JP2003068703A - 結晶基板への孔形成方法及び装置、並びに結晶基板 - Google Patents

結晶基板への孔形成方法及び装置、並びに結晶基板

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JP2003068703A
JP2003068703A JP2001252958A JP2001252958A JP2003068703A JP 2003068703 A JP2003068703 A JP 2003068703A JP 2001252958 A JP2001252958 A JP 2001252958A JP 2001252958 A JP2001252958 A JP 2001252958A JP 2003068703 A JP2003068703 A JP 2003068703A
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crystal substrate
forming
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electrolytic solution
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JP2001252958A
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English (en)
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Akinobu Satou
倬暢 佐藤
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱的あるいは機械的衝撃から素子を守ること
ができ、サイドブランチが形成されにくい、結晶基板へ
の孔形成方法及び装置、並びに結晶基板を提供するこ
と。 【解決手段】 電解槽21に、処理対象WOを表面10
aが上側になるように固定する。次に、電解槽21を第
1電解液EL1で満たす。この第1電解液EL1は、2.
5wt%程度の弗酸(HF)溶液である。次に、光照射
装置30からの紫外域のレーザ光LBを、窓部材22b
を介して処理対象WOの裏面に入射させる。次に、処理
対象WOの裏面電極を陽極とし、白金陰極23との間に
DC電圧を印加すると、ウェハ10中のホールは、凹部
DPの主に先端に引き寄せられてここに収束する。この
ようにして集まったホールによる正電荷によって、この
部分でシリコンの電解研磨すなわち選択的なエッチング
が進行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元積層回路の
層間配線や、光集積回路での三次元導波路等の形成を目
的として、結晶基板に貫通孔や深細孔等の孔を形成する
ための方法及び装置、並びに、かかる貫通孔、深細孔等
を備える結晶基板に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話に代表されるように、携帯電子
機器の高機能化や小型化は、製品の寿命や売上高を決め
る重要な要因である。今後さらに発展するマルチメディ
ア時代には、この傾向はますます強くなると考えられ
る。これを解決するためには、電子素子の高集積化とパ
ッケージを含めた素子の小型化とを達成する必要があ
る。
【0003】このような背景の下、現在は、パターンの
微細化によって平面での素子密度を上げる努力が行われ
ているが、それも限界にきている。そのため、素子を高
密度化するには、今後三次元方向に積層した素子構造が
採用されるものと推定される。このとき必要となる要素
技術は、層間配線のための貫通孔形成と、Si基板積層
のための接合技術である。
【0004】上記のような層間配線のための貫通孔形成
方法として、Deep RIE(Reactive Ion Etching)
法やレーザ法が以前から存在する。
【0005】前者のDeep RIE法は、複数の特殊
ガスを交互に流し、エッチング反応とSiOの堆積反
応とを交互に行う異方性エッチングである。すなわち、
孔の壁面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法で薄
いSiO膜を堆積させて、壁面方向(横方向)へのエ
ッチングを防ぎ、深さ方向だけにエッチングすることで
アスペクト比の大きい孔を形成している。
【0006】後者のレーザ法では、Siを熱で溶かして
孔形成を行う。すなわち、Si基板の適所に適当なサイ
ズのレーザ光を照射し、このレーザ光の照射位置で、レ
ーザ光によるアブレーションを生じさせてSiを除去し
つつ孔を形成する。
【0007】さらに、層間配線のための別の貫通孔形成
方法として、特開平10−256227号公報に開示の
技術もある。この貫通孔形成方法では、光電界研磨法を
利用して、アスペクト比の大きい貫通孔を形成してい
る。具体的には、予めシリコン基板の表裏面の対応する
位置にKOHにより断面V字の溝を双方向から形成し、
このシリコン基板をHFを含む電解液の電解槽に入れ
る。そして、シリコン基板の表面及び裏面と電解槽中の
カソード電極との間に直流電圧を印加しつつ、シリコン
基板の表面及び裏面から励起光を当てて、表裏面の双方
向から垂直方向に貫通孔を形成する。
【0008】
【発明が解決使用とする課題】しかしながら、Deep
RIE法では、化学反応によるエッチング作用を利用
しているので、反応箇所から反応生成物を取り除き、新
しい反応ガスを供給しないと深さ方向への孔形成は進ま
ない。このため口径が小さく、しかも深さ方向の距離が
長くなると新旧ガス(反応種)の交換が不充分となり、
孔形成が進行しなくなる。さらに、特殊ガスを使用して
いるので、環境汚染対策や防爆・火災対策に高額な投資
が必要である。
【0009】また、レーザ法では、Siを熱で溶かして
いるため、溶けて飛び散ったSi破片が孔の周りに散乱
する。したがって、このSi破片の除去に余分な工程が
必要になる。また、熱で溶かしているため、出来上がっ
た孔壁面の凹凸が激しくなったり、孔周辺に破砕層が形
成される。また、レーザ法で一度に複数の孔形成を行う
と、中心より外に行くほど出来た孔はSi表面に対し斜
めに形成される。この様な多くの欠点があるので、高い
加工精度を要求される層間配線や光導波路用貫通孔には
使用することが出来ない。
【0010】また、特開平10−256227号公報の
貫通孔形成方法では、熱的あるいは機械的衝撃から素子
を守ることができるが、滑らかな壁面の貫通孔形成する
