JP2003072349A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

Info

Publication number
JP2003072349A
JP2003072349A JP2001270820A JP2001270820A JP2003072349A JP 2003072349 A JP2003072349 A JP 2003072349A JP 2001270820 A JP2001270820 A JP 2001270820A JP 2001270820 A JP2001270820 A JP 2001270820A JP 2003072349 A JP2003072349 A JP 2003072349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
temperature
vehicle
cooling
evaporator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001270820A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Hirose
勝敏 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001270820A priority Critical patent/JP2003072349A/ja
Priority to TW91115443A priority patent/TW587030B/zh
Publication of JP2003072349A publication Critical patent/JP2003072349A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒータコア等の加熱手段を備えず、冷房機能
のみを発揮する車両用空調装置において、冷房低負荷時
に車室内温度が過度に低下することを防止できるように
する。 【解決手段】 車室内へ向かって送風される空気を冷却
する蒸発器11を有し、この蒸発器11を通過した冷却
空気を直接、車室内へ吹き出すようにした冷房専用型の
車両用空調装置において、蒸発器11の上流側の空気
を、蒸発器11をバイパスして直接、車室内へ吹き出す
バイパス通路27を備えて、低外気温時のような冷房低
負荷時にはバイパス通路27を通して蒸発器11のバイ
パス空気、すなわち、温度の高い非冷却空気を直接車室
内へ吹き出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒータコア等の加
熱手段を備えず、冷房機能のみを発揮する冷房専用型の
車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、東南アジア等の酷暑地域で使用さ
れる車両用空調装置の多くは、ヒータコア等の加熱手段
を備えず、冷房機能のみを発揮する冷房専用型の構成に
なっている。この空調装置は、室内空調ユニット部のケ
ース内に熱交換器として冷凍サイクルの低圧冷媒を蒸発
させて空気を冷却する蒸発器のみを備えて、この蒸発器
で冷却された冷風をそのまま車室内へ吹き出すようにし
ている。
【0003】ところで、上記のような冷房専用型の空調
装置においては、暖房機能により冷風を再加熱して温度
制御することができないので、蒸発器の吹出空気温度を
温度センサにより検出し、蒸発器に冷媒を循環する圧縮
機の作動を温度センサの検出温度に応じて断続制御する
ことにより、車室内への吹出空気温度を調整するように
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、圧縮機作動の
断続制御方式では、圧縮機の作動が100%の吐出能力
にて断続されるので、圧縮機が一旦作動すると、蒸発器
の吹出空気温度は目標温度よりも低い温度にオーバーシ
ュートする。この低温側へのオーバーシュートは温度セ
ンサの応答遅れによっても増大する。
【0005】そして、低外気温時のような冷房低負荷時
には蒸発器吸い込み空気温度が低くなるので、吹出空気
温度の低温側へのオーバーシュートが一層助長される。
そのため、低外気温時のような冷房低負荷時には、圧縮
機作動の断続制御のみでは車室内温度を乗員の設定した
温度に維持することができず、車室内温度が設定温度よ
り低下してしまい、乗員が寒く感じる場合が生じる。
【0006】特に、低外気温時であっても窓ガラスの防
