JP2003070282A - モータ制御方法およびモータ制御装置 - Google Patents

モータ制御方法およびモータ制御装置

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JP2003070282A
JP2003070282A JP2001258928A JP2001258928A JP2003070282A JP 2003070282 A JP2003070282 A JP 2003070282A JP 2001258928 A JP2001258928 A JP 2001258928A JP 2001258928 A JP2001258928 A JP 2001258928A JP 2003070282 A JP2003070282 A JP 2003070282A
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rotation speed
motor
torque
torque pattern
fluctuation
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JP2001258928A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kameyama
浩幸 亀山
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1回転中における負荷トルクの変動が大きい
モータに対して、回転の変動を抑制して、ハンチングを
防ぎ、負荷からの振動、騒音を減らす。 【解決手段】 モータ1回転での平均回転数を検出し、
この回転数を目標回転数と比較する。比較結果より、回
転数の変動状態が安定状態か過渡状態かを判定する。安
定状態であれば、目標回転数に応じてトルクパターンを
選択する。過渡状態であれば、平均回転数に応じてトル
クパターンを選択する。トルクパターンの頻繁な変更が
抑制され、モータの回転数は安定状態を維持し、ハンチ
ングは発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機や冷蔵
庫などのコンプレッサに用いる直流ブラシレスモータ等
のコンプレッサ駆動用モータの回転制御方法に関し、特
に詳しくは振動や騒音の軽減を可能とするモータ制御方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に空気調和機、冷蔵庫などに用い
られているコンプレッサは冷凍サイクルの重要な構成部
品であり、冷媒を圧縮して高温・高圧状態にする。通常
この圧縮動作は大きく3つの行程に分けられ、まずコン
プレッサのシリンダ内に冷媒を満たす吸入行程があり、
次にシリンダ内の冷媒を圧縮する圧縮行程があり、最後
に圧縮した冷媒を外部に放出する吐出行程がある。
【0003】コンプレッサは、その圧縮機構によりロー
タリ方式、レシプロ方式、スクロール方式などがある。
なかでもロータリ方式は他方式に比べ、構造が簡単で部
品点数も少なく、低コストであり、シリンダ部分の構造
により圧縮効率も良く、高効率化が容易であるといった
利点がある。
【0004】ただし、このロータリ方式では、偏心した
ロータリピストンがシリンダ内部で回転することによ
り、吸入・圧縮・吐出の各行程を行っている。このた
め、1回転中の吸入・圧縮・吐出による負荷変動と回転
軸の偏心により、振動や騒音が大きくなるといった問題
があった。
【0005】ロータリ方式のコンプレッサには、シリン
ダ部分を2つとして、ロータリピストンの回転を180
度ずらして、お互いの振動を打ち消すようにしたツイン
ロータリ方式が実用化されている。しかしながら、シリ
ンダ部分が1つのシングルロータリ方式に比べ、構造が
複雑になり、コストが上がり、効率も低下するといった
問題がある。
【0006】そこで、シングルロータリ方式のコンプレ
ッサを駆動するモータのモータトルクを制御して、振
動、騒音を抑制する方法が提案されている。この方法
は、負荷トルクの大きい位置では、モータトルクを大き
くし、逆に負荷トルクの小さくなる位置では、モータト
ルクをカットして、1回転中のロータ速度を一定にし
て、振動を低減させるというものである。
