JP2003073501A - 樹脂組成物、樹脂組成物溶液、及び樹脂組成物分散液 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂組成物溶液、及び樹脂組成物分散液

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JP2003073501A JP2001268779A JP2001268779A JP2003073501A JP 2003073501 A JP2003073501 A JP 2003073501A JP 2001268779 A JP2001268779 A JP 2001268779A JP 2001268779 A JP2001268779 A JP 2001268779A JP 2003073501 A JP2003073501 A JP 2003073501A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性を持ちながら、各基材に対する密着
性、被膜強度、再溶解性、製造の容易性等において優れ
た樹脂組成物、樹脂組成物溶液、樹脂組成物分散液、そ
れらを利用したインキ、ニス等を提供する。 【解決手段】 セラック200重量部及び氷酢酸400
重量部に、無水酢酸172重量部を加えて得られたエス
テル化セラック100重量部を、200重量部の溶媒に
溶解し、エステル化セラックワニス300重量部を得
た。一方、生分解性樹脂の澱粉誘導体100重量部を、
上記混合溶媒200重量部に溶解し、生分解性樹脂の澱
粉誘導体ワニス300重量部を得た。そして、エステル
化セラックワニスと、生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニス
とを混合することにより、エステル化セラックと生分解
性樹脂の澱粉誘導体との混合ワニスを調製した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有し、
基材に対する密着性に優れる樹脂組成物、樹脂組成物溶
液、及び樹脂組成物分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、地球環境保全、人体の健康維持と
いった観点から、各種基材への印刷に用いるインキ、ニ
ス、ヒートシール剤等に含まれるバインダーにも、生分
解性のある材料が望まれている。
【0003】そこで、これらの製品のバインダーとし
て、セラック等の生分解性のある天然樹脂や、生分解性
樹脂の澱粉誘導体等が、単独で、或いは混合されて使用
されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、天然樹脂をバ
インダーとして含むインキ等は、その天然樹脂の特性に
よって、特定の基材(例えばポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート)に対する密着性が悪いという欠点
や、天然樹脂の分子量が小さいことにより、塗膜の凝集
力が充分でなく、塗布した場合の塗膜強度が不十分であ
るという欠点があった。
【0005】また、生分解性樹脂の澱粉誘導体をバイン
ダーとして含むインキ等は、その生分解性樹脂の澱粉誘
導体の特性によって、特定の基材(例えばポリプロピレ
ン)に対する密着性が悪いこと、インキの粘度が高くな
り過ぎること、生分解性樹脂の澱粉誘導体を溶解できる
溶剤が制限されるため、製造が困難となること、生分解
性樹脂の澱粉誘導体の分子量が大きすぎることにより、
印刷機上での再溶解性が悪いこと等の欠点があった。
【0006】本発明は以上の点に鑑みなされたものであ
り、生分解性を持ちながら、各基材に対する密着性、被
膜強度、再溶解性、製造の容易性等において優れた樹脂
組成物、樹脂組成物溶液、樹脂組成物分散液、それらを
利用したインキ用バインダー、レットダウンエマルジョ
ン、ニス、ヒートシール剤を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1)請
求項1の発明は、A成分として、生分解性樹脂の澱粉誘
導体と、B成分として、エステル化天然樹脂、グラフト
化天然樹脂の中から選ばれる1又は2以上の成分と、を
含有することを特徴とする樹脂組成物を要旨とする。
【0008】本発明の樹脂組成物は、前記A成分と前記
B成分との両方を含有することにより、例えば、プラス
チック(例えば、延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸
ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルム、ナイロンフィルム、ポリ脂肪族エステル、ポ
リ乳酸等)のフィルムやシート、紙、成形材料(金属、
木材、プラスチック)等の基体に対して、高い接着性を
有する。
【0009】また、この樹脂組成物は、A成分の生分解
性樹脂の澱粉誘導体と、B成分のエステル化天然樹脂及
び/又はグラフト化天然樹脂との相溶性が良いため、例
えば、生分解性樹脂の澱粉誘導体の溶液とエステル化天
然樹脂及び/又はグラフト化天然樹脂の溶液とを混合す
ることにより、容易に製造することができる。
【0010】更に、この樹脂組成物は、A成分とB成分
との含有比率を変えることにより、樹脂組成物のヒート
シール性、塗膜強度、再溶解性等の特性を制御すること
ができる。つまり、本発明の樹脂組成物は、A成分の含
有量に対するB成分の含有量の比率を高くすることによ
り、ヒートシール性や再溶解性を高めることができる。
この原因としては、分子量の小さいB成分の比率が高く
なることにより、樹脂組成物の平均分子量が小さくな
り、溶融や溶解をしやすくなることが考えられる。
【0011】逆に、本発明の樹脂組成物は、A成分の含
有量に対するB成分の含有量の比率を低くすることによ
り、塗膜強度を高くすることができる。この原因として
は、分子量の大きい生分解性樹脂の澱粉誘導体の比率が
高くなることにより、樹脂組成物の平均分子量が大きく
なることが考えられる。
【0012】尚、上記ヒートシール性とは、例えば、2
つの基体の接合面に、樹脂組成物から成る層を設け、所
定の条件で加熱して樹脂組成物を溶融後、冷却すること
により、当該2つの基体を、樹脂組成物の層を介して接
合した場合の、接合強度をいい、上記塗膜強度とは、例
えば、基体の表面に形成した、樹脂組成物から成る塗膜
の強度をいい、上記再溶解性とは、樹脂組成物の溶液や
分散液から、溶剤や分散媒が揮発することにより樹脂組
成物が乾燥固化しても、再びその樹脂組成物の溶液によ
って、その乾固物が溶解する性質をいう。
【0013】また、本発明の樹脂組成物は、その成分で
あるA成分及びB成分の両方が生分解性を有しているの
で、樹脂組成物自体も生分解性を有する。 ・前記生分解性樹脂の澱粉誘導体とは、澱粉置換誘導
体、または、澱粉置換誘導体を含有するとともに、必要
に応じて、他の生分解性樹脂、可塑剤、フィラー等を混
和した混合物、溶融物、ポリマーアロイをいう。
【0014】上記澱粉置換誘導体は、澱粉もしくは澱粉
分解物のエステル化物、エーテル化物、またはこれらの
複合誘導体であり、その置換度(以下DS)は、0.3
〜2.8であることが好ましく、熱可塑性を有している
ことが好ましい。この澱粉置換誘導体としては、例え
ば、特表平8−502552号公報に記載されている、
生物分解性で疎水性デンプンエステルおよび生物分解性
ポリエステルを含有する相溶性配合物から調製された生
物分解性成形用生成物、特開平8−188601号公報
に記載されている、ビニルエステルをエステル化試薬と
する澱粉エステルであって、前記ビニルエステルとして
エステル基炭素数2〜18のものを用い、非水有機溶媒
中でエステル化触媒を使用して澱粉と反応させて得られ
る澱粉エステル、特開平8−239402号公報及び特
開平8−301994号公報に記載されている、エステ
ル化と共に、ポリビニルエステルのグラフト化がなされ
ている澱粉、特開平9−31308号公報に記載されて
いる、ポリエステルグラフト鎖を澱粉分子上に有し、前
記グラフト鎖末端及び澱粉直結の水酸基の一部又は全て
がエステル基により封鎖されているポリエステルグラフ
ト重合澱粉と、前記ポリエステルグラフト鎖と同一構成
単位を有し、末端水酸基の一部または全てがエステル基
により封鎖されている独立ポリエステルとが均一混合さ
れてなるポリエステルグラフト重合澱粉アロイ等が好ま
しく、特開2000−159801号公報に記載されて