曇のために、蒸発器の冷却除湿作用を発揮させるときに
乗員が寒く感じる場合が多い。そこで、圧縮機を停止
し、蒸発器の冷却除湿作用を停止すると、窓ガラスの防
曇性能が低下して窓ガラスが曇るという不具合が生じ
る。
【0007】本発明は上記点に鑑みて、ヒータコア等の
加熱手段を備えず、冷房機能のみを発揮する冷房専用型
の車両用空調装置において、冷房低負荷時に車室内温度
が過度に低下することを防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、冷却用熱交換器(1
1)を通過した冷却空気を直接、車室内へ吹き出すよう
にした冷房専用型の車両用空調装置において、冷却用熱
交換器(11)の上流側の空気を、冷却用熱交換器(1
1)をバイパスして直接、車室内へ吹き出すバイパス通
路(27)を備えることを特徴とする。
【0009】これにより、低外気温時のような冷房低負
荷時にはバイパス通路(27)を通して冷却用熱交換器
(11)のバイパス空気、すなわち、温度の高い非冷却
空気を直接車室内へ吹き出すことができる。そのため、
車室内温度が過度に低下することを防止して、冷房低負
荷時における不快感(寒さ)を確実に回避できる。
【0010】しかも、バイパス通路(27)を通して非
冷却空気を直接車室内へ吹き出すから、次のような利点
も得られる。すなわち、非冷却空気をもし冷却用熱交換
器(11)通過後の冷却空気と混合してから車室内へ吹
き出すようにすると、非冷却空気中の水分の結露により
霧状の空気が車室内へ吹き出すという不具合が発生する
が、請求項1によると、非冷却空気をそのまま車室内へ
吹き出すから、霧状空気の吹出といった不具合は生じな
い。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、バイパス通路(27)の先端部の吹出口(27
a)を車室内下方部に向けて開口することを特徴とす
る。
【0012】これにより、バイパス通路(27)の温度
の高い非冷却空気を車室内下方部に向けて吹き出すこと
ができ、非冷却空気が乗員の顔部付近に接する恐れがな
い。そのため、温度の高い非冷却空気の吹出によって乗
員の空調感を損なうことがない。
【0013】また、非冷却空気は除湿されていないの
で、車両窓ガラス近傍に吹き出すと、窓ガラスの曇り発
生の原因となるが、請求項2によると、非冷却空気を車
室内下方部に吹き出すから、非冷却空気の吹出により窓
ガラスの曇りを発生する心配がない。
【0014】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2において、バイパス通路(27)を開閉するバイパ
スドア(28)を備えることを特徴とする。
【0015】これにより、空調条件に応じてバイパスド
ア(28)によりバイパス通路(27)を開閉できる。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項3にお
いて、冷却用熱交換器(11)の冷房熱負荷に応動して
バイパスドア(28)の開閉を制御する制御手段(S
8)を備え、冷房熱負荷が所定量以下であるとき制御手
段(S8)によりバイパスドア(28)を開状態にする
ことを特徴とする。
【0017】これにより、冷房低負荷時にバイパスドア
(28)を自動的に開状態にして請求項1による作用効
果を発揮できる。逆に、冷房熱負荷が高いときにはバイ
パスドア(28)を自動的に閉状態にして、送風空気の
全量を冷却用熱交換器(11)で冷却して車室内へ吹き
出して冷房性能を確保できる。
【0018】請求項5に記載の発明では、請求項4にお
いて、車室内への吹出モードがデフロスタモードであっ
て、かつ、冷房熱負荷が所定量以下であるときにバイパ
スドア(28)を開状態にすることを特徴とする。
【0019】これにより、デフロスタモード時に冷却用
熱交換器(11)の冷却除湿作用により窓ガラスの防曇
性能を確保すると同時に、温度の高い非冷却空気の車室
内への吹出によって、車室内温度の過度な低下を防止し
て不快感(寒さ)を確実に回避できる。
【0020】請求項6に記載の発明のように、請求項4
または5において冷房熱負荷の判定のために車室内温度
を検出すれば、車室内温度の低下時にバイパスドア(2
8)を自動的に開状態にすることができる。
【0021】請求項7に記載の発明では、請求項1ない
し6のいずれか1つにおいて、冷却用熱交換器は冷凍サ
イクル(R)の蒸発器(11)であり、蒸発器(11)
の吹出空気温度(Te)を検出する温度検出手段(4
