,
3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチ
オ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピ
ルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシ
ホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホス
ホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェ
ノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3
−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)等。
【0017】Xの好ましいものとしては、炭素数2〜1
2のアシル基、炭素数2〜12のアシルオキシ基、炭素
数1〜12のカルバモイル基、炭素数2〜12のアルキ
ルオキシカルボニル基、炭素数7〜18のアリールオキ
シカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12
のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜18のアリール
スルフィニル基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル
基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数0
〜12のスルファモイル基、炭素数1〜12のハロゲン
化アルキル基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルオ
キシ基、炭素数1〜12のハロゲン化アルキルチオ基、
炭素数7〜18のハロゲン化アリールオキシ基、2つ以
上のσp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換さ
れた炭素数7〜18のアリール基、及び窒素原子、酸素
原子、またはイオウ原子を有する5〜8員環で炭素数1
〜18のヘテロ環基を挙げることができる。更に好まし
くは、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、
ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホ
ニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素
数1〜12のカルバモイル基及び炭素数1〜12のハロ
ゲン化アルキル基である。Xとして特に好ましいもの
は、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル
基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基であり、最
も好ましいものは、シアノ基である。
【0018】前記一般式(I)において、R1、R2、R
3、R4、R5、R6およびYは、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、ア
ラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒド
ロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリール
アミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルア
ミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘ
テロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイ
ルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、
ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシ
ル基、またはイオン性親水性基を表す。
【0019】中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド
基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スル
ホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基およ
びアルコキシカルボニル基が特に好ましい。
【0020】R1〜R6およびYが表すハロゲン原子とし
ては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が挙げられ
る。
【0021】R1〜R6およびYが表すアルキル基には、
置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が
含まれる。前記アルキル基は、炭素原子数が1〜12の
アルキル基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およ
びイオン性親水性基が挙げられる。アルキル基の例に
は、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチ
ル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチ
ル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピルおよび4
−スルホブチルが挙げられる。
【0022】R1〜R6およびYが表すシクロアルキル基
には、置換基を有するシクロアルキル基および無置換の
シクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基と
しては、炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基が好
ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が挙げ
られる。前記シクロアルキル基の例には、シクロヘキシ
ル基が挙げられる。
【0023】R1〜R6およびYが表すアラルキル基とし
ては、置換基を有するアラルキル基および無置換のアラ
ルキル基が含まれる。前記アラルキル基としては、炭素
原子数が7〜12のアラルキル基が好ましい。前記置換
基の例には、イオン性親水性基が挙げられる。前記アラ
ルキル基の例には、ベンジル基、および2−フェネチル
基が挙げられる。
【0024】R1〜R6およびYが表すアリール基には、
置換基を有するアリール基および無置換のアリール基が
含まれる。前記アリール基としては、炭素原子数が7〜
12のアリール基が好ましい。前記置換基の例には、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミ
ノ基、およびイオン性親水性基が挙げられる。前記アリ
ール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシ
フェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホ
プロピルアミノ)フェニルが挙げられる。
【0025】R1〜R6およびYが表すヘテロ環基には、
置換基を有するヘテロ環基および無置換のヘテロ環基が
含まれる。前記ヘテロ環基としては、5員または6員環
のヘテロ環基が好ましい。前記置換基の例には、イオン
性親水性基が含まれる。前記へテロ環基の例には、2−
ピリジル基、2−チエニル基および2−フリル基が挙げ
られる。
【0026】R1〜R6およびYが表すアルキルアミノ基
には、置換基を有するアルキルアミノ基および無置換の
アルキルアミノ基が含まれる。前記アルキルアミノ基と
しては、炭素原子数1〜6のアルキルアミノ基が好まし
い。前記置換基の例には、イオン性親水性基が挙げられ
る。前記アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ基お
よびジエチルアミノ基が挙げられる。
【0027】R1〜R6およびYが表すアルコキシ基に
は、置換基を有するアルコキシ基および無置換のアルコ
キシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、炭素原
子数が1〜12のアルコキシ基が好ましい。前記置換基
の例には、アルコキシ基、ヒドロキシル基、およびイオ
ン性親水性基が挙げられる。前記アルコキシ基の例に
は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メト
キシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基および3−カル
ボキシプロポキシ基が挙げられる。
【0028】R1〜R6およびYが表すアリールオキシ基
には、置換基を有するアリールオキシ基および無置換の
アリールオキシ基が含まれる。前記アリールオキシ基と
しては、炭素原子数が6〜12のアリールオキシ基が好
ましい。前記置換基の例には、アルコキシ基、およびイ
オン性親水性基が挙げられる。前記アリールオキシ基の
例には、フェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基およ
びo−メトキシフェノキシ基が挙げられる。
【0029】R1〜R6およびYが表すアミド基には、置
換基を有するアミド基および無置換のアミド基が含まれ
る。前記アミド基としては、炭素原子数が2〜12のア
ミド基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水
性基が挙げられる。前記アミド基の例には、アセトアミ
ド基、プロピオンアミド基、ベンズアミド基および3,
5−ジスルホベンズアミド基が挙げられる。
【0030】R1〜R6およびYが表すアリールアミノ基
には、置換基を有するアリールアミノ基および無置換の
アリールアミノ基が含まれる。前記アリールアミノ基と
しては、炭素原子数が6〜12のアリールアミノ基が好
ましい。前記置換基の例としては、ハロゲン原子、およ
びイオン性親水性基が挙げられる。前記アリールアミノ
基の例としては、アニリノ基および2−クロロアニリノ
基が挙げられる。
【0031】R1〜R6およびYが表すウレイド基には、
置換基を有するウレイド基および無置換のウレイド基が
含まれる。前記ウレイド基としては、炭素原子数が1〜
12のウレイド基が好ましい。前記置換基の例には、ア
ルキル基およびアリール基が挙げられる。前記ウレイド
基の例には、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチル
ウレイド基および3−フェニルウレイド基が挙げられ
る。
【0032】R1〜R6およびYが表すスルファモイルア
ミノ基には、置換基を有するスルファモイルアミノ基お
よび無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。前記
置換基の例には、アルキル基が挙げられる。前記スルフ
ァモイルアミノ基の例には、N, N−ジプロピルスルフ
ァモイルアミノが挙げられる。
【0033】R1〜R6およびYが表すアルキルチオ基に
は置換基を有するアルキルチオ基および無置換のアルキ
ルチオ基が含まれる。前記アルキルチオ基としては、炭
素原子数が1〜12のアルキルチオ基が好ましい。前記
置換基の例には、イオン性親水性基が挙げられる。前記
アルキルチオ基の例には、メチルチオ基およびエチルチ
オ基が挙げられる。
【0034】R1〜R6およびYが表すアリールチオ基に
は、置換基を有するアリールチオ基および無置換のアリ
ールチオ基が含まれる。前記アリールチオ基としては、
炭素原子数が6〜12のアリールチオ基が好ましい。前
記置換基の例には、アルキル基、およびイオン性親水性
基が挙げられる。前記アリールチオ基の例には、フェニ
ルチオ基およびp−トリルチオ基が挙げられる。
【0035】R1〜R6およびYが表すアルコキシカルボ
ニルアミノ基には、置換基を有するアルコキシカルボニ
ルアミノ基および無置換のアルコキシカルボニルアミノ
基が含まれる。前記アルコキシカルボニルアミノ基とし
ては、炭素原子数が2〜12のアルコキシカルボニルア
ミノ基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水
性基が挙げられる。前記アルコキシカルボニルアミノ基
の例には、エトキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
【0036】R1〜R6およびYが表すスルホンアミド基
には、置換基を有するスルホンアミド基および無置換の
スルホンアミド基が含まれる。前記スルホンアミド基と
しては、炭素原子数が1〜12のスルホンアミド基が好
ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が挙げ
られる。前記スルホンアミド基の例には、メタンスルホ
ンアミド、ベンゼンスルホンアミド、および3−カルボ
キシベンゼンスルホンアミドが含まれる。
【0037】R1〜R6およびYが表すカルバモイル基に
は、置換基を有するカルバモイル基および無置換のカル
バモイル基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル
基が挙げられる。前記カルバモイル基の例には、メチル
カルバモイル基およびジメチルカルバモイル基が挙げら
れる。
【0038】R1〜R6およびYが表すスルファモイル基
には、置換基を有するスルファモイル基および無置換の
スルファモイル基が含まれる。前記置換基の例には、ア
ルキル基が挙げられる。前記スルファモイル基の例に
は、ジメチルスルファモイル基およびジ−(2−ヒドロ
キシエチル)スルファモイル基が挙げられる。
【0039】R1〜R6およびYが表すスルホニル基とし
ては、メタンスルホニル基およびフェニルスルホニル基
が挙げられる。
【0040】R1〜R6およびYが表すアルコキシカルボ
ニル基には、置換基を有するアルコキシカルボニル基お
よび無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。前記
アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数が2〜1
2のアルコキシカルボニル基が好ましい。前記置換基の
例には、イオン性親水性基が挙げられる。前記アルコキ
シカルボニル基の例には、メトキシカルボニル基および
エトキシカルボニル基が挙げられる。
【0041】R1〜R6およびYが表すヘテロ環オキシ基
には、置換基を有するヘテロ環オキシ基および無置換の
ヘテロ環オキシ基が含まれる。前記ヘテロ環オキシ基と
しては、5員または6員環のヘテロ環を有するヘテロ環
オキシ基が好ましい。前記置換基の例には、ヒドロキシ
ル基、およびイオン性親水性基が挙げられる。前記ヘテ
ロ環オキシ基の例には、2−テトラヒドロピラニルオキ
シ基が挙げられる。
【0042】R1〜R6およびYが表すアゾ基には、置換
基を有するアゾ基および無置換のアゾ基が含まれる。前
記アゾ基の例には、p−ニトロフェニルアゾ基が挙げら
れる。
【0043】R1〜R6およびYが表すアシルオキシ基に
は、置換基を有するアシルオキシ基および無置換のアシ
ルオキシ基が含まれる。前記アシルオキシ基としては、
炭素原子数1〜12のアシルオキシ基が好ましい。前記
置換基の例には、イオン性親水性基が挙げられる。前記
アシルオキシ基の例には、アセトキシ基およびベンゾイ
ルオキシ基が挙げられる。