【0007】この種の方法としては、コンプレッサの吸
入行程および圧縮行程による負荷トルクの変動に対応す
るように予めトルクパターンをメモリに記憶しておき、
トルクパターンにしたがってロータの回転位置に応じて
インバータの出力電圧を変化させ、1回転中におけるト
ルク制御を行う。なお、モータとしては、ブラシレスモ
ータが運転効率や振動低減の点から多く用いられ、ロー
タ位置に応じてインバータの出力電圧を変化させること
ができ、トルク制御を容易に行えるといった利点があ
る。
【0008】ここで、トルクパターンがモータの回転数
の高低にかかわらず常に固定されたものである場合、広
い回転数範囲において十分な振動抑制能力を発揮できな
い。そのため、予め複数のトルクパターンを記憶してお
き、回転数に応じて選択するようになっている。例え
ば、特開平6−311778号公報に、複数のトルクパ
ターンを用いて、トルクを制御するモータの制御方法が
開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記モ
ータ制御方法においては、トルクパターンを変化させた
とき、モータ1回転中における平均トルクの変化が考慮
されていない。トルクパターンの変化によりトルク補償
量の平均が増減すると、モータ1回転中の平均トルクも
増減し、ひいては回転数変動が発生する。この回転数変
動が発生したときの回転数が、トルクパターン変更が実
行される設定回転数付近であると、ハンチング状態に陥
り、常にトルクパターンの変更が発生し、回転数が安定
しないという不具合を生じる可能性がある。
【0010】本発明は、上記課題に鑑み、モータの回転
数変動を抑制して、低振動、低騒音化を図ることができ
るモータ制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、複数のトルクパターンの中からモータの回転数に
応じたトルクパターンを選択して、このトルクパターン
に基づいてPWMデューティを設定し、このPWMデュ
ーティに応じた駆動信号をモータを駆動するためのイン
バータに出力することにより、1回転中に負荷トルクの
変動があるモータにおけるトルク制御を行い、モータの
回転数の変動を検出して、その変動状態を判断し、モー
タの回転変動によるハンチングが生じないように前記ト
ルクパターンの変更の有無を決定するものである。
【0012】具体的には、目標回転数に基づいてPWM
デューティを設定し、モータの回転数に基づいて複数の
トルクパターンの中からトルクパターンを選択し、この
トルクパターンに基づいて前記PWMデューティを補正
して、補正後のPWMデューティに応じた駆動信号をモ
ータを駆動するためのインバータに出力することによ
り、1回転中に負荷トルクの変動があるモータにおける
トルク制御を行い、モータの回転数の変動を検出して、
モータの回転変動によるハンチングが生じないように、
回転数の変動が小さい安定状態の場合には、目標回転数
に応じて前記トルクパターンを選択し、回転数の変動が
大きい過渡状態の場合には、回転数に応じて前記トルク
パターンを選択するものである。
【0013】上記のような制御を行うモータ制御装置
は、1回転中における負荷トルクの変動が大きいモータ
に適用されるものであって、特に空気調和機や冷蔵庫の
コンプレッサを駆動するためのモータのトルク制御に好
適である。そして、モータ制御装置は、モータの回転数
を検出する手段と、目標回転数に基づいてPWMデュー
ティを設定する手段と、検出された回転数に基づいて複
数のトルクパターンの中からトルクパターンを選択する
手段と、このトルクパターンに基づいて前記PWMデュ
ーティを補正する手段と、補正されたPWMデューティ
に応じた駆動信号をモータを駆動するためのインバータ
に出力する手段とを備え、さらにモータの回転変動によ
るハンチングが生じないように、検出された回転数から
変動状態を判断して、回転数の変動が小さい安定状態の
場合、目標回転数に応じて前記トルクパターンを選択
し、回転数の変動が大きい過渡状態の場合、回転数に応
じて前記トルクパターンを選択する手段が設けられる。
【0014】このような制御を行うことにより、回転数
の変動状態が安定状態の場合には、目標回転数に応じた
トルクパターンが選択されるので、通常はトルクパター
ンが変更される確率は低い。過渡状態の場合には、回転
