JP2003073148A - ガラスの描画方法 - Google Patents

ガラスの描画方法

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JP2003073148A
JP2003073148A JP2001261079A JP2001261079A JP2003073148A JP 2003073148 A JP2003073148 A JP 2003073148A JP 2001261079 A JP2001261079 A JP 2001261079A JP 2001261079 A JP2001261079 A JP 2001261079A JP 2003073148 A JP2003073148 A JP 2003073148A
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laser
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laser light
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Takashi Yamate
貴志 山手
Shinji Nishikawa
晋司 西川
Hiroyuki Tamon
宏幸 多門
Nobuyuki Itakura
伸行 板倉
Hiroshi Kamimura
宏 上村
Kohei Sumino
広平 角野
Tomoko Akai
智子 赤井
Masaru Yamashita
勝 山下
Tetsuo Yazawa
哲夫 矢澤
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Central Glass Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/0005Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation
    • C03C23/0025Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation by a laser beam
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザ光照射によって着色可能なソーダライム
ガラスに位置精度良く、精緻に文字、図形、絵柄、また
はバーコードなどを描画する。 【解決手段】構造中に非架橋酸素を持つシリケートガラ
ス、好ましくは、Ag、SnまたはEuを含む、Agを
含む場合は、その含有量がAg2Oに換算して0.00
5〜0.5wt%、Snを含む場合は、その含有量がS
nO2に換算して0.01〜1wt%、Euを含む場合
は、その含有量がEu23に換算して0.01〜1wt
%含むシリケートガラスにレーザ描画装置によりレーザ
光を照射して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色
し、該着色部により描画することを特徴とするガラスの
描画方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスにレーザ光
を照射して描画する方法および該方法によって精緻描画
が行われたガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスにレーザ光を照射してレーザマー
キングする方法について、特開平3−124486号公
報、特開平4−71792号公報および特開平11−1
56568号公報にて開示されている。
【0003】特開平3−124486号公報にて、対象
物の内部にレーザ光を収束させて表面に損傷を与えるこ
となく内部にマークするレーザマーキング方法が開示さ
れている。しかしながら、係る公報に記載のレーザマー
キング方法においては、対象物がガラスの場合、レーザ
光を内部に集光させるとクラックが発生し表面まで到達
することがあり、対象物が脆くなるという問題があっ
た。
【0004】また、特開平4−71792号公報にて、
透明基板内部に焦点を結ぶようにレーザ光を照射して透
明基板内部を選択的に不透明化することによりマーキン
グする方法が開示されている。しかしながら、かかる公
報に記載のマーキング方法においては、レーザ照射によ
ってガラス内部にマーキングすることが可能であるが、
レーザ光の集光位置を材料の深さ方向に厳密に制御でき
ないため、薄い透明材料のマーキングに適さないという
問題があった。
【0005】また、特開平11−156568号公報に
て、マーキング対象物を透過する波長域のレーザ光を、
fθレンズを用いて対象物の内部に集光させてマーキン
グする方法が開示されている。しかしながら、係る公報
に記載のマーキング方法においては、マーキングがレー
ザ光を照射したことによる内部のクラックによるので、
