JP2003070411A - 食品の分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】食品を壊したり、食品の配列を乱したりするこ
となく、食品を分離することを可能とした食品の分離装
置を提供する。 【解決手段】チェーンコンベヤ２によって、天板３上に
菓子類（食品）を載せた状態で搬送する。その搬送の途
中において、変形が容易である可撓性ベルト部材２２に
よって菓子類を天板上に押圧する。前記可撓性ベルト部
材２２によって菓子類が天板３に対し軽く押圧された状
態で、菓子類とそれの下側の天板３との間に分離板部材
５を挿入する。この分離板部材５の挿入にて、菓子類が
天板３から分離され、その分離された菓子類を、回転す
る可撓性ベルト部材２２が搬送し、それを分離板部材５
の下流側に位置するベルトコンベヤ４が受け取る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、食品（例えば菓
子類、食品素材）の分離装置、より詳細には、第１の搬
送手段の搬送部材上に配列された食品、若しくは前記第
１の搬送手段によって搬送される天板上に配列された食
品を、前記搬送部材又は天板から分離し、その分離した
食品を第２の搬送手段によって搬送させる食品の分離装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、菓子類を天板に規則的に配列し
て載せて、オーブンで焼き上げる場合、その焼き上げ
後、菓子類が冷えてから、天板から菓子類を分離するこ
とが必要である。

【０００３】そのような菓子類の分離は、従来、作業者
が、へらなどの道具を使って手作業によって行っていた
が、１つ１つを壊れないように分離する必要があったこ
とから、作業効率が低かった。

【０００４】そこで、菓子類が載せられている天板を搬
送しつつ、前記天板から菓子類を分離できるようにする
ことで、一連の分離作業を自動化し、作業効率を高めた
いという要求がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オーブ
ンで菓子類を焼いた後の分離の場合には、菓子類が天板
に焼き付いているため、菓子類と天板との間に分離片な
どを挿入して、無理に分離しようとすると、菓子類が壊
れてしまったり、分離した後の菓子類の配列が乱れてし
まうおそれがある。このようなことは、菓子類等の食品
に限らず、食品素材などの他の食品においても起こりう
ることである。

【０００６】この発明は、搬送手段の搬送部材上に配列
された食品、若しくは搬送手段によって搬送される天板
上に配列された食品を壊したり、食品の配列を乱したり
することなく、食品を分離することを可能とした食品の
分離装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、第１
の搬送手段の搬送部材上に配列された食品、若しくは前
記第１の搬送手段によって搬送される天板上に配列され
た食品を、前記搬送部材又は天板から分離し、その分離
した食品を第２の搬送手段によって搬送させる食品の分
離装置であって、前記第２の搬送手段の搬送方向上流端
部に設けられ、前記食品と搬送部材若しくは天板との間
に挿入されることで前記搬送部材若しくは天板から食品
を分離させる分離板部材と、変形容易な材料から形成さ
れる可撓性ベルト部材を有し、前記搬送部材若しくは天
板又は前記分離板部材に対し前記可撓性ベルト部材が前
記食品を押圧しつつ第２の搬送手段に送る押圧送り手段
とを備えるものである。ここで、食品には、菓子類や、
それに用いられる食品素材等が含まれる。また、「第１
の搬送手段の搬送部材」とは、例えば第１の搬送手段
が、バンドオーブンやキャタピラーオーブンに用いられ
ているコンベヤである場合には、そのコンベヤの、食品
を直接に搬送する搬送部材を意味し、「第１の搬送手段
によって搬送される天板」とは、第１の搬送手段を構成
する部材とは別の部材である天板を意味する。

【０００８】このようにすれば、第１の搬送手段の搬送
部材上に配列された食品、若しくは前記第１の搬送手段
によって搬送される天板上に食品が配列されて、食品が
搬送される。その搬送の途中において、押圧送り手段の
可撓性ベルト部材によって食品が第１の搬送手段の搬送
部材若しくは天板又は前記分離板部材に対しに押圧され
つつ第２の搬送手段の側に送られる。この可撓性ベルト
部材による押圧は、可撓性ベルト部材が変形容易である
ため、可撓性ベルト部材の変形によって食品が搬送部材
に軽く押圧されるだけであり、食品には大きな力が作用
することはない。よって、可撓性ベルト部材によって押
圧されることにより食品が壊れることがなく、また、配
列が乱れることもほとんどない。

