JP2004002057A - ガラスの着色方法 - Google Patents

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山手 貴志
Hiroyuki Tamon
多門 宏幸
Shinji Nishikawa
西川 晋司
Hiroshi Kamimura
上村 宏
Kohei Sumino
角野 広平
Tomoko Akai
赤井 智子
Masaru Yamashita
山下 勝
Tetsuo Yazawa
矢澤 哲夫
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Central Glass Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

【課題】レーザ照射によって着色可能な銀を含有するガラスに位置精度よく、エネルギーロス少なく、実生産においてタクトタイムよくガラス全面を着色するとリサイクル可能とする。
【解決手段】レーザ発振器、光変調器、ガルバノメータおよびリニアトランスレータに搭載された集光レンズおよび対物レンズ、またはfθレンズからなるレーザ照射装置より、ソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀を0.005〜0.5wt%添加し溶融し製造された銀含有ガラスにレーザ光を照射し、非架橋酸素ホールセンタを形成させて着色させることを特徴とするガラスの着色方法、および該着色方法による着色したガラスを300〜550℃に加熱して消色する方法。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀を含有させたガラスに高エネルギー光を照射することで、ガラスを着色する方法、およびこのようにして着色したガラスを消色する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無色透明な廃ガラスと比較して、着色板ガラスおよび着色ガラス瓶等の廃ガラスは、発色種として遷移金属イオンあるいは金属コロイド粒子を用いて着色している。よって、ガラス原料とするために粉砕しカレットとして、再溶融しても発色種の色が残るためにリサイクルすることが難しい。
【0003】
カレットとして再溶融した際に着色が残らないように、リサイクルに適した着色ガラスがいくつか提案されている。例えば、(a)透明ガラスに有機ポリマーをコーティングしてなる着色ガラス、(b)透明ガラスに有機色素を含有したケイ素アルコキシドのゾルをコーティングした着色ガラスがあり、共にリサイクルのための再溶融時に発色種を熱分解させて消色する方法である。
【0004】
一方、光やX線をガラスに照射すると、ガラスが着色する現象が知られている。この着色は、ソーダライムシリケートガラスなどのアルカリガラス中の非架橋酸素Si−O−Naに、光またはX線を照射しO−Naより電子を放出させることで、可視光が吸収される非架橋酸素ホールセンタなどのカラーセンタを形成させ、光またはX線を照射した部分が褐色に着色したことによるものである。しかしながら、光またはX線照射は、ガラスの強度低下、透明性の劣化などの原因となるので、着色方法としては、積極的に研究されず、逆に光照射による着色を防ぐ研究が盛んに行われ、カラーセンタによるガラスの着色は、常温においても不安定で、徐々に退色するという問題もあり、ガラスの着色手段として顧みられることはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常、着色ガラスは、遷移金属を着色源としてガラス原料に添加することで、遷移金属イオンにより着色されている、また、着色膜付きガラスは、無機顔料または金属酸化物をシリカ、チタニアなどの透明マトリックスに分散させた着色膜を被覆して製造される。この様に、着色ガラスおよび着色膜付きガラスは、遷移金属イオンまたは金属酸化物など金属によって、着色されているので、リサイクルすることが難しいという問題があった。即ち、溶融しても色が残り、色の違うガラスは同じ溶融窯で溶融することができずリサイクルできないという問題があった。
【0006】
また、前述のようにカレットとして再溶融した際に着色が残らないように、リサイクルに適した着色ガラスがいくつか提案されているが、(a)の方法はコーティング時、有機溶媒が揮発すること、ポリマー膜に数10μmの膜厚を要しキズが付き易いこと、焼成の際に有機ポリマーの分解に伴うガスが発生すること等の課題がある。(b)の方法は、経時的に進行するゾルの変質および析出を抑制するためのゾル液の管理、廃液処理、およびコーティング時の雰囲気調整等の課題がある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決し、銀を含有させたガラスに高エネルギー光を照射することで、ガラスを着色する方法、およびこのようにして着色したガラスを消色する方法を提供し、リサイクルが容易なガラスを供給することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銀を含有させたガラスにレーザ光を照射することで、該ガラス中に可視光を吸収するカラ−センタ、即ち、非架橋酸素ホールセンタを形成して着色させる方法に関する。
【0009】
本発明により着色されたガラスは、300℃以上に加熱することで非架橋酸素ホールセンタが消滅し消色するので、ガラスの着消色が行える。
【0010】
