JP2003071414A - 化学剤処理システム - Google Patents

化学剤処理システム

Info

Publication number
JP2003071414A
JP2003071414A JP2001266318A JP2001266318A JP2003071414A JP 2003071414 A JP2003071414 A JP 2003071414A JP 2001266318 A JP2001266318 A JP 2001266318A JP 2001266318 A JP2001266318 A JP 2001266318A JP 2003071414 A JP2003071414 A JP 2003071414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical agent
molten salt
decomposing
processing system
chemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001266318A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Unoki
和夫 鵜木
Yuichi Shoji
裕一 東海林
Ritsuo Yoshioka
律夫 吉岡
Kohei Taruya
耕平 樽谷
Masaaki Inoue
正明 井上
Hiroaki Abe
宏章 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001266318A priority Critical patent/JP2003071414A/ja
Publication of JP2003071414A publication Critical patent/JP2003071414A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学剤が充填された銃砲弾類を解体し、化学
剤を取り出し、分解処理することを安全かつ容易に行な
うことのできる新たな化学剤処理システムを提供する。 【解決手段】 化学剤が充填された銃砲弾類を銃砲弾類
を冷凍し、冷凍状態で破砕、あるいは銃砲弾類の殻体を
水中で電気分解することによって、溶解化学剤を取り出
す。取り出した化学剤は溶融塩の中で分解処理する。化
学剤が火薬を含む場合は、これを分離して分解処理す
る。化学剤がヒ素化合物を含む場合は、分解処理に用い
た溶融塩中に溶解しているヒ素化合物の塩を分離して固
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学兵器の中に充填
されている化学剤を取出して安全に処理する化学剤処理
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】化学剤が充填された化学兵器は、過去に
製造されて未使用のまま、現在もなお多量に貯蔵されて
いる。また地中、水中、海中などに遺棄または投棄され
ているものも多い。そうした化学兵器の一部には、その
殻体の表面の腐食が進行しているものがあり、殻体の中
に収容されている化学剤が漏れ出し、大気、土壌、河
川、海水あるいは地下水などの環境汚染をもたらすおそ
れがある。従ってこうした兵器中に充填された化学剤を
取り出し、分解して無害化することが求められている。
【0003】このような化学兵器を処理し無害化するに
は、化学兵器の殻体から化学剤を取り出すことと、取り
出した化学剤を処理することを、安全を確保して行うこ
とが必要である。このため、化学兵器の殻体から化学剤
を取出し、分解する方法について、これまでに多くの方
法が提案され、あるいは用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで化学兵器に充
填されている化学剤は、毒ガスなどの毒性を持つ化学物
質のほかに、火薬が含まれる場合が多い。このため化学
兵器の殻体から化学剤を取り出す際には、殻体を切断す
るなどの通常の機械的な手段を用いると、爆発を引き起
こす危険があるという問題点があった。
【0005】また、化学兵器の殻体から取り出した化学
剤を分解する方法としては、これまでに以下のような方
法が用いられ、あるいは提案されており、これらの方法
にはそれぞれ次に述べるよな問題点があった。
【0006】第1の方法は、化学剤を十分な酸素雰囲気
の下に1000℃程度の高温で燃焼させて分解する方法
である。この方法で化学剤は二酸化炭素と水、そして分
子中にハロゲン原子を含んでいる場合には、二酸化炭素
と水とハロゲン化水素にまで分解される。この方法は最
も広く用いられてきた方法であって、最近では特開平1
0−141636号公報あるいは特開平10−1416
37号公報に示されているように、テルミット反応によ
り発生する高熱を利用した燃焼分解法も報告されてい
る。
【0007】ところがこうした燃焼法では、化学剤が塩
素原子を含む場合に、塩素や塩化水素ガスが生成するほ
か、猛毒のダイオキシン類などが副生するおそれが大で
ある。また高温の塩化水素ガスは有毒である上に、焼却
炉の炉壁材を腐食する。さらにルイサイトをはじめとす
る多くの毒ガスとして作られた化学剤の分子中に存在し
ているヒ素原子は、そのほとんどが猛毒の三酸化ヒ素
(沸点:465℃)になり、そのままでは焼却排ガスと
して大気中に放出されることになる。このことはテルミ
ット反応を利用した処理方法であっても同様である。
【0008】第2の方法は、化学反応、例えば化学剤の
ハロゲン原子を水素原子などで置換する反応により、化
学剤を無害な物質に変える方法、即ち化学的分解法であ
る。
【0009】ところがこの化学的分解法の場合は、毒ガ
スとして作られた化学剤は極めて強い毒性を持つことか
ら、毒性の消失のために要求される残留量はナノグラム
ないしピコグラムのごく微少なレベルであり、このレベ
ルになるまで分解を進めることは事実上不可能である。
その上、一部の毒ガスとして作られた化学剤の場合は、
通常の化学反応、例えばハロゲン原子の置換反応を行っ
た程度では毒性がほとんど低下しない。
【0010】第3の方法は、温度380℃以上、圧力2
2MPa以上の超臨界水を用いて化学剤を二酸化炭素と
水、あるいは化学剤がハロゲン原子を含んでいる場合に
は、二酸化炭素と水とハロゲン化水素酸にまで分解させ
る方法である。
【0011】ところがこの超臨界水酸化法の場合は、水
を臨界状態にするのに多量のエネルギーを必要とする
上、超高圧下で分解を行うことによる危険性があり、ま
