JP2008094713A - ガラス基材の表面改質方法、および表面改質ガラス基材 - Google Patents

ガラス基材の表面改質方法、および表面改質ガラス基材 Download PDF

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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C3/093Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium containing zinc or zirconium

Abstract

【課題】ガラス基材の任意の位置に、任意の形状やパターンを、高い精度で設けることができる、ガラス基材の表面改質方法および位置選択的に異なる屈折率を発現することができる、表面改質ガラス基材を提供すること。
【解決手段】ガラス基材と電極との間に、単結合強度が126kJ/mol以下の酸化物を形成するカチオンを酸化物に換算し1重量%以上含有するカチオン供与体を介在させ、前記ガラス基材に熱ポーリング処理を施すことにより、ガラス基材の表面を改質する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス基材の表面改質方法、および表面改質ガラス基材に関する。
従来から、ガラスは、オプトエレクトロニクス産業、ディスプレイ産業、バイオ産業、環境産業、新エネルギー産業、省エネルギー産業などの産業分野において、非常に重要な材料の一つである。たとえば、光ファイバーに用いられているシリカガラスは、光通信に代表されるフォトニクス技術において、重要な材料である。
また、イオンが注入され、表面が改質されたガラスは、光導波路、光学フィルターなどへの応用が期待されている。
ガラス中にイオンを注入する方法としては、従来から、イオンビームをガラスに照射してイオンをガラスに注入する方法が知られている。しかし、この方法は、大型の装置を必要とするため、コストが高く、また、単位時間当たりの加工可能な面積が小さいという欠点がある。
一方、金属微粒子が分散したガラス材料は、金属微粒子の非線形光学効果を利用した高速光スイッチング素子などの光制御デバイスへの応用が期待されている。なかでも、大きな非線形光学効果を得るためには、ガラス材料中に分散させる金属微粒子の平均粒子径は1〜4nmが好ましい。
金属微粒子をガラスに析出させる方法としては、従来から、金属イオンを含有するガラスに熱処理を施す方法が知られている。しかし、この方法を使用した場合、析出部位を制御し、パターニングすることは不可能である。また、この方法は、一般に平均粒子径が10〜80nmの大きい金属微粒子しか析出させることができないという欠点がある。
金属を位置選択的に析出させる方法としては、たとえば、パルスレーザー光の集光照射による金属イオンの還元によりガラス材料内部に金属微粒子を選択的に析出させる方法(たとえば、特許文献1または非特許文献1参照)が知られている。しかし、特許文献1または非特許文献1記載の方法は、ガラス材料へのパルスレーザー光の照射が行なわれるため、複雑な仕組みで大型の装置が必要であり、しかもパルスレーザー光を発生させる際に多くのエネルギーが必要であるというプロセス上のコストが増大するという欠点がある。また、特許文献1または非特許文献1に記載の方法は、位置選択性や、パターニング精度などを考慮すると、光の回折限界以下の超微細加工は不可能であるという欠点がある。
さらに、前記のように、金属微粒子を析出させる方法とは異なり、金属を蒸着させたソーダガラスに熱ポーリング処理を施すことにより、金属イオンをガラス中に移動させ、導波路を作製する方法(たとえば、非特許文献2参照)や、金属をドープしたソーダライムガラスに熱ポーリング処理を施すと、金属が金属イオンに変化する結果、透明度が向上することは報告されている(たとえば、非特許文献3参照)。
特開平11−60271号公報 「アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)」,2002年10月14日,第81巻,第16号,p.3040−3042 「アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)」,1980年7月,第51巻,第7号,p.3563−3565 「アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)」,2004年8月9日,第85巻,第6号,p.872−874
本発明は、ガラス基材の任意の位置に、任意の形状やパターンを、高い精度で設けることができる、ガラス基材の表面改質方法を提供することを1つの目的とする。また、本発明は、位置選択的に異なる屈折率を発現することができる、表面改質ガラス基材を提供することを他の目的とする。
本発明は、ガラス基材と電極との間に、単結合強度が126kJ/mol以下の酸化物を形成するカチオンを酸化物に換算し1重量%以上含有するカチオン供与体を介在させ、前記ガラス基材に熱ポーリング処理を施す工程を有することを特徴とするガラス基材の表面改質方法に関する。
前記カチオンは、ナトリウムイオンであることが好ましい。
さらに、前記カチオン供与体は、ホウケイ酸ガラスであることが好ましい。
前記ガラス基材の表面改質方法においては、前記カチオン供与体を、前記ガラス基材表面の改質したい所望の部位にのみ接触させ、該ガラス基材表面にパターンを形成させることが好ましい。
前記カチオン供与体は、ガラス基材との接触部に、フォトリソグラフィーにより形成されたパターンを有することが好ましい。
前記ガラス基材は、遷移金属イオンを含有することが好ましい。
前記遷移金属イオンは、銀イオン、銅イオン、金イオン、白金イオン、チタンイオンおよびパラジウムイオンからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
前記ガラス基材における前記遷移金属イオンの含有量は、0.01〜5モル%であることが好ましい。
前記ガラス基材の表面改質方法は、前記ガラス基材に熱ポーリング処理を施した後に、該ガラス基材にエッチング加工を施す工程を含むことが好ましい。
また、本発明は、前記表面改質方法により、ガラス基材の少なくとも表面の一部に金属微粒子が析出している表面改質ガラス基材に関する。
前記ガラス基材は、表面から0μmを超え、2μm未満の深さに金属微粒子が析出していることが好ましい。
前記金属微粒子は、銀、銅、金、白金、チタンおよびパラジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなる微粒子であることが好ましい。
前記金属微粒子の平均粒子径は、1〜20nmであることが好ましい。
本発明のガラス基材の表面改質方法は、ガラス基材の任意の位置に、任意の形状やパターンを、高い精度で設けることができるという優れた効果を奏する。また、本発明の表面改質ガラス基材は、位置選択的に異なる屈折率を発現することができるという優れた効果を奏する。
本発明のガラス基材の表面改質方法は、ガラス基材と電極との間に、単結合強度が126kJ/mol以下の酸化物を形成するカチオンを酸化物に換算し1重量%以上含有するカチオン供与体を介在させ、前記ガラス基材に熱ポーリング処理を施す工程を有することを特徴としている。
ガラス基材に使用するガラスとしては、とくに限定されないが、たとえば、ケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、リン酸塩ガラス、テルライトガラスなどがあげられる。前記ガラス基材として使用されるガラスとしては、融点が低く、また、銀イオン(Ag+)などの貴金属イオンを比較的大量に含むことができる観点から、たとえば、テルライトガラスが望ましい。なお、ガラス基材の形状は、好ましくは板状であることが望ましい。
また、ガラス基材は、金属微粒子の析出によるパターン形成を可能にする観点から、遷移金属イオンを含有することが好ましい。