即ち、本発明は、レーザ発振器、光変調器、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ、対物レンズ、およびガルバノメータミラーからなるレーザ照射装置により、ソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀を0.005〜0.5wt%添加し溶融し製造された銀含有ガラスにレーザ光を照射することで、ガラス中に非架橋酸素ホールセンタを形成して着色させることを特徴とするガラスの着色方法である。
【0011】
更に、本発明は、レーザ発振器、光変調器、ガルバノメータミラーおよびfθレンズからなるレーザ照射装置より、ソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀を0.005〜0.5wt%添加し溶融し製造された銀含有ガラスにレーザ光を照射することで、ガラス中に非架橋酸素ホールセンタを形成して着色させることを特徴とするガラスの着色方法である。
【0012】
更に、本発明は、レーザ発振器がUVパルスレーザ発振器、炭酸ガスレーザ発振器またはアルゴンイオンレーザ発振器であることを特徴とする上記のガラスの着色方法である。
【0013】
更に、本発明は、用いるレーザ光の種類が赤外光、近赤外光、可視光、または紫外光であることを特徴とする上記のガラスの着色方法である。
【0014】
更に、本発明は、光変調器が音響光学変調器または電気光学変調器であることを特徴とする上記のガラスの着色方法である。
【0015】
更に、本発明は、複数のガルバノメータミラーよって、ガラスへのレーザ光の照射位置を移動させることを特徴とする上記のガラスの着色方法である。
【0016】
更に、本発明は、水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージによって、ガラスを移動させることを特徴とする上記のガラスの着色方法である。
【0017】
更に、本発明は、上記のガラスの着色方法によって、着色されていることを特徴とするガラスである。
【0018】
更に、本発明は上記のガラスを、300℃以上に加熱することによって着色部を消色する方法である。
【0019】
本発明のガラスの着色方法に使用する銀含有ガラスには、ソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀を0.005〜0.5wt%添加し溶融し製造されたガラスを用いることが好ましい。
【0020】
銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀の添加量が0.005wt未満であると、X線、ガンマ線、レーザ光などの高エネルギー光を照射したとしても、ガラス中に生成される非架橋酸素ホールセンタの密度が小さく、目視にて確認できるほどの着色が得られない。また、添加量が0.5wt%を越えるとガラス表面の銀が酸化されることによる失透が生じ好ましくない。
【0021】
本発明のガラスの着色方法に使用するレーザ照射装置の構成物であるレーザ発振器には、連続的にレーザ光を発光する連続レーザ発振器、パルス状にレーザ光を発光するパルスレーザ発振器のどちらを用いても構わない。例えば、高出力レーザ発振器である炭酸ガスレーザ発振器、YAGレーザ発振器、UVパルスレーザ発振器またはアルゴンイオンレーザ発振器などを用いることができる。
【0022】
また、用いるレーザ光の種類は、赤外光、近赤外光、可視光または紫外光が挙げられ、波長100nm以上、1mm(10nm)以下の光を使用することができ、例えば、炭酸ガスレーザ発振器、UVパルスレーザ発振器またはアルゴンイオンレーザ発振器を使用することができる。本発明において、波長が短く光子エネルギーが高いため、UVパルスレーザを用いることが好ましい。
【0023】
本発明のガラスの着色方法に使用するレーザ照射装置の構成物である光変調器は、スイッチング素子としての役割を果たす。即ち、レーザ光の進行方向を変えるか、遮蔽と透過を切り替えることで、加工物に対してレーザ光の照射のON/OFFを正確に制御するものである。ON/OFFを行うことで、文字、作画が非連続となり様々な描画に対応できる。光変調器には、音響光学変調器(以後、AOMと略する)または電気光学変調器(以後、EOMと略する)のいずれを用いても構わない。
【0024】
AOMは、ONの状態では、無線周波数域のRF波を超音波に変える圧電素子、即ち、トランスデューサにより石英ガラスに超音波を伝搬させ、石英ガラスの密度揺らぎにより回折格子を形成してレーザ光を回折させ、その光路を変化させる、OFFの状態では、レーザ光を石英ガラス内に直進させるスイッチング素子である。
【0025】
EOMは、レーザ光に電圧を掛け偏光方向を変えることで、偏光板によりレーザ光を通過または遮蔽させるスイッチング素子である。
【0026】
本発明のガラスの着色方法に使用するレーザ照射装置の構成物であるガルバノメータミラーは、可動可能な複数のミラー、通常、Xミラー、Yミラーからなり、ミラーの角度を変えてレーザ光の光軸を振ることが可能である。Xミラー、Yミラーの角度を制御しつつ操作調整し、光軸を振って対象物であるガラスへのレーザ光の照射位置を移動させて、精度よくガラスを着色することができる。
【0027】
また、レーザ光の照射を用いる本発明の方法は、エネルギーロスが少なく実生産においてタクトタイムが短く経済生産に優れる。
【0028】
