JP2003073586A - 耐熱性樹脂系含浸剤組成物 - Google Patents

耐熱性樹脂系含浸剤組成物

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JP2003073586A
JP2003073586A JP2001270414A JP2001270414A JP2003073586A JP 2003073586 A JP2003073586 A JP 2003073586A JP 2001270414 A JP2001270414 A JP 2001270414A JP 2001270414 A JP2001270414 A JP 2001270414A JP 2003073586 A JP2003073586 A JP 2003073586A
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vinyl
impregnating agent
meth
monomer
acrylate
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JP2001270414A
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Yutaka Kuroda
裕 黒田
Akira Sato
彰 佐藤
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Toei Kasei Co Ltd
Original Assignee
Toei Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化させることにより耐熱性の高い硬化物と
なる樹脂系含浸剤組成物を提供する。 【解決手段】 ビニル系単量体を主成分とする含浸剤組
成物であり、該組成物中にアルキル化されたアミノ基を
有するビニル系単量体を含む含浸剤組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造品、燒結金
属、セラミックス等、内部に空隙を有する耐熱性材料を
改良するために用いられる耐熱性樹脂系含浸剤組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋳造品、燒結金属、セラミックス等の材
料は内部に多くの微細な空隙を有している。このような
材料を自動車エンジン部品、ガス器具部品、ポンプ部品
等、内部に気体や液体といった流体を収容または流通さ
せる目的で使用する場合は、必要に応じて含浸剤による
封孔処理が行われる。
【0003】封孔処理に用いられる含浸剤としては、無
機系含浸剤である水ガラスが古くから用いられてきた。
しかしながら、封孔効果への信頼性、生産性の観点から
近年では樹脂系含浸剤の使用が増加している。
【0004】樹脂系含浸剤の主成分としては、粘度およ
び反応性の幅等の点で、選択の自由度の高いアクリル系
単量体が好んで使用されている。また、樹脂系含浸剤
は、熱硬化型と常温硬化型大別される。しかしながら、
従来のアクリル系単量体を主成分とした樹脂系含浸剤組
成物の硬化物は、200℃付近での加熱減量が大きく、
耐熱性が十分でないという問題があった。
【0005】MIL−I−6869D(米軍規格)に
は、アルミニウムおよびマグネシウム合金の鋳造品に用
いられる含浸剤について厳しく規定されているものの、
近年は、耐熱性に関していえば、むしろ一般的な工業製
品に関する規定の方が厳しくなっており、200℃での
長時間耐久性を要求するものもある。そのため、自動車
等のエンジン部品等、高温に暴露される部品の封孔に有
効な、より耐熱性の高い、ビニル系単量体を主成分とす
る樹脂系含浸剤組成物が望まれている。
【0006】ビニル系単量体を主成分とする樹脂系含浸
剤組成物としては、(メタ)アクリレート単量体を主成
分とし、2〜40質量%の多官能性(メタ)アクリレー
ト単量体を含む含浸剤(特公昭55−46644号公
報)、ビニル系単量体からなる組成物中に2〜90質量
%のエポキシ(メタ)アクリレートを含む含浸剤(特許
第2537604号公報)、水酸基を有する(メタ)ア
クリレートを主成分とし、5〜50質量%のトリアリル
シアヌール酸を含む含浸剤(特開昭60−51772号
公報)が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
55−46644号公報の含浸剤は、内部に空隙を有す
る耐熱性材料の各種耐久性の向上に効果があるものの、
含浸剤の硬化物自体の耐熱性に関しては不十分であっ
た。特許第2537604号公報の含浸剤は、エポキシ
アクリレートの添加量を多くしないと耐熱性効果が十分
に発揮されないため、その他の成分の特性を損なうとい
う問題を有していた。また、特開昭60−51772号
公報の含浸剤の硬化物も、耐熱性については不十分であ
った。
【0008】よって、本発明の目的は、アルキル化され
たアミノ基を有するビニル系単量体以外の成分の特性を
損なうことがなく、また硬化させることにより耐熱性の
高い硬化物となる樹脂系含浸剤組成物を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の含浸剤組成物
は、ビニル系単量体を主成分とする含浸剤組成物であ
り、該組成物中にアルキル化されたアミノ基を有するビ
ニル系単量体を含むことを特徴とする。