【０００９】前記可撓性ベルト部材によって食品が第１
の搬送手段に軽く押圧された状態で、食品とそれの下側
に位置する第１の搬送手段の搬送部材若しくは天板との
間に分離板部材が挿入される。前記分離板部材の挿入に
て、食品が第１の搬送手段の搬送部材若しくは天板から
無理なく分離され、その分離された食品が、可撓性ベル
ト部材によって分離板部材に対し押圧されつつ、前記分
離板部材の上側に沿って、それの下流側に位置する第２
の搬送手段に送られることになる。この可撓性ベルト部
材により分離板部材上を送る場合も、軽く押圧された、
クッション性に富む状態で送られるので、食品が壊れる
ことがなく、また、食品の配列が乱れることもほとんど
ない。

【００１０】請求項２に記載のように、前記可撓性ベル
ト部材は、回転駆動される回転部材に、山部と谷部とが
周方向に交互に繰り返され断面波形形状になるように可
撓性ベルト部材が取り付けられている構成とすることが
望ましい。このような可撓性ベルト部材としては、クッ
ション性に富むスポンジ材を用いることも可能である
が、特に、請求項２の構成とすれば、清掃が容易となる
点で有利である。

【００１１】このようにすれば、回転駆動される回転部
材に、断面波形形状となる可撓性ベルト部材が取り付け
られて可撓性ベルト部材とされているので、回転部材が
回転駆動されると、可撓性ベルト部材が、変形容易な材
料から形成されていることと相俟って、食品に無理な押
圧力が作用することなく、食品が、第２の搬送手段に向
かって送られるようになる。すなわち、変形容易な材料
から可撓性ベルト部材が形成されているので、押圧の際
に食品に対して大きな力が作用しないし、その断面形状
は波形形状をしているので、その形状により食品が無理
なく保持され、回転方向（第２の搬送手段側）に搬送さ
れる。

【００１２】請求項３に記載のように、前記第１の搬送
手段は、食品が配列された天板を搬送するものであり、
前記分離板部材の上流側において前記天板の前端縁の通
過を検出する通過検出手段が設けられ、前記第２の搬送
手段はそれの下流端部が、水平方向の回転軸回りに回転
可能に支持され、前記通過検出手段よりの信号を受けて
制御手段が、前記第２の搬送手段の下流端部を回転させ
て前記分離板部材を、前記分離板部材の先端縁が前記天
板の上面に接触する分離動作位置とするように構成され
ている構成とすることもできる。

【００１３】このようにすれば、分離板部材の上流側に
おいて通過検出手段によって天板の前端縁が通過するの
が検出されると、第２の搬送手段を、下流端部を回転中
心として回転することで分離板部材が上方に持ち上げら
れ、前記分離板部材の先端縁が前記天板の上面に接触す
る分離動作位置とされ、前記分離板部材によって天板か
ら食品が分離される。

【００１４】請求項４に記載のように、前記可撓性ベル
ト部材は、外周面全体に沿って表面カバー材が着脱可能
に装着されている構成とすることもできる。ここで、可
撓性ベルト部材の外周面に沿って表面カバー材（例えば
クッション材）を着脱可能に装着する手段としては、例
えば両面テープを用いることができる。

【００１５】このようにすれば、可撓性ベルト部材の外
周面全体に沿って表面カバー材が着脱可能に装着されて
いるので、表面カバー材は可撓性ベルト部材に一体化さ
れ、可撓性ベルト部材のみの場合と同様に機能する。ま
た、この場合、食品の粉や油脂で汚れるのは、可撓性ベ
ルト部材そのものではなく、それを覆っている表面カバ
ー材であるので、表面カバー材を定期的に交換するなど
して、可撓性ベルト部材のきれいな状態を長期間にわた
って維持することができる。よって、可撓性ベルト部材
そのものを定期的に清掃する必要がなくなる。

【００１６】請求項５の発明のように、表面カバー材を
設けるのに代えて、請求項６に記載のように、さらに、
前記可撓性ベルト部材の山部に押し付けられて前記山部
の付着物を取り除くワイパー部材と、前記ワイパー部材
を前記可撓性ベルト部材のベルト幅方向において往復移
動させる駆動手段と、前記可撓性ベルト部材の谷部に対
しベルト幅方向に空気を吹き付けて前記谷部の付着物を
吹き飛ばす空気吹き付け手段とを備えるようにすること
もできる。

