JP2003071253A - 中空糸モジュール - Google Patents

中空糸モジュール

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JP2003071253A
JP2003071253A JP2001265476A JP2001265476A JP2003071253A JP 2003071253 A JP2003071253 A JP 2003071253A JP 2001265476 A JP2001265476 A JP 2001265476A JP 2001265476 A JP2001265476 A JP 2001265476A JP 2003071253 A JP2003071253 A JP 2003071253A
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treated
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blood
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JP2001265476A
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Hiroshi Matsumoto
宏 松本
Osamu Nakamatsu
修 中松
Ichiro Kumo
雲  一郎
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液に対するストレスの抑制と中空糸全体に
対する血液の円滑流入とを同時に実現する。 【解決手段】 本発明の中空糸モジュールでは、被処理
液導入路9で血液が中空糸束1の開口面1Aの垂直中心
軸1Bに対し横向きの方向から送り込まれ、中空糸束1
の開口面1Aに対する血液の垂直衝突現象が緩和される
ので、血液のストレスを抑えられる。同時に、血液は環
状流路10で中空糸束1の開口面1Aの垂直中心軸1B
をまわる流れとなって円盤状の液体分配空間4Aへ流入
して血液が均等に行き渡るとともに、円盤状の液体分配
空間4Aはπr2 ×r/8以上〜πr2 ×r/2.5以
下の容積があり、液体分配空間4Aの周縁域に適度な間
隙があるので、血液は滞留凝固もせず、中空糸1a全体
に円滑に流入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液浄化、人工透
析あるいは限外濾過などに用いられる中空糸モジュール
に係り、特に、被処理液(処理対象の液体)に対するス
トレスの抑制と中空糸全体に対する被処理液の円滑な流
入とが同時に可能となる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、特公平4−3983号公報に記
載されている人工腎臓等に用いる従来の中空糸モジュー
ルの被処理液導入側の内部構成を示す断面図である。人
工腎臓の場合は血液が被処理液であり、中空糸束51を
収納した円筒状ケース52の一端部側に中空糸束51の
円形状開口面51Aの前面全体に血液を分配する円盤状
の液体分配空間53Aを形成するように被処理液導入側
ヘッダー53が配設されている。また、被処理液導入側
ヘッダー53の中心に中空糸束51の開口面51Aの垂
直中心軸51Bと同軸に被処理液導入路54が接続され
ていて、被処理液導入路54から導入された浄化対象の
血液が液体分配空間53Aを経て各中空糸51aに流れ
込む。
【0003】しかし、この中空糸モジュールの場合、中
空糸束51の開口面51Aに血液が垂直に衝突するの
で、血液に対するストレスが大きく、例えば血液中の白
血球が損傷する心配がある。
【0004】図5は、特開平2000−189762号
公報に記載されている従来の他の中空糸モジュールの被
処理液導入側の内部構成を示す断面図である。この中空
糸モジュールは、被処理液としての血液を中空糸束51
の開口面51Aの垂直中心軸51Bに対し横向きの方向
から送り込む被処理液導入路55を備えており、中空糸
束51の開口面51Aに対する血液の垂直衝突現象が緩
和されるので、血液にかかるストレスを少なくすること
ができる。
【0005】しかし、図5の中空糸モジュールのよう
に、血液を中空糸束51の開口面51Aの垂直中心軸5
