JP2003071237A - 冷却用素子及びこれを備えた除湿素子 - Google Patents

冷却用素子及びこれを備えた除湿素子

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JP2003071237A JP2001269747A JP2001269747A JP2003071237A JP 2003071237 A JP2003071237 A JP 2003071237A JP 2001269747 A JP2001269747 A JP 2001269747A JP 2001269747 A JP2001269747 A JP 2001269747A JP 2003071237 A JP2003071237 A JP 2003071237A
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cooling
air
passages
cooling element
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JP2001269747A
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Yoshihisa Sueoka
敬久 末岡
Kannan Ki
冠南 喜
Akira Jinno
亮 神野
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた冷却特性をもつ冷却用素子及びこれを
備えてなる除湿素子を提供する。 【解決手段】 通風路4を隣接状態で並設した冷却用素
子において、通風路4を空気流通方向に前後する複数の
通風路群5A,5Bのそれぞれに属する通風路4A、4
Bで構成し、且つ該通風路4A、4Bを流通方向に直交
する方向へ相対偏位させる。冷却用空気Abが通風路内
を流れるとき、通風路群5A側の通風路4Aと通風路群
5B側の通風路4Bとの境部分で流れが不連続となるこ
とから、該通風路4A,5Bの内面に発生する境界層
は、例えば該通風路4Aと通風路4Bとが連続した一連
の通路とされている場合に比して、その成長が抑制さ
れ、それだけ該通風路4A,4Bにおける伝熱効率の向
上が図られる。この結果、冷却用素子2は高い冷却能力
を発揮することとなり、延いては該冷却用素子2を備え
て構成される除湿素子における除湿能力の向上が図れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、冷却用素子及び
該冷却用素子を備えてなる除湿素子の構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図9に示すように、従来一般的な除湿素
子Z0は、平板状形態を有し且つ被処理空気Aa(即
ち、湿り空気)を通す多数の通風路3,3,・・を平面
方向に多数並設するとともに該通風路3,3,・・に水
分を吸着する吸着剤を担持してなる吸着用素子1と、平
板状形態を有し且つその一端2aから他端2bにかけて
冷却用空気Abを通す通風路4,4,・・を並設した冷
却用素子2とを、平面視において上記吸着用素子1の通
風路3と上記冷却用素子2の通風路4とが相互に直交す
るようにして交互に多段積載し且つこれらを一体化して
構成される。
【0003】そして、かかる除湿素子Z0においては、
上記吸着用素子1の通風路3,3,・・に被処理空気A
aを流し、その水分を吸着剤によって吸着除去すること
でその除湿を行うと同時に、水分の吸着によって吸着用
素子1側に発生する吸着熱を、上記冷却用素子2の通風
路4,4,・・を流れる冷却用空気Abによって順次冷
却してこれを放熱することで上記吸着用素子1の吸着能
力を長期に亙って良好に維持するようになっている。
【0004】従って、除湿素子Z0全体としての除湿能
力の向上を図るという観点からすれば、上記吸着用素子
1の全域において可及的に均等に水分の吸着除去作用が
行われること、換言すれば、上記冷却用素子2による吸
着用素子1に対する冷却作用が該吸着用素子2の全域に
おいて可及的に均等に行われることが必要であるといえ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に、除湿素子Z0においては、上記吸着用素子1と冷却
用素子2とを積層した状態において、該吸着用素子1の
通風路3,3,・・と冷却用素子2の通風路4,4,・
・とが相互に直交し、該吸着用素子1側を流れる被処理
空気Aaと冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abとが
直交方向に流れる所謂「直交流」状態となることから、
次述するように、上記吸着用素子1における吸着除去効
率に偏りが生じ、除湿素子Z0全体としての除湿能力が
低下する(即ち、当初期待通りの除湿能力が得られな
い)という問題があった。
【0006】即ち、一般に、上記吸着用素子1に担持さ
れる吸着剤には、これに接触する被処理空気Aaの含水
率が高いほど水分の吸着除去効率が高く、含水率が低下
するにつれ吸着除去効率も低下するという特性があり、
従って、吸着用素子1の壁温もこの吸着除去効率に対応
して、吸着除去効率が高い部位ほど発生する吸着熱も多
く、それだけ壁温も高くなる。
【0007】一方、上記冷却用素子2による上記吸着用
素子1に対する冷却効率は、該冷却用素子2側を流れる
冷却用空気Abの温度と該冷却用空気Abにより冷却作
用を受ける上記吸着用素子1の壁温との温度差が大きい
ほど高効率となる。
【0008】従って、係る観点から上記除湿素子Z0
みれば、上記吸着用素子1の各通風路3,3,・・のそ
れぞれに被処理空気Aaが略均等に導入され且つこれが
該吸着用素子1の上流部1a側から下流部1bに向けて
流れる一方、上記冷却用素子2の各通風路4,4,・・
のそれぞれに冷却用空気Abが略均等に導入され且つこ
れが該冷却用素子2の上流部2c側から下流部2dに向
けて流れる場合、吸着除去効率と冷却効率との相乗効果
として得られる除湿能力は、上記吸着用素子1の上流部
1a寄り(即ち、水分の吸着除去効率が高く吸着熱も高
い部位)で、且つ上記冷却用素子2の上流部2c(即
ち、冷却用空気Abの温度が最も低く上記吸着用素子1
の壁温との温度差が最も大きい部位)において最も高く
なり、該部位から上記吸着用素子1の下流部1b側及び
上記冷却用素子2の下流部2d側へそれぞれ移行するに
従って除湿能力が低下するような特性となる。
【0009】このことは、上記吸着用素子1についてみ
れば、該吸着用素子1の一部領域において水分の吸着除
去作用が集中的に行われ、他の領域は水分の吸着除去作
用にほとんど寄与していないこと、換言すれば、上記吸
着用素子1の有効吸着領域が小さいことであり、この結
果として、除湿素子Z0全体としての除湿能力が低下す
ることになる。
【0010】以上のことからして、除湿素子Z0全体と
しての除湿能力を高めるためには、上記吸着用素子1の
有効吸着領域の拡大を図ること、換言すれば、上記吸着
用素子1の全域において可及的に均等に吸着除去作用が
行われるように上記冷却用素子2側の冷却特性を考慮す
ることが必要であるが、これに応え得る有効な技術はい
まだ提案されていない。
【0011】一方、除湿素子Z0の除湿能力を高める方
法として、上述のように上記吸着用素子1の有効吸着領
域の拡大を図る外に、上記吸着用素子1を冷却する上記
冷却用素子2の熱交換効率そのものを高めることも有効
であり、従って冷却用素子の開発に際してはかかる観点
からの考慮も必要となる。
【0012】そこで本願発明は、高い除湿能力をもつ除
湿素子を得るに好適な冷却用素子及びこれを備えてなる
除湿素子を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0014】本願の第1の発明では、平板状形態を有し
且つその面方向に沿って冷却用空気Abを通す多数の通
風路4,4,・・を順次隣接状態で横方向に並設してな
る冷却用素子において、上記通風路4,4,・・を冷却
用空気Abの流通方向に前後して位置する複数の通風路
群5A,5Bのそれぞれに属する通風路4A,4A,・
・、同4B,4B,・・で構成するとともに、上記通風
路4A,4A,・・、同4B,4B,・・を上記流通方
