JP2003070869A - 入浴補助リフトの固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ユニットバスのように壁面の強度が強くない浴
室でも入浴補助リフトの上端をビス止めすることなく確
実に固定でき、しかも現場の状況に応じた位置に設置で
きる入浴補助リフトの固定構造を提供すること。 【解決手段】浴室の周壁上端部に固定枠を取付け、その
固定枠内に支持桟を十文字に配置してそれぞれの端部を
継手で固定枠に接続し、その支持桟の交差位置にリフト
支持部を設け前記入浴補助リフトの上端部を固定した。
固定枠は、枠材と、コーナー材と、枠材間に配置し左右
互いに逆ネジのネジ部を有する張り用ボルトと、張り用
ボルトを覆うカバーとから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室の洗い場と浴
槽間で入浴者が座った座席を旋回移動および上下移動を
して入浴を補助するリフトを浴室内に設置するにおい
て、そのリフトの上端部を固定する構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】現在このような入浴補助リフトを浴室内
に設置する場合、壁面にボルト止め等の工事を伴えば介
護保険における福祉用具の貸与の対象とならないため、
ビス固定等をしないで向き合った壁面間に突っ張り機能
を有する支柱を配置して、その支柱の交点に入浴補助装
置の上端部を固定する方法が多く用いられている。しか
し、浴室の壁面、特にユニットバスの壁面はあまり強度
が無く、強く突っ張り過ぎると壁面がたわんで目地部分
が外れるという問題がある。また逆に突っ張り力が弱い
と固定ができないという問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、ユニットバ
スのように壁面の強度が強くない浴室でも入浴補助リフ
トの上端をビス止めすることなく確実に固定でき、しか
も現場の状況に応じた位置に設置できる入浴補助リフト
の固定構造を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項１の発明は、浴室の周壁上端部に固定枠を取
付け、その固定枠内に支持桟を十文字に配置してそれぞ
れの端部を継手で固定枠に接続し、その支持桟の交差位
置にリフト支持部を設け前記入浴補助リフトの上端部を
固定した。このように、直接浴室壁面を突っ張って支持
するのではなく固定枠を介して浴室壁面で支持をするの
で荷重が一点に集中せず分散するので、比較的強度が弱
い浴室壁面でも固定することが可能となる。

【０００５】請求項２の発明は、固定枠を、断面形状が
１／４円弧の扇型形状で曲面の中央に長さ方向の開口部
を有しその開口部の内側にナット保持溝とそのナット保
持溝に連続してネジ穴を長さ方向に形成し且つ２つの平
面の内側に挿入用空部を形成した枠材と、外周面を前記
枠材の外周面と均一にすると共に直角に形成した固定部
の両端に前記枠材の挿入用空部に対応した挿入部を形成
したコーナー材と、枠材間に配置し左右互いに逆ネジの
ネジ部を有する張り用ボルトと、前面を枠材の曲面と均
一にし前記張り用ボルトを覆うカバーとから構成した。
固定枠をこのように構成することにより、既存の浴室に
合わせて現場において調整することができ、固定枠の取
り付けが容易にできる。

【０００６】請求項３の発明は、継手を、支持桟の挿入
用空部に対応した挿入部と、固定部から構成し、その固
定部は後端に直交する枠材の曲面に対応した凹曲面を形
成し外周面は支持桟の外周面と均一にすると共に、枠材
に固定するためのボルト挿通孔を設け、枠材の任意位置
に支持桟を固定できるようにした。

【０００７】請求項４の発明は、支持桟を枠材と同一断
面形状とし、継手とリフト支持部の間で曲面を下向きに
して配置した。また請求項５の発明は、リフト支持部の
直角４方向に挿入孔を設けて支持桟端部を挿入し、支持
桟端部のナット保持溝の適宜位置に配置されたナット板
にリフト支持部を介して下方向からボルトで固定すると
共に、入浴補助リフトのリフト支柱上端をリフト支持部
の底面に固定した。このような構成にすることにより、
入浴補助リフトのリフト支柱上端位置の微調整が容易に
でき施工性が向上する。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図１は、洗い場Ｂと浴槽Ｃ間で入浴者が
座った座席を旋回移動および上下移動する入浴補助リフ
トＡを浴室内に設置し、その入浴補助リフトＡの上端部
を本発明の固定構造である固定枠Ｋと支持桟８で固定し
た状態を示す斜視図である。