1Bに対し横向きの方向から導入すると血液が円盤状の
液体分配空間53Aに均等に行き渡り難くなり、各中空
糸51aに対して血液を均一に分配できなくなる。そこ
で、図6に示すように、被処理液導入路55と液体分配
空間53Aの間に、液体分配空間53Aへ開口側を向け
た円形状凹溝56を設ける。さらに円形状凹溝56にお
ける被処理液導入路55の連接箇所に衝立部57を設
け、血液が連接箇所の衝立部57の無い側からのみ円形
状凹溝56のループ沿いに進んで円形状凹溝56を回る
流れとなって液体分配空間53Aへ入って血液が液体分
配空間53Aへ均等に行き渡るように図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示す従来の中空糸モジュールの場合、全ての中空糸51
aに対しては血液を円滑に流入させられないという問題
がある。すなわち、被処理液導入側ヘッダー53の円盤
状の液体分配空間53Aの周縁域では、血液が流れにく
く滞留凝固する傾向がみられるので、中空糸束51の円
形状開口面の周縁域に位置する中空糸51aには血液が
流れ込みにくいのである。
【0007】図4の中空糸モジュールでは、ヘッダー5
3の内面における血液接触域にヘパリン化高分子(抗血
液凝固高分子)膜が形成され、浄化対象の血液の凝固を
防止して血液が速やかに流れるようになっている。そし
て、この抗血液凝固高分子膜を図5の中空糸モジュール
の液体分配空間53Aの周縁域に施せば、血液が滞留せ
ず流れ易くなる。
【0008】しかし、抗血液凝固高分子膜の形成工程が
新たに必要となるので、モジュールの製造コストが上昇
するうえに、抗血液凝固高分子は一時的に透析患者の血
液凝固機能を低下させるので、抗血液凝固高分子膜を用
いて浄化対象の血液の滞留凝固を防止することは現実味
のある対応策ではない。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、被処理液に対するストレスの抑制と中
空糸全体に対する被処理液の円滑流入とを同時に実現す
ることができる中空糸モジュールを提供することを主た
る目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の中空糸モジュールは、処理対象の
液体(被処理液)が内部を流れる中空糸を多数本束ねた
中空糸束が収納されている円筒状ケースと、各中空糸の
端を前記円筒状ケースの端部側に開口せしめた状態で中
空糸束を筒状ケースの内部で液密に保持する隔壁と、前
記中空糸束の円形状開口面の前面全体に被処理液を分配
する円盤状の液体分配空間を形成するように前記円筒状
ケースの被処理液導入側端部へ配設された被処理液導入
側ヘッダーと、被処理液を中空糸束の開口面の垂直中心
軸に対し横向きとなる方向から被処理液導入側ヘッダー
の液体分配空間へ送り込む被処理液導入路とを備えた中
空糸モジュールであって、前記被処理液導入路と被処理
液導入側ヘッダーの液体分配空間との間に、被処理液導
入路から送り込まれた被処理液が前記中空糸束の開口面
の垂直中心軸をまわる流れとなって液体分配空間へ流入
するようにする環状流路を備えているとともに、前記被
処理液導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の容積V
は、中空糸束の円形状開口面の半径をrとしてπr2 ×
r/10以上であることを特徴とするものである。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の中空糸モジュールにおいて、被処理液導入側ヘ
ッダーの円盤状の液体分配空間の容積Vは、πr2 ×r
/2.5以下であることを特徴とするものである。
【0012】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
1または2に記載の中空糸モジュールにおいて、被処理
液導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の容積Vは、
さらに好ましくはπr2×r/8以上であることを特徴
とするものである。
【0013】
【作用】本発明の作用は次のとおりである。請求項1に
記載の発明によれば、中空糸モジュールでは、被処理液
導入路によって中空糸束の円形状開口面(以下、適宜
「開口面」という)の垂直中心軸に対し横向きとなる方