数に応じたトルクパターンが選択されるので、トルクパ
ターンの変更が行われる。したがって、トルクパターン
の変更に起因する回転のハンチングを回避することがで
き、1回転中の回数数変動を抑制でき、モータの回転数
の安定化を図れる。
【0015】そして、変動状態の判定は、目標回転数と
検出された回転数との差に基づいて行うものとする。す
なわち、目標回転数と検出された回転数との差が所定回
転数未満であれば、安定状態であると判定し、所定回転
数以上であれば、過渡状態であると判定する。
【0016】さらに、所定回転数未満の状態が所定時間
維持された場合に、安定状態とみなすようにしてもよ
い。この所定時間は、連続した時間のみならず、ある一
定時間のうちこの状態となった合計の時間とされる。所
定時間に達しなければ、過渡状態とみなす。
【0017】所定回転数の値は、1つのトルクパターン
に対応する設定回転数範囲より小とすることが好まし
い。設定回転数範囲より大きいと、トルクパターンが変
更されるとき、そのパターンの変化が大きくなって、ト
ルクの変動が大きくなりすぎ、振動や騒音の抑制効果が
得られない。
【0018】また、判定基準である所定回転数に対して
ヒステリシス幅を設けるとよい。このとき、ヒステリシ
ス幅をトルクパターン変更時の回転数変動量より大きく
設定する。ヒステリシス幅を設けることにより、回転数
の検出誤差やノイズの影響を排除でき、トルクパターン
を変更する頻度が減って、制御の安定性が高まる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態のモータ制御
装置を図1に示す。このモータ制御装置は、空気調和機
あるいは冷蔵庫における冷凍サイクルのコンプレッサを
駆動するためのブラシレスモータのトルク制御を行うた
めのものである。図1において、交流電源1から商用電
源の交流電圧がリアクタ2を介して整流回路3に与えら
れる。リアクタ2は、平滑回路4での力率低下を改善す
るための力率改善回路として挿入されている。整流回路
3は交流電圧を直流電圧に整流し、平滑回路4によって
直流電圧のリップル分が平滑化される。ここでは、全波
整流回路になっているが、倍電圧整流回路であってもよ
い。
【0020】整流された直流電圧はインバータ回路5に
与えられる。インバータ回路5は、6個の半導体スイッ
チング素子5a〜5fが3相ブリッジ状に結線されてお
り、インバータ回路5の出力電圧は3相ブラシレスモー
タ6に接続されている。
【0021】モータ6の3相各巻線には誘起電圧検出回
路7a〜7cおよび基準電圧検出回路8の入力端が接続
され、これらの誘起電圧検出回路7a〜7cによってロ
ータ位置に応じた誘起電圧が検出され、その検出電圧は
比較検出回路9a〜9cの比較入力端に与えられる。比
較検出回路9a〜9cの基準入力端には、基準電圧検出
回路8から基準電圧が与えられる。基準電圧検出回路8
は、モータ6の3相各巻線を結線することで仮想中性点
を作った基準電圧を出力する。比較検出回路9a〜9c
は、検出された誘起電圧と基準電圧を比較し、ロータ位
置に応じたパルス信号を出力する。ロータが4極の場
合、1回転あたり12個のパルスが発生されて、制御回
路10に与えられる。マイクロコンピュータからなる制
御回路10は、検出されたロータ位置信号に基づきイン
バータ回路5の各半導体スイッチング素子5a〜5fを
転流させる駆動信号を作成し、ドライブ回路11に出力
する。
【0022】モータ制御装置の動作を図2を参照して説
明する。制御回路10は、ステップ1(S1)におい
て、目標回転数N1で回転させるための指令信号が与え
られると、S2において、平均回転数制御PWMデュー
ティAを設定する。制御回路10は、デューティAに応
じた駆動信号を出力してインバータ回路5を駆動する。
S3において、各検出回路7a〜7c、8、9a〜9c
からの出力によって、そのときのモータ6の平均回転数
Nが検出される。
【0023】制御回路10では、S4において、現在の
平均回転数Nが目標回転数N1と一致しているか否かを
判別し、一致していなければ、S5において現在の平均
回転数Nが目標回転数N1よりも少ないかあるいは多い
かを比較する。現在の平均回転数Nが目標回転数N1よ
りも多ければ、S6で平均回転数制御PWMデューティ