た特に化学剤が含塩素化合物の場合には、分解で生成し
た高温高圧の塩素が非常に強い腐食作用を有しているの
で、装置の構成材として使用できる材質は非常に強い耐
食性を持つ特殊で高価なものに限定されてしまう。
【0012】第4の方法は、例えば特開平09−117
735号公報に示されているように、水の臨海点近傍の
アルカリ溶液中で化学剤に水熱加水分解を行い、無毒な
化合物にまで分解するとともに、分解液中に残る重金属
類を水熱処理して固化し、安定化させる方法である。
【0013】ところがこの水熱分解法の場合にも、水を
臨界点近傍の温度および圧力にするのに多量のエネルギ
ーが必要であることや、超高圧下で分解を行うことによ
る危険が伴うことなど、上述の超臨界水酸化法の場合と
同様の問題点がある。
【0014】そこで本発明は、これら従来技術の問題点
を解消するためになされたもので、化学兵器中の化学剤
を取り出し、分解することを安全かつ容易に行うことの
できる新たな化学剤の処理システムを提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の化学剤処理シス
テムは、化学剤が充填された銃砲弾類の殻体の材料を変
質させることによって解体して前記化学剤を取出す化学
剤取り出し装置と、化学剤を溶融塩の中で分解する化学
剤分解装置とを備えることを特徴としている。
【0016】ここに、殻体の材料を変質させることによ
って解体するとは、通常は殻体の解体に、切断などの機
械加工の手段が用いられ、これが振動や発熱を伴うこと
によって、銃砲弾類の爆発を誘起するおそれがあったの
に対し、殻体の材料を物理的あるいは化学的などの手段
によって変質させることにより、機械的なエネルギーを
加えることなく、あるいはごくわずかのエネルギーを加
えるだけで解体するものであって、銃砲弾類に充填され
た化学剤に火薬が混入されていても、これに爆発の条件
を与えることなく解体することができるものである。例
えば銃砲弾類を冷凍し、脆性破砕を示すようにして、極
端に小さい破砕エネルギーで破砕することができる。ま
た銃砲弾類の殻体を水中で電気分解して溶解することに
よって、機械的なエネルギーを加えることなく、銃砲弾
類を解体することができる。
【0017】このようにして、本発明により、殻体の材
料を変質させることによって解体する方法を用いれば、
銃砲弾類が例え火薬を有していたとしても、化学剤取り
出し装置での爆発を回避することができる。
【0018】取り出された化学剤は、化学剤を加熱して
気化する気化装置と、気化した前記化学剤を溶融塩の中
に吹き込み分解処理する分解処理装置とによって処理す
ることができる。
【0019】このような本発明の化学剤処理システム
は、例えばシアン化水素、ホスゲン(塩化カルボニ
ル)、イペリット(ビス(2−クロロエチル)スルフィ
ド)、トリクロロアルシン(塩化ヒ素(III))、クロ
ロジフェニルアルシン、ルイサイト(ジクロロ(2−ク
ロロビニル)アルシン)、クロロジフェニルアルシン、
シアノジフェニルアルシン、サリン、タブン、ソマン、
VXガスなどのいわゆる毒ガスの化学剤を充填した銃砲弾
類を解体して化学剤を取出し、分解する処理に用いるこ
とができる。そして過去に製造されて未使用のまま、地
中、水中、海中などに遺棄または投棄された銃砲弾類の
処理にも用いることができる。
【0020】上記化学剤分解装置においては、銃砲弾類
の破片と混じり合った化学剤の混合体を低温加熱して揮
発性の化学剤を蒸発させて分離し、分離した前記化学剤
を溶融塩の中で分解処理することができる。
【0021】また上記化学剤分解装置は、前記化学剤を
低温加熱して揮発性の化学剤を蒸発気化して分離する装
置と、蒸発気化した化学剤を溶融塩の中で分解処理する
装置と、火薬を含み揮発性の化学剤が分離除去された前
記混合体の残留物を別の溶融塩の中で分解処理する装置
とを備えることができる。
【0022】このような化学剤分解装置によれば、化学
剤が火薬などを含んでいる場合であっても、両者を一緒
に予熱炉の中で比較的低温に加熱し、より揮発し易い化
学剤だけを蒸発させて火薬などから分離して溶融塩の中
で分解処理し、残った火薬などについて化学剤とは別に
溶融塩の中で分解処理することによって安全に処理を行
なうことができる。
【0023】また上記混合体の残留物を溶融塩の中で分
解処理する装置は、残留物が水溶液である場合に、この
水溶液を100 ℃以下で加熱して水分を蒸発させ、この装
置を経て残った残渣を溶融塩の中で分解処理する装置を
備えることもできる。
【0024】本発明により、火薬などが水中に溶解して
いる場合であっても、溶液を低温で加熱して水分だけを
蒸発させて分離除去し、その後に残った火薬などを溶融
塩の中で分解処理することにより火薬などを処理するこ
とができる。
【0025】本発明の化学剤処理システムにおいては、
化学剤分解装置が、化学剤の分解に用いた後の溶融塩の
中に溶解している無機ヒ素化合物の塩を分離し、この無
機ヒ素化合物の塩を固化して安定化する装置を備えるこ
とができる。また上記無機ヒ素化合物の塩を固化して安
定化する装置は、化学剤を分解に用いた後の前記溶融塩
の中に溶解している無機ヒ素化合物の塩を金属ヒ素に還
元し分離する装置を備えることができる。
【0026】このような本発明の化学剤処理システム
は、化学剤としてトリクロロアルシン(塩化ヒ素(II
I))、ルイサイト(ジクロロ(2-クロロビニル)アルシ
ン)、クロロジフェニルアルシン、およびシアノジフェ
ニルアルシンの少なくともいずれか1種のヒ素化合物を
含むものの処理に用いることができる。
【0027】上記ルイサイトやジクロロアルシンなど
の、分子中にヒ素原子を有する化合物は、溶融塩の中で
分解させると、分子中のヒ素原子は亜ヒ酸塩またはヒ酸
塩となって分解に用いた後の溶融塩の中に残っている。
イオウ、リン、或いはハロゲン等の原子と違って、ヒ素
はその単体が毒性を持っている元素であるので、どのよ
うな化学形態に変化しても毒性はなくならない。したが
って、このような分子中にヒ素原子を有する化合物を分
解した場合に生成する亜ヒ酸塩またはヒ酸塩は、処理後
の溶融塩の中から分離除去し、さらに例えばコンクリー
ト中に固化するなどの処理により、安定化させることが
望ましい。
【0028】この亜ヒ酸塩またはヒ酸塩を分離する操作
は溶融塩の状態で行っても良いし、溶融塩を一旦水溶液
化した後で行っても良い。溶融塩の状態のままで溶解し
ている亜ヒ酸塩またはヒ酸塩を分離する方法としては、 亜ヒ酸塩またはヒ酸塩を溶融塩の中で電解還元し、
金属ヒ素として陰極に析出させる、 亜ヒ酸塩またはヒ酸塩に対して還元剤として作用す