ことが容易でない。すなわち、貫通孔の壁面から横方向
にエッチングが進行してサイドブランチが形成されてし
まうといった問題がある。
【0011】そこで、本発明は、熱的あるいは機械的衝
撃から素子を守ることができ、サイドブランチが形成さ
れにくい、結晶基板への孔形成方法及び装置、並びに結
晶基板を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る結晶基板への孔形成方法は、所定の単
結晶材料で形成されるとともに面方位(110)の対向
する第1及び第2主面を有する結晶基板の前記第1主面
上に、絶縁性を有するとともに所定位置に開口を有する
膜を形成する工程と、前記結晶基板の前記第1主面側に
所定の電解液を供給する工程と、前記結晶基板の前記第
1主面側に電界を形成しつつ、前記結晶基板の前記第2
主面にキャリア生成用の光を照射することによって、前
記所定位置に(111)面を側面とする孔を形成する工
程とを備える。
【0013】上記孔形成方法では、前記所定位置に(1
11)面を側面とする孔を形成するので、電気化学反応
を利用した選択的エッチングに際して、孔の側面からサ
イドブランチが形成されてしまうことを防止できる。す
なわち、(111)面は、(100)面、(110)面
等に比較してエッチング速度が小さいため、(111)
面の側面から横方向に局所的なエッチングが進行するこ
とを回避できる。よって、熱的あるいは機械的衝撃から
結晶基板(これに形成された集積回路等の素子を含む)
を保護しつつ、結晶基板に滑らかな壁面の貫通孔や深細
孔等の孔を形成することができる。なお、ここで「深細
孔」とは、貫通孔のように結晶基板を貫通していない
が、細くて深い穴を意味する。
【0014】上記方法の具体的な態様では、前記開口が
<100>方向を長辺方向とする菱形である。この場
合、菱形の各辺が(111)面と平行或いは平行に近く
なるので、開口から下方に延びて(111)面を側面と
する孔の形成が容易となる。
【0015】上記方法の別の具体的な態様では、前記第
1主面上であって前記開口の内側に窪み状の欠陥を形成
する工程をさらに備える。この場合、この欠陥にキャリ
アを集中させることで(110)面に垂直な方向へのエ
ッチングを迅速に進行させることができるようになるの
で、(111)面を側面とする孔を簡易かつ効率的に形
成することができる。
【0016】本発明に係る別の結晶基板への孔形成方法
は、所定の単結晶材料で形成されるとともに面方位(1
10)の対向する第1及び第2主面を有する結晶基板の
前記第1主面上の所定点に、窪み状の欠陥を形成する工
程と、絶縁性を有するとともに、前記第1主面上の前記
欠陥の周囲を囲むような形状の開口を有する膜を形成す
る工程と、前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電解
液を供給する工程と、前記結晶基板の前記第1主面側に
電界を形成しつつ、前記結晶基板の前記第2主面にキャ
リア生成用の光を照射する工程とを備える。
【0017】上記孔形成方法では、面方位(110)の
対向する第1及び第2主面を有する結晶基板の前記第1
主面上の所定点に窪み状の欠陥を形成するので、この欠
陥にキャリアを集中させることができる。つまり、熱的
あるいは機械的衝撃から結晶基板を保護することができ
るという特徴を有する電気化学反応を利用した選択的エ
ッチングに際して、(110)面に垂直な方向へのエッ
チングを迅速に進行させることができるようになるの
で、(111)面を側面とする孔を簡易かつ効率的に形
成することができる。
【0018】本発明に係る別の結晶基板への孔形成方法
は、所定の結晶材料で形成されるとともに対向する第1
及び第2主面を有する結晶基板の前記第1主面上の所定
点に、凹部を形成する工程と、前記第1主面上の前記所
定点の周囲の所定領域に(例えば環状や菱形状であって
周囲を囲む)拡散層を形成する工程と、前記第1主面上
であって前記所定領域の周辺部及び当該周辺部の外側を
含む領域の表面に絶縁性を有する膜を形成する工程と、
前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電解液を供給す
る工程と、前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成
しつつ、前記結晶基板の前記第2主面にキャリア生成用
の光を照射する工程とを備える。
【0019】上記孔形成方法では、前記第1主面上の前
記所定点の周囲の所定領域に拡散層を形成し、前記所定
領域の周辺部及び当該周辺部の外側を含む領域の表面に
絶縁性を有する膜を形成するので、電気化学反応を利用
した選択的エッチングに際して、この拡散層及びその周
辺に空乏層を形成することができる。よって、拡散層や
その周辺に局所的なエッチングが進行することを回避で
き、結晶基板に滑らかな壁面の孔を形成することができ
る。
【0020】本発明に係る別の結晶基板への孔形成方法
は、所定の結晶材料で形成されるとともに対向する第1
及び第2主面を有する結晶基板の前記第1主面上に、絶
縁性を有するとともに所定位置に開口を有する膜を形成
する工程と、前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電
解液を供給する工程と、前記結晶基板の前記第1主面側
に電界を形成しつつ、前記結晶基板の第2主面に紫外光
を照射する工程とを備える。
【0021】上記孔形成方法では、前記結晶基板の第2
主面に紫外光を照射するので、結晶基板にキャリアを効
率的に生成することができる。よって、第1主面上に形
成した膜の開口位置において、電気化学反応を利用した
選択的エッチングを効率的に生じさせることができ、こ
この結晶基板の部分に孔を迅速かつ効率的に形成するこ
とができる。
【0022】本発明に係る別の結晶基板への孔形成方法
は、所定の結晶材料で形成されるとともに対向する第1
及び第2主面を有する結晶基板の前記第1主面上に、絶
縁性を有するとともに所定位置に開口を有する膜を形成
する工程と、前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電
解液を供給する工程と、前記結晶基板の前記第1主面側
に電界を形成する工程と、前記結晶基板の前記第2主面
にキャリア生成用の光を(例えば間欠的に)照射する工
程とを備える。
【0023】上記孔形成方法では、前記結晶基板の前記
第2主面にキャリア生成用の光を照射するので、電気化
学反応を利用した選択的エッチングに際して、エッチン
グに必要なキャリアのみを必要なタイミングで生成する
