JP2003068264A

JP2003068264A - 電池輸送用梱包装置

Info

Publication number: JP2003068264A
Application number: JP2001258231A
Authority: JP
Inventors: Akira Kato; 陽加藤; Katsuzo Sato; 勝三佐藤; Hiroshi Takabayashi; 洋志高林; Kazutaka Masuko; 和孝増子; Kenichiro Ando; 健一郎安藤
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 2001-08-28
Filing date: 2001-08-28
Publication date: 2003-03-07

Abstract

(57)【要約】【課題】電池輸送用梱包装置にあって、冬季の寒冷地
等においても結露の発生を効果的に回避し、これに伴う
信頼性の低下等の懸念を確実に回避することができるよ
うにする。【解決手段】断熱成型体から成り電池が配列収容され
上面が開放端とされた電池収容用トレー２内に、電池の
配列収容部上を覆って配置される防錆シートが配置さ
れ、この防錆シートが配置された上記電池収容用トレー
を、少なくともその開放端とその周囲の周側面の全外周
とに渡って覆うように被覆する断熱カバー１７を設ける
て構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、多数の円筒状電
池、角形電池等の各種電池を輸送運搬するに際して用い
られて好適な電池輸送用梱包装置に係わる。

【０００２】

【従来の技術】従来、電池の出荷時の輸送は、多数の電
池が配列収容された複数のトレーを、運搬用パレット上
に積み重ねて、その外周を梱包フィルムによって巻き付
けることによっていわゆる荷崩れを防止する梱包がなさ
れる。この方法による場合、特に冬季の寒冷地における
ように、例えば運搬時、あるいは倉庫等の格納時、その
ほかにおいて、長時間寒冷雰囲気中に置かれた状態か
ら、急激に温度差の激しい温暖雰囲気中に持ち来される
と、結露が発生する。このような結露が発生すると、電
池缶に腐蝕が発生するおそれがある。すなわち、通常一
般の電池においては、電池を構成する正極合剤、負極合
剤、電解液等が電池缶内に収容される。この電池缶は、
例えば耐蝕性を得るニッケルメッキがなされた鉄材によ
って構成されるが、この電池缶は、絞り加工いわゆる深
絞り加工によって製造されることから、その引き延ばし
によってニッケルメッキにピンホール等が発生する懸念
があり、この腐蝕は、一般に電池特性に影響はないもの
の、商品としての見栄えを悪くするとか、この電池を電
池パックとして電池ケースの配線部、端子等に溶接する
作業を行う場合、その溶接を阻害し、信頼性の低下を来
すおそれが考えられる。

【０００３】そこで、上述した輸送、運搬における電池
の梱包に際して、電池の防錆を行うために、上述したト
レーに収容された電池配列部上に、気化によって防錆効
果が得られる防錆シートを載置することがなされてい
る。このような防錆シートを配置することによって、通
常においては、充分な防錆効果が得られるものである
が、上述したような、冬季の寒冷地等における温度差の
激しい状況下における結露に対しては、防錆シートに多
量の水分が付着することによって間接的い腐蝕の原因と
なるおそれがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、冬季の寒冷
地等においても結露の発生を効果的に回避し、これに伴
う信頼性の低下等の懸念を確実に回避することができる
ようにした電池輸送用梱包装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明による
電池輸送用梱包装置においては、断熱成型体から成り、
電池が配列収容され上面が開放端とされた電池収容用ト
レーと、この電池収容用トレー内に、電池の配列収容部
上を覆って配置される防錆シートと、電池が配列収容さ
れ、防錆シートが配置された上記電池収容用トレーを、
少なくともその開放端とその周囲の周側面の全外周とに
渡って覆うように被覆する断熱カバーとより成る構成と
する。

【０００６】本発明においては、このように、防錆シー
トの配置のみならず、断熱カバーを被覆する構成とする
ことによって効果的に結露の防止ができ、効果的な防錆
効果を得ることができることを見出し、これにより、信
頼性の高い例えば溶接が可能な状態で、電池の輸送、運
搬ができるようにしたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明による電池輸送用梱包装置
の実施形態例を図面を参照して説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。図１Ａは、本発明による
電池輸送用梱包装置の一例の上面図で、同図Ｂはその一
部を断面とした側面図である。また、図２は、電池１を
配列収容する電池収容用トレー２の一例の斜視図示す。
この例では、電池収容用トレー２が、図１Ｂに示すよう
に、共通の板状のパレット１０上に、複数個並置配列さ
れ、かつ並置された各電池収容用トレー２上にそれぞれ
複数個の電池収容用トレー２を積み重ねて梱包体を構成
した場合である。