いる、同一澱粉分子の反応性水酸基の水素を、炭素数2
〜4の短鎖アシル基及び炭素数6〜18の長鎖アシル基
で置換した短鎖・長鎖混合澱粉エステル、特開2000
−159802号公報に記載されている、同一澱粉分子
の反応性水酸基を、炭素数2〜4の短鎖炭化水素含有基
及び炭素数6〜24の長鎖炭化水素含有基で置換した短
鎖・長鎖混合澱粉置換誘導体等が更に好ましい。
【0015】この澱粉置換誘導体は、澱粉を母体として
いるため、生分解性、熱可塑性、成形性等の特性を有す
る。 ・本発明の樹脂組成物は、例えば、インキ用バインダ
ー、レットダウンエマルジョン、トップコートニス、ア
ンダーコートニス、オーバープリントニス、乳化剤、分
散剤等に使用することができる。
【0016】・本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、
分散安定剤、酸化防止剤、安定剤等の副資材を添加する
ことができる。上記分散安定剤は、例えば、樹脂組成物
を、溶液に溶解した場合や、分散液に分散させた場合
に、液状態を安定化する作用や、樹脂組成物の物性を安
定化させる作用を有する。
【0017】また、酸化防止剤は、例えば、樹脂組成物
を含む溶液や分散液を基体上に塗布、成形後における樹
脂組成物の酸化劣化防止の作用を有する。これらの副資
材の添加量は、当該樹脂組成物を応用する分野によって
適量の範囲が異なるため、特に限定されない。 (2)請求項2の発明は、A成分として、生分解性樹脂
の澱粉誘導体と、B成分として、ダンマル、ロジン、コ
ーパル、バルザム、サンダラック、ヤッカガムの中から
選ばれる1又は2以上の天然樹脂成分と、を含有するこ
とを特徴とする樹脂組成物を要旨とする。
【0018】本発明の樹脂組成物は、前記A成分と前記
B成分との両方を含有することにより、例えば、プラス
チック(例えば、延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸
ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルム、ナイロンフィルム、ポリ脂肪族エステル、ポ
リ乳酸等)のフィルムやシート、紙、成形材料(金属、
木材、プラスチック)等の基体に対して、高い接着性を
有する。
【0019】また、この樹脂組成物は、A成分とB成分
との含有比率を変えることにより、樹脂組成物のヒート
シール性、塗膜強度、再溶解性等の特性を制御すること
ができる。つまり、本発明の樹脂組成物は、A成分の含
有量に対するB成分の含有量の比率を高くすることによ
り、ヒートシール性や再溶解性を高めることができる。
逆に、本発明の樹脂組成物は、A成分の含有量に対する
B成分の含有量の比率を低くすることにより、塗膜強度
を高くすることができる。
【0020】更に、本発明の樹脂組成物は、その成分で
あるA成分及びB成分の両方が生分解性を有しているの
で、樹脂組成物自体も生分解性を有する。 ・前記ダンマルは、フタバガキ科に属する樹、Dammar o
rientalisの分泌物で淡黄色軟質樹脂状固塊であり、ダ
ンマロール酸、ダンマリル酸、α-ダンマロレセン、β-
ダンマロレセンなどの混合物を主構成成分とする天然樹
脂で、例えば、バタビア、スマトラ、シンガポール、ポ
ンチアナク、ボルネオ、タイ、マレイ等がある。
【0021】・前記ロジンには、マツ科Pinus densifl
oraを代表とする生松脂を原料とする「ガムロジン」と
松樹や松根などを原料とする「ウッドロジン」とが有
り、松に含まれる樹脂酸を精製した、淡黄色ないし黄褐
色の塊である。ロジンは、アビエチン酸、レボピマル
酸、デキストロピマル酸などを主構成成分とする天然樹
脂で、例えば、世界各地で産出されるウッドロジン、ガ
ムロジン、トール油ロジン等がある。
【0022】・前記コーパルには、マメ科Copaifera d
emeusai Harmsをはじめとする生樹による軟質のもの(R
ecent resin)と硬質の化石樹脂(Fossil resin)があ
り、淡黄色または黄褐色の樹脂状物質である。コーパル
は、コンゴーコパリン酸、コンゴーコパロリン酸などの
混合物を主構成成分とする天然樹脂であり、例えば、世
界各地で産出されるコーパルガムがある。
【0023】・前記バルザムとしては、例えば、カナ
ダ、コパイバ、グルジャン、トルー、メッカ等がある。 ・前記サンダラックとしては、世界各地で産出されるサ
ンダラックがある。 ・前記ヤッカガムとしては、世界各地で産出されるヤッ
カガムがある。 (3)請求項3の発明は、前記エステル化天然樹脂及び
前記グラフト化天然樹脂は、セラック、ダンマル、ロジ
ン、コーパル、バルザム、サンダラック、ヤッカガムの
中から選ばれる1又は2以上の天然樹脂を変性して成る
ものであることを特徴とする前記請求項1に記載の樹脂
組成物を要旨とする。
【0024】本発明の樹脂組成物は、B成分として、上
記の天然樹脂を変性して成る物質を含有することによ
り、A成分とB成分との相溶性が良い。そのため、例え
ば、A成分の溶液とB成分の溶液とを混合することによ
り、容易に製造することができる。
【0025】・前記セラックとは、学名 Laccifer la
cca Kerr と称されるラックカイガラムシが分泌する
樹脂状物質を精製した天然物であり、例えば、セラック
原料であるシードラック、精製セラック、脱色セラッ
ク、白色セラックがある。 (4)請求項4の発明は、前記エステル化天然樹脂が、
天然樹脂と、アシル化ハロゲン、モノーカルボン酸無水
物、ジーカルボン酸無水物、カルボン酸ビニルエステル
の中から選ばれるエステル化剤との反応により生じるエ
ステル化物、またはこれらのエステル化物と、アルコー
ル類、セロソルブ類、グリコール類の中から選ばれるも
のとの反応により生じるモノエステル化物であることを
特徴とする前記請求項1又は3に記載の樹脂組成物を要
旨とする。
【0026】本発明の樹脂組成物は、B成分として、上
記エステル化物、または上記モノエステル化物を含む場
合には、それらの化合物と生分解性樹脂の澱粉誘導体と
の相溶性が良いために、例えば、エステル化物またはモ
ノエステル化物の溶液と、生分解性樹脂の澱粉誘導体の
溶液とを混合することにより、容易に製造することがで
きる。
【0027】・前記エステル化天然樹脂は、例えば、セ
ラック、ダンマル、ロジン、コーパル、バルザム、サン
ダラック、ヤッカガム等の天然樹脂と、上記エステル化
剤とを反応させることにより生じるエステル化物、また
は、これらのエステル化物と、アルコール類、セロソル
ブ類、グリコール類の中から選ばれるものとの反応によ
り生じるモノエステル化物が挙げられる。
【0028】上記エステル化の反応としては、例えば、
トリエチルアミン、ピリジン、酢酸等の有機溶剤に天然
樹脂を溶解し、酸無水物、アシルクロライド、カルボン
酸ビニルエステル等を反応させる反応がある。また、エ
ステル化の反応としては、例えば、酸無水物中に天然樹
脂を溶解し、反応させることによるエステル化がある。 (5)請求項5の発明は、前記グラフト化天然樹脂が、
天然樹脂に、有機過酸化物を用いて反応性二重結合部位
をグラフトしたグラフト化天然樹脂、または、このグラ
フト化天然樹脂と、アルコール類、セロソルブ類、グリ
コール類の中から選ばれるものとの反応により生じるモ
ノエステル化物であることを特徴とする前記請求項1、
3、4のいずれかに記載の樹脂組成物を要旨とする。
【0029】本発明の樹脂組成物は、B成分として、上
記グラフト化天然樹脂、または上記モノエステル化物を
含む場合には、それらと生分解性樹脂の澱粉誘導体との
相溶性が良いために、例えば、グラフト化天然樹脂また
はモノエステル化物の溶液と、生分解性樹脂の澱粉誘導
体の溶液とを混合することにより、容易に製造すること
ができる。
【0030】・前記グラフト化天然樹脂は、例えば、セ
ラック、ダンマル、ロジン、コーパル、バルザム、サン
ダラック、ヤッカガム等の天然樹脂に、有機過酸化物を
用いて反応性二重結合部位をグラフトしたグラフト化天
然樹脂、または、このグラフト化天然樹脂と、アルコー
ル類、セロソルブ類、グリコール類の中から選ばれるも
のとの反応により生じるモノエステル化物が挙げられ
る。
【0031】上記グラフト化の反応としては、例えば、
マレイン化がある。このマレイン化は、例えば、天然樹
脂を溶解し、一般的な過酸化物のラジカル反応剤ととも
に無水マレイン酸を滴下して、天然樹脂にマレイン酸を
グラフトさせる。 (6)請求項6の発明は、前記A成分の含有量と、前記
B成分の含有量との比率が、0.5:99.5〜99.