向から環状流路へ送り込まれた被処理液は、環状流路に
よって中空糸束の開口面の垂直中心軸をまわる流れとな
って、円形状開口面の半径をrとしてπr2 ×r/10
以上の容積を有する円盤状の液体分配空間へ流入すると
ともに、さらに液体分配空間から各中空糸の糸内部へ導
かれる。
【0014】このように、請求項1の発明の中空糸モジ
ュールの場合、被処理液導入路によって被処理液が開口
面の垂直中心軸に対し横向きとなる方向から送り込まれ
るので、中空糸束の開口面に垂直に向かう被処理液が減
る。つまり、中空糸束の開口面に対する被処理液の垂直
衝突現象が緩和されるとともに、被処理液は環状流路に
よって中空糸束の開口面の垂直中心軸をまわる流れとな
って液体分配空間へ流入する。そのため、液体分配空間
に被処理液が均等に行き渡るようになるとともに、円盤
状の液体分配空間がπr2 ×r/10以上の容積を有
し、被処理液導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の
周縁域の間隙が充分であるので、抗被処理液凝固高分子
膜を用いなくても、液体分配空間の周縁域でも被処理液
の滞留凝固を回避させることができる。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、被処理液
導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の容積Vは、π
2 ×r/2.5以下であるので、被処理液の流入量に
比べて液体分配空間の容積が必要以上に大きくなること
がなく、被処理液の円滑な流入が妨げられるという事態
を回避し易くしている。
【0016】つまり、各中空糸は通常径の細いものであ
り、中空糸モジュールでは被処理液の単位時間当たりの
処理量は余り多くなく、液体分配空間の容積Vが余り大
きすぎても被処理液がうまく流れなくなるという心配が
あるからである。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、被処理液
導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の容積Vは、π
2 ×r/8以上であり、被処理液導入側ヘッダーの円
盤状の液体分配空間の周縁域では、間隙がより充分にあ
るので、被処理液の滞留凝固を確実に回避することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。 〈実施例〉図1は、実施例に係る中空糸モジュールの全
体構成を示す平面図、図2は、その被処理液導入側の内
部構成を示す部分断面図、図3は、実施例の中空糸モジ
ュールの被処理液導入側における血液の流入状況を示す
模式図である。
【0019】実施例の中空糸モジュールは、人工腎臓等
の血液浄化装置用であって、被処理液である血液を浄化
するのに使用されるものであり、糸内部が中空となって
いる中空糸1aが多数本束ねられている中空糸束1を収
納した円筒状ケースである円筒ケース2と、各中空糸1
aの端を円筒ケース2の端部側に開口せしめた状態で中
空糸束1を円筒ケース2の内部で液密に保持する隔壁3
と、円筒ケース2の両端部へそれぞれ配設された一対の
ヘッダー4,5と、円筒ケース2の両端側の周面に設け
られた透析液用のポート6,7とを備えている。
【0020】この中空糸モジュールにおいて血液浄化が
行われる場合、血液の方は被処理液導入側ヘッダー4の
側から各中空糸1aの糸内部に流入しそのまま糸内部を
流れて被処理液導出側ヘッダー5の側から流出すると同
時に、透析液の方は透析液導入側ポート6の側から円筒
ケース2の内部に流入し血液と逆向きに流れて透析液導
出側ポート7の側から流出するように構成されていて、
血液が中空糸1aの膜壁を隔てて透析液と間接的に接触
する間に血液の浄化が進行する。以下、本実施例の中空
糸モジュールの特徴的な構成を有するヘッダー4周りの
各部構成をより具体的に説明する。
【0021】被処理液導入側ヘッダー4は、中空糸束1
の円形状開口面1Aの前面全体に血液を分配する円盤状
の液体分配空間4Aが形成されるように、例えばシリコ
ーン製等のリング状シール部材8で液密に円筒ケース2
に配設されている。また、中空糸束1の開口面1Aの垂
直中心軸1Bに対し横向きとなる方向から浄化対象の血
液が送り込めるように、断面円形の被処理液導入路9