0)と、吹出空気温度(Te)が目標吹出空気温度(T
AO)となるように冷凍サイクル(R)の圧縮機(1
2)の作動を断続制御する圧縮機制御手段(S7)とを
備えることを特徴とする。
【0022】これにより、圧縮機(12)の作動の断続
制御により蒸発器(11)の吹出空気温度(Te)を制
御するものにおいて、上記各請求項の作用効果を発揮で
きる。
【0023】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
および図2に基づいて説明する。図1は加熱手段を備え
ず冷房機能のみを発揮する冷房専用型の車両用空調装置
の全体構成図であって、車室内への吹出空気温度の制
御、吹出モードの切替、風量制御等をオート制御する空
調装置を例示している。図2は空調ユニット1の車両搭
載状態を例示している。
【0025】本実施形態の空調ユニット1は、車両走行
用エンジンEを搭載する車両の車室内を空調するための
もので、車室内前部に位置する計器盤Pの内側等に配置
される。空調ユニット1における各種空調機器は空調制
御装置(エアコンECU)10によって制御されるよう
になっている。
【0026】空調ユニット1は樹脂製の空調ケース2を
備えている。この空調ケース2は、車室内へ向かって空
調空気が流れる空気通路2aを形成する。この空調ケー
ス2の最も空気上流側には、外気吸込口3および内気吸
込口4が開口した内外気切替箱5が設けられており、こ
の内外気切替箱5の内側には内外気切替ドア5aが回転
可能に取り付けられている。
【0027】この内外気切替ドア5aはサーボモータ
(駆動手段)6によって駆動されて、外気吸込口3より
車室外空気(外気)を導入する外気導入モードと内気吸
込口4より車室内空気(内気)を導入する内気循環モー
ドとを切り替える。
【0028】次に、内外気切替箱5よりも空気下流側に
は送風機7が設けられている。この送風機7は車室内に
向かう空気流を発生させる遠心式送風ファン7aと、こ
の送風ファン7aを回転駆動するモータ7bと、送風フ
ァン7aを内蔵するスクロールケーシング7cとから構
成されている。なお、モータ7bは、送風機駆動回路8
によって印加電圧(送風機制御電圧)が制御される。
【0029】次に、遠心式送風機7よりも空気下流側に
は蒸発器11が、空調ケース2内の空気通路2aの全面
を横切るように配されている。この蒸発器11は冷凍サ
イクルRの低圧冷媒の蒸発潜熱により通過空気を冷却除
湿する冷却用熱交換器である。
【0030】冷凍サイクルRは、車両のエンジンEの駆
動力によって電磁クラッチ12aを介して駆動される圧
縮機12を備えている。この圧縮機12から吐出された
高圧ガス冷媒は凝縮器13にて冷却され、凝縮する。凝
縮器13から流出した冷媒は受液器(気液分離器)14
にて気液分離され、液冷媒を溜める。受液器14から流
出した高圧液冷媒は膨張弁(減圧手段)15にて減圧膨
張し、低圧の気液2相状態となり、この低圧冷媒が蒸発
器11に流入して空調ケース2内の送風空気から吸熱し
て蒸発する。
【0031】なお、圧縮機12の電磁クラッチ12a
は、圧縮機駆動回路16により通電が断続され、それに
より、圧縮機12の作動が断続制御される。そして、圧
縮機12の作動の断続により、蒸発器11による空気の
冷却除湿作用が断続され、蒸発器11の吹出空気温度T
eを調節できる。
【0032】なお、本実施形態ではヒータコア等の加熱
手段およびエアミックスドア等の温度調節手段を有さな
い冷房専用タイプの空調装置であるので、圧縮機駆動回
路16による電磁クラッチ12aの通電制御により蒸発
器11の吹出空気温度Teを調節することにより、車室
内への吹出空気温度を調節するようになっている。
【0033】次に、空調ケース2の最も下流側には、車
両のフロントガラス(窓ガラス)の内面に向けて空調空
気を吹出すデフロスタ吹出口21、乗員の顔部(上半
身)に向けて空調空気を吹出すフェイス吹出口22、乗
員の足元部に向けて空調空気を吹出すフット吹出口23
が設けられている。そして、これらの吹出口21、2
2、23の空気上流部には、デフロスタドア24とフェ
イドア25とフットドア26がそれぞれ回転可能に設け
られている。これらのドア24、25、26は図示しな
いリンク機構を介して共通のサーボモータ(駆動手段)
50によって駆動されて、フェイスモード、バイレベル
モード、およびデフロスタモードのいずれか1つの吹出
モードを設定する。
【0034】なお、フェイスモードは、フェイス吹出口