5:0.5の範囲にあることを特徴とする前記請求項1
〜5のいずれかに記載の樹脂組成物を要旨とする。
【0032】本発明の樹脂組成物は、A成分の含有量
と、B成分の含有量との比率が上記範囲内(特に好まし
くは、90:10〜50:50の範囲内)にあることに
よって、接着性、ヒートシール性、再溶解性、及び塗膜
強度のいずれの点においても優れている。 (7)請求項7の発明は、前記生分解性樹脂の澱粉誘導
体の置換度が0.3〜2.8の範囲にあることを特徴と
する前記請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を
要旨とする。
【0033】本発明の樹脂組成物は、生分解性樹脂の澱
粉誘導体の置換度が2.8以下であることにより、生分
解性が高い。また、本発明の樹脂組成物は、生分解性樹
脂の澱粉誘導体の置換度が0.3より大きいことによ
り、溶剤可溶性が高いとともに、フィルム等の基体に対
する密着性が高い。
【0034】更に、生分解性樹脂の澱粉誘導体の置換度
が0.3より大きいことにより、生分解性樹脂の澱粉誘
導体とB成分との相溶性が高くなり、例えば、生分解性
樹脂の澱粉誘導体の溶液とB成分の溶液とを混合するこ
とにより、容易に本発明の樹脂組成物の溶液を製造する
ことができる。
【0035】・前記置換度とは、生分解性樹脂の澱粉誘
導体において、澱粉の基本構成単位である糖ユニットの
有する3つの水酸基のうち、置換された数を表す指標で
ある。例えば、生分解性樹脂の澱粉誘導体において、平
均して1つの水酸基が置換されている場合は、置換度は
1となる。 (8)請求項8の発明は、可塑剤、フィラー、ワック
ス、分散安定剤、酸化防止剤、安定剤のうちの1又は2
以上の成分を含有することを特徴とする前記請求項1〜
7のいずれかに記載の樹脂組成物を要旨とする。
【0036】本発明の樹脂組成物は、可塑剤やフィラー
を含むことにより、樹脂組成物の機械的物性(例えば、
溶融粘度、引張強度、伸び衝撃強度)を調整することが
できる。また、この樹脂組成物は、ワックスを含む場合
には、表面光沢調整が可能であること、耐水性向上、透
湿度調整が可能であること、表面滑性等の特性を有し、
例えば、オーバープリントニス、防湿コート剤等の用途
に使用することができる。
【0037】更に、本発明の樹脂組成物は、分散安定
剤、酸化防止剤、安定剤を含む場合には、例えば、樹脂
組成物を含有する溶液や分散液を調製した際に、その溶
液や分散液の液状態の安定化、液中の樹脂組成物の物性
安定化、溶液や分散液を塗布、成形した後の樹脂組成物
の酸化や劣化の防止を実現することができる。
【0038】・前記可塑剤としては、例えば、フタル酸
ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルなどの
フタル酸エステル系、グリセリンモノステレアレート、
グリセリンモノラウリレートなどのグリセリンエステル
系、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニルなど
の脂肪酸エステル系、エポキシ化大豆油などのエポキシ
化アルキルエステル系、アジピン酸ジエチル、アジピン
酸ジブチルなどの脂肪族2塩基酸エステル系、グリセリ
ンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノラウリル
酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル
等のグリセリンエステル系、ステアリン酸ステアリル、
ベヘニン酸ベヘニル、トリアセチン、等の脂肪酸エステ
ル系、エポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油等のエポ
キシ化アルキルエステル系、各種天然ゴム、テルペン
類、リニアポリエステル等を任意の割合で使用できる。
【0039】・前記ワックスとしては、例えば、ポリエ
チレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリルウレ
タンなどの合成高分子系、カルナバ、キャンデリラ、ラ
イス、セラックなどの天然系ワックスを用いることがで
きる。 ・前記フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、アルミナ、タルク、酸化チタン、雲
母、モンモリロナイト、シリカなどの無機物、ポリメタ
クリル酸メチルビーズ、ポリアクリルウレタンビーズ、
ポリウレタンビーズなどの合成有機物及び、セルロース
パウダーなどの天然系の物を使用できる。
【0040】・前記分散安定化剤としては、例えば、金
属脂肪酸塩、アニオン性界面活性剤、カチオン系界面活
性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン性又はアニオン
性水溶性高分子、縮合リン酸塩、カチオン澱粉誘導体、
セルロース誘導体、植物ガム及びその誘導体、動物性高
分子、微生物高分子、水性エマルジョン化高分子を使用
できる。
【0041】上記金属脂肪酸塩としては、例えば、ブタ
ン酸ソーダ、オクタン酸カリウム、ステアリン酸ソーダ
等がある。上記アニオン性界面活性剤としては、アルキ
ル硫酸エステルソーダ塩、アルキルスルホン酸ソーダ等
がある。
【0042】上記ノニオン系界面活性剤としては、例え
ば、アルキルポリアルキレンオキサイド、ショ糖脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ジメチルポリシ
ロキサン等がある。上記カチオン性又はアニオン性水溶
性高分子としては、例えば、カチオン系ポリアクリルア
ミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、
ポリエチレンイミン、縮合ナフタレンスルホン酸等があ
る。
【0043】上記縮合リン酸塩としては、例えば、ヘキ
サメタリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ等がある。
上記カチオン澱粉誘導体としては、例えば、コーンスタ
ーチベース、タピオカスターチベース、馬鈴薯澱粉ベー
ス等がある。
【0044】上記セルロース誘導体としては、例えば、
カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セル
ロース等がある。上記植物ガム及びその誘導体として
は、例えば、アラビアガム、グアガム、キサンタンガム
等がある。
【0045】上記動物性高分子としては、例えば、カゼ
イン、キチン、キトサン等がある。上記微生物高分子と
しては、例えば、キサンタンガム、ポリデキストロー
ス、プルラン等がある。上記合成高分子エマルジョンと
しては、例えば、合成ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル
エマルジョン等がある。 (9)請求項9の発明は、前記請求項1〜8のいずれか
に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする密着剤
を要旨とする。
【0046】本発明の密着剤は、幅広い基材に対して密
着性が良いため、例えば、フィルムラミネート用接着
剤、紙器用ヒートシール剤、ブリスターパック用接着剤
等の用途に使用することができる。 (10)請求項10の発明は、前記請求項1〜8のいず
れかに記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする溶
液を要旨とする。
【0047】本発明の溶液は、例えば、前記請求項1〜
8のいずれかに記載の樹脂組成物からなる被膜を、基体
(例えば、プラスチックフィルム、シート、紙、成形
材)の表面に形成するために使用することができる。つ
まり、本発明の溶液を、基体の表面に塗布し、溶媒を蒸
発させることにより、基体の表面に、樹脂組成物から成
る被膜を形成することができる。
【0048】また、本発明の溶液は、含有する樹脂組成
物の組成を変えることにより、溶液の粘度を調整するこ
とができる。つまり、樹脂組成物中で、A成分の配合量
に対するB成分の配合量の比率を低くするほど、本発明
の溶液の粘度を高くすることができる。
【0049】従って、例えば、本発明の溶液を用いてイ
ンキを製造する場合には、含有する樹脂組成物の組成を
変化させることにより、インキの粘度を、印刷条件(イ
ンキの塗工条件)に合わせて制御することができる。 ・本発明の溶液は、例えば、インキ用バインダー、レッ