Aを減少し、逆に現在の平均回転数Nが目標回転数N1
よりも少なければ、S7で平均回転数制御PWMデュー
ティAを増大するように、PWMデューティの変更を行
う。この動作を繰り返すことによって、平均回転数制御
PWMデューティAが調整され、モータ6の平均回転数
を制御する平均回転数制御が行われる。
【0024】さらに、制御回路10は、図示しないメモ
リに記憶されている複数のトルクパターンから現在の回
転数に応じたトルクパターンを選択して読み出し、この
読み出されたトルクパターンを用いて平均回転数PWM
デューティAを補償して、最終的に出力PWMデューテ
ィとする。このように、補正されたPWMデューティに
基づいた駆動信号がドライブ回路11からインバータ回
路5に出力され、モータ6の1回転中の瞬時回転数変動
を抑制する回転数変動制御が行われる。そして、PWM
デューティが変更されることによって、モータ6に印加
する電圧または電流が変更され、回転数およびトルクを
制御できる。
【0025】図3にモータ制御装置の各部の出力波形を
示す。図中(a)は、モータ6の各巻線からの誘起電圧
波形と基準電圧を示している。モータ6のロータ磁極が
4極であれば、1回転すると磁極の変化が4回発生する
ので、誘起電圧波形は2周期分発生する。また、モータ
6は3相スター結線されており、各々の巻線で発生した
誘起電圧波形は、120°ずつ位相がずれた状態にな
る。この誘起電圧と基準電圧を比較した結果が、(b)
のロータ位置信号波形である。誘起電圧が基準電圧より
大きいときは、比較結果が「H」レベルになり、逆に小
さいときには「L」レベルになるように出力される。磁
極の変化する誘起電圧波形のゼロクロス点で、立ち上が
りまたは立ち下がリエッジのパルスが得られ、比較検出
回路9a〜9cからロータ位置信号が出力される。この
エッジパルスはモータ6の1回転で12個発生し、ロー
タの絶対位置を12個の区間で検出できる。ただし、
(a)の誘起電圧波形と(b)のロータ位置信号波形で
は、同巻線では同位相になるように示しているが、実際
は誘起電圧検出の方法により、誘起電圧とロータ位置信
号には位相の遅れが生じる。制御回路10では、このロ
ータ位置信号に基づきモータ6を駆動する信号を作成す
る。
【0026】(c)は、インバータ回路5に対する駆動
信号を示し、例えばロータ位置信号Huの立ち上がりエ
ッジが検出されれば、U相上アームのスイッチング素子
5aがオンする。次にHvの立ち上がりエッジが検出さ
れると、U相上アームのスイッチング素子5aがオフし
て、V相上アームのスイッチング素子5bがオンする。
また、Hwの立ち下がりエッジが検出されると、V相下
アームのスイッチング素子5eからW相下アームのスイ
ッチング素子5fに転流される。このようにロータ位置
信号のエッジを検出する毎に、順次インバータ回路5の
スイッチング素子5a〜5fを転流させて、モータ6を
駆動する。
【0027】また、回転数とトルクを制御するため、通
常駆動信号にPWMチョッピングを重畳させて、モータ
印加電圧、電流を制御する。なお、図中では上アームの
みにPWMチョッピングしているが、下アームであって
もよいし、上下アームであってもよい。
【0028】ところで、シングルロータリ方式のコンプ
レッサでは、図4に示すように、1回転中の負荷トルク
変動が大きい。この負荷トルク変動に対応するように、
1回転中においてPWMデューティを変化させるトルク
パターンが回転数毎に複数設定されている。図5に示す
ように、予めロータの機械的位置毎のトルク補償量であ
るデータを1つのトルクパターンとして設定回転数範囲
毎にROM等の記憶手段に記憶しておく。なお、ROM
化するデータとしては、モータトルクをPWMデューテ
ィにより制御する場合、PWMデューティの補償量であ
り、概ね負荷トルクの大きい区間は電流が大きくなるよ
うにPWMデューティを補償し、負荷トルクの小さい区
間は電流が少なくなるようにPWMデューティを補償す
るものである。これらのデータは、コンプレッサの振
動、騒音が低くなるように、またモータ6の効率が高く
なるように、実験やシミュレーションにより調整を行い
決定される。また、その補償量も負荷に応じて変化させ
る必要がある。そこで、回転数を複数の領域に分け、検
出された回転数が属する設定回転数範囲に対応するトル