が、その中心軸線9Aを中空糸束1の開口面1Aに対し
平行に向けた状態で配設されている。
【0022】また、本実施例の中空糸モジュールの場
合、被処理液導入路9と被処理液導入側ヘッダー4の液
体分配空間4Aとの間に、被処理液導入路9から送り込
まれた血液が中空糸束1の円形状開口面1Aの垂直中心
軸1Bをまわる流れとなって液体分配空間4Aへ流入す
るようにする環状流路10を備えている。
【0023】本実施例の場合、環状流路10は次のよう
に構成されている。すなわち、中空糸束1の開口面1A
の垂直中心軸1Bを巡るループを描くようにして円形状
凹溝11が開口側を液体分配空間4Aへ向けた状態で設
けられ、この円形状凹溝11の中寄り内側面に向けて血
液が送り込まれるように被処理液導入路9が円形状凹溝
11に連接されている。円形状凹溝11における被処理
液導入路9の連接箇所では、血液が円形状凹溝11のル
ープに沿って流れるのを抑える板状の衝立部12が連接
箇所の片側にだけ円形状凹溝11のループを遮るように
設けられており、円形状凹溝11と衝立部12とにより
環状流路10が構成されている。
【0024】そして、本実施例の中空糸モジュールで
は、被処理液導入側ヘッダー4の円盤状の液体分配空間
4Aは、図2あるいは図3に示すように、中空糸束1の
円形状開口面1Aの半径をrとして容積Vがπr2 ×r
/10以上であり、かつπr2×r/2.5以下に設定
されている。
【0025】すなわち、液体分配空間4Aの容積Vがπ
2 ×r/10未満だと、液体分配空間4Aの容積Vが
薄っぺらで特に液体分配空間4Aの周縁域で血液が流れ
難くなる。つまり、円盤状の液体分配空間4Aは、液体
分配空間4Aの周縁域で血液が充分に流れ易くなるとい
う観点からは、容積Vがπr2 ×r/8以上であること
が好ましい。
【0026】逆に、液体分配空間4Aの容積Vがπr2
×r/2.5を超過すると、液体分配空間4Aが広大と
なり過ぎて、血液の円滑な流れが阻害される傾向がみら
れる。つまり、液体分配空間4Aの容積Vはπr2 ×r
/2.5を超過しないことが好ましい
【0027】一般に各中空糸1aは通常径の細いもので
あり、中空糸モジュールでは血液の単位時間当たりの処
理量は余り多くなく、液体分配空間4Aの容積Vが余り
大きすぎても血液がうまく流れなくなる傾向があるから
である。
【0028】なお、本実施例の中空糸モジュールでは、
被処理液導出側ヘッダー5の側も、上述の被処理液導入
側ヘッダー4の側と同様の構成となっており、ヘッダー
5の側を導入側として用い、被処理液導入側ヘッダー4
の側を導出側として用いる逆の使い方も可能な構成にな
っている。
【0029】しかし、血液が細い中空糸1aから広い空
間へ出る方の被処理液導出側ヘッダー5は、被処理液導
入側ヘッダー4と同じ構成である必要は必ずしもなく、
例えば、被処理液導出側ヘッダー5の側については、図
4や図5に示すような従来方式のヘッダーと同様の構成
のものであってもよい。
【0030】また、中空糸1aの材質としては、セルロ
ース、セルロース誘導体、ポリメチルアクリレート、ポ
リプロピレン、ポリサルフォンなどが例示され、隔壁3
の材質としては、ポリウレタンなどが例示される。
【0031】さらに、円筒ケース2、ヘッダー4,5、
透析液用の両ポート6,7、被処理液導入路9、環状流
路10の材質としては、ポリエチレン、ポリカーボネイ
ト、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、アクリルスチレンなどの汎用プラスチック
が例示される。
【0032】続いて、実施例の中空糸モジュールにより
血液浄化が行われる時の被処理液導入側における血液の
流入状況を説明する。図3は、実施例の中空糸モジュー
ルにおける被処理液導入側での血液の流れを示す模式図
である。
【0033】図3に示すように、環状流路10の円形状
凹溝11における被処理液導入路9の連接箇所では、被
処理液導入路9により、中空糸束1の開口面1Aの垂直
中心軸1Bに対し真横の向きとなる方向から円形状凹溝
11の内側面に向けて浄化対象の血液が送り込まれる。
このとき、衝立部12の側に向かった血液は衝立部12
に当たって衝立部12の無い側へ進路を変えて、衝立部
12の側には向かわなかった血液と一緒になって衝立部
12の無い側から円形状凹溝11のループに沿って流れ
て円盤状の液体分配空間4Aへ送り込まれたあと、各中