【０００９】図２は、本発明の入浴補助リフトの固定構
造の平面図である。浴室の周壁上端部に取付ける固定枠
Ｋは、四隅にコーナー材２を取付け、そのコーナー材
２、２間に張り用ボルト３で長さを調整し且つ左右に突
張ることができる枠材１を取付け、前記張り用ボルト３
にはカバー４を被せている。

【００１０】各壁面の枠材１の適宜位置に取付けた継手
５で支持桟８を枠材１に対して直交状に固定し入浴補助
リフトの上端を支持するリフト支持部６を交点に十文字
に固定している。

【００１１】図３は、枠材１または支持桟８の断面図で
ある。枠材１または支持桟８の断面形状は１／４円弧の
扇型形状であり、曲面壁ｅの中央に長さ方向の開口部１
３を有しその開口部１３の内側にナット保持溝１２とそ
のナット保持溝１２に連続してネジ穴１１を長さ方向に
形成している。また２つの平面壁ｆ、ｇの内側に挿入用
空部１４を形成した。

【００１２】図４は、枠材１とコーナー材２と張り用ボ
ルト３とカバー４と継手５と支持桟８の接続を分解して
示した斜視図である。コーナー材２は、外周面を枠材１
の曲面壁ｅ、平面壁ｆ、ｇと均一にした固定部２２を直
角に形成しその両端に枠材１の挿入用空部１４に対応し
た挿入部２１を形成している。

【００１３】張り用ボルト３は左右両方向に互いに逆ね
じに形成された右ネジ３１と左ネジ３２を左右に配置
し、枠材１、１のネジ穴１１に挿入して回すことにより
枠材１、１間の長さ調整をして左右の壁面に突っ張るも
のである。カバー４は枠材１の曲面壁ｅと均一の曲面を
有し枠材１、１間の張り用ボルト３に嵌めてカバーする
ものである。

【００１４】継手５は、支持桟８の挿入用空部１４に対
応した挿入部５１と、後端部に直交する枠材１の曲面壁
ｅに対応した凹曲面Ｅを形成し外周面は支持桟と均一で
ある固定部５２とから成り、枠材１に固定するためのボ
ルト挿通孔５３を前記固定部５２に設け、枠材１のナッ
ト保持溝１２の任意位置に配置したナット板７１にボル
ト７２で締め付けて固定し支持桟８に挿入部５１を挿入
して枠材１に対して支持桟８を直角に固定するものであ
る。支持桟８は枠材１と同一の断面形状であり曲面壁ｅ
を下向きにして配置する。

【００１５】図５は、枠材１に継手５を取付ける状態を
分解して示した断面図である。枠材１は平面壁ｆ、ｇを
浴室の壁面Ｖ、天井Ｈに両面テープＰで取付ける。継手
５は固定部５２の後端部に枠材１の曲面壁ｅに対応した
凹曲面Ｅを形成し前端部に支持桟８の挿入用空部１４に
対応した挿入部５１を形成している。枠材１のナット保
持溝１２にナット板７１を配置し、継手５の固定部５２
の下面に形成したボルト挿通孔５３を通してボルト７２
で締め付けて固定する。

【００１６】図６は、枠材１と継手５と支持桟８とリフ
ト支持部６を接続した状態を一部断面で示した側面図で
ある。支持桟８は一方の端部に継手５の挿入部５１を挿
入して接続し他方の端部をリフト支持部６の挿入孔６１
に差し込み、支持桟８のナット保持溝１２に配置したナ
ット板７１に前記挿入孔６１の底面を介してボルト７２
で締め付けて固定する。リフト支持部６は十文字状の４
方向に挿入孔６１を形成し底面に入浴補助リフトＡのリ
フト支柱Ａ１の上端部を固定している。

