JP2003071333A - アーク溶射装置 - Google Patents

アーク溶射装置

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JP2003071333A
JP2003071333A JP2001263436A JP2001263436A JP2003071333A JP 2003071333 A JP2003071333 A JP 2003071333A JP 2001263436 A JP2001263436 A JP 2001263436A JP 2001263436 A JP2001263436 A JP 2001263436A JP 2003071333 A JP2003071333 A JP 2003071333A
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Japan
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feeding
thermal spray
spray material
arc
endless belt
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JP2001263436A
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Masaru Oishi
勝 大石
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GO SOGO KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶射材送給機構による送給時における溶射材
を挟持する力を強化し、溶射材スプールからアーク溶射
装置までの距離や送給経路等に関係なく、溶射条件に応
じた送給速度で確実に溶射材を送給できるようにするこ
とにより、着火不能、稼動中の失火、及びスパッタの発
生等の不具合を防止する。 【解決手段】 溶射材送給機構6は、複数のローラ19
に捲回されて平面状の送給面7を一部に形成する一対の
無端ベルト5を、その送給面7が互いに対向するように
配置するとともに、少なくとも一方の無端ベルト5を駆
動機構9により所定の送給速度で周回駆動し、この対向
する送給面7間に溶射材4を挟持して送給する。一対の
無端ベルト5の対向する送給面7により溶射材4を挟持
する圧力を調節する圧力調節機構8を備える。無端ベル
ト5の送給面7に弾性突起58を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用状況や設置状
態に関わらず溶射材を安定して所定の送給速度で供給す
ることにより、着火不能、稼動中の失火、及びスパッタ
の発生等の不具合を防止することができるアーク溶射装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでに知られているアーク溶射装置
71は、図10に示すように、溶射材72を溶射条件に
応じた送給速度でアーク点73まで送給するための溶射
材送給機構74として、2個の送給ローラ75を有して
構成されるものがほとんどであった。このような溶射材
送給機構74の具体的な構成は以下のようなものであ
る。すなわち、図10に示すように、上下に配置された
2個の送給ローラ75のうち、下方の送給ローラ75は
ウォームギア76を介して駆動モータ77に接続されて
おり、上方の送給ローラ75は本体ケース78に対して
上下動可能に保持されるとともに、調節ねじ79により
任意の位置に固定される。そして、下方の送給ローラ7
5が駆動モータ77によって回転駆動されることによ
り、図示しない溶射材スプールから送給管80の中を通
過してきた線状の溶射材72は、2個の送給ローラ75
により挟持された状態で前方へ送給され、先端部におい
て案内管81の内部を通過する。その際、溶射材72
は、案内管81により適正な位置及び角度に案内される
とともに、案内管81に接続された給電端子82を介し
て所定のアーク電圧が印加されてアーク点73に送給さ
れる。