【０００８】図１の例では、パレット１０上に２行２列
の４個の電池収容用トレー２を平面的に並置配置し、こ
れら平面的に配列された各電池収容用トレー２上にそれ
ぞれ複数の電池収容用トレー２を積み重ねて１つの梱包
体を構成した場合である。パレット１０は、例えばポリ
プロピレンより成り、この上に平面的に配置される電池
収容用トレー２を載置することができる形状および面積
に選定される。

【０００９】各電池収容用トレー２は、断熱性に富む難
燃性の例えばポリプロピレンによる樹脂成型体から成
り、それぞれ同一形状、大きさとすることが望ましい。
電池収容用トレー２は、例えば図２に示すように、各電
池収容用トレー２内に、それぞれ複数の円筒電池１を、
同一向きに林立並置して配列収容するようにした場合で
ある。この電池収容用トレー２は、例えば扁平直方体形
状とされ、上面が電池１の出し入れを行う開放端３とさ
れる。そして、その四周には、周側壁４が形成され、底
面（図示せず）は閉塞底面とすることもできるが、電池
収容用トレー２に電池１を収容した状態で、電池１の特
性検査を行うことができるように、林立する電池１の各
下端の端子との対向部に透孔を穿設した構成とすること
もできる。

【００１０】また、電池収容用トレー２内には、各電池
１を林立配置させた状態に保持する制限板、制限突子等
の位置規制手段５が設けられる。この位置規制手段５
は、例えば電池収容用トレーの成型時にこれと一体に成
型することによって形成することができる。

【００１１】そして、各電池収容用トレー２内に、電池
１を配列収容した状態で、その配列収容部上に、例えば
アミン系の防錆シート１１と、その上にマイカ等よりな
る耐火板１２を配置する。防錆シート１１と耐火板１２
との間には、弾褥体１３例えば１枚以上のスポンジ板を
介在させることが望ましい。

【００１２】このように、複数の電池１が配列収容され
た複数の電池収容用トレー２が、パレット１０上に載置
された状態で、主として荷崩れを防止する梱包が施され
る。この梱包は、例えば図１Ｂに示すように、パレット
１０上の、最上層の複数の並置された電池収容用トレー
２を全面的に覆って、樹脂シート例えば塩化ビニルシー
ト等より成る上面シート１４を載置し、その周縁上か
ら、積層状態の電池収容用トレー２の全体的周面と、更
にパレット１０の周面とに差し渡って樹脂フィルム例え
ばポリ塩化ビニルフィルム等よりなる巻き付けフィルム
を巻き付けることによって行う。

【００１３】このようにパレット１０とこの上に載置さ
れた電池収容用トレー２が全体的に梱包されたこの例で
は全体的に直方体状をなす梱包体１６を、最上層の電池
収容用トレー２の開放端側、すなわち上面シート上か
ら、その周囲を包み込んで覆って例えば下端が開放され
た断熱シートより成る断熱カバー１７を被せる。この断
熱カバー１７は、その内形状、大きさが、上述した梱包
体１６の外形状、大きさに対応して形成され、梱包体１
６の外表面にほぼ密接させるものの、着脱が容易に行わ
れるように形成される。

【００１４】断熱カバー１７を構成する断熱シートは、
低密度断熱シート例えば発泡ポリオレフィンと、金属箔
例えばＡｌ箔とが、積層されたラミネート断熱シートに
よって構成される。

【００１５】図３は、電池輸送用梱包装置における結露
発生による錆発生率の経時による推移の測定結果を示し
たもので、曲線４１が、上述した本発明による電池輸送
用梱包装置の場合、曲線４２が従来装置の場合で、両者
を比較することによって明らかなように、従来装置にお
いては、錆の発生が生じる環境下の冬季においても、本
発明装置では、錆は実質的に発生することがなかった。

【００１６】尚、上述した例では、電池１が円筒状電池
の場合を例示したが、電池１の形状は、円筒状を問わ
ず、角形電池等各種の電池において適用して同様の効果
を奏することは言うまでもない。