クパターンを記憶手段から読み出して、PWMデューテ
ィを補償することにより、トルク制御性能を向上させる
ことができる。
【0029】そして、ロータの機械的位置に対応したス
テートに応じて所定のPWMデューティ補償量(補償係
数)を記憶手段から読み出して、各ロータの機械的位置
毎のPWMデューティを補正する。
【0030】ここで、ステートとは、図6に示すよう
に、ロータの1回転を各通電モードつまり転流毎に分割
したものであり、4極ブラシレスモータでは、12分割
され、ステート0〜ステート11までの12ステートを
持つ。ただし、ステートnとステートn+6(n:0〜
5の整数)の通電モードは同一である。
【0031】例えば、平均回転数制御PWMデューティ
を補正して得られる出力PWMデューティは、図5のP
WMデューティ補償係数を用いて次式のように示され
る。 出力PWMデューティ=平均回転数制御PWMデューテ
ィ+PWMデューティ補償係数×平均回転数制御PWM
デューティ
【0032】このような複数のトルクパターンを用いた
モータ制御方法において、回転数が変動して、トルクパ
ターンが異なるトルクパターンに移行する変更時には、
トルクパターンの変更によりPWMデューティ補償係数
の平均が増減し、モータ6の1回転分の平均トルクも増
減するため、回転数変動が発生する。この回転数変動が
発生したときの回転数がトルクパターンを変更する回転
数付近であると、常にトルクパターンの変更が発生し、
回転数が安定せず、回転数のハンチングに至るという不
具合が生じる可能性がある。
【0033】以下に、ハンチングに至るシーケンスの一
例を示す。 負荷条件により、モータ6の回転数が下降し、ある回
転数範囲内において回転数がほぼ一定になる。 その回転数に応じたトルクパターンを選択し、モータ
トルクを補償する。 補償したことにより、モータ6の1回転分でのモータ
トルクの平均が若干大きくなる。 この結果、回転数が一時的に若干上昇する。 このとき、目標回転数がトルクパターン変更回転数よ
りわずかに小さい回転数であれば、回転数が上昇した結
果、新たに上位の回転数範囲内となり、トルクパターン
が変更され、モータトルクを補償する。 補償したことにより、モータ6の1回転分でのモータ
トルクの平均が若干小さくなる。 この結果、回転数が一時的に下降する。 再びの状態に戻り、以降これらの動作が繰り返され
ることにより、ハンチングが生じる。
【0034】例えば、平均回転数制御PWMデューティ
=10%において、平均回転数1000rpmに達し、
トルクパターンが図5のNo.9からNo.10に変更
した場合、1回転のPWMデューティ補償量の平均がト
ルクパターンNo.9に比べNo.10の方が小さく、
ひいては出力PWMデューティの平均が小さくなるた
め、目標回転数がトルクパターン変更回転数である10
00rpmよりわずかに小さい回転数であれば、上記の
ようなシーケンスによりモータ回転のハンチングが生じ
やすい。
【0035】そこで、モータ回転のハンチングが生じな
いように、制御回路10では、回転数の変動状態を判断
して、トルクパターンの変更の有無を決定する。すなわ
ち、モータ6の回転数の変動の大小により、回転数の変
動が小さい安定状態であれば、目標回転数に応じたトル
クパターンを選択し、回転数の変動が大きい過渡状態で
あれば、回転数に応じたトルクパターンを選択する。
【0036】このトルクパターン選択処理の動作を図7
に基づいて説明する。まず、比較検出回路9a〜9cか
らの出力によって、制御回路10がモータ1回転での平
均回転数の変動を検知したとき、ステップ8(S8)に
おいて、回転数の変動状態が安定状態か否かを判定す
る。安定状態であれば、S10において目標回転数に応
じてトルクパターンを選択する。過渡状態であれば、S
9において平均回転数に応じてトルクパターンを選択す
る。
【0037】このようにトルクパターンの選択を行う
と、下記´〜´に示す動作となり、上記の〜に
示すシーケンスによるハンチングは起こらない。 ´負荷条件により、モータ6の回転数が下降し、ある
回転数範囲内において回転数がほぼ一定になる。 ´回転数がほぼ一定な安定状態であるため、目標回転
数に応じたトルクパターンを選択し、モータトルクを補
償する。 ´補償したことにより、モータ6の1回転分でのモー