【0003】そして、このアーク溶射装置71は、図示
しないが、このような溶射材送給機構74を、左右方
向、すなわち図面の奥行き方向に2組配置して構成され
ており、それぞれの溶射材送給機構74から溶射材72
がアーク点73に供給され、それらの溶射材72の間に
おいてアークが発生する。発生したアークにより溶融し
た溶射材72は、アーク点73の後方に配置された図示
しない圧縮空気送出部から供給される圧縮空気により、
微粒子化されて前方へ吹き付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のアーク溶射装置71においては、それぞれの
送給ローラ75と溶射材72との接触は点接触となり接
触面積が小さいため、送給ローラ75により溶射材72
を挟持する力が不足する場合が生じていた。具体的に
は、溶射材スプール(図示せず)からアーク溶射装置7
1までの距離が長い場合や、溶射材スプールからアーク
溶射装置71までの溶射材72の送給経路が直線でない
場合等には、溶射材72が送給管80の中を通過する際
の抵抗が大きくなるために、送給ローラ75による挟持
力が不足し、送給ローラ75と溶射材72との間が滑っ
て送給することができなくなる場合があり、着火不能や
稼動中の失火等の不具合が生じていた。
【0005】また、そのような場合には、滑った送給ロ
ーラ75により溶射材72の表面が送給ローラ75によ
り削られ、その削り屑が先端部の案内管81の内部に詰
まって溶着してしまうことにより、その修復に時間を要
し、長時間作業が中断されるという不具合も生じる場合
があった。
【0006】また、2組の溶射材送給機構74により送
給されるそれぞれの溶射材72の溶射材スプールからア
ーク溶射装置71までの送給経路が同一でない場合等に
おいて、溶射材72が送給管80の中を通過する際の抵
抗が異なるためにそれぞれの溶射材72が同じ速度で送
給されない場合には、アーク点73において溶射材72
間に適正な距離が保てず、安定したアーク状態を維持で
きないために、着火不能、稼動中の失火、及びスパッタ
の発生等の不具合が生じることとなっていた。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、溶射材送給機構による送給時における溶射材を
挟持する力を強化し、溶射材スプールからアーク溶射装
置までの距離や送給経路等に関係なく、溶射条件に応じ
た送給速度で確実に溶射材を送給できるようにすること
により、着火不能、稼動中の失火、及びスパッタの発生
等の不具合を防止することを技術課題とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術課題を解決する
ための具体的手段は、次のようなものである。すなわ
ち、請求項1に記載するアーク溶射装置は、一対の溶射
材を溶射条件に応じた送給速度でアーク点までそれぞれ
送給するための2組の溶射材送給機構を備えるものであ
って、この溶射材送給機構は、複数のローラに捲回され
て平面状の送給面を一部に形成する一対の無端ベルト
を、その送給面が互いに対向するように配置するととも
に、少なくとも一方の無端ベルトを駆動機構により所定
の送給速度で周回駆動し、この対向する送給面間に溶射
材を挟持して送給する構成を有することを特徴とするも
のである。
【0009】請求項2に記載するアーク溶射装置は、請
求項1に記載する構成において、一対の無端ベルトの対
向する送給面により溶射材を挟持する圧力を調節する圧
力調節機構を備えることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載するアーク溶射装置は、請
求項2に記載する構成において、前記圧力調節機構は、
2組の溶射材送給機構のそれぞれにおける一方の無端ベ
ルトを互いに連結する加圧フレームと、この加圧フレー
ムを介して前記一方の無端ベルトの送給面を対向する他
方の無端ベルトの送給面側に押圧する荷重を調節する加
圧ボルトとを有し、前記加圧ボルトの先端部は、球面形
状に形成され、加圧フレームの中心部を押圧することを
特徴とするものである。
【0011】請求項4に記載するアーク溶射装置は、請
求項1から3のいずれか1項に記載する構成において、