ことができ、生成したキャリアを効率的に利用すること
ができる。
【0024】上記方法の具体的な態様では、複数の結晶
基板に前記キャリア生成用の光を交互に照射する。この
場合、単一の光源を利用して複数の結晶基板に対して電
気化学反応を利用した選択的エッチングを施すことがで
きる。
【0025】上記方法の具体的な態様では、前記第2主
面の部分領域に前記キャリア生成用の光を照射しつつ、
当該部分領域を移動させて前記第2主面の全体に前記キ
ャリア生成用の光で照射する。この場合、光源からの光
線を無理に拡大することなく結晶基板全面に比較的均一
に前記キャリア生成用の光を照射することができ、光源
の経済的な利用を図ることができる。
【0026】本発明に係る別の結晶基板への孔形成方法
は、所定の結晶材料で形成されるとともに対向する第1
及び第2主面を有する結晶基板の前記第1主面上に、絶
縁性を有するとともに所定位置に開口を有する膜を形成
する工程と、所定の電解液を収容する電解槽と当該電解
槽を水層を介して収容する外側槽との間の隔壁として、
前記第1主面が前記電解液に接し前記第2主面が前記水
層に接するように前記結晶基板を配置する工程と、前記
結晶基板の前記第1主面側に電界を形成しつつ、前記結
晶基板の第2主面にキャリア生成用の光を照射する工程
とを備える。
【0027】上記孔形成方法では、電解槽と外側槽との
間の隔壁として、前記第1主面が前記電解液に接し前記
第2主面が前記水層に接するように前記結晶基板を配置
するので、電気化学反応を利用した選択的エッチングに
よって結晶基板に貫通孔を形成する際に、電解液の処理
が簡単になる。すなわち、前記結晶基板の前記第1主面
側の電解液の圧を前記第2主面側の水層の圧よりわずか
に高くしておけば、結晶基板に貫通孔が形成された段階
で貫通孔を介して電解液が水層側に流れ出すので、孔の
完成まで効率的にエッチングを進行させつつ、電解液に
よって基板の裏面や電解槽の外部等に意図しないダメー
ジが生じることを簡易に防止できる。
【0028】上記方法の具体的な態様では、前記所定の
電解液の濃度を増大させる工程をさらに備える。この場
合、最初の低濃度の状態で選択的エッチングを進行さ
せ、次の高濃度の状態で孔の内面すなわち壁面のポーラ
ス化処理を行うことができる。
【0029】上記方法の別の具体的な態様では、前記所
定の電解液の濃度を増大させる工程の後に、前記所定の
電解液を酸化用の他の電解液に置換する工程をさらに備
える。この場合、ポーラス化された孔の壁面を陽極酸化
することができ、孔の壁面に容易に絶縁膜を形成するこ
とが可能になる。すなわち、結晶材料と孔とを電気的に
アイソレーションできる。
【0030】本発明に係る結晶基板への孔形成装置は、
所定の結晶材料で形成されるとともに対向する第1及び
第2主面を有し、絶縁性を有するとともに所定位置に開
口を有する膜を第1主面上に有する結晶基板を、少なく
とも前記第1主面が電解液に接するように支持する電解
槽と、前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成する
電極手段と、前記結晶基板の前記第2主面に紫外光を照
射する光照射手段とを備える。
【0031】上記孔形成装置では、光照射手段が前記結
晶基板の第2主面に紫外光を照射するので、結晶基板に
キャリアを効率的に生成することができ、電気化学反応
を利用した選択的エッチングを効率的に生じさせること
ができ、ここの結晶基板の部分に孔を迅速かつ効率的に
形成することができる。
【0032】本発明に係る別の結晶基板への孔形成装置
は、所定の結晶材料で形成されるとともに対向する第1
及び第2主面を有し、絶縁性を有するとともに所定位置
に開口を有する膜を第1主面上に有する結晶基板を、少
なくとも前記第1主面が所定の電解液に接するように支
持する電解槽と、前記結晶基板の前記第1主面側に電界
を形成する電極手段と、前記結晶基板の前記第2主面に
間欠的にキャリア生成用の光を照射する光照射手段とを
備える。
【0033】上記孔形成装置では、光照射手段が前記結
晶基板の前記第2主面に間欠的にキャリア生成用の光を
照射するので、電気化学反応を利用した選択的エッチン
グに際して、エッチングに必要なキャリアのみを必要な
タイミングで生成することができ、生成したキャリアを
効率的に利用することができる。
【0034】本発明に係る別の結晶基板への孔形成装置
は、所定の電解液を収容する電解槽と、前記電解槽を水
層を介して収容する外側槽と、所定の結晶材料で形成さ
れるとともに対向する第1及び第2主面を有し、絶縁性
を有するとともに所定位置に開口を有する膜を第1主面
上に有する結晶基板を、前記電解槽と前記外側槽との間
の隔壁として支持する支持手段と、前記結晶基板の前記
第1主面側に電界を形成する電極手段と、前記結晶基板
の前記第2主面にキャリア生成用の光を照射する光照射
手段とを備える。
【0035】上記孔形成装置では、支持手段が結晶基板
を前記電解槽と前記外側槽との間の隔壁として支持する
ので、電気化学反応を利用した選択的エッチングによっ
て結晶基板に貫通孔を形成する際に、電解液の処理が簡
単になる。
【0036】上記装置の具体的な態様では、前記水層中
に浸漬されて当該水層のPH値を検出するPHセンサを
さらに備える。この場合、PH値のモニタによって貫通
孔の形成タイミングを確実に検出することができる。
【0037】上記装置の別の具体的な態様では、前記水
層中に浸漬される超音波発生器をさらに備え、前記外側
槽が、複数の前記電解槽を収容しており、前記支持手段
が、各電解槽と前記外側槽との間の隔壁として前記結晶
基板を支持する。この場合、複数の結晶基板に超音波を
並行して印加することができ、電気化学反応を利用した
選択的エッチングを効率的に進行させることができる。
【0038】上記装置の別の具体的な態様では、前記電
解槽中の前記所定の電解液を他の電解液に置換する処理
液切替手段をさらに備える。この場合、最初の電解液で
選択的エッチングを進行させ、次に他の電解液で孔の内
面のポーラス化処理を行ったり、ポーラス化された孔の
内面を陽極酸化することができる。
【0039】本発明に係る結晶基板は、面方位がともに
(110)で、互いに対向する第1及び第2主面と、前
記第1主面側に電界を形成しつつ前記第2主面にキャリ
ア生成用の光を照射することによって、所定位置に(1
11)面を側面として形成される孔とを有する。
【0040】上記結晶基板では、前記第1主面側に電界
を形成しつつ前記第2主面にキャリア生成用の光を照射
するので、熱的あるいは機械的衝撃から結晶基板を保護