向に直交する方向へ相対偏位させたことを特徴としてい
る。
【0015】本願の第2の発明では、平板状形態を有し
且つその面方向に沿って冷却用空気Abを通す多数の通
風路4,4,・・を順次隣接状態で横方向に並設してな
る冷却用素子において、上記通風路4,4,・・を、冷
却用空気Abの流通方向に前後して位置する複数の通風
路群5A,5Bのそれぞれに属する通風路4A,4A,
・・、同4B,4B,・・で構成するとともに、上記通
風路4A,4A,・・、同4B,4B,・・の間に所定
の間隔をもたせたことを特徴としている。
【0016】本願の第3の発明では、上記第1又は第2
の発明にかかる冷却用素子において、上記通風路4A,
4A,・・、同4B,4B,・・が、共に、略一定の通
風路配置ピッチを有していることを特徴としている。
【0017】本願の第4の発明では、上記第1又は第2
の発明にかかる冷却用素子において、上記通風路4A,
4A,・・、同4B,4B,・・が、共に、通風路並設
方向の一端側から他端側へ向けて段階的に、又は連続的
に変化する通風路配置ピッチを有していることを特徴と
している。
【0018】本願の第5の発明では、上記第4の発明に
かかる冷却用素子において、上記通風路4A,4A,・
・、同4B,4B,・・相互間において通風路配置ピッ
チを異ならせたことを特徴としている。
【0019】本願の第6の発明では、上記第1又は第2
の発明にかかる冷却用素子において、上記通風路4A,
4A,・・、同4B,4B,・・のうち、何れか一方は
略一定の通風路配置ピッチをもち、何れか他方は通風路
並設方向の一端側から他端側へ向けて段階的に、又は連
続的に変化する通風路配置ピッチをもつことを特徴とし
ている。
【0020】本願の第7の発明では、上記第1,第2,
第3,第4,第5又は第6の発明において、上記通風路
4A,4A,・・、同4B,4B,・・の通路方向を冷
却用空気Abの流通方向に対して傾斜させたことを特徴
としている。
【0021】本願の第8の発明では、上記第7の発明に
おいて、上記通風路4A,4A,・・、同4B,4B,
・・の傾斜方向を同一方向に設定したことを特徴として
いる。
【0022】本願の第9の発明では、上記第7の発明に
おいて、上記通風路4A,4A,・・、同4B,4B,
・・の傾斜方向を相互に逆方向に設定したことを特徴と
している。
【0023】本願の第10の発明では、上記第1,第
2,第3,第4,第5,第6,第7,第8又は第9の発
明において、上記通風路4A,4A,・・と上記通路方
向4B,4B,・・間において通路長さを異ならせたこ
とを特徴としている。
【0024】本願の第11の発明では、平板状形態を有
し且つその面方向に沿って冷却用空気Abを通す多数の
通風路4,4,・・を順次隣接状態で横方向に並設して
なる冷却用素子において、上記通風路4,4,・・の配
置ピッチを、並設方向の一端側に位置するものから他端
側に位置するものにかけて段階的に又は連続的に変化さ
せたことを特徴としている。
【0025】本願の第12の発明では、上記第11の発
明において、上記通風路4,4,・・を冷却用空気Ab
の流入方向に対して傾斜させたことを特徴としている。
【0026】本願の第13の発明では、被処理空気Aa
を通す通風路3,3,・・を備えるとともに吸着剤が担
持された吸着用素子1と、冷却用空気Abを通す通風路
4,4,・・を備えた冷却用素子2とを、平面視におい
て上記通風路3と通風路4とが直交するようにして順次
交互に積載して構成される除湿素子において、上記冷却
用素子2として、上記第1,第2,第3,第4,第5,
第6,第7,第8,第9,第10,第11又は第12の
発明にかかる冷却用素子を用いたことを特徴としてい
る。
【0027】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0028】(a)本願の第1の発明にかかる冷却用素
子では、平板状形態を有し且つその面方向に沿って冷却
用空気Abを通す多数の通風路4,4,・・を順次隣接
状態で横方向に並設してなる冷却用素子において、上記
通風路4,4,・・を冷却用空気Abの流通方向に前後
して位置する複数の通風路群5A,5Bのそれぞれに属
する通風路4A,4A,・・、同4B,4B,・・で構
成するとともに、上記通風路4A,4A,・・、同4
B,4B,・・を上記流通方向に直交する方向へ相対偏
位させている。
【0029】従って、この発明の冷却用素子によれば、
例えば上記複数の通風路群5A,5Bのうち、通風路群
5Aが上流側に、通風路群5B位置するとした場合、冷
却用空気Abは、上記通風路群5Aに属する上記通風路
4A,4A,・・内にその上流端から流入され且つここ
を通ってその下流端から流出した後、さらに上記通風路
群5Bに属する通風路4B,4B,・・内にその上流端
から流入され且つここを通ってその下流端から流出し、
この流れの途中において所要の冷却作用(例えば、その
側面に吸着用素子が相対されて該吸着用素子と共に除湿
素子を構成する場合には該吸着用素子に対する冷却作
用)を行う。
【0030】この場合、通常、冷却用空気Abが通風路
内を流れるとき、該通風路の内面に境界層が発生し且つ
これが次第に成長し、この境界層によって熱伝達が阻害
されてそれだけ熱交換能力(即ち、冷却能力)が低下す
ることになるが、この発明の冷却用素子においては、上
記通風路4,4,・・が、上流側に位置する通風路群5
Aの通風路4A,4A,・・と下流側に位置する通風路
群5Bの通風路4B,4B,・・とに分割構成されると
ともに、該通風路群5A側の通風路4A,4A,・・と
通風路群5B側の通風路4B,4B,・・とが冷却用空
気Abの流通方向に直交する方向へ相対偏位しているこ
とから、該冷却用空気Abの流れは上記通風路群5A側
の通風路4A,4A,・・側と上記通風路群5B側の通
風路4B,4B,・・との境部分で不連続となる。
【0031】従って、上記冷却用空気Abが上記通風路
群5A側の通風路4A,4A,・・を流れることでその
内面に境界層が発生し且つこれが流れの進行と共に次第
に成長しても、この境界層は該通風路4A,4A,・・
の下流端において一旦崩壊され、上記通風路群5B側の
通風路4B,4B,・・側においてはこれに流入する冷
却用空気Abによって新たに境界層が発生し且つこれが
次第に成長することになる。この結果、上記通風路4
A,4A,・・及び上記通風路4B,4B,・・におけ
る境界層は、例えば、上記通風路4,4,・・がその上
流端から下流端まで連続した一連の通風路とされ通風路
内面に発生した境界層がそのまま下流端まで成長を続け
るような構成の場合に比して、小さくなり、それだけ境
界層による熱伝達効率の低下が抑制され、より高い熱交
換能力、即ち、冷却能力を発揮することになる(図8を
参照)。
【0032】以上のことから、上記冷却用素子2を備え
て構成される除湿素子においては、該冷却用素子2によ
る吸着用素子に対する冷却作用が促進され、該吸着用素
子における吸着除去作用が高められることで、より高い
除湿能力を得ることになる。
【0033】(b)本願の第2の発明では、平板状形態
を有し且つその面方向に沿って冷却用空気Abを通す多
数の通風路4,4,・・を順次隣接状態で横方向に並設
してなる冷却用素子において、上記通風路4,4,・・
を、冷却用空気Abの流通方向に前後して位置する複数
の通風路群5A,5Bのそれぞれに属する通風路4A,
4A,・・、同4B,4B,・・で構成するとともに、
上記通風路4A,4A,・・、同4B,4B,・・の間
に所定の間隔をもたせている。
【0034】従って、この発明の冷却用素子によれば、
例えば上記複数の通風路群5A,5Bのうち、通風路群
5Aが上流側に、通風路群5B位置するとした場合、冷
却用空気Abは、上記通風路群5Aに属する上記通風路
4A,4A,・・内にその上流端から流入され且つここ
を通ってその下流端から流出した後、さらに上記通風路
群5Bに属する通風路4B,4B,・・内にその上流端
から流入され且つここを通ってその下流端から流出し、
この流れ途中において所要の冷却作用(例えば、その側
面に吸着用素子が相対されて該吸着用素子と共に除湿素
子を構成する場合には該吸着用素子に対する冷却作用)
を行う。
【0035】この場合、通常、冷却用空気Abが通風路
内を流れるとき、該通風路の内面に境界層が発生し且つ