22を開放して空調空気を乗員の顔部に向けて吹き出す
吹出モードである。また、バイレベル(B/L)モード
は、ドア25、26によりフェイス吹出口22とフット
吹出口23の両方を開放して空調空気を乗員の顔部と足
元部に向けて吹き出す吹出モードである。そして、デフ
ロスタモードは、デフロスタ吹出口21を開放して空調
空気をフロントガラスの内面に向けて吹き出す吹出モー
ドである。
【0035】一方、空調ケース2において蒸発器11の
空気流れ上流側部位にはバイパス通路27を設け、この
バイパス通路27により蒸発器11をバイパスして空気
が直接、車室内へ向かって流れるようにしてある。バイ
パス通路27の先端の吹出口27aは図2に示すように
車室内下方部にて車体側のダッシュパネルDに向けて開
口するようにしてある。ダッシュパネルDは周知のよう
に車室内とエンジンルームとを仕切る仕切り板である。
バイパス通路27には回転可能な板ドアからなるバイパ
スドア28が設けてあり、このバイパスドア28はサー
ボモータ(駆動手段)29によって駆動される。
【0036】空調制御装置10には、CPU、ROM、
RAM等により構成される周知のマイクロコンピュータ
が設けられている。そして、空調制御装置10は、予め
ROMに記憶された制御プログラムに基づいて、サーボ
モータ6、29、50を通電制御するとともに、送風機
駆動回路8を介して送風機モータ7bを、また、圧縮機
駆動回路16を介して電磁クラッチ12aをそれぞれ通
電制御する。
【0037】空調制御装置10の入力端子には、車室内
の運転席前方に配置される空調操作パネル30からの操
作信号が入力される。この空調操作パネル30には、圧
縮機12の作動指令信号を出すエアコンスイツチ31、
送風機7の風量をマニュアル設定する風量スイツチ3
2、内外気モードをマニュアル設定する内外気切替スイ
ツチ33、吹出モードとしてデフロスタモード、フェイ
スモード、バイレベルモードをマニュアル設定する吹出
モード切替スイッチ34、車室内の希望温度を設定する
温度設定スイッチ35、空調のオート制御を設定するオ
ートスイッチ36等が設けられている。
【0038】また、空調制御装置10は空調環境条件を
検出する各種センサからのセンサ信号が入力されるよう
に構成されている。すなわち、空調制御装置10の入力
端子には、車室内の空気温度(内気温度)Trを検出す
る内気温センサ37、車室外の空気温度(外気温度)T
amを検出する外気温センサ38、車室内に照射される
日射量Tsを検出する日射センサ39、蒸発器11の吹
出直後の空気温度(蒸発器温度)Teを検出する蒸発器
吹出温度センサ40等が接続されている。
【0039】なお、蒸発器11の下流側にはヒータコア
等の加熱手段を備えていないから、蒸発器吹出温度Te
は空調ケース2から車室内へ吹き出す空気の吹出温度で
もある。
【0040】次に、本実施形態の作動を説明する。図3
は空調制御装置10による制御内容の概要を示すフロー
チャートであり、先ず、車両エンジンEのイグニッショ
ンスイッチ(図示せず)がONされて空調制御装置10
に電源が供給されると、図32の制御ルーチンの実行が
開始され、ステップS1にて、先ず、データ処理用メモ
リ(RAM)の記憶内容等を初期化する。次に、ステッ
プS2にて、空調操作パネル30の各種スイッチ31〜
36からのスイッチ信号および各種センサ37〜40か
らのセンサ信号を読み込む。
【0041】次に、ステップS3にて下記の数式1に基
づいて目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温
度TAOは、車室の熱負荷変動にかかわらず、車室内温
度を乗員の設定温度Tsetに維持するために必要な吹
出温度である。
【0042】
【数1】TAO=Kset・Tset−Kr・Tr−K
am・Tam−Ks・Ts−C但し、Tsetは温度設
定スイッチ35の設定温度、Trは内気温センサ37に
て検出した内気温度、Tamは外気温センサ38にて検
出した外気温度、Tsは日射センサ39にて検出した日
射量である。また、Kset、Kr、Kam、Ksは、
それぞれ温度設定ゲイン、内気温ゲイン、外気温ゲイ
ン、日射量ゲインを表し、Cは補正定数を表す。
【0043】次に、ステップS4にて送風機制御電圧
(送風機モータ7bの印加電圧)を決定する。具体的に
は、オートスイッチ36が投入されたオート制御時に
は、上記目標吹出温度TAOが所定温度以下の低温域に
あるときは送風機制御電圧を最大電圧として、送風機7