トダウンエマルジョン、トップコートニス、アンダーコ
ートニス、オーバープリントニス等に使用することがで
きる。
【0050】・前記溶液の溶媒としては、例えば、酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチルなどのエステル類、エタノー
ル、メタノール、イソプロパノール等のアルコール類、
エチレングリコール類、セロソルブ類、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類等を単独で、あるいは、2
種以上を混合したものを使用することができる。 (11)請求項11の発明は、前記請求項1〜8のいず
れかに記載の樹脂組成物を含有することを特徴とする分
散液を要旨とする。
【0051】本発明の分散液は、例えば、前記請求項1
〜8のいずれかに記載の樹脂組成物からなる被膜を、基
体(例えば、プラスチックフィルム、シート、紙、成形
材)の表面に形成するために使用することができる。つ
まり、本発明の分散液を、基体の表面に塗布し、分散媒
を蒸発させることにより、基体の表面に、樹脂組成物か
ら成る被膜を形成することができる。
【0052】また、本発明の分散液は、含有する樹脂組
成物の組成を変えることにより、分散液の粘度を調整す
ることができる。つまり、樹脂組成物中のA成分(生分
解性樹脂の澱粉誘導体)の比率を高くするほど、本発明
の分散液の粘度を高くすることができる。
【0053】従って、例えば、本発明の分散液を用いて
インキを製造する場合には、含有する樹脂組成物の組成
を変化させることにより、インキの粘度を、印刷条件
(インキの塗工条件)に合わせて制御することができ
る。 ・本発明の分散液は、例えば、インキ用バインダー、レ
ットダウンエマルジョン、トップコートニス、アンダー
コートニス、オーバープリントニス、等に使用すること
ができる。
【0054】・前記分散液の分散媒としては、例えば、
水、アルカリ(アンモニア、苛性ソーダなど)水および
分散剤などの併用・非併用系で水中に分散した水系分散
媒がある。 ・本発明の分散液は、例えば、樹脂組成物及び他の添加
剤、分散剤等を加えた混合物を高剪断力を有する分散機
によって水中に分散させる方法により製造することがで
きる。
【0055】または、樹脂組成物を各種溶剤に溶解させ
たものを水中にて予備分散させた後、添加剤、分散剤等
を加え、各種分散機によって分散させてから、溶剤を除
去する方法により製造することができる。上記高剪断力
を有する分散機としては、例えば、高速回転遠心放射型
攪拌機、高速回転剪断型攪拌機、コロイドミル、メディ
ア式分散機、高圧噴射式乳化分散機、超音波乳化分散機
等が使用できる。
【0056】尚、分散を行う時の条件としては、減圧
下、大気圧下、加圧下のいずれでもよい。 ・本発明の分散液は、必要に応じて、分散物を安定して
存在させるため、適当量の塩基性物質(例えばアルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニア、及びアミン等の
水中で塩基として作用するもの)を配合してもよい。 (12)請求項12の発明は、前記粒子の粒径が1μm
以下であることを特徴とする前記請求項11に記載の分
散液を要旨とする。
【0057】本発明の分散液は、含有する樹脂組成物粒
子の粒径が1μm以下であることにより、塗膜のフィル
ム形成性、強度、透明性に優れ、印刷用に使用した場
合、印刷版での目詰まりを起こしにくく、再溶解性が良
いという利点を有する。特に、含有する樹脂組成物粒子
の粒径が0.5μm以下であることが、分散液を各種基
材への塗工剤、インキとして使用するために望ましい。
【0058】更に、含有する樹脂組成物粒子の粒径が
0.05μm以下であることが、分散液をグラビア印刷
用のインキとして用いる場合に、優れたグラビア印刷適
性を得るために望ましい。 ・平均粒径0.5μm以下の分散物を得る方法として
は、樹脂組成物の溶融粘度が100mPa以下(100
℃)となる樹脂組成物を使用し、高温下、高圧噴射式乳
化分散機にて溶融乳化分散することが望ましい。
【0059】また、粒子の粒径を小さくする(例えば
0.05μm以下とする)ためには、例えば、樹脂組成
物を構成するA成分とB成分との重量比が、8:2〜
5:5の範囲にあることが望ましい。尚、含有する樹脂
組成物の組成比が上記範囲にある分散液を用いてインキ
を製造した場合には、インキの基体への接着性及び塗膜
強度の点でも優れた特性が得られる。
【0060】・グラビア印刷適性とは、印刷のムラ、ド
クターブレード筋、版かぶり(非画線部の汚れ)、版と
られ(版、セルにインキが残る)等の現象を起こさず、
版の再現性良く、所定の印刷速度で印刷できることをい
う。 (13)請求項13の発明は、前記請求項1〜8のいず
れかに記載の樹脂組成物、前記請求項10に記載の溶
液、前記請求項11又は12に記載の分散液のいずれか
を含有することを特徴とするインキ用バインダーを要旨
とする。
【0061】本発明のインキ用バインダーを用いたイン
キは、各種のプラスチックフィルム、プラスチックシー
ト、紙、成形材料等の基体に対して、高い密着性を有す
る。また、このインキは、含有する樹脂組成物中の、A
成分とB成分との含有比率を変えることにより、インキ
の塗膜強度、再溶解性等の特性を制御することができ
る。
【0062】例えば、樹脂組成物中のA成分の含有量に
対するB成分の含有量の比率を高くすることにより、再
溶解性を高めることができる。逆に、樹脂組成物中のA
成分の含有量に対するB成分の含有量の比率を低くする
ことにより、塗膜強度を高くすることができる。
【0063】更に、本発明のインキは、その成分である
A成分とB成分との両方が生分解性を有しているので、
インキ自体も生分解性を有する。 ・本発明のインキは、水性インキと、溶剤系インキのど
ちらであってもよい。また、本発明のインキは、例え
ば、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセットイン
キ、平版インキ、凸版インキ等に使用することができ
る。 (14)請求項14の発明は、前記請求項1〜8のいず
れかに記載の樹脂組成物、前記請求項10に記載の溶
液、前記請求項11又は12に記載の分散液のいずれか
を含有することを特徴とするレットダウンエマルジョン
を要旨とする。
【0064】本発明のレットダウンエマルジョンを用い
て製造したインキは、各種の基体に対して、高い密着性
を有する。また、本発明のレットダウンエマルジョン
は、含有する樹脂組成物中の、A成分とB成分との含有
比率を変えることにより、このレットダウンエマルジョ
ンを用いて製造したインキの塗膜強度、再溶解性等の特
性を制御することができる。
【0065】更に、本発明のレットダウンエマルジョン
は、その成分であるA成分とB成分との両方が生分解性
を有しているので、レットダウンエマルジョンを用いて
製造したインキも生分解性を有するものとすることがで
きる。 ・前記レットダウンエマルジョンとは、インキの顔料成
分(コンクベース)に後添加して印刷適正、インキの各
種性能(各種基材への密着性を含む)を向上させるため
に用いられるエマルジョンをいう。 (15)請求項15の発明は、前記請求項1〜8のいず
れかに記載の樹脂組成物、前記請求項10に記載の溶
液、前記請求項11又は12に記載の分散液のいずれか
を含有することを特徴とするニスを要旨とする。
【0066】本発明のニスは、幅広い基体に対して高い
密着性を有しており、また、含有する樹脂組成物中の、
A成分とB成分との含有比率を変えることにより、塗膜
強度、再溶解性等の特性を制御することができる。更
に、本発明のニスは、その成分であるA成分とB成分と
の両方が生分解性を有しているので、ニス自体も生分解
性を有する。
【0067】・本発明のニスは、水性ニス、溶剤系ニス
のいずれであってもよく、例えば、グラビア、フレキ
ソ、オフセット、平版、凸版の印刷用ニスとして使用す
ることができる。 ・本発明のニスは、例えば、トップコートニス、アンダ
ーコートニス、オーバープリントニスとして使用するこ
とができる。 (16)請求項16の発明は、前記請求項1〜8のいず
れかに記載の樹脂組成物、前記請求項10に記載の溶
液、前記請求項11又は12に記載の分散液のいずれか
を含有することを特徴とするヒートシール剤を要旨とす
る。
【0068】本発明のヒートシール剤は、幅広い基体に
対して高い密着性を有しており、また、含有する樹脂組
成物中の、A成分とB成分との含有比率を変えることに