マーキング対象は透明材料に制限されるという問題があ
った。
【0006】一方、光やX線をガラスに照射すると、ガ
ラスが着色する現象が知られている。この着色は、ソー
ダライムシリケートガラスなどのアルカリガラス中の非
架橋酸素Si−O−Naに、光またはX線を照射しO−
Naより電子を放出させることで、可視光が吸収される
非架橋酸素ホールセンタなどのカラーセンタを形成さ
せ、光またはX線を照射した部分が褐色に着色したこと
によるものである。しかしながら、光またはX線照射
は、ガラスの強度低下、透明性の劣化などの原因となる
ので、着色方法としては、積極的に研究されず、逆に光
照射による着色を防ぐ研究が盛んに行われ、カラーセン
タによるガラスの着色は、常温においても不安定で、徐
々に退色するという問題もあり、ガラスの着色手段とし
て顧みられることはなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−12448
6号公報、特開平4−71792号公報、または特開平
11−156568号公報に記載の方法は、ガラスに文
字、図形、絵柄などをレーザマーキングする方法である
が、レーザ光をガラス内部で集光させたことによるガラ
ス内部のクラック発生による不透明化によりマーキング
する方法なので、ミクロン(μm)単位の極微細なマー
キングがし辛いという問題があった。
【0008】即ち、本発明の課題は、ガラスにレーザ光
を照射しクラックを発生させることなく着色し、着色部
により極めて精緻に文字、図形または絵柄を描画できる
ガラスの描画方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題を解
決するものであり、レーザ光をガラスに照射して、可視
光を吸収する非架橋酸素ホールセンタを生成させて着色
させることで、ガラスにクラックなどのダメージを与え
ることなく着色部としての文字、図形または絵柄を精緻
に描画することを可能とするものである。 非架橋酸素
ホールセンタを高濃度に生成させるためには、光源は、
X線またはγ線のような高エネルギーの電磁波をガラス
に照射することが好ましい。
【0010】しかしながら、本発明者らが鋭意研究した
ところ、紫外線、可視光線または赤外線などの低エネル
ギーの電磁波を構造中に非架橋酸素を有するガラスに照
射しても、多フォトン吸収などの非線形光学効果を誘起
するため、非架橋酸素ホールセンタを生成することが判
った。紫外線、可視光線または赤外線は、X線またはγ
線に比べると反射、回折、および集光が容易であるた
め、レーザビームとしガラス上に照射位置を移動させつ
つ照射する、即ち、走査することによって精緻な、文
字、図または絵柄を容易に描画することができた。
【0011】本発明は、構造中に非架橋酸素を有するシ
リケートガラスにレーザ描画装置によりレーザ光を照射
して非架橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色
部により描画することを特徴とするガラスの描画方法で
ある。
【0012】更に、本発明は、前記シリケートガラスが
Ag、Snおよび/またはEuを微量成分として含み、
Agを含む場合は、その含有量がAg2Oに換算して
0.005〜0.5wt%、Snを含む場合は、その含
有量がSnO2に換算して0.01〜1wt%、Euを
含む場合は、その含有量がEu23に換算して0.01
〜1wt%を含むことを特徴とする上記のガラスの描画
方法である。
【0013】更に、本発明は、前記レーザ描画装置が、
レーザ発振器、光変調器、リニアトランスレータに搭載
された集光レンズ、対物レンズ、ガルバノメータミラー
およびステージからなることを特徴とする上記のガラス
の描画方法である。
【0014】更に、本発明は、 前記レーザ描画装置
が、レーザ発振器、光変調器、ガルバノメータミラー、
fθレンズおよびステージからなることを特徴とする上
記請求項1または請求項2に記載のガラスの描画方法で
ある。
【0015】更に、本発明は、レーザ光の種類が、紫外
光、可視光、近赤外光または赤外光であることを特徴と
する上記のガラスの描画方法である。
【0016】更に、本発明は、光変調器が、音響光学変
調器または電気光学変調器であることを特徴とする上記
のガラスの描画方法である。
【0017】更に、本発明は、複数のガルバノメータミ
ラーによって、前記ガラスへのレーザ光の照射位置を移
動させることを特徴とする上記のガラスの描画方法であ
る。
【0018】更に、本発明は、水平方向および/または
垂直方向に移動可能なステージによって、前記ガラスを
移動させることを特徴とする上記のガラスの描画方法で
ある。
【0019】更に、本発明は、上記のガラスの描画方法
によって、文字、図形、絵柄またはバーコードが描画さ
れていることを特徴とするガラスである。
【0020】本発明のガラスの描画方法に使用するガラ
スは、構造中に非架橋酸素を有するシリケートガラスで
あればよく、例えばフロート法で製造されたフロート板