これが次第に成長し、この境界層によって熱伝達が阻害
されそれだけ熱交換能力(即ち、冷却能力)が低下する
ことになるが、この発明の冷却用素子においては、上記
通風路4,4,・・が、上流側に位置する通風路群5A
の通風路4A,4A,・・と下流側に位置する通風路群
5Bの通風路4B,4B,・・とに分割構成されるとと
もに、該通風路群5A側の通風路4A,4A,・・と通
風路群5B側の通風路4B,4B,・・との間に所定の
間隔をもたせていることから、該冷却用空気Abの流れ
は上記通風路群5A側の通風路4A,4A,・・側と上
記通風路群5B側の通風路4B,4B,・・との境部分
で不連続となる。
【0036】従って、上記冷却用空気Abが上記通風路
群5A側の通風路4A,4A,・・を流れることでその
内面に境界層が発生し且つこれが流れの進行と共に次第
に成長しても、この境界層は上記通風路4A,4A,・
・の下流端において一旦崩壊され、上記通風路群5B側
の通風路4B,4B,・・側においてはこれに流入する
冷却用空気Abによって新たに境界層が発生し且つこれ
が次第に成長することになる。この結果、上記通風路4
A,4A,・・及び上記通風路4B,4B,・・におけ
る境界層は、例えば、上記通風路4,4,・・がその上
流端から下流端まで連続した一連の通風路とされ通風路
内面に発生した境界層がそのまま下流端まで成長を続け
るような構成の場合に比して、小さく、それだけ境界層
による熱伝達効率の低下が抑制され、より高い熱交換能
力、即ち、冷却能力を発揮することになる(図8を参
照)。
【0037】以上のことから、上記冷却用素子2を備え
て構成される除湿素子においては、該冷却用素子2によ
る吸着用素子に対する冷却作用が促進され、該吸着用素
子における吸着除去作用が高められることで、より高い
除湿能力を得ることになる。
【0038】(c)本願の第3の発明にかかる冷却用素
子によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加え
て次のような効果が得られる。即ち、この発明では、上
記第1又は第2の発明にかかる冷却用素子において、上
記通風路4A,4A,・・、同4B,4B,・・を、共
に、略一定の通風路配置ピッチに設定しているので、例
えばこの通風路配置ピッチを通風路並設方向において不
均一に設定するような場合に比して、その製作が容易で
あり、それだけ冷却用素子2の低コスト化が図れるもの
である。
【0039】(d)本願の第4の発明にかかる冷却用素
子によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加え
て次のような効果が得られる。
【0040】即ち、この発明では、上記第1又は第2の
発明にかかる冷却用素子において、上記通風路4A,4
A,・・、同4B,4B,・・が、共に、通風路並設方
向の一端側から他端側へ向けて段階的に、又は連続的に
変化する通風路配置ピッチを有しているので、該通風路
4A,4A,・・と通風路4B,4B,・・のそれぞれ
においては、その通風路配置ピッチの変化に対応して該
通風路4A,4A,・・相互間、及び上記通風路4B,
4B,・・相互間においてそれぞれ冷却用空気Abに対
する流通抵抗が通風路並設方向の一端側から他端側へ向
けて段階的に、又は連続的に変化することになる。
【0041】このため、例えば上記通風路群5Aが上流
側に、上記通風路群5Bが上記通風路群5Aの下流側に
それぞれ配置されているとした場合、この上流側の通風
路群5Aの通風路4A,4A,・・に対してその上流端
側に冷却用空気Abを略均等に流したとしても、この冷
却用空気Abは該通風路4A,4A,・・相互間の流通
抵抗の相違に対応して、流通抵抗が小さい側の通風路4
Aほど流入流量が多くなる。即ち、上記通風路群5Aに
おいては、その通風路4A,4A,・・の通風路並設方
向に流量勾配を生じることになる。また、このような冷
却用空気Abの流量勾配は、下流側の通風路4B,4
B,・・においても同様に生じる。この結果、上記冷却
用素子2は、上記の如き流量勾配に対応して、通風路並
設方向の一端側と他端側との間において段階的にあるい
は連続的に冷却能力が異なるような冷却特性をもつこと
になる。
【0042】従って、例えば上記冷却用素子2の側面に
吸着用素子を相対させて除湿素子を構成する場合、該冷
却用素子2の冷却能力が高い側を吸着用素子の被処理空
気下流側(即ち、本来的に吸着除去効率が低い側)に、
冷却能力が低い側を被処理空気上流側(即ち、本来的に
吸着除去効率が高い側)に、それぞれ対応させて積層配
置することで、該吸着用素子側においては、本来的に吸
着除去効率が高い側における吸着除去能力が抑制される
一方、本来的に吸着除去効率が低い側における吸着除去
能力が高められる。この結果、上記吸着用素子において
は、その吸着除去効率がその全域において可及的に均等
化され(即ち、吸着用素子における有効吸着領域が拡大
され)、該吸着用素子全体として高い吸着除去効率を発
揮し、延いては除湿素子の除湿能力の更なる向上が期待
できるものである。
【0043】(e)本願の第5の発明にかかる冷却用素
子によれば、上記(d)に記載の効果に加えて次のよう
な効果が得られる。
【0044】即ち、この発明では、上記第4の発明にか
かる冷却用素子において、上記通風路4A,4A,・
・、同4B,4B,・・相互間において通風路配置ピッ
チを異ならせているので、該冷却用素子2全体としてみ
た場合、その冷却能力は、通風路並設方向のみならず、
冷却用空気Abの流通方向においても異なることにな
る。この結果、上記冷却用素子2においては、その冷却
特性の多様化が可能となり、該冷却用素子2を用いて吸
着用素子とともに除湿素子を構成する場合には、該吸着
用素子の吸着除去特性に対する対応が容易となり、延い
ては除湿素子の性能の多様化が図れることになる。
【0045】(f)本願の第6の発明にかかる冷却用素
子によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加え
て次のような効果が得られる。
【0046】即ち、この発明では、上記第1又は第2の
発明にかかる冷却用素子において、上記通風路4A,4
A,・・、同4B,4B,・・のうち、何れか一方は略
一定の通風路配置ピッチをもち、何れか他方は通風路並
設方向の一端側から他端側へ向けて段階的に、又は連続
的に変化する通風路配置ピッチをもっているので、通風
路並設方向において冷却能力に差をもたせることによる
効果、即ち、この冷却用素子2に相対配置される吸着用
素子の吸着除去効率を均等化させる効果を、該冷却用素
子2における冷却用空気Abの流通方向の特定領域にお
いて現出させることができる。
【0047】従って、例えば上記冷却用素子2の側面に
吸着用素子を相対させて除湿素子を構成する場合、上記
特定領域を、上記冷却用素子2の冷却用空気下流側位置
で、且つ該冷却用素子2に相対配置される吸着用素子の
被処理空気下流側部位(即ち、上記吸着用素子の最も吸
着除去効率の低い部位)に対応するようにして配置する
ことで、該吸着用素子の吸着除去効率の均等化がより一
層確実となり、延いては除湿素子の除湿能力のより一層
の向上が期待できることになる。
【0048】(g)本願の第7の発明にかかる冷却用素
子によれば、上記(a),(b),(c),(d),
(e)又は(f)に記載の効果に加えて次のような特有
の効果が得られる。
【0049】即ち、この発明にかかる冷却用素子2によ
れば、上記第1,第2,第3,第4,第5又は第6の発
明において、上記通風路4A,4A,・・、同4B,4
B,・・の通路方向を冷却用空気Abの流通方向に対し
て傾斜させているので、冷却用空気Abは上記通風路4
A,4A,・・、同4B,4B,・・内を流れることで
その傾斜方向に沿って流れが偏向される。
【0050】このため、例えば上記冷却用素子2の側面
に吸着用素子を相対させて除湿素子を構成する場合、上
記冷却用素子2を、その通風路4A,4A,・・、同4
B,4B,・・の傾斜方向下流端が、冷却用空気下流側
に位置するとともに上記吸着用素子の被処理空気下流側
部位に対応するようにして、配置することで、上記吸着
用素子の最も吸着除去効率の低い部位側に冷却用空気A
bを多量に流してこの部分に対する冷却能力を局部的に
高めて該吸着用素子の吸着除去効率の均等化をさらに確