【００１７】このようにすれば、ワイパー部材を可撓性
ベルト部材の山部に押し付け、駆動手段にてベルト幅方
向において往復移動させることで、その山部の付着物を
除去する。一方、可撓性ベルト部材の谷部に対しては、
空気吹き付け手段によってベルト幅方向に空気を吹き付
けて、前記谷部の付着物を吹き飛ばすようにする。これ
により、ワイパー部材と空気の吹き付けとの併用により
可撓性ベルト部材の表面をきれいな状態に維持すること
ができる。このように、可撓性ベルト部材の表面形状に
応じて清掃方法を変更することで、効率よく清掃が行わ
れる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に沿って説明する。

【００１９】図１は本発明に係る菓子類（食品）の分離
装置の要部正面図、図２は同要部平面図である。

【００２０】図１及び図２に示すように、本発明に係る
菓子類（食品）の分離装置１は、チェーンコンベヤ２
（第１の搬送手段）によって矩形板状の天板３が搬送さ
れ、その天板３上に配列されている菓子類を前記天板３
から分離し、その分離した菓子類をベルトコンベヤ４
（第２の搬送手段）によって送って搬送させるものであ
る。なお、前記天板３はマグネットを介してチェーンコ
ンベヤ２上に吸着されている。

【００２１】具体的には、例えば菓子類を天板３上に規
則的に配列して載せ、オーブンで焼き上げ、その焼き上
げ後一定時間の走行により冷却された前記天板３及び菓
子類が、チェーンコンベヤ２（第１の搬送手段）によっ
て搬送される。

【００２２】このチェーンコンベヤ２は、傾斜して設け
られており、搬送方向に向かって高さが低く（図１にお
いて左下がりに）なっている。そのチェーンコンベヤ２
による搬送経路の途中において、上方に、前記ベルトコ
ンベヤ４が設けられている。このベルトコンベヤ４は、
前記チェーンコンベヤ３とは逆に搬送方向に向かって高
さが低く（図１において左上がりに）なっており、その
下流端部に、菓子類と天板３との間に挿入されそれらを
分離するための分離板部材５が取り付けられ、この分離
板部材５はベルトコンベヤ４に一体化されている。この
分離板部材５は、例えばプラスチックによって、菓子類
と天板３との間への挿入が容易になるように薄板状に形
成されている。

【００２３】前記チェーンコンベヤ２は、下側に位置す
る駆動軸１１と、上側に位置する従動軸１２と、前記各
軸１１，１２に設けられた駆動側及び従動側スプロケッ
ト１３，１４と、この両スプロケット１３，１４の間に
巻き掛けられたチェーン１５とを備える。そして、前記
駆動軸１１は、図示しない駆動モータによって回転駆動
されるようになっている。

【００２４】前記チェーンコンベヤ２の上方であって前
記分離板部材５が設けられている位置付近に、前記天板
３又は分離板部材５に対し上に前記菓子類を軽く押し付
けつつベルトコンベヤ４側に送る押圧送り手段２１が設
けられている。この押圧送り手段２１は、図３及び図４
に示すように、回転駆動される可撓性ベルト部材２２を
有する。駆動モータ２３によって減速機２４を介して回
転駆動される駆動軸２５及び従動軸２６に固定されたス
プロケット２７，２８の間にチェーン３１が巻き掛けら
れ、そのチェーン３１に対し、図５に示すように、山部
２２Ａと谷部２２Ｂとが交互に繰り返される断面波形形
状になるように可撓性ベルト部材２２が取付具３２にて
取り付けられている。

【００２５】前記可撓性ベルト部材２２は、その谷部２
２Ｂの部位で取付具（図示せず）にてチェーン３１に取
り付けられることで、山部２２Ａは内部に空気層Ｓを有
する中空状態とされ、山部２２Ａの山頂部分（先端部
分）は周方向のいずれの方向にも変位可能な自由端とな
っている。そして、チェーン３１が回転駆動されること
で、それに取り付けられた可撓性ベルト部材２２も断面
波形形状を維持して回転する。前記可撓性ベルト部材２
２は、例えばポリエステル織布にウレタンコーティング
層が積層されているベルト素材によって構成される。

【００２６】前記駆動軸２５と従動軸２６とは、左右の
内側板３３の間に回転可能に支持され、前記駆動軸２５
は、さらに前記内側板３３の外側に位置する外側板３４
にも回転可能に支承され、前記駆動軸２５の一端部が、
前述したように外側板３４の外側に位置する駆動モータ
２３に減速機２４介して連結されている。そして、外側
板３４に設けられた取付部材３５が基台フレーム（図示
せず）に取り付けられている。