少なくとも一方の前記無端ベルトの送給面の送給方向に
沿って溶射材を保持するための保持溝を形成したことを
特徴とするものである。
【0012】請求項5に記載するアーク溶射装置は、請
求項1から4のいずれか1項に記載する構成において、
いずれか一方の前記無端ベルトの送給面における溶射材
との接触部分以外の部分に、対向する他方の無端ベルト
の送給面に密着する弾性突起を、その送給面の送給方向
に沿って複数形成したことを特徴とするものである。
【0013】請求項6に記載するアーク溶射装置は、請
求項1から5のいずれか1項に記載する構成において、
前記溶射材送給機構の周囲に圧縮空気を送出する圧縮空
気送出管を備えることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るア
ーク溶射装置について図面に基づいて説明する。図1は
アーク溶射装置1の部分断面側面図、図2は図1のX−
X断面図、図3は図1のY−Y断面図、図4は、アーク
溶射装置1の溶射材送給機構6及び圧力調節機構8を示
す図である。これらの図に示すように、本発明の実施形
態に係るアーク溶射装置1は、略直方体形状の箱状に形
成された本体ケース2と、この本体ケース2の後方に接
続された左右2本の溶射材送給管3と、この溶射材送給
管3から供給された溶射材4を一対の無端ベルト5によ
り挟持して前方へ送給する左右2組の溶射材送給機構6
と、この溶射材送給機構6の一対の無端ベルト5の対向
する送給面7により溶射材を挟持する圧力を調節する圧
力調節機構8と、溶射材送給機構6の無端ベルトを所定
の送給速度で周回駆動させる駆動機構9と、溶射材送給
機構6の周囲に圧縮空気を送出する圧縮空気送出管56
と、左右2組の溶射材送給機構6によりそれぞれ送給さ
れる溶射材4がアーク点10において交差するように適
正な位置及び角度に案内するとともに溶射材4に対して
アーク電圧を印加する案内管11と、左右の溶射材4の
間にアークを発生させるための電力を案内管11に供給
する電力供給部12(図5参照)と、この左右2本の案
内管11の間及びその周囲から前方へ向けて溶射のため
の圧縮空気を送出する溶射用圧縮空気送出部13(図5
参照)とを有して構成されている。以下更に詳細に説明
する。
【0015】本体ケース2は、溶射材送給機構6や案内
管11等のアーク溶射装置1の内部構成を所定位置に保
持するとともに、それを保護するための箱状のケースで
あり、ここでは、略直方体形状に形成されている。ま
た、溶射材送給機構6の保守等のため、本体ケース2の
少なくとも一方の側面には開口部57(図5参照)が形
成されている。そして、この本体ケース2の背面14に
は、溶射材送給管3が接続されている。この溶射材送給
管3は、図5に示すように、溶射材スプール15からア
ーク溶射装置1までの間の溶射材4の送給を行なう管で
あり、その起点16が溶射材供給装置17に接続されて
いる。そして、この溶射材供給装置17において溶射材
スプール15から溶射材送給管3の内部に溶射材4が挿
入され、順次アーク溶射装置1側へ溶射材4が送給され
る。
【0016】溶射材送給機構6は、図4に示すように、
溶射材送給管3を通過してきた溶射材4を溶射条件に応
じた送給速度でアーク点10まで送給するための機構で
あり、左右対称に2組配置されている。この溶射材送給
機構6は、フレーム18により所定位置に回転可能に保
持された複数のローラ19の周囲に無端ベルト5を捲回
して構成した送給ベルト部20を、上下に1対互いに対
向するように配置した構成を有する。この際、上側の無
端ベルト5は、その下面に平面状の送給面7が形成さ
れ、下側の無端ベルト5はその上面に平面状の送給面7
が形成され、これら上下の無端ベルト5の送給面7が互
いに対向するように配置されている。本実施形態におい
ては、前後方向に長いT字形のフレーム18の3個の突
端部とその中間部に合計5個のローラ19を配置し、そ
の周囲に無端ベルト5を捲回することにより、この送給
ベルト部20を側面から見た際に無端ベルト5が略山形
となるように形成されている。無端ベルト5の材質とし
ては、耐磨耗性が高く、なおかつ挟持する溶射材4との
