JP2003070668A - 浴室構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴槽の配置を簡易に変更可能にし、２人以上
の異なる身体能力の使用対象者が続いて使用できる浴室
構造を提供すること。 【解決手段】 浴槽配置用床１１の上で浴槽１を移動可
能にしてなる浴室構造であって、浴槽配置用床１１に設
置したスライドレール１２と、スライドレール１２に搭
載された横移動ベース１４と、横移動ベース１４に取付
けられた浴槽載置部１５とを有してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は浴槽の配置を変更で
きる浴室構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、身障者、高齢者等のための介護支
援用の浴室構造として、特開2001-104197に記載の如
く、浴槽の配置を変更可能とするものがある。この浴室
構造は、使用対象者が１人であれば浴槽の配置を頻繁に
変更する必要がなくて不都合がないものの、使用対象者
が２人以上になると浴槽の配置を頻繁に変更する必要を
生じ、その変更を簡易にすることが求められる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、浴槽
の配置を簡易に変更可能にし、２人以上の異なる身体能
力の使用対象者が続いて使用できる浴室構造を提供する
ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、浴槽
配置用床の上で浴槽を移動可能にしてなる浴室構造であ
って、浴槽配置用床に設置したスライドレールと、スラ
イドレールに搭載された横移動ベースと、横移動ベース
に取付けられた浴槽載置部とを有してなるようにしたも
のである。

【０００５】請求項２の発明は、請求項１の発明におい
て更に、前記横移動ベースが電動駆動部を備え、電動駆
動部を制御して横移動ベースをスライドレールに沿う任
意の位置に配置替えする制御装置を有してなるようにし
たものである。

【０００６】請求項３の発明は、請求項１又は２の発明
において更に、前記横移動ベースと浴槽載置部の間に昇
降装置を介装し、浴槽を昇降可能とするものである。

【０００７】請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれ
かの発明において更に、前記浴槽の前面を覆うフロント
エプロンを浴槽配置用床に設置し、浴槽の前面かまちに
上記フロントエプロンの上端に隙間を介して嵌合する嵌
合部を設けたものである。

【０００８】請求項５の発明は、請求項４の発明におい
て更に、前記浴槽の側面を覆うサイドエプロンを該浴槽
に設置し、このサイドエプロンの上端と前記フロントエ
プロンの上端とにバスボードを係留可能にしたものであ
る。

【０００９】請求項６の発明は、請求項５の発明におい
て更に、前記浴槽の側面上部から引き出し可能とされる
引き出しフレームを備え、この引き出しフレームにバス
ボードを係留可能にしたものである。

【００１０】請求項７の発明は、請求項３〜６のいずれ
かの発明において更に、前記浴槽を覆うエプロンを上下
に伸縮自在にしたものである。

【００１１】

【作用】請求項１の発明によれば下記の作用がある。 浴槽配置用床に設けたスライドレールに横移動ベース
を搭載し、この横移動ベースに取付けた浴槽載置部に浴
槽を載置することにより、浴槽をスライドレールに沿っ
てスムースに横移動できる。従って、浴槽の配置を簡易
に変更可能にし、２人以上の異なる身体能力の使用対象
者が続いて使用できる。

【００１２】請求項２の発明によれば下記の作用があ
る。 横移動ベースの電動駆動部を制御装置により制御し、
横移動ベースをスライドレールに沿う任意の位置に配置
替えすることにより、浴槽をスライドレールに沿って自
動的かつスムースに横移動できる。

【００１３】請求項３の発明によれば下記の作用があ
る。 横移動ベースと浴槽載置部の間に昇降装置を介装し、
浴槽を昇降可能としたので、使用対象者が座ったり、跨
いだりする浴槽の上縁の高さを、使用対象者毎に適合す
る高さに簡易に調整できる。

【００１４】請求項４の発明によれば下記の作用があ
る。 浴槽配置用床に設置したフロントエプロンの上端に対
し、浴槽の前面かまちの嵌合部を隙間を介して嵌合した
から、浴槽の前面をフロントエプロンで覆いながら、浴
槽を横移動できる。

【００１５】請求項５の発明によれば下記の作用があ
る。 浴槽を横移動したとき、浴槽の側傍に形成される空間
をバスボードにより覆うことができる。バスボードは、
浴槽に設置したサイドエプロンと浴槽配置用床に設置し
たフロントエプロンに支持され、使用対象者が浴槽に出
入りする際に腰掛けたり、身体を回転するための移乗台
になる。

