JP2003070448A - メープル樹液を含有してなる飲料 - Google Patents

メープル樹液を含有してなる飲料

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JP2003070448A JP2001256417A JP2001256417A JP2003070448A JP 2003070448 A JP2003070448 A JP 2003070448A JP 2001256417 A JP2001256417 A JP 2001256417A JP 2001256417 A JP2001256417 A JP 2001256417A JP 2003070448 A JP2003070448 A JP 2003070448A
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バージェロン ルック
Toshihiro Ishiguro
敏弘 石黒
Yoshiko Watanabe
芳子 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】メープル樹液(糖度:1.5〜4ブリックス)
の濃縮飲料であって、その天然成分と、さわやかな甘み
と香り、および無色透明な外観を保持しつつ、飲料とし
て消費する際の安全性が確保され、保存性の向上した濃
縮液(糖度:8〜70ブリックス)と、当該濃縮液を他
の飲料原料と配合してなる新しいタイプの飲料とを提供
する。 【解決手段】メープル樹液を膜分離法により濃縮し、p
H4.5以下において低温殺菌してなる飲料用濃縮液お
よびその凍結処理物、その飲料用濃縮液またはその凍結
処理物と他の飲料原料とを配合してなる飲料、および膜
分離法により濃縮したメープル樹液濃縮液と他の飲料原
料とを配合し、加熱殺菌してなる飲料。上記において、
膜分離で濃縮した液をさらに減圧濃縮してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メープル樹液のさ
わやかな甘みと香りを保持する、保存性の高い飲料用濃
縮液とその凍結処理物、およびそれを含有する飲料に関
する。
【0002】
【従来の技術】メープルはカエデ科に属する植物であ
り、カナダのケベック州から米国オハイオ州におよび大
陸部に群生し、このメープル樹からは、2月下旬から4
月頃にかけて樹液が採取される。この樹液は、甘みがあ
って無色透明であり、糖質をはじめとして、カルシウ
ム、マンガン、マグネシウム、リン、ナトリウム、鉄分
などのミネラル類、ガロイルグルコシドなどのポリフェ
ノール類や、ビタミンA、B 1、B2、B6、Cやパント
テン酸、ナイアシンなどのビタミン類など、天然栄養成
分が多く含まれている。メープル樹液は、それを摂取す
ることにより、例えば肥満防止、血行促進や、分泌腺、
細胞の浄化など多くの生理作用を有すると言われてい
る。
【0003】従来、採取されたメープル樹液は、蒸発機
に入れて約90%以上の水分を加熱蒸発させることによ
りメープルシロップを製造し、各種料理や菓子類に添加
されている。この製造法は100年以上も守られてきて
おり、一切の添加物を含まない100%天然品の、高級
甘み料として広く利用されている。その風味は、癖のな
いさっぱりとした天然の甘みに特徴があり、伝統的な蒸
発機による濃縮法を頑なに守ってきたことが長く多くの
愛好者に評価されてきている。メープルシロップは糖質
を含むが、そのカロリーは例えば砂糖や蜂蜜に比べて高
くはなく、ダイエット食品の素材としても利用可能性が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】メープルシロップは、
通常、上記のとおり樹液を加熱濃縮して製造されるが、
この方法によると長時間にわたって高温加熱されるため
に、メープル樹液の多くの天然成分が加熱分解もしくは
消失してしまう結果となる。この加熱濃縮法によると、