間に大きな摩擦力を生じさせることができる材質を用い
る。具体的には、ゴムや合成樹脂等を使用すると好適で
ある。
【0017】また、フレーム18には、無端ベルト5の
張り具合を調節するための張り調節機構21が設けられ
ている。この張り調節機構21は、フレーム18に保持
されたローラ19の間隔を調節することにより、無端ベ
ルト5の軌道の長さを変化させてその張り具合を調節す
るものである。ここでは、上側の送給ベルト部20及び
下側の送給ベルト部20の双方ともに後端のローラ19
の位置を前後方向、すなわち溶射材4の送給方向と平行
な方向に調節することによりローラ19の間隔を調節す
る構成としている。具体的には、後端のローラ19の軸
22に調節ねじ23を連結し、この調節ねじ23をフレ
ーム18に固定された調節穴24に挿通し、この調節穴
24の後方から調節ねじ23に螺合したナット25を回
転させることにより後端のローラ19の軸22の前後方
向の位置を調節する構成としている。
【0018】そして、上下の無端ベルト5の少なくとも
一方が駆動機構9により所定の送給速度で周回駆動され
る。ここでは下側の送給ベルト部20の一のローラ19
が駆動機構9により回転駆動されることにより、下側の
無端ベルト5が周回駆動される構成としている。この駆
動機構9の構成については後述する。なお、このような
送給ベルト部20の構成は、本実施形態に示す構成に限
定されるものではなく、従来より知られている他の一般
的なクローラあるいはベルトコンベアと同様の構成とす
ることが可能である。
【0019】また、上下の無端ベルト5のうちの少なく
とも一方の無端ベルト5の送給面7には、溶射材4の送
給方向に沿って溶射材4を保持する保持溝26が形成さ
れる。ここでは、図3のA部拡大図である図6に示すよ
うに、上側及び下側の無端ベルト5の双方の送給面7に
保持溝26を形成している。この保持溝26は、線状の
溶射材4を無端ベルト5の送給面7間に挟持して送給す
る際に、溶射材4が側方、すなわち無端ベルト5の幅方
向にずれることを防止し、溶射材4が直進するように保
持するための溝である。この保持溝26の形状は、具体
的には、断面は半円形、U字形、あるいはV字形等の形
状とすることができる。また、溶射材4が保持溝26の
内部に完全に入ってしまい、無端ベルト5の送給面7間
に挟持できなくなることを防止するため、この保持溝2
6の深さは、上下の保持溝26の双方合わせて溶射材4
の断面の高さの半分程度以下とすると好適である。この
際、下側の保持溝26の深さが上側の保持溝26の深さ
よりも深くなるように形成すると更に好適である。な
お、この保持溝26は、下側又は上側のいずれか一方の
みの無端ベルト5の送給面7に形成することも可能であ
る。いずれの場合であっても、溶射材4を無端ベルト5
の送給面7間に挟持できるように保持溝26の深さが溶
射材4の高さより浅くなるように形成する。
【0020】また、図7及び図7のZ−Z断面図である
図8に示すように、上下の無端ベルト5のうちのいずれ
か一方の無端ベルト5には、その送給面7における溶射
材4との接触部分以外の部分に、対向する他方の無端ベ
ルト5の送給面7に密着する弾性突起58が、その送給
面7の送給方向に沿って複数形成される場合がある。こ
こでは、一対の無端ベルト5のうちの上側の無端ベルト
5の送給面7に弾性突起58を形成している。この弾性
突起58は、ゴムや合成樹脂等の柔らかく弾力性が高い
材質により構成される。また、弾性突起58の形状は、
ここでは半球形状に形成されている。なお、この形状
は、特に限定されるものではなく、これ以外にも、直方
体形状や円錐形状等の各種の形状とすることができる。
【0021】そして、弾性突起58が形成される位置
は、溶射材4の送給を妨げることがないようにするた
め、送給面7の溶射材4との接触部分である幅方向中央
部の保持溝26が形成されている部分を除く、幅方向両
側において、送給面7の送給方向に沿って一定間隔で形
成されている。この弾性突起58により、上側の無端ベ
ルト5は、駆動機構9により駆動される下側の無端ベル
ト5と弾性突起58を介して密着することとなる。した
がって、溶射材4と無端ベルト5との間に生じる摩擦力