空糸1aの糸内部へ導入される。
【0034】このように、実施例の中空糸モジュールの
場合、被処理液導入路9により血液が中空糸束1の開口
面1Aの垂直中心軸1Bに対し真横の方向から送り込ま
れ、中空糸束1の開口面1Aに垂直に向かう血液が大幅
に減る、結果、中空糸束1の開口面1Aに対する血液の
垂直衝突現象が確実に緩和されるので、血液に対するス
トレスを充分抑制できる。
【0035】同時に、血液は、中空糸束1の開口面1A
の垂直中心軸1Bをまわる流れとなって液体分配空間4
Aへ流入するので、液体分配空間4Aに血液が均等に行
き渡る。さらに血液が送り込まれる液体分配空間4A
は、πr2 ×r/8以上〜πr 2 ×r/2.5以下の間
の容積があり、πr2 は液体分配空間4Aの中空糸束1
の円形状開口面1Aに接する面積であって、ほぼ液体分
配空間4Aの底面積に該当し、またr/8はほぼ液体分
配空間4Aの厚みに該当することになる。
【0036】つまり、円盤状の液体分配空間4Aの周縁
域にも、中空糸束1の円形状開口面1Aと被処理液導入
側ヘッダー4の内面との間に適度な間隙が確保されてい
る。その結果、血液は中空糸束1の円形状開口面1Aの
周縁域でも血液は滞留凝固せずに、血液が全ての中空糸
1aへ円滑に導かれる。
【0037】本発明は、上記実施の形態に限られること
はなく、下記のように変形実施することができる。 (1)実施例では、液体分配空間4Aの容積Vがπr2
×r/2.5以下であったが、液体分配空間4Aの容積
Vは、処理液の種類や中空糸の寸法・密度によってはπ
2 ×r/2.5を越えるような構成であってもよい。
【0038】(2)実施例の中空糸モジュールの場合、
環状流路10が円形状凹溝11と衝立部12とにより構
成されていたが、中空糸束1の開口面1Aの垂直中心軸
1Bを例えば1回転半といった適当な量巡るループを描
くようにして設けられた螺旋状管路が環状流路として配
設されていてもよい。
【0039】(3)実施例の中空糸モジュールでは、被
処理液導入路9の中心軸線9Aが中空糸束1の開口面1
Aに対し平行(真横向き)となる構成であったが、被処
理液導入路9の中心軸線9Aが中空糸束1の開口面1A
に対し斜め横向きとなる構成であってもよい。
【0040】(4)第1,2実施例の中空糸モジュール
は、人工腎臓等の血液浄化装置用であったが、本発明の
中空糸モジュールは、人工肝臓、人工肺、血漿分離、限
外濾過、浄水器に用いられるモジュールであってもよ
い。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、中空糸モジュールにおいて
は、被処理液導入路により、被処理液が開口面の垂直中
心軸に対し横向きとなる方向から送り込まれて、中空糸
束の開口面に垂直に向かう被処理液が減り、中空糸束の
開口面に対する被処理液の垂直衝突現象が緩和されるの
で、被処理液に対するストレスを抑制することができ
る。
【0042】また、円盤状の液体分配空間は、πr2 ×
r/10以上の容積が確保されることにより、被処理液
導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の周縁域に充分
な間隙が確保される。つまり、環状流路によって中空糸
束の開口面の垂直中心軸をまわる流れとなって液体分配
空間へ流入した被処理液は、液体分配空間の隅々まで均
等に行き渡ることができる。その結果、抗被処理液凝固
高分子膜を用いなくても被処理液の液体分配空間の周縁
域での滞留凝固を回避することができるので、中空糸全
体に対して被処理液を円滑に流入させることができる。
【0043】また、請求項2に記載の発明によれば、被
処理液導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の容積V
は、πr2 ×r/2.5以下であるので、被処理液の流
入量に比べて液体分配空間の容積が大き過ぎて却って被
処理液の円滑な流入が妨げられるという事態を回避し易
い。
【0044】また、請求項3に記載の発明によれば、被
処理液導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の容積が
πr2 ×r/8以上と充分に確保されるので、被処理液
導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の周縁域の間隙