【0044】R1〜R6およびYが表すカルバモイルオキ
シ基には、置換基を有するカルバモイルオキシ基および
無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。前記置換基
の例には、アルキル基が挙げられる。前記カルバモイル
オキシ基の例には、N−メチルカルバモイルオキシ基が
挙げられる。
【0045】R1〜R6およびYが表すシリルオキシ基に
は、置換基を有するシリルオキシ基および無置換のシリ
ルオキシ基が含まれる。前記置換基の例には、アルキル
基が挙げられる。前記シリルオキシ基の例には、トリメ
チルシリルオキシ基が挙げられる。
【0046】R1〜R6およびYが表すアリールオキシカ
ルボニル基には、置換基を有するアリールオキシカルボ
ニル基および無置換のアリールオキシカルボニル基が含
まれる。前記アリールオキシカルボニル基としては、炭
素原子数が7〜12のアリールオキシカルボニル基が好
ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が挙げ
られる。前記アリールオキシカルボニル基の例には、フ
ェノキシカルボニル基が挙げられる。
【0047】R1〜R6およびYが表すアリールオキシカ
ルボニルアミノ基には、置換基を有するアリールオキシ
カルボニルアミノ基および無置換のアリールオキシカル
ボニルアミノ基が含まれる。前記アリールオキシカルボ
ニルアミノ基としては、炭素原子数が7〜12のアリー
ルオキシカルボニルアミノ基が好ましい。前記置換基の
例には、イオン性親水性基が挙げられる。前記アリール
オキシカルボニルアミノ基の例には、フェノキシカルボ
ニルアミノ基が挙げられる。
【0048】R1〜R6およびYが表すイミド基には、置
換基を有するイミド基および無置換のイミド基が含まれ
る。前記イミド基の例には、N−フタルイミド基および
N−スクシンイミド基が挙げられる。
【0049】R1〜R6およびYが表すヘテロ環チオ基に
は、置換基を有するヘテロ環チオ基および無置換のヘテ
ロ環チオ基が含まれる。前記ヘテロ環チオ基としては、
5員または6員環のヘテロ環を有することが好ましい。
前記置換基の例には、イオン性親水性基が挙げられる。
前記へテロ環チオ基の例には、2−ピリジルチオ基が挙
げられる。
【0050】R1〜R6およびYが表すスルフィニル基に
は、置換基を有するスルフィニル基および無置換のスル
フィニル基が含まれる。前記スルフィニル基の例には、
フェニルスルフィニルが挙げられる。
【0051】R1〜R6およびYが表すホスホリル基に
は、置換基を有するホスホリル基および無置換のホスホ
リル基が含まれる。前記ホスホリル基の例には、フェノ
キシホスホリル基およびフェニルホスホリル基が挙げら
れる。
【0052】R1〜R6およびYが表すアシル基には、置
換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれ
る。前記アシル基としては、炭素原子数が1〜12のア
シル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水
性基が挙げられる。前記アシル基の例には、アセチル基
およびベンゾイル基が挙げられる。
【0053】R1〜R6およびYが表すイオン性親水性基
には、カルボキシル基、スルホ基、および4級アンモニ
ウム基が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カ
ルボキシル基およびスルホ基が好ましく、特にスルホ基
が好ましい。カルボキシル基およびスルホ基は塩の状態
であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アル
カリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン)および有機カチオン(例、テトラメチルグアニジウ
ムイオン)が挙げられる。
【0054】前記一般式(A-I)において、R1とR2
3とR1、R5とR2の各々は、環を形成してもよい。環
を形成する場合の好ましい例を以下に示す。
【0055】
【化4】
【0056】前記一般式(A-I)において、Aは、5〜
8員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す(以
下、Aで表される環を「環A」という場合がある)。環A
は飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。前
記非金属原子群は、窒素原子、酸素原子、イオウ原子お
よび炭素原子から選ばれる1種または2種以上を組み合
わせた群が好ましく、炭素原子のみからなるのが特に好
ましい。
【0057】環Aとしては、例えばベンゼン環、シクロ
ペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シ
クロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピペ
ラジン環、オキサン環、チアン環等が挙げられ、これら
の環のうち更に置換基を有することが可能な基は、上記
置換基R1〜R6、Y及びZ1〜Z2で例示したような基で
更に置換されていてもよい。
【0058】環Aを形成している非金属原子群のうち少
なくとも3つは、ピラゾール環のN原子、Z1およびZ2
で各々置換され、ピラゾール環のN原子で置換された原
子はZ1およびZ2で置換された原子の双方に隣接する。
【0059】環Aとしては、ベンゼン環が好ましくは、
ピラゾール環のN原子、Z1およびZ2以外にピラゾール
環のN原子に対して4位がイオン性親水性基(前述の置
換基で置換されていてもよい)で置換されたベンゼン環
が特に好ましい。
【0060】前記一般式(A-I)において、Z1およびZ
2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、
ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、ア
ミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、ス
ルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ
基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオ
キシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スル
フィニル基、ホスホリル基、アシル基、またはイオン性
親水性基を表す。
【0061】中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド
基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカ
ルボニル基およびイオン性親水性基が好ましく、特にハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、ハ
ロゲン原子が最も好ましい。
【0062】Z1およびZ2が表す各基については、R1
〜R6およびYが表す各基とそれぞれ同義であり好まし
い範囲も同様である。
【0063】前記一般式(A-I)で表されるアゾ染料の
中でも、下記一般式(A-II)で表される構造のアゾ染料
が好ましい。以下に本発明で使用される一般式(A-II)
で表されるアゾ染料について詳しく述べる。一般式(A-
II)
【0064】
【化5】
【0065】前記一般式(A-II)において、X、Y、Z
1、Z2、R1、R2、R3、R4、R5、R6は、前記一般式
(A-I)中のX、Y、Z1、Z2、R1、R2、R3、R4
5、R6と同義であり、好ましいX、Y、Z1、Z2、R
1、R2、R3、R4、R5、R 6の例も同じである。
【0066】前記一般式(A-II)において、Z3、Z4
よびZ5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリー
ル基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ
基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンア
ミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニ
ル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、ア
ゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリル
オキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ス
ルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、またはイオン
性親水性基を表す。
【0067】中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド
基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、スル
ホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ア
ルコキシカルボニル基およびイオン性親水性基が特に好
ましい。
【0068】Z3、Z4およびZ5の具体例は、前記一般
式(A-I)中の置換基R1〜R6およびYで前述した基を
挙げることができる。
【0069】Z3およびZ5の更に好ましくは、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基であり、その中でも特に
水素原子が好ましい。
【0070】Z4の更に好ましくは、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキ
シ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カル
バモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル
基およびイオン性親水性基であり、その中でも特に水素
原子、アルキル基、イオン性親水性基が好ましく、最も
好ましいのはイオン性親水性基である。
【0071】本発明に使用され、一般式(A-II)で表さ
れるアゾ染料として特に好ましい置換基の組み合わせ
は、Xは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホ
ニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基であ
り、特に好ましいものは、シアノ基である。Yは水素原
子、アルキル基、アリ−ル基でありその中でも特に水素
原子である。R1およびR2はアルキル基(イオン性親水
性基を置換基として有していてもよい)、またはアリー
ル基である(イオン性親水性基を置換基として有してい
てもよい)。R3、R4およびR5は水素原子、R6はアミ
ド基である(イオン性親水性基を置換基として有してい
てもよい)。Z1およびZ2は、ハロゲン原子またはアル
キル基である。Z3およびZ5は、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基であり、その中でも特に水素原子であ
る。Z4は、水素原子、ハロゲン原子、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカ
ルボニル基またはイオン性親水性基であり、その中でも
特にイオン性親水性基が好ましい。
【0072】尚、前記一般式(A-II)で表される化合物
の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換
基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が
好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基で
ある化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好まし
い基である化合物が最も好ましい。
【0073】ただし、前記一般式(A-I)においては、
1、R2、R3、R4、R5、R6、X、Y、Z1、Z2およ
びAのうち少なくとも1つ、前記一般式(A-II)におい
ては、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、Y、Z1
2、Z3、Z4、およびZ5のうち少なくとも1つがイオ
ン性親水性基を表すか、イオン性親水性基を置換基とし
て有する。前記一般式(A-I)および前記一般式(A-I
I)で表されるアゾ染料は、分子内に少なくとも1つの
イオン性親水性基を有しているので、水性媒体中に対す
る溶解性または分散性が良好となる。R1〜R6、X、Y
およびZ1〜Z5の置換基としてのイオン性親水性基に
は、スルホ基、カルボキシル基および4級アンモニウム
が挙げられる。中でも、スルホ基およびカルボキシル基
が好ましく、スルホ基が特に好ましい。カルボキシル基
およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成す
る対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリ
ウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン
(例、テトラメチルグアニジウムイオン)が挙げられ
る。
【0074】前記一般式(A-II)で表されるアゾ染料
は、下記一般式(A-III)で表される構造であるのがさ
らに好ましい。一般式(A-III)
【0075】
【化6】
【0076】前記一般式(A-III)中、X、Y、Z1、Z
2、Z4、R1、R2およびR6は、一般式(II)中のX、
Y、Z1、Z2、Z4、R1、R2およびR6と各々同義であ
り、好ましい例も同様である。
【0077】前記一般式(A-III)で表されるアゾ染料
の中でも、特に好ましい置換基の組み合わせとしては、
Xはシアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル
基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基であり、特
に好ましいものは、シアノ基である。Yは水素原子、ア
ルキル基、アリ−ル基でありその中でも特に水素原子で
ある。R1およびR2は、アルキル基(イオン性親水性基
を置換基として有していてもよい)、またはアリール基
(イオン性親水性基を置換基として有していてもよい)
である。R6はアミド基(イオン性親水性基を置換基と
して有していてもよい)である。Z1およびZ2は、ハロ
ゲン原子またはアルキル基である。Z4は、水素原子、
ハロゲン原子、スルホンアミド基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、アルコキシカルボニル基およびイオン
性親水性基であり、その中でも特にイオン性親水性基が
好ましい。
【0078】尚、前記一般式(A-III)で表される化合
物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置
換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物
が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基
である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ま