の大きさに関係なく、上側の無端ベルト5も下側の無端
ベルト5と同じ速度で確実に周回駆動されることとなる
ので、溶射材4に必要以上の圧力を加えることなく上下
の無端ベルト5を周回することが可能となり、溶射材4
が傷んだり変形したりすることを防止できる。なお、弾
性突起58を下側の無端ベルト5に形成することも可能
である。
【0022】圧力調節機構8は、図1、図3及び図4に
示すように、溶射材送給機構6の上下の無端ベルト5の
対向する送給面7により溶射材4を挟持する圧力を調節
する機構である。この送給面7により溶射材4を挟持す
る圧力を適切に調節することにより、送給面7と溶射材
4との間の滑りを防止して溶射材4の送給を確実なもの
とする。ここでは、上側の送給ベルト部20を下方へ押
圧する荷重を調節することにより、上下の無端ベルト5
の対向する送給面7により溶射材4を挟持する圧力を調
節する構成としている。
【0023】具体的には、左右2組の溶射材送給機構6
の双方についての上側の送給ベルト部20のフレーム1
8に連結されることにより、左右2組の溶射材送給機構
6のそれぞれにおける上側の無端ベルト5を互いに連結
するとともに、本体ケース2に対して上下方向に移動可
能に配置された加圧フレーム27と、この加圧フレーム
27を介して上側の無端ベルト5の送給面7を対向する
下側の無端ベルト5の送給面7側に押圧する荷重を調節
する加圧ボルト33とを有して構成される。ここで、加
圧フレーム27は、左右2組の溶射材送給機構6の双方
についての上側の送給ベルト部20の上端のローラ19
の軸22の両端を保持することによりフレーム18に連
結されている。そして、その上部には本体ケース2の箱
状凹部29に嵌合して摺動する嵌合摺動部30が形成さ
れており、これにより、加圧フレーム27は本体ケース
2に対して上下方向にのみ移動可能に拘束される。
【0024】また、加圧ボルト33は、加圧フレーム2
7の上面中央に立設され、本体ケース2の箱状凹部29
の上面31に形成された雌ねじ部32に螺合されるとと
もに、この雌ねじ部32の上方から締結ナット34が螺
合されている。したがって、この加圧ボルト33の雌ね
じ部32に対する螺合位置を上下方向に移動させること
により、加圧フレーム27を下方へ押圧する荷重を調節
することができ、この加圧フレーム27を介して上側の
無端ベルト5の送給面7を対向する下側の無端ベルト5
の送給面7側に押圧する荷重を調節することができる。
そして、加圧ボルト33の位置が決定した後は、締結ナ
ット34を締めることにより加圧ボルト33の位置を固
定することができる。
【0025】また、圧力調節機構8の加圧ボルト33
は、図9に示すように、その先端部35の形状を球面形
状に形成するとともに、加圧フレーム27の中心部37
を押圧する構成とすると更に好適である。具体的には、
加圧ボルト33の先端部35と加圧フレーム27との接
続部を球面で接続するボールジョイント36とし、その
位置を加圧フレーム27の中心部37とする。ここで、
特許請求の範囲及び本実施形態の双方において、加圧フ
レーム27の中心部37とは、2組の溶射材送給機構6
の無端ベルト5の対向する送給面7間に均等に圧力を作
用させる荷重の作用点である。通常、無端ベルト5及び
加圧フレーム27は、前後方向及び左右方向に対称に形
成されているので、加圧フレーム27の中心部37は、
加圧フレーム27の上面の図形上の中央位置と一致す
る。このような構成とすることにより、1個の加圧ボル
ト33の螺合位置を調節するだけで、左右2組の溶射材
送給機構6における無端ベルト5の対向する送給面7に
より溶射材4を挟持する圧力を双方ともに均等に保ちつ
つ同時に調節することができる。したがって、溶射材4
を挟持する圧力を容易に調節することが可能となる。
【0026】なお、圧力調節機構8の構成はこれらの実
施形態に限定されるものではなく、上下の無端ベルト5
の一方の送給面7を対向する他方の無端ベルト5の送給
面7側に押圧する荷重を調節することができる構成であ
れば、他の構成とすることも可能である。
【0027】駆動機構9は、少なくとも一方の無端ベル
ト5を所定の送給速度で周回駆動するための機構であ
る。ここでは、図4に示すように、下側の無端ベルト5