しつつ電気化学反応を利用した選択的エッチングを第1
主面に対して行うことができる。さらに、所定位置に
(111)面を側面とする孔を有するので、選択的エッ
チングを経ても孔の側面からサイドブランチが形成され
ておらず、結晶基板に滑らかな壁面の貫通孔や深細孔等
の孔を形成することができる。
【0041】本発明に係る別の結晶基板は、互いに対向
する第1及び第2主面と、前記第1主面上の所定領域に
形成された(例えば環状や菱形状であって周囲を囲む)
拡散層と、前記第1主面側に電界を形成しつつ前記第2
主面にキャリア生成用の光を照射することによって、前
記所定領域の内側の所定位置に形成される孔とを有す
る。
【0042】上記結晶基板では、拡散層が前記第1主面
上の所定領域に形成されているので、前記所定領域の周
辺部及び当該周辺部の外側を含む領域の表面に絶縁性を
有する膜を形成することで、電気化学反応を利用した選
択的エッチングに際して、この拡散層及びその周辺に空
乏層を形成することができる。よって、拡散層やその周
辺に局所的なエッチングが進行することを回避でき、結
晶基板に滑らかな壁面の孔を形成することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、本発明の
第1実施形態に係る結晶基板への孔形成装置及び方法に
ついて説明する。
【0044】図1は、孔形成装置の全体構造を説明する
図である。この孔形成装置は、結晶基板である処理対象
WOをその表面が電解液ELに接するように収容する処
理槽20と、処理槽20の底面側から処理対象WOの裏
面にキャリア形成用のレーザ光LBを照射するための光
照射手段である光照射装置30と、処理槽20に対し電
解液ELを切り換えつつ供給する電解液供給装置40
と、処理槽20の外側にを溜めた水層WLの水を新鮮な
水に置換する水置換装置50と、処理槽20に設けた水
層WLに超音波を供給する超音波発振装置60と、処理
槽20の水層WLのPH値を検出するPH検出装置70
とを備える。
【0045】処理槽20は、処理対象WOを下部に支持
する一対の電解槽21と、両電解槽21を水層WLを介
して収容する外側槽22とからなる。各電解槽21は、
電解液ELを収容する槽本体21aと、処理対象WOを
槽本体21aの底部に設けた開口に固定する支持手段で
あるチャック21bと、電極手段である白金陰極23を
電解液EL中で処理対象WOに対向して支持するホルダ
21cとを有する。一方、外側槽22は、水層WLを収
容する槽本体22aと、光照射装置30からの励起光で
あるレーザ光LBを透過させて各処理対象WOの裏面に
入射させるPMMA樹脂板等からなる一対の窓部材22
bとを有する。ここで、各電解槽21には、電解液供給
装置40からの電解液ELが切り換えつつ供給され、処
理対象WOの表面に各種電気化学反応を進行させること
ができる。また、外側槽22には、水置換装置50から
の新鮮な水が常時供給されており、穿孔によって処理対
象WOの裏面側に漏れ出す電解液ELを除去して、処理
対象WOの裏面側で電気化学反応が生じることや、光照
射装置30の腐食・損傷等の弊害を防止する。
【0046】光照射装置30は、励起光として紫外域の
レーザ光LBを発生する光源31と、光源31からのレ
ーザ光LBを適当な角度で反射して外側槽22の両窓部
材22bに入射させるためのミラー32と、ミラー32
を水平な軸の回りに回転させる駆動装置33とを備え
る。ここで、駆動装置33の動作を制御してミラー32
の角度を実線で示す位置と一点鎖線で示す位置との間で
調節することにより、両処理対象WOの裏面に交互にレ
ーザ光LBを入射させることができる。なお、光源31
は、適当な光学系を備えており、各処理対象WOの裏面
全体をほぼ均一に照明することができる。また、光源3
1は、Nd:YAGレーザ等からのレーザ光を高調波発
生装置で第3高調波に短波長化して使用している。
【0047】電解液供給装置40は、処理液切替手段と
して、3つの電解液貯留槽41、42、43と、各電解
液貯留槽41、42、43からいずれかの電解液EL1
〜EL3を切り換えて吐出させる第1切替弁44と、こ
の第1切替弁44からの電解液EL1〜EL3を両電解槽
21に圧送する第1ポンプ45と、両電解槽21からの
電解液ELを吸引する第2ポンプ46と、第2ポンプ4
6からの電解液ELを切り換えていずれかの電解液貯留
槽41、42、43に戻す第2切替弁47とを備える。
これにより、両電解槽21に収容する電解液ELを、ま
ず第1電解液EL1とし、次に第1電解液EL1を第2電
解液EL2に置換し、最後に第2電解液EL2を第3電解
液EL3に置換するという各種電解液の変更が可能にな
る。つまり、両電解槽21に取り付けられた処理対象W
Oに対し第1〜第3電解液EL1〜EL3による処理を順
次施すことができる。
【0048】以下、図2及び図3を用いて、図1の孔形
成装置等を用いた具体的な孔形成工程について説明す
る。
【0049】まず、結晶基板であるシリコンウェハ10
を準備し、その第1主面すなわち表面10aにSi窒化
膜(Si)71を成膜し、写真(フォトリソ)工
程とエッチング工程処理を行って、Si窒化膜71に菱
形の開口APを形成する(図2(a))。ここで、ウェ
ハ10は、n型のシリコン単結晶を切り出して加工した
ものであり、対向する表面10a及び裏面10bが(1
10)面となっている。一方、Si窒化膜71は、絶縁
性の窒化シリコンをCVD等の手法を用いて成膜した誘
電体膜であり、フォトリソグラフィ技術、ドライエッチ
ング等を用いて必要個所すなわち貫通孔を形成すべき位
置に開口APが形成される。このようなSi窒化膜71
にして、開口APの位置にのみ確実に電流を流すことが
できる。なお、以上のようなウェハ10は、表面10a
側にすでに電子回路や光学素子を作り込む加工を終了し
たものとすることができる。
【0050】図4は、Si窒化膜71の開口APの形状
を概念的に説明する図である。なお、説明の便宜のた
め、開口APのサイズは拡大して示してある。ウェハ1
0の表面10aには、Si窒化膜71がほぼ全面に亘っ
て形成されている。Si窒化膜71の適当な個所に形成
された開口APは、菱形になっており、この部分で露出
するウェハ10の表面10aは、上述したように面方位
(110)となっている。また、開口APの菱形の長辺
方向LDは、ウェハ10の<100>方向すなわちオリ
フラの方向と平行になっている。
【0051】図2に戻って、次に図2(b)に示すよう
に、Si窒化膜71を被覆するように金・ニッケル合金
の保護層72を形成する。この際、Si窒化膜71の開
口APに対応させて、蒸着、リフトオフ等の各種手法を