も充分に確保され、被処理液の液体分配空間の周縁域で
の滞留凝固を確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る中空糸モジュールの全体構成を示
す平面図である。
【図2】実施例に係る中空糸モジュールの被処理液導入
側の内部構成を示す部分断面図である。
【図3】実施例に係る中空糸モジュールの被処理液導入
側における血液の流入状況を示す模式図である。
【図4】従来例に係る中空糸モジュールの被処理液導入
側の内部構成を示す部分断面図である。
【図5】他の従来例に係る中空糸モジュールの被処理液
導入側の内部構成を示す部分断面図である。
【図6】他の従来例に係る中空糸モジュールの被処理液
導入側における血液の流入状況を示す模式図である。
【符号の説明】
1 … 中空糸束 1A … 円形状開口面 1B … 垂直中心軸 1a … 中空糸 2 … 円筒ケース 3 … 隔壁 4 … 被処理液導入側ヘッダー 4A … 円盤状の液体分配空間 9 … 被処理液導入路 10 … 環状流路 r … 円形状開口面の半径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雲 一郎 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4C077 AA05 BB01 BB02 CC03 EE01 KK07 KK15 LL05 4D006 GA06 HA02 JA10C JA16A JA16C MA01 MC16 MC17 MC23 MC37 MC62 PB09 PC47

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象の液体(被処理液)が内部を流
    れる中空糸を多数本束ねた中空糸束が収納されている円
    筒状ケースと、 各中空糸の端を前記円筒状ケースの端部側に開口せしめ
    た状態で中空糸束を筒状ケースの内部で液密に保持する
    隔壁と、 前記中空糸束の円形状開口面の前面全体に被処理液を分
    配する円盤状の液体分配空間を形成するように前記円筒
    状ケースの被処理液導入側端部へ配設された被処理液導
    入側ヘッダーと、 被処理液を中空糸束の開口面の垂直中心軸に対し横向き
    となる方向から被処理液導入側ヘッダーの液体分配空間
    へ送り込む被処理液導入路とを備えた中空糸モジュール
    であって、 前記被処理液導入路と被処理液導入側ヘッダーの液体分
    配空間との間に、被処理液導入路から送り込まれた被処
    理液が前記中空糸束の開口面の垂直中心軸をまわる流れ
    となって液体分配空間へ流入するようにする環状流路を
    備えているとともに、 前記被処理液導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の
    容積Vは、中空糸束の円形状開口面の半径をrとしてπ
    2 ×r/10以上であることを特徴とする中空糸モジ
    ュール。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中空糸モジュールにお
    いて、 被処理液導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の容積
    Vは、πr2 ×r/2.5以下であることを特徴とする
    中空糸モジュール。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の中空糸モジュ
    ールにおいて、 被処理液導入側ヘッダーの円盤状の液体分配空間の容積
    Vは、さらに好ましくはπr2 ×r/8以上であること
    を特徴とする中空糸モジュール。
JP2001265476A 2001-09-03 2001-09-03 中空糸モジュール Pending JP2003071253A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110575579A (zh) * 2019-09-23 2019-12-17 中国科学技术大学 一种改善血液流动的透析增强型血液透析器

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