る様な金属(例えば金属ナトリウムや金属リチウム)を
加えて溶融塩に不溶な金属ヒ素に変え、濾過分離する、 と同様にして還元し、生成した金属ヒ素を蒸留に
より溶融塩から分離する、などの方法が適用できる。
【0029】また溶融塩を水溶液化した後で溶解してい
る亜ヒ酸塩またはヒ酸塩を分離する方法としては、 アルミニウム等の塩を加えて難水溶性の亜ヒ酸塩また
はヒ酸塩を形成させ、沈殿させる、 イオン交換樹脂、キレート樹脂、アルミナ等に吸着さ
せる、 電解により金属ヒ素として陰極に析出させ
る、などの方法が適用できる。なお溶融塩の中、水溶液
中のいずれの状態で分離する場合にも、上記した〜
の各方法を単独ではなく幾つか組合せて、さらには溶融
塩の中での方法と水溶液中での方法とを組合せて用いる
こともできる。
【0030】本発明で使用する溶融塩は、化学剤の分解
によって生じる酸性の無機ガスなどを中和して無機アル
カリ塩を形成できる性質を有するアルカリ性の無機塩で
あれば特に制限されないが、これらのガスとの反応の容
易性、その反応によって形成される中性の無機アルカリ
塩の安定性、さらには操作環境からなるべく低い融点で
あることが望ましいことを考慮すると、主成分として、
アルカリ金属またはアルカリ土類の金属水酸化物または
炭酸塩の1種類、または2種類以上の混合物が好まし
い。
【0031】このような溶融塩としては、例えば水酸化
ナトリウム(融点328℃)、水酸化カリウム(融点3
60℃)、水酸化ナトリウム−水酸化カリウム共晶塩
(融点218℃)、炭酸リチウム−炭酸ナトリウム共晶
塩(融点286℃)、炭酸リチウム−炭酸ナトリウム−
炭酸カリウム三元共晶塩(融点397℃)などがある。
【0032】本発明に用いる溶融塩の温度は低すぎる
と、化学剤の分解反応が遅くなり、他方で温度が高すぎ
ると大きなエネルギーを必要とすることに加えて、装置
材料の腐食速度が増加する。このため、本発明で用いる
溶融塩は500〜600℃程度の温度で使用できるもの
であることが望ましい。
【0033】なお、本発明で用いる溶融塩として用いる
アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩は、純粋で
ある必要はなく、その融点や化学剤の分解によって生成
するハロゲン化水素などの酸性ガスを捕集して無機ハロ
ゲン化物などの中性塩を形成する能力を低下させるもの
でなく、溶融塩を使用する温度での溶融状態を妨げるも
のでない範囲内で、これらの塩を主成分として他の無機
塩が混合されていても、差し支えがない。
【0034】次に本発明の作用について述べる。本発明
により、銃砲弾類の殻体の材料を変質させることによる
解体、例えば脆性破壊を利用した冷凍破砕や、あるいは
銃砲弾類の外殻を水中で電気分解を行う場合には、機械
的なエネルギーをほとんど加えずに解体して、充填され
ている化学剤を取り出すことができるので、銃砲弾類の
化学剤が火薬を含んでいても、爆発を回避することがで
き、安全に化学剤を取り出すことが可能となる。
【0035】また化学剤の処理は、以下に述べるように
して、ほぼ完全に分解することができる。代表的な無機
塩の溶融塩は、密度が2 g/cm3程度、粘性率が103N s/m2
程度でいずれも常温の水と同オーダー、導電率が20〜50
S/m程度、熱伝導率が1 W/m・K程度と金属と同程度に大
きい、融点は500〜1000 ℃程度と大半の金属よりも低
い、溶融金属に比べて化学的安定性が大きく化学変化を
起こしにくい、全体がほぼ完全に均一である、他の多く
の無機塩や金属に対する溶解性がある、等の性質を有し
ている。このような性質によって、溶融塩は化学反応の
溶媒や熱媒体として用いることができることが知られて
いる。
【0036】本発明においても、化学剤は、溶媒として
も作用するアルカリ溶融塩の中で容易に分解され、炭酸
アルカリ、水、ハロゲン化アルカリ、硫化アルカリ、II
I価またはV価のヒ素酸化物のアルカリ塩(すなわちいわ
ゆる亜ヒ酸塩またはヒ酸塩)等の無機化合物を生成し、
いずれも過剰のアルカリ溶融塩の中に保持されて環境中
には一切排出されない。
【0037】例として、溶融塩として水酸化ナトリウム
を、また化学剤としてイペリット、ルイサイト、クロロ
ジフェニルアルシン、およびシアノジフェニルアルシン
の4種類を、それぞれ用いた場合の分解反応式を次の
(1)式〜(4)式に示す。 (ClCH2CH2)2S+12NaOH=4Na2CO3+2NaCl+Na2S+10H2 ………………(1) ClCH=CHAsCl2+8NaOH=2Na2CO3+NaAsO2+3NaCl+5H2 ……………(2) または、 2ClCH=CHAsCl2+18NaOH=4Na2CO3+2NaAsO3+6NaCl+11H2…… (2)’ 2(C6H5)2 AsCN+54NaOH+28H2O=26Na2CO3 +2NaAsO2+65H2+N2…(3) または、 2(C6H5)2 AsCN+54NaOH+29H2O=26Na2CO3 +2NaAsO3+66H2+N2…(3)’ (C6H5)2 AsCl+26NaOH+12H2O=12Na2CO3+NaAsO2+NaCl+30H2……(4) または (C6H5)2 AsCl+26NaOH+13H2O=12Na2CO3+NaAsO3+NaCl+31H2……(4)’
【0038】これらの反応式に示したように、特に水酸
化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の溶融塩を用い
ると、酸素ガスのような酸化剤のガスを加えなくても溶
融塩単独で、または溶融塩と水(水蒸気)のみで、容易
に化学剤の分解反応が起こる。これは溶融アルカリ金属
水酸化物が持つ強い求核攻撃性や加水分解作用に起因す
るものである。
【0039】なお、この溶融塩による分解処理は化学剤
に対してだけではなく、以下の各反応式に示す様にTN
T(2,4,6-トリニトロトルエン)、ピクリン酸(2,4,6-
トリニトロフェノール)、ジニトロナフタレン、RDX
(ヘキサヒドロ-1,3,5-トリニトロ-1,3,5-トリアジン)
等の化学兵器中の火薬類に対しても適用することがで きる。2C6H2(NO2)3 CH3+28NaOH+2H2O=14 Na2CO3+20H2+3N2……………(5) 2C6H2(NO2)3 OH+24NaOH=12 Na2CO3+H2O+15H2+3N2………………(6) C10H6(NO2)2+40NaOH=20 Na2CO3+H2O+19H2+2N2……………………(7) (CH2)3N3(NO2)3+6NaOH=3Na2CO3+3H2O+6H2+3N2…………………(8)