ガラスを含むソーダライムシリケートガラスなどを使用
することができる。
【0021】構造中に非架橋酸素を有するシリケートガ
ラスにレーザ光を照射することで、ガラス中に可視光を
吸収するカラーセンタである非架橋酸素ホールセンタを
生成させることができるが、非架橋酸素ホールセンタに
よる着色が、長時間安定であり、退色しないためには、
電子捕獲中心となる元素を微量ガラス中に含有させるこ
とが好ましい。
【0022】該元素としては、銀、即ちAg、錫、即ち
Sn、および/またはユーロピウム、即ちEuが挙げら
れ、Agを含む場合は、その含有量がAg2Oに換算し
て0.005〜0.5wt%、好ましくは0.01〜
0.2wt%、より好ましくは0.01〜0.1wt
%、Snを含む場合は、その含有量がSnO2に換算し
て0.01〜1wt%、好ましくは0.02〜0.8w
t%、より好ましくは0.02〜0.4wt%、Euを
含む場合は、その含有量がEu23に換算して0.01
〜1wt%、好ましくは0.02〜0.8wt%、より
好ましくは0.02〜0.4wt%、非架橋酸素を有す
るガラスに含有させることで、非架橋酸素ホールセンタ
による着色を長時間安定とし、退色を抑制することが可
能となる。
【0023】本発明のガラスの描画方法に使用するレー
ザ描画装置の構成物であるレーザ発振器には、連続的に
レーザ光を発光する連続レーザ発振器、パルス状にレー
ザ光を発光するパルスレーザ発振器のどちらを用いても
構わない。
【0024】また、用いるレーザ光の種類は、赤外光、
近赤外光、可視光または紫外光が挙げられ、波長100
nm以上、1mm(106nm)以下の光を使用するこ
とができ、例えばアルゴンイオンレーザ発振器またはU
Vパルスレーザ発振器を使用することができる。
【0025】本発明のガラスの描画方法に使用するレー
ザ描画装置の構成物である光変調器は、スイッチング素
子としての役割を果たす。すなわち、レーザ光の進行方
向を変えるか、遮蔽と透過を切り替えることで、加工物
に対してレーザ光の照射のON/OFFを正確に制御す
るものである。ON/OFFを行うことで、文字、作画
が非連続となり様々な描画に対応できる。光変調器に
は、音響光学変調器(以後、AOMと略する)または電
気光学変調器(以後、EOMと略する)のいずれを用い
ても構わない。
【0026】AOMは、ONの状態では、無線周波数域
のRF波を超音波に変える圧電素子、すなわち、トラン
スデューサにより石英ガラスに超音波を伝搬させ、 石
英ガラスの密度揺らぎにより回折格子を形成してレーザ
光を回折させその光路を変化させる、OFFの状態で
は、レーザ光を石英ガラス内に直進させるスイッチング
素子である。
【0027】EOMは、レーザ光に電圧を掛け偏光方向
を変えることで、偏光板により通過または遮蔽させるス
イッチング素子である。
【0028】本発明のガラスの描画方法に使用するレー
ザ描画装置の構成物であるリニアトランスレータに搭載
された光軸上を移動可能な集光レンズおよび対物レン
ズ、またはfθレンズは、ガルバノメータミラーによっ
て円弧状に走査されたレーザ光のフォーカス、すなわ
ち、焦点位置を補正し、平面上に集光させ解像度を上げ
る役割を果たす。
【0029】本発明のガラスの描画方法に使用するレー
ザ描画装置の構成物であるガルバノメータミラーは、可
動可能な複数のミラー、通常、Xミラー、Yミラーから
なり、ミラーの角度を変えてレーザ光の光軸を振ること
が可能である。Xミラー、Yミラーの角度を制御調整し
つつ操作し、光軸を振って対象物である着色ガラスへの
レーザ光の照射位置を移動させて、精度よく前記シリケ
ートガラスを着色することができ、文字、図形、絵柄お
よびバーコードなどが描画できる。
【0030】例えば、前記シリケートガラスに製造番
号、製造日、メーカー名などの文字情報、または1次元
および2次元のバーコードなどを容易に書き込むことが
できる。 本発明のガラスの描画方法は、レーザ描画装
置を用いることで精緻描画が行えるので、記録媒体分野
に応用できる可能性がある。例えば、レーザ光を絞り込
むことで、1mmの間隔内に数10本以上の線を書き込
むことのできる分解能を要し、記録媒体をも作製し得る
可能性がある。
【0031】描画部を記録媒体とした場合、描画部は1
00℃以上に加熱することによって消色するので、消去
書き込みが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は、レーザ光の焦点位置の制
御に集光レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用
するレーザ描画装置の一例の説明図である。
【0033】図1に示すレーザ発振器1は、紫外、即
ち、UVパルスレーザ発振器である。UVパルスレーザ
発振器には、通常、AOMまたはEOMからなる光変調
器が、通称、Qスイッチとして既に組み込まれている。
集光レンズ2および対物レンズ3のうち、図示しないリ