【００１６】請求項６の発明によれば下記の作用があ
る。 浴槽を横移動したとき、浴槽の側傍に形成される空間
をバスボードにより覆うことができる。バスボードは、
浴槽の側面の引き出しフレームに支持され、使用対象者
が浴槽に出入りする際に腰掛けたり、身体を回転するた
めの移乗台になる。

【００１７】請求項７の発明によれば下記の作用があ
る。 エプロンを上下に伸縮自在としたから、浴槽の周囲を
エプロンにより覆ったまま、エプロンと床の間に隙間を
生じさせることなく、浴槽を昇降できる。

【００１８】

【発明の実施の形態】図１は第１実施形態の浴室構造を
示し、（Ａ）は浴槽を載置する前段の斜視図、（Ｂ）は
（Ａ）の正面図、（Ｃ）は浴槽を載置した正面図、図２
は図１の要部拡大斜視図、図３は第２実施形態の浴室構
造を示し、（Ａ）は正面図、（Ｂ）は平面図、（Ｃ）は
断面図、図４は第２実施形態の制御系の回路図、図５は
第２実施形態の制御系の流れ図、図６は第３実施形態の
昇降装置を示す正面図、図７は第４実施形態の浴槽を示
し、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は要部断面図、図８は第５
実施形態の浴槽を示す斜視図、図９は第６実施形態の浴
槽を示し、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は要部断面図、図１
０は第６実施形態の変形例の浴槽を示し、（Ａ）は斜視
図、（Ｂ）は要部断面図である。

【００１９】（第１実施形態）（図１、図２） 第１実施形態の浴室構造は、図１に示す如く、浴槽配置
用床１１の上で、手動により、浴槽１を移動可能にした
ものである。

【００２０】浴槽配置用床１１から一段ほり下げられた
ピット１１Ａに左右のスライドレール１２、１２を設置
し、スライドレール１２、１２を連結ビーム１２Ａによ
り連結し、スライドレール１２にスライドプレート１３
を介して横移動ベース１４を搭載し（図２）、横移動ベ
ース１４に取付けた浴槽載置部１５に浴槽１を搭載す
る。浴槽１のスライドレール１２に沿う方向の長さは、
この浴槽１を同方向で両側から挟む浴室の両立上り壁の
間隔より小さく設定され、両立上り壁との間に横移動で
きる空間を形成する。

【００２１】横移動ベース１４は、手動により、浴槽１
を搭載した状態で、スライドレール１２の長手方向に沿
って移動し、浴槽１を床１１内の所望の位置に横移動で
きる。

【００２２】本実施形態によれば以下の作用がある。浴
槽配置用床１１に設けたスライドレール１２に横移動ベ
ース１４を搭載し、この横移動ベース１４に取付けた浴
槽載置部１５に浴槽１を載置することにより、浴槽１を
スライドレール１２に沿ってスムースに横移動できる。
従って、浴槽１の配置を簡易に変更可能にし、２人以上
の異なる身体能力の使用対象者が続いて使用できる。

【００２３】（第２実施形態）（図３〜図５） 第２実施形態の浴室構造は、図３に示す如く、浴槽配置
用床２１の上で、電動により、浴槽１を移動可能にした
ものである。

【００２４】浴槽配置用床２１から一段ほり下げられた
ピット２１Ａに左右のスライドレール２２、２２を設置
し、スライドレール２２、２２を連結ビーム２２Ａによ
り連結し、スライドレール２２にスライドプレート２３
を介して横移動ベース２４を搭載し、横移動ベース２４
に取付けた浴槽載置部２５に浴槽１を搭載する。

【００２５】横移動ベース２４には電動モータ（電動駆
動部）２６が固定され、電動モータ２６は駆動プーリ２
６Ａを有する。駆動プーリ２６Ａを挟む両側には、横移
動ベース２４に固定のブラケット２７に枢着されたプー
リ２８Ａ、２８Ｂ、相対する連結ビーム２２Ａのそれぞ
れに枢着されたプーリ２９Ａ、２９Ｂが配置される。プ
ーリ２６Ａ、２８Ａ、２８Ｂ、２９Ａ、２９Ｂにはタイ
ミングベルト３０が巻回され、タイミングベルト３０の
両端部のそれぞれが固定具２４Ａで横移動ベース２４に
連結される。電動モータ２６により駆動プーリ２６Ａを
正逆回転すると、タイミングベルト３０の存在により、
横移動ベース２４がスライドレール２２に沿って左右動
する。