利用して保護層72にも開口APを形成する。なお、保
護層72は、電解液ELによる浸食からSi窒化膜71
を保護するためのものであり、また、ウェハ10の表面
側で受ける電荷が均一に流れるようにし、保護が金属で
あるため到達した電荷をスムーズに開口AP側に供給す
ることによって、開口APの位置における電気化学反応
を促進する役割も有する。
【0052】次に、図2(c)に示すように、その第2
主面すなわち裏面10bに菱形の開口AP’を有する膜
73を形成する。膜73は、紫外線を全く透過させない
導電材料(例えばAl)を成膜したものであり、両開口
AP、AP’は、互いにアライメントされて形成されて
いる。
【0053】次に、図3(a)に示すように、開口AP
の中央に露出するウェハ10の表面10aに窪み状の欠
陥である凹部DPを形成することにより、電解液で処理
すべき処理対象WOの準備を終了する。この凹部DP
は、ウェハ10中のマイノリティキャリアを集めるため
のものであり、深さ方向先端が尖っていれば、ある程度
任意の形状とすることができ、レーザ光を照射すること
によって簡易に形成することができる。
【0054】図5は、図3(a)の凹部DPの配置を説
明する平面図である。図からも明らかなように、菱形の
開口APの部分でウェハ10の表面10aが露出してお
り、この開口APの中央にレーザ加工によって凹部DP
が形成されている。なお、具体的な実施例において、凹
部DPの直径は、開口APの短辺方向の長さより短けれ
ばよく、例えば0.1〜10.0μm程度とした。ま
た、凹部DPは、先端が鋭角であれば良く、深さ問題と
ならない。
【0055】図3に戻って、次に図3(b)に示すよう
に、図3(a)に示す処理対象WOの凹部DPを起点し
て、貫通孔THを形成する。具体的には、図1に示す孔
形成装置の電解槽21に、処理対象WOを表面10aが
上側になるように固定する。次に、切替弁44、47、
ポンプ45、46等を適宜動作させて、電解槽21を電
解液貯留槽41からの電気化学反応用の第1電解液EL
1で満たす。この第1電解液EL1は、2.5wt%程度
の弗酸(HF)溶液である。次に、光照射装置30から
の紫外域のレーザ光LBを、窓部材22bを介して処理
対象WOの裏面に入射させる。これにより、処理対象W
Oのウェハ10中にホールと電子のペアが効率的に対生
成される。次に、処理対象WOの裏面電極を陽極とし、
白金陰極23との間にDC電圧を印加すると、ウェハ1
0の白金電極23との間に電界が形成され、ウェア10
がn型基板の場合、少数キャリアであるホールは、陰極
である白金電極に向かってウェハ10の中を移動する。
移動中のホールはウェハ10の表面近傍にある凹部DP
の先端に主に引き寄せられてここに収束する。このよう
にして集まったホールによる正電荷によって、凹部DP
先端の内面で第1電解液EL1とシリコン結晶とが反応
し、シリコンの結合が優先的に切断され、この部分でシ
リコンの電気化学反応すなわち選択的なエッチングが進
行する。なお、レーザ光LBは各処理対象WOに間欠的
に入射するが、ホールは一定の寿命を有して保持される
ので、ホール密度が高ければ、選択的なエッチングは連
続的に進行する。
【0056】さらに、凹部DPの電気化学反応が進行す
ると、ウェハ10の結晶構造に起因して異方性エッチン
グの効果が生じる。具体的に説明すると、ウェハ10の
表面10aは(110)面であり、凹部DPは<110
>方向に成長するので、凹部DPの壁面は(100)面
や(111)面となる可能性がある。しかしながら、
(111)面は、(100)面等に比してエッチング速
度が極めて遅いので、凹部DPの内壁は、結果的に(1
11)面が残りやすくなる。つまり、図3(b)に示す
ように、図3(a)の凹部DPが成長して貫通孔THに
なった際には、貫通孔THの内壁は、当初の凹部DPに
ほぼ外接する(111)面となる。そして、貫通孔TH
の内壁は、サイドブランチといった、枝状の分岐孔が全
くない滑らかな面となる。
【0057】以上のような貫通孔THの形成に際して
は、図1の超音波発振装置60を動作させて処理対象W
Oに超音波振動を与える。これにより、凹部DPや貫通
孔THの先端部に発生した反応物を速やかに除去しつつ
新鮮な電解液を供給することができ、滑らかな内壁の貫
通孔THを迅速に形成することができる。さらに、貫通
孔THの形成に際しては、図1のPH検出装置70を動
作させて水層WLのPH値を監視する。つまり、第1電
解液EL1側の圧を水層WL側の圧よりもわずかに高く
しておくことにより、処理対象WOに貫通孔THが形成
された場合には、電解槽21中の第1電解液EL1が水
層WL中に流入することになるので、貫通孔THの形成
を簡易かつ迅速に検出することできる。
【0058】図6は、ウェハ10に形成される貫通孔T
Hの配置や形状を説明する図である。図からも明らかな
ように、Si窒化膜71等に設けた菱形の開口APの部
分でウェハ10の表面10aが露出しており、この開口
APの中心に開口と相似形状の貫通孔THが形成されて
いる。この貫通孔THは、当初の凹部DPにほぼ外接す
る菱形の断面を有し、その内壁Haは、4つの(11
1)面で形成される。なお、電気化学反応がさらに進行
するとSi地肌の部分を通して電流が流れるので、凹部
DPの内壁Haも徐々にエッチングされる。このため、
Si窒化膜71の形状にほぼ対応する断面の貫通孔TH
に拡大させることもできる。
【0059】次に、図3(b)に示す貫通孔THの内壁
表面をポーラス化する。具体的には、切替弁44、4
7、ポンプ45、46等を適宜動作させて、電解槽21
の第1電解液EL1を電解液貯留槽41に戻し、電解槽
21を電解液貯留槽42からの第2電解液EL2で満た
す。この第2電解液EL2は、50wt%程度のHF溶
液である。次に、処理対象WOの裏面電極を陽極とし、
白金陰極23との間にDC電圧を印加すると陽極化成反
応となり、隣貫通孔THの内壁表面で第2電解液EL2
とシリコン結晶とが反応し、この部分でシリコンがポー
ラス化する。具体的には、電流密度を10mA/cm
にして3分45秒陽極化成すると、表面の約2.0μm
程度の厚さの部分が多孔質シリコンとなる。このような
多孔質シリコンは、数nm〜数十nmの孔を無数に有す
るので、表面積が非常に大きく化学的に活性になってい
る。
【0060】次に、図3(c)に示すように、貫通孔T
Hの内壁表面を酸化する。具体的には、切替弁44、4
7、ポンプ45、46等を適宜動作させて、電解槽21
の第2電解液EL2を電解液貯留槽42に戻し、電解槽
21を電解液貯留槽43からの酸化用の第3電解液EL
