JP4192232B2 - 着色ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色ガラスの製造方法、着色ガラスおよびガラスのリサイクル方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
ガラスを着色する従来法として、1)ガラス中に溶融により遷移金属を添加し、ガラス全体を着色する方法、2)ガラスの表面に、ゾル−ゲル法などにより有機色素を含むフィルム、着色有機ポリマーのフィルムなどをコートする方法などがある。
【0003】
1)の方法は、現在、着色瓶などを製造する方法として使用されているが、ガラス全体を一色でしか着色できない。また、1)の方法により着色されたガラスが、
無色ガラスと混ざるとカレットとして再利用できなくなる。そのため、1)の方法により着色されたガラスは、リサイクルする際に、無色ガラスと分別する必要がある。また、1)の方法により着色されたガラスは、溶融しても消色しないのでリサイクルが不可能であり、廃棄物となるので、問題となっている。
【0004】
2)の方法により得られたガラスは、溶融するとコート材が燃え、有害物質が生じるので、環境汚染が問題となる。更に、ゾル−ゲル法は、ゾルの管理やコーティングの雰囲気を厳密に管理する必要があるので、操作が煩雑であり、また、大がかりな設備を必要とする。一方、有機ポリマーをコーティングする方法では、揮発性有機化合物による環境汚染も問題となる。
【0005】
そこで、1)または2)の方法の問題点であるリサイクル性・環境汚染の問題を解決するために、溶融により低濃度の金属を添加したガラスまたは表面のみイオン交換により金属イオンを添加したガラスに、レーザー、X線などを照射して着色する方法が、開発されつつある(例えば、非特許文献1〜3)。
【0006】
しかしながら、上記文献に記載の方法も、特定の色(黄色、紫または銀色)一色しかガラスに着色できないという欠点がある。このように、照射条件を変えるだけで様々な色を着色できる方法の開発が嘱望されている。
【0007】
一方、Agイオン含有塩を0.2mol%含む溶融塩に5分間浸漬することによりガラス表面をイオン交換し、水素雰囲気下において熱処理を行ったガラスに、パルス幅が120フェムト秒のパルスレーザー光を照射し、ガラスの一部分を黄色、赤、青などの多色に変化させる方法が、開発されている(非特許文献4〜6参照)。
【0008】
しかしながら、上記方法は、水素雰囲気下において熱処理を施さないと着色しないので、大量生産には不向きであるという問題点がある。
【0009】
また、この方法では、数百ミクロン以下までレーザー直径(スポットサイズ)をしぼり、レーザーのエネルギー密度を高めないと着色できないので、目で見えるような大面積の着色には不向きである(非特許文献6参照)。
【0010】
【非特許文献1】
陳四海、赤井智子、宇多川康司、角野広平および矢澤哲夫、紫外・X線照射を利用したリサイクルに適するAgドープ着色ガラスの作製、日本セラミックス協会第14回秋期シンポジウム講演要旨集、社団法人日本セラミックス協会、2001年9月26日、p.71-72
【0011】
【非特許文献2】
S. Chen, T. Akai, Y. Utagawa and T. Yazawa, Reversible control of silver nanoparticle generation and dissolution in soda-lime silicate glass through X-ray irradiation and heat treatment、日本セラミックス協会第14回秋期シンポジウム講演要旨集、社団法人日本セラミックス協会、2001年11月1日、p.85, p89及びp.91
【0012】
【非特許文献3】
京都新聞、株式会社京都新聞社、2001年12月7日、朝刊、第3社会面。
【0013】
【非特許文献4】
M. Kaempfe, H. Hofmeister, S. Hopfe, S. Seifert and H. Graener, Morphological Changes of Silver Nanoparticle Distribution in Glass Induced by Ultrashort Laser Pulses, J. Phys. Chem., American Chemical Society, 2000年11月28日、B 104, 11847-11852.