タトルクの平均が若干大きくなる。 ´この結果、回転数が一時的に若干上昇し、平均回転
数がトルクパターン変更回転数を超える。 ´しかし、安定状態では、目標回転数に応じたトルク
パターンを選択するため、目標回転数が一定であれば、
平均回転数がトルクパターン変更回転数を超えてもトル
クパターンの変更は行われない。
【0038】なお、過渡状態のとき、モータ6の回転数
の変動は大きく、トルク変動も大きくなり、モータトル
クを補償しなければならないので、トルクパターンは平
均回転数に応じて変更される。したがって、トルクパタ
ーンの頻繁な変更が抑制され、モータ6の回転数は安定
状態を維持し、モータ回転のハンチングは発生しない。
【0039】ここで、回転数の変動状態の判定方法とし
ては、制御回路10において目標回転数N1と平均回転
数Nとの差に基づいて行う。すなわち、両者の回転数差
ΔN(=N1−N)と所定回転数N2とを比較して、安
定状態であるか過渡状態であるかを判定する。
【0040】図8に示すように、S11で目標回転数N
1と平均回転数Nの回転数差ΔNを算出し、S12で所
定回転数N2を設定し、S13において回転数差ΔNの
絶対値が所定回転数N2未満であるか否かを判定する。
YES(ΔN<N2)であれば安定状態とみなし、S1
5で目標回転数に応じたトルクパターンを選択する。N
O(ΔN≧N2)であれば過渡状態とみなし、S14で
平均回転数に応じたトルクパターンを選択する。このよ
うに回転数差を用いれば、簡単に変動状態を判定するこ
とができる。
【0041】所定回転数は、各トルクパターンの設定回
転数範囲の幅より小さく設定するとよい。このようにす
れば、目標回転数に応じてトルクパターンを選択する場
合と平均回転数に応じてトルクパターンを選択する場合
が切り換わったとき、トルクパターンが変更される頻度
が少なくなる。すなわち、同じトルクパターンが選択さ
れるか、図5に示すトルクパターンテーブル上で隣り合
うトルクパターンに変更されるだけとなる。したがっ
て、トルクパターンの頻繁な変更が抑制され、モータの
トルク制御が安定しやすくなる。
【0042】例えば、図5に示すように、設定回転数範
囲は100rpm刻みであるので、所定回転数はこれよ
り小さくする。さらに、所定回転数は、平均回転数の大
小に応じて異なる値としてもよく、低回転数では小さい
値、高回転数では大きい値にすれば、判定精度を高める
ことができる。
【0043】他の判定方法として、回転数の検出を所定
時間継続して行い、回転数の変動状態の継続時間によっ
て判定する。すなわち、上記の回転数差が所定回転数未
満である状態が所定時間連続するか否かによって、安定
状態であるか過渡状態であるかを判定する。所定時間は
適宜設定されるが、モータ6が1回転する時間より短く
しておくことが好ましい。
【0044】図9に示すように、S16で目標回転数N
1と平均回転数Nの回転数差ΔNを算出し、S17で所
定回転数N2を設定し、S18において、回転数差ΔN
の絶対値が所定回転数N2未満であるか否かを判定す
る。YESであれば、さらにS19でこの状態が所定時
間連続しているか否かを判定する。所定時間連続してい
れば安定状態とみなし、S21で目標回転数に応じたト
ルクパターンを選択する。また、回転数差ΔNの絶対値
が所定回転数N2以上、あるいは回転数差ΔNの絶対値
が所定回転数N2未満であっても、この状態が所定時間
連続しなければ、過渡状態とみなし、S20で平均回転
数に応じたトルクパターンを選択する。
【0045】このように所定の判定時間を設定すること
により、回転数の検出誤差や瞬時の変動といった回転数
の変動に対する悪影響を排除することができ、判定精度
が高まって、モータ6のトルク制御が安定しやすくな
る。
【0046】また、判定基準である所定回転数に対して
ヒステリシス幅を設けるとよい。すなわち、図10に示
すように、S22で目標回転数N1と平均回転数Nの回
転数差ΔNを算出し、S23で上下の所定回転数N3、
N4を設定する。ここで、N3はN4より小さく、N3
とN4の差がヒステリシス幅となる。S24において、
回転数差ΔNの絶対値が所定回転数N3未満であるか否
かを判定する。YES(|ΔN|<N3)であれば、S
28で安定状態フラグをセットする。また、S24にお
いて、NO(|ΔN|≧N3)であれば、さらにS25