シロップは熱に安定な糖類などを含むことから甘み料と
して利用できるものの、メープル樹液をより多くの天然
成分を保持した食品として多方面に高度利用しようとす
る商品開発の面からみれば不十分なまま推移してきた。
例えば、メープル樹液の天然成分をそのまま安定に含む
樹液そのものとして、あるいはその濃縮液としての利用
はこれまでなされていない。その理由は、メープル樹液
を効率的に非加熱濃縮する技術がよく進んでいないこと
と、非加熱濃縮物は極めて腐敗しやすく保存性が悪いこ
と、などによる。このために、メープル樹液は液状とい
う飲料として利用しやすい形態を有しているにも関わら
ず、未だ実用上満足し得るような商品開発がなされてい
ないのが現状である。
【0005】そこで、本発明の目的は、メープル樹液が
有する天然成分と、そのさわやかな甘みと香り、および
無色透明な外観を保持しつつ、安全性と保存性の向上し
たその濃縮液と、それを他の飲料原料と配合してなる新
しいタイプの飲料を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のような状況下にお
いて、本発明者らはメープル樹液の非加熱濃縮技術とそ
れにより得られる濃縮液を腐敗から防ぐ方法について鋭
意検討を行い、メープル樹液を各種の透過分子量によ
る、分割が可能な膜分離法を用いて非加熱下に濃縮でき
ること、またその濃縮液を低pH領域に調整して低温殺
菌すれば腐敗を起こすことなく長期にわたって保存可能
であることを見出した。さらに、膜分離法によるメープ
ル樹液の濃縮液と他の飲料原料とを配合し加熱殺菌すれ
ば、風味良好な飲料が得られることも見出した。本発明
はこれらの知見に基いて、さらに検討を加えて完成した
ものである。
【0007】すなわち、本発明は、 1)メープル樹液を膜分離法により濃縮し、pH4.5
以下において低温殺菌してなる飲料用濃縮液およびその
凍結処理物、 2)前記膜分離法により濃縮したメープル樹液をさらに
減圧濃縮し、pH4.5以下において低温殺菌してなる
上記1)項記載の飲料用濃縮液およびその凍結処理物、 3)上記1)または2)項記載の飲料用濃縮液またはそ
の凍結処理物と他の飲料原料とを配合してなる飲料、お
よび 4)膜分離法により濃縮したメープル樹液濃縮液と他の
飲料原料とを配合し、加熱殺菌してなる飲料、である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、メープル樹液は
常法により採取したものが用いられる。通常、樹齢40
年以上もしくは、径20cm以上のメープル(Acer sacc
harum またはAcer nigrum)にドリルで穴をあけて、そこ
にチューブを接続し、流出してくる樹液を、減圧ポンプ
を用いて採取する。このようにして、メープル成木1本
につき、通常60〜100Lの樹液が採取される。この
樹液は、無色透明であり、その糖度は1.5〜4ブリッ
クス程度で、pHは中性付近である。
【0009】採取した樹液は膜分離法により、樹液中の
主として水を排除して、糖度が約8〜70ブリックスに
なるまで濃縮する。膜分離法としては、膜透過現象を生
じるための駆動力として圧力差を利用する方法が好まし
く、例えば逆浸透膜法(圧浸透法)あるいは限外濾過法
が挙げられる。本発明では、生産性の面からみて、とり
わけ逆浸透膜法が好ましく適用される。逆浸透膜として
は、低圧でも高透水性を有し、食塩阻止率50%以上、
シュクロース阻止率90%以上の膜が好ましく使用され
る。一般的に、分画分子量200以上(好ましくは20
0〜1000)の分離性能を有するナノフィルトレーシ
ョン膜(ナノ濾過膜)が好ましい。膜材質は、ポリアミ
ド系、スルホン化ポリエーテルスルホンあるいは三酢酸
セルロースなどいずれでもよく、モジュールはスパイラ
ルあるいは中空糸のいずれであってもよい。逆浸透膜の
好ましい具体例としては、NF70−400ナノ濾過膜
(FILMTEC Membranes 社製、1,018mm × 20