【0014】
【非特許文献5】
G. Seifert, M. Kaempfe, K. J. Berg and H. Graener, Femtosecond pump-probe investigation of ultrafast silver nanoparticle deformation in a glass matrix, Appl. Phys. B, Springer-Verlag、2000年9月20日、71, p795-800
【0015】
【非特許文献6】
G. Seifert, M. Kaempfe, K. J. Berg and H. Graener, Production of "dichroitic" diffraction gratings in glasses containing silver nanoparticles via particle deformation with ultrafast laser pulses、Appl. Phys. B, Springer-Verlag、2001年10月10日, 73, p355-359
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術を鑑み、大気中などの酸化雰囲気下で加熱処理を施しても、レーザーの照射条件を変えるだけで、赤、青などの異なった色を着色できる方法を提供することを主な目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
発明者は、鋭意研究の結果、イオン交換したガラスを酸化雰囲気下で熱処理後、パルスレーザーを照射することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
即ち、本発明は、下記の着色ガラスの製造方法、着色ガラスおよび前記ガラスのリサイクル方法に係る。
1.銀イオン含有塩を含む溶融塩に浸漬することによりイオン交換されたガラスを、酸化雰囲気下において熱処理し、パルス幅が10ピコ秒以下である少なくとも1種のパルスレーザーを照射することによって着色ガラスを製造する方法。
2.イオン交換されたガラスが、銀イオン含有塩1mol%以上を含む溶融塩に、1〜120分間浸漬することによりイオン交換されたガラスである上記1に記載の方法。
3.銀イオン含有塩が、硝酸銀またはハロゲン化銀である上記1または2に記載の方法。
4.熱処理温度が、500〜650℃である上記1〜3のいずれかに記載の方法。
5.熱処理時間が、0.5〜100時間である上記1〜4のいずれかに記載の方法。
6.イオン交換を300〜400℃において行う上記1〜5のいずれかに記載の方法。
7.銀粒子を含み、ガラス表面における銀粒子の濃度が最も高いガラスに、パルス幅が10ピコ秒以下である少なくとも1種のパルスレーザーを照射することによって着色ガラスを製造する方法。
8.パルスレーザーの波長が、380〜420nmである上記1〜7のいずれかに記載の方法。
9.上記1〜8のいずれかに記載の方法により得られた着色ガラス。
10.上記9に記載の着色ガラスを溶融する工程を含むガラスのリサイクル方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、銀イオン含有塩を含む溶融塩に、浸漬することによりイオン交換されたガラスを、酸化雰囲気下において熱処理し、パルス幅が10ピコ秒以下である少なくとも1種のパルスレーザーを照射することによって着色ガラスを製造する方法に係る。
【0020】
先ず、ガラスを銀イオンを含有する溶融塩に浸漬することによりイオン交換を行う。溶融塩中の銀イオン(Ag+)は、Na+, Li+, K+などのガラス中の一価の陽イオンと交換される。一般的なガラスには、Na+が含まれるので、通常Na+とAg+とがイオン交換される。イオン交換により得られた銀イオン含有ガラスは、ガラス表面における銀イオン濃度が高い。一方、銀化合物と無色ガラスとを溶融することにより得られた銀イオン含有ガラスは、ガラス全体に一様に銀イオンが含まれる。従って、顕微鏡観察などによって、銀イオンの分布を測定することにより、イオン交換により得られたガラスか、溶融法により得られたガラスかを見分けることができる。
【0021】