の回転数(風量)を最大とする。そして、TAOが上昇
するにつれて送風機制御電圧を連続的に徐々に低下さ
せ、送風機7の回転数(風量)を低下させる。TAOが
所定温度まで上昇すると、送風機制御電圧を最小電圧に
低下させ、送風機7の回転数(風量)を最小とする。こ
れ以後はTAOが更に上昇しても送風機制御電圧を最小
電圧に維持する。なお、乗員が風量スイッチ32を操作
して、風量をマニュアル設定しているときは、風量設定
スイッチ32にて設定された風量レベルに対応した送風
機制御電圧を決定する。
【0044】次に、ステップS5にて内外気モードを決
定する。具体的には、オート制御時には目標吹出温度T
AOに基づいて内外気モードを決定する。すなわち、T
AOが所定温度以下の低温域にあるときは内外気モード
を内気循環モードとし、そして、TAOが所定温度より
高い温度に上昇すると、内外気モードを外気導入モード
とする。また、乗員が内外気切替スイッチ33を操作し
たときはそのスイッチ操作により設定された内外気モー
ドを決定する。
【0045】次に、ステップS6にて吹出モードを決定
する。具体的には、オート制御時には、目標吹出温度T
AOに基づいて吹出モードを決定する。すなわち、TA
OがTAOが所定温度以下の低温域にあるときはフェイ
ス吹出口22とフット吹出口23を両方開放するバイレ
ベルモードを決定し、TAOが所定温度より高い温度に
上昇すると、フェイス吹出口22のみを開放するフェイ
スモードを決定する。また、乗員が吹出モード切替スイ
ッチ32を操作したときはそのスイッチ操作により設定
された吹出モードを決定する。なお、デフロスタモード
は乗員のマニュアル操作のみで設定される。
【0046】次に、ステップS7にて圧縮機12の作動
の断続制御、すなわち、圧縮機12の電磁クラッチ12
aの接続(ON)および遮断(OFF)を決定する。こ
の電磁クラッチ12aの断続(ON−OFF)は目標蒸
発器温度TEOと蒸発器吹出温度センサ40により検出
される実際の蒸発器吹出温度Teとを比較して電磁クラ
ッチへの印加電圧を決定(断続)し、圧縮機作動の断続
(ON−OFF)を決定する。
【0047】より具体的に説明すると、目標蒸発器温度
TEOは、TAOの変化に応じて決定されるものであっ
て、TAOが所定温度より低い低温域では、TEOは蒸
発器11のフロスト(着霜)を防止するためのフロスト
限界温度(最低温度)例えば、3℃に維持される。そし
て、TAOが上記所定温度より高い温度になると、TA
Oの上昇に比例してTEOが上昇するようになってい
る。
【0048】そして、圧縮機作動のハンチング防止のた
めに、実際の蒸発器吹出温度Teの比較対象の目標値と
してTEOと、TEO+1℃の2つを設定して、Teが
TEO+1℃を上回ると、圧縮機12をON状態とし、
そして、蒸発器11の冷却作用によりTeがTEOより
低下すると、圧縮機12をOFF状態とする。
【0049】次に、ステップS8にて、バイパス通路2
7のバイパスドア28の開閉を決定する。本実施形態で
は、ステップS6にて決定された吹出モードがデフロス
タモードであって、かつ、車室内温度(内気温Tr)が
図4に示す第1所定温度T1より低い時のみバイパスド
ア28を開状態とする。より具体的に説明すると、デフ
ロスタモード時に外気温が低いと、冷房熱負荷が小さい
ため、車室内温度が図4に示す第1所定温度T1(例え
ば、20℃)より低下して、乗員が寒さを感じることが
ある。
【0050】そこで、内気温により検出される車室内温
度が第1所定温度T1より低下すると、バイパスドア2
8を開き、そして、バイパスドア28の開度は車室内温
度の低下につれて連続的に増大させ、車室内温度が第1
所定温度T1よりも低い第2所定温度T2(例えば、1
5℃)まで低下すると、バイパスドア28が全開するよ
うにしている。
【0051】最後に、ステップS9にて上記ステップS
4〜S8で決定した制御信号をサーボモータ6、29、
50、送風機駆動回路8、圧縮機駆動回路16等に出力
して、内外気切替ドア5a、送風機モータ7b、デフロ
スタドア24、フェイスドア25、フットドア26、バ
イパスドア28、電磁クラッチ12a等を制御する。そ
の後に、ステップS2の制御処理に戻る。
【0052】次に、本実施形態の作用効果を説明する
と、吹出モードがデフロスタモードであって、かつ、車
室内温度が第1所定温度T1より低い時のみ、バイパス
ドア28を開状態にしているから、吹出モードがデフロ
スタモード以外のバイレベルモードおよびフェイスモー
ドであるとき、およびデフロスタモード時において車室