の下端のローラ19を駆動ローラ38とし、この駆動ロ
ーラ38を駆動モータ39(図1参照)の動力により駆
動することで無端ベルト5を周回駆動させる。そのた
め、左右の溶射材送給機構6のそれぞれの駆動ローラ3
8を連結する軸40にウォームホイール41を結合する
とともに、駆動モータ39の駆動軸42にウォーム43
を結合し、これらのウォームホイール41とウォーム4
3とをかみ合わせることにより駆動モータ39の駆動力
を駆動ローラ38に伝達して無端ベルト5を周回駆動す
る。なお、上側の無端ベルト5を周回駆動する構成と
し、あるいは、上下の無端ベルト5を両方共に周回駆動
する構成とすることも可能である。
【0028】圧縮空気送出管56は、溶射材送給機構6
の周囲に圧縮空気を送出するための管である。ここで
は、図1に示すように、本体ケース2の後部上方に挿入
されて配置されており、溶射材送給機構6の後部上方か
ら圧縮空気を送出する構成としている。この圧縮空気送
出管56の後部59は、空気供給管52を介してエアポ
ンプ53(図5参照)に接続されており、エアポンプ5
3から圧縮空気の供給を受けるようになっている。そし
て、この圧縮空気送出管56から送出された圧縮空気
は、溶射材送給機構6、圧力調節機構8及び駆動機構9
の周囲を通過して、本体ケース2の側面の開口部57
(図5参照)から外部へ流出する空気の流れを形成す
る。これにより、アーク点10において発生する微粉塵
等が本体ケース2の内部に侵入することを防止し、溶射
材送給機構6等のアーク溶射装置1の各部に微粉塵等が
付着して動作不良を起こすことを防止することができ
る。
【0029】案内管11は、図1及び図2に示すよう
に、左右2組の溶射材送給機構6によりそれぞれ送給さ
れる溶射材4がアーク点10において交差するように適
正な位置及び角度に案内するとともに溶射材4に対して
アーク電圧を印加する管であり、その中心軸に沿って溶
射材4が挿通される挿通穴が形成されている。そして、
本体ケース2の前部に対して絶縁体44を介して固定さ
れている。この案内管11の固定位置は、図2に示すよ
うに、左右の案内管11の挿通穴の延長線が案内管11
の先端部45の少し前において交差してアーク点10を
形成するように左右方向にハの字形に傾斜して固定され
ている。また、この案内管11は、後述する給電端子4
6と電気的に接続されており、電力供給部12から供給
された電力により溶射材4に対してアーク電圧を印加す
る。
【0030】電力供給部12は、左右の溶射材4の間に
アークを発生させるための電力を案内管11に供給する
ための部分であり、給電端子46と、この給電端子46
に接続される電源47及び電力ケーブル48(図5参
照)とを有して構成される。給電端子46は、本体ケー
ス2の前部に対して絶縁体44を介して固定されるとと
もに、その上部において案内管11と結合することによ
り、案内管11に対して電気的に接続されている。そし
て電力ケーブル48の終点49は給電端子46に接続さ
れており、電源47の電力を給電端子46を介して案内
管11に供給する。
【0031】溶射用圧縮空気送出部13は、左右2本の
案内管11の間及びその周囲から前方へ向けて圧縮空気
を供給するための部分であり、図2に示すように、エア
ノズル50と、エアキャップ51と、これらに圧縮空気
を供給するための2本の空気供給管52及びエアポンプ
53(図5参照)とを有して構成される。エアノズル5
0は、左右の案内管11の間に配置されており、アーク
溶射装置1の背面14に接続された空気供給管52(図
1参照)から供給された圧縮空気を、アーク点10の後
方から前方へ向けて供給することにより溶融した溶射材
4を前方へ吹き飛ばすためのものである。エアキャップ
51は、案内管11の先端部45の周囲に配置されてお
り、アーク溶射装置1の前方下部に接続された空気供給
管52(図1参照)から供給された圧縮空気を、その内
側に形成された複数のノズル孔54からアーク点10へ
向けて供給することにより、溶融した溶射材4を微細化
するためのものである。なお、アーク溶射装置1の先端
部分においてエアキャップ51の周囲を覆うように配置
された先端フード55は、アーク光を遮蔽するためのフ