溶融塩中の銀イオン含有塩の濃度は、溶融塩全体に対して通常1mol%以上程度であり、好ましくは1〜50mol%程度であり、より好ましくは2〜10mol%程度である。
【0022】
溶融塩にガラスを浸漬する時間は、溶融塩中の銀イオン濃度などに応じて適宜変更することができるが、通常1〜120分程度であり、好ましくは10〜80分程度であり、より好ましくは15〜60分程度である。
【0023】
或いは、例えば、銀イオン含有塩の濃度が2mol%の溶融塩に40〜60分浸漬した場合と同じ程度の量となるようにイオン交換すればよい。例えば、銀イオン含有塩の濃度が10mol%の溶融塩なら、10〜20分程度浸漬すればよい。
【0024】
溶融塩には、銀イオン含有塩と他の塩が含まれる。銀イオン含有塩としては、例えばAgNO3;AgCl, AgBr, AgIなどのハロゲン化銀などを例示することができる。銀イオン含有塩としては、AgNO3が好ましい。溶融塩に含まれる銀イオン含有塩以外の塩としては、例えば、NaNO3、KNO3、LiNO3などの硝酸塩などを例示することができる。銀イオン含有塩以外の塩としては、イオン交換前のガラスに含まれる一価の陽イオンであって、Ag+とイオン交換される陽イオンと同種の陽イオンを含む塩が好ましい。例えば、Na+を含むガラスを用いる場合には、Na+を含む塩を用いるのが好ましい。
【0025】
イオン交換は、通常300〜400℃程度、好ましくは320〜360℃程度において行われる。
【0026】
イオン交換に用いるガラスの組成は、特に制限されない。例えば、一成分系の石英ガラス、多成分シリケートガラス(例えばNa2O-SiO2系、Na2O-CaO-SiO2系、Na2O-CaO-SiO2-Al2O3系、Na2O-B2O3-SiO2系)などのケイ酸塩ガラスを例示することができる。これらの中では、Na2O-CaO-SiO2-Al2O3などの多成分シリケートガラスが好ましい。
【0027】
イオン交換に用いるガラスには、ガラス構成成分として、SiO2が、通常60〜90wt%程度、好ましくは65〜80wt%程度、特に好ましくは70〜78wt%程度含まれる。また、イオン交換に用いるガラスには、CaOが通常0〜20wt%程度、好ましくは5〜12wt%程度含まれており、Na2Oが通常0〜20wt%程度、好ましくは10〜18wt%程度含まれる。また、必要に応じて、Al2O3が通常0〜6wt%程度、好ましくは0〜5wt%程度、より好ましくは1〜5wt%程度含まれていてもよい。
【0028】
イオン交換に用いるガラスは、例えば、所望の組成となるように調製した各原料を溶融し、除冷する方法などにより製造することができる。溶融温度は、ガラスの組成などに応じて適宜設定することができるが、通常1300〜1500℃程度、好ましくは1350〜1450℃程度である。溶融時間は、原料が一様に溶融するのに十分な時間であれば特に制限されないが、通常1〜8 時間程度、好ましくは3〜4時間程度である。また、イオン交換に用いるガラスは、瓶ガラス、板ガラスなどの市販の無色ガラスを用いることもできる。
【0029】
イオン交換されたガラスを加熱処理する温度は、通常500〜650℃程度、好ましくは540〜620℃程度、より好ましくは560〜610℃程度である。加熱温度が高すぎる場合には、ガラスが軟化するおそれがある。加熱時間は、加熱温度などに応じて適宜設定することができる。通常、加熱温度が高いほど、加熱時間を短くすることができる。加熱時間は、通常0.5〜100時間程度、好ましくは、10分〜50時間程度である。加熱雰囲気は、酸化雰囲気下であれば特に制限されず、例えば空気中であっても所望の効果が得られる。通常、加熱処理を施したガラスは、黄色に着色している。加熱処理により、ガラス中の銀イオンは、銀粒子に変化する。従って、熱処理により得られた黄色のガラスは、ガラス表面の銀粒子濃度が高い。
【0030】
次に、熱処理後のガラスにパルス幅が10ピコ秒以下である少なくとも1種のパルスレーザーを照射する。
【0031】
レーザーのパルス幅は、通常10ピコ秒以下程度であり、好ましくは50フェムト秒〜200フェムト秒程度、より好ましくは90フェムト秒〜150フェムト秒程度である。パルス幅が大きすぎる場合には、所望の色に変化しなかったり、ガラス表面が削られるおそれがある。