より、ヒートシール性を制御することができる。更に、
本発明のヒートシール剤は、その成分であるA成分とB
成分との両方が生分解性を有しているので、ヒートシー
ル剤自体も生分解性を有する。
【0069】
【発明の実施の形態】以下に本発明の樹脂組成物、樹脂
組成物溶液、樹脂組成物分散液、インキ、ヒートシール
剤、密着剤、レッドダウンエマルジョン、ニスの実施の
形態の例(実施例)を説明する。 (実施例1)次の〜の様にして、エステル化セラッ
ク(B成分:エステル化天然樹脂)と生分解性樹脂の澱
粉誘導体(A成分)との混合ワニス(樹脂組成物溶液)
を製造した。
【0070】エステル化セラックの合成 (i)セラック200重量部を氷酢酸400重量部に溶解
させた。 (ii)上記(i)の溶液に、無水酢酸172重量部を加え、
120℃の条件下で、3時間エステル化反応を進行させ
た。
【0071】(iii)減圧蒸留により、酢酸及び未反応の
無水酢酸を留去し、エステル化セラック270重量部を
得た。 エステル化セラックワニスの調製 前記で得たエステル化セラック100重量部を、酢酸
エチル140重量部とイソプロピルアルコール60重量
部とからなる混合溶媒に溶解し、エステル化セラックワ
ニス300重量部を得た。
【0072】生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスの調製 生分解性樹脂の澱粉誘導体(商品名コーンポール樹脂C
PR−D2061;日本コーンスターチ株式会社製)1
00重量部を、酢酸エチル140重量部とイソプロピル
アルコール60重量部とからなる混合溶媒に溶解し、生
分解性樹脂の澱粉誘導体ワニス300重量部を得た。
【0073】エステル化セラックワニスと生分解性樹
脂の澱粉誘導体ワニスとの混合 前記で得たエステル化セラックワニスと、前記で得
た生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスとを、1:9、2:
8、3:7、4:6、5:5、6:4、7:3、8:
2、9:1の比率(重量比)でそれぞれ混合することに
より、エステル化セラックと生分解性樹脂の澱粉誘導体
との混合ワニスを9種類調製した。
【0074】この混合ワニスは、基体の表面に塗布する
ことにより、ニスとして使用することができる。又、こ
の混合ワニスは、2つの部材の接触面に塗布することに
より、ヒートシール剤として、あるいは、密着剤として
使用することができる。 (実施例2)基本的には、前記実施例1と同様にして、
エステル化セラックと生分解性樹脂の澱粉誘導体との混
合ワニスを調製した。
【0075】ただし、この実施例2では、エステル化セ
ラックを次の(i)〜(iii)のようにして製造した。 (i)セラック200重量部を酸無水物(例えば無水酢
酸、無水プロピオン等)400重量部に溶解させた。
【0076】(ii)前記(i)の溶液を、120℃に加温
し、2時間エステル化反応を進行させた。 (iii)減圧蒸留により、酢酸及び未反応の酸無水物を留
去し、エステル化セラック270重量部を得た。
【0077】この混合ワニスは、前記実施例1の混合ワ
ニスと同様に、ニス、ヒートシール剤、密着剤として使
用することができる。 (実施例3)次の〜の様にして、マレイン化ダンマ
ル(B成分:グラフト化天然樹脂)と生分解性樹脂の澱
粉誘導体との混合ワニス(樹脂組成物溶液)を製造し
た。
【0078】マレイン化ダンマルの合成 (i)ダンマル200重量部をトルエン400重量部に溶
解させて、溶液aを調製した。 (ii)ジクミルパーオキサイド10重量部及び無水マレイ
ン酸133重量部を、トルエン250重量部に溶解させ
て、溶液bを調製した。
【0079】(iii)圧力3Kg/cm2、温度140℃の
下、溶液bを2時間かけて、徐々に溶液aに加えた。 (iv)90分間、温度140℃の下で保温後、トルエンを
減圧蒸留した。 (v)蒸留後残った固型樹脂をアセトンで溶解後濾過して
から、アセトンを蒸留で留去して、マレイン化ダンマル
を得た。
【0080】マレイン化ダンマルワニスの調製 前記で得たマレイン化ダンマル100重量部を、酢酸
エチル140重量部とイソプロピルアルコール60部と
から成る混合溶媒に溶解し、マレイン化ダンマルのワニ
スを得た。
【0081】生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスの調製 コーンポール樹脂CPR−D2061(生分解性樹脂の
澱粉誘導体)100重量部を、酢酸エチル140重量部
とイソプロピルアルコール60重量部とからなる混合溶
媒に溶解し、生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニス300重
量部を得た。
【0082】マレイン化ダンマルと生分解性樹脂の澱
粉誘導体との混合ワニスの調製 前記で得たマレイン化ダンマルワニスと、前記で得
た生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスとを、1:9、2:
8、3:7、4:6、5:5、6:4、7:3、8:
2、9:1の比率(重量比)でそれぞれ混合することに
より、マレイン化ダンマルと生分解性樹脂の澱粉誘導体
との混合ワニスを9種類調製した。
【0083】この混合ワニスは、前記実施例1の混合ワ
ニスと同様に、ニス、ヒートシール剤、密着剤として使
用することができる。 (実施例4)次のようにして、マレイン化ロジンのモノ
エステル化合物(B成分:グラフト化天然樹脂)と、生
分解性樹脂の澱粉誘導体との混合ワニスを調製した。
【0084】マレイン化ロジン100重量部に、イソ
プロパノール200重量部を加え、82℃の下、3時間
反応させ、マレイン化ロジンのモノエステル化合物12
0重量部を得た。 マレイン化ロジンのモノエステル化合物ワニスの調製 前記で得たマレイン化ロジンのモノエステル化合物1
00重量部を、酢酸エチル140重量部とイソプロピル
アルコール60重量部とからなる混合溶媒に溶解し、マ
レイン化ロジンのモノエステル化合物ワニス300重量
部を得た。
【0085】生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスの調製 コーンポール樹脂CPR−D2061(生分解性樹脂の
澱粉誘導体)100重量部を、酢酸エチル140重量部
とイソプロピルアルコール60重量部とからなる混合溶
媒に溶解し、生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニス300重
量部を得た。
【0086】マレイン化ロジンのモノエステル化合物
ワニスと生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスとの混合 前記で得たマレイン化ロジンのモノエステル化合物ワ
ニスと、前記で得た生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニス
とを、それぞれ、1:9、2:8、3:7、4:6、
5:5、6:4、7:3、8:2、9:1の比率(重量
比)で混合することにより、マレイン化ロジンのモノエ
ステル化合物と生分解性樹脂の澱粉誘導体との混合ワニ
スを9種類調製した。
【0087】この混合ワニスは、前記実施例1の混合ワ
ニスと同様に、ニス、ヒートシール剤、密着剤として使
用することができる。 (実施例5)次の様にして、脱色セラック(B成分:天
然樹脂)と生分解性樹脂の澱粉誘導体とから成る樹脂組
成物の水分散液(樹脂組成物の分散液)を製造した。
【0088】即ち、以下の原料を、高圧噴射式乳化分散
機により、65℃の下で1時間処理後、90℃にて酢酸
エチル及び水を留去し、固型分20%、平均粒子径0.
1μmの安定な分散液を得た。 脱色セラック:3重量部 コーンポール樹脂CPR−D2061(生分解性樹脂の
澱粉誘導体):7重量部 ポリビニルアルコール:1重量部 48%苛性ソーダ水溶液:0.1重量部 酢酸エチル:40重量部 水:50重量部 この分散液は、前記実施例1の混合ワニスと同様に、ニ
ス、ヒートシール剤、密着剤として使用することができ
る。 (実施例6)次の様にして、マレイン化ダンマル(B成
分:グラフト化天然樹脂)と生分解性樹脂の澱粉誘導体
とから成る樹脂組成物の水分散液(樹脂組成物の分散
液)を製造した。
【0089】即ち、以下の原料を、高圧噴射式乳化分散
機により、65℃の下で1時間処理後、90℃にて酢酸
エチル及び水を留去し、固型分20%、平均粒子径0.