実とすることができ、延いては除湿素子の除湿能力の更
なる向上が期待できることになる。
【0051】(h)本願の第8の発明にかかる冷却用素
子によれば、上記(g)に記載の効果に加えて次のよう
な特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第
7の発明において、上記通風路4A,4A,・・、同4
B,4B,・・の傾斜方向を同一方向に設定しているの
で、上記通風路4A,4A,・・を構成する通風路群5
Aと上記通風路4B,4B,・・を構成する上記通風路
群5Bとの共用化が可能となり、それだけ冷却用素子2
の低コスト化が図れることになる。
【0052】(i)本願の第9の発明にかかる冷却用素
子によれば、上記(g)に記載の効果に加えて次のよう
な特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記第
7の発明において、上記通風路4A,4A,・・、同4
B,4B,・・の傾斜方向を相互に逆方向に設定してい
るので、上記通風路4A,4A,・・と通風路4B,4
B,・・とが対向する部位においては、冷却用空気Ab
の流れ方向が急変することから、例えば上記通風路4
A,4A,・・が上流側に、上記通風路4B,4B,・
・が下流側に位置している場合、該通風路4A,4A,
・・の内面に生じた境界層は、冷却用空気Abが上記通
風路4A,4A,・・側から通風路4B,4B,・・側
へ移る際、その境部分において流れ方向が急変してその
流れが乱れ上記境界層が破壊される(即ち、該通風路4
A,4A,・・側に発生した境界層が通風路4B,4
B,・・側に引き継がれるということが防止される)。
【0053】従って、上記通風路4A,4A,・・側と
上記通風路4B,4B,・・側にそれぞれ発生する境界
層は、例えばこの通風路4A,4A,・・と通風路4
B,4B,・・とが一連の通路とされている場合におけ
る境界層に比して、可及的に小さくなり、その結果、上
記通風路4A,4A,・・及び上記通風路4B,4B,
・・における熱伝達率が高められ、それだけ上記冷却用
素子2の冷却能力が向上し、延いては除湿素子の除湿能
力の更なる向上が期待できることになる。
【0054】(j)本願の第10の発明にかかる冷却用
素子によれば、上記(a),(b),(c),(d),
(e),(f),(g),(h)又は(i)に記載の効
果に加えて次のような特有の効果が得られる。
【0055】即ち、この発明にかかる冷却用素子2によ
れば、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,第
7,第8又は第9の発明において、上記通風路4A,4
A,・・と上記通路方向4B,4B,・・間において通
路長さを異ならせているので、これら通風路4A,4
A,・・と通風路4B,4B,・・のうち、通路長さが
短い通風路側においては、通路長さが長い通路側に比し
て、その内面に生じる境界層の成長が少なく高い熱伝達
率をもつことから高い冷却能力を発揮する。従って、上
記冷却用素子2は、冷却能力が冷却用空気Abの流通方
向において異なる特性をもつことになる。
【0056】このため、例えば上記冷却用素子2の側面
に吸着用素子を相対させて除湿素子を構成する場合、該
冷却用素子2の上記通風路4A,4A,・・と通風路4
B,4B,・・のうち、通路長さの短い側を冷却用空気
Abの流通方向下流側に位置させることで、上記吸着用
素子のうちで最も吸着除去効率の低い部位に対する冷却
作用を高めて該吸着用素子における吸着除去効率の均等
化をより効果的に実現でき、延いては除湿素子の除湿能
力の更なる向上が期待できることになる。
【0057】(k)本願の第11の発明にかかる冷却用
素子では、平板状形態を有し且つその面方向に沿って冷
却用空気Abを通す多数の通風路4,4,・・を順次隣
接状態で横方向に並設してなる冷却用素子において、上
記通風路4,4,・・の配置ピッチを、並設方向の一端
側に位置するものから他端側に位置するものにかけて段
階的に又は連続的に変化させている。
【0058】従って、この発明の冷却用素子によれば、
冷却用空気Abが上記通風路4,4,・・をその上流側
から下流側へ流れる間に所要の冷却作用(例えば、冷却
用素子2の側面に吸着用素子が相対されて該吸着用素子
と共に除湿素子を構成する場合には該吸着用素子に対す
る冷却作用)が行われる。
【0059】この場合、この発明の冷却用素子2では、
上記通風路4,4,・・の配置ピッチを、並設方向の一
端側に位置するものから他端側に位置するものにかけて
段階的に又は連続的に変化させているので、上記通風路
4,4,・・においては、その通風路配置ピッチの変化
に対応して該通風路4,4,・・相互間において、冷却
用空気Abに対する流通抵抗が通風路並設方向の一端側
から他端側へ向けて段階的に、又は連続的に変化するこ
とになる。
【0060】このため、上記通風路4,4,・・に対し
てその上流端側に冷却用空気Abを略均等に流したとし
ても、この冷却用空気Abは該通風路4,4,・・相互
間の流通抵抗の相違に対応して、流通抵抗が小さい側の
通風路4ほど流入流量が多くなり、該通風路4,4,・
・の並設方向に流量勾配を生じる。この結果、上記冷却
用素子2においては、上記流量勾配に対応して、通風路
並設方向の一端側と他端側との間において段階的にある
いは連続的に冷却能力が異なる冷却特性をもつことにな
る。
【0061】従って、例えば上記冷却用素子2の側面に
吸着用素子を相対させて除湿素子を構成する場合、該冷
却用素子2の冷却能力が高い側を吸着用素子の被処理空
気下流側(即ち、本来的に吸着除去効率が低い側)に、
冷却能力が低い側を被処理空気上流側(即ち、本来的に
吸着除去効率が高い側)に、それぞれ対応させて上記吸
着用素子と冷却用素子2とを積層配置することで、該吸
着用素子側においては、本来的に吸着除去効率が高い側
における吸着除去能力が抑制され、その分だけ本来的に
吸着除去効率が低い側における吸着除去能力が高められ
る。この結果、上記吸着用素子においては、その吸着除
去効率がその全域において可及的に均等化され(即ち、
有効吸着領域が拡大され)、該吸着用素子全体としてよ
り高い吸着除去効率を発揮することとなり、延いては除
湿素子の除湿能力の更なる向上が期待できるものであ
る。
【0062】(l)本願の第12の発明にかかる冷却用
素子によれば、上記(k)に記載の効果に加えて次のよ
うな特有の効果が得られる。即ち、この発明によれば、
上記第11の発明において、上記通風路4,4,・・を
冷却用空気Abの流入方向に対して傾斜させているの
で、冷却用空気Abは上記通風路4,4,・・内を流れ
ることでその傾斜方向に沿って流れが偏向される。
【0063】このため、例えば上記冷却用素子2の側面
に吸着用素子を相対させて除湿素子を構成する場合、上
記冷却用素子2を、その通風路4,4,・・の傾斜方向
下流端が冷却用空気下流側に位置するとともに上記吸着
用素子の被処理空気下流側部位に対応するようにして配
置することで、上記吸着用素子の最も吸着除去効率の低
い部位側に冷却用空気Abを多量に流してこの部分に対
する冷却能力を局部的に高めて該吸着用素子の吸着除去
効率の均等化をさらに確実とすることができ、延いては
除湿素子の除湿能力の更なる向上が期待できることにな
る。
【0064】(m)本願の第13の発明にかかる冷却用
素子によれば、被処理空気Aaを通す通風路3,3,・
・を備えるとともに吸着剤が担持された吸着用素子1
と、冷却用空気Abを通す通風路4,4,・・を備えた
冷却用素子2とを、平面視において上記通風路3と通風
路4とが直交するようにして順次交互に積載して構成さ
れる除湿素子において、上記冷却用素子2として、上記
第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第
9,第10,第11又は第12の発明にかかる冷却用素
子を用いているので、上記冷却用素子2が高い冷却能力
をもつとともに、該冷却用素子2の部位間において冷却
能力に差をもたせることができることから、例えば上記
冷却用素子2の冷却能力の高い部位を、上記吸着用素子
1の吸着除去効率の低い部位に対応させるように該吸着
用素子1と冷却用素子2との相対位置を設定すること
で、上記吸着用素子の吸着除去効率が可及的に均等化さ