【0010】また、アルキル化されたアミノ基を有する
ビニル系単量体は、下記式(1)または式(2)の構造
式で表されるビニル系単量体であることが望ましい。
【化3】 (R1 は水素またはメチル基、R2 は炭素数1〜3のア
ルキレン基、R3 は水素または炭素数1〜4のアルキル
基、R4 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【化4】 (R5 は水素またはメチル基、R6 は炭素数1〜3のア
ルキレン基、R7 は水素または炭素数1〜4のアルキル
基、R8 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0011】また、アルキル化されたアミノ基を有する
ビニル系単量体は、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよ
びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドから
なる群から選ばれる少なくとも1種であることが望まし
い。
【0012】また、アルキル化されたアミノ基を有する
ビニル系単量体は、含浸剤組成物全量中に0.1〜30
質量%含まれていることが望ましい。また、本発明の含
浸剤組成物は、アルキル化されたアミノ基を有するビニ
ル系単量体以外にビニル系単量体としてアクリレートお
よび/またはメタクリレートを含むことが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
アルキル化されたアミノ基を有するビニル系単量体(以
下、アミノ基含有単量体という)は、分子内にビニル基
および第2級ないし第4級アミノ基の両方を含有する重
合性単量体である。このようなアミノ基含有単量体の中
でも、下記式(1)または式(2)の構造式で表される
(メタ)アクリレート系単量体及び(メタ)アクリルア
ミド系単量体が、アミノ基含有単量体以外のビニル系単
量体との相溶性に優れるので好ましい。
【0014】
【化5】 (R1 は水素またはメチル基、R2 は炭素数1〜3のア
ルキレン基、R3 は水素または炭素数1〜4のアルキル
基、R4 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【化6】 (R5 は水素またはメチル基、R6 は炭素数1〜3のア
ルキレン基、R7 は水素または炭素数1〜4のアルキル
基、R8 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0015】アミノ基含有単量体としては、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド、トリメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート・クロライド、トリメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド・クロライド等が例示できる。これ
らの中でも、特にジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチ
ルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドは硬化時間の
延長等、含浸剤の重合特性に与える影響が少ないので好
ましい。
【0016】アミノ基含有単量体は、含浸剤組成物全量
中に0.1〜30質量%含まれていることが好ましく、
特に0.5〜10質量%含まれていることが好ましい。
アミノ基含有単量体の含量が0.1質量%未満では、ア
ミノ基含有単量体が少なすぎて耐熱性の改良効果が十分
ではなくなるおそれがあり、アミノ基含有単量体の含量
が30質量%を超えると、他のビニル系単量体の特性が
損なわれるおそれや、硬化物が極端に軟質化するおそれ
がある。アミノ基含有単量体は比較的少量でも大きな耐
熱性の向上が見られる。アミノ基含有単量体の量は少な
いほど他のビニル系単量体の特性が損なわれず、硬化物
が軟質化する程度も少ない。
【0017】アミノ基含有単量体以外のビニル系単量体
(以下、他のビニル系単量体と記す)は、アルキル化さ
れたアミノ基を有するビニル系単量体を除く、一般的な
重合性の単量体である。具体的には、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、アルキルジ(メタ)アクリレート、酢酸ビニ
ル、スチレン等が挙げられる。中でもアクリレートとメ
タクリレートが、樹脂選択の幅が広いため好ましい。
【0018】他のビニル系単量体は、1種類を単独で用
いても、2種類以上を併用してもよい。他のビニル系単
量体としては、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート
等のアルキルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート等の単官能単量体、ジ(メタ)アクリル酸
エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸エチレング
リコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロ
パン、ジ(メタ)アクリル酸アルキル等の多官能単量
体、およびこれらの単量体同士の組み合わせが挙げられ
る。
【0019】他のビニル系単量体の含量は、含浸剤組成