1μmの安定な分散液を得た。 マレイン化ダンマル:3重量部 コーンポール樹脂CPR−D2061(生分解性樹脂の
澱粉誘導体):7重量部 ポリビニルアルコール:1重量部 48%苛性ソーダ水溶液:0.1重量部 酢酸エチル:40重量部 水:50重量部 尚、マレイン化ダンマルは、前記実施例3と同様にして
製造した。
【0090】この分散液は、前記実施例1の混合ワニス
と同様に、ニス、ヒートシール剤、密着剤として使用す
ることができる。 (実施例7)次の様にして、マレイン化ダンマル、脱色
セラック、及び生分解性樹脂の澱粉誘導体から成る組成
物の水分散液(樹脂組成物分散液)を製造した。
【0091】即ち、以下の原料を、高圧噴射式乳化分散
機により、90℃の下で1時間処理後、90℃にて酢酸
エチル及び水を留去し、固型分20%、平均粒子径0.
1μmの安定な分散液を得た。 マレイン化ダンマル:2重量部 脱色セラック:2重量部 コーンポール樹脂CPR−D2061(生分解性樹脂の
澱粉誘導体):6重量部 ポリビニルアルコール:1重量部 48%苛性ソーダ水溶液:0.1重量部 酢酸エチル:40重量部 水:50重量部 尚、マレイン化ダンマルは、前記実施例3と同様にして
製造した。
【0092】この分散液は、前記実施例1の混合ワニス
と同様に、ニス、ヒートシール剤、密着剤として使用す
ることができる。 (実施例8)次の様にして、マレイン化ダンマル、脱色
セラック(天然樹脂)、及び生分解性樹脂の澱粉誘導体
から成る組成物と、可塑剤(エポキシ化アルキルエステ
ル)とを含む水分散液(樹脂組成物分散液)を製造し
た。
【0093】即ち、以下の原料を、高圧噴射式乳化分散
機により、130℃の下で1時間処理後、急冷し、固型
分20%、平均粒子径0.05μmの安定な分散液を得
た。 マレイン化ダンマル:2重量部 脱色セラック:2重量部 コーンポール樹脂CPR−D2061(生分解性樹脂の
澱粉誘導体):6重量部 エポキシ化アルキルエステル:2重量部 48%苛性ソーダ水溶液:0.1重量部 酢酸エチル:40重量部 水:50重量部 尚、マレイン化ダンマルは、前記実施例3と同様にして
製造した。
【0094】この分散液は、前記実施例1の混合ワニス
と同様に、ニス、ヒートシール剤、密着剤として使用す
ることができる。 (実施例9)以下に示す原料を、ペイントシェーカーで
練肉して青色インキを調製した。
【0095】シアニンブルー(山陽色素株式会社製 Cy
anine Blue 4044):100重量部実施例1で製造した
混合ワニス(生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスとエステ
ル 化セラックワニスとの混合比=7:3): 60重量部 酢酸エチル:21重量部 イソプロピルアルコール:9重量部 (実施例10)レットダウンエマルジョン 以下に示す原料を、常法に従って混合することにより、
レットダウンエマルジョンを製造した。 実施例1で製造した混合ワニス(生分解性樹脂の澱粉誘
導体ワニスとエステル化セラックワニスとの混合比=
7:3):45重量部 セラック(界面活性剤として):5重量部 水:450重量部 (比較例1)セラック100重量部を、酢酸エチル14
0重量部とイソプロピルアルコール60重量部とから成
る混合溶媒に溶解し、セラックのワニス300重量部を
得た。 (比較例2)次の様にして、生分解性樹脂の澱粉誘導体
の水分散液(樹脂組成物分散液)を製造した。
【0096】即ち、以下の原料を、高圧噴射式乳化分散
機により、65℃の下で1時間処理後、90℃にて酢酸
エチル及び水を留去し、固型分20%、平均粒子径1.
0μmの安定な分散液を得た。 コーンポール樹脂CPR−D2061(生分解性樹脂の
澱粉誘導体):10重量部 ポリビニルアルコール:1重量部 酢酸エチル:40重量部 水:50重量部 (比較例3)前記実施例1の様にして製造したエステル
化セラック100重量部を、酢酸エチル140重量部と
イソプロピルアルコール60重量部とから成る混合溶媒
に溶解し、エステル化セラックのワニス300重量部を
得た。 (比較例4)前記実施例3の様にして製造したマレイン
化ダンマル100重量部を、酢酸エチル140重量部と
イソプロピルアルコール60重量部とから成る混合溶媒
に溶解し、マレイン化ダンマルのワニス300重量部を
得た。 (比較例5)前記実施例4の様にして製造したマレイン
化ロジンのモノエステル化物100重量部を、酢酸エチ
ル140重量部とイソプロピルアルコール60重量部と
から成る混合溶媒に溶解し、マレイン化ロジンのモノエ
ステル化物300重量部を得た。 (比較例6)ダンマル100重量部を、酢酸エチル14
0重量部とイソプロピルアルコール60重量部とから成
る混合溶媒に溶解し、ダンマルのワニス300重量部を
得た。 (比較例7)マレイン化ロジン100重量部を、酢酸エ
チル140重量部とイソプロピルアルコール60重量部
とから成る混合溶媒に溶解し、マレイン化ロジンのワニ
ス300重量部を得た。 (比較例8)コーンポール樹脂CPR−D2061(生
分解性樹脂の澱粉誘導体)100重量部を、酢酸エチル
140重量部とイソプロピルアルコール60重量部とか
ら成る混合溶媒に溶解し、生分解性樹脂の澱粉誘導体の
ワニス300重量部を得た。 (実験例1)実施例5〜8及び比較例2で製造した水分
散液をフィルム上に塗工して成る塗工皮膜(樹脂組成物
の層)の接着性を以下〜の様にして評価した。
【0097】フィルム上に、各水分散液を、バーコー
ターNo.5の装置を用いて、2.3g/cm2の密度
で塗布した。フィルムとしては、表面処理をしたポリエ
チレンテレフタレートフィルム(PET)、表面処理を
した延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、表面処理
をした延伸ナイロンフィルム(ONY)をそれぞれ用い
た。
【0098】塗布したフィルムを、熱風乾燥機を用い
て、70℃で30秒間乾燥させた。 塗工面にセロファンテープを貼り付けてから、急速に
引き剥がし、塗工皮膜がどの程度剥がれるかによって、
接着性の5段階評価を行った。尚、5段階評価は、以下
の基準に従った。
【0099】 5:剥がれる部分の割合が5%以下 4:剥がれる部分の割合が5〜20% 3:剥がれる部分の割合が20〜50% 2:剥がれる部分の割合が50〜90% 1:剥がれる部分の割合が90%以上 試験結果を表1に示す。
【0100】
【表1】 表1に示す様に、実施例5〜8の水分散液を塗工して成
る塗工皮膜は、比較例2の水分散液を塗工して成る塗工
皮膜よりも接着性に優れていた。
【0101】特に、実施例7,8の水分散液を塗工して
成る塗工皮膜は、いずれのフィルムに対しても優れた接
着性を有していた。 (実験例2)実施例1及び実施例3で製造した混合ワニ
スにおける、エステル化天然樹脂ワニス又はグラフト化
天然樹脂ワニスと、生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスと
の相溶性を以下の3段階で評価した。
【0102】また、比較例1で製造したセラックワニス
と、比較例8で製造した生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニ
スとを混合したワニスについても同様に相溶性を評価し
た。 (相溶性の基準) ○:エステル化天然樹脂ワニス又はグラフト化天然樹脂
ワニスと生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスとの混合後、
粘度の増加が生じない。
【0103】 △:混合後において粘度の増加が生じる。 ×:混合後において分離、ゲル化が生じる。 結果を表2に示す。
【0104】
【表2】 表2に示す様に、実施例1及び実施例3の混合ワニス
は、混合比によらず、相溶性が良好であった。
【0105】一方、セラックワニスと、生分解性樹脂の
澱粉誘導体ワニスとを混合したワニスについては、いず
れの混合比においても、相溶性が不良であった。 (実験例3)実施例1で製造した混合ワニスをフィルム
上に塗工して成る塗工皮膜(樹脂組成物の層)の、フィ
ルムに対する接着性を以下〜の様にして評価した。
【0106】フィルム上に、実施例1のそれぞれの混
合比の混合ワニスを、バーコーターNo.5の装置を用
いて、2.3g/cm2の密度で塗布した。また、比較
例8で製造した生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニス、比較
例3で製造したエステル化セラックワニス、比較例1で
製造したセラックワニスについても、同様に塗布を行っ
た。
【0107】フィルムとしては、表面処理をした延伸ポ
リプロピレンフィルム(OPP)、表面処理をしたポリ
エチレンテレフタレートフィルム(PET)、表面処理
をした延伸ナイロンフィルム(ONY)、ポリ脂肪族エ
ステル、ポリ乳酸をそれぞれ用いた。
【0108】塗布後、それぞれのワニスを、熱風乾燥
機を用いて、70℃で30秒間乾燥させた。 塗工面にセロファンテープを貼り付けてから、急速に
引き剥がし、塗工皮膜がどの程度剥がれるかによって、
5段階評価を行った。尚、5段階評価は、前記実験例1
と同様の基準に従った。
【0109】試験結果を表3に示す。
【0110】
【表3】 表3に示す様に、実施例1の混合ワニスを塗工して成る