れ、より高い除湿能力をもつ除湿素子を提供することが
できることになる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本願発明を好適な実施形態
に基づいて具体的に説明する。
【0066】I:第1の実施形態 図1には、本願発明の第1の実施形態にかかる冷却用素
子2及びこれを備えて構成される除湿素子Z1を示して
いる。
【0067】上記除湿素子Z1は、次述の吸着用素子1
と冷却用素子2とを交互に積層し且つこれらを一体化し
て構成されるものであって、該冷却用素子2の構成に本
願発明が適用されたものである。
【0068】上記吸着用素子1は、一対の平板材11,
11の内側に波板材12を挟着支持し且つこれら両者間
に平行に延びる複数の通風路3,3,・・を形成した両
面段ボール状形態をもつものであって、上記通風路3,
3,・・の内面を含む表面全体には水分の吸着機能をも
つ吸着剤が担持されている。
【0069】上記冷却用素子2は、一枚の平板材21と
一枚の波板材22とを積層状態で固定した片面段ボール
状形態をもつものであって、該波板材22の両面には該
波板材22の波形状に対応して複数の通風路4,4,・
・がそれぞれ形成されている。即ち、上記波板材22の
上記平板材21と対向する面にはこれら両者によって通
風路4,4,・・が形成され、また上記波板材22の上
記平板材21の反対側の面(即ち、露出側の面)には、
これに上記吸着用素子1が相対されることで該吸着用素
子1との間に複数の通風路4,4,・・が形成される。
【0070】そして、この場合、この実施形態の冷却用
素子2においては、上記波板材22の波形ピッチを、該
波板材22の一端側から他端側にかけて連続的に減少変
化させている。従って、上記冷却用素子2に形成される
上記複数の通風路4,4,・・は、その配置ピッチ(通
風路配置ピッチ)が、その一端2a側から他端2b側に
かけて連続的に減少しており、またこれに対応して該各
通風路4,4,・・の通路面積、従ってその流通抵抗も
該冷却用素子2の一端2a側から他端2b側にかけて連
続的に減少している。このため、上記冷却用素子2の上
記通風路4,4,・・に均等に冷却用空気Abを供給し
た場合、該各通風路4,4,・・相互間の流通抵抗の相
違に対応して、該各通風路4,4,・・相互間において
その流量が異なる偏流状態が生じ、流量の多い側におい
て冷却能力が高く、流量の少ない側において冷却能力が
低くなる。即ち、上記冷却用素子2は、その一端2a側
から他端2b側に向かって冷却能力が連続的に減少する
冷却特性をもつことになる。
【0071】尚、この実施形態においては、上記冷却用
素子2を両面段ボール状形態としているが、本願発明は
かかる構成に限定されるものではなく、例えばこれを上
記吸着用素子1と同様に両面段ボール状形態に構成した
り、波板材のみで構成したりすることもできるものであ
る。また、上記通風路4の断面形状も、この実施形態の
ように三角形断面とする外に、例えば台形とか矩形の断
面形状をもつように構成することもできるものである。
【0072】以上のように構成された上記吸着用素子1
と冷却用素子2とを、平面視において、上記吸着用素子
1の通風路3,3,・・の通路方向と上記冷却用素子2
の通風路4,4,・・の通路方向とが直交するように9
0°の平面位相をもって、順次交互に積層し、且つこれ
らを一体化することで上記除湿素子Z1が構成される。
そして、この除湿素子Z1では、上記各吸着用素子1,
1,・・の上記通風路3,3,・・にその一端側から他
端側に向けて被処理空気Aa(即ち、湿り空気)を流す
とともに、上記各冷却用素子2,2,・・の上記通風路
4,4,・・にその一端側から他端側に向けて冷却用空
気Abを流すことで、上記各吸着用素子1,1,・・側
においてはこれに担持された吸着剤によって上記被処理
空気Aaに含まれていた水分が吸着除去され、該被処理
空気Aaの除湿作用が行われる一方、上記各冷却用素子
2,2,・・側においては冷却用空気Abによって上記
各吸着用素子1,1,・・の冷却、即ち、該各吸着用素
子1,1,・・に発生する吸着熱の放熱が行われる。こ
の結果、上記各吸着用素子1,1,・・における吸着能
力が長期に亙って高水準に維持され、延いては上記除湿
素子Z1の除湿能力の向上が図れるものである。
【0073】ここで、上記除湿素子Z1の除湿能力は、
上述のように上記各吸着用素子1,1,・・における水
分の吸着除去作用が高効率で行われることによって達成
されるものである。しかし、上記除湿素子Z1において
は、上記吸着用素子1側を流れる被処理空気Aaと上記
冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abとが直交する
「直交流」であることから、上記冷却用素子2の冷却能
力がその幅方向(即ち、上記通風路4,4,・・の並設
方向)の全域において均等であれば、上記吸着用素子1
側における水分の吸着除去効率がその全域において不均
等となり(即ち、吸着用素子1を流れる被処理空気Aa
の含水率の高い入口側部位において吸着除去作用が集中
的になされ、他の部位が吸着除去作用にほとんど寄与し
ない状態)、該吸着用素子1全体としてみた場合、その
吸着除去効率が低劣となり、延いては上記除湿素子Z1
の除湿能力が低下することは既述の通りである。
【0074】また、このような上記吸着用素子1側の吸
着除去効率の不均等は、上記冷却用素子2によって上記
吸着用素子1を冷却する場合に、吸着除去効率の高い部
位に対する冷却作用を抑制し、逆に吸着除去効率の低い
部位に対する冷却作用を促進させることで、該吸着用素
子1全体としてその吸着除去効率の均等化が図れること
も既述の通りである。
【0075】そこで、この実施形態の除湿素子Z1に用
いられる上記冷却用素子2においては、本願発明を適用
して、上述のように、上記通風路4,4,・・の流通抵
抗を、該冷却用素子2の一端2a側から他端b側に向け
て連続的に減少変化させたものである。そして、この冷
却用素子2を組み込んで上記除湿素子Z1を構成する場
合に、図1に示すように、平面視における上記吸着用素
子1と上記冷却用素子2との相対位置を、該冷却用素子
2の一端2a側が上記吸着用素子1の被処理空気下流側
に対応するように設定している。
【0076】このように上記吸着用素子1と冷却用素子
2との相対位置を設定すると、上記吸着用素子1のう
ち、本来的に吸着除去効率が高い上流側部位には上記冷
却用素子2の低冷却能力側(即ち、上記他端2b側)が
対応し、本来的に吸着除去効率が低い下流側部位には上
記冷却用素子2の高冷却能力側(即ち、上記一端2a
側)が対応し、これによって上記吸着用素子1の吸着除
去効率の均等化が図られ、その有効吸着領域の拡大によ
って該吸着用素子1全体としての吸着除去効率が向上
し、延いては上記除湿素子Z1の除湿能力の向上が実現
されるものである。
【0077】II:第2の実施形態 図2には、本願発明の第2の実施形態にかかる冷却用素
子2及びこれを備えて構成される除湿素子Z2を示して
いる。この実施形態の除湿素子Z2は、上記第1の実施
形態にかかる除湿素子Z1と基本構成を同じにするもの
であって、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成に
ある。
【0078】即ち、上記第1の実施形態の冷却用素子2
は、冷却用空気Abに偏流を発生させることでその部位
間で冷却能力に差をもたせ、これを上記吸着用素子1に
対応させることで該吸着用素子1の吸着除去効率の均等
化を図り、延いては上記除湿素子Z1の除湿能力の向上
を図るようにしたものである。これに対して、この第2
の実施形態の冷却用素子2は、該冷却用素子2の冷却能
力をその全域において均等に高め、これによって上記吸
着用素子1の吸着除去効率を、その均等化は図れないも
のの、全体的に高めるようにしたものである。即ち、上
記冷却用素子2の冷却能力の向上という点に主眼をおい
たものであり、以下、その構成を説明する。
【0079】上記冷却用素子2は、一枚の平板材21に
対して、該平板材21の略半分の長さ寸法をもつ二枚の
波板材22,22を前後に並置し且つこれを一体化して
なる片面段ボール状形態を有するものである。そして、
この場合、上記二枚の波板材22,22は、共に、その