【００２７】この可撓性ベルト部材２２が回転駆動され
ることによって、天板３上に前記菓子類が押し付けられ
た状態で、前記天板３と菓子類との分離が行われ、分離
された菓子類が、分離板部材５の上面を経てベルトコン
ベヤ４上に送られる。この際、可撓性ベルト部材２２に
て押し付けられた状態で、分離板部材５によって分離さ
れ、ベルトコンベヤ４に向かって送られるようになって
いるので、菓子類が壊れることがなく、また、配列が乱
れることもほとんどない。

【００２８】前記ベルトコンベヤ４は、搬送方向下流端
であって上側に位置する回転プーリ４１と、搬送方向上
流端であって下側に位置し幅方向に長い断面円形状のロ
ッド部材４２との間に、搬送用コンベヤベルト４３が巻
き掛けられてなり、前記チェーンコンベヤ２と同一速度
で回転するようになっている。なお、前記回転プーリ４
１は、図示しない駆動モータにより減速機を介して回転
駆動されるようになっている。また、上流端を構成する
ロッド部材４２に、左右の取付ブラケット４６を介して
分離板部材５の基端部が取り付けられている。また、前
記分離板部材５のすぐ上流側には、前記天板３の前端縁
の通過を検出する通過検出手段（例えば近接スイッチ）
が設けられている。

【００２９】また、前記ベルトコンベヤ４は、前記回転
プーリ４１の回転軸４１ａがコンベフレーム（図示せ
ず）に軸受５６を介して回転可能に支承されると共に、
それの外側でさらに別の軸受（図示せず）を介して基台
フレームにも回転可能に支承され、二重軸受構造とされ
ている。そして、図示しないアクチュエータにてコンベ
ヤフレーム（ベルトコンベヤ４）を、図１において反時
計方向に前記回転軸４１ａ回りに回転させることで、分
離板部材５を上方に少し持ち上げることができるように
なっている。

【００３０】これにより、前記通過検出手段によって天
板３の通過が検出されると、前記通過検出手段よりの信
号を受けて制御手段（図示せず）がアクチュエータを動
作させる。これにより、前記コンベヤフレームが図１に
おいて反時計方向に回転して、前記分離板部材５を上方
に変位させ、前記分離板部材５の先端縁が、前記天板３
の上面に接触し菓子類を天板３から分離する分離動作位
置とするようになっている。このとき、アクチュエータ
によるコンベヤフレームの持ち上げ動作は解除されてい
るので、前記分離動作位置では、前記コンベヤフレーム
（ベルトコンベヤ４全体）が図１において時計方向に回
転しようとする結果、分離板部材５の先端縁が天板３の
上面を押さえ付けるようになり、その押さえ付ける状態
でもって、天板３と菓子類との間に無理なく挿入される
ことになる。

【００３１】このようにして、菓子類が載置された天板
３がチェーンコンベヤ２にて上側から下側に向かって搬
送され、その搬送の途中において分離板部材５にて菓子
類が天板３より分離されて上方に持ち上げられ、その菓
子類が、押圧送り手段２１によって押圧されつつ前記ベ
ルトコンベヤ４のコンベヤベルト４３上まで搬送され、
前記ベルトコンベヤ４によって搬送される。一方、菓子
類が分離された天板３は、そのままチェーンコンベヤ２
によって搬送される。

【００３２】前記チェーンコンベヤ２、押圧送り手段２
１、分離板部材５及びベルトコンベヤ４によって、前記
菓子類の分離装置１が構成されている。

【００３３】上記分離装置１の動作について説明する。

【００３４】例えば菓子類を天板３に規則的に配列して
載せ、オーブンで焼き上げ、その焼き上げ後オーブンか
ら取り出される。焼き上げられた菓子類が配置された前
記天板３がチェーンコンベヤ２上に載置され、チェーン
コンベヤ２によって、菓子類が載せられている天板３が
搬送される。