【００２６】電動モータ２６の制御装置３１には、図４
に示す如く、入出力回路３２を介して、右スイッチ３３
Ａ、中央スイッチ３３Ｂ、左スイッチ３３Ｃが接続され
るとともに、横移動ベース２４の現在位置を検出する位
置センサ１、位置センサ２、位置センサ３が接続され
る。位置センサ１〜３は、床２１のピット２１Ａ又はス
ライドレール２２に設置される。尚、制御装置３１は電
動モータ２６を非常停止操作可能とする非常停止スイッ
チ３４を備える。

【００２７】制御装置３１による電動モータ２６の制御
の流れを図５に示す。即ち、電源スイッチがオンされる
と、制御装置３１は浴槽１の現在位置を確認する。例え
ば位置センサ３からの検出入力があれば、浴槽１が右側
に位置するものと判断する。続いて、移動先の指令待ち
となり、例えば浴槽１を左側に移動させようとして左ス
イッチ３３Ｃがオンされたとすると、制御装置３１は電
動モータ２６を正転させて横移動ベース２４を左側へ移
動し、位置センサ１がオンすると、電動モータ２６を停
止させ、浴槽１を左側に位置付ける。

【００２８】本実施形態によれば以下の作用がある。横
移動ベース２４の電動モータ２６を制御装置３１により
制御し、横移動ベース２４をスライドレール２２に沿う
任意の位置に配置替えすることにより、浴槽１をスライ
ドレール２２に沿って自動的かつスムースに横移動でき
る。

【００２９】（第３実施形態）（図６） 第３実施形態の浴室構造は、図６に示す如く、第１実施
形態の横移動ベース１４と浴槽載置部１５（又は第２実
施形態の横移動ベース２４と浴槽載置部２５）の間に昇
降装置４１を介装し、浴槽載置部１５に搭載される浴槽
１を昇降可能にしたものである。昇降装置４１は、例え
ばパンタグラフ式昇降装置を採用でき、横移動ベース１
４と浴槽載置部１５に連結されるＸ字状リンク４２と、
横移動ベース１４とリンク４２の間に介装される油圧シ
リンダ４３により構成できる。

【００３０】本実施形態によれば以下の作用がある。横
移動ベース１４と浴槽載置部１５の間に昇降装置４１を
介装し、浴槽１を昇降可能としたので、使用対象者が座
ったり、跨いだりする浴槽１の上縁の高さを、使用対象
者毎に適合する高さに簡易に調整できる。

【００３１】（第４実施形態）（図７） 第４実施形態の浴室構造は、図７に示す如く、第１実施
形態（又は第２実施形態）の浴槽１の前面を覆うフロン
トエプロン５１を浴槽配置用床１１に設置し、浴槽１の
前面かまち２に上記フロントエプロン５１の凸状の上縁
５１Ａに隙間を介して嵌合する凹状の嵌合部３１Ａを設
けたものである。

【００３２】また、浴槽１の側面を覆うサイドエプロン
３を浴槽１に設置し、このサイドエプロン３の上端３Ａ
とフロントエプロン５１の上縁５１Ａとにバスボード６
１の外縁を係留可能にした。バスボード６１はフロント
エプロン５１の上縁５１Ａに係合する凹状の係合部６１
Ａを備える。尚、バスボード６１のサイドエプロン３に
係留される外縁に相対する外縁は、浴室の立上り壁に設
けた段差状係留部に係留される。

【００３３】本実施形態によれば以下の作用がある。 浴槽配置用床１１に設置したフロントエプロン５１の
上端５１Ａに対し、浴槽１の前面かまち２の嵌合部２Ａ
を隙間を介して嵌合したから、浴槽１の前面をフロント
エプロン５１で覆いながら、浴槽１を横移動できる。

【００３４】浴槽１を横移動したとき、浴槽１の側傍
に形成される空間をバスボード６１により覆うことがで
きる。バスボード６１は、浴槽１に設置したサイドエプ
ロン３と浴槽配置用床１１に設置したフロントエプロン
５１に支持され、使用対象者が浴槽１に出入りする際に
腰掛けたり、身体を回転するための移乗台になる。

【００３５】（第５実施形態）（図８） 第５実施形態の浴室構造は、図８に示す如く、浴室１の
側面上部から引き出し可能とされる引き出しフレーム７
１を備え、この引き出しフレーム７１に前述のバスボー
ド６１を係留可能にした。