しい基である化合物が最も好ましい。
【0079】前記一般式(A-I)、前記一般式(A-II)
で表されるアゾ染料の具体例(例示化合物101〜14
3)を以下に示すが、本発明に用いられるアゾ染料は、
下記の例に限定されるものではない。
【0080】
【化7】
【0081】
【化8】
【0082】
【化9】
【0083】
【化10】
【0084】
【化11】
【0085】
【化12】
【0086】
【化13】
【0087】
【化14】
【0088】
【化15】
【0089】
【化16】
【0090】
【化17】
【0091】本発明で使用されるインクジェット記録用
インク組成物100質量部中に、前記アゾ染料が0.2
〜20質量部含有されるのが好ましい。また、本発明に
使用されるインクジェット記録用インク組成物には、前
記アゾ染料とともにフルカラーの画像を得るためや色調
を整えるために、他の染料を併用してもよい。併用する
ことができる染料の例としては以下を挙げることができ
る。
【0092】イエロー染料としては、例えばカップリン
グ成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン
類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化
合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例
えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物
類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料や
モノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例
えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のような
キノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキ
ノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染
料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これら
の染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロ
ーを呈するものであってもよく、その場合のカウンター
カチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機
のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アン
モニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さ
らにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであ
ってもよい。
【0093】マゼンタ染料としては、例えばカップリン
グ成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類
を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカ
ップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾ
ール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染
料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染
料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフ
ェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウ
ム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アント
ラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサ
ジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることがで
きる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して
初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合
のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウム
のような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウ
ム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであっ
てもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマー
カチオンであってもよい。
【0094】シアン染料としては、例えばインドアニリ
ン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染
料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染
料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、ト
リフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボ
ニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染
料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフ
トール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリ
ルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料を挙げること
ができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離
して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場
合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウ
ムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニ
ウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであ
ってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマ
ーカチオンであってもよい。また、ポリアゾ染料などの
ブラック染料も使用することができる。
【0095】−ポリマー微粒子分散物− 本発明で用いられるポリマー微粒子分散物(ポリマーラ
テックス)とは、ビニルモノマーを用いたいわゆる乳化
重合法によって調製され、水系媒体にポリマーが微粒子
状に分散された物である。
【0096】インクジェット記録方法により画像を形成
する際に色相を良くし、印刷性能(ノズルの目詰まりや
吐出のヨレの防止)を上げるためには、分散粒子の粒子
径は体積平均粒径で0.001〜1μmであるのが好ま
しく、0.01〜0.5μmであるのがより好ましい。
体積平均粒径とは、粒子体積で重み付けした平均粒径で
あり、粒子の集合において個々の粒子の直径にその粒子
の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったもの
である。体積平均粒径については「高分子ラテックスの
化学」(室井宗一著 高分子刊行会)119頁に記載が
ある。前記分散粒子の体積平均粒径の測定方法には、静
的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化
学講座第4版の417〜418頁に記載されている方法
を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができ
る。例えば、インク中の粒子濃度が0.1〜1質量%に
なるように蒸留水で希釈し、市販の体積平均粒子サイズ
測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装
(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードッ
プラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒
径測定が可能であり好ましい。
【0097】ポリマー微粒子分散物を構成するポリマー
の構造は、下記に代表例として示したモノマー群から選
ばれる任意のモノマーの単独重合体もしくは自由に組み
合わせた共重合体とすることができる。使用可能なモノ
マー単位には特に制限はなく、通常のラジカル重合法で
重合可能なものであれば、任意の物が使用可能である。
【0098】モノマー群 (a)オレフィン類:エチレン、プロピレン、イソプレ
ン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒ
ドロキシ−1−ヘキセン、シクロペンタジエン、4−ペ
ンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、ト
リメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、ブ
タジエン、ペンタジエン、イソプレン、1,4−ジビニ
ルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキ
サンなど。
【0099】(b)α,β−不飽和カルボン酸およびそ
の塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニ
ウム、イタコン酸カリウムなど。
【0100】(c)α,β−不飽和カルボン酸の誘導
体:アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ドデシルアクリレートなど)、置換アルキルアクリ
レート(例えば、2−クロロエチルアクリレート、ベン
ジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、ア
リルアクリレートなど)、アルキルメタクリレート(例
えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリ−レー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタ
クリレートなど)、置換アルキルメタクリレート(例え
ば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジル
メタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、2−
アセトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフ
リルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレー
ト、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレー
ト(付加モル数=2〜100のもの)、ポリエチレング
リコールモノメタクリレート(ポリオキシエチレンの付
加モル数=2〜100のもの)、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレート(ポリオキシプロピレンの付加
モル数=2〜100のもの)、2−カルボキシエチルメ
タクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、4
−オキシスルホブチルメタクリレート、3−トリメトキ
シシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレー
トなど)、不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、マレ
イン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モ
ノメチル、イタコン酸ジブチルなど)、多官能エステル
類(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサ
ンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルエタントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペ
ンタメタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリ
レートなど)など。
【0101】(d)α,β−不飽和カルボン酸のアミド
類:例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミ
ド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tert
オクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリ
ルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−ア
セトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロ
イルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、イタコ
ン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メチレンビスア
クリルアミド、ジメタクリロイルピペラジンなど。
【0102】(e)スチレンおよびその誘導体:スチレ
ン、ビニルトルエン、p−tertブチルスチレン、ビ
ニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチ
レン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、
p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン
酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム
塩、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−
2−アクリロイルエチルエステルなど。
【0103】(f)ビニルエーテル類:メチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニル
エーテルなど。 (g)ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビ
ニルなど。 (h)その他の重合性単量体:N−ビニルピロリドン、
2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾ
リン、ジビニルスルホンなど。
【0104】これらのモノマーを組み合わせた共重合に
より合成され、本発明で用いられるポリマー微粒子分散