【００１７】また、上述した例では、パレット１０上に
複数の電池１が収容された電池収容用トレー２を載置し
た構成とした場合であるが、１つの電池収容用トレー２
の梱包において、パレット１０を使用することなく、あ
るいは使用して図２で説明したと同様の構成とし、更
に、上面シート１４や、梱包巻き付けフィルム１５を施
して梱包体を構成し、これを上述したと同様に、断熱カ
バーによって覆う構成とすることによって、上述したと
同様の効果を奏することができる。

【００１８】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば、電池
が収容用された電池収容用トレー内に、防錆シートを配
置するのみならず、これを覆って断熱カバーを被覆する
構造とするのみで、格段的に高い防錆効果が得られるも
のであって、したがって、冬季および厳寒の地にあって
も、高い信頼性をもって電池の保管、運搬がなされるも
のである。したがって、商品価値の低下や不良品の発生
そのほか錆の発生に伴う不都合、例えば他部との溶接不
良等を回避できるもので、ひいてはコストの低廉化を図
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】ＡおよびＢは、それぞれ本発明による電池輸送
用梱包装置の一例の概略平面図および一部を断面図とし
た側面図である。

【図２】本発明による電池輸送用梱包装置の電池収容用
トレーの一例を示す斜視図である。

【図３】本発明および従来の電池輸送用梱包装置におけ
る電池の結露発生による錆発生率の経時的推移の測定結
果を示す図である。

【符号の説明】１・・・電池、２・・・電池収容用トレー、３・・・開
放端、４・・・周側壁、５・・・位置規制手段、１０・
・・パレット、１１・・・防錆シート、１２・・・耐火
板、１３・・・弾褥体、１４・・・上面シート、１５・
・・巻き付けフィルム、１６・・・梱包体、１７・・・
断熱カバー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者高林洋志福島県安達郡本宮町字樋ノ口２番地ソニー福島株式会社内 (72)発明者増子和孝福島県安達郡本宮町字樋ノ口２番地ソニー福島株式会社内 (72)発明者安藤健一郎福島県安達郡本宮町字樋ノ口２番地ソニー福島株式会社内Ｆターム(参考） 3E067 AA22 AB32 AC03 AC15 BA08C BA10B BA15B BA15C BB12C BB14B BB16C BB17C BB25C BC06B BC06C CA18 CA30 EA29 ED08 EE50 FC01 GA11 GA25 3H036 AA09 AB03 AB18 AB25 AC03 AD01 AE13 5H040 AA29 AT01 GG11 GG12 LL01 LL06

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】断熱成型体から成り、電池が配列収容さ
れ上面を開放端とした電池収容用トレーと、該電池収容用トレー内に、上記電池の配列収容部上を覆
って配置される防錆シートと、上記電池が配列収容され、防錆シートが配置された上記
電池収容用トレーを、少なくともその上記開放端とその
周囲の周側面の全外周とに渡って覆うように被覆する断
熱カバーとより成ることを特徴とする電池輸送用梱包装
置。
【請求項２】上記電池が配列収容され上記防錆シート
が配置された複数の上記電池収容用トレーが、共通のパ
レット上に載置され、該パレットの全外周面を含んで上
記断熱カバーが被覆されて成ることを特徴とする請求項
１に記載の電池輸送用梱包装置。
【請求項３】上記電池収容用トレーが梱包フィルムに
よって包まれた状態で上記断熱カバーを被覆することを
特徴とする請求項１に記載の電池輸送用梱包装置。
【請求項４】上記パレットを含んで上記電池収容用ト
レーが梱包フィルムよって包まれた状態で上記断熱カバ
ーを被覆することを特徴とする請求項２に記載の電池輸
送用梱包装置。
【請求項５】上記断熱カバーが、低密度断熱シートと
金属箔とのラミネートシートによる断熱シートより成る
ことを特徴とする請求項１、２、３または４に記載の電
池輸送用梱包装置。
【請求項６】上記低密度断熱シートが発泡ポリオレフ
ィンより成ることを特徴とする請求項５に記載の電池輸
送用梱包装置。
【請求項７】上記金属箔がアルミニウム箔であること
を特徴とする請求項５に記載の電池輸送用梱包装置。