前記ガラス基材が含有し、金属微粒子として析出可能な遷移金属イオンとしては、還元が容易であり、熱ポーリングに際して、前記供与体のカチオンの移動によるガラス基材表面の軟化により、金属微粒子として析出させることが容易である観点から、銀イオン、銅イオン、金イオン、白金イオン、チタンイオンおよびパラジウムイオンからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、ガラス基材中にイオンの状態で比較的安定に存在できる観点から、前記遷移金属イオンは、好ましくは銀イオンである。
ガラス基材が遷移金属イオンを含有する場合、ガラス基材中の遷移金属イオンの含有量は、熱ポーリング処理を施すことにより、金属微粒子を十分に析出させる観点から、0.01モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、ガラス基材作製時の溶融状態において還元反応が進行し、非選択的に金属微粒子が析出することを抑制する観点から、5モル%以下が好ましく、3モル%以下がより好ましい。
電極を構成する材料としては、とくに限定されないが、たとえば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、金、銀などがあげられる。なかでも、化学的に安定で繰り返し使用が可能であり、かつ安価で利用できる観点から、好ましくはステンレス鋼が望ましい。
カチオン供与体としては、とくに限定されないが、たとえば、ケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、リン酸塩ガラス、テルライトガラスなどのガラス、アルカリ金属化合物などがあげられる。なかでも、熱ポーリング温度でカチオンが適度に移動できる観点から、ホウケイ酸ガラスが好ましい。
また、カチオン供与体は、ガラス基材および電極のそれぞれと該カチオン供与体との接触を行なうことができる形状を有すればよい。前記カチオン供与体の形状は、とくに限定されないが、熱ポーリング処理の際の電圧印加を容易に行なうことができる観点および該電圧印加に用いられる電圧印加装置の構築を容易に行なうことができる観点から、たとえば、板状の形状が望ましい。
本発明の表面改質方法では、ガラス基材の表面を所望のパターンで改質させる観点から、前記カチオン供与体には、ガラス基材との接触部の表面に、例えば、切削などの機械加工、レーザーなどによる加工、フォトリソグラフィーによる加工などを施してもよい。より微細なパターンを該カチオン供与体におけるガラス基材との接触部の表面に加工し、より微細なパターンでガラス基材の表面を改質させる観点から、前記カチオン供与体は、ガラス基材との接触部に、フォトリソグラフィーにより形成されたパターンを有することが好ましい。
前記供与体により供与されるカチオンは、単結合強度が126kJ/mol(30kcal/mol)以下である酸化物を形成する。
前記カチオンが形成する酸化物における単結合強度は、熱ポーリング処理によりカチオンを充分に移動させ、ガラス表面を改質する観点から、126kJ/mol(30kcal/mol)以下、好ましくは105kJ/mol(25kcal/mol)以下である。前記単結合強度の下限値は、特に限定されるものではない。ここで、単結合強度とは、ある酸化物において、カチオン−酸化物イオン(M−O)結合1本を切断するのに必要なエネルギーの強さをいい、酸化物がガラスネットワークを形成するかどうかの目安になる。また、単結合強度は、たとえば、酸化物固体から液体に相転移する際の熱量変化を測定することにより見積もられる。前記単結合強度を満たすカチオンは、ガラス中でネットワークを作らず、他の単結合強度が大きなカチオンが酸化物イオンと結合して形成するネットワークの隙間に存在している。このように、前記供与体により供与されるカチオンは、ガラス中でネットワークを形成しないため、比較的容易にガラス中を移動することが可能となる。このようなカチオンとしては、とくに限定されないが、たとえば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、一価の金イオン、銀イオン、一価の銅イオン(Cu+)などのその他の1価の金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、スズイオン、鉛イオンなどの2価の金属イオン、プロトン(H+)などがあげられる。なかでも、移動度が大きく、ガラス基材の表面の組成を大きく変化させ、該表面を改質できる観点から、前記カチオンは、好ましくは1価のカチオン、より好ましくは1価の金属イオン、さらに好ましくはアルカリ金属イオンである。前記カチオンは、移動度が大きく、ガラス基材の表面の組成を大きく変化させることができるが、表面改質においては、好ましくはナトリウムイオンである。
本発明の表面改質方法では、前記ガラス基材と電極との間に、単結合強度が126kJ/mol以下の酸化物を形成するカチオンを酸化物に換算し1重量%以上含有するカチオン供与体を介在させる。前記カチオン供与体中のカチオンの含有量は、該カチオンの種類に応じて、適宜設定することができる。なお、本明細書において、前記カチオン供与体中のカチオンの含有量は、該カチオンを、該カチオンの酸化物として換算して算出することができる値である。前記カチオン供与体がガラスである場合、該カチオン供与体中のカチオンとして、たとえば、ナトリウムイオンなどの単結合強度が126kJ/mol(30kcal/mol)以下の酸化物を形成するカチオンの含有量は、熱ポーリング処理により、ガラス基材表面の組成を変化させ、良好に改質させる観点から、酸化物に換算して、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは3重量%以上であり、ガラス転移点を維持し、熱ポーリング中における前記供与体の変形の発生を抑制する観点から、好ましくは40重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下である。
前記カチオン供与体が、ガラスである場合、熱ポーリング処理の際の電圧印加を容易に行なうことができる観点および該電圧印加に用いられる電圧印加装置の構築を容易に行なうことができる観点から、当該供与体の形状は、カバーガラスなどの板状の形状が望ましい。
前記アルカリ金属化合物としては、とくに限定されないが、たとえば、アルカリ金属のハロゲン化物(たとえば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物など)、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の窒化物、アルカリ金属の硫化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の無機酸塩(たとえば、アルカリ金属の硝酸塩、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ金属のケイ酸塩など)などがあげられる。本発明のガラス基材の表面改質方法では、前記アルカリ金属は、ガラス基材の表面における金属微粒子の析出を良好に行なう観点から、より小さいイオン半径であるアルカリ金属であればよく、リチウムおよびナトリウムが好ましい。また、本発明のガラス基材の表面改質方法では、前記カチオン供与体としてのアルカリ金属化合物は、熱ポーリング処理の際の電圧印加を容易に行なうことができる観点および該電圧印加に用いられる電圧印加装置の構築を容易に行なうことができる観点から、たとえば、塩化ナトリウム板などの板状の形状で用いられることが好ましい。
本発明のガラス基材の表面改質方法では、ガラス基材の表面改質を良好に行なう観点から、カソード側の電極とガラス基材との間およびアノード側の電極とガラス基材との間の両方に、カチオン供与体を介在させることが好ましい。なお、ガラス基材と電極との間にカチオン供与体を介在させる方法としては、とくに限定されないが、カチオン供与体をガラス基材および電極のそれぞれに圧着させて、ガラス基材と電極との間にカチオン供与体を介在させる方法などがあげられる。カチオン供与体とガラス基材との間の接触状態およびカチオン供与体と電極との間の接触状態を良好にするために、カチオン供与体、ガラス基材および電極それぞれの接触面は、研磨することなどにより平滑にされていることが好ましい。また、ガラス基材とカチオン供与体とは、それぞれの少なくとも一部において接触していればよく、ガラス基材およびカチオン供与体それぞれが向かいあう面の全面において接触していてもよい。