波方向(即ち、通風路4の並設方向)の一端から他端に
かけて同一の波ピッチ、即ち、通風路配置ピッチをも
ち、且つこれらの上記平板材21への取付けに際して
は、これら二枚の波板材22,22を横方向(即ち、冷
却用空気Abの流通方向に直交する方向)に所定寸法だ
け偏位させている。
【0080】このようにすることで、上記冷却用素子2
においては、その通風路4,4,・・が、冷却用空気A
bの上流側に位置する平板材21によって形成される通
風路4A,4A,・・でなる通風路群5Aと、冷却用空
気Abの下流側に位置する平板材21によって形成され
る通風路4B,4B,・・でなる通風路群5Bの前後二
つの通風路群で構成される。従って、冷却用空気Abの
上流側に位置する上記通風路群5Aに属する上記通風路
4A,4A,・・と、下流側に位置する上記通風路群5
Bに属する上記通風路4B,4B,・・とは、これらの
境部位においてその流路が不連続となる。
【0081】従って、この冷却用素子2においては、上
記通風路群5Aの各通風路4A,4A,・・に対してそ
の上流端から冷却用空気Abが導入され、これが該通風
路4A,4A,・・からさらに上記通風路群5Bの通風
路4B,4B,・・側に流れる場合、該冷却用空気Ab
の流れは上記通風路群5Aと通風路群5Bの境部位にお
いて一旦不連続となり乱れを生じる。この結果、上記通
風路群5A側の通風路4Aを冷却用空気Abが流れると
き、該通風路4Aの内面に伝熱抵抗となる境界層が発生
し、且つこれが流れの進行とともに次第に成長するが、
この境界層は上記通風路群5Aと通風路群5Bとの境部
位に達することで破壊され、該境界層が該通風路群5A
に後続する上記通風路群5B側には引き継がれない。こ
のため、上記通風路群5A側から流出した冷却用空気A
bがさらにこれに後続する上記通風路群5Bの通風路4
B側を流れる場合、該通風路4Bの内面には新たに境界
層が発生し且つこれが流れの進行とともに成長する。
【0082】この結果、例えば上記通風路4Aと通風路
4Bが上記第1の実施形態の通風路4のように上記冷却
用素子2の上流側端部から下流側端部まで連続した一連
の通路とされている場合に比して、該通風路4A及び通
風路4Bの内面に発生する境界層の大きさは小さく、こ
れによる伝熱抵抗も小さく、従って該通風路4A及び通
風路4Bは高い熱伝達率をもつことになる。
【0083】この状態を具体的に示したのが、図8の
「通風路長さ−熱伝達率曲線」である。即ち、本来一連
の通風路4とされていたものを、この実施形態のように
上流側の通風路4Aと下流側の通風路4Bとに分割した
ことで、例えば一連の通風路4である場合には曲線La
で示すように、境界層の成長が大きく、熱伝達率が通風
路長さの増加と共に大きく落ち込むところ、これが抑制
され、冷却用素子2全体として高い熱伝達率を実現する
ことができるものである。
【0084】即ち、この実施形態のように、通風路4A
と通風路4Bからなる分割通風路とした場合、上流側の
通風路4Aにおいては、ここで発生する境界層が分割位
置において破壊されることから、曲線Lbで示すよう
に、熱伝達率は分割位置近傍まで低下するものの、ここ
で一旦その低下が抑制される。一方、下流側の通風路4
Bにおいては、新たに境界層が発生することから、該境
界層による伝熱抵抗は少なく、曲線Lcで示すように、
その上流側から高い熱伝達率が得られ、且つその低下が
抑制される。これら両者の相乗効果として、冷却用素子
2全体として高い熱伝達率が達成されるものである。
【0085】以上のことから、上記冷却用素子2を備え
て構成される除湿素子Z2においては、上記冷却用素子
2の冷却能力の向上を受けて上記吸着用素子1の吸着除
去効率が向上することで、より高い除湿能力を発揮する
ことになる。
【0086】尚、上記吸着用素子1の構成等については
上記第1の実施形態の場合と同様であるので、ここでの
説明は省略する。
【0087】また、この実施形態においては、上記冷却
用素子2の通風路群5Aに属する通風路4A,4A,・
・と通風路群5Bに属する通風路4B,4B,・・との
間で流路を不連続とする手法として、これら両者を横方
向に偏位させる構成を採っているが、本願発明の他の実
施形態においては、上記通風路群5Aと通風路群5Bと
を横方向に偏位させることなく、これら両者間に所定の
間隔をもたせて流路を不連続とするように構成すること
もできる。
【0088】III:第3の実施形態 図3には、本願発明の第3の実施形態にかかる冷却用素
子2及びこれを備えて構成される除湿素子Z3を示して
いる。この実施形態の除湿素子Z3は、上記第2の実施
形態にかかる除湿素子Z2と基本構成を同じにするもの
であって、これと異なる点は上記冷却用素子2の構成に
ある。
【0089】即ち、この実施形態の除湿素子Z3におけ
る上記冷却用素子2は、上記第1の実施形態の除湿素子
1における冷却用素子2に特有の効果と、上記第2の
実施形態の除湿素子Z2における冷却用素子2に特有の
効果とを合わせ持つものであって、上記第2の実施形態
における冷却用素子2と同様に、一枚の平板材21と二
枚の波板材22,22とで片面段ボール状に形成された
ものを基本形態とする。
【0090】そして、上記第2の実施形態の冷却用素子
2では、二枚の波板材22,22が共にその一端側から
他端側側にかけて同一の通風路配置ピッチをもつ構成と
し、且つこれらを横方向に所定量だけ偏位させて配置す
ることで上流側の波板材22で構成される通風路群5A
に属する通風路4Aと下流側の波板材22で構成される
通風路群5Bに属する通風路4Bとの境部位において流
路を不連続とし、これによって通風路内面の境界層の成
長を抑制するようにしていたのに対して、この第3の実
施形態の冷却用素子2では、上流側の波板材22はこれ
をその一端側から他端側まで同一の通風路配置ピッチを
もつように形成するものの、下流側の波板材22はこれ
をその一端側から他端側にかけて通風路配置ピッチが連
続的に減少するように形成している。
【0091】従って、このように構成された上記冷却用
素子2においては、先ず、上流側の波板材22で構成さ
れる通風路群5Aに属する通風路4A,4A,・・と、
下流側の波板材22によって構成される通風路群5Bに
属する通風路4B,4B,・・とは、これらの境部位に
おいてその流路が不連続となる。従って、上記通風路4
A,4A,・・及び通風路4B,4B,・・の内面に発
生する境界層の成長が可及的に抑制され、該通風路4
A,4A,・・及び通風路4B,4B,・・が共に高い
熱伝達率をもつことから、上記冷却用素子2は高い冷却
能力を発揮することになる。
【0092】一方、上記冷却用素子2の下流側に位置す
る上記通風路群5Bの通風路4B,4B,・・を、該冷
却用素子2の一端側から他端側にかけてその通風路配置
ピッチが連続的に減少するように構成したことで、該通
風路4B,4B,・・相互間において流通抵抗が相違
し、これに対応して冷却用空気Abの流量も相違する。
この結果、上記冷却用素子2は、その上流側部位(即
ち、上記通風路群5Aに対応する部位)ではその冷却能
力が該冷却用素子2の幅方向において均等となるもの
の、その下流側部位においてはその冷却能力が冷却用素
子2の幅方向において異なることになる。
【0093】従って、上記冷却用素子2を組み込んで上
記除湿素子Z3を構成する場合に、図3に示すように、
平面視における上記吸着用素子1と上記冷却用素子2と
の相対位置を、該冷却用素子2の一端2a側が上記吸着
用素子1の被処理空気下流側に対応するように設定する
と、上記吸着用素子1のうち、本来的に吸着除去効率が
高い上流側部位には上記冷却用素子2の低冷却能力側
(即ち、上記他端2b側)が対応し、本来的に吸着除去
効率が低い下流側部位には上記冷却用素子2の高冷却能
力側(即ち、上記一端2a側)が対応し、これによって
上記吸着用素子1の吸着除去効率の均等化が図られ、そ
の有効吸着領域の拡大によって該吸着用素子1全体とし
ての吸着除去効率が向上することになる。しかも、上記
冷却用素子2は、通風路における境界層の抑制によっ
て、該冷却用素子2全体として高い熱伝達率をもち、高
水準の冷却能力をもっている。これらの相乗効果とし
て、上記除湿素子Z3は、より高い除湿能力を発揮する
ことになる。
【0094】IV:第4の実施形態 図4には、本願発明の第4の実施形態にかかる冷却用素