【００３５】その搬送の途中において、押圧送り手段２
１によって菓子類が天板３に対し押し付けられ、押圧送
り手段２１の可撓性ベルト部材２２によって押し付けら
れた状態で、菓子類と天板３との間に分離板部材５が挿
入される。この際、駆動手段によって駆動軸２５が回転
駆動されると、前記駆動軸２５及び従動軸２６の周囲
に、山部２２Ａと谷部２２Ｂとが交互に繰り返される断
面波形形状になるように取り付けられた可撓性ベルト部
材２２が、菓子類に無理な力が作用しないように押圧し
つつ、ベルトコンベヤ４側に送る。このとき、可撓性ベ
ルト部材２２が、山部と谷部とが交互に繰り返される断
面波形形状であり、山部２２Ａ内に空気層Ｓが形成さ
れ、その可撓性ベルト部材２２にて押し付けられた状態
で、分離されるので、菓子類に無理な力が作用すること
なく、分離されることとなり、菓子類が壊れることがな
く、また、配列が乱れることもほとんどない。

【００３６】このように、前記分離板部材５の挿入に
て、天板３から分離された菓子類は、可撓性ベルト部材
２２の回転によってベルトコンベヤ４の搬送面上に移動
し、次の工程に搬送される。一方、菓子類が分離された
天板３は、そのままチェーンコンベヤ２によって搬送さ
れる。

【００３７】前記実施の形態においては、可撓性ベルト
部材２２を単に設けているだけであるが、可撓性ベルト
部材２２の外周面に沿って表面カバー材（例えばクッシ
ョンシート材）を、両面テープなどの取付手段を用いて
着脱可能に装着することも可能である。

【００３８】このようにすれば、菓子類を搬送すること
により、その菓子類の粉や油脂で汚れるのは、表面カバ
ー材となり、可撓性ベルト部材２２自体は汚れないの
で、表面カバー材を定期的に交換するなどすることで、
菓子類に接触する可撓性ベルト部材２２（表面カバー
材）をいつもきれいな状態とすることが可能となる。よ
って、可撓性ベルト部材２２の表面自体についての定期
的な清掃は必要なくなる。

【００３９】また、そのような表面カバー材を設けるの
に代えて、図６に示すように、前記可撓性ベルト部材２
２の表面に押し付けられて可撓性ベルト部材２２の山部
２２Ａの付着物を除去するワイパー部材６１と、空気を
谷部２２Ｂの方向Ａに沿って吹き付けて谷部の付着物を
吹き飛ばす空気吹き付け手段（図示せず）とを設ける構
成とすることもできる。この場合、ワイパー部材６１
は、可撓性ベルト部材２２の幅方向に延びるガイド部材
６２に沿って、図示しない駆動手段（例えばロッドレス
シリンダ）によって必要時に往復移動せしめるようにな
っている。

【００４０】このようにしても、ワイパー部材６１を可
撓性ベルト部材２２の表面に押し付けて山部２２Ａの付
着物を除去する一方、空気を吹き付けて谷部２２Ｂの付
着物を吹き飛ばすことで、表面カバー材を設ける場合と
同様に、菓子類に接触する可撓性ベルト部材２２（表面
カバー材）をいつもきれいな状態とすることが可能とな
る。

【００４１】前記実施の形態においては、菓子類を天板
３上に配列してチェーンコンベヤ３（第１の搬送手段）
にて搬送する場合について説明しているが、本発明はそ
れに限定されるものではなく、第１の搬送手段が、バン
ドオーブンやキャタピラーオーブンに用いられているコ
ンベヤである場合には、そのコンベヤの、菓子類を直接
に搬送する搬送部材と菓子類との間に、耐熱性を有する
分離板部材（例えばシリコン系樹脂など）を挿入するよ
うに構成することで、同様に適用することができる。ま
た、分離するのも菓子類に限定されず、食品素材など、
壊れやすい食品であれば適用することができるのはいう
までもない。

【００４２】

【発明の効果】この発明は、以上に説明したように実施
され、以下に述べるような効果を奏する。

【００４３】請求項１の発明は、第１の搬送手段による
搬送の途中において、押圧送り手段の可撓性ベルト部材
を食品に押圧し、可撓性ベルト部材によって押圧された
状態の食品と第１の搬送手段との間に分離板部材を挿入
し、その分離板部材の挿入にて、食品を第１の搬送手段
から分離するようにしているので、食品を壊すことな
く、また、配列を乱すことなく、第１の搬送手段からの
食品の分離を実現することができる。

【００４４】請求項２に記載のように、前記可撓性ベル
ト部材を、山部と谷部とが交互に繰り返される断面波形
形状になるように構成された可撓性材料でもって形成
し、前記断面波形形状を維持して前記押圧送り部材を回
転させる回転手段に連係するようにしているので、回転
手段によって可撓性ベルト部材が、断面波形形状を維持
して回転駆動されると、可撓性ベルト部材が、その構造
と変形容易な材料から形成されていることと相俟って、
食品に無理な力が作用しないようにして、食品を押圧し
つつ所定の搬送方向に送るようにすることができる。