1mm、ポアサイズ:1ナノメーター、分割分子量:2
00以上)、またポリアミド系のNTR−759HG−
S4(日東電工株式会社製、φ102×1,016m
m、ポアサイズ:1ナノメーター、分割分子量:200
以上)が挙げられる。そのほかに、NTR−70HG、
ポリビニル系のNTR−7250HG、NTR−729
HG(いずれも日東電工株式会社製)なども使用するこ
とができる。
【0010】本発明における逆浸透膜分離は、通常、圧
力0.5〜5.0MPa、温度40℃以下で、メープル
樹液中の主として水を外液として排除しつつ、前記のよ
うに内液の糖度が8〜70ブリックスになるまで行う。
この場合、高濃縮液を得る目的で、得られた濃縮液をさ
らに逆浸透膜分離に付す方法を繰り返してもよい。ま
た、逆浸透膜法により濃縮したメープル樹液を、減圧濃
縮に付して所望の糖度まで濃縮することによって、生産
性を上げることもできる。このときの減圧濃縮は、例え
ばロータリーエバポレーターを用いて、外温を比較的に
低温下(例えば、30〜40℃)に保ち、内圧を10m
mHg程度あるいはそれ以下の減圧として、水分を蒸発
させる方法が採用できる。
【0011】本発明では、このように、メープル樹液が
低温下で濃縮されることから、その風味、香りが保持さ
れ、栄養成分の損失も少なく、また加熱濃縮のように液
が着色して外観が劣化しない状態で濃縮液を得ることが
できる。本発明において、上記のメープル樹液濃縮液
は、(1)pH4.5以下に調整後、低温殺菌し、さら
に必要に応じて凍結処理を行って、それ自体を飲料とす
るかもしくは他の飲料原料と配合することにより新しい
タイプの飲料とするか、または(2)他の飲料原料と配
合した後に殺菌処理を行って新しいタイプの飲料とす
る。
【0012】上記(1)の飲料は、メープル樹液濃縮液
のpHを4.5以下の酸性条件のもとに、通常95℃以
下の低温殺菌を行って得られるものであり、この結果メ
ープル樹液の有する香り等を保持しつつ、飲料として消
費する際の安全性の確保と保存性が向上する。通常、メ
ープル樹液濃縮液のpHは中性付近であるが、本発明で
はこのpHを4.5以下、好ましくはpH2.8〜4、
さらに好ましくはpH2.8〜3.2に調整する。これ
らのpH領域であって、実際にどのpHを選択するか
は、後工程の低温殺菌の温度、濃縮液中の糖濃度、ある
いは目的とする飲料のタイプなどを考慮して決定する。
しかし、pHが4.5を超えると、低温殺菌による保存
性の向上が期待できなくなり、不適当である。濃縮液の
pHを下げるためのpH調整剤は、原則として可食性酸
であればよいが、飲料としての風味を考慮すると、クエ
ン酸、酒石酸、乳酸、コハク酸あるいはリンゴ酸などの
可食性有機酸が好ましく、とりわけクエン酸が所望のp
Hに調整しやすいうえに風味的にも好適である。このp
H調整剤は、pH4.5以下を呈するように適宜の量を
添加するが、通常は予め濃度の高い酸水溶液(例えば、
10%クエン酸水溶液)を調製して使用する。
【0013】次に、pH調整された濃縮液を低温殺菌に
付する。この低温殺菌は、pH調整済みの濃縮液を殺
菌温度まで上昇させる、所定時間その温度に保持す
る、室温またはそれ以下に冷却する、という三段階で
行われる。上記の殺菌温度は、高くても95℃までの
加熱温度であり、とりわけ55〜90℃の温度範囲が好
ましい。従って、本発明でいう低温殺菌は、一般に食品
を100℃あるいはそれ以上の温度で加熱するいわゆる
高温殺菌とは区別される。
【0014】上記の保持時間は、主としてそのときの
pHと殺菌温度によって異なってくるが、要は飲料とし
て消費する際の安全性の確保と保存性を向上するという
殺菌目的を達するに必要十分な時間を選択すればよく、
それ以上に長時間、加熱することは品質保持上なるべく
避ける方がよい。例えば、pH3の濃縮液を60℃で殺
菌する場合、達温になってから約10分間加熱すること
により、また90℃で殺菌する場合、達温になってから
約3分間加熱することにより、それぞれ上記目的が達せ