内温度が第1所定温度T1より高いとき(冷房熱負荷が
高いとき)はバイパスドア28を閉状態とし、バイパス
通路27が閉塞される。従って、送風機7の送風空気の
全量が図2の実線矢印Aのように蒸発器11を通過して
冷却され、車室内へ吹き出すので、冷房性能を最大限発
揮できる。
【0053】これに反し、吹出モードがデフロスタモー
ドであって、かつ、車室内温度が第1所定温度T1より
低い時はバイパスドア28を開状態とし、バイパス通路
27を開放する。これにより、送風機7の送風空気のう
ち、一部の空気が破線矢印Bのようにバイパス通路27
を通過して、その先端部の吹出口27aから車室内へ直
接吹き出す。そのため、蒸発器11を通過して冷却され
て車室内へ吹き出す冷却空気吹出量が減少する。
【0054】その結果、低外気温時にデフロスタモード
を設定した場合(冷房低負荷時)のように、圧縮機作動
の断続制御のみでは車室内温度を乗員の設定した温度に
維持できない場合であっても、バイパス通路27からの
非冷却空気の吹出により車室内温度が過度に低下するの
を防止できる。そのため、過剰な冷房感による寒さを乗
員が感じることがない。
【0055】従って、低外気温時に吹出モードをデフロ
スタモードにして、窓ガラスの曇り除去を行う際にも、
蒸発器11により冷却、除湿された低湿度の空気をデフ
ロスタ吹出口21から窓ガラス側へ吹き出して防曇性能
を向上でき、これと同時に、バイパス通路27からの非
冷却空気の吹出により車室内温度が過度に低下するのを
防止でき、乗員の快適感を確保できる。
【0056】また、バイパス通路27の先端部の吹出口
27aは車室内下部に向けて非冷却空気を吹き出すか
ら、乗員の快適感を損なうことがない。すなわち、乗員
足元部に比較して乗員の顔部側の温感は非常に敏感であ
るので、温度の高い非冷却空気が直接、乗員の顔部側に
吹き出すと乗員に不快感を与えやすいが、本実施形態の
ように温感に対して敏感でない乗員足元部側へ非冷却空
気を吹き出すから、乗員に不快感を与えることがない。
【0057】また、非冷却空気は除湿されていないの
で、車両窓ガラス近傍に吹き出すと、窓ガラスの曇り発
生の原因となるが、非冷却空気を車室内下方部に吹き出
すから、非冷却空気の吹出により窓ガラスの曇りを発生
する心配がない。
【0058】また、図2に例示するように、吹出口27
aを車室内下部にて車体側のダッシュパネルDに向けて
開口すれば、吹出口27aからの吹出空気がダッシュパ
ネルDに向かうので乗員足部に当たることがない。従っ
て、吹出口27aからの非冷却空気の吹出による違和感
を解消できる。ここで、吹出口27aをダッシュパネル
Dの方向に開口せずに、計器盤Pの方向に開口しても、
吹出口27aからの吹出空気が乗員足部に当たることが
なく、同様の効果を発揮できる。
【0059】また、車室内温度の過度な低下を防止する
ために、バイパス通路27の非冷却空気と蒸発器11通
過後の冷却空気とを混合して車室内へ吹き出すことも考
えられるが、このようにすると、非冷却空気は除湿前の
湿度の高い空気であるので、冷却空気と混合されるとき
に冷却されて露点に達して結露し、この結露が原因とな
って霧状の空気が車室内へ吹き出すという現象が発生
し、実用上好ましくない。これに対して、本実施形態に
よると、バイパス通路27の非冷却空気は冷却空気と混
合、冷却されることなく、直接車室内へ吹き出すから、
霧状の空気が車室内へ吹き出すという不具合は生じな
い。
【0060】また、本実施形態では、車室内温度の低下
によりバイパスドア28を一挙に全開状態とせずに、バ
イパスドア28の開度を車室内温度の低下につれて徐々
に増大するから、バイパス通路27の開放によりデフロ
スタ吹出風量が急激に減少することがない。そのため、
デフロスタ吹出風量の急激な減少に起因する防曇性能の
低下や、送風騒音の急変化による違和感が発生しない。
【0061】(他の実施形態)なお、上記の実施形態で
は、吹出モードがデフロスタモードであって、かつ、車
室内温度が第1所定温度T1より低い時のみバイパスド
ア28を開状態としているが、吹出モードがバイレベル
モードやフェイスモードであるときに、車室内温度が第
1所定温度T1より低下すると、バイパスドア28を開
状態にしてもよい。
【0062】また、上記の実施形態では、車室内温度の
低下によりバイパスドア28を一挙に全開状態とせず
に、バイパスドア28の開度を車室内温度の低下につれ
て徐々に増大させているが、バイパス通路27の圧損
(通路断面積)の調整によりバイパスドア28を全閉状