本発明のガラスの着色方法に使用するレーザ照射装置の構成物として、リニアトランスレータに搭載された集光レンズと対物レンズ、またはfθレンズは、ガルバノメータミラーによって円弧状に走査されたレーザ光の焦点位置を補正し、平面上に集光させ描画の解像度を上げる役割を果たす。
【0029】
本発明のガラスの着色方法に使用するレーザ照射装置の構成物である水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージ、例えば、照射面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージによって、高速でレーザ光を走査する際、ガラスを移動させることによりガラスの着色を効率よく行うことができる。
【0030】
また、本発明は、銀が含有されたガラスにレーザ光を照射することで、該ガラス中に可視光を吸収するカラ−センタ、即ち、非架橋酸素ホールセンタを形成して着色させる方法であるので、本発明により着色されたガラスは、300℃以上に加熱することで非架橋酸素ホールセンタが消滅し消色するので、ガラスの消色が行えリサイクルが容易である。300℃未満では非架橋酸素ホールセンタが消失せず、消色し難い。
【0031】
本発明のガラスの着色方法により着色したガラスは330℃以上に加熱すると消色するので、ソーダライムシリケートガラスの変形が起こらない550℃以下で消色することが可能である。
【0032】
本発明に使用する銀を含有させたガラスは、板ガラスに限らず瓶ガラスでもよく形状は問わない。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、レーザ光の焦点位置の制御に集光レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ照射装置の一例の説明図である。
【0034】
図1に示すレーザ発振器1は、炭酸ガスレーザ発振器、または、紫外、即ち、UVパルスレーザ発振器である。UVパルスレーザ発振器には、通常、AOMまたはEOMからなる光変調器が、通称、Qスイッチとして既に組み込まれている。集光レンズ2および対物レンズ3のうち、図示しないリニアトランスレータに搭載された集光レンズ2を、リニアトランスレータにより光軸上を動かすことによって、ターゲット6である銀含有ガラスの照射面にレーザビーム径を集光する。
【0035】
炭酸ガスレーザ発振器、またはUVパルスレーザ発振器より発光させたレーザ光は、集光レンズ2、次いで対物レンズ3を通過した後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、その後、ターゲット6である銀含有ガラスに照射させて、該銀含有ガラスへのレーザ光照射部を着色する。前記銀含有ガラスの着色は、照射面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7に載せて、ステージ7を移動させつつ銀含有ガラス上にレーザ光を走査させて行うこともできる。
【0036】
コンピュータ8にデジタルコマンドデータとして入力され、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたコントロール信号は、サーボドライバ10に受信されて、サ−ボドライバ10が、集光レンズ2、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、銀含有ガラス上のレーザ光の照射位置を移動させる。
【0037】
図2は、レーザ光の焦点位置の制御にfθレンズを用いた本発明に使用するレーザ照射装置の一例の説明図である。
【0038】
レーザ発振器1である、アルゴンイオンレーザ発振器により発光したレーザ光は、スイッチング素子であるAOM12を通過した後、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5により反射し、fθレンズ13を透過した後、ターゲット6である銀含有ガラスに照射させて、該銀含有ガラスへのレーザ光照射部を着色する。fθレンズ13は、ガルバノメータミラーによって走査されるレーザ光をターゲット6である銀含有ガラスに集光する。
【0039】
該銀含有ガラスの着色は、照射面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7によって、ステージ7を移動させつつ、該銀含有ガラス上にレーザ光を走査させて行うこともできる。
【0040】
コンピュータ8に入力されたデジタルコマンドデータは、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換される。AOMドライバ11は、コンピュータ8から送信されデジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたレーザ変調信号を無線周波数の信号、即ち、RF信号に変換し、図示しない圧電素子、即ち、トランスデューサを介して、AOM12の中に超音波を発生させる。AOM12に入射したレーザ光は、超音波が形成する回折格子によって回折され、その光路が変化する。その結果、レーザ光はON/OFFする。一方、コンピュータ8にデジタルコマンドデータとして入力され、デジタル・アナログ・コンバータ9によってアナログ信号に変換されたコントロール信号は、サーボドライバ10に受信されて、サ−ボドライバ10が、ガルバノメータミラーであるXミラー4およびYミラー5の動作を制御しつつ駆動させ、ターゲット6である銀含有ガラス上のレーザ光の照射位置を移動させる。