【0032】
用いるパルスレーザーは、所定のパルス幅である限り特に制限されず、例えば、チタン−サファイアレーザー、YAGレーザー、可視光色素レーザーなどを例示することができる。これらの中では、チタン−サファイアレーザー、YAGレーザーなどが好ましい。
【0033】
レーザーの波長は、特に制限されないが、通常380〜420nm程度であり、好ましくは390〜410nm程度である。パルスレーザーのエネルギーは、特に制限されないが、通常10〜200mW程度であり、好ましくは30〜100mW程度である。パルスレーザーの周波数は、特に制限されないが、通常100Hz〜2kHz程度であり、好ましくは500Hz〜1.5kHz程度である。パルスレーザーのスポットサイズ(スポットの直径)は、特に制限されないが、通常100μm〜2mm程度であり、好ましくは0.5〜1mm程度である。
【0034】
レーザーの照射時間は、所望の色などに応じて適宜設定することができる。通常、レーザー照射により黄色のガラスが、赤に着色し、更に照射すると青に着色する。得られた着色ガラスは、400〜900nm程度、条件によっては410〜500nm程度に吸収極大またはショルダーを有する場合がある。吸収極大における吸光度は、通常0.05〜3程度であり、条件によっては0.1〜3程度とすることもできる。
【0035】
本発明には、上記方法により得られた着色ガラスが含まれる。本発明の着色ガラスには、ガラス全体が一様に着色されたガラスだけでなく、一部分のみが着色されたガラスも含まれる。本発明の着色ガラスは、公知の方法を用いて、着色前などに所望の形態に成形することができる。
【0036】
本発明のガラスは、再溶融することによって消色する。再溶融温度、通常約1200℃以上、好ましくは1300〜1500℃程度、より好ましくは、1350〜1450℃程度である。再溶融させる場合の加熱時間は、一様に溶融される限り特に制限されないが、通常30分〜6時間程度、好ましくは2時間〜4時間程度である。加熱雰囲気は、特に制限されず、空気中などの酸化雰囲気下などを例示できる。本発明のガラスは、再溶融することによって無色ガラスとなるので、無色ガラスと分別することなく、一緒にリサイクルすることができる。
【0037】
本発明の着色ガラス中には、Agは、金属微粒子のコロイドとして存在し、一部はAg+として存在する。一方、着色ガラスを加熱することにより得られた無色ガラス中では、Ag+として存在する。
【0038】
【発明の効果】
本発明の方法によると、レーザーの照射条件を変化させることによって、一つのガラス製品を様々な色で着色することができる。もちろん、ガラス全体を一色に着色することも可能である。
【0039】
本発明の熱処理は、空気雰囲気などの酸化雰囲気などにおいて施すことができるので、水素還元に必要な特別な装置などは不要である。
【0040】
本発明の方法によると、レーザーのエネルギー密度が、比較的低い場合にも、着色することができる。そのため、レーザー直径を1mm程度のスポットとしても、着色できる。
【0041】
本発明の方法によると、レーザーを走査することによって、広い面積を着色することが可能である。
【0042】
本発明の着色ガラスは、再溶融すると無色になる。本発明のガラスは、公知の無色ガラスと混合後、再溶融しても無色のガラスを得ることができるので、既存ルートで再利用することが可能であり、収集時にガラスを種類ごとに分別する必要がない。
【0043】
本発明によると、カドミウム、セレン、鉛などの有害な成分を含まない着色ガラスを得ることができる。
【0044】
本発明の着色ガラスは、金属含有量が比較的少ない場合であっても着色するので、低コストで着色ガラスを得ることができる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
【0046】
実施例1
重量組成が15.2%NaO−10.2%CaO−73.2%SiO−1.3Alである瓶ガラスを2mol%AgNOと98mol%NaNOからなる溶融塩に、330℃において60分間浸して、イオン交換を行った。その後、600℃で24時間、酸化雰囲気で熱処理を行った。得られたガラスは、黄色を呈していた。この黄色のガラスに、図1に示すような光学系を用いて、チタンサファイヤレーザー(波長:800nm)の倍波(波長:400nm)を、出力:60mW、周波数:1kHzおよびパルス幅:100fsで照射した。レーザーのスポットサイズを広げるために、焦点距離より8.5cmレンズに近い位置にガラスを設置し、スポットサイズを1mm程度まで広げた。