において、回転数差ΔNの絶対値が所定回転数N4より
大きいか否かを判定する。YES(|ΔN|>N4)で
あれば、S27で安定状態フラグをクリアする。NO
(|ΔN|≦N4)であれば、S26で安定状態フラグ
に対して何も行わず、前回の判定結果によって設定され
た安定状態フラグを維持する。S29で安定状態フラグ
がセットされているか否かを判定する。YESであれば
安定状態とみなし、S31で目標回転数に応じたトルク
パターンを選択する。NOであれば過渡状態とみなし、
S30で平均回転数に応じたトルクパターンを選択す
る。
【0047】このように所定回転数に対してヒステリシ
ス幅を設けておくことにより、検出された回転数の瞬時
値の大きな変動によって誤った判定をすることを防止で
き、制御の安定性が高まる。
【0048】また、ヒステリシス幅は、トルクパターン
変化時の回転数変動量より大きく設定しておく。例え
ば、トルクパターン変化時の回転数変動量が最も大きく
なるときの値を実験により測定し、その値よりヒステリ
シス幅を大きく設定するとよい。これによって、トルク
パターンの変更が少なくなり、さらに制御が安定しやく
なる。
【0049】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。回転数
変動の判定方法として、回転数の検出を所定時間連続し
て行う場合、回転数差が所定回転数未満である状態が所
定時間のうち設定された時間以上維持されたときに、安
定状態とみなし、設定された時間未満であれば、過渡状
態とみなすようにしてもよい。このようにすれば、回転
数の瞬間的な変動や検出時のノイズ等による誤判定を防
げる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、複数のトルクパターンを用いて、モータのトル
ク制御を行う場合、モータの回転数の変動状態に応じて
トルクパターンの変更を行うことにより、不要なトルク
パターンの変更が少なくなって、モータの1回転中の回
転数変動を抑制することができる。したがって、トルク
パターン変化に起因する回転のハンチングを回避でき、
モータの回転数の安定化を図ることができる。
【0051】そして、モータのトルク制御にマイクロコ
ンピュータを用いて、ソフト的に実現することにより、
コストアップ等の問題もない。そのため、モータをブラ
シレスモータとして空気調和機や冷蔵庫のコンプレッサ
の駆動に容易に適用することが可能となり、コンプレッ
サから発生する振動、騒音を低減することができる。特
に、低振動化、低騒音化を図るために、冷凍サイクルの
配管に余裕をもたせるといった特別な対策を施す必要が
なくなるので、配管が長くならず、空気調和機の室外機
や冷蔵庫をコンパクト化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のモータ制御装置の構成図
【図2】平均回転数制御のフローチャート
【図3】モータ制御装置の各部の出力波形を示す図
【図4】トルク制御時の負荷トルクとトルクパターンと
の関係を示す図
【図5】トルクパターンの一例を示す図
【図6】ステートに対する通電モードを示す図
【図7】トルクパターンを変更するときのフローチャー
【図8】トルクパターンを変更するとき、回転数差に基
づいて変動状態を判定する場合のフローチャート
【図9】トルクパターンを変更するとき、回転数差およ
び継続時間に基づいて変動状態を判定する場合のフロー
チャート
【図10】トルクパターンを変更するとき、判定基準と
なる回転数にヒステリシス幅を設けて変動状態を判定す
る場合のフローチャート
【符号の説明】
5 インバータ回路 6 モータ 7a〜7c 誘起電圧検出回路 8 基準電圧検出回路 9a〜9c 比較検出回路 10 制御回路 11 ドライブ回路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標回転数に基づいてPWMデューティ
    を設定し、モータの回転数に基づいて複数のトルクパタ
    ーンの中からトルクパターンを選択し、このトルクパタ
    ーンに基づいて前記PWMデューティを補正して、補正
    後のPWMデューティに応じた駆動信号をモータを駆動
    するためのインバータに出力することにより、1回転中
    に負荷トルクの変動があるモータにおけるトルクを制御