【0040】ただしこの様に火薬を溶融塩の分解する場
合には、安全性確保のため(即ち反応槽の内部で爆発反
応が起こるのを避けるため)に、分解反応の生成熱に伴
う急激な温度上昇を防止できる範囲内の速度で処理する
ことが要求される。このため、火薬類を固体状態のまま
で溶融塩の中で処理する場合には、一定量ずつ計量して
間欠的に反応槽内へ投入する必要がある。また、火薬類
の分解処理と化学剤の分解処理とは別々に行う必要があ
ることについてもいうまでもない。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて具体的に説明する。
【0042】(実施の形態1)化学剤を含む銃砲弾類の
解体方法として冷凍破砕法を用いた場合の処理システム
の第1の実施例を説明する。処理の流れ図を図1に示
す。図1において、化学剤を含む銃砲弾類101は、冷
凍破砕の工程102にて冷凍状態で破砕され、冷凍状態
の火薬、金属、化合物の混合物103となり、マイクロ
波加熱し化学剤だけを選別気化する工程104で化学剤
が気化されて、気体状の化学剤105となる。この気体
状の化学剤105は図示しない反応槽に収容された溶融
塩により分解処理する工程106にて処理され、発生水
素108となり、この工程からは使用済み塩107を排
出する。発生水素108は再結合処理の工程109にて
空気110を取り込み再結合されて、水と空気111と
なる。
【0043】冷凍破砕後の銃砲弾類は、砲弾の弾殻、火
薬、化学剤が小さく凍った状態の破片として混合してい
る。また、常温状態では火薬及び弾殻は固体状態、化学
剤はガス状態かもしくは液体状態、スラリー状態であ
る。
【0044】この火薬・金属・化学剤の混合物にマイク
ロ波を照射して、化学剤だけを選択的に加熱・気化させ
て溶融塩の中に吹き込み、化学剤を分解させ無害化処理
する。
【0045】(実施の形態2)化学剤を含む砲弾類の解
体方法として冷凍破砕法を用いた場合の処理システムの
第2の実施例を説明する。処理の流れ図を図2に示す。
図2において、化学剤を含む銃砲弾類201は、冷凍破
砕の工程202にて冷凍状態で破砕され、冷凍状態の火
薬、金属、化合物の混合物203となり、化学剤の融点
よりも若干高い温度で真空蒸発する工程204で化学剤
が気化されて、化学剤の蒸気205となる。この化学剤
の蒸気205は図示しない反応槽に収容された溶融塩に
より分解処理する工程206にて処理され、発生水素2
08となり、この工程からは使用済み塩207を排出す
る。発生水素208は再結合処理の工程209にて空気
210を取り込み再結合されて、水と空気211とな
る。
【0046】冷凍破砕後の銃砲弾類は、砲弾の弾殻、火
薬、化学剤が小さく凍った状態の破片として混合してい
る。また、常温状態では、火薬及び弾殻は固体状態、化
学剤はガス状態かもしくは液体状態、スラリー状態であ
る。この火薬・金属・化学剤の混合物を化学剤の融点よ
りも若干高い温度(40℃〜50℃)に維持し、真空蒸発さ
せて得られる化学剤の蒸気を溶融塩に吹き込み、化学剤
を分解させ無害化処理する。
【0047】(実施の形態3)化学剤を含む砲弾類の解
体方法として冷凍破砕法を用いた場合の処理システムの
第3の実施例を図3の流れ図によって説明する。冷凍破
砕後の砲弾は、砲弾の弾殻、火薬、化学剤が小さく凍っ
た状態の破片として混合している。また、常温状態で
は、火薬及び弾殻は固体状態、化学剤はガス状態かもし
くは液体状態、スラリー状態が想定される。
【0048】この第3の方法では、氷解、水溶液への溶
解、濾過、加熱・蒸発、磁気分離の各操作を組合わせ
て、化学剤・火薬・金属を相互に選別した後に分解処理
する。図3において、化学剤を含む銃砲弾類301は、
冷凍破砕の工程302にて冷凍状態で破砕し、冷凍状態
の火薬、金属、化学剤の混合物303にする。この冷凍
状態の火薬、金属、化学剤が混在する物質を解凍し、図
の304の工程にて、数℃程度の温度に維持しこの温度
によって溶解した液を分離する。この液体は、融点が数
℃以下の液体状の化学剤305であり、これを306の
工程で加熱気化し、307の工程で溶融塩の中で分解し
無害化し、当該工程で発生した水素308、使用済塩3
11および凝縮水310を排出する。
【0049】304の工程で液を分離した後に残った物
質は、融点が数℃以上の化学剤・火薬・金属の混合物3
09である。これらの混合物を312の工程で水に溶解
させると、水に比較的溶解するピクリン酸のような火薬
が溶ける。溶解した後に工程316で濾過すると、水に
不溶の火薬(TNT、RDX等)と金属との混合物317が回収
される。この混合物に工程318で磁場をかけて金属3
19を選別する。この金属319は火薬、化学剤が若干
付着している可能性があるので、320の工程でバーナ
ー等で焼き無害化して金属残材321とし、廃棄処分す
る。他方、バーナーで燃焼中に発生するガス324は工
程329にて溶融塩の中に吹き込み、含まれている化学
剤を分解して無害化して発生水素330と使用済み塩3
31とを排出する。また、磁場における磁力により金属
を選別した後の固体は火薬323であり、これも327
の工程にて爆発燃焼が発生しない一定量毎に溶融塩の中
に投入して処理する。
【0050】工程316で濾過した後の水溶液322
は、化学剤と水に溶解する火薬の混合溶液であるので、
これを工程325にて約100 ℃に加熱して、化学剤と水
332を蒸発させる。ここで蒸発した化学剤と水蒸気と
の混合物332は、工程333にてさらに高い温度で気
化させ、工程334にて図示しない反応槽に収容された
溶融塩の中に吹き込み、分解・無害化し、当該工程で発
生した水素335、使用済み塩337および水蒸気を凝
縮させた凝縮水336を排出する。工程325で蒸発し
なかった残り326は、火薬を含むスラリー状の水溶液
で、これも工程327にて爆発燃焼が発生しない一定量
毎に溶融塩の中に投入して処理し、使用済み塩328を
排出する。上述した工程で発生した水素308、335
は回収されて空気313を混入させて燃焼させ、再結合
処理314がなされて水と空気315となる。また上述
した工程で発生した凝縮水310、336も回収されて
工程312の混合物を溶解させる水として再利用され
る。
【0051】(実施の形態4)図4は本発明の化学剤処
理システムの一実施形態における反応槽401の断面を
模式的に示した図であり、(A)はその立面図、(B)
はその平面図である。
【0052】図4において本実施例は、気体状の化学剤
を反応槽上部のガス供給管402から吹出し管403を