物全量中に50〜99.9質量%含まれていることが好
ましく、特に70〜99.9質量%含まれていることが
好ましい。他のビニル系単量体の含量が50質量%未満
では、他のビニル系単量体が少なすぎて、他のビニル系
単量体に由来する特性が損なわれるおそれや、硬化物が
軟質化するおそれがあり、他のビニル系単量体の含量が
99.9質量%を超えると、耐熱性の改良効果が十分で
はなくなるおそれがある。
【0020】含浸剤組成物には、ビニル系単量体(アル
キル化されたアミノ基を有するビニル系単量体および他
のビニル系単量体)を硬化させるための重合開始剤が含
まれている。重合開始剤としては、熱硬化型含浸剤の場
合、熱分解によりラジカルを発生するものであれば利用
可能であり、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、ジメ
チル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネー
ト)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル
等のアゾ化合物の他、ベンゾイルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、
ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブ
チルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、o−
メチルベンゾイルパーオキシドなどの有機過酸化物が挙
げられる。中でもアゾビスイソブチロニトリル、ジメチ
ル2,2’−アゾビスイソブチレートが、好ましい。熱
硬化型含浸剤用の重合開始剤の添加量は、通常、含浸剤
組成物全量に対して0.05〜1質量%である。
【0021】常温硬化型の含浸剤組成物の場合は、例え
ば、メチルエチルケトンパーオキシド、クメンハイドロ
パーオキサイド等の重合開始剤を、ナフテン酸コバル
ト、五酸化バナジウムなどの重合促進剤とともに含浸剤
組成物に配合する。添加量は、通常、含浸剤組成物全量
に対して、重合開始剤が0.05〜3質量%、重合促進
剤が0.05〜5質量%である。
【0022】また、含浸剤組成物には、作業工程での安
定性を高めるために重合禁止剤を含ませることができ
る。重合禁止剤としては、保存時に発生する少量のラジ
カルをトラップし、安定化出来るものであればよく、例
えばハイドロキノン及びその誘導体、アルキル化フェノ
ール類等が挙げられる。好ましい重合禁止剤としては、
例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが挙げ
られる。重合禁止剤の添加量は、含浸剤組成物全量中に
対して通常0.01〜1質量%である。
【0023】さらに、含浸剤組成物には、微細な空隙へ
の浸透力向上、含浸後に表面に付着した過剰な含浸剤の
水洗性向上などの目的で、界面活性剤やその他安定化剤
等も適宜添加できる。界面活性剤としては、含浸剤組成
物を乳化もしくは可溶化する性能を有するものであれば
利用可能であり、中でも微細な空隙への浸透力を向上さ
せる能力を持つものが望ましい。イオン性に関しては非
イオン系もしくはイオン性の低い界面活性剤が、単量体
の溶解性や乳化力に優れていることが多いので好まし
い。このような好ましい界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ(オ
キシエチレン)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート等の非イオン系界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルフォスフェート等
の非イオン性アニオン活性剤などが挙げられる。界面活
性剤の添加量は、含浸剤組成物全量中に対して通常0.
5〜10質量%である。
【0024】含浸剤の耐熱性は、それを硬化させて得ら
れる含浸剤硬化物の高温における加熱減量を一つの尺度
として評価できる。一般に含浸加工を行う場合、熱硬化
型の含浸剤は、多孔性の部品を真空または真空−加圧含
浸後、90℃以上の熱水中で5〜15分程度、又は13
0℃前後もしくはそれ以上の熱風下で10〜30分程度
加熱されて、硬化させられる。これに基づいて、本発明
の含浸剤組成物を90℃の熱水中で10分間加熱し、硬
化させた硬化物は、200℃での加熱減量が従来のもの
に比べて極めて少なく、非常に耐熱性に優れている。
【0025】また、本発明の含浸剤組成物に含まれるア
ミノ基含有単量体は、少量でも耐熱性向上に大きな効果
があることから、他のビニル系単量体を選択する上で自
由度が高いという利点がある。そのため、従来の含浸剤
に本発明の含浸剤組成物を添加する形での応用も可能で
あり、粘度等の従来の含浸剤の特性を損なうことなく耐
熱性を向上させることができる。また、本発明の樹脂含
浸剤組成物は、熱硬化型、常温硬化型のいずれの方法で
も使用できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 [実施例1〜3]メタクリレートを主成分とする表1の
組成比率を有する含浸剤組成物を調製した(実施例1〜
3とする)。表1中記載の数値の単位は質量部である。
【0027】
【表1】
【0028】上記表1中のアミノ基含有単量体として
は、ジメチルアミノエチルメタクリレート(以下DMA