本発明のガラス基材の表面改質方法では、前述のように、ガラス基材と電極との間にカチオン供与体を介在させてから、ガラス基材に熱ポーリング処理を施す。
熱ポーリング処理とは、誘電体に高温で直流高電圧を印加して電気双極子の配向を誘起し、電圧を印加したまま誘電体を室温まで冷却して電気双極子の配向を誘電体内に凍結させる処理をいう。
熱ポーリング処理の際の熱ポーリング温度は、ガラス基材のガラス転移温度(Tg)に応じて適宜決定される。たとえば、ガラス基材がテルライトガラスである場合、熱ポーリング温度は、金属結晶を充分に析出させる観点から、好ましくは0.7×Tg以上、より好ましくは0.8×Tg以上であり、ガラス基材全体への金属結晶の析出を抑制する観点から、好ましくは1.1×Tg以下、より好ましくはTg以下である。
熱ポーリング処理の際の印加電圧は、充分な量の金属結晶を析出させる観点から、好ましくは0.01kV以上、より好ましくは0.5kV以上である。また、熱ポーリング処理の際の印加電圧は、電極間の放電を抑制する観点から、好ましくは3kV以下、より好ましくは2kV以下である。
熱ポーリング処理の際の熱ポーリング時間は、カチオンの移動を充分に行なう観点から、好ましくは30秒間以上、より好ましくは5分間以上であることが望ましい。また、熱ポーリング時間は、イオンの移動に伴うガラス基材内部における応力の発生を抑制する観点から、好ましくは120分間以下、より好ましくは90分間以下である。
本発明のガラス基材の表面改質方法では、熱ポーリング処理を施すことで、前記供与体中のカチオンがガラス基材表面に移動する。その結果、ガラス基材表面の組成を変化させ、当該ガラス基材の表面を改質することが可能となる。また、ガラス基材のアノード側表面近傍において、前記カチオン供与体に含まれるカチオンのリッチ層が形成され、ガラスの流動性が局所的に上昇し、化学反応がおきやすくなり、ガラス基材中の遷移金属イオンなどの金属イオンが金属微粒子として析出する。
本発明では、カチオン供与体を、ガラス基材表面の改質対象部位にのみ接触させることで、ガラス基材表面を選択的に改質し、ガラス基材表面にパターンを形成することができる。また、金属微粒子を選択的に析出させることも可能となる。なお、金属微粒子はアノード側に析出するので、アノード側の前記カチオン供与体または電極を加工することが好ましい。また、位置選択的に移動しやすい遷移金属イオンなどの金属イオンの注入を行なう観点から、カチオン供与体を加工することがより好ましい。
なお、前記電極または前記カチオン供与体の加工方法としては、前記電極または前記カチオン供与体をマスクしてフッ酸などでエッチング加工を施す方法、前記電極または前記カチオン供与体をカッターで切断する方法、前記電極または前記カチオン供与体をレーザーで切断する方法、前記電極または前記カチオン供与体を収束イオンビーム(FIB)で加工を施す方法などがあげられる。
本発明のガラス基材の表面改質方法では、例えば、切削などの機械加工、レーザーなどによる加工、フォトリソグラフィーによる加工などにより、前記カチオン供与体におけるガラス基材との接触部の表面に、加工を施した後に、前記ガラス基材に熱ポーリング処理を施す工程を行なってもよい。本発明のガラス基材の表面改質方法では、例えば、フォトリソグラフィーにより、前記カチオン供与体にパターンを形成させた後に、前記ガラス基材に熱ポーリング処理を施す工程を行なった場合、より微細なパターンで、ガラス基材表面を選択的に改質し、ガラス基材表面により微細なパターンを形成することができる。また、前記工程を行なうことにより、金属微粒子をより選択的に析出させることも可能となる。
本発明のガラス基材の表面改質方法では、ガラス基材に熱ポーリング処理を施した後に、該ガラス基材にエッチング加工を施す工程を含むが好ましい。本発明のガラス基材の表面改質方法では、ガラス基材に熱ポーリング処理を施した後に、該ガラス基材にエッチング加工を施す工程を行なうことにより、ガラス基材表面を軟化させ、パターンを形成させることができる。
ガラス基材表面にエッチング加工を施す方法としては、ガラス基材表面に、フッ酸、塩酸、硝酸、硫酸などでエッチング加工を施す方法などがあげられる。なかでも、ガラスを溶解させる力が強く、エッチングレートが大きいという理由から、フッ酸でエッチング加工を施す方法が好ましい。
本発明の表面改質方法では、エッチング加工を施すことにより、ガラス基材表面を軟化させ、凸状のパターンを形成させることだけでなく、前記カチオン供与体中のカチオンが移動して進入した箇所に選択的にエッチング加工を施すことにより、前記カチオンが進入した箇所に凹状のパターンを形成させることも可能となる。なお、本発明の表面改質方法では、ガラス基材中に遷移金属イオンなどの金属イオンを含有していても、ガラス基材中に遷移金属イオンなどの金属イオンを含有していなくても、前記カチオン供与体中のカチオンが移動するので、ガラス基材の表面を改質することができ、凸状のパターン形成が可能である。
本発明の表面改質されたガラス基材は、本発明の表面改質方法により、ガラス基材の少なくとも表面の一部の金属微粒子が析出していることに1つの特徴がある。したがって、本発明の表面改質されたガラスは、位置選択的に異なる屈折率を発現することができることができるという優れた効果を奏する。また、本発明の表面改質されたガラス基材は、本発明の表面改質方法により得られるため、高い精度で、容易に製造することができるという優れた効果を奏する。これにより、本発明の表面改質されたガラス基材は、非線形光学効果を充分に発現することができるという優れた効果を奏する。
本発明の表面改質ガラス基材は、当該ガラス基材の表面に光機能素子を良好に作製する観点から、ガラス基材の表面から0μmを超え、2μm未満の深さに金属微粒子が析出していることが好ましい。本発明の表面改質ガラスでは、前記金属微粒子は、たとえば、遷移金属イオンなどの金属イオンの還元によって、ガラス基材の表面から0μmを超え、2μm未満の深さに析出している。本発明の表面改質されたガラス基材において、金属微粒子の析出場所は、該金属微粒子の保護の観点から、ガラス基材の表面からの深さが、0μmを超えることが好ましく、当該ガラス基材の表面に光機能素子を良好に作製する観点から、2μm未満であることが好ましい。
前記金属微粒子は、ガラス基材の表面を改質し、表面に光機能素子を良好に作製する観点から、銀、銅、金、白金、チタンおよびパラジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなる微粒子が好ましい。
前記金属微粒子の平均粒子径は、三次非線形光学効果を十分に発揮させる観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上であり、同様の観点から、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下である。
本発明の表面改質方法により表面改質されたガラス基材、たとえば、選択的に表面が改質されたガラス基材や、選択的に金属微粒子を析出させたガラス基板は、金属微粒子の析出による屈折率の変化を利用した光導波路やフォトニック結晶、金属微粒子の非線形光学効果を利用した光スイッチング素子などの光制御デバイスなどのフォトニクス分野などに応用することができる。
以下、本発明を、実施例に基づき詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
実施例1〜7および比較例1〜5
<ガラス基材の作製>