3で満たす。この第3電解液EL3は、2.0wt%程度
のシュウ酸溶液である。この際、第3電解液EL3側の
圧と水層WL側の圧とをほぼ均衡させておく。次に、処
理対象WOの裏面電極を陽極とし、白金陰極23との間
にDC電圧を印加すると、貫通孔THの内壁表面で第3
電解液EL3と多孔質シリコンとが反応する陽極化成す
なわち陽極酸化が進行し、この部分にシリコン酸化膜O
Lが形成される。すなわち、6VのDC電圧を印加して
30分間陽極酸化を行うと、誘電率が焼く4.4のSi
が形成される。
【0061】以上のように、本実施形態の孔形成方法に
よれば、熱的あるいは機械的衝撃からウェハ10やこれ
に形成された集積回路等を保護しつつ、ウェハ10の適
所に滑らかな壁面の多数(例えば数百万個以上/8-inch
wafer)の貫通孔THを形成することができる。さら
に、このようにして得た貫通孔THは、アスペクト比を
例えば100以上と高くすることができ、表面10aに
垂直な方向に対する内壁面の傾きもほとんど生じない。
さらに、以上の工程は、電解液による化学反応を利用し
ているので、公害対策も安価で済む。このような貫通孔
THには、ウェハ10絶縁した状態で導電性の金属を充
填することができ、3次元的な配線形成が可能になる。
【0062】図7は、ウェハ10の表面における電気化
学反応を参考的に説明するためのグラフである。横軸は
表面10aにおける電流密度を示し、縦軸は弗酸等の電
解液の濃度を示す。グラフ中にプロットされた点は、電
流密度及び電解液濃度を変更しながらシリコンウェハ1
0の表面10aに生じる陽極化成の特性を実験したもの
である。グラフにおいて、「●」は、柱状のSiが残り
結晶工学的には単結晶構造をもつ良好な品質のポーラス
Siが得られた条件を示し、「○」は、砂状のSiが残
り、わずかの振動でSi基板からはがれ落ちるような壊
れやすいポーラスSiが得られた条件を示し、「■」
は、電解研磨が進行した条件を示す。つまり、電流密度
を調節しつつ電解液濃度をある範囲から適宜増大させる
工程を行うことにより、ウェハ10に当初電気化学反応
による研磨領域で選択的エッチングを施し、その後形成
された貫通孔や深細孔の内壁の表面をポーラス化するこ
とができる。
【0063】〔第2実施形態〕以下、第2実施形態の孔
形成装置について説明する。第2実施形態の装置は、第
1実施形態の装置を変形したものであり、同一部分には
同一の符号を付して重複部分の説明を省略する。この場
合、第1実施形態の場合と異なり、処理対象WOを縦置
きして処理するタイプの処理槽120となっている。具
体的に説明すると、処理槽120は、一対の電解槽12
1に分かれており、各電解槽121は、内部に電解液E
Lをそれぞれ収容するとともに、側壁に光照射装置30
からのレーザ光LBを透過させる窓部材122bをそれ
ぞれ有する。処理対象WOは、裏面を窓部材122bに
密着させた状態で電解槽121側壁側に固定される。電
解槽121中には、処理対象WOの表面に対向して白金
陰極23が配置されている。なお、処理対象WOの裏面
には、金属又は透明電極TEが形成されている。
【0064】この場合、電解液供給装置40から電解液
EL1を電解槽121に導入することにより、処理対象
WOを縦置きにした状態で選択的エッチングによる孔形
成が可能になる。その後、電解液供給装置40からの電
解液EL1から他の電解液EL2、EL3に切り換えて両
電解槽121に導入することにより、孔内面にポーラス
なシリコン層を形成することができ、さらに、ポーラス
なシリコン層を酸化して絶縁層を孔内面に形成すること
ができる。
【0065】〔第3実施形態〕以下、第3実施形態の孔
形成装置について説明する。第3実施形態の装置は、第
1実施形態の装置を変形したものである。この場合、第
1実施形態の場合と異なり、処理対象WOを下向きに配
置して処理するタイプの処理槽220となっている。具
体的に説明すると、処理槽220は、一対の電解槽22
1に分かれており、各電解槽221は、内部に電解液E
Lをそれぞれ収容するとともに、上部に光照射装置30
からのレーザ光LBを透過させる窓部材222bをそれ
ぞれ有する。処理対象WOは、裏面を窓部材222bに
密着させた状態で電解槽221上部側に固定される。電
解槽221中には、処理対象WOの表面に対向して白金
陰極23が下部に配置されている。なお、処理対象WO
の裏面には、透明電極が形成されている。
【0066】この場合、処理対象WOを下向きに配置し
て、選択的エッチングによる孔形成が可能になる。その
後、電解液EL1を他の電解液EL2、EL3に切り換え
て両電解槽121に導入することにより、孔内面にポー
ラスなシリコン層を形成することができ、さらに、ポー
ラスなシリコン層を酸化して絶縁層を孔内面に形成する
ことができる。
【0067】〔第4実施形態〕以下、第4実施形態の孔
形成装置について説明する。この実施形態では、サイド
ブランチを防止するため、ウェハ10上のSi窒化膜7
1等の内側に拡散層を形成する。
【0068】具体的な工程は、図2及び図3に示すもの
とほぼ一致する。ただし、図2(a)に示す工程の直後
に、拡散層形成の工程が追加される。さらに、ウェハ1
0として、第1主面である表面10aの面方位が(10
0)タイプのものを使用する。KOHを用いた単なる異
方性エッチングによって貫通孔の形成位置に凹部を形成
し、その凹部の深さは前記拡散層より深くする。
【0069】図10は、第4実施形態の処理対象WOを
説明する断面図である。図からも明らかなように、ウェ
ハ10の表面10aには、異方性エッチングによって凹
部DPが形成されている。この凹部DPは、(111)
面が露出した状態となっている。また、凹部DPの周囲
には、環状の拡散層DLが熱拡散によって形成されてい
る。さらに、拡散層DLの周辺部及びその外側部分上に
はSi窒化膜71が形成されている。さらに、Si窒化
膜71を覆うように保護層72が形成されている。つま
り、Si窒化膜71及び保護層72に設けた開口APの
部分に凹部DPが露出しており、凹部DPの周囲は、環
状の拡散層DLに囲まれている。
【0070】上記実施形態の処理対象WOすなわちウェ
ハ10では、環状の拡散層DLが表面10aに形成され
ており、拡散層DLの周辺部及びその外側を含む領域の
表面に絶縁性を有するSi窒化膜71を形成している。
したがって、電気化学反応を利用した選択的エッチング
で孔を形成するに際して、この拡散層DLには逆バイア
スがかかるため空乏層を形成することができる。このた
め、拡散層DLやその周辺に局所的なエッチングが進行
することを回避できる。よって、ウェハ10には、(1