ニアトランスレータに搭載された集光レンズ2を、リニ
アトランスレータにより光軸上を動かすことによって、
ターゲット6である構造中に非架橋酸素を有するシリケ
ートガラスの照射面におけるレーザビーム径を制御す
る。
【0034】UVパルスレーザ発振器より発光させたレ
ーザ光は、集光レンズ2、次いで対物レンズ3を通過し
た後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびY
ミラー5により反射し、その後、ターゲット6であるシ
リケートガラスに照射させて、該シリケートガラスへの
レーザ光照射部を着色する。前記シリケートガラスの描
画は、照射面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステ
ージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXY
Z−ステージ7に載せて、ステージ7を移動させつつシ
リケートガラス上にレーザ光を走査させて行うこともで
きる。
【0035】コンピュータ8にデジタルコマンドデータ
として入力され、デジタル・アナログ・コンバータ9に
よってアナログ信号に変換されたコントロール信号は、
サーボドライバ10に受信されて、サ−ボドライバ10
が、集光レンズ2、ガルバノメータミラーであるXミラ
ー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、シ
リケートガラス上のレーザ光の照射位置を移動させる。
なお、シリケートガラスへのレーザ光による書き込み内
容は、前記デジタルコマンドデータを変更することで、
容易に変えられる。
【0036】図2は、レーザ光の焦点位置の制御にfθ
レンズを用いた本発明に使用するレーザ描画装置の一例
の説明図である。
【0037】レーザ発振器1である、UVパルスレーザ
発振器により発光したレーザ光は、ガルバノメータミラ
ーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、f
θレンズ11を透過した後、ターゲット6である構造中
に非架橋酸素を持つシリケートガラスに照射させて、該
シリケートガラスへのレーザ光照射部を着色する。fθ
レンズ11は、ガルバノメータミラーによって走査され
るレーザ光をターゲット6に集光する。レーザ発振器1
であるUVパルスレーザ発振器には、通常、AOMまた
はEOMからなる光変調器が、通称、Qスイッチとして
既に組み込まれている。
【0038】該シリケートガラスへの描画は、照射面に
対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向
に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7
によって、ステージ7を移動させつつ、該シリケートガ
ラス上にレーザ光を走査させて行うこともできる。
【0039】コンピュータ8に入力されたデジタルコマ
ンドデータは、デジタル・アナログ・コンバータ9によ
ってアナログ信号に変換される。アナログ信号に変換さ
れたコントロール信号は、サーボドライバ10に受信さ
れて、サ−ボドライバ10が、ガルバノメータミラーで
あるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆
動させ、構造中に非架橋酸素を持つシリケートガラスへ
のレーザ光の照射位置を移動させる。なお、該シリケー
トガラスへのレーザ光による書き込み内容は、前記デジ
タルコマンドデータを変更することで、容易に変えられ
る。
【0040】本発明のガラスの描画方法に使用するレー
ザ描画装置の構成物であるステージ7は、例えば、照射
面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直
方向に移動可能なZ軸ステージで構成され、高速でレー
ザ光を走査する際、前記シリケートガラスを移動させる
ことによりガラスの描画を効率よく行うことができる。
また、移動可能なステージ7に取り付けられた前記シ
リケートガラスを一定間隔で移動させた後、静止させ
て、前述のガルバノメータミラーによりレーザ光を走査
して描画を行うことで、文字、図形、絵柄またはバーコ
ードなどを等間隔で複数描画することができる。
【0041】また、本発明のガラスの描画方法は、従来
のガラスのマーキング方法であるレーザの光の集光部に
クラックを生じさせることに比べ、ガラスにダメージを
与えない。
【0042】尚、描画部は100℃以上に加熱すること
によって消色するので本発明のガラスの描画方法によっ
て、文字、図形、絵柄またはバーコードが描画されたガ
ラスは加熱により描画を消すことが可能であり、リサイ
クル使用ができるとともに、粉砕してカレットとし、フ
ロートガラスの製造などにおいて、ガラス原料としてリ
サイクルできる。
【0043】また、ステージへのガラスの固定に際し、