【0047】
黄色のガラスにレーザーを4秒間照射すると赤色に着色し、照射時間が合計10秒になるまで照射すると、青色に着色した(図2)。更に、照射時間が合計60秒になるまで照射すると、薄い青色に着色した。また、レーザーをスキャンすることで、広い面積を着色することができた。
【0048】
照射時間を様々に変化させて、着色ガラスの吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、顕微鏡(オリンパス製、BX-50)を利用した。顕微鏡内蔵のハロゲンランプ(波長400〜700nm)の光を着色ガラスに照射し、着色ガラスを透過した光を光ファイバーを用いて取り出した。取り出した光を分光器(Ocean optics製、USB2000、回折格子:3000 line/mm、プレーズ波長:500nm)を用いて測定した。着色ガラスの吸収スペクトルを図3に示す。
【0049】
得られた着色ガラスを、1350℃において2時間程度加熱することにより再溶融した。再溶融したガラスを冷却すると、無色ガラスとなった。
【0050】
実施例2
溶融塩中のAgNO3濃度を10mol%とし、イオン交換時間を10分とした以外は、実施例1と同様の方法によって、瓶ガラスを着色した。
【0051】
照射時間を様々に変化させて、実施例1と同様にして着色ガラスの吸収スペクトルを測定した。着色ガラスの吸収スペクトルを図4に示す。実施例1と同様の結果が得られた。
【0052】
比較例1
熱処理を行わない以外は、実施例1と同様の条件で、イオン交換およびレーザー照射を行った。レーザーが透過した部分が、黒くなっただけであった。
【0053】
比較例2
実施例1において用いたのと同じ組成の瓶ガラスを0.2mol%AgNO3と99.8mol%NaNO3からなる溶融塩に、330℃で5分間浸して、イオン交換を行った。その後、窒素気流下、535℃で5時間熱処理を行った。得られたガラスに対して、実施例1と同様の条件でレーザー照射を行った。しかしながら、色調に変化は見られなかった。
【0054】
比較例3
熱処理を大気中で施し、加熱時間を24時間とした以外は、比較例と同様の方法を用いて、ガラスを処理した。レーザー照射後のガラスは、無色であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例において用いた光学系を模式的に示す図である。
【図2】図2は、実施例1において得たガラスを示す。左から、レーザー0.5秒照射後のガラス、4秒照射後のガラス及び10秒照射後のガラスである。
【図3】図3は、実施例1において得られた着色ガラスの吸収スペクトルを示す図である。
【図4】図4は、実施例2において得られた着色ガラスの吸収スペクトルを示す図である。

Claims (6)

  1. 銀イオン含有塩1mol%以上を含む溶融塩に1〜120分間浸漬することによりイオン交換された、カドミウム、セレン及び鉛を含まないガラスを、酸化雰囲気下において熱処理し、パルス幅が10ピコ秒以下である少なくとも1種のパルスレーザーをスポットサイズ1〜2mmで照射することによって着色ガラスを製造する方法。
  2. 銀イオン含有塩が、硝酸銀またはハロゲン化銀である請求項1に記載の方法。
  3. 熱処理温度が、500〜650℃である請求項1または2に記載の方法。
  4. 熱処理時間が、0.5〜100時間である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. イオン交換を300〜400℃において行う請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. パルスレーザーの波長が、380〜420nmである請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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