ガラス基材として、溶融急冷法により、銀イオン(Ag+)含有テルライトガラスを作製した。具体的には、出発原料として、ナカライテスク株式会社製の純度99.8%の硝酸銀(AgNO3)、ナカライテスク株式会社製の純度99.5%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、新興化学工業株式会社製の純度99.999%の二酸化テルル(TeO2)および株式会社高純度化学研究所製の純度99.99%の酸化亜鉛(ZnO)を用いて、2Ag2O・3Na2O・25ZnO・70TeO2になるようにそれぞれ秤量し、混合した。得られた混合バッチを金坩堝に投入し、450℃の条件下で1時間、ついで850℃の条件下で40分間溶融させ、その後、ステンレス鋼製の板上に流し出し、急冷させた。そして、ガラス化したことを確認した後、310℃の条件下で1時間アニールした。さらに、ダイヤモンドカッターを用いて、得られたガラスを平行平板状に切断し、サンドペーパーおよび酸化セリウムを用いて光学研磨し、厚さ2mm(±0.01mm)のガラス基材を作製した。作製したガラス基材のガラス転移温度を熱重量・示差熱量分析(TG−DTA)により測定したところ、300℃であった。
<カチオン供与体>
実施例および比較例では、ガラス基材と電極との間に介在させるものとして、以下のナトリウム含有カバーガラスまたはアルカリフリーカバーガラスを使用した。
ナトリウム含有カバーガラス(カチオン供与体):松浪硝子工業株式会社製
アルカリフリーカバーガラス:松浪硝子工業株式会社製
ここで、ナトリウム含有カバーガラスまたはアルカリフリーカバーガラスが含有するカチオンの単結合強度を以下に示す。
Si4+(4配位):444kJ/mol(106kcal/mol)
Al3+(4配位):331〜423kJ/mol(79〜101kcal/mol)
Al3+(6配位):222〜280kJ/mol(53〜67kcal/mol)
Na+(6配位):84kJ/mol(20kcal/mol)
+(6配位):54kJ/mol(13kcal/mol)
Ba2+(8配位):138kJ/mol(33kcal/mol)
Zn2+(2配位):301kJ/mol(72kcal/mol)
Zn2+(4配位):151kJ/mol(36kcal/mol)
3+(3配位):497kJ/mol(119kcal/mol)
3+(4配位):373kJ/mol(89kcal/mol)
また、ナトリウム含有カバーガラスおよびアルカリフリーカバーガラスの各組成を表1に示す。
<熱ポーリング操作>
図1は、ガラス基材に熱ポーリング処理を施すための装置を示す模式図である。
作製したガラス基材1を表2に示す熱ポーリング温度の条件下で30分間放置した後、ガラス基材1の両面を表2に示すカソード側カバーガラス2とアノード側カバーガラス3の組み合わせで挟み、両カバーガラスにステンレス鋼製の電極4を接触させ、装置を作製した。そして、表2に示す熱ポーリング温度および表2に示す印加電圧の条件下で表2に示す時間、熱ポーリング処理を行なった。さらに、電圧を印加したまま装置を炉から取り出し、30分間放冷し、ガラス基材の温度が室温まで低下した後に電圧の印加を終了させ、熱ポーリング処理を終了させ、実施例1〜7および比較例3〜5のガラス基板を作製した。なお、熱ポーリング温度が350℃では、0.8kV以上の電圧を印加すると、放電を起こしたので、印加電圧0.5kVの試料のみ作製した。また、比較例1では、作製したガラス基材をそのまま用い、比較例2では、電圧を印加せず、熱処理のみ行なった試料を用いた。
実施例1〜7および比較例1〜5の熱ポーリング条件を表2に示す。なお、表2のカソード側カバーガラスおよびアノード側カバーガラスにおいて、含有とは、ナトリウム含有カバーガラスを、フリーとは、アルカリフリーカバーガラスを使用したことを示す。
(X線回折測定)
図2は、実施例1および比較例1〜2の試料、実施例1のアノード側表面を2μm研磨した試料のアノード側のX線回折(XRD)測定の結果である。XRD測定は、株式会社リガク製の商品名:RINT2500を用いて行なった。
比較例1および2の試料では、アモルファス構造に特徴的なハローのみが観察された。それに対して、実施例1の試料では、2θ=38°付近に、Ag(111)面による回折ピークが観察された。このことから、比較例1および2と異なり、実施例1では、アノード側表面に銀微粒子が析出していることがわかる。
また、実施例1の試料のアノード側表面を2μm研磨した試料のアノード側表面では、ピークは見られず、ハローのみが観察された。このことから、実施例1において、銀微粒子は、ガラス基材の表面近傍(2μm未満)に選択的に析出したことがわかる。
一方、実施例1の試料のカソード側のXRD測定を行なったところ、ハローのみが観察された。このことから、カソード側には、銀微粒子は析出しないことがわかる。
図3は、実施例1〜3および比較例1の試料のX線回折パターンである。図3においては、X線回折パターンの熱ポーリング時間依存性を示す。
熱ポーリング時間が増加するのにともない、銀微粒子に帰属される2θ=38°付近の(111)面による回折ピークおよび2θ=44°付近の(200)面による回折ピークの強度が大きくなった。このことから、熱ポーリング時間の増加にともない、銀の析出量が増加することがわかる。
図4は、実施例1、4および5の試料のX線回折パターンである。図4においては、X線回折パターンの熱ポーリング温度依存性を示す。
250℃で熱ポーリング処理を行なった実施例4では、ハローのみが観察された。それに対して、300℃で熱ポーリング処理を行なった実施例1では、銀微粒子に帰属される2θ=38°付近の(111)面による回折ピークが観察された。一方、350℃で熱ポーリング処理を行なった実施例5では、銀微粒子に帰属されるピーク以外にも、多くのピークが観察された。これらのピークは、銀とテルルの酸化物(Ag6TeO6、Ag2TeO4など)であると考えられる。
また、図5は、比較例3〜5の試料のX線回折パターンである。図5においては、カバーガラスの種類が銀の析出に与える影響を示す。
カソード側、アノード側ともにアルカリフリーカバーガラスを使用した比較例3、カソード側またはアノード側のどちらか一方のみにナトリウム含有カバーガラス、もう片方にアルカリフリーカバーガラスを使用した比較例4、5いずれも、銀微粒子に帰属されるピークは見られなかった。このことから、カソード側、アノード側ともにナトリウム含有カバーガラスを使用しなければ、銀微粒子の析出はおこらないことがわかる。
(光吸収測定)
図6は、実施例1および比較例1〜2の試料、実施例1のアノード側表面を2μm研磨した試料のアノード側の光吸収スペクトルである。日本分光株式会社(JASCO)製の商品名:V570を用いて、ガラス基材のアノード側の表面の可視光領域における光吸収スペクトルを測定した。
比較例1および2の試料では、ガラスのバンド間遷移に対応する波長380nm以下の吸収のみが観察された。それに対して、実施例1の試料では、波長380nm以下の吸収に加えて、波長470nm付近に吸収ピークが観察された。図2のXRD測定の結果とあわせて考慮すると、この波長470nm付近の吸収ピークは、銀微粒子の表面プラズモン共鳴に由来すると考えられる。このことから、比較例1および2と異なり、実施例1では、アノード側表面に銀微粒子が析出していることがわかる。
また、実施例1の試料のアノード側表面を2μm研磨した試料の光吸収スペクトルには、波長470nm付近のピークは見られなかった。このことから、実施例1において、銀は、ガラス基板の表面近傍(2μm未満)に選択的に析出したことがわかる。
図7は、実施例1〜3の試料の光吸収スペクトルと、Mieの理論式に基づくそれらのフィッティング曲線である。図7においては、光吸収スペクトルの熱ポーリング時間依存性を示す。
熱ポーリング時間が増加するのにともない、波長470nm付近の銀微粒子の表面プラズモン共鳴のピークが強くなった。このことから、熱ポーリング時間の増加にともない、銀の析出量が増加することがわかる。
また、得られた吸収スペクトルをMieの理論式により、フィッティングすることで、析出した銀微粒子の粒子径を見積もった。なお、Mieの理論式は、計算式(1)のように表される。