ホルダの形状を変えることで様々なガラスの形状に対応
できるので、本発明に用いる前記シリケートガラスは、
形状は問わず、板ガラスに限らず、瓶などであってもよ
い。
【0044】本発明を以下の実施例によって詳細に説明
するが、本発明は、以下の実施例によって、限定される
ものではない。
【0045】
【実施例】図1は、レーザ光の焦点位置の制御に集光レ
ンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ
描画装置の一例の説明図である。
【0046】図1に示すように、レーザ描画装置は、レ
ーザ発振器1であるUVパルスレーザ発振器、リニアト
ランスレータに搭載された集光レンズ2、対物レンズ
3、ガルバノメータ内のXミラー4、Yミラー5、水平
方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可
能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7に付設さ
れたホルダからなり、ホルダにターゲット6であるシリ
ケートガラスが取り付けられる。
【0047】UVパルスレーザ発振器より、波長355
nm、パルス幅20ns、パルスエネルギー117μ
J、平均出力2.9W、繰り返し周波数25kHzで発
振させたレーザ光を集光レンズ2により絞ってレーザビ
ームとし、Xミラー4とYミラー5とで反射させ、ホル
ダに取り付けられた板厚6mm、サイズ100mm角の
ターゲット6である組成SiO2、72wt%、Na
2O、16wt%、CaO、10wt%、Al23、2
wt%のシリケートガラスの表面に走査速度250mm
/secで走査した。
【0048】UVパルスレーザ発振器に組み込まれたQ
スイッチのON/OFFと、Xミラー4およびYミラー
5の角度を操作することで、レーザビームの光軸を振
り、前記シリケートガラスにレーザビームを走査して、
幅3μmの淡褐色のラインで絵柄を自在に描画する事が
できた。その際、レーザビームのビーム径を3μmに調
整した。
【0049】次いで、XYZ−ステージ7を操作して水
平移動させることで、絵柄を等間隔に複数、描画するこ
とができた。
【0050】また、透明な前記シリケートガラスに、U
Vパルスレーザ発振器より発振したレーザービームを前
記条件で走査して、サイズ20mm×20mmの淡褐色
の四角形を描画し、その可視光透過率を測定したとこ
ろ、84.2%であった。
【0051】可視光透過率は、分光光度計(日立製作所
製、340型自記)で、波長340〜1800nmの間
の透過率を測定し求めた。波長420nm、620nm
に吸収があり、この吸収は、シリケートガラスにX線を
照射して生成した非架橋酸素ホールセンタによる吸収と
一致した。
【0052】図3は、X線を照射し非架橋酸素ホールセ
ンタを形成させ着色させたガラスの吸光度曲線と紫外光
(UV)レーザビームを走査し着色させたガラスの吸光
度曲線とを比較したグラフである。縦軸を吸光度、横軸
を波長とし、比較のため、UVを照射し着色させたガラ
スの吸光度の値に100を掛けてプロットした。
【0053】図3に示すように、X線による着色ガラス
の吸光度曲線と、UVレーザビームを走査し着色させた
部位の吸光度曲線は同じパターンを示し、UVレーザの
走査による着色は非架橋酸素ホールセンタが生成したこ
とに起因していることが確かめられた。
【0054】なお、前記シリケートガラスの非照射部の
可視光透過率は、88.7%であった。
【0055】レーザビームのトレース部、すなわち、着
色部である20mm×20mmの単褐色の四角形には、
クラックなどの欠陥は発生していなかった。
【0056】
【発明の効果】本発明のガラスの描画方法は、構造中に
非架橋酸素を持つシリケートガラス、好ましくは、A
g、Snおよび/またはEuを微量成分として含むシリ
ケートガラスの表面に精度よくレーザ光を照射して着色
する方法であり、該シリケートガラスを部分的に着色す
ることによって、該シリケートガラスに文字、図形、絵
柄、またはバーコードなどを精緻描画することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ光の焦点位置の制御に集光レンズおよび
対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ描画装置の
一例の説明図である。
【図2】レーザ光の焦点位置の制御にfθレンズを用い
た本発明で使用するレーザ描画装置の一例の説明図であ
る。
【図3】X線を照射し非架橋酸素ホールセンタを形成さ
せ着色させたガラスの吸光度曲線と紫外光(UV)レー
ザビームを走査し着色させたガラスの吸光度曲線とを比
較したグラフである。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 集光レンズ 3 対物レンズ 4 Xミラー 5 Yミラー 6 ターゲット(構造中に非架橋酸素を有するシリケ