【００４５】請求項３に記載のように、分離板部材の上
流側で天板の前端縁の通過が通過検出手段によって検出
されると、分離板部材が上方に持ち上げ、前記天板の上
面に接触する分離動作位置となるようにすれば、食品を
天板を用いて搬送する場合にも、食品と第１の搬送手段
の搬送部材若しくは天板との分離を行うことができる。

【００４６】請求項４に記載のように、前記可撓性ベル
ト部材の外周面に沿って表面カバー材を着脱可能に装着
するようにすれば、食品の粉や油脂で汚れるのは、可撓
性ベルト部材そのものではなく、それを覆っている表面
カバー材となり、表面カバー材を定期的に交換するなど
して、可撓性ベルト部材のきれいな状態を長期間にわた
って維持することができる。すなわち、可撓性ベルト部
材を定期的に清掃する必要がなくなる。

【００４７】請求項５に記載のように、清掃手段のワイ
パー部材を押し付けて可撓性ベルト部材の表面に押し付
けて山部の付着物を除去する一方、空気を吹き付けて谷
部の付着物を吹き飛ばすようにしているので、可撓性ベ
ルト部材のきれいな状態を長期間にわたって維持するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る菓子類の分離装置の正面図であ
る。

【図２】同平面図である。

【図３】本発明に係る押圧送り手段の正面図である。

【図４】同平面図である。

【図５】本発明に係る可撓性ベルト部材の、チェーンへ
の取り付け状態を示す説明図である。

【図６】本発明に係る可撓性ベルト部材の清掃手段を示
す説明図である。

【符号の説明】

１ 菓子類の分離装置 ２ チェーンコンベヤ（第１の搬送手段） ３ 天板 ４ ベルトコンベヤ（第２の搬送手段） ５ 分離板部材 ２１ 押圧送り手段 ２２ 可撓性ベルト部材 ２２Ａ 山部 ２２Ｂ 谷部 ３１ チェーン

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の搬送手段の搬送部材上に配列され
   た食品、若しくは前記第１の搬送手段によって搬送され
   る天板上に配列された食品を、前記搬送部材又は天板か
   ら分離し、その分離した食品を第２の搬送手段によって
   搬送させる食品の分離装置であって、 前記第２の搬送手段の搬送方向上流端部に設けられ、前
   記食品と搬送部材若しくは天板との間に挿入されること
   で前記搬送部材若しくは天板から食品を分離させる分離
   板部材と、 変形容易な材料から形成される可撓性ベルト部材を有
   し、前記搬送部材若しくは天板又は前記分離板部材に対
   し前記可撓性ベルト部材が前記食品を押圧しつつ第２の
   搬送手段に送る押圧送り手段とを備えることを特徴とす
   る食品の分離装置。
2. 【請求項２】 前記可撓性ベルト部材は、回転駆動され
   る回転部材に、山部と谷部とが周方向に交互に繰り返さ
   れ断面波形形状になるように取り付けられている請求項
   １記載の食品の分離装置。
3. 【請求項３】 前記第１の搬送手段は、食品が配列され
   た天板を搬送するものであり、 前記分離板部材の上流側において前記天板の前端縁の通
   過を検出する通過検出手段が設けられ、 前記第２の搬送手段はそれの下流端部が、水平方向の回
   転軸回りに回転可能に支持され、 前記通過検出手段よりの信号を受けて制御手段が、前記
   第２の搬送手段の下流端部を回転させて前記分離板部材
   を、前記分離板部材の先端縁が前記天板の上面に接触す
   る分離動作位置とするように構成されている請求項１又
   は２記載の食品の分離装置。
4. 【請求項４】 前記可撓性ベルト部材は、外周面全体に
   沿って表面カバー材が着脱可能に装着されている請求項
   ２〜４のいずれかに記載の食品の分離装置。
5. 【請求項５】 さらに、前記可撓性ベルト部材の山部に
   押し付けられて前記山部の付着物を取り除くワイパー部
   材と、前記ワイパー部材を前記可撓性ベルト部材のベル
   ト幅方向において往復移動させる駆動手段と、前記可撓
   性ベルト部材の谷部に対しベルト幅方向に空気を吹き付
   けて前記谷部の付着物を吹き飛ばす空気吹き付け手段と
   を備える請求項２〜４のいずれかに記載の食品の分離装
   置。