通して溶融塩404の下方に導き、そこから多数の気泡
の状態で吹出すために、下部にリング状の配管405を
設置し、リング状の配管405の下部に多数の気泡孔4
06を有する構造とする。
【0053】なお、このリング状の配管の代りに、格子
状の配管とし、その下部に多数の気泡吹出し孔を有する
構造であってもよい。
【0054】(実施の形態5)図5は本発明の化学剤処
理システムの他の一実施形態における反応槽501の断
面を模式的に示した図であり、(A)はその立面図、
(B)はその平面図である。図5に示すように本実施例
は、気体状の化学剤が、反応槽上部のガス供給管502
から吹出し管503を通って溶融塩504の下方に導か
れ、そこから多数の気泡で吹出すようにするために、下
部に円盤状の吹出し板505を有する構造物を設置し、
円盤状の上部または下部に多数の気泡孔506を有する
構造とする。
【0055】また、この多数の気泡孔を有する吹出し板
の変形として、多孔質のセラミックス構造とすることが
できる。
【0056】(実施の形態6)図6は本発明の化学剤処
理システムの他の一実施形態における反応槽601の断
面を模式的に示した図であり、(A)はその立面図、
(B)はその平面図である。図6に示すように、気体状
の化学剤を、反応槽上部のガス供給管602から吹出し
管603を通り、溶融塩下方に導き、そこから多数の気
泡で吹出すために、吹出し管下部に複数本の吹出し細管
605を放射状に配置し、その細管下部に多数の気泡孔
を有する構造とする。この気泡孔の気泡の吹出し方向を
鉛直方向から一様に同じ斜め方向にすることにより、吹
出し反力で噴出し構造回転可能なように、吹出し管上部
に回転軸シール608を有する構造とする。
【0057】(実施の形態7)図7は、本発明に係る化
学剤処理装置の一実施形態を模式的に示した図である。
図7において、反応ガス導入管701は分解を目的とす
るガスを反応容器706に導入するための管である。反
応容器706は、内筒707部分の圧力よりも50〜1
00mmAq程度の負圧条件で操業し、反応ガスが容器
外に漏洩することがなく、また内筒707中の溶融塩か
ら分解生成した水蒸気等のガスが溶融塩を通過してガス
抜き出し管702の方に移動することを容易にしてい
る。反応ガスは反応ガス導入管701より内筒707で
仕切られた空間内に導入された後、攪拌翼712を有す
る攪拌機704で攪拌されている溶融塩710と接触
し、分解された後発生する水蒸気は反応容器空間部70
8を通過してキャリアガス導入管703より供給された
キャリアガスと共にガス抜き出し管702を通って反応
容器706の外に導かれる。反応容器706には溶融塩
の攪拌を上下方向にスムースに行うための整流板709
と溶融塩からの対流および輻射熱を阻止するための熱遮
蔽板5が具備されている。また反応容器を所定温度に保
持する目的で外部加熱ヒーター711が具備されてい
る。
【0058】銃砲弾等を解体して取出した化学剤は気化
炉等で加熱前処理してガス状にした後、単独であるいは
キャリアガスと共に反応容器706内に導入される。当
該反応容器の内部においては、攪拌機で内筒内の溶融塩
710が攪拌されており、この攪拌動力により溶融塩の
流動が下向きに生じており、吹き込まれたガスが下降流
となり溶融塩底部に到達し、併せて気泡が微細化され
る。
【0059】本実施例のような気液接触型の反応装置で
は、気泡界面での物質移動が拡散により行われるため、
反応速度は拡散律速である。従って気泡を細分化して表
面積を大きくすることで分解反応率を向上させることが
できる。しかも、気泡が対流しているため接触時間が通
常の自然上昇速度より極端に遅くなるので、反応時間を
延長でき、分解率が飛躍的に向上する。
【0060】さらに、従来のノズルを用いて溶融塩の中
にガスを投入する方式の場合には溶融塩によってノズル
が閉塞する恐れがあるが、本方式の場合には溶融塩とノ
ズルとが接触しないために閉塞が起こらないという特徴
を有する。
【0061】(実施の形態8)本発明において、スラリ
ー状の化学剤を溶融塩の中に投入するための装置の主要
部であるノズル部の模式図を図8に示す。すなわち、図
8は先の実施の形態7の図7において反応ガス導入管7
01の代わりに、スラリー導入ノズルを設ける場合の、
ノズル部の模式的断面図である。
【0062】図8において、中心ノズル812は処理対
象のスラリーを投入するものであり、外側ノズル813
はスラリーを噴出させるための気体導入ノズルである。
このような形態で行うことにより、スラリー状態の対象
物を微小な液滴の状態で投入できる。その他は実施の形
態7と全く同様である。
【0063】(実施の形態9)本発明において、固体状
の化学剤や火薬等を溶融塩の中に投入する場合に対応す
るための投入装置の一実施形態を図9に模式的に示す。
この実施形態では、固体状物質を定量しながら投入する
ためのホッパー914、とスクリューフィーダー915
を介して固体を投入する機構を具備している。その他は
先の実施の形態7と全く同様である。
【0064】なお本実施の形態で用いる攪拌装置として
は、必ずしも図7に示した様な回転式に限定されるもの
ではなく、例えば円盤状のパンチングプレートを上下さ
せる方式の装置であってもよい。
【0065】(実施の形態10)図10は本発明による
化学剤処理システムのさらに他の実施の形態の流れ図で
あって、特に化学剤がヒ素系化合物である場合の処理の
一実施形態を示す流れ図である。
【0066】銃砲弾類1001の中から工程1002に
て取出したヒ素系化学剤1003を溶融塩1004を用
いて溶融工程1005にて溶融塩の中で分解させ、分解
生成ガスを排出する。ここで使用済となった溶融塩10
07の中には、ヒ素系化学剤の分解によって生成した亜
ヒ酸塩またはヒ酸塩が溶解している。この中に還元剤で
あるアルカリ金属、本実施の形態の場合には、金属リチ
ウム1008を加える工程1009にて、亜ヒ酸塩やヒ
酸塩はいずれも金属ヒ素に還元されて溶融塩に不溶の金
属ヒ素含有溶融塩1010となり、一方金属リチウムは
酸化されて酸化リチウムになり、溶融塩中に溶解する。
工程1011にて濾過を行って不溶性になった金属ヒ素
1013を溶融塩から分離除去し、さらに工程1015
にてセメント固化して安定化させる。分離された酸化リ
チウムを含む溶融塩1012は再利用1014にまわさ
れる。
【0067】なお、上記において還元剤として加えるア
ルカリ金属はリチウムに限定されるわけではなく、ナト
リウムやカリウムを用いてもよいことはいうまでもな
い。
【0068】(実施の形態11) 図11は本発明によ