態から一挙に全開させるようにしてもよい。
【0063】また、上記の実施形態では、車室内温度T
rの低下を検出してバイパスドア28を開状態にしてい
るが、車室内温度Trの低下は冷房熱負荷の低下により
発生し、そして、冷房熱負荷は外気温Tam、目標吹出
温度TAO等とも相関があるので、車室内温度Trの代
わりに、これらの外気温Tam、目標吹出温度TAOを
用いてバイパスドア28の開閉を決定するようにしてよ
い。すなわち、外気温Tamが所定温度以下に低下した
とき、あるいは目標吹出温度TAOが所定温度以上に上
昇したときに、バイパスドア28を開状態とするように
してもよい。
【0064】また、上記の実施形態では、吹出モードと
して、バイレベルモード、フェイスモードおよびデフロ
スタモードを設定する場合について説明したが、必要に
応じて、例えば、デフロスタ吹出口21とフット吹出口
23の両方を開放するフットデフロスタモード等を設定
するようにしてもよい。
【0065】また、上記の実施形態では、オート制御時
に内外気モードを内気循環モードに固定する場合につい
て説明したが、窓ガラスが曇り易い条件を判定した場合
には外気導入モードにして、内気に比べて湿度の低い外
気を蒸発器11で冷却することにより窓ガラスの防曇性
を向上させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両用空調装置の全
体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による室内空調ユニット部
の車両搭載状態の概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の作動を説明するフローチ
ャートである。
【図4】本発明の一実施形態によるバイパスドアの開度
特性図である。
【符号の説明】
7…送風機、11…蒸発器(冷却用熱交換器)、12…
圧縮機、27…バイパス通路、27a…吹出口、28…
バイパスドア。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内へ向かって送風される空気を冷却
    する冷却用熱交換器(11)を有し、 前記冷却用熱交換器(11)を通過した冷却空気を直
    接、車室内へ吹き出すようにした冷房専用型の車両用空
    調装置において、 前記冷却用熱交換器(11)の上流側の空気を、前記冷
    却用熱交換器(11)をバイパスして直接、車室内へ吹
    き出すバイパス通路(27)を備えることを特徴とする
    車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記バイパス通路(27)の先端部の吹
    出口(27a)を車室内下方部に向けて開口することを
    特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記バイパス通路(27)を開閉するバ
    イパスドア(28)を備えることを特徴とする請求項1
    または2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却用熱交換器(11)の冷房熱負
    荷に応動して前記バイパスドア(28)の開閉を制御す
    る制御手段(S8)を備え、 前記冷房熱負荷が所定量以下であるとき前記制御手段
    (S8)により前記バイパスドア(28)を開状態にす
    ることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 車室内への吹出モードがデフロスタモー
    ドであって、かつ、前記冷房熱負荷が所定量以下である
    ときに前記バイパスドア(28)を開状態にすることを
    特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記冷房熱負荷の判定のために車室内温
    度を検出することを特徴とする請求項4または5に記載
    の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 前記冷却用熱交換器は冷凍サイクル
    (R)の蒸発器(11)であり、前記蒸発器(11)の
    吹出空気温度(Te)を検出する温度検出手段(40)
    と、前記吹出空気温度(Te)が目標吹出空気温度(T
    AO)となるように前記冷凍サイクル(R)の圧縮機
    (12)の作動を断続制御する圧縮機制御手段(S7)