塗工皮膜は、比較例8の生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニ
ス、比較例3のエステル化セラックワニス、及び比較例
1のセラックワニスを塗工して成る塗工皮膜と比べて、
同等以上の接着性を有していた。
【0111】特に、実施例1の混合ワニスのうち、エス
テル化セラックワニスと生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニ
スとの混合比が、1:9〜6:4のものは、いずれのフ
ィルムに対しても優れた接着性を有していた。 (実験例4)実施例3で製造した混合ワニスをフィルム
上に塗工して成る塗工皮膜(樹脂組成物の層)の接着性
を前記実験例3と同様にして評価した。
【0112】また、比較例8で製造した生分解性樹脂の
澱粉誘導体ワニス、比較例4で製造したマレイン化ダン
マルワニス、比較例6で製造したダンマルワニスについ
ても、同様に評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0113】
【表4】 表4に示す様に、実施例3の混合ワニスを塗工して成る
塗工皮膜は、比較例8の生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニ
ス、比較例4のマレイン化ダンマルワニス、及び比較例
6ダンマルワニスを塗工して成る塗工皮膜と比べて、同
等以上の接着性を有していた。
【0114】特に、実施例3の混合ワニスのうち、マレ
イン化ダンマルワニスと生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニ
スとの混合比が、1:9〜4:6のものは、いずれのフ
ィルムに対しても優れた接着性を有していた。 (実験例5)実施例4で製造した混合ワニスをフィルム
上に塗工して成る塗工皮膜(樹脂組成物の層)の接着性
を前記実験例3と同様にして評価した。
【0115】また、比較例8で製造した生分解性樹脂の
澱粉誘導体ワニス、比較例5で製造したマレイン化ロジ
ンのモノエステル化合物ワニス、比較例7で製造したマ
レイン化ロジンワニスについても、同様に評価を行っ
た。評価結果を表5に示す。
【0116】
【表5】 表5に示す様に、実施例4の混合ワニスを塗工して成る
塗工皮膜は、比較例8の生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニ
ス、比較例5のマレイン化ロジンのモノエステル化合物
ワニス、及び比較例7のマレイン化ロジンワニスを塗工
して成る塗工皮膜と比べて、同等以上の接着性を有して
いた。
【0117】特に、実施例4の混合ワニスのうち、マレ
イン化ロジンのモノエステル化合物ワニスと生分解性樹
脂の澱粉誘導体ワニスとの混合比が、1:9〜6:4の
ものは、いずれのフィルムに対しても優れた接着性を有
していた。 (実験例6)実施例1の混合ワニスのうち、エステル化
セラックワニスと生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニスとの
混合比が、2:8のものについて、前記実験例1と同様
に、接着性試験を行った。ただし、フィルムとしては、
処理ナイロン、未処理ナイロン、処理CPP(無延伸ポ
リプロピレン)、未処理CPP(無延伸ポリプロピレ
ン)、及びLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を
用いた。
【0118】評価結果を表6に示す。
【0119】
【表6】 表6に示す様に、実施例1の混合ワニスを塗工して成る
塗工皮膜は、処理ナイロン、未処理ナイロン、処理CP
Pに対して、良好な接着性を示した。 (実験例7)実施例9で製造した青色インキを、酢酸エ
チルとイソプロビルアルコールとを7:3の割合で混合
した溶剤を用いて、所定の粘度となるように希釈した。
この所定の粘度とは、粘度測定装置(ザーンカップN
o.4)において、流出に要する時間が15秒となる粘
度をいう。
【0120】そして、希釈した青インキをOPPフィル
ム、PETフィルムに塗工した。塗工した青インキを、
前記実験例3と同様にして、接着性を評価したところ、
いずれのフィルムに対しても、良好な接着性(実験例3
の基準で5)を示した。 (実験例8)ダンマル、ロジン、コーパル、バルサム、
サンダラックの各天然樹脂を基にして、前記実施例1又
は3と同様にして、エステル化天然樹脂又はグラフト化
天然樹脂の混合ワニスを製造した。
【0121】これらの混合ワニスについて、前記実験例
3と同様に接着性試験を行ったところ、いずれの基体に
対しても、優れた接着性を示した。 (実験例9)実施例1で製造した混合ワニスから、溶媒
を留去することにより、エステル化セラックと生分解性
樹脂の澱粉誘導体とから成る樹脂組成物を得た。
【0122】この樹脂組成物の生分解性について、JI
S K 6950(プラスチック活性汚泥による好気性
生分解性試験法)に基づき、検体の60%が分解される
までに要した日数を計測した。また、セラック、及び生
分解性樹脂の澱粉誘導体についても、同様に生分解性を
評価した。
【0123】その結果、エステル化セラックと生分解性
樹脂の澱粉誘導体とから成る樹脂組成物は、セラック及
び生分解性樹脂の澱粉誘導体と同等の生分解性を有して
いた。 (実験例10)実施例1の混合ワニス、比較例8の生分
解性樹脂の澱粉誘導体ワニス、比較例3のエステル化セ
ラックワニス、及び比較例1のセラックワニスをそれぞ
れ試験片に塗布して成る樹脂組成物塗膜についての、塗
膜強度、及びヒートシール性を以下のようにして評価し
た。
【0124】塗膜強度の評価法:前記実験例3と同様に
して、接着性試験を行い、塗膜自体が破壊されるものを
×、一部破壊されるものを△、破壊されないものを○と
した。ヒートシール性の評価法:一対の試験片(235
g/cm2のコート紙)の両方に、それぞれ、評価する
ワニスを塗布し、塗布面同士を密着させる。密着面をヒ
ートシールテスターを用いて80℃、1.5Kg/cm
2にて5秒間ヒートシールした後、引き離す方向に力を
かけて、試験片を剥離させる。剥離に要する力が、30
0g/cm2を超える場合には、ヒートシール性を○と
し、50g/cm2以上300g/cm2以下場合は△と
し、50g/cm2未満の場合には×とする。
【0125】また、実施例1の混合ワニス、比較例8の
生分解性樹脂の澱粉誘導体ワニス、比較例3のエステル
化セラックワニス、及び比較例1のセラックワニスを、
それぞれ、不揮発分が20%になるように調整してか
ら、混合ワニスの粘度を、25℃の下で、B型粘度計を
用いて測定した。
【0126】評価結果を表7に示す。
【0127】
【表7】 表7に示す様に、実施例1の混合ワニスのうち、エステ
ル化セラックと生分解性樹脂の澱粉誘導体との混合比
が、3:7〜8:2の範囲のものでは、塗膜強度と、ヒ
ートシール性の両方において、○又は△の評価結果が得
られた。
【0128】また、実施例1の混合ワニスの溶液粘度に
ついては、生分解性樹脂の澱粉誘導体の比率を小さくす
るほど、粘度を低くすることができた。 (実験例11)実施例3の混合ワニス、比較例8の生分
解性樹脂の澱粉誘導体ワニス、比較例4のマレイン化ダ
ンマルワニス、及び比較例6のダンマルワニスについ
て、前記実験例10と同様に、塗膜強度、ビートシール
性、及び溶液粘度を測定した。
【0129】結果を表8に示す。
【0130】
【表8】 表8に示す様に、実施例3の混合ワニスのうち、マレイ
ン化ダンマルと生分解性樹脂の澱粉誘導体との混合比
が、3:7〜8:2の範囲のものでは、塗膜強度と、ヒ
ートシール性の両方において、○又は△の評価結果が得
られた。
【0131】また、実施例3の混合ワニスの溶液粘度に
ついては、生分解性樹脂の澱粉誘導体の比率を小さくす
るほど、粘度を低くすることができた。 (実験例12)実施例4の混合ワニス、比較例8の生分
解性樹脂の澱粉誘導体ワニス、比較例5のマレイン化ロ
ジンのモノエステル化合物のワニス、及び比較例7のマ
レイン化ロジンのワニスについて、前記実験例10と同
様に、塗膜強度、ビートシール性、及び溶液粘度を測定
した。
【0132】結果を表9に示す。
【0133】
【表9】 表9に示す様に、実施例4の混合ワニスのうち、マレイ
ン化ロジンのモノエステル化合物と生分解性樹脂の澱粉
誘導体との混合比が、3:7〜8:2の範囲のもので
は、塗膜強度と、ヒートシール性の両方において、○又
は△の評価結果が得られた。
【0134】また、実施例4の混合ワニスの溶液粘度に
ついては、生分解性樹脂の澱粉誘導体の比率を小さくす
るほど、粘度を低くすることができた。尚、本発明は上
記の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができ
る。
【0135】・実施例1において、氷酢酸の代わりに、
トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミ
ン、ピリジン類、ピラジン類、ピコリン類等の含窒素複
素環状化合物及び酢酸、プロパン酸、酪酸などの有機酸
を使用することができる。 ・実施例3において、トルエンの代わりに、キシレン、
シメン、クメン等を使用することができる。