る化学剤処理システムのさらに他の実施の形態の流れ図
である。この例では、実施の形態10の場合と同様にし
て、銃砲弾類1101の中から工程1102にて取出し
たヒ素系化学剤1103を溶融塩1104を用いて溶融
工程1105にて溶融塩の中で分解させ、分解生成ガス
を排出する。化学剤を分解させた後に得られる亜ヒ酸塩
またはヒ酸塩を含む溶融塩1107に、先の実施の形態
10の図10に示した金属リチウムなどの還元剤を加え
る代わりに、工程1108にて、溶融塩1107の電解
還元を行う。これにより亜ヒ酸塩またはヒ酸塩は金属ヒ
素1110に還元されると共に電極上に析出して溶融塩
中から分離される。電解終了後、析出した金属ヒ素11
10を電極上から掻き落とし、工程1112にてセメン
ト固化して安定化させる。また分離された溶融塩110
9は再利用1111にまわされる。
【0069】(実施の形態12) 図12は本発明によ
る化学剤処理システムのさらに他の実施の形態の流れ図
である。図10の実施の形態と同様にしてヒ素系化学剤
を分解させた後、亜ヒ酸塩またはヒ酸塩を含む溶融塩
を、図10または図11のいずれかに記載した方法によ
って金属ヒ素に還元し、金属ヒ素含有溶融塩1210を
得る。なお、図が複雑になるのを避けるために、図10
に記載した方法を用いた場合だけを図12に示した。
【0070】工程1211の蒸留により、金属ヒ素12
13を溶融塩の中から分離除去した後、工程1215に
てセメント固化して安定化させる。また分離された溶融
塩1212は再利用1214にまわされる。
【0071】(実施の形態13)図13は本発明による
化学剤処理システムのさらに他の実施の形態の流れ図で
ある。図10の実施の形態と同様にしてヒ素系化学剤を
分解させた後、亜ヒ酸塩またはヒ酸塩を含む溶融塩を、
図10または図11のいずれかに記載した方法によって
金属ヒ素に還元し、金属ヒ素含有溶融塩1309を得
る。なお、図13の場合も図が複雑になるのを避けるた
めに、図10に記載した方法を用いた場合だけを示し
た。
【0072】亜ヒ酸塩またはヒ酸塩を含む溶融塩130
9を工程1310にて水に溶解して水溶液化する。この
溶液に対して工程1311にて既知のヒ素化合物含有廃
水の処理方法に従って液調整を行い、溶解している亜ヒ
酸塩またはヒ酸塩を全て水に不溶なヒ酸鉄(III)とし
て共沈させ、工程1312にて濾過して水溶液1313
とヒ酸鉄(III)を含むスラッジ1315とに分離す
る。分離したヒ酸鉄(III)を含むスラッジ1314は
工程1315にてセメント固化して安定化させる。
【0073】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明によれば、化
学剤を充填した銃砲弾類を解体して化学剤を取り出す際
に、機械的エネルギーを与えないか、あるいはごくわず
か与えるだけで済ませることができるので、爆発の危険
を防止することができる。また取り出した化学剤は大気
圧下で数100℃という比較低い温度で処理できるの
で、有毒物質を環境中に排出することを防ぐことができ
る。このため、本発明の化学剤処理システムによれば、
銃砲弾類に充填された化学剤を安全に処理することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 解体前処理に凍結破砕法を用いた本発明に係
る化学剤処理システムの一実施形態を示す流れ図であ
る。
【図2】 解体前処理に凍結破砕法を用いた本発明に係
る化学剤処理システムの他の一実施形態を示す流れ図で
ある。
【図3】 解体前処理に凍結破砕法を用いた本発明に係
る化学剤処理システムのさらに他の一実施形態を示す流
れ図である。
【図4】 本発明係る化学剤処理システムにおける反応
槽の一実施形態一例を示す図である。
【図5】 本発明係る化学剤処理システムにおける反応
槽の他の一実施形態を示す図である。
【図6】 本発明係る化学剤処理システムにおける反応
槽の他の一実施形態を示す図である。
【図7】 本発明係る化学剤処理システムにおける反応
槽の他の一実施形態を示す図である。
【図8】 本発明係る化学剤処理システムにおける反応
槽の他の一実施形態を示す図である。
【図9】 本発明係る化学剤処理システムにおける反応
槽のさらに他の一実施形態を示す図である。
【図10】 本発明係る化学剤処理システムにおいて、
分解に用いた後の溶融塩の中に含まれているヒ素塩を除
去する後処理を行う場合の一実施の形態を示す流れ図で
ある。
【図11】 本発明係る化学剤処理システムにおいて、
分解に用いた後の溶融塩の中に含まれているヒ素塩を除
去する後処理を行う場合の他の実施の形態を示す流れ図
である。
【図12】 本発明係る化学剤処理システムにおいて、
分解に用いた後の溶融塩の中に含まれているヒ素塩を除
去する後処理を行う場合の他の実施の形態を示す流れ図
である。
【図13】 本発明係る化学剤処理システムにおいて、
分解に用いた後の溶融塩の中に含まれているヒ素塩を除
去する後処理を行う場合の他の実施の形態を示す流れ図
である。
【符号の説明】 101,201,301……銃砲弾類、102,20
2,302……冷凍破砕工程、103,203,303
……冷凍状態の火薬、金属、化合物の混合物、104…
…マイクロ波加熱し化学剤だけを選別気化する工程、1
05……気体状の化学剤、106……溶融塩により分解
処理する工程、108,208……発生水素、107,
207……使用済み塩、109……再結合処理の工程、
110,210……空気、111,211……水と空
気、204……真空蒸発する工程、205……化学剤の
蒸気、206……溶融塩により分解処理する工程、30
4……数℃程度の温度に維持し溶解してくる液を分離す
る工程、305……液体状の化学剤、306……加熱気
化する工程、307……溶融塩の中で分解し無害化する
工程、308……発生水素、309……融点が数℃以上
の化学剤・火薬・金属の混合物、311,328,33
1,337……使用済み塩、312……水に溶解させる
工程、316……濾過、317火薬と金属との混合物、
318……磁界選別工程、319……火薬と化学剤が付
着した金属、320……バーナーで焼く工程、321…
…金属残材、322……化学剤と火薬を含む水溶液、3
24……発生ガス、325……化学剤と水蒸気を加熱蒸
発させる工程、326……火薬を含む水溶液、327…
…分解処理工程、329……溶融塩分解処理工程、33
0……発生水素、332……化学剤と水蒸気との混合
物、333……気化工程、334……溶融塩により分解
処理する工程、335……発生水素、336……凝縮
水、401,501……反応槽、402,502……ガ