子2及びこれを備えて構成される除湿素子Z4を示して
いる。この実施形態の除湿素子Z4は、上記第3の実施
形態にかかる除湿素子Z3が奏する効果をさらに高める
ことを意図したものである。
【0095】即ち、上記第3の実施形態にかかる除湿素
子Z3の冷却用素子2においては、その上流側に位置す
る通風路群5Aと下流側に位置する通風路群5Bのう
ち、上流側の通風路群5Aにおいてはその通風路4A,
4A,・・の通風路配置ピッチをその一端側から他端側
にかけて同一に設定し、下流側の通風路群5Bはこれに
属する通風路4B,4B,・・の通風路配置ピッチをそ
の一端側から他端側にかけて連続的に減少させていたの
に対して、この第4の実施形態の冷却用素子2において
は、上流側に位置する通風路群5Aと下流側に位置する
通風路群5Bの双方を共に、その一端側から他端側にか
けて通風路配置ピッチを連続的に減少させるようにする
とともに、これら両者間において通風路配置ピッチを異
ならせている。
【0096】かかる構成の冷却用素子2によれば、上記
通風路群5Aに属する通風路4A,4A,・・と通風路
群5Bに属する通風路4B,4B,・・の双方において
それぞれ冷却用空気Abを偏流させて該冷却用素子2に
よって冷却される上記吸着用素子1の吸着除去効率を均
等化して該吸着用素子1全体としての吸着除去効率の向
上を図るという「偏流による効果」と、上記冷却用素子
2の通風路を上記通風路群5A側の通風路4A,4A,
・・と上記通風路群5B側の通風路4B,4B,・・と
に分断し且つこれら両者間において通風路配置ピッチを
異ならせて冷却用空気Abの流路をその途中で不連続と
し、境界層による熱伝達率の低下を抑制して該冷却用素
子2そのものの冷却能力を高めるという「通風路の分割
による効果」とが同時に達成され、その結果として、上
記除湿素子Z4の除湿能力の更なる向上を図ることがで
きるものである。
【0097】V:第5の実施形態 図5には、本願発明の第5の実施形態にかかる冷却用素
子2及びこれを備えて構成される除湿素子Z5を示して
いる。この実施形態の除湿素子Z5は、上記第2の実施
形態にかかる除湿素子Z2が奏する効果をさらに高める
ことを意図したものである。
【0098】即ち、上記第2の実施形態にかかる除湿素
子Z2の冷却用素子2においては、冷却用空気Abの流
通方向に前後して配置された二つの波板材22,22で
通風路群5Aと通風路群5Bを構成し、且つ該通風路群
5Aに属する通風路4A,4A,・・と通風路群5Bに
属する通風路4B,4B,・・とを、共にその一端側か
ら他端側にかけて同一の通風路配置ピッチを有する如く
構成するとともに、該通風路群5Aに属する通風路4
A,4A,・・と通風路群5Bに属する通風路4B,4
B,・・とがその境部位において不連続となるように横
方向に所定寸法だけ相対的に偏位させていた。
【0099】これに対して、この実施形態の除湿素子Z
5の冷却用素子2においては、これを一枚の平板材21
と三枚の波板材22,22,22で構成し、上流側に位
置する波板材22で構成される通風路群5Aに属する通
風路4A,4A,・・と、中段に位置する波板材22で
構成される通風路群5Bに属する通風路4B,4B,・
・と、下流側の波板材22で構成される通風路群5Cに
属する通風路4C,4C,・・とで通風路を構成してい
る。そして、この場合、上記各通風路群5A,5B,5
Cの各通風路4A,4A,・・、同4B,4B,・・、
同4C,4C,・・を、共にその一端側から他端側にか
けて同一の通風路配置ピッチを有するように形成すると
ともに、その流路方向の長さを異ならせている(この実
施形態では、上流側の通風路4Aから下流側の通風路4
Cにかけて順次短くなるように設定している)。また、
これら各通風路4A,4A,・・、同4B,4B,・
・、同4C,4C,・・の配置に際しては、これらを順
次横方向に偏位させている。
【0100】このように構成された冷却用素子2を備え
た除湿素子Z5においては、その通風路が、通風路群5
Aの通風路4Aと通風路群5Bの通風路4Bと通風路群
5Cの通風路4Cに三分割されているので、通風路の全
長を同じとした場合には、例えば上記第2の実施形態の
ように通風路を二分割の通風路4Aと通風路4Bとで構
成する場合に比して、分割数が多い分だけ、各通風路4
A,4B,4Cの通路長さが短くなり、それだけ該通風
路4A,4B,4Cにおいて発生する境界層が抑制さ
れ、熱伝達率が向上する分だけ該冷却用素子2全体とし
ての冷却能力が向上することになる。
【0101】また、上記各通風路4A,4B,4C相互
間において通風路長さを異ならせるとともに、この通風
路長さを下流側に位置する通風路4Cが最も短くなるよ
うに設定しているので、下流側における冷却能力、即
ち、上記吸着用素子1の吸着除去効率の低い領域に対す
る冷却能力が改善されることになる。
【0102】これらの相乗効果として、上記吸着用素子
1の吸着除去効率が向上し、延いては除湿素子の除湿能
力の更なる向上が期待できることになる。
【0103】VI:第6の実施形態 図6には、本願発明の第6の実施形態にかかる冷却用素
子2及びこれを備えて構成される除湿素子Z6を示して
いる。この実施形態の除湿素子Z6は、上記第5の実施
形態にかかる除湿素子Z5の効果をさらに高めることを
意図したものであって、これを上記冷却用素子2の特有
の構成によって実現するものである。
【0104】即ち、この実施形態の冷却用素子2におい
ては、上記第5の実施形態の冷却用素子2と同様に、上
記冷却用素子2の通風路を、冷却用空気流通方向に前後
した配置された三つの通風路群5A,5B,5Cのそれ
ぞれに属する通風路4A,4B,4Cで構成したものに
おいて、さらにこれら各通風路群5A,5B,5Cのそ
れぞれに属する通風路4A,4B,4Cを共に、冷却用
空気流通方向に対して同方向に傾斜させたものである。
また、この冷却用素子2と上記吸着用素子1とによって
上記除湿素子Z6を構成する場合、図6に示すように、
上記各通風路群5A,5B,5Cの傾斜方向が上記吸着
用素子1の下流側に対応するように、これら両者の相対
位置を設定している。
【0105】このように構成された除湿素子Z6におい
ては、上記冷却用素子2側を流れる冷却用空気Abは、
上記各通風路群5A,5B,5Cの傾斜方向に沿って上
記吸着用素子1の下流側寄りへ強制的に偏向され、上記
吸着用素子1の下流側に対応する部分の流量が、該吸着
用素子1の上流側に対応する部分の流量よりも多くなり
(即ち、冷却用空気Abの偏流作用の実現)、それだけ
冷却能力も高くなる。
【0106】従って、上記冷却用素子2によって上記吸
着用素子1が冷却される場合、本来的に吸着除去効率の
高い上流側部位に対する冷却作用は抑制され、本来的に
吸着除去効率の低い下流側部位に対する冷却作用は促進
され、その結果、上記吸着用素子1の吸着除去効率の均
等化が促進され、該吸着用素子1全体としての吸着除去
効率が高められることになる。このような冷却用空気A
bの偏流作用による吸着用素子1の吸着除去効率の向上
効果と、上記冷却用素子2においてその通風路を三分割
構成として熱伝達率を高めたことによる該冷却用素子2
の冷却能力の向上効果との相乗作用によって、上記除湿
素子Z6はより高い除湿能力を発揮することになる。
【0107】VII:第7の実施形態 図7には、本願発明の第7の実施形態にかかる冷却用素
子2及びこれを備えて構成される除湿素子Z7を示して
いる。この実施形態の除湿素子Z7は、上記第6の実施
形態にかかる除湿素子Z6の変形例として位置づけられ
るものである。
【0108】即ち、上記第6の実施形態の除湿素子Z6
においては、上記冷却用素子2に設けられる三つの通風
路群5A,5B,5Cのそれぞれに属する通風路4A,
4B,4Cの傾斜方向を、全て同一方向に設定していた
のに対して、この実施形態の除湿素子Z7の冷却用素子
2においては、これら各通風路4A,4B,4Cの傾斜
方向を、交互に逆方向に設定したものである。
【0109】かかる構成の冷却用素子2を備えた除湿素
子Z7においては、上記第6の実施形態の除湿素子Z6
同様の作用効果が得られるのに加えて、該冷却用素子2
の冷却能力の分布形態の多様化が図れるという効果が得
られる。即ち、この実施形態の除湿素子Z7における冷
却用素子2においては、上流側の通風路群5Aに属する