【0136】また、実施例3において、ジクミルパーオ
キサイドの代わりに、ベンゾイルパーオキサイド、ジt
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、t−ブチルハイドローパーオキサイド等を使用
することができる。 ・前記実施例1〜9において、生分解性樹脂の澱粉誘導
体として、コーンポール樹脂CPR−D703、また
は、コーンポール樹脂CP−5を用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/00 C09D 11/00 151/08 151/08 191/06 191/06 193/00 193/00 201/00 201/00 C09J 103/04 C09J 103/04 151/08 151/08 191/06 191/06 193/00 193/00 201/00 201/00 (72)発明者 細川 信博 愛知県碧南市玉津浦町1番地 日本コーン スターチ株式会社開発研究所内 (72)発明者 吉田 稔 岐阜県岐阜市加納西丸町1丁目27番地 株 式会社岐阜セラツク製造所内 (72)発明者 鍵谷 雅彦 岐阜県岐阜市加納西丸町1丁目27番地 株 式会社岐阜セラツク製造所内 (72)発明者 林 益生 岐阜県岐阜市加納西丸町1丁目27番地 株 式会社岐阜セラツク製造所内 (72)発明者 新川 仲良 岐阜県岐阜市加納西丸町1丁目27番地 株 式会社岐阜セラツク製造所内 Fターム(参考) 4J002 AB04W AB05X AE033 AF02X AF03X BN01X GH00 GJ00 HA03 HA06 4J038 BA121 BA122 BA212 BA221 BA222 CP011 CP012 KA06 KA08 KA10 NA11 PC08 PC10 4J039 AB01 AB08 AB11 AB12 AD01 AD09 AE04 AE08 BA13 BA14 BA23 BC09 BC19 BC20 BC22 BC26 BC30 BC53 BE12 BE13 BE22 CA03 CA07 EA42 EA43 GA01 GA03 4J040 BA042 BA121 BA162 BA182 BA191 BA201 DA022 EF002 EG002 HA136 HA196 HA306 HA356 HB14 HB22 HB30 HB41 HD21 JA03 KA03 KA23 KA31 KA38 KA42 LA06 MA02 MA09 MA10 MA11 PA30

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A成分として、生分解性樹脂の澱粉誘導
    体と、 B成分として、エステル化天然樹脂、グラフト化天然樹
    脂の中から選ばれる1又は2以上の成分と、 を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 A成分として、生分解性樹脂の澱粉誘導
    体と、 B成分として、ダンマル、ロジン、コーパル、バルザ
    ム、サンダラック、ヤッカガムの中から選ばれる1又は
    2以上の天然樹脂成分と、 を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記エステル化天然樹脂及び前記グラフ
    ト化天然樹脂は、セラック、ダンマル、ロジン、コーパ
    ル、バルザム、サンダラック、ヤッカガムの中から選ば
    れる1又は2以上の天然樹脂を変性して成るものである
    ことを特徴とする前記請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記エステル化天然樹脂が、天然樹脂
    と、アシル化ハロゲン、モノーカルボン酸無水物、ジー
    カルボン酸無水物、カルボン酸ビニルエステルの中から
    選ばれるエステル化剤との反応により生じるエステル化
    物、またはこれらのエステル化物と、アルコール類、セ
    ロソルブ類、グリコール類の中から選ばれるものとの反
    応により生じるモノエステル化物であることを特徴とす
    る前記請求項1又は3に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記グラフト化天然樹脂が、天然樹脂
    に、有機過酸化物を用いて反応性二重結合部位をグラフ
    トしたグラフト化天然樹脂、または、このグラフト化天
    然樹脂と、アルコール類、セロソルブ類、グリコール類
    の中から選ばれるものとの反応により生じるモノエステ
    ル化物であることを特徴とする前記請求項1、3、4の
    いずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記A成分の含有量と、前記B成分の含
    有量との比率が、0.5:99.5〜99.5:0.5
    の範囲にあることを特徴とする前記請求項1〜5のいず
    れかに記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記生分解性樹脂の澱粉誘導体の置換度
    が0.3〜2.8の範囲にあることを特徴とする前記請
    求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 可塑剤、フィラー、ワックスのうちの1
    又は2以上の成分を含有することを特徴とする前記請求
    項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の樹
    脂組成物を含有することを特徴とする密着剤。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の
    樹脂組成物を含有することを特徴とする溶液。
  11. 【請求項11】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の
    樹脂組成物から成る粒子を含有することを特徴とする分
    散液。
  12. 【請求項12】 前記粒子の粒径が1μm以下であるこ
    とを特徴とする前記請求項11に記載の分散液。
  13. 【請求項13】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の
    樹脂組成物、前記請求項10に記載の溶液、前記請求項
    11又は12に記載の分散液のいずれかを含有すること
    を特徴とするインキ用バインダー。
  14. 【請求項14】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の
    樹脂組成物、前記請求項10に記載の溶液、前記請求項
    11又は12に記載の分散液のいずれかを含有すること
    を特徴とするレットダウンエマルジョン。
  15. 【請求項15】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の
    樹脂組成物、前記請求項10に記載の溶液、前記請求項
    11又は12に記載の分散液のいずれかを含有すること
    を特徴とするニス。
  16. 【請求項16】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の
    樹脂組成物、前記請求項10に記載の溶液、前記請求項
    11又は12に記載の分散液のいずれかを含有すること
    を特徴とするヒートシール剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004059812A (ja) * 2002-07-30 2004-02-26 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd コーティング剤組成物
WO2010055210A1 (en) * 2008-11-14 2010-05-20 Valtion Teknillinen Tutkimuskeskus Printing ink, printed product and method of marking products
WO2014068834A1 (ja) * 2012-10-31 2014-05-08 パナソニック株式会社 振動板と、ラウドスピーカ、および移動体装置、ならびに振動板の製造方法
JP2015117306A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 東洋インキScホールディングス株式会社 ラミネート用印刷インキ組成物
ES2955862A1 (es) * 2023-06-06 2023-12-07 Parrotecnic S L Composicion liquida en forma de dispersion acuosa de polimerizado, uso de dicha composicion como agente ligante y agente de revestimiento con dicho agente ligante

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