【0041】
本発明のガラスの着色方法に使用するレーザ照射装置の構成物であるステージ7は、例えば、照射面に対し水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージで構成され、高速でレーザ光を走査する際、前記銀含有ガラスを移動させることによりガラスの着色を効率よく行うことができる。
【0042】
本発明の着色方法により着色されるガラス6は、銀含有ガラス6である。該銀含有ガラスは、ソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀を0.005〜0.5wt%添加し溶融し製造されたガラスである。
【0043】
図1に示したレーザ発振器1として炭酸ガスレーザ発振器またはUVパルスレーザ発振器を用い、レーザ光の焦点位置の制御に集光レンズ2および対物レンズ3を用いたレーザ照射装置と、図2に示したレーザ発振器1として、アルゴンイオンレーザ発振器を用い、レーザ光の焦点位置の制御にfθレンズ13を用いたレーザ照射装置を、本発明の銀含有ガラスの着色方法に使用した場合の差異について説明する。
【0044】
図1の照射装置はUVパルスレーザ発振器を用いており、図2の照射装置で用いられているアルゴンイオンレーザ発振器に比較して、光子エネルギーが高いため、レーザ照射径が同じならば、少ないレーザ出力で濃い着色濃度が得られる。
【0045】
また、図1の照射装置は、ワーキングディスタンスを変えることが可能であり、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ2をレーザ光の光軸上で動かすことによって、レーザ光の照射径を自在に変えることが可能である。
【0046】
本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって、限定されるものではない。
【0047】
【実施例】
レーザ発振器1として、UVパルスレーザ発振器を用いて、図1に示すように、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ2、対物レンズ3、ガルバノメータ内のXミラー4、Yミラー5、水平方向に移動可能なX−Y軸ステージと垂直方向に移動可能なZ軸ステージからなるXYZ−ステージ7に付設されたホルダからなり、ホルダにターゲット6である銀含有ガラスが取り付けられる。
【0048】
該銀含有ガラスは、組成がSiO、72wt%、NaO、16wt%、CaO、10wt%、Al、2wt%となるようにしたソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀または塩化銀が0.02wt%となるように各々添加し、ボールミルにて1時間混合させたものを坩堝に入れて、1480℃に予め加熱された電気炉内に2時間入れて溶融させた後、冷却固化させたものを研削して、板厚5mm、サイズ100mm角とした銀含有ガラス基板である。
【0049】
UVパルスレーザ発振器より、波長、355nm、繰り返し周波数、25kHz、パルスエネルギー、120μJ、平均出力3Wで発振させたレーザ光の光径を集光レンズ2により絞ってレーザビームとし、Xミラー4とYミラー5とで反射させ、ホルダに取り付けられた板厚5mm、サイズ100mm角のターゲット6である前記銀含有ガラスの表面に、スポットサイズ、4μm、ショット間隔、10μm、線間隔、10μm、走査速度244mm/sで走査し、照射部が24mm×24mmの正方形となるように照射した。
実施例1
前記ソーダライムシリケートガラス原料の合量に対し、銀を0.02wt%添加し、前述の作製方法で得られた銀含有ガラス基板の可視光透過率を測定したところ、91.1%であった。そのガラス基板に前述の照射条件でUVレーザ光を照射し、照射部の可視光透過率を測定したところ、可視光透過率は82.6%であり、目視にて淡褐色に着色していた。
【0050】
また、ヘーズ値は、照射前が0.18%であったのに対し、照射後が0.17%であった。レーザ照射によって板ガラスの表面と内部に加工痕が生成しないため、ヘーズは変化しなかった。
実施例2
前記ソーダライムシリケートガラス原料の合量に対し、硝酸銀を0.02wt%添加し、前述の作製方法で得られた銀含有ガラス基板の可視光透過率を測定したところ、91.0%であった。そのガラス基板に前述の照射条件でUVレーザ光を照射し、照射部の可視光透過率を測定したところ、可視光透過率は82.1%であり、目視にて淡褐色に着色していた。
【0051】
また、ヘーズ値は、照射前が0.18%であったのに対し、照射後が0.17%であった。レーザ照射によって板ガラスの表面と内部に加工痕が生成しないため、ヘーズは変化しなかった。
実施例3
前記ソーダライムシリケートガラス原料の合量に対し、塩化銀を0.02wt%添加し、前述の作製方法で得られた銀含有ガラス基板の可視光透過率を測定したところ、91.3%であった。そのガラス基板に前述の照射条件でUVレーザ光を照射し、照射部の可視光透過率を測定したところ、可視光透過率は82.3%であり、目視にて淡褐色に着色していた。
【0052】
また、ヘーズ値は、照射前が0.08%であったのに対し、照射後が0.15%であった。レーザ照射によって板ガラスの表面と内部に加工痕が生成しないため、ヘーズは変化しなかった。
実施例4