ここで、Qは銀微粒子の体積分率、nsはガラスの屈折率(2.02)、ε1およびε2はそれぞれ銀微粒子の誘電定数εの実部と虚部である。
また、Drudeの自由電子理論式より、緩和時間τから銀微粒子の半径を算出した。なお、Drudeの自由電子理論式は、計算式(2):
〔式中、iは、虚数単位、ωは、角振動数、ωpは、計算式(3):
(式中、Neは電子数であり、mは電子の質量であり、ε0は、真空の誘電率 である)
で表わされるプラズマ振動数であり、τは、計算式(4):
(式中、Rは銀微粒子の半径であり、Vfは銀のFermi速度(1.39×108cm/sec)である)〕
で表わされる。
図8は、図7のフィッティング曲線より算出したガラス基材のアノード側表面に析出した銀微粒子の粒子径の熱ポーリング時間依存性を示すグラフである。熱ポーリング時間が15分間の実施例2では1.1nm、60分間の実施例1では2nm、120分間の実施例3では2.2nmであり、熱ポーリング時間の増加とともに粒子径が大きくなることがわかる。
図9は、実施例1および4の試料の光吸収スペクトルである。図9においては、光吸収の熱ポーリング温度依存性を示す。
300℃で熱ポーリング処理を行なった実施例1では、銀の表面プラズモン共鳴に起因する470nm付近の吸収ピークが観察された。それに対して、250℃で熱ポーリング処理を行なった実施例4では、レイリー散乱に起因する吸収の増加が観察されたが、470nm付近の吸収は見られなかった。なお、350℃で熱ポーリング処理を行なった実施例5では、結晶化により失透しており、測定波長領域で吸収が飽和していた。
図10は、比較例3〜5の試料の光吸収スペクトルである。図10においては、カバーガラスの種類が銀の析出に与える影響を示す。
カソード側、アノード側ともにアルカリフリーカバーガラスを使用した比較例3、カソード側またはアノード側のどちらか一方のみにナトリウム含有カバーガラス、もう片方にアルカリフリーカバーガラスを使用した比較例4、5いずれも、熱ポーリング処理後も470nm付近に吸収ピークは観察されなかった。このことから、カソード側、アノード側ともにナトリウム含有カバーガラスを使用しなければ、銀微粒子の析出はおこらないことがわかる。
(熱ポーリング中の電流値測定)
熱ポーリング中に試料内部に流れる電流について調べた。なお、カソード側、アノード側ともにナトリウム含有カバーガラスを使用した実施例1、カソード側、アノード側ともにアルカリフリーカバーガラスを使用した比較例3、カソード側にアルカリフリーカバーガラス、アノード側にナトリウム含有カバーガラスを使用した比較例4について、測定を行なった。
図11は、実施例1および比較例3〜4の試料の熱ポーリングの際の電流値を示すグラフである。実施例1では、最大で電流が91μA流れているのに対し、比較例3では9.3μA、比較例4では1.9μAとなり、著しく小さくなった。このことから、カソード側、アノード側ともにナトリウム含有カバーガラスを使用する場合が一番大きな電流値が得られることがわかる。
(光学顕微鏡写真)
ガラス基材のアノード側表面およびカソード側表面の形状を光学顕微鏡で観察した。
図12は、実施例1〜3の試料のアノード側表面およびカソード側表面の光学顕微鏡写真である。
アノード側表面については、実施例2において、円状の微細構造が観察された。また、実施例1、実施例3と、熱ポーリング時間の増加にともない、微細構造が細かく、密になっているのがわかる。
一方、カソード側表面については、いずれの試料でも、表面構造の変化は観察されなかった。
(カバーガラス(カチオン供与体)の形状によるパターニング)
つぎに、アノード側のカバーガラスの形状を変化させ、銀の選択的な析出を試みた。
図13は、実施例6〜7の試料の表面の光学写真である。図中において、点線で示した場所が、カバーガラスを置いた場所である。実施例6、7いずれも、カバーガラスと接触している領域のみで選択的に銀微粒子が析出していることがわかる。
(フッ酸処理)
熱ポーリング後の実施例3の試料を、1重量%のフッ化水素(HF)水溶液(フッ酸)に1分間浸漬し、該試料の表面のエッチング加工を行なった(フッ酸処理)。
(エネルギー分散型X線分光測定)
フッ酸処理した試料のアノード側表面に対して、エネルギー分散型X線分光(EDS)測定を行なった。なお、EDS測定は、株式会社堀場製作所製の商品名:EMAX ENERGYを用いて行なった。
表3に、フッ酸処理前後の実施例3の試料のアノード側表面に対するEDS測定の結果を示す。
カチオン比からガラス基材表面の組成を計算すると、フッ酸処理前は0.5Ag2O・19.5Na2O・19.5ZnO・60.5TeO2となり、フッ酸処理後は2Ag2O・7.5Na2O・23.5ZnO・67TeO2となった。フッ酸処理前の試料では、仕込み組成に比べて、Ag2Oが少なくなり、Na2Oが大幅に増加しているが、これは熱ポーリング時にナトリウム含有カバーガラスからアノード側ガラス基材表面にナトリウムイオン(Na+)が移動することを示唆している。また、フッ酸処理後のガラス基材表面の組成は仕込み組成に近づいているが、これは、ガラス基材表面のナトリウムリッチ層は、もともとの組成に比べ、エッチングレートが速く、フッ酸処理によって選択的にエッチング加工されたためである。
(走査型電子顕微鏡観察)
フッ酸処理した試料のアノード側表面に対して、走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行なった。なお、SEM測定は、株式会社日立製作所製の商品名:S2600Nを用いて行なった。
図14は、フッ酸処理前後における実施例3の試料のアノード側表面のSEM写真である。フッ酸処理前の試料では、ところどころに直径数μmの穴が見られるほかは平坦であった。それに対して、フッ酸処理後の試料は表面に直径5μm程度の穴が多数観察され、表面に凸凹が見られた。この表面形状は、ナトリウムリッチ層の形状を反映していると考えられ、ナトリウムの注入が一様ではなく、ナトリウムリッチ層の厚さも均一ではないことを示している。
(原子間力顕微鏡測定)
フッ酸処理した試料のアノード側表面に対して、原子間力顕微鏡(AFM)測定を行なった。なお、AFM測定は、日本ビーコ株式会社製の商品名:NanoscopeIIIaを用いて行なった。
図15は、フッ酸処理後における実施例3の試料のアノード側表面のAFM写真である。図14のSEM写真と同様に、フッ酸処理を施すことで、試料表面に凸凹ができていることがわかる。
実施例8
ここでは、実施例1〜7および比較例1〜5と相違し、銀イオン(Ag+)を含有しないガラス基材を作製し、熱ポーリング後のガラス基材の表面構造を観察した。
<ガラス基材の作製>
ガラス基材として、溶融急冷法により、銀イオン(Ag+)を含有しないテルライトガラスを作製した。具体的には、出発原料として、ナカライテスク株式会社製の純度99.5%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、新興化学工業株式会社製の純度99.999%の二酸化テルル(TeO2)および株式会社高純度化学研究所製の純度99.99%の酸化亜鉛(ZnO)を用いて、3Na2O・27ZnO・70TeO2(モル%)になるようにそれぞれ秤量し、混合した。得られた混合バッチを金坩堝に投入し、850℃の条件下で40分間溶融させ、その後、ステンレス鋼製の板上に流し出し、急冷させた。そして、ガラス化したことを確認した後、310℃の条件下で1時間アニールした。さらに、ダイヤモンドカッターを用いて、得られたガラスを平行平板状に切断し、サンドペーパーおよび酸化セリウムを用いて光学研磨し、厚さ1mmのガラス基材を作製した。作製したガラス基材のガラス転移温度を熱重量・示差熱量分析(TG−DTA)により測定したところ、313℃であった。
<熱ポーリング操作>