物で好ましく選択されるポリマーは主成分がアクリル・
メタクリル樹脂、スチレン樹脂、共役ジエン系樹脂、酢
酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の単独または共重
合ポリマーからなるものであり、これらの中でもエチレ
ン性不飽和基を主鎖もしくは側鎖に有するポリマー、す
なわち共役ジエン類あるいは少なくとも2種の非共役性
のエチレン性不飽和基を有し、各不飽和基の重合性の異
なるモノマーの少なくとも一種を構成モノマー成分とし
て有するポリマーであることがより好ましく、共役ジエ
ン類を構成成分とするポリマーが特に好ましい。
【0105】上記の好ましいモノマーである少なくとも
2種の非共役性のエチレン性不飽和基を有し、各不飽和
基の重合性の異なるモノマーとしては、アリルアクリレ
ート、アリルメタクリレート、N−アリルアクリルアミ
ド、N−アリルメタクリルアミド等を挙げることができ
る。また、特に好ましいモノマーである共役ジエンモノ
マーの具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタ
ジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,
3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエ
ン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β―
ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−
ブタジエン、1−ブロム−1,3−ブタジエン、1−ク
ロルブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、
2,3−ジクロル−1,3−ブタジエン、1,1,2−
トリクロル−1,3−ブタジエン及び2−シアノ−1,
3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロペンタ
ジエン、エチリデンノルボルネン等を挙げることができ
る。
【0106】以下に本発明で用いるポリマー微粒子分散
物で好ましいものの具体例を挙げるが、本発明がこれら
に限定されるものではない。ここで特に断りの無い限
り、各モノマーの組成比を示す数値は質量百分率を表
す。
【0107】
【表1】
【0108】これらのポリマーラテックスは単独で用い
てもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0109】本発明のポリマーラテックスを合成するた
めに用いられる乳化重合法について以下に説明する。乳
化重合法は、少なくとも1種の乳化剤を用いて、水ある
いは水と水に混和しうる有機溶媒(例えばメタノール、
エタノール、アセトン等)の混合溶媒中で、分散媒に対
して5〜150質量%程度のモノマーを、モノマーに対
して0.1〜20質量%の乳化剤を用いて乳化させ、モ
ノマーに対して0.02〜5質量%のラジカル重合開始
剤を用いて、一般に30℃〜約100℃、好ましくは4
0℃〜90℃の温度で、攪拌下行われる。水に混和しう
る有機溶媒の量は水に対して体積比で0〜100%、好
ましくは0〜50%である。
【0110】重合開始剤としては、アゾビス化合物、パ
ーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触
媒などがあり、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム等の無機過酸化物、t−ブチルパーオクトエート、
ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピルパーカーボネ
ート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化
物、2,2'−アゾビスイソブチレート、2,2'−アゾ
ビスシアノ吉草酸のナトリウム塩、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,
2'−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン
−2−イル)プロパン〕塩酸塩、2,2'−アゾビス
{2−メチル−N−〔1,1'−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}等の
アゾ化合物が挙げられる。この中でも過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウムが特に好ましい。
【0111】乳化剤としてはアニオン性、カチオン性、
両性、ノニオン性の界面活性剤の他、水溶性ポリマー等
がある。その具体例としては、例えばラウリン酸ソー
ダ、ドデシル硫酸ナトリウム、1−オクトキシカルボニ
ルメチル−1−オクトキシカルボニルメタンスルホン酸
ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
リン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、N−2−エチルピリジニウムクロライド、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンソルビタンラウリルエステル、ポリビニルアルコ
ール、特公昭53−6190号公報に記載の乳化剤、水
溶性ポリマー等が挙げられる。
【0112】乳化重合においては、その目的に応じて、
重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、
かつ容易に変更できることは言うまでもない。また、乳
化重合反応は、モノマー、界面活性剤、水性媒体を予め
反応容器に全量入れておき、開始剤を投入して行っても
よいし、必要に応じてモノマー、開始剤溶液のいずれ
か、もしくはその両者の一部あるいは全量を滴下しなが
ら行ってもよい。本発明のラテックスは通常の乳化重合
法の手法を用いることにより、容易に合成可能である。
一般的な乳化重合の方法については以下の成書に詳し
い。「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高
分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用
(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分
子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室
井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」。また、特にソ
ープフリーラテックスとして知られているものも好まし
く用いることができる。
【0113】本発明に用いることのできる水分散性ポリ
マー微粒子の、他の例として、水不溶性の解離基含有ポ
リマーが挙げられる。水不溶性の解離基含有ポリマーと
は、イオン性の解離基を有するポリマーを言う。前記イ
オン性の解離基には、三級アミノ基、四級アンモニウム
基等のカチオン性解離基、およびカルボン酸、スルホン
酸、リン酸等のアニオン性の解離基が含まれる。前記解
離基含有ポリマーとしては、例えばビニルポリマー、縮
合系ポリマー(ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレア、ポリカーボネート)が挙げられる。前
記水不溶性の解離基含有ポリマーは、水分散性すなわち
自己乳化性を有するポリマーであることが好ましい。
【0114】解離基含有ビニルポリマーが含有する解離
基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸モノ
エステル基、−OPO(OH)2、スルフィン酸基、ま
たはこれらの塩(例えば、Na,K等のアルカリ金属
塩、あるいはアンモニア、ジメチルアミン、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
トリメチルアミン等のアンモニウム塩)のようなアニオ
ン性基、あるいは一級、二級、三級アミン、またはこれ
らの塩(例えば有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、
メタンスルホン酸)や無機酸(塩酸、硫酸など)の
塩)、四級アンモニウム塩の如きカチオン性基が挙げら
れるが、中でもアニオン性基が好ましく、特にカルボキ
シル基が好ましい。
【0115】前記カルボン酸を解離基として含有するモ
ノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、ク
ロトン酸、イタコン酸モノアルキルエステル(例えば、
イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコ
ン酸モノブチルなど)、マレイン酸モノアルキルエステ
ル(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエ
チル、マレイン酸モノブチルなど)などが挙げられる。
【0116】前記スルホン酸を解離基として含有するモ
ノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、ビニル
スルホン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸
(例えば、アクリロイルオキシエチルスルホン酸、アク
リロイルオキシプロピルスルホン酸など)、メタクリロ
イルオキシアルキルスルホン酸(例えば、メタクリロイ
ルオキシエチルスルホン酸、メタクリロイルオキシプロ
ピルスルホン酸など)、アクリルアミドアルキルスルホ
ン酸(例えば、2−アクリルアミド−2−メチルエタン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブタンス
ルホン酸など)、メタクリルアミドアルキルスルホン酸
(例えば、2−メタクリルアミド−2−メチルエタンス
ルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸など)などが挙げられる。
【0117】前記リン酸を解離基として含有するモノマ
ーとしては、例えば、リン酸モノアクリロイルオキシエ
チルエステル、リン酸モノメタクリロイルオキシエチル
エステルなどが挙げられる。
【0118】これらの中でも、アクリル酸、メタクリル
酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリル
アミドアルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキル
スルホン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、ス
チレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルブ
タンスルホン酸が特に好ましい。
【0119】前記カチオン性の解離基を有するモノマー
としては、例えば、ジアルキルアミノエチルメタクリレ
ート、ジアルキルアミノエチルアタクリレートなどの3
級アミノ基を有するモノマーや、N−2−アクリロイル
オキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムク
ロライド、N−ビニルベンジル−N,N,N−トリエチ
ルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を
有するモノマーが挙げられる。
【0120】また、上記の解離基含有モノマーは、解離
基を有しないモノマーと共重合させてもよく、それに用
いられるモノマーとしては以下のものを挙げることがで
きる。すなわち、アクリル酸エステル類、具体的には、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブ
チルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、tert−オクチルアクリレート、2−クロロエチ
ルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−
クロロブチルアクリレート、2−アセトキシエチルアク
リレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、フェニルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルア
クリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−エ
トキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリ
レート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレ
ート、グリシジルアクリレート、1−ブロモ−2−メト
キシエチルアクリレート、2,2,2−テトラフルオロ
エチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフ
ルオロデシルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロ
イルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタ
クリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−
アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられ
る。
【0121】メタクリル酸エステル類、具体的には、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロ
ピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n
−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、
sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、
フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメ
タクリレート、フェニルメタクリレート、クレジルメタ
クリレート、ナフチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリ
レート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、
ジプロピレングリコールモノメタクリレート、2−メト
キシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタク
リレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブ
トキシエチルメタクリレート、2−(2−メトキシエト
キシ)エチルメタクリレート、2−(2−エトキシエト
キシ)エチルメタクリレート、2−アセトキシエチルメ
タクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタクリレ
ート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、2,2,2−テトラフルオロエチルメタクリレー
ト、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルメタ
クリレート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエ
チルホスフェートなどが挙げられる。
【0122】ビニルエステル類、具体的には、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、
ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニル
メトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息
香酸ビニル、サリチル酸ビニルなどが挙げられる。
【0123】アクリルアミド類、具体的には、アクリル
アミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミ
ド、イソプロピルアクリルアミド、n−ブチルアクリル
アミド、tert−ブチルアクリルアミド、tert−
オクチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミ
ド、ベンジルアクリルアミド、ヒドロキシメチルアクリ
ルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、ブトキシメ
チルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、
フェニルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジ
エチルアクリルアミド、β−シアノエチルアクリルアミ
ド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
【0124】メタクリルアミド類、具体的には、メタク
リルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリ
ルアミド、プロピルメタクリルアミド、n−ブチルメタ
クリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シ
クロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルア
ミド、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、メトキシエ
チルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、β
−シアノエチルメタクリルアミド、N−(2−アセトア
セトキシエチル)メタクリルアミドなどが挙げられる。
【0125】オレフィン類、具体的には、ジシクロペン
タジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、ク
ロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン
等、スチレン類、例えば、スチレン、メチルスチレン、
ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレ
ン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセト
キシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブ
ロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙
げられる。
【0126】ビニルエーテル類、具体的には、メチルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニル
エーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げら
れる。
【0127】その他のモノマーとして、クロトン酸ブチ
ル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコ
ン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸
ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フ
ェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N
−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニ
リデンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデ
ンなどが挙げられる。
【0128】また、以下に挙げるような非イオン性分散
性基を含有するモノマーを共重合することも好ましく、
このようなモノマーの例としては、ポリエチレングリコ
ールモノアルキルエーテルとカルボン酸モノマーとのエ
ステル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル
とスルホン酸モノマーとのエステル、ポリエチレングリ
コールモノアルキルエーテルとリン酸モノマーとのエス
テル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルと
イソシアネート基含有モノマーから形成されるビニル基
含有ウレタン、ポリビニルアルコール構造を含有するマ
クロモノマーなどが挙げられる。前記ポリエチレングリ
コールモノアルキルエーテルのエチレンオキシ部の繰り
返し数としては、8〜50が好ましく、10〜30がよ
り好ましい。前記ポリエチレングリコールモノアルキル
エーテルのアルキル基の炭素原子数としては、1〜20
が好ましく、1〜12がより好ましい。
【0129】次に前記の解離基含有縮合系ポリマーにつ
いて詳細に説明する。前記解離基含有ポリウレタンは基
本的にジオール化合物とジイソシアネート化合物を原料
とした重付加反応により合成される。ジオール化合物の
具体例としては、非解離性のジオールとしてエチレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタン
ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオ
ール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2
−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオー
ル、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−
ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチ
ル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロ
ピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−
2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、1,2−オクタンジオール、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均
分子量=200〜4000)、ポリプロピレングリコー
ル(平均分子量=200〜1000)、ポリエステルポ
リオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2
−プロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン
等を挙げることができる。
【0130】ジイソシアネートの好ましい具体例として
は、エチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート,1,4−シ
クロヘキサンジイソシアネート、2,4−トルエンジイ
ソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニレンジイソ
シアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)
等を挙げることができる。
【0131】解離性基含有ポリウレタンは、例えばポリ
ウレタンの合成時に解離基を含有するジオールを使用す
ることによって得られる。その場合は、解離基はポリマ
ー主鎖からの置換基としてポリウレタンに導入される。
解離基、特にアニオン性基を有するジオールとしては、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2
−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,5,6−トリ
メトキシ−3,4−ジヒドロキシヘキサン酸、2,3−
ジヒドロキシ−4,5−ジメトキシペンタン酸、3,5
−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカルボニルベンゼ
ンスルホン酸及びこれらの塩を挙げることができるが、
特にこれらに限定されるものではない。
【0132】解離基含有ポリウレタンが含有する解離基
としては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸モノエ
ステル基、−OPO(OH)2、スルフィン酸基、また
はこれらの塩(例えば、Na,K等のアルカリ金属塩、
あるいはアンモニア、ジメチルアミン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ
メチルアミン等のアンモニウム塩)のようなアニオン性
基、あるいは一級、二級、三級アミン、四級アンモニウ
ム塩の如きカチオン性基が挙げられ、中でもアニオン性
基が好ましく、特にカルボキシル基が好ましい。
【0133】前記ポリエステルは、基本的にジオール化
合物とジカルボン酸化合物の縮合反応によって合成され
る。ジカルボン酸化合物の具体的な例としては、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン
酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α−ジメチルコハク
酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナ
ンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、
シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル
酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタ
レート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ω−ポ
リ(エチレンオキシド)ジカルボン酸、p−キシリレン
ジカルボン酸などを挙げることができる。これらの化合
物は、ジオール化合物と重縮合反応を行う際に、ジカル
ボン酸のアルキルエステル(例えば、ジメチルエステ
ル)やジカルボン酸の酸塩化物の形で用いてもよいし、
無水マレイン酸や無水コハク酸、無水フタル酸のように
酸無水物の形で用いてもよい。
【0134】解離基含有ポリエステルは、カルボン酸以
外に、スルホン酸基、硫酸モノエステル基、−OPO
(OH)2、スルフィン酸基、またはこれらの塩(例え
ば、Na,K等のアルカリ金属塩、あるいはアンモニ
ア、ジメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン等の
アンモニウム塩)のようなアニオン性基、あるいは三級
アミンまたはこれらの塩(例えば、有機酸(例えば、酢
酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸)や無機酸(塩
酸、硫酸など)の塩)、四級アンモニウム塩の如きカチ
オン性基のような解離基を有するジカルボン酸化合物を
用いて合成することにより得られる。解離基含有ポリエ
ステルが含有するカルボン酸以外の解離基としては、ア
ニオン性基が好ましく、特にスルホン酸基が好ましい。
【0135】前記スルホン酸基を有するジカルボン酸、
ジオール原料の好ましい例としては、スルホフタル酸類
(3−スルホフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スル
ホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、2−スルホ
テレフタル酸)、スルホコハク酸、スルホナフタレンジ
カルボン酸類(4−スルホ−1,8−ナフタレンジカル
ボン酸、7−スルホ−1,5−ナフタレンジカルボン酸
等)、3,5−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカル
ボニルベンゼンスルホン酸及びこれらの塩を挙げること
ができる。
【0136】ジオール化合物としては、上記ポリウレタ
ンにおいて記載したジオール類と同じ群から選ばれる化
合物を用いることができる。前記ポリエステルの代表的
な合成法は上記のジオール化合物とジカルボン酸もしく
はその誘導体の縮合反応であるが、ヒドロキシカルボン
酸(例えば、12-ヒドロキシステアリン酸)のような
ヒドロキシカルボン酸を縮合して得ることもできるし、
環状エーテルとラクトン類の開環重合法(講座重合反応
論6 開環重合(I)三枝武夫著(化学同人、1971
年)に詳しい)等の方法で得られるポリエステルも本発
明に好適に用いることができる。
【0137】前記ポリアミドは、ジアミン化合物とジカ
ルボン酸化合物の重縮合、アミノカルボン酸化合物の重
縮合もしくはラクタム類の開環重合等によって得ること
ができる。ジアミン化合物としては、エチレンジアミ
ン、1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジ
メチルピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、キシリ
レンジアミン等を挙げることができ、アミノカルボン酸
としてはグリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω−
アミノヘキサン酸、ω−アミノデカン酸、ω−アミノウ
ンデカン酸、アントラニル酸が挙げられる。また、開環
重合に用い得る単量体としてはε−カプロラクタム、ア
ゼチジノン、ピロリドン等を挙げることができる。ジカ
ルボン酸化合物としては、上記ポリエステルにおいて説
明したジカルボン酸類と同じ群から選ばれる化合物を用
いることができる。
【0138】前記ポリウレアは、基本的にジアミン化合
物とジイソシアネート化合物の重付加もしくはジアミン
化合物と尿素の脱アンモニア反応によって得ることがで
き、原料であるジアミン化合物は上記ポリアミドにおい
て記載したジアミン類、ジイソシアネート化合物は上記
ポリウレタンにおいて記載したジイソシアネート類と同
じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
【0139】前記ポリカーボネートは、基本的にジオー
ル化合物とホスゲンもしくは炭酸エステル誘導体(例え
ば、ジフェニルカーボネート等の芳香族エステル)を反
応させることにより得ることができ、原料であるジオー
ル化合物は上記ポリウレタンにおいて記載したジオール
類と同じ群からなる化合物を用いることができる。
【0140】前記解離基は、種々の方法で前記各ポリマ
ーに導入することができる。例えばポリウレタンの場
合、前記したように、解離基を含有するジオールを合成