00)面につくった孔でありながらサイドブランチのな
い貫通孔や深細孔等の孔を形成することができる。
【0071】以上実施形態に即して本発明を説明した
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、一対の処理対象WOの裏面
全体に交互にレーザ光LBを入射させているが、各処理
対象WOの裏面にレーザ光を走査しながら入射させるこ
ともできる。すなわち、処理対象WOの裏面に線状の紫
外レーザ光を入射させ、ミラー32の角度を徐々に変更
することによって線状の紫外レーザ光の入射位置を徐々
に移動させる。これによっても、一対の処理対象WOの
裏面全体を走査しつつ間欠的に照明することができ、各
処理対象WOに励起光を効率的に照射することができ
る。なお、光源31からのレーザ光LBをハーフミラー
等で分岐して両処理対象WOの裏面全体に一括して同時
にレーザ光を照射することもできる。
【0072】また、上記実施形態では、ウェハ10とし
てシリコンを用いているが、例えばGaAsP等の化合
物半導体基板についても、図1に示すような装置を用い
て貫通孔等を形成することができる。
【0073】また、上記実施形態では、ウェハ10の裏
面10bに透明なマスク73を形成しているが、これに
代えて、ウェハ10の裏面10bの周囲に環状の電極を
形成することもでき、これによってもウェハ10を陽極
電位とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る結晶基板への孔形成装置の
全体構造を説明する図である。
【図2】(a)〜(c)は、結晶基板への孔形成方法の
一例を概念的に説明する側方断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、結晶基板への孔形成方法の
一例を概念的に説明する側方断面図である。
【図4】図2(a)の工程で、マスクに形成される開口
の形状を説明する平面図である。
【図5】図3(a)の工程で、ウェハに形成される凹部
の配置を説明する平面図である。
【図6】図3(b)の工程で、ウェハに形成される貫通
孔を説明する平面図である。
【図7】ウェハの表面における電気化学反応を説明する
グラフである。
【図8】第2実施形態に係る結晶基板への孔形成装置の
全体構造を説明する図である。
【図9】第3実施形態に係る結晶基板への孔形成装置の
全体構造を説明する図である。
【図10】第4実施形態に係る結晶基板を説明する断面
図である。
【符号の説明】
10 ウェハ 10a 表面 10b 裏面 20 処理槽 21 電解槽 22 外側槽 23 白金陰極 30 光照射装置 31 光源 32 ミラー 40 電解液供給装置 41,42,43 電解液貯留槽 50 水置換装置 60 超音波発振装置 70 PH検出装置 71 マスク 72 保護層 AP 開口 DL 拡散層 DP 凹部 EL 電解液 LB レーザ光 TH 貫通孔 WL 水層 WO 処理対象
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25F 7/00 C30B 33/08 C30B 33/08 H01L 21/306 L H01L 21/306 B J Fターム(参考) 4G077 AA02 AB02 BA04 FG08 FH08 4K057 WA02 WB06 WB12 WB17 WC05 WC10 WD01 WD03 WE07 WJ10 WM15 WN01 5F043 AA02 BB02 CC05 DD08 DD14 EE02 EE14 EE21 EE24 EE35 FF06 GG03 GG10

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の単結晶材料で形成されるとともに
    面方位(110)の対向する第1及び第2主面を有する
    結晶基板の前記第1主面上に、絶縁性を有するとともに
    所定位置に開口を有する膜を形成する工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電解液を供給す
    る工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成しつつ、前
    記結晶基板の前記第2主面にキャリア生成用の光を照射
    することによって、前記所定位置に(111)面を側面
    とする孔を形成する工程とを備える結晶基板への孔形成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記開口は、<100>方向を長辺方向
    とする菱形であることを特徴とする請求項1記載の結晶
    基板への孔形成方法。
  3. 【請求項3】 前記第1主面上であって前記開口の内側
    に窪み状の欠陥を形成する工程をさらに備えることを特
    徴とする請求項1及び請求項2のいずれか記載の結晶基
    板への孔形成方法。
  4. 【請求項4】 所定の単結晶材料で形成されるとともに
    面方位(110)の対向する第1及び第2主面を有する
    結晶基板の前記第1主面上の所定点に、窪み状の欠陥を
    形成する工程と、 絶縁性を有するとともに、前記第1主面上の前記欠陥の
    周囲を囲むような形状の開口を有する膜を形成する工程
    と、 前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電解液を供給す
    る工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成しつつ、前
    記結晶基板の前記第2主面にキャリア生成用の光を照射
    する工程とを備える結晶基板への孔形成方法。
  5. 【請求項5】 所定の結晶材料で形成されるとともに対
    向する第1及び第2主面を有する結晶基板の前記第1主
    面上の所定点に、凹部を形成する工程と、 前記第1主面上の前記所定点の周囲の所定領域に拡散層
    を形成する工程と、 前記第1主面上であって前記所定領域の周辺部及び当該
    周辺部の外側を含む領域の表面に絶縁性を有する膜を形
    成する工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電解液を供給す
    る工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成しつつ、前
    記結晶基板の前記第2主面にキャリア生成用の光を照射