    するモータ制御方法であって、モータの回転数の変動を
    検出して、モータの回転変動によるハンチングが生じな
    いように、回転数の変動が小さい安定状態の場合には、
    目標回転数に応じて前記トルクパターンを選択し、回転
    数の変動が大きい過渡状態の場合には、回転数に応じて
    前記トルクパターンを選択することを特徴とするモータ
    制御方法。
  2. 【請求項2】 複数のトルクパターンの中からモータの
    回転数に応じたトルクパターンを選択して、このトルク
    パターンに基づいてPWMデューティを設定し、このP
    WMデューティに応じた駆動信号をモータを駆動するた
    めのインバータに出力することにより、1回転中に負荷
    トルクの変動があるモータにおけるトルクを制御するモ
    ータ制御方法であって、モータの回転数の変動を検出し
    て、その変動状態を判断し、モータの回転変動によるハ
    ンチングが生じないように前記トルクパターンの変更の
    有無を決定することを特徴とするモータ制御方法。
  3. 【請求項3】 変動状態が、回転数の変動が小さい安定
    状態の場合には、トルクパターンの変更を行わず、回転
    数の変動が大きい過渡状態の場合には、トルクパターン
    の変更を行うことを特徴とする請求項2記載のモータ制
    御方法。
  4. 【請求項4】 変動状態の判定は、目標回転数と回転数
    との差に基づいて行うことを特徴とする請求項1または
    3記載のモータ制御方法。
  5. 【請求項5】 変動状態の判定は、目標回転数と回転数
    との差が所定回転数未満である状態が所定時間維持され
    た場合、安定状態とみなすことを特徴とする請求項1ま
    たは3記載のモータ制御方法。
  6. 【請求項6】 所定回転数の値は、1つのトルクパター
    ンに対応する設定回転数範囲より小とされたことを特徴
    とする請求項5記載のモータ制御方法。
  7. 【請求項7】 判定基準である所定回転数に対してヒス
    テリシス幅を設けたことを特徴とする請求項4または5
    記載のモータ制御方法。
  8. 【請求項8】 ヒステリシス幅は、トルクパターン変更
    時の回転数変動量より大きく設定されたことを特徴とす
    る請求項7記載のモータ制御方法。
  9. 【請求項9】 目標回転数に基づいてPWMデューティ
    を設定する手段と、モータの回転数に基づいて複数のト
    ルクパターンの中からトルクパターンを選択する手段
    と、このトルクパターンに基づいて前記PWMデューテ
    ィを補正する手段と、補正されたPWMデューティに応
    じた駆動信号をモータを駆動するためのインバータに出
    力する手段とを備えたモータ制御装置において、モータ
    の回転数の変動を検出してその変動状態を判断し、モー
    タの回転変動によるハンチングが生じないように前記ト
    ルクパターンの変更を決定する手段が設けられ、該手段
    は、回転数の変動が小さい安定状態の場合、目標回転数
    に応じて前記トルクパターンを選択し、回転数の変動が
    大きい過渡状態の場合、回転数に応じて前記トルクパタ
    ーンを選択することを特徴とするモータ制御装置。
  10. 【請求項10】 コンプレッサ駆動用モータと、請求項
    9記載のモータ制御装置とを備えたことを特徴とする空
    気調和機。
  11. 【請求項11】 コンプレッサ駆動用モータと、請求項
    9記載のモータ制御装置とを備えたことを特徴とする冷
    蔵庫。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006191762A (ja) * 2005-01-07 2006-07-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータの駆動装置
JP7081654B1 (ja) 2020-12-21 2022-06-07 フジテック株式会社 エスカレーターの電動機の制御方法及び制御装置

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