ートガラス) 7 XYZ−ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 晋司 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 (72)発明者 多門 宏幸 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 (72)発明者 板倉 伸行 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 (72)発明者 上村 宏 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内 (72)発明者 角野 広平 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所 関西センター 内 (72)発明者 赤井 智子 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所 関西センター 内 (72)発明者 山下 勝 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所 関西センター 内 (72)発明者 矢澤 哲夫 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所 関西センター 内 Fターム(参考) 4E068 AB01 CE03 CE04 DB13 4G059 AA01 AB05 AB19 AC08 4G062 AA01 BB01 DA02 FE01 FE02 HH03 HH04 KK03 KK04 MM01 NN40

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造中に非架橋酸素を有するシリケート
    ガラスにレーザ描画装置によりレーザ光を照射して非架
    橋酸素ホールセンタを形成して着色し、該着色部により
    描画することを特徴とするガラスの描画方法。
  2. 【請求項2】 前記シリケートガラスがAg、Snおよ
    び/またはEuを微量成分として含み、Agを含む場合
    は、その含有量がAg2Oに換算して0.005〜0.
    5wt%、Snを含む場合は、その含有量がSnO2
    換算して0.01〜1wt%、Euを含む場合は、その
    含有量がEu23に換算して0.01〜1wt%を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラスの描画方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザ描画装置が、レーザ発振器、
    光変調器、リニアトランスレータに搭載された集光レン
    ズ、対物レンズ、ガルバノメータミラーおよびステージ
    からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のガラスの描画方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ描画装置が、レーザ発振器、
    光変調器、ガルバノメータミラー、fθレンズおよびス
    テージからなることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のガラスの描画方法。
  5. 【請求項5】 レーザ光の種類が、紫外光、可視光、近
    赤外光または赤外光であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれかに記載のガラスの描画方法。
  6. 【請求項6】 光変調器が、音響光学変調器または電気
    光学変調器であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    5のいずれかに記載のガラスの描画方法。
  7. 【請求項7】 複数のガルバノメータミラーによって、
    前記ガラスへのレーザ光の照射位置を移動させることを
    特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のガ
    ラスの描画方法。
  8. 【請求項8】 水平方向および/または垂直方向に移動
    可能なステージによって、前記ガラスを移動させること
    を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の
    ガラスの描画方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載
    のガラスの描画方法によって、文字、図形、絵柄または
    バーコードが描画されていることを特徴とするガラス。
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