    する工程とを備える結晶基板への孔形成方法。
  6. 【請求項6】 所定の結晶材料で形成されるとともに対
    向する第1及び第2主面を有する結晶基板の前記第1主
    面上に、絶縁性を有するとともに所定位置に開口を有す
    る膜を形成する工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電解液を供給す
    る工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成しつつ、前
    記結晶基板の第2主面に紫外光を照射する工程とを備え
    る結晶基板への孔形成方法。
  7. 【請求項7】 所定の結晶材料で形成されるとともに対
    向する第1及び第2主面を有する結晶基板の前記第1主
    面上に、絶縁性を有するとともに所定位置に開口を有す
    る膜を形成する工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に所定の電解液を供給す
    る工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成する工程
    と、 前記結晶基板の前記第2主面にキャリア生成用の光を照
    射する工程とを備える結晶基板への孔形成方法。
  8. 【請求項8】 複数の結晶基板に前記キャリア生成用の
    光を交互に照射することを特徴とする請求項7記載の結
    晶基板への孔形成方法。
  9. 【請求項9】 前記第2主面の部分領域に前記キャリア
    生成用の光を照射しつつ、当該部分領域を移動させて前
    記第2主面の全体に前記キャリア生成用の光で照射する
    ことを特徴とする請求項7記載の結晶基板への孔形成方
    法。
  10. 【請求項10】 所定の結晶材料で形成されるとともに
    対向する第1及び第2主面を有する結晶基板の前記第1
    主面上に、絶縁性を有するとともに所定位置に開口を有
    する膜を形成する工程と、 所定の電解液を収容する電解槽と当該電解槽を水層を介
    して収容する外側槽との間の隔壁として、前記第1主面
    が前記電解液に接し前記第2主面が前記水層に接するよ
    うに前記結晶基板を配置する工程と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成しつつ、前
    記結晶基板の第2主面にキャリア生成用の光を照射する
    工程とを備える結晶基板への孔形成方法。
  11. 【請求項11】 前記所定の電解液の濃度を増大させる
    工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から10
    のいずれか記載の結晶基板への孔形成方法。
  12. 【請求項12】 前記所定の電解液の濃度を増大させる
    工程の後に、前記所定の電解液を酸化用の他の電解液に
    置換する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1
    1記載の結晶基板への孔形成方法。
  13. 【請求項13】 所定の結晶材料で形成されるとともに
    対向する第1及び第2主面を有し、絶縁性を有するとと
    もに所定位置に開口を有する膜を第1主面上に有する結
    晶基板を、少なくとも前記第1主面が所定の電解液に接
    するように支持する電解槽と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成する電極手
    段と、 前記結晶基板の前記第2主面に紫外光を照射する光照射
    手段とを備える結晶基板への孔形成装置。
  14. 【請求項14】 所定の結晶材料で形成されるとともに
    対向する第1及び第2主面を有し、絶縁性を有するとと
    もに所定位置に開口を有する膜を第1主面上に有する結
    晶基板を、少なくとも前記第1主面が所定の電解液に接
    するように支持する電解槽と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成する電極手
    段と、 前記結晶基板の前記第2主面に間欠的にキャリア生成用
    の光を照射する光照射手段とを備える結晶基板への孔形
    成装置。
  15. 【請求項15】 所定の電解液を収容する電解槽と、 前記電解槽を水層を介して収容する外側槽と、 所定の結晶材料で形成されるとともに対向する第1及び
    第2主面を有し、絶縁性を有するとともに所定位置に開
    口を有する膜を第1主面上に有する結晶基板を、前記電
    解槽と前記外側槽との間の隔壁として支持する支持手段
    と、 前記結晶基板の前記第1主面側に電界を形成する電極手
    段と、 前記結晶基板の前記第2主面にキャリア生成用の光を照
    射する光照射手段とを備える結晶基板への孔形成装置。
  16. 【請求項16】 前記水層中に浸漬されて当該水層のP
    H値を検出するPHセンサをさらに備えることを特徴と
    する請求項15記載の結晶基板への孔形成装置。
  17. 【請求項17】 前記水層中に浸漬される超音波発生器
    をさらに備え、前記外側槽は、複数の前記電解槽を収容
    しており、前記支持手段は、各電解槽と前記外側槽との
    間の隔壁として前記結晶基板を支持することを特徴とす
    る請求項15及び16のいずれか記載の結晶基板への孔
    形成装置。
  18. 【請求項18】 前記電解槽中の前記所定の電解液を他
    の電解液に置換する処理液切替手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項13から17のいずれか記載の結晶
    基板への孔形成装置。
  19. 【請求項19】 面方位がともに(110)で、互いに
    対向する第1及び第2主面と、 前記第1主面側に電界を形成しつつ前記第2主面にキャ
    リア生成用の光を照射することによって、所定位置に
    (111)面を側面として形成される孔とを有する結晶
    基板。
  20. 【請求項20】 互いに対向する第1及び第2主面と、 前記第1主面上の所定領域に形成された拡散層と、 前記第1主面側に電界を形成しつつ前記第2主面にキャ
    リア生成用の光を照射することによって、前記所定領域
    の内側の所定位置に形成される孔とを有する結晶基板。
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