ードである。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係るアーク溶射装置によれば、溶射材送給機構が、複
数のローラに捲回されて平面状の送給面を一部に形成す
る一対の無端ベルトを、その送給面が互いに対向するよ
うに配置するとともに、少なくとも一方の無端ベルトを
駆動機構により所定の送給速度で周回駆動し、この対向
する送給面間に溶射材を挟持して送給する構成を有する
ことにより、溶射材送給機構の送給時における溶射材を
挟持する力を強化し、溶射材スプールからアーク溶射装
置までの距離や送給経路等に関係なく、溶射条件に応じ
た送給速度で確実に安定して溶射材を送給することがで
きる。したがって、溶射材を適切に送給できないことに
より発生する着火不能、稼動中の失火、及びスパッタの
発生等の不具合を防止することができる。
【0033】本発明の請求項2に係るアーク溶射装置に
よれば、上述の効果に加えて、一対の無端ベルトの対向
する送給面により溶射材を挟持する圧力を調節する圧力
調節機構を備えることにより、溶射材の太さ等の条件に
合わせて無端ベルトの対向する送給面間を通過する溶射
材を挟持する圧力を適切に調節して滑りを防止し、溶射
材の送給を確実かつ安定して行なうことができる。
【0034】本発明の請求項3に係るアーク溶射装置に
よれば、上述の効果に加えて、加圧ボルトの先端部は、
球面形状に形成され、加圧フレームの中心部を押圧する
ことにより、1個の加圧ボルトの位置を調節するだけ
で、2組の溶射材送給機構における無端ベルトの対向す
る送給面により溶射材を挟持する圧力を双方ともに均等
に保ちつつ同時に調節することができる。したがって、
溶射材を挟持する圧力を容易に調節することが可能とな
る。
【0035】本発明の請求項4に係るアーク溶射装置に
よれば、上述の効果に加えて、少なくとも一方の前記無
端ベルトの送給面の送給方向に沿って溶射材を保持する
保持溝を形成したことにより、溶射材が側方、すなわち
無端ベルトの幅方向にずれないように保持し、溶射材を
直進させて常に安定した送給を行なうことができる。
【0036】本発明の請求項5に係るアーク溶射装置に
よれば、上述の効果に加えて、いずれか一方の前記無端
ベルトの送給面における溶射材との接触部分以外の部分
に、対向する他方の無端ベルトの送給面に密着する弾性
突起を、その送給面の送給方向に沿って複数形成したこ
とにより、この弾性突起を介して一方の無端ベルトを他
方の無端ベルトに密着させることができる。したがっ
て、溶射材と無端ベルトとの間に生じる摩擦力の大きさ
に関係なく、対向する一対の無端ベルトを双方ともに同
じ速度で確実に周回駆動させることができるので、溶射
材に必要以上の圧力を加える必要がなくなり、溶射材が
傷んだり変形したりすることを防止できる。
【0037】本発明の請求項6に係るアーク溶射装置に
よれば、上述の効果に加えて、前記溶射材送給機構の周
囲に圧縮空気を送出する圧縮空気送出管を備えることに
より、アーク点において発生する微粉塵等が本体ケース
の内部に侵入することを防止し、溶射材送給機構等のア
ーク溶射装置の各部に微粉塵等が付着して動作不良を起
こすことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るアーク溶射装置の部分
断面側面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】図1のY−Y断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るアーク溶射装置の溶射
材送給機構及び圧力調節機構を示す拡大図である。
【図5】本発明の実施形態に係るアーク溶射装置の全体
構成を示す概略図である。
【図6】図3のA部拡大図である。
【図7】本発明の実施形態に係るアーク溶射装置の一方
の無端ベルトに弾性突起を形成した場合の溶射材送給機
構及び圧力調節機構を示す拡大図である。
【図8】図7のZ−Z断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係るアーク溶射装置の圧力
調節機構の加圧ボルトの先端部を球面形状とした場合の