【００１７】

【発明の効果】入浴補助リフトを浴室内に設置するにお
いて、そのリフト上部の固定を突張り支柱で直接浴室壁
面を突っ張って支持するのではなく固定枠を介して浴室
壁面を押すので荷重が一点に集中せず分散するので、比
較的強度が弱い浴室壁面でも固定することが可能であ
る。また壁面のたわみや振動で壁面との接触点が滑って
ずれて突張り支柱が外れてしまうようなことがない。

【００１８】固定枠は既存の浴室寸法に合わせて現場で
微調整が可能であり、突張り機能も兼ね備えているため
施工性が良い上にしっかりと固定できる。入浴補助リフ
ト上端を直接支持する支持桟は固定枠の任意位置に連結
できるため、現場での入浴補助リフトの位置設定を容易
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の固定構造で入浴補助リフトを設置した
状態を示す斜視図

【図２】本発明の固定構造の平面図

【図３】枠材および支持桟の断面図

【図４】本発明の固定構造の一部を示す分解斜視図

【図５】本発明の固定構造の接続状態を分解して示す断
面図

【図６】本発明の固定構造の接続状態を一部断面で示す
側面図

【符号の説明】

Ａ…入浴補助リフト Ｋ…固定枠 １…枠材 ２…コーナー材 ３…張り用ボルト ４…カバー ５…継手 ６…リフト支持部 ８…支持桟

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浴室の洗い場と浴槽間で入浴者が座った座
   席を旋回移動および上下移動をして入浴を補助するリフ
   トを浴室内に設置するにおいて、浴室の周壁上端部に固
   定枠を取付け、その固定枠内に支持桟を十文字に配置し
   てそれぞれの端部を継手で固定枠に接続し、その支持桟
   の交差位置にリフト支持部を設け前記入浴補助リフトの
   上端部を固定したことを特徴とする入浴補助リフトの固
   定構造。
2. 【請求項２】固定枠は、断面形状が１／４円弧の扇型形
   状で曲面の中央に長さ方向の開口部を有しその開口部の
   内側にナット保持溝とそのナット保持溝に連続してネジ
   穴を長さ方向に形成し且つ２つの平面の内側に挿入用空
   部を形成した枠材と、外周面を前記枠材の外周面と均一
   にすると共に直角に形成した固定部の両端に前記枠材の
   挿入用空部に対応した挿入部を形成したコーナー材と、
   枠材間に配置し左右互いに逆ネジのネジ部を有する張り
   用ボルトと、前面を枠材の曲面と均一にし前記張り用ボ
   ルトを覆うカバーとから成る請求項１記載の入浴補助リ
   フトの固定構造。
3. 【請求項３】継手は、支持桟の挿入用空部に対応した挿
   入部と、固定部からなり、その固定部は後端に直交する
   枠材の曲面に対応した凹曲面を形成し外周面は支持桟の
   外周面と均一にすると共に、枠材に固定するためのボル
   ト挿通孔を設け、枠材の任意位置に支持桟を固定できる
   ことを特徴とする請求項１または２記載の入浴補助リフ
   トの固定構造。
4. 【請求項４】支持桟は枠材と同一断面形状であり、継手
   とリフト支持部の間で曲面を下向きにして配置したこと
   を特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の入浴
   補助リフトの固定構造。
5. 【請求項５】リフト支持部は、直角４方向に支持桟の挿
   入孔を設け、支持桟端部のナット保持溝の適宜位置にナ
   ット板を配置し前記挿入孔に挿入し下方向からリフト支
   持部を介してボルトで固定すると共に、入浴補助リフト
   のリフト支柱上端をリフト支持部の底面に固定したこと
   を特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載の入浴
   補助リフトの固定構造。