EMAと記載)、ジエチルアミノエチルメタクリレート
(以下DEAEMAと記載)、t−ブチルアミノエチル
メタクリレート(以下TBAEMAと記載)、ジメチル
アミノプロピルメタクリルアミド(以下DMAPMAと
記載)の4種を使用し、実施例ごとに、これら4種のア
ミノ基含有単量体を使用した4種の含浸剤組成物を調製
した。
【0029】上記含浸剤組成物を各々内径6mmの試験
管に入れ、90℃の熱水中で10分間加熱し、各約3
g、12種類の硬化物を得た。この硬化物を200±2
℃の熱風乾燥機中に入れて20時間保持した。20時間
後の重量を測定し、重量保持率を算出した。結果を表3
に示す。
【0030】また、表1で調製した含浸剤組成物を用い
てMIL−I−6869Dに規定されたテストカップの
封孔処理を行い、さらに同じテストカップを200±2
℃の熱風乾燥機中に入れて200時間保持した。この加
熱中に、50時間毎に耐圧試験による圧漏れの確認を行
った。テストカップの特性および封孔処理方法は以下に
記載した。また圧漏れの確認は、MIL−I−6868
Dに規定された圧力(0.55MPa)の内圧をテスト
カップに加え、これを水没させ、空気の漏れを目視確認
する方法で行った。以後、テストカップによる耐熱試験
は全て同じ条件で実施した。
【0031】(テストカップ) 材質:ADC10(砂型成形) 個数:12個(各実施例の含浸剤組成物について、通気
度分布毎に1個ずつ、計3個) 通気度(圧力0.55MPaによる):各実施例につ
き、下記通気度分布毎に1個ずつ使用。 1) 1〜 5ml/秒 2) 6〜10ml/秒 3)16〜20ml/秒
【0032】(封孔処理方法) 1) 非浸漬状態でテストカップを670Paで15分
間脱気 2) 含浸剤を送液し、浸漬した状態で670Pa、1
5分間脱気 3) 含浸剤に浸漬した状態で常圧に戻した。 4) 液切り 2分間 5) 水洗 5分間(常温) 6) 硬化 熱水(90℃)、10分間
【0033】[実施例4〜5]メタクリル酸エステルを
主成分とする表2の組成比率を有する含浸剤組成物を調
製した(実施例4〜5とする)。表2中記載の数値の単
位は質量部である。
【0034】
【表2】
【0035】上記、表2のアミノ基含有単量体として実
施例1〜3と同じくDMAEMA、DEAEMA、TB
AEMA、DMAPMAの4種を使用した。表2に示し
た含浸剤組成物から、実施例1〜3での試験と同様の方
法で、各約3g、8種類の硬化物を得た。この硬化物を
実施例1〜3での試験と同様の条件で加熱し、20時間
後の重量を測定し、重量保持率を算出した。結果を表3
に示す。また、実施例1〜3での試験と同様の方法で、
テストカップでの耐熱試験を実施した。
【0036】
【表3】
【0037】表3中のテストカップ耐熱試験において、
◎は耐熱試験終了時の200時間まで圧漏れが見られな
かったものである。
【0038】実施例1〜3の結果から1質量%付近のア
ミノ基含有単量体濃度でもかなり高い耐熱性効果を示し
ており、10質量%付近でもその耐熱性が維持されてい
ることが分かる。テストカップでの耐熱試験おいて含浸
直後から耐熱試験終了時の200時間まで圧漏れは見ら
れず、含浸物においてもその効果が高いことが確認され
た。実施例4では界面活性剤を含まない含浸剤組成物で
も同様の耐熱性向上効果を持つことが確認された。実施
例5ではアミノ基含有単量体以外のビニル系単量体を変
えているが、耐熱性向上効果は変わっておらず、その効
果はアミノ基含有単量体以外の特定のビニル系単量体に
限られたものではないことを示している。
【0039】[比較例1〜3]メタクリル酸エステルを
主成分とする表4に示す組成比率を有する含浸剤組成
物、すなわち表1および表2に記載の組成からアミノ基
含有単量体を除いた含浸剤組成物を調製した(比較例1
〜3)。実施例と同様の方法で硬化物を調製後、加熱試
験を実施し、重量保持率を算出した。さらにテストカッ
プによる試験も同様に実施した。結果を表6に示す。
【0040】
【表4】
【0041】[比較例4〜6]メタクリル酸エステルを
主成分とする表5の組成比率を有する含浸剤組成物を調
製した(比較例4〜6とする)。表3中に記載の数値の
単位は質量部である。
【0042】
【表5】
【0043】耐熱性向上成分としては、ビスフェノール
型エポキシアクリレート(比較例4)、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート(比較例5)およびトリア
リルシアヌール酸(比較例6)を使用した。表5に示し
た含浸剤組成物から実施例での試験と同様の方法で、各
約3g、3種類の硬化物を得た。この硬化物を実施例で
の試験と同様の条件で加熱し、20時間後の重量を測定
し、重量保持率を算出した。またテストカップでの耐熱
試験も同様に実施した。結果を表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】表6中、通気度1〜3は含浸処理前のテス
トカップの通気度であり、通気度1は1〜5ml/秒、
通気度2は6〜10ml/秒、通気度3は16〜20m
l/秒である。また、テストカップ耐熱試験において、
◎は耐熱試験終了時の200時間まで圧漏れが見られな
かったもの、×は圧漏れが見られたものであり、括弧内
の数字は圧漏れが発生した時間である。比較例の結果か
ら、実施例に記載した本発明の含浸剤組成物が、アミノ
基含有単量体を含まない含浸剤組成物、および耐熱性向