時に用いて、ポリマー主鎖からの置換基として導入する
ことができる。また、前記油溶性ポリマーとしてポリエ
ステルを使用する場合のように、ポリマーの末端にジカ
ルボン酸の未反応末端として残存させることによって導
入することもできる。さらに、前記各ポリマーの重合後
に、ヒドロキシ基、アミノ基等の反応性基に対し、酸無
水物(例えば無水マレイン酸)等の反応によって解離基
を導入できる化合物を作用させて導入することもでき
る。
【0141】以上述べてきた解離基含有ポリマーは、ビ
ニルポリマー、縮合ポリマーともに、必要な構成原料を
1種づつ用いてもよいし、種々の目的(例えば、ポリマ
ーのガラス転移温度(Tg)の調整や溶解性、染料との
相溶性、分散物の安定性)に応じて、それぞれ2種以上
を任意の割合で用いることができる。
【0142】また、前記解離基含有ポリマーの中でも、
前記解離性基としてカルボキシル基及びスルホン酸基の
少なくとも一方を有するものが好ましく、前記解離性基
としてカルボキシル基を有するものが特に好ましい。
【0143】前記解離基含有ポリマーにおける解離性基
の含量としては、0.1〜3.0mmol/gが好まし
く、0.2〜2.0mmol/gがより好ましい。な
お、前記解離性基の含量が、少なすぎても多すぎても解
離基含有ポリマーの自己乳化性が小さく、染料の微粒子
分散物の安定化効果が小さくなる傾向がある。
【0144】なお、前記解離基として、前記アニオン性
の解離基としては、更に、アルカリ金属(例えばNa、
Kなど)又はアンモニウムイオンの塩などであってもよ
く、前記カチオン性の解離基である3級アミンでは、更
に、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、メタンスル
ホン酸)や無機酸(塩酸、硫酸など)の塩であってもよ
い。
【0145】前記解離基含有ポリマーにおいて、優れた
分散安定性付与、解離基導入の容易さ等を勘案すると、
より好ましいのはビニルポリマー、ポリウレタン、ポリ
エステルであり、特に好ましいのはビニルポリマーであ
る。
【0146】前記解離基含有ビニルポリマーの具体例を
以下に列挙する。括弧内の比は質量比を意味する。な
お、本発明は、これらの具体例に何ら限定されるもので
はない。
【0147】
【表2】
【0148】また前記解離基含有ポリマーのうち、縮合
系ポリマーの具体例を以下に列挙するが、本発明がこれ
らに限定されるものではない。各ポリマーにおける酸性
基はすべて非解離形で表してある。またポリエステル、
ポリアミド等縮合反応により生成するものについては、
構成成分は原料の如何に関わらずすべてジカルボン酸、
ジオール、ジアミン、ヒドロキシカルボン酸、アミノカ
ルボン酸等で表記する。括弧内の比は、各成分のモル百
分率比を意味する。
【0149】
【表3】
【0150】上記の解離基含有縮合系ポリマーの合成に
関しては、「高分子実験学(第5巻)重縮合と重付加(神
原周編集、共立出版(株)発行(1980))」、「ポリエステ
ル樹脂ハンドブック(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社発
行(1988))」、「ポリウレタン樹脂ハンドブック(岩田
敬治編、日刊工業新聞社発行(1987))」、「高分子合成
の実験法(大津隆行・木下雅悦 共著、化学同人発行(19
72))」、特公昭33−1141号、同37−7641
号、同39−5989号、同40−27349号、同4
2−5118号、同42−24194号、同45−10
957号、同48−25435号、同49−36942
号、同52−81344号、特開昭56−88454
号、特開平6−340835号などの各公報に記載され
ている公知の方法を用いることができる。
【0151】本発明で用いられるポリマー微粒子分散物
は、画像形成を行う際にポリマー微粒子分散物を含む溶
液のノズルでの目詰まり等を防止するために、溶液の吐
出温度よりポリマー微粒子分散物のガラス転移温度(T
g)が高い方が好ましい。吐出温度より10℃程度高い
Tgを持つものがより好ましく、Tgが40〜160℃の
ものが最も好ましい。
【0152】また、受像材料上へのポリマー微粒子分散
物の固形分の塗布量は、0.1〜10g/m2が好まし
く、0.2〜5g/m2がより好ましい。
【0153】−インク組成物の調製方法− 本発明で使用されるインクジェット記録用インク組成物
は、前記の水溶性染料を水性媒体中に溶解および/また
は分散させることによって調製することができる。本発
明における「水性媒体」とは、水または水と少量の水溶
性有機溶媒との混合物に、必要に応じて湿潤剤、安定
剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。水性
のインクジェット記録用インク組成物の調製方法につい
ては、特開平5−148436号、同5−295312
号、同7−97541号、同7−82515号、同7−
118584号の各公報に詳細が記載されており、本発
明で使用されるインクジェット記録用インク組成物の調
製にも利用できる。
【0154】本発明において用いることができる水溶性
有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタ
ノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノ
ール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオー
ル、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレング
ルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニ
ルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル
ジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、
モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミ
ン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピ
ロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−
2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセト
ン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、二種
類以上を併用してもよい。
【0155】−添加剤− 本発明では、インクジェット記録用インク組成物がイン
クの噴射口での乾操による目詰まりを起こすのを防止す
るための乾燥防止剤、インクを紙により良く浸透させる
ための浸透促進剤、更に紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘
度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴
剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等の添加
剤を適宜選択して適量使用することができる。
【0156】本発明に使用される乾燥防止剤としては水
より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な
例としてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、ト
リメチロールプロパン等に代表される多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エ
チルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルス
ルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセ
トンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合
物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリ
ン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好
ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし
2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク
中に10〜50質量%含有することが好ましい。
【0157】本発明に使用される浸透促進剤としてはエ
タノール、イソプロパノール、ブタノール、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等の
アルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナ
トリウムや上記乳化分散用界面活性剤として掲げたノニ
オン性界面活性剤等を用いることができる。これらはイ
ンク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があ
り、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさな
い添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0158】本発明で画像の保存性を向上させるために
使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−1856
77号公報、同61−190537号公報、特開平2−
782号公報、同5−197075号公報、同9−34
057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合
物、特開昭46−2784号公報、特開平5−1944
83号公報、米国特許第3214463号等に記載され
たベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号
公報、同56−21141号公報、特開平10−881
06号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−
298503号公報、同8−53427号公報、同8−
239368号公報、同10−182621号公報、特
表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン
系化合物、リサーチディスクロージャーNo.2423
9号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサ
ゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発
する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができ
る。
【0159】本発明で画像の保存性を向上させるために
使用される酸化防止剤としては、各種の有機系及び金属
錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪
色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノ
ール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、ア
ニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコ
キシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体とし
てはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的に
はリサーチディスクロージャーNo.17643の第VI
IのIないしJ項、同No.15162、同No.187
16の650頁左欄、同No.36544の527頁、
同No.307105の872頁、同No.15162
に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−2
15272号公報の127頁〜137頁に記載された代
表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使
用することができる。
【0160】本発明に使用される防黴剤としてはデヒド
ロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピ
リジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸
エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−
オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に
0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。尚、
これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌
防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。ま
た、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸
ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピ
ルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトー
ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾ
トリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に
0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
【0161】本発明に使用されるpH調整剤は、pH調
節、分散安定性付与などの点で好適に使用することがで
き、pH4.5〜10.0となるように添加するのが好
ましく、pH6〜10.0となるよう添加するのがより
好ましい。pH調整剤としては、塩基性のものとして有
機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、
無機酸等が挙げられる。前記有機塩基としてはトリエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどが挙げら
れる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸
化物(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムな
ど)、アンモニアなどが挙げられる。また、前記有機酸
としては酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アル
キルスルホン酸などが挙げられる。前記無機酸として
は、塩酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。
【0162】本発明に使用される表面張力調整剤として
はノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙
げられる。例えばアニオン系界面活性剤としては脂肪酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン
アルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、ノニオ
ン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリ
ン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブ
ロックコポリマー等を挙げることができる。アセチレン
系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSUR
FYNOLS(AirProducts&Chemic
als社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメ
チル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキ
シド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭5
9−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・デ
ィスクロージャーNo.308119(1989年)記載
の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。こ
こで用いられる界面活性剤は25℃での水に対する溶解
度が0.5%以上のものが好ましい。本発明のインクの
表面張力はこれらを使用してあるいは使用しないで20
〜60mN/mが好ましい。さらに25〜45mN/m
が好ましい。
【0163】本発明のインクの粘度は30mPa・s以
下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整すること
がより好ましいので、粘度を調整する目的で、粘度調整
剤が使用されることがある。粘度調整剤としては、例え
ば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性
ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0164】また本発明では分散剤、分散安定剤として
上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性
剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やED
TAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用する
ことができる。
【0165】本発明のインクジェット画像記録方法で画
像を形成するにあたり、公知の被記録材、即ち普通紙、
樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、
同8−27693号公報、同2−276670号公報、
同7−276789号公報、同9−323475号公
報、同62−238783号公報、同10−15398
9号公報、同10−217473号公報、同10−23
5995号公報、同10−337947号公報、同10
−217597号公報、同10−337947号公報等
に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電
子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等を用いる
ことができる。
【0166】以下に本発明のインクジェット画像記録方
法で画像を形成するのに用いられる記録紙及び記録フィ
ルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムおける
支持体はLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、P
GW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の
機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等をからなり、必要
に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定
着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長
網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等
が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラ
スチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持
体の厚み10〜250μm、坪量は10〜250g/m
2が望ましい。支持体には、そのままインク受容層及び
バックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニ
ルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設
けた後、インク受容層及びバックコート層を設けてもよ
い。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレン
ダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦
化処理を行ってもよい。本発明では支持体としては、両
面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテンおよびそ
れらのコポリマー)でラミネートした紙およびプラスチ
ックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィ
ンポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸
化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群
青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0167】支持体上に設けられるインク受容層には、
顔料や水性バインダーが含有される。顔料としては、白
色顔料がよく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カ
オリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、
珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオラ
イト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、
硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグ
メント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹
脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有さ
れる白色顔料としては、多孔性無機顔料がよく、特に細
孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成
非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸
及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使
用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが望まし
い。これらの顔料は2種以上を併用してもよい。
【0168】インク受容層に含有される水性バインダー
としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリ
ビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カ
ゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ
アルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導
体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、
アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられ
る。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用
して用いることができる。本発明においては、これらの
中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリ
ビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層
の耐剥離性の点で好適である。
【0169】インク受容層は、顔料及び水性結着剤(水
性バインダー)の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上
剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有すること
ができる。
【0170】インク受容層中に添加する媒染剤は、不動
化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー
媒染剤が好ましく用いられる。ポリマー媒染剤について
は、特開昭48−28325号、同54−74430
号、同54−124726号、同55−22766号、
同55−142339号、同60−23850号、同6
0−23851号、同60−23852号、同60−2
3853号、同60−57836号、同60−6064
3号、同60−118834号、同60−122940
号、同60−122941号、同60−122942
号、同60−235134号、特開平1−161236
号の各公報、米国特許2484430号、同25485
64号、同3148061号、同3309690号、同
4115124号、同4124386号、同41938
00号、同4273853号、同4282305号、同
4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−
161236号公報の212〜215頁に記載のポリマ
ー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記
載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得
られ、かつ画像の耐光性が改善される。
【0171】耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、
これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望まし
い。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリ
アミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリ
アミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダル
シリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特に
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適であ
る。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の
全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜
10質量%であることが好ましい。
【0172】耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜
鉛、ヒンダーアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン等の
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。
これらの中で特に硫酸亜鉛が好適である。
【0173】界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、
スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界
面活性剤については、特開昭62−173463号、同
62−183457号の各公報に記載がある。界面活性
剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機
フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機
フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル
状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)および固体状フ
ッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含
まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−
9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994
号、同62−135826号の各公報に記載がある。
【0174】硬膜剤としては特開平1−161236号
公報の222頁に記載されている材料等を用いることが
できる。
【0175】その他のインク受容層に添加される添加剤
としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増
白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げ
られる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0176】記録紙及び記録フィルムには、バックコー
ト層を設けることもでき、この層に添加可能な成分とし
ては、白色顔料、水性結着剤(水性バインダー)、その
他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白
色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭
酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪
酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、
コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオラ
イト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マ
グネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチック
ピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリ
エチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂
等の有機顔料等が挙げられる。
【0177】バックコート層に含有される水性バインダ
ーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレ
ン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シ
ラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオ
ン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテ
ックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が
挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分
としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0178】インクジェット記録紙及び記録フィルムの
構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物
を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定
化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような
膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物
については、特開昭62−245258号、同62−1
316648号、同62−110066号の各公報に記
載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリ
マー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層の
ひび割れやカールを防止することができる。また、ガラ
ス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添
加しても、カールを防止できる。
【0179】本発明で利用するインクジェットの記録方
式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用し
てインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動
圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス
方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して
放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェッ
ト方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧
力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット
(登録商標))方式等に用いられる。インクジェット記
録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを
小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃
度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や
無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0180】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
これに限定されるものではない。
【0181】(インクセット101の作成)下記の成分
に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃
で加熱しながら1時間撹拌した。その後KOH 10m
ol/lにてpH=9に調製し、平均孔径0.25μm
のミクロフィルターで減圧濾過しライトマゼンタ用イン
ク液を調製した。 明細書中のマゼンタ染料 3.75g ジエチレングリコール 150g 尿素 37g グリセリン 130g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 130g トリエタノールアミン 6.9g ベンゾトリアゾール 0.08g PROXEL XL2 3.5g さらに染料の種類、添加剤の種類、添加量を変えること
により、マゼンタインク、ライトシアンインク、シアン
インク、イエローインク、ブラックインクを調製し、表
4に示すインクセット101を作成した。
【0182】
【表4】
【0183】
【化18】
【0184】
【化19】
【0185】(実施例1)次に、これらのインクセット
101をインクジェットプリンターPM670C(EP
SON社製)のカートリッジに詰め、同機にて富士写真
フイルム製インクジェットペーパーフォト光沢紙EXに
画像を印刷した。印刷した直後に、ポリマー微粒子分散
物P−1を固形分5質量%になるように脱イオン水で希
釈した液をインクジェットプリンターで吐出させ、画像
上にポリマー微粒子分散物の固形分の塗布量が0.5g
/m2となるように塗布し、さらに塗布後、100℃に
加熱したローラーを通しサンプル201を作成した。
【0186】同様に、表5にしたがってサンプル202
〜209を作成した。ポリマー微粒子分散物の固形分の
塗布量は0.5g/m2になるように調整した。ポリマ
ー微粒子分散物を2種類組み合わせたものについては、
等質量比で混合して塗布した。インクセット101の各
色にポリマー微粒子分散物P−1をインク中の固形分濃
度が5%になるように添加し、前記インクジェットプリ
ンターで同様に塗布し、サンプル210を作製した。
【0187】作成したサンプルについて以下の評価を行
った。 1)光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX-rite 310に
て測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画
像にキセノン光(8万5千ルックス)を10日照射した
後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci*100を求
め評価を行った。染料残存率について反射濃度が1、
1.5、2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残
存率が70%以上の場合をA、2点が70%未満の場合
をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。 2)熱保存性については、80度条件下に10日間に試
料を保存する前後での濃度を、X-rite 310にて測定し
染料残存率を求め評価した。染料残存率について反射濃
度が1、1.5、2の3点にて評価し、いずれの濃度で
も染料残存率が90%以上の場合をA、2点が90%未
満の場合をB、全ての濃度で90%未満の場合をCとし
た。 3)耐水性は、サンプルを静水中に10秒間浸漬し、全
く変化のないものをA、若干にじみのあるものをB、著
しくにじみが生じ画質が低下したものをCとして評価し
た。 得られた結果を表5および表6に示す。
【0188】
【表5】
【0189】
【表6】
【0190】(実施例2)ポリマー微粒子分散物P−1
を固形分5質量%になるように脱イオン水で希釈した液
をインクジェットプリンターで吐出させ、光沢紙上にポ
リマー微粒子分散物の固形分の塗布量が0.5g/m2
となるように均一に塗布し、直後にインクセット101
を用いて画像を印刷し、その後、熱風(100℃)で加
熱処理を行いサンプル301を作成した。また、サンプ
ル301と同様に光沢紙上にポリマー微粒子分散物P−
1を固形分の塗布量が0.5g/m2となるように均一
に塗布し、加熱しない以外はサンプル301と同様にし
て比較例のサンプル302を作成した。
【0191】サンプル301、302について実施例1
と同様な評価を行った。得られた結果は、次のようであ
った。
【0192】
【表7】
【0193】
【表8】
【0194】本発明のサンプルは、耐水性に優れ、光堅
牢性、熱堅牢性等の画像保存性に優れていることが分か
る。
【0195】
【発明の効果】本発明のインクジェット画像記録方法に
より、吐出安定性が高く、色相が良い上、特に耐水性、
耐候性に優れた画像記録をすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 HA44 HA46 2H086 BA02 BA05 BA53 BA56 BA59 4J039 AD01 AD03 AD05 AD08 AD09 AD10 AD12 AD21 AE04 AE06 AE08 AE09 BC07 BC08 BC09 BC10 BC11 BC12 BC13 BC14 BC15 BC34 BC35 BC36 BC40 BC51 BC54 BC72 BC75 BC76 BC77 BC79 BE02 BE12 CA06 DA05 EA14 EA34 EA41 EA44 EA46 GA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性染料を含有するインクジェット記録
    用インク組成物を受像材料に吐出させて画像を形成させ
    るのと同時または後に、該受像材料にポリマー微粒子分
    散物を含有する溶液を付与した後、該受像材料を加熱し
    て被膜を形成することを特徴とするインクジェット画像
    記録方法。
  2. 【請求項2】ポリマー微粒子分散物を含有する溶液を受
    像材料に付与した後に、水溶性染料を含有するインクジ
    ェット記録用インク組成物が前記ポリマー微粒子分散物
    を通過することができる状態にある間に、前記インク組
    成物を受像材料に像様に吐出させた後、該受像材料を加
    熱して被膜を形成することを特徴とするインクジェット
    画像記録方法。
  3. 【請求項3】前記インク組成物が、一般式(A-I)で表
    される水溶性染料を含有することを特徴とする請求項1
    または2に記載のインクジェット画像記録方法。 一般式(A-I) 【化1】 式中、Xはハメットの置換基定数σp値が0.20以上
    の電子吸引性基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6
    およびYは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、ア
    リール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニ
    トロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、
    アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレ
    イド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、ア
    リールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホ
    ンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スル
    ホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ
    基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、
    シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリー
    ルオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ
    基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、または
    イオン性親水性基を表し、R1とR2、R3とR1、および
    2とR5が各々結合して環を形成していてもよい。
    1、Z2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、
    アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリー
    ル基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ
    基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリ
    ールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド
    基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリー
    ルチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンア
    ミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニ
    ル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、ア
    ゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリル
    オキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキ
    シカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ス
    ルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、またはイオン
    性親水性基を表す。Aは、5〜8員環を形成するのに必
    要な非金属原子群を表し、飽和環であっても不飽和結合
    を有していてもよく、Aを形成している非金属原子群の
    うち少なくとも3つは、ピラゾール環のN原子、Z1
    よびZ2で各々置換され、ピラゾール環のN原子で置換
    された原子はZ1およびZ2で置換された原子の双方に隣
    接する。ただし、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、
    Y、Z1、Z2およびAのうち少なくとも1つは、イオン
    性親水性基を表すか、イオン性親水性基を置換基として
    有する。
  4. 【請求項4】前記ポリマー微粒子分散物のガラス転移温
    度(Tg)が40〜160℃であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット画像記録
    方法。
  5. 【請求項5】前記ポリマー微粒子分散物の固形分の塗布
    量が0.1〜10g/m2であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のインクジェット画像記録方
    法。
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