ス供給管、403,503……吹出し管、404,50
4……溶融塩、405……リング状の配管、406,5
06……気泡孔、505……円盤状の吹出し板、506
気泡孔、605吹出し細管、608回転軸シール、70
1……反応ガス導入管、702……ガス抜き出し管、7
06……反応容器、707……内筒、704……攪拌
機、710……溶融塩、708……反応容器空間部、7
09……整流板、711……外部加熱ヒーター、812
……中心ノズル、813……外側ノズル、914……ホ
ッパー、915……スクリューフィーダー、1001,
1101,1201,1301……ヒ素化学剤充填銃砲
弾類、1002,1102,1202,1302……取
出し工程、1003,1103,1203,1303…
…ヒ素系化学剤、1004,1104,1204,13
04……溶融塩、1005,1105,1205,13
05……溶融塩分解工程、1006,1106,120
6,1306……分解生成ガス、1007,1107,
1207,1307……ヒ酸含有溶融塩、1008,1
208,1308……金属リチウム、1108……ヒ酸
電解還元工程、1009,1209,1308……ヒ酸
塩還元工程、010,1210,1309……金属ヒ素
含有溶融塩、1011,1312……濾過工程、101
2,1109,1212……溶融塩、1013,111
0,1213……金属ヒ素、1014……再使用工程、
1015,1115,1215,1315……セメント
固化工程、1311……液調整工程、1314……ヒ酸
鉄。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 律夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 樽谷 耕平 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 井上 正明 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 阿部 宏章 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BC01 BD11 4D004 AA50 AB03 AB06 CA05 CA22 CA37 CA44 CA45 CB05 CB13 CB31 CC12 CC13 DA03 DA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学剤が充填された銃砲弾類の殻体の材
    料を変質させることによって解体して前記化学剤を取出
    す化学剤取り出し装置と、 前記化学剤を溶融塩の中で分解する化学剤分解装置とを
    備えることを特徴とする化学剤処理システム。
  2. 【請求項2】 前記化学剤取り出し装置が、前記銃砲弾
    類を冷凍し冷凍状態で破砕する装置を備えることを特徴
    とする請求項1に記載の化学剤処理システム。
  3. 【請求項3】 前記化学剤取り出し装置が、前記銃砲弾
    類の殻体を水中で電気分解によって溶解する装置を備え
    ることを特徴とする請求項1に記載の化学剤処理システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記化学剤分解装置が、前記化学剤を加
    熱して気化する気化装置と、気化した前記化学剤を溶融
    塩の中に吹き込み分解処理する分解処理装置とを備えた
    ことを特徴とする請求請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載の化学剤処理システム。
  5. 【請求項5】 前記気化装置が、前記銃砲弾類の破片と
    混り合った前記化学剤の混合体を低温加熱して揮発性の
    化学剤を蒸発させて分離する装置であることを特徴とす
    る請求項4に記載の化学剤処理システム。
  6. 【請求項6】 前記化学剤分解装置が、前記化学剤を低
    温加熱して揮発性の化学剤を蒸発させて分離する装置
    と、分離した前記揮発性の化学剤を溶融塩の中で分解処
    理する装置と、揮発性の化学剤が分離除去された前記混
    合体の残留物を溶融塩の中で分解処理する装置とを備え
    ることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載の化学剤処理システム。
  7. 【請求項7】 前記混合体の残留物を溶融塩の中で分解
    処理する装置が、この水溶液を100 ℃以下で加熱し
    て水分を蒸発させる装置を備え、この装置を経て残った
    残渣を溶融塩の中で分解処理する装置を備えることを特
    徴とする請求6に記載の化学剤処理システム。
  8. 【請求項8】 前記化学剤分解装置が、前記化学剤の分
    解に用いた後の溶融塩の中に溶解している無機ヒ素化合
    物の塩を分離し、この無機ヒ素化合物の塩を固化して安
    定化する装置を備えることを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載の化学剤処理システム。
  9. 【請求項9】 無機ヒ素化合物の塩を固化して安定化す
    る装置が、前記化学剤を分解に用いた後の前記溶融塩の
    中に溶解している無機ヒ素化合物の塩を金属ヒ素に還元
    し分離する装置を備えることを特徴とする請求項8に記
    載の化学剤処理システム。
  10. 【請求項10】 前記化学剤がトリクロロアルシン(塩
    化ヒ素(III))、ルイサイト(ジクロロ(2-クロロビニ
    ル)アルシン)、クロロジフェニルアルシン、およびシ
    アノジフェニルアルシンの少なくともいずれか1種のヒ
    素化合物を含むことを特徴とする請求項8または9に記
    載の化学剤処理システム。
  11. 【請求項11】 前記溶融塩の主成分がアルカリ金属ま
    たはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩の1種類
    または2種類以上の混合物であることを特徴とする請求
    項1ないし10のいずれか1項に記載の化学剤処理シス
    テム。