られる。
【0015】低温殺菌は、前記濃縮液をpH調整した
後、容器に充填する前あるいは容器に充填した後、のい
ずれの段階で行ってもよい。前者の場合、濃縮液を保持
方式(バッチ、回分)と連続方式のいずれの低温殺菌方
式を採用してもよく、加熱温度は55〜65℃で殺菌す
ることができる。回分式は、上記、、の三段階を
通常、一つの容器で行うものであるが、温度を均一化し
たり、総括熱伝熱係数を増加させる目的で攪拌器が付属
したジャケット容器を用い、これに蒸気、温水、冷水を
供給できるように配管した容器が工業的生産に適してい
る。一方、連続方式では、管式(蛇管式、二重管式、多
管式など)、板式(ジャケット式、渦巻き式、平板式な
ど)など、通常の熱交換器を利用して低温殺菌される。
【0016】一方、pH調整した濃縮液を容器に充填し
た後、低温殺菌するときは、例えばアルミ缶、瓶などに
分注して封入後、加熱温度85〜95℃で達温下3〜5
分程度加熱すればよい。加熱方式としては充填した容器
を回転させながら均一化し、熱湯シャワーに接触する方
法が工業的に有利に採用できる。低温殺菌のための加熱
を終えたメープル樹液濃縮液は、上記のとおり、室温
またはそれ以下に冷却されるが、この冷却は単に室温放
置して自然冷却してもよいが、一般的は加熱処理後、水
冷などによりできるだけ速やかに行う方が品質保持上よ
り好ましい。
【0017】かくして低温殺菌したメープル樹液濃縮液
は、安全性が高く保存性が向上したものであるが、長期
にわたって保存性を維持しようとするときには凍結貯蔵
しておくことが好ましい。この凍結処理は常法によって
実施すればよく、例えば−4℃〜−20℃程度で凍結し
保存する。このように凍結することは、メープル樹液を
その産地において、採取、濃縮、低温殺菌したものを、
例えば飲料の加工地あるいは消費地等へ遠方輸送する際
に、より保存性の高い状態で貯蔵し得る点で有利であ
る。
【0018】このように殺菌処理して得られたメープル
樹液濃縮液またはその凍結品は、それ自体がメープル樹
液のさわやかな甘みと香りを有する飲料として好適であ
る。さらに、他の飲料原料と配合した新しいタイプの飲
料としても利用される。上記でいう他の飲料原料として
は、従来公知の飲料またはその半製品などを用いること
ができる。例えば、果実・野菜飲料、炭酸飲料(コーラ
フレーバー飲料、透明炭酸飲料、果実着色炭酸飲料、乳
類入炭酸飲料、ジンジャエール、果汁含有炭酸飲料)、
乳性飲料(乳飲料、ローファット飲料、乳製品乳酸菌飲
料、乳酸菌飲料、乳類入清涼飲料)、嗜好飲料(缶コー
ヒー、リキッドコーヒー、紅茶、ウーロン茶、麦茶、日
本茶、ブレンドティ、缶ココア)、あるいはその他飲料
(食系ドリンク、機能型ドリンク、スポーツドリンク、
食事型ドリンク、豆乳、ゼリー飲料)などに配合するこ
とにより、メープル樹液のさわやかな甘みと香りを付与
した新しいタイプの飲料を調製することができる。この
メープル樹液濃縮液を含む飲料は、必要に応じて容器に
充填する前または後で、加熱殺菌を行ってもよく、その
殺菌条件は配合される他の飲料における条件に準じて行
えばよい。
【0019】次に、上記(2)の飲料の場合は、メープ
ル樹液濃縮液を他の飲料原料と配合し、次いで加熱殺菌
することにより得られるものである。すなわち、上記
(1)の場合とは異なり、得られたメープル樹液濃縮液
を直接、他の飲料原料と配合し、加熱殺菌して飲料製品
を得ることに特徴を有する。ここで、他の飲料原料は前
に挙げたと同様のものが用いられる。また、加熱殺菌条
件も配合される相手方の飲料を殺菌する通常の条件に準
じて行えばよい。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1 (メープル樹液の採取)樹齢40年以上のメープル(Ace
r saccharum)に、ドリルを使って、径8mm、深さ20
mmの穴をあけて、そこに径8mmのポリビニルカーボネ