実施例1〜7および比較例2〜5と同様に、図1のような装置を用いて熱ポーリング操作を行なった。作製したAg+を含有しないガラス基材を300℃の条件下で30分間放置した後、Ag+を含有しないガラス基材の両面を、カソード側、アノード側ともにナトリウム含有カバーガラスで挟み、両カバーガラスにステンレス鋼製の電極を接触させ、装置を作製した。そして、300℃および1.5kVの条件下で60分間、熱ポーリング処理を行なった。さらに、電圧を印加したまま装置を炉から取り出し、30分間放冷し、ガラス基材の温度が室温まで低下した後に電圧を切り、熱ポーリング処理を終了させ、実施例8のガラス基材を作製した。そして、熱ポーリング後の実施例8の試料を、1重量%のフッ化水素(HF)水溶液(フッ酸)に1分間浸漬し、該試料の表面のエッチング加工を行なった(フッ酸処理)。
(光学顕微鏡観察)
図16は、熱ポーリング前および熱ポーリング後、フッ酸処理前後における実施例8の試料のアノード側表面の光学顕微鏡写真である。
熱ポーリング前のガラス基材のアノード側表面が平滑であるのに対し、熱ポーリング後には、フッ酸処理前のアノード側表面には、数十μm程度のスケールの凸凹が見られた。また、フッ酸処理後のアノード側表面にも、同程度のスケールの微細構造が見られた。このことから、熱ポーリング操作により、ガラス基材表面の構造が改質されたことを示唆していると考えられる。
(原子間力顕微鏡測定)
フッ酸処理する前の試料のアノード側表面と、フッ酸処理した後の試料のアノード側表面に対して、原子間力顕微鏡(AFM)測定を行なった。なお、AFM測定は、実施例1〜7および比較例1〜5と同様に、日本ビーコ株式会社製の商品名:NanoscopeIIIaを用いて行なった。
図17は、フッ酸処理前後における実施例8の試料のアノード側表面のAFM写真である。
フッ酸処理前のAFM写真には、幅数十μm、高さ2μm程度の構造が見られた。幅のスケールが、図16における微細構造と同程度であることから、AFM写真で観察された微細構造は、光学顕微鏡写真で観察された微細構造に対応していると考えられる。一方、フッ酸処理後のAFM写真には、幅数十μm、深さ2μm程度の構造が見られた。これも、フッ酸処理前と同様に、光学顕微鏡写真で見られた微細構造に対応していると考えられる。つまり、フッ酸処理前では、微細構造の箇所が盛り上がっており、フッ酸処理後には、逆に穴になっていることがわかる。このことから、熱ポーリング操作により、ガラス基板表面が改質され(微細構造が形成され)、フッ酸処理により、形成された微細構造が優先的にエッチング加工されたことがわかる。
(走査型電子顕微鏡観察)
フッ酸処理する前の試料のアノード側表面と、フッ酸処理した後の試料のアノード側表面に対して、走査型電子顕微鏡(SEM)観察を行なった。なお、SEM測定は、実施例1〜7および比較例1〜5と同様に、株式会社日立製作所製の商品名:S2600Nを用いて行なった。
図18は、フッ酸処理前後における実施例8の試料のアノード側表面のSEM写真である。
フッ酸処理前の試料のアノード側表面では、光学顕微鏡写真と同様に、数十μm程度のスケールの微細構造がみられたが、穴は確認できなかった。それに対して、フッ酸処理後の試料のアノード側表面では、直径5μm程度の穴が多数観察された。この表面形状は、ナトリウムリッチ層の形状を反映していると考えられ、ナトリウムの注入が一様ではなく、ナトリウムリッチ層の厚さも均一ではないことを示していると考えられる。
(エネルギー分散型X線分光測定)
フッ酸処理する前の試料のアノード側表面と、フッ酸処理した試料のアノード側表面に対して、エネルギー分散型X線分光(EDS)測定を行なった。なお、EDS測定は、実施例1〜7および比較例1〜5と同様に、株式会社堀場製作所製の商品名:EMAX ENERGYを用いて行なった。
表4に、フッ酸処理前後の実施例8の試料のアノード側表面に対するEDS測定の結果を示す。
カチオン比からガラスの組成を計算すると、フッ酸処理前は14Na2O・25ZnO・61TeO2となり、フッ酸処理後は6Na2O・28ZnO・66TeO2となった。フッ酸処理前の試料では、仕込み組成に比べて、Na2Oが大幅に増加しているが、これは、実施例1〜7と同様の結果であり、熱ポーリング時にナトリウム含有カバーガラスからアノード側ガラス表面にナトリウムイオン(Na+)が移動することを示唆している。また、フッ酸処理後のガラス表面の組成は仕込み組成に近づいているが、これは、ガラス基板表面のナトリウムリッチ層は、もともとの組成に比べ、エッチング速度が速く、フッ酸処理によって選択的にエッチング加工されたためである。
実施例9
ここでは、実施例8と同様に銀イオン(Ag+)を含有しないガラス基材を作製し、アノード側のカチオン含有カバーガラスの形状を変化させ、熱ポーリング処理を施すことにより、ガラス表面の選択的な改質を試みた。
<ガラス基材の作製>
ガラス基材として、溶融急冷法により、銀イオン(Ag+)を含有しないテルライトガラスを作製した。具体的には、出発原料として、ナカライテスク株式会社製の純度99.5%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、新興化学工業株式会社製の純度99.999%の二酸化テルル(TeO2)および株式会社高純度化学研究所製の純度99.99%の酸化亜鉛(ZnO)を用いて、3Na2O・27ZnO・70TeO2になるようにそれぞれ秤量し、混合した。得られた混合バッチを金坩堝に投入し、850℃の条件下で40分間溶融させ、その後、ステンレス鋼製の板上に流し出し、急冷させた。そして、ガラス化したことを確認した後、320℃の条件下で1時間アニールした。さらに、ダイヤモンドカッターを用いて、得られたガラスを平行平板状に切断し、サンドペーパーおよび酸化セリウムを用いて光学研磨し、厚さ2.5mmのガラス基材を作製した。作製したガラス基材のガラス転移温度を熱重量・示差熱量分析(TG−DTA)により測定したところ、313℃であった。
<熱ポーリング操作>
実施例1〜8および比較例2〜5と同様に、図1のような装置を用いて熱ポーリング操作を行なった。作製したAg+を含有しないガラス基材を300℃の条件下で30分間放置した後、Ag+を含有しないガラス基材の両面を、カソード側、アノード側ともにナトリウム含有カバーガラスで挟み、両カバーガラスにステンレス鋼製の電極を接触させ、装置を作製した。そして、300℃および1.5kVの条件下で60分間、熱ポーリング処理を行なった。さらに、電圧を印加したまま装置を炉から取り出し、30分間放冷し、ガラス基材の温度が室温まで低下した後に電圧を切り、熱ポーリング処理を終了させ、実施例9のガラス基材を作製した。そして、熱ポーリング後の実施例9の試料を、1重量%のフッ化水素(HF)水溶液(フッ酸)に10秒間浸漬し、表面のエッチング加工を行なった(フッ酸処理)。
(光学写真観察)
実施例9において、フッ酸処理前後の試料のアノード側表面をデジタルカメラで撮影し、観察した。
図19は、フッ酸処理前における実施例9の試料のアノード側表面の光学写真である。また、図20は、フッ酸処理後における実施例9の試料のアノード側表面の光学写真である。なお、図19において、点線は、ナトリウム含有カバーガラスを接触させた箇所を示す。
実施例9の試料では、フッ酸処理前後ともに、ナトリウム含有カバーガラスと接しているアノード側のガラス基材表面において、選択的に表面改質されたことがわかる。
なお、ナトリウム含有カバーグラスに代えて、塩化ナトリウム板を用いた場合にも、同様に、塩化ナトリウム板と接しているアノード側のガラス基材表面において、選択的に表面改質される。
実施例10
<カバーガラスのパターニング>
フォトリソグラフィー技術によりナトリウム含有カバーガラス上に微細なパターンを作製した。ポジ型フォトレジスト(シプレイ(SHIPLEY)社製、商品番号:S1813)を、ナトリウム含有カバーガラス上に均一に塗布し、高速回転させ、薄いレジスト膜(厚さ:1.1μm)を作製した。前記ナトリウム含有カバーグラス上のレジスト膜を120℃で10分間ベーキングし、固化させた。次に、前記レジスト膜を有するナトリウム含有カバーグラスを、露光装置(ユニオン光学株式会社製、商品名:PEM−800K)にセットし、該レジスト膜を、フォトマスクを介し波長:365nmの光を1秒間露光させ、マスク・パターンを転写させた。その後、パターン転写後のレジスト膜を有するナトリウム含有カバーグラスを、現像液(ローム アンド ハース(Rohm&Haas)社製、商品名:Microposit MF CD−26)に浸して現像を行ない、1重量%緩衝フッ酸(buffered HF)水溶液に現像後のレジスト膜を1.5分間浸漬させて、エッチング加工を施した。その後、ナトリウム含有カバーグラスを、リムーバー液(ローム アンド ハース社製、商品名:Microposit 1165)に浸し、感光したレジスト膜を除去した。