JP2001266318A 2001-09-03 2001-09-03 化学剤処理システム Withdrawn JP2003071414A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001266318A JP2003071414A (ja) 2001-09-03 2001-09-03 化学剤処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001266318A JP2003071414A (ja) 2001-09-03 2001-09-03 化学剤処理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003071414A true JP2003071414A (ja) 2003-03-11

Family

ID=19092641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001266318A Withdrawn JP2003071414A (ja) 2001-09-03 2001-09-03 化学剤処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003071414A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010113429A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 株式会社神戸製鋼所 爆破処理方法および爆破処理装置
CN109529249A (zh) * 2018-12-07 2019-03-29 北京欣迪康泰科技有限公司 一种消除封闭环境中v类化学毒剂的方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010113429A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 株式会社神戸製鋼所 爆破処理方法および爆破処理装置
JP2010236777A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kobe Steel Ltd 爆破処理方法および爆破処理装置
US8464624B2 (en) 2009-03-31 2013-06-18 Kobe Steel, Ltd. Blast treatment method and blast treatment device
CN109529249A (zh) * 2018-12-07 2019-03-29 北京欣迪康泰科技有限公司 一种消除封闭环境中v类化学毒剂的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2592891C2 (ru) Способ обработки отходов
Pearson et al. Critical evaluation of proven chemical weapon destruction technologies (IUPAC Technical Report)
JPH11501864A (ja) 分散した熔融物の液滴を用いる供給材料の処理
EP0888153B1 (en) Method for hot and supercritical water oxidation of material using specific reactants
US5050511A (en) Process for the destruction of organic waste material
Yan et al. Low-temperature sintering behavior of fly ash from hazardous waste incinerator: Effect of temperature and oxygen on ash properties
JPH09117735A (ja) 水熱作用による毒ガス等の有機系ヘテロ化合物質 の分解処理法
JP2003071414A (ja) 化学剤処理システム
EP4005995A1 (en) Process for the transformation of fly ash in raw material
EP0392727B1 (en) Process for the destruction of organic waste material
JP2002066308A (ja) 化学物質の分解方法および分解装置
JPH10151430A (ja) 焼却炉から排出される灰中の有害物質の無害化処理方法
ES2960041T3 (es) Procedimiento de oxidación en baño de sales fundidas
Froment Destruction of Chemical Weapons
JP2007314754A (ja) 排出物の溶融処理プラント
Schmidt et al. The SCWO-destruction of organic compounds in the presence of salt in leachates from dump sites in the SUWOX-facility
FR2765322A1 (fr) Systeme d'elimination modulaire mobile
JPH07265461A (ja) 芳香族ハロゲン化合物の分解方法
RU33538U1 (ru) Реактор для переработки пластмассовых отходов и токсичных галогеносодержащих органических соединений (варианты)
Wertejuk et al. Recovered Old Arsenical and ‘Mustard’Munitions in Poland: Technologies, Plans and Problems
JPH1161280A (ja) 金属スクラップの処理方法
JPH08134255A (ja) 産業廃棄物の脱塩化水素処理方法及び装置
JP2006167658A (ja) 汚染土壌の無害化方法及びシステム
Institution of Mining and Metallurgy and the Society of Chemical Industry et al. Environmentally sound hydrometallurgical recovery of chemicals from aluminium industry spent potlining
JP2009019861A (ja) 資源回収装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081104