上成分としてアミノ基含有単量体以外の物質を含有する
含浸剤組成物に比較して、その効果が著しく高いことが
わかる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の含浸剤組
成物は、ビニル系単量体を主成分とする含浸剤組成物で
あり、該組成物中にアルキル化されたアミノ基を有する
ビニル系単量体を含むので、含浸剤組成物の硬化物の耐
熱性が著しく改善される。さらに、本発明の含浸剤組成
物を用いた含浸加工部品は、アルキル化されたアミノ基
を有するビニル系単量体を含有しない含浸剤組成物を用
いたものと比較して、高温における耐久性が大幅に改良
される。さらに、この効果は、アルキル化されたアミノ
基を有するビニル系単量体の含有率が非常に低くても発
揮されることから、主成分である他のビニル系単量体の
性質を保持したままでの耐熱性改善が可能となる。した
がって、このような含浸剤組成物は、熱硬化型、常温硬
化型等を含む含浸剤分野で幅広く応用が可能である。
【0047】また、アルキル化されたアミノ基を有する
ビニル系単量体が、上記の式(1)または式(2)の構
造式で表されるビニル系単量体であれば、他のビニル系
単量体との相溶性に優れるという利点がある。また、ア
ルキル化されたアミノ基を有するビニル系単量体が、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレートおよびジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる少な
くとも1種であれば硬化時間の延長等、含浸剤の重合特
性に与える影響が少ない。
【0048】また、アルキル化されたアミノ基を有する
ビニル系単量体が、含浸剤組成物全量中に0.1〜30
質量%含まれていれば、他のビニル系単量体による特性
が損なわれたり、硬化物が極端に軟質化したりすること
なく、耐熱性の改良効果が十分発揮される。また、本発
明の含浸剤組成物が、アルキル化されたアミノ基を有す
るビニル系単量体以外にアクリレートおよび/またはメ
タクリレートを含有していれば、それらの性質を維持し
たまま耐熱性の改良効果が発揮できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA04 AB02 AC01 AC03 AC11 AD06 AE05 4J038 FA041 FA061 FA111 FA151 FA161 JA66 JB16 KA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体を主成分とする含浸剤組
    成物であり、 該組成物中にアルキル化されたアミノ基を有するビニル
    系単量体を含むことを特徴とする含浸剤組成物。
  2. 【請求項2】 アルキル化されたアミノ基を有するビニ
    ル系単量体が、下記式(1)または式(2)の構造式で
    表されるビニル系単量体であることを特徴とする請求項
    1記載の含浸剤組成物。 【化1】 (R1 は水素またはメチル基、R2 は炭素数1〜3のア
    ルキレン基、R3 は水素または炭素数1〜4のアルキル
    基、R4 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化2】 (R5 は水素またはメチル基、R6 は炭素数1〜3のア
    ルキレン基、R7 は水素または炭素数1〜4のアルキル
    基、R8 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  3. 【請求項3】 アルキル化されたアミノ基を有するビニ
    ル系単量体が、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
    ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t
    −ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびジメ
    チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項2記載の含浸剤組成物。
  4. 【請求項4】 アルキル化されたアミノ基を有するビニ
    ル系単量体が、含浸剤組成物全量中に0.1〜30質量
    %含まれていることを特徴とする請求項1ないし3いず
    れか一項に記載の含浸剤組成物。
  5. 【請求項5】 アルキル化されたアミノ基を有するビニ
    ル系単量体以外にビニル系単量体としてアクリレートお
    よび/またはメタクリレートを含むことを特徴とする請
    求項1ないし4いずれか一項に記載の含浸剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62177072A (ja) * 1986-01-29 1987-08-03 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd 無機建材用コ−テイング剤
JPS63295693A (ja) * 1987-05-28 1988-12-02 Agency Of Ind Science & Technol 多孔性物体用含浸剤及びこれを用いて被処理物の細孔を封止する方法

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