その結果、ナトリウム含有カバーガラスのパターンの高さは、0.2μm、幅は50μmであった。
<熱ポーリング処理>
得られたナトリウム含有カバーガラスを、アノード側カバーガラスとした。熱ポーリング温度:300℃、熱ポーリング時間:30分間、熱ポーリング電圧3kVの条件で、実施例1〜7と同様にして作製したガラス基材に熱ポーリング処理を施し、実施例10のガラス基板を作製した。
その結果、得られたガラス基板には、前記カバーガラスと接触していた部分に、選択的に銀微粒子が析出していた。
なお、ナトリウム含有カバーグラスに代えて、塩化ナトリウム板を用いた場合にも、同様に、塩化ナトリウム板と接しているアノード側のガラス基材表面において、選択的に表面改質される。
実施例11
<カバーグラスのパターニング>
フォトマスクのパターンを替えたことを除き、前記実施例10と同様の手法でナトリウム含有カバーグラスのパターニングを行なった。得られたカバーグラスに形成されたパターンを光学顕微鏡で観察するとともに、ケーエルエー−テンコール(KLA−Tencor)社製、商品名:Alpha−Step IQ膜厚計を用いて、パターンの高さと幅とを測定した。ナトリウム含有カバーグラスのパターンの光学顕微鏡写真とパターンの高さおよび幅を示すグラフを図21に示す。図中、(a−1)および(b−1)は、各ナトリウム含有カバーグラスに形成されたパターンの光学顕微鏡写真であり、(a−2)および(b−2)は、パターンの高さと幅とを示すグラフである。
その結果、図21の(a)の結果から、パターンの高さ0.06μm、幅10μmのナトリウム含有カバーグラスAと、図21の(b)に示されるパターンの高さ0.08μm、幅15μmのナトリウム含有カバーグラスBとが得られた。
<熱ポーリング処理>
得られたナトリウム含有カバーガラスAおよびBそれぞれを、アノード側カバーガラスとして用いた。熱ポーリング温度:300℃、熱ポーリング時間:30分間、熱ポーリング電圧:3kVの条件で、実施例1〜7と同様にして作製したガラス基材に熱ポーリング処理を施し、実施例11のガラス基板を作製した。得られたガラス基板を、光学顕微鏡で観察した。得られたガラス基板の光学顕微鏡写真を図22に示す。
その結果、図22の(a)に示されるように、アノード側カバーグラスとしてナトリウム含有カバーグラスAを用いて得られたガラス基板には、前記ナトリウム含有カバーガラスAと接触していた部分(銀微粒子析出領域11)に、銀微粒子が析出していることがわかる。また、同様に、図22の(b)に示されるように、アノード側カバーグラスとしてナトリウム含有カバーグラスBを用いて得られたガラス基板には、前記ナトリウム含有カバーガラスBと接触していた部分(銀微粒子析出領域11)に銀微粒子が析出しているが、カバーグラス非接触部12には、銀微粒子が析出していないため、選択的に銀微粒子が析出していることがわかる。
したがって、これらの結果から、フォトリソグラフィー技術によりパターンを形成させたカチオン供与体を用いることにより、該パターンに対応して選択的に金属微粒子を析出させることができることが示唆される。
実施例12
<カバーガラスのパターニング>
フォトリソグラフィー技術によりナトリウム含有カバーガラス上に微細なパターンを作製した。ポジ型フォトレジスト(シプレイ(SHIPLEY)社製、商品番号:S1813)を、ナトリウム含有カバーガラス上に均一に塗布し、高速回転させ、薄いレジスト膜(厚さ:1.1μm)を作製した。前記カバーグラス上のレジスト膜を120℃で10分間ベーキングし、固化させた。次に、前記レジスト膜を有するナトリウム含有カバーグラスを、露光装置(ユニオン光学株式会社製、商品名:PEM−800K)にセットし、該レジスト膜を、フォトマスクを介し波長:365nmの光を1秒間露光させ、マスク・パターンを転写させた。その後、パターン転写後のレジスト膜を有するナトリウム含有カバーグラスを、現像液(ローム アンド ハース社製、商品名:Microposit MF CD−26)に浸して現像を行ない、1重量%緩衝フッ酸(buffered HF)水溶液に現像後のレジスト膜を1.5分間浸漬させて、エッチング加工を施した。その後、ナトリウム含有カバーグラスを、リムーバー液(ローム アンド ハース社製、商品名:Microposit 1165)に浸し、感光したレジスト膜を除去した。得られたカバーグラスのパターンの高さを、ケーエルエー−テンコール社製、商品名:Alpha−Step IQ膜厚計を用いて測定した。図23の(a)に、ナトリウム含有カバーグラスのパターンの高さのプロファイルのグラフを示す。なお、図23は、パターニング、熱ポーリング処理およびエッチングそれぞれの結果を示す図である。
図23の(a)の結果から、ナトリウム含有カバーガラスのパターンの高さは、0.2μmであることがわかる。
<熱ポーリング処理>
得られたナトリウム含有カバーガラスを、アノード側カバーガラスとして用いた。熱ポーリング温度:280℃、熱ポーリング時間:20分間、熱ポーリング電圧:2.5kVの条件で、実施例1〜7と同様にして作製したガラス基材に熱ポーリング処理を施し、実施例11のガラス基板を作製した。得られたガラス基板を、光学顕微鏡により観察した。図23の(b)に光学顕微鏡写真を示す。
図23の(b)の結果から、得られたガラス基板には、前記ナトリウム含有カバーガラスと接触していた部分(銀微粒子析出領域11)に、選択的に銀微粒子が析出していることがわかる。
<エッチング>
銀微粒子が析出したガラス基板を、1重量%緩衝フッ酸(buffered HF)水溶液に現像後のレジスト膜を1.5分間浸漬させて、エッチング加工を施した。得られたガラス基板を光学顕微鏡で観察した。得られたガラス基板の光学顕微鏡写真を図23の(c)に示す。
図23の(c)の結果から、得られたガラス基板の銀粒子析出領域11に、選択的にエッチング加工が施され、エッチング加工部13を形成していることがわかる。
したがって、これらの結果から、フォトリソグラフィー技術によりパターンを形成させたカチオン供与体を用いて、該パターンに対応して選択的に金属微粒子を析出させ、さらに、前記金属微粒子が析出した領域に、選択的にエッチング加工を施すことができることがわかる。
なお、ナトリウム含有カバーグラスに代えて、塩化ナトリウム板を用いた場合にも、同様の結果が得られる。
試験例1
熱ポーリング処理の際の熱ポーリング温度の違いによる金属微粒子の析出の違いを調べた。実施例1〜7と同様にして得られたガラス基材を用い、カチオン供与体として、ナトリウム含有カバーガラスを用いた。
熱ポーリング処理は、熱ポーリング電圧を3kV、熱ポーリング時間を1時間とし、熱ポーリング温度を230℃、250℃、260℃、280℃または300℃としたことを除き、実施例1〜7と同様に行なった。日本分光株式会社製の商品名:V570を用いて、得られた各ガラス基板のアノード側の表面の可視光領域(400nm〜700nm)における光吸収スペクトルを測定した。図24は、試験例1における銀粒子の析出における熱ポーリング温度依存性の結果を示す図である。熱ポーリング温度:250℃、260℃、280℃および300℃それぞれの光吸収スペクトルを図24の(a)に示す。
その結果、熱ポーリング温度:230℃では、吸収ピークが見られなかった。しかしながら、図24の(a)に示される結果から、熱ポーリング温度:300℃および280℃では、470nm付近に吸収ピークが見られ、熱ポーリング温度:260℃および250℃では、470nm付近に吸収ピークが530nm付近へシフトした吸収ピークが見られることがわかる。これらの結果より、熱ポーリング温度:250〜300℃の範囲では、銀微粒子に由来する表面プラズモン共鳴ピークが見られるため、熱ポーリング温度:250〜300℃の範囲で銀微粒子が好適に析出することがわかる。