前記ソーダライムシリケートガラス原料の合量に対し、硝酸銀を0.02wt%添加し、前述の作製方法で得られた銀含有ガラス基板の可視光透過率を測定したところ、91.0%であった。そのガラス基板にUVレーザ光を前述の照射条件で5回繰り返し照射し、照射部の可視光透過率を測定したところ、可視光透過率は68.4%であり、目視にて淡褐色に着色していた。
【0053】
また、ヘーズ値は、照射前が0.1%であったのに対し、照射後が0.1%であった。レーザ照射によって板ガラスの表面と内部に加工痕が生成しないため、ヘーズは変化しなかった。
【0054】
可視光透過率は、分光光度計(日立製作所製、340型自記)で波長340〜1800nmの間の透過率を測定し、JIS Z 8722およびJIS R 3106またはJIS Z 8701に準拠して求めた。UVレーザを照射した後の実施例1〜3の銀含有ガラスの分光スペクトルは、非架橋酸素ホールセンタによるカラーセンタ生成の特徴である波長420nmと620nmに光吸収が認められた。
【0055】
実施例1〜4のUVレーザ照射により淡褐色に着色した銀含有ガラスを、400℃に、30分間、加熱したところ消色した。消色部に再度、前述の照射条件でUVレーザ光を当てると淡褐色に着色することより、実施例1〜4のガラスは、着色と消色を繰り返すことが可能であった。
【0056】
【発明の効果】
本発明のガラスの着色方法により、ソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀を0.005〜0.5wt%添加し溶融し製造された銀含有ガラスにレーザ光を照射することで、透明な該銀融ガラスを淡褐色に着色させることができる。
【0057】
本発明のガラスの着色方法に用いたレーザ照射装置を用いれば、前記ガラス全面にレーザ孔を高速スキャンニングしつつ照射することでガラス全面を着色することができる。
【0058】
本方法で着色されたガラスは300〜550℃に加熱すると、形状を変形させることなく消色し、無色透明に戻るので、リサイクルが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ光の焦点位置の制御に集光レンズおよび対物レンズを用いた本発明で使用するレーザ照射装置の一例の説明図である。
【図2】レーザ光の焦点位置の制御にfθレンズを用いた本発明で使用するレーザ照射装置の一例の説明図である。
【符号の説明】
1  レーザ発振器
2  集光レンズ
3  対物レンズ
4  Xミラー
5  Yミラー
6  ターゲット(銀含有ガラス)
7  XYZ−ステージ

Claims (9)

  1. レーザ発振器、光変調器、リニアトランスレータに搭載された集光レンズ、対物レンズ、およびガルバノメータミラーからなるレーザ照射装置により、ソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀を0.005〜0.5wt%添加し溶融し製造された銀含有ガラスにレーザ光を照射することで、ガラス中に非架橋酸素ホールセンタを形成して着色させることを特徴とするガラスの着色方法。
  2. レーザ発振器、光変調器、ガルバノメータミラーおよびfθレンズからなるレーザ照射装置より、ソーダライムシリケートガラスの原料の合量に対し、銀、硝酸銀、塩化銀および/または酸化銀を0.005〜0.5wt%添加し溶融し製造された銀含有ガラスにレーザ光を照射することで、ガラス中に非架橋酸素ホールセンタを形成して着色させることを特徴とするガラスの着色方法。
  3. レーザ発振器がUVパルスレーザ発振器、炭酸ガスレーザ発振器またはアルゴンイオンレーザ発振器であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラスの着色方法。
  4. 用いるレーザ光の種類が赤外光、近赤外光、可視光、または紫外光であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガラスの着色方法。
  5. 光変調器が音響光学変調器または電気光学変調器であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガラスの着色方法。
  6. 複数のガルバノメータミラーよって、ガラスへのレーザ光の照射位置を移動させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガラスの着色方法。
  7. 水平方向および/または垂直方向に移動可能なステージによって、ガラスを移動させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のガラスの着色方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のガラスの着色方法によって、着色されていることを特徴とするガラス。
  9. 請求項8に記載のガラスを、300℃以上に加熱することによって着色部を消色する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100594265B1 (ko) * 2004-03-16 2006-06-30 삼성전자주식회사 매스킹 방법이 적용된 데이터 암호처리장치, aes암호시스템 및 aes 암호방법.
CN110981190A (zh) * 2019-12-11 2020-04-10 福耀玻璃工业集团股份有限公司 一种着色薄玻璃和夹层玻璃

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