    とを備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
    か1つに記載の車両用空調装置。
JP2001270820A 2001-09-06 2001-09-06 車両用空調装置 Withdrawn JP2003072349A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001270820A JP2003072349A (ja) 2001-09-06 2001-09-06 車両用空調装置
TW91115443A TW587030B (en) 2001-09-06 2002-07-11 Vehicle air conditioner with only cooling function

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001270820A JP2003072349A (ja) 2001-09-06 2001-09-06 車両用空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003072349A true JP2003072349A (ja) 2003-03-12

Family

ID=19096426

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001270820A Withdrawn JP2003072349A (ja) 2001-09-06 2001-09-06 車両用空調装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2003072349A (ja)
TW (1) TW587030B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017094351A1 (ja) * 2015-12-02 2017-06-08 株式会社デンソー 気流制御システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017094351A1 (ja) * 2015-12-02 2017-06-08 株式会社デンソー 気流制御システム
JPWO2017094351A1 (ja) * 2015-12-02 2018-03-29 株式会社デンソー 気流制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
TW587030B (en) 2004-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5445514B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004142646A (ja) 車両用空調装置
US6978629B2 (en) Vehicle air conditioner
JP2003080928A (ja) 車両用空調装置
JP2006224705A (ja) 車両用空調装置
JP4407368B2 (ja) 車両用空調装置
JP2002036847A (ja) 車両用空調装置
JP2002331820A (ja) 車両用空調装置
JP4144536B2 (ja) 車両用空調装置
JP4066508B2 (ja) 車両用空調装置
JPH10217752A (ja) 車両用空気調和装置
JP2002283839A (ja) 車両用冷房装置
JPH10915A (ja) 車両用空調装置
JP3326954B2 (ja) 車両用空調装置
JP2007001337A (ja) 車両用空調装置および車両用空調制御プログラム
JPH07232549A (ja) 車両用空調装置
JP2003054243A (ja) 車両用空調装置
JP2003072349A (ja) 車両用空調装置
JP2004042706A (ja) 車両用空調装置
JP4613942B2 (ja) 車両用空調装置
JP4218550B2 (ja) 車両用空調装置
JP3306449B2 (ja) 車両用空調装置の内外気制御装置
JP5251741B2 (ja) 車両用空調装置
JP3334410B2 (ja) 車両用空調装置
JP2000168339A (ja) 車両用空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081202