図24の(b)に、析出した銀微粒子の体積分率と粒子径(半径)を示す。図24の(b)において、黒四角は、析出した銀微粒子の体積分率(×10−7)(単位右側軸)を示し、白四角は、粒子径(単位左側軸)を示す。なお、図24の(b)において、粒子径は、計算式(4)の代わりに、計算式(5):
〔式中、γは、計算式(6):
(式中、Aは、定数(=1)であり、γbは、バルクのAgにおけるγ値(hγb=0.022eV、h=プランク定数)であり、Rは銀微粒子の半径であり、Vfは銀のFermi速度(1.39×108cm/sec)である)〕
を用いて算出した。
図24の(b)に見られる結果から、析出した銀微粒子の粒子径は、熱ポーリング温度:250℃の場合、約1nm、260℃の場合、約1.3nm、280℃の場合、約2.5nm、300℃の場合、約4nmであり、熱ポーリング温度の上昇とともに、粒子径が増大することがわかる。
試験例2
熱ポーリング処理の際の熱ポーリング電圧の違いによる金属微粒子の析出の違いを調べた。実施例1〜7と同様にして得られたガラス基材を用い、カチオン供与体として、ナトリウム含有カバーガラスを用いた。
熱ポーリング処理は、熱ポーリング温度を300℃、熱ポーリング時間を1時間とし、熱ポーリング電圧を3kV、2.5kVまたは1kVとしたことを除き、実施例1〜7と同様に行なった。日本分光株式会社製のV570を用いて、得られた各ガラス基板のアノード側の表面の可視光領域(400nm〜700nm)における光吸収スペクトルを測定した。また、株式会社リガク製の商品名:RINT2500を用いて、各ガラス基板のアノード側のX線回折(XRD)を測定した。図25は、試験例2における熱ポーリング電圧の違いによるガラス基板のアノード側表面の測定結果を示す図である。図中、(a)は、熱ポーリング電圧:3kV、2.5kVおよび1kVそれぞれの光吸収スペクトルを示す。また、図中、(b)は、各ガラス基板のアノード側のX線回折(XRD)測定の結果を示す。
その結果、図25の(a)に示される結果から、熱ポーリング電圧:3kV、2.5kVおよび1kVでは、470nm付近に吸収ピークが見られることがわかる。これらの結果より、熱ポーリング電圧:1〜3kVの範囲では、銀微粒子に由来する表面プラズモン共鳴ピークが見られることが示唆される。
また、図25の(b)に示される結果から、熱ポーリング電圧の増加に伴い、銀微粒子に帰属される2θ=38°付近の(111)面による回折ピークの強度が増加することがわかる。
これらの結果から、熱ポーリング電圧:1〜3kVの範囲で銀微粒子が好適に析出することがわかる。
本発明の選択的に金属微粒子を析出させたガラス基板は、フォトニクス分野、とくに、金属微粒子の析出による屈折率の変化を利用した光導波路やフォトニック結晶、金属微粒子の非線形光学効果を利用した光スイッチング素子などの光制御デバイスなどに応用することができる。
ガラス基材に熱ポーリング処理を施す装置の模式図である。 実施例1および比較例1〜2の試料、実施例1のアノード側表面を2μm研磨した試料のXRDパターンである。 実施例1〜3および比較例1のアノード側表面の試料のXRDパターンである。 実施例1、4および5の試料のアノード側表面のXRDパターンである。 比較例3〜5の試料のアノード側表面のX線回折パターンである。 実施例1および比較例1〜2の試料、実施例1のアノード側表面を2μm研磨した試料の光吸収スペクトルである。 実施例1〜3の試料の光吸収スペクトルと、Mieの理論式に基づくそれらのフィッティング曲線である。 図7のフィッティング曲線より算出したガラス基板のアノード側表面に析出した銀微粒子の粒子径の熱ポーリング時間依存性を示すグラフである。 実施例1および4の試料の光吸収スペクトルである。 比較例3〜5の試料の光吸収スペクトルである。 実施例1および比較例3〜4の試料の熱ポーリングの際の電流値を示すグラフである。 実施例1〜3の試料の表面の光学顕微鏡写真である。 実施例6〜7の試料の表面の光学写真である。 フッ酸処理前後における実施例3の試料のアノード側表面のSEM写真である。 フッ酸処理後における実施例3の試料のアノード側表面のAFM写真である。 熱ポーリング前および熱ポーリング後、フッ酸処理前後における実施例8の試料のアノード側表面の光学顕微鏡写真である。 フッ酸処理前後における実施例8の試料のアノード側表面のAFM写真である。 フッ酸処理前後における実施例8の試料のアノード側表面のSEM写真である。 フッ酸処理前における実施例9の試料のアノード側表面の光学写真である。 フッ酸処理後における実施例9の試料のアノード側表面の光学写真である。 実施例11のナトリウム含有カバーグラスのパターンの光学顕微鏡写真とパターンの高さおよび幅を示すグラフである。 実施例11のガラス基板の光学顕微鏡写真である。 実施例12のパターニング、熱ポーリング処理およびエッチングそれぞれの結果を示す図である。 試験例1における銀微粒子の析出における熱ポーリング温度依存性の結果を示す図である。 試験例2における熱ポーリング電圧の違いによるガラス基板のアノード側表面の測定結果を示す図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 カソード側カバーガラス
3 アノード側カバーガラス
4 ステンレス鋼製の電極
5 直流電源
11 銀微粒子析出領域
12 カバーグラス非接触部
13 エッチング加工部

Claims (13)

  1. ガラス基材と電極との間に、単結合強度が126kJ/mol以下の酸化物を形成するカチオンを酸化物に換算し1重量%以上含有するカチオン供与体を介在させ、前記ガラス基材に熱ポーリング処理を施す工程を有することを特徴とするガラス基材の表面改質方法。
  2. 前記カチオンが、ナトリウムイオンである請求項1記載のガラス基材の表面改質方法。
  3. 前記カチオン供与体が、ホウケイ酸ガラスである請求項1または2記載のガラス基材の表面改質方法。
  4. 前記カチオン供与体を、前記ガラス基材表面の改質したい所望の部位にのみ接触させ、該ガラス基材表面にパターンを形成させる請求項1〜3いずれか1項に記載のガラス基材の表面改質方法。
  5. 前記カチオン供与体が、ガラス基材との接触部に、フォトリソグラフィーにより形成されたパターンを有する請求項1〜4いずれか1項に記載のガラス基材の表面改質方法。
  6. 前記ガラス基材が、遷移金属イオンを含有する請求項1〜5いずれか1項に記載のガラス基材の表面改質方法。
  7. 前記遷移金属イオンが、銀イオン、銅イオン、金イオン、白金イオン、チタンイオンおよびパラジウムイオンからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項6記載のガラス基材の表面改質方法。
  8. 前記ガラス基材中における前記遷移金属イオンの含有量が0.01〜5モル%である請求項6または7記載のガラス基材の表面改質方法。
  9. 前記ガラス基材に熱ポーリング処理を施した後に、該ガラス基材にエッチング加工を施す工程を含む請求項1〜8いずれか1項に記載のガラス基材の表面改質方法。
  10. 請求項1〜9いずれか1項に記載の表面改質方法により、ガラス基材の少なくとも表面の一部に金属微粒子が析出してなる表面改質されたガラス基材。
  11. ガラス基材の表面から0μmを超え、2μm未満の深さに金属微粒子が析出してなる請求項10記載の表面改質ガラス基材。
  12. 前記金属微粒子が、銀、銅、金、白金、チタンおよびパラジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属からなる微粒子である請求項10または11記載の表面改質ガラス基材。
  13. 前記金属微粒子の平均粒子径が1〜20nmである請求項10〜12のいずれか1項に記載の表面改質ガラス基材。
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