溶射材送給機構を示す部分断面側面図である。
【図10】従来例に係るアーク溶射装置を示す部分断面
側面図である。
【符号の説明】
1 アーク溶射装置 2 本体ケース 4 溶射材 5 無端ベルト 6 溶射材送給機構 7 無端ベルトの送給面 8 圧力調節機構 9 駆動機構 10 アーク点 11 案内管 12 電力供給部 13 溶射用圧縮空気送出部 18 溶射材送給機構のフレーム 19 溶射材送給機構のローラ 20 送給ベルト部 21 張り調節機構 26 保持溝 27 加圧フレーム 29 本体ケースの箱状凹部 30 嵌合摺動部 32 雌ねじ部 33 加圧ボルト 34 締結ナット 35 加圧ボルトの先端部 36 ボールジョイント 37 加圧フレームの中心部 38 駆動ローラ 39 駆動モータ 41 ウォームホイール 43 ウォーム 44 絶縁体 46 給電端子 50 エアノズル 51 エアキャップ 56 圧縮空気送出管 58 弾性突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 勝 大阪府泉佐野市南中安松1319−1 Fターム(参考) 4F033 QA01 QB02Y QB07 QB12Y QB19 QD02 QD18 QE05 QE13 QF07Y QG05 QG13 4K031 DA03 EA06 EA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の溶射材を溶射条件に応じた送給速
    度でアーク点までそれぞれ送給するための2組の溶射材
    送給機構を備えるアーク溶射装置において、 この溶射材送給機構は、複数のローラに捲回されて平面
    状の送給面を一部に形成する一対の無端ベルトを、その
    送給面が互いに対向するように配置するとともに、少な
    くとも一方の無端ベルトを駆動機構により所定の送給速
    度で周回駆動し、この対向する送給面間に溶射材を挟持
    して送給する構成を有することを特徴とするアーク溶射
    装置。
  2. 【請求項2】 一対の無端ベルトの対向する送給面によ
    り溶射材を挟持する圧力を調節する圧力調節機構を備え
    ることを特徴とする請求項1記載のアーク溶射装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力調節機構は、2組の溶射材送給
    機構のそれぞれにおける一方の無端ベルトを互いに連結
    する加圧フレームと、この加圧フレームを介して前記一
    方の無端ベルトの送給面を対向する他方の無端ベルトの
    送給面側に押圧する荷重を調節する加圧ボルトとを有
    し、前記加圧ボルトの先端部は、球面形状に形成され、
    加圧フレームの中心部を押圧することを特徴とする請求
    項2記載のアーク溶射装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方の前記無端ベルトの送給
    面の送給方向に沿って溶射材を保持するための保持溝を
    形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1
    項に記載のアーク溶射装置。
  5. 【請求項5】 いずれか一方の前記無端ベルトの送給面
    における溶射材との接触部分以外の部分に、対向する他
    方の無端ベルトの送給面に密着する弾性突起を、その送
    給面の送給方向に沿って複数形成したことを特徴とする
    請求項1から4のいずれか1項に記載のアーク溶射装
    置。
  6. 【請求項6】 前記溶射材送給機構の周囲に圧縮空気を
    送出する圧縮空気送出管を備えることを特徴とする請求
    項1から5のいずれか1項に記載のアーク溶射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104826772A (zh) * 2015-05-09 2015-08-12 芜湖鼎瀚再制造技术有限公司 一种丝料自矫直式电弧喷枪

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