ート製のチューブ(Dominion & Grimm 社製)を接続し
た。次いで、このチューブにさらに太いチューブ(径3
0mm)を接続し、減圧ポンプ(Equipments Laplerre
社製のデラバル)を用いて、50〜100mmHgの減
圧下で樹液を約85L(成木1本当たり)を採取した。
この樹液は無色透明であり、pH7、糖度は3ブリック
スであった。
【0021】(逆浸透膜法による濃縮)上記で採取され
たメープル樹液100Lを逆浸透膜(FILMTEC Membrane
s 社製のNF70−400ナノ濾過膜、1,018mm
× 201mm、ポアサイズ:1ナノメーター、分割
分子量:200以上)に1.5〜2.0MPaで加圧し
ながら通導し、外液として主として水を約70L排出さ
せ、内液としてメープル樹液の濃縮液、約30Lを得
た。このメープル樹液濃縮液は、さわやかな甘みとフル
ーティーな香りを有する無色透明な液であり、糖度10
〜12ブリックスであった。
【0022】(メープル樹液濃縮液の低温殺菌と凍結)
上記で得たメープル樹液濃縮液(30L)に、10%ク
エン酸水溶液を攪拌しながらpH3.0になるまで加
え、次いで60℃で10分間加熱して殺菌した。この加
熱処理した濃縮液を−20℃の冷凍庫に入れて凍結品を
得た。かくして得られた凍結品は、−20℃で60日間
放置しても、細菌による腐敗、変質は認められなかっ
た。
【0023】実施例2 (メープル樹液炭酸飲料の製造)実施例1で得たメープ
ル樹液濃縮液の凍結品を冷蔵室(0〜4℃)で1昼夜放
置し、解凍した。この凍結解凍液と炭酸飲料(果糖ぶど
う糖液糖、砂糖、香料、クエン酸を含む炭酸入り飲料)
とを2:8の容量割合で混合し、直ちに150mL容の
瓶に分注し、封入することにより、メープル樹液濃縮液
を含む炭酸飲料を得た。このものは、フルーティーでさ
わやかな飲用感を有する、保存性のよい飲料であった。
【0024】実施例3 (メープル樹液濃縮液飲料の製造)実施例1と同様の方
法によって採取および濃縮したメープル樹液濃縮液(3
0L、糖度:12ブリックス、pH7)に、10%クエ
ン酸水溶液を加えてpH3.0に調整し、次いで60℃
で10分間加熱して殺菌後、直ちに150mlのアルミ
製缶に分注し、巻き締め充填することにより、保存性の
よいメープル樹液濃縮液飲料を得た。
【0025】実施例4 (メープル樹液濃縮液飲料の製造)実施例1と同様の方
法によって採取および濃縮したメープル樹液濃縮液(3
0L、糖度:12ブリックス、pH7)に、10%クエ
ン酸水溶液を加えてpH3.0に調整し、150mLの
瓶に分注し、封入した。この瓶を回転させながら、90
℃の熱湯シャワーを接触させ達温で3分間加熱すること
により、保存性のよいメープル樹液濃縮液飲料を得た。
【0026】実施例5 (メープル樹液炭酸飲料の製造)実施例1と同様の方法
によって採取および濃縮したメープル樹液濃縮液(30
L、糖度:12ブリックス、pH7)に、10%クエン
酸水溶液を加えてpH3.0に調整した。この濃縮液と
炭酸飲料(果糖ぶどう糖液糖、砂糖、香料、クエン酸を
含む炭酸入り飲料)とを4:6の容量割合で混合し、次
いで60℃で10分間加熱して殺菌し、直ちに150m
L容アルミ缶に巻き締め充填することにより、メープル
樹液を含む炭酸飲料を得た。この飲料は、メープル樹液
の香りと風味が炭酸飲料とよく調和されており、さわや
かな飲用感を有していた。
【0027】実施例6 (逆浸透膜法による高濃縮液の製造)採取したメープル
樹液100Lを逆浸透膜(FILMTEC Membranes 社製のN
F70−400ナノ濾過膜、1,018mm × 20
1mm、ポアサイズ:1ナノメーター、分割分子量:2
00以上)に、1.5〜2.0MPaで加圧しながら通
導し、外液として主として水を約70L排出させ、内液
としてメープル樹液の濃縮液、約30L(糖度:10〜
12ブリックス)を得た。この濃縮液を再度、上記の逆
浸透膜NF70−400ナノ濾過膜に、加圧(2.5〜