【００３６】本実施形態によれば以下の作用がある。浴
槽１を横移動したとき、浴槽１の側傍に形成される空間
をバスボード６１により覆うことができる。バスボード
６１は、浴槽１の側面の引き出しフレーム７１に支持さ
れ、使用対象者が浴槽１に出入りする際に腰掛けたり、
身体を回転するための移乗台になる。

【００３７】（第６実施形態）（図９、図１０） 第６実施形態の浴室構造は、図９に示す如く、浴室１の
前面を覆う前述のフロントエプロン５１を、図９に示す
如く、蛇腹状にして上下に伸縮自在にしたものである。
このフロントエプロン５１は、図１０に示す如く、上下
に連鎖状に積み上げた積層プレート８１からなるもので
も良い。

【００３８】尚、浴槽１の側面を覆う前述のサイドエプ
ロン３についても、上下に伸縮自在にすることが好まし
い。

【００３９】本実施形態によれば以下の作用がある。エ
プロン５１を上下に伸縮自在としたから、浴槽１の周囲
をエプロン５１により覆ったまま、エプロン５１と床１
１の間に隙間を生じさせることなく、浴槽１を昇降でき
る。

【００４０】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。

【００４１】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、浴槽の配
置を簡易に変更可能にし、２人以上の異なる身体能力の
使用対象者が続いて使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は第１実施形態の浴室構造を示し、（Ａ）
は浴槽を載置する前段の斜視図、（Ｂ）は（Ａ）の正面
図、（Ｃ）は浴槽を載置した正面図である。

【図２】図２は図１の要部拡大斜視図である。

【図３】図３は第２実施形態の浴室構造を示し、（Ａ）
は正面図、（Ｂ）は平面図、（Ｃ）は断面図である。

【図４】図４は第２実施形態の制御系の回路図である。

【図５】図５は第２実施形態の制御系の流れ図である。

【図６】図６は第３実施形態の昇降装置を示す正面図で
ある。

【図７】図７は第４実施形態の浴槽を示し、（Ａ）は斜
視図、（Ｂ）は要部断面図である。

【図８】図８は第５実施形態の浴槽を示す斜視図であ
る。

【図９】図９は第６実施形態の浴槽を示し、（Ａ）は斜
視図、（Ｂ）は要部断面図である。

【図１０】図１０は第６実施形態の変形例の浴槽を示
し、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は要部断面図である。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 前面かまち ２Ａ 嵌合部 ３ サイドエプロン １１、２１ 浴槽配置用床 １２、２２ スライドレール １４、２４ 横移動ベース １５、２５ 浴槽載置部 ２６ 電動モータ（電動駆動部） ３１ 制御装置 ４１ 昇降装置 ５１ フロントエプロン ６１ バスボード ７１ 引き出しフレーム

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽配置用床の上で浴槽を移動可能にし
   てなる浴室構造であって、 浴槽配置用床に設置したスライドレールと、スライドレ
   ールに搭載された横移動ベースと、横移動ベースに取付
   けられた浴槽載置部とを有してなる浴室構造。
2. 【請求項２】 前記横移動ベースが電動駆動部を備え、 電動駆動部を制御して横移動ベースをスライドレールに
   沿う任意の位置に配置替えする制御装置を有してなる請
   求項１に記載の浴室構造。
3. 【請求項３】 前記横移動ベースと浴槽載置部の間に昇
   降装置を介装し、浴槽を昇降可能とする請求項１又は２
   に記載の浴室構造。
4. 【請求項４】 前記浴槽の前面を覆うフロントエプロン
   を浴槽配置用床に設置し、浴槽の前面かまちに上記フロ
   ントエプロンの上端に隙間を介して嵌合する嵌合部を設
   けた請求項１〜３のいずれかに記載の浴室構造。
5. 【請求項５】 前記浴槽の側面を覆うサイドエプロンを
   該浴槽に設置し、このサイドエプロンの上端と前記フロ
   ントエプロンの上端とにバスボードを係留可能にした請
   求項４に記載の浴室構造。
6. 【請求項６】 前記浴槽の側面上部から引き出し可能と
   される引き出しフレームを備え、この引き出しフレーム
   にバスボードを係留可能にした請求項１〜５のいずれか
   に記載の浴室構造。
7. 【請求項７】 前記浴槽を覆うエプロンを上下に伸縮自
   在にした請求項３〜６のいずれかに記載の浴室構造。