通風路4A,4A,・・と下流側の通風路群5Cに属す
る通風路4C,4C,・・とは同方向への偏流作用をも
ち、中段に位置する通風路群5Bに属する通風路4B,
4B,・・はこれと逆方向への偏流作用をもつ。
【0110】このため、例えば、上記通風路群5Bに属
する通風路4B,4B,・・の傾斜角度を変更して冷却
用空気Abに対する偏流作用を調整することで、上記冷
却用素子2全体としての偏流作用に強弱を付与し、上記
冷却用素子2の冷却能力の分布形態を任意に調整するこ
とができる。これによつて上記冷却用素子2の冷却能力
の分布形態の多様化が実現され、延いては該冷却用素子
2を備えてなる上記除湿素子Z7の除湿能力の多様化も
図れるものである。
【0111】尚、上記第2〜第4の実施形態に冷却用素
子2においてはその通風路を、上流側に位置する通風路
4Aと下流側に位置する通風路4Bからなる二分割構成
とし、また第5及び第6の上流側の冷却用素子2におい
ては通風路を上流側に位置する通風路4Aと中段に位置
する通風路4Bと下流側に位置する通風路4Cからなる
三分割構成としているが、本願発明はかかる分割数に限
定されるものではなく、必要に応じてその分割数を増減
設定し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態に係る冷却用素子及
びこれを備えた除湿素子を示す斜視図である。
【図2】本願発明の第2の実施形態に係る冷却用素子及
びこれを備えた除湿素子を示す斜視図である。
【図3】本願発明の第3の実施形態に係る冷却用素子及
びこれを備えた除湿素子を示す斜視図である。
【図4】本願発明の第4の実施形態に係る冷却用素子及
びこれを備えた除湿素子を示す斜視図である。
【図5】本願発明の第5の実施形態に係る冷却用素子及
びこれを備えた除湿素子を示す斜視図である。
【図6】本願発明の第6の実施形態に係る冷却用素子及
びこれを備えた除湿素子を示す斜視図である。
【図7】本願発明の第7の実施形態に係る冷却用素子及
びこれを備えた除湿素子を示す斜視図である。
【図8】冷却用素子における「通路長−熱伝達率」特性
図である。
【図9】従来の冷却用素子及びこれを備えた除湿素子を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1は吸着用素子、2は冷却用素子、3は通風路、4及び
4A〜4Cは通風路、5A〜5Cは通風路群、11は平
板材、12は波板材、21は平板材、22は波板材、A
aは被処理空気、Abは冷却用空気、Z1〜Z7は除湿素
子である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神野 亮 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 4D052 BA02 BB01 CA02 HB06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状形態を有し且つその面方向に沿っ
    て冷却用空気(Ab)を通す多数の通風路(4),
    (4),・・を順次隣接状態で横方向に並設してなる冷
    却用素子であって、 上記通風路(4),(4),・・が冷却用空気(Ab)
    の流通方向に前後して位置する複数の通風路群(5
    A),(5B)のそれぞれに属する通風路(4A),
    (4A),・・、同(4B),(4B),・・で構成さ
    れるとともに、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・が上記流通方向に直交する方向へ相対偏
    位されていることを特徴とする冷却用素子。
  2. 【請求項2】 平板状形態を有し且つその面方向に沿っ
    て冷却用空気(Ab)を通す多数の通風路(4),
    (4),・・を順次隣接状態で横方向に並設してなる冷
    却用素子であって、 上記通風路(4),(4),・・が冷却用空気(Ab)
    の流通方向に前後して位置する複数の通風路群(5
    A),(5B)のそれぞれに属する通風路(4A),
    (4A),・・、同(4B),(4B),・・で構成さ
    れるとともに、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・の間に所定の間隔をもたせたことを特徴
    とする冷却用素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・が、共に、略一定の通風路配置ピッチを
    有していることを特徴とする冷却用素子。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・が、共に、通風路並設方向の一端側から
    他端側へ向けて段階的に、又は連続的に変化する通風路
    配置ピッチを有していることを特徴とする冷却用素子。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・相互間において通風路配置ピッチが異っ
    ていることを特徴とする冷却用素子。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2において、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・のうち、何れか一方は略一定の通風路配
    置ピッチをもち、何れか他方は通風路並設方向の一端側
    から他端側へ向けて段階的に、又は連続的に変化する通
    風路配置ピッチをもつことを特徴とする冷却用素子。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5又は6におい
    て、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・の通路方向が冷却用空気(Ab)の流通
    方向に対して傾斜していることを特徴とする冷却用素
    子。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・の傾斜方向が同一方向に設定されている
    ことを特徴とする冷却用素子。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 上記通風路(4A),(4A),・・、同(4B),
    (4B),・・の傾斜方向が相互に逆方向に設定されて
    いることを特徴とする冷却用素子。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8又は9において、 上記通風路(4A),(4A),・・と上記通路方向
    (4B),(4B),・・間において通路長さが異なっ
    ていることを特徴とする冷却用素子。
  11. 【請求項11】 平板状形態を有し且つその面方向に沿
    って冷却用空気(Ab)を通す多数の通風路(4),
    (4),・・を順次隣接状態で横方向に並設してなる冷
    却用素子であって、 上記通風路(4),(4),・・の配置ピッチを、並設
    方向の一端側に位置するものから他端側に位置するもの
    にかけて段階的に又は連続的に変化させたことを特徴と
    する冷却用素子。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 上記通風路(4),(4),・・が冷却用空気(Ab)
    の流入方向に対して傾斜されていることを特徴とする冷
    却用素子。
  13. 【請求項13】 被処理空気(Aa)を通す通風路
    (3),(3),・・を備えるとともに吸着剤が担持さ
    れた吸着用素子(1)と、冷却用空気(Ab)を通す通
    風路(4),(4),・・を備えた冷却用素子(2)と
    を、平面視において上記通風路(3)と通風路(4)と
    が直交するようにして順次交互に積載して構成される除
    湿素子であって、 上記冷却用素子(2)として、請求項1,2,3,4,
    5,6,7,8,9,10,11又は12に記載の冷却
    用素子が用いられていることを特徴とする除湿素子。
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