4.0MPa)しながら通導し、外液として主として
水、約10Lを排出させ、内液としてメープル樹液の濃
縮液、約20L(糖度:35ブリックス)を得た。この
ようにして得られたメープル樹液の高濃縮液は、無色透
明であり、さわやかな甘みとフルーティーな香りが一層
強いものであった。この濃縮液と炭酸飲料(果糖ぶどう
糖液糖、砂糖、香料、クエン酸を含む炭酸入り飲料)と
を2:8の容量割合で混合し、次いで60℃で10分間
加熱して殺菌し、直ちに150mL容アルミ缶に巻き締
め充填することにより、メープル樹液を含む炭酸飲料を
得た。
【0028】実施例7 (逆浸透膜法による高濃縮液の製造)採取したメープル
樹液100Lを逆浸透膜(FILMTEC Membranes 社製のN
F70−400ナノ濾過膜、1,018mm × 20
1mm、ポアサイズ:1ナノメーター、分割分子量:2
00以上)に、加圧(1.5〜2.0MPa)しながら
通導し、外液として主として水を約70L排出させ、内
液としてメープル樹液の濃縮液(糖度:10〜12ブリ
ックス)、約30Lを得た。この濃縮液を、ロータリー
エバポレーター(ビューキ社製)を用いて、減圧下(1
0mmHg)、外温30〜40℃で濃縮し、メープル樹
液の高濃縮液(糖度:40ブリックス)を12L得た。
この高濃度濃縮液と炭酸飲料(果糖ぶどう糖液糖、砂
糖、香料、クエン酸を含む炭酸入り飲料)とを2:8の
容量割合で混合し、次いで60℃で10分間加熱して殺
菌し、直ちに150mL容アルミ缶に巻き締め充填する
ことにより、メープル樹液を含む炭酸飲料を得た。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、メープル樹液が有する
天然成分を有効に含有し、飲料として消費する際の安全
性が確保されており、保存性の向上したメープル樹液濃
縮液が提供される。この濃縮液は、無色透明であり、さ
わやかな甘みとフルーティーな香りを保持しており、か
つ、ビタミンCなどの熱不安定な天然成分を有効に保持
しており、飲料あるいは飲料素材として極めて有用であ
る。また、この濃縮液と他の飲料原料とを配合すること
により、上記のメープル樹液の特徴を生かした、嗜好性
の高い飲料製品が得られる。なお、本発明のメープル樹
液濃縮液は、飲料用途以外にも、従来のようにシロップ
剤としても使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルック バージェロン カナダ,V6J 1P1,ブリティッシュ コロンビア州,バンクーバー,ウエスト 5番通,1717番地 (72)発明者 石黒 敏弘 大阪府豊能郡豊能町光風台4丁目12番地の 9 (72)発明者 渡辺 芳子 大阪府大阪市阿倍野区松虫通1丁目5番17 号 株式会社ミック内 Fターム(参考) 4B017 LC03 LE10 LG15 LP02 LP13 LP14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メープル樹液を膜分離法により濃縮し、p
    H4.5以下において低温殺菌してなる飲料用濃縮液お
    よびその凍結処理物。
  2. 【請求項2】膜分離法により濃縮したメープル樹液をさ
    らに減圧濃縮し、pH4.5以下において低温殺菌して
    なる請求項1記載の飲料用濃縮液およびその凍結処理
    物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の飲料用濃縮液また
    はその凍結処理物と他の飲料原料とを配合してなる飲
    料。
  4. 【請求項4】膜分離法により濃縮したメープル樹液濃縮
    液と他の飲料原料とを配合し、加熱殺菌